JP3938910B2 - 使用済み衛生用品の処理方法及び処理システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用済み衛生用品、例えば紙オムツ、尿吸収性パッド等の処理に係り、更に詳しくは、使用済み衛生用品を素材に分別して事後の処理を容易にする処理方法及び処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、使い捨て衛生用品、例えば紙オムツ、尿吸収性パッド等(以下、紙オムツ等という)は、極めて利便性が優れていることから急速に普及し始め、その使用量が年々飛躍的に増大し、それに比例して排出量も多くなり、これらの処分が社会的な課題となっている。
【0003】
これらの使い捨て衛生用品、例えば紙オムツ等は、概ねトップシートと、吸収コア及びバックシートとから構成されている。この紙オムツ等には、またウエストギャザー、モレ防止ギャザー、インナーレッグギャザー、アウターレッグギャザー、フロンタルテープ、マジックテープ(登録商標名)等が取り付けられて使い易いようになっている。
【0004】
そして、上記のトップシート、吸収コア及びバックシートは、概ね、以下の材料で作られている。トップシートは、液透過性のある織布、不織布、多孔性フィルム等で、また、バックシートは、液を透過させないポリエチレンフィルム等でそれぞれ作られている。
【0005】
また、吸収コアは、吸水性樹脂で作られている。この吸水性樹脂は、水に接触すると短時間に吸水、膨潤し、水全体をゲル化させ、自重の数十倍から数千倍の水を吸収できる高分子材料からなり、デンプン系、カルボキシメチルセルロース系、ポリアクリル酸系、ポバール系等、例えば、架橋ポリアクリル酸部分中和物、澱粉−アクリロニトリル共重合体の部分加水分解物、澱粉−アクリル酸グラフト共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体の加水分解物、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とアクリル酸の共重合架橋物、カチオン性モノマーの架橋体、架橋イソブチレン−無水マレイン酸共重合体など、多くの種類が知られている。
【0006】
これらの紙オムツ等の処理は、現在は、土壌への埋め立てか或いは焼却炉での焼却によって処分されている。このうち、埋め立てによる処理は、紙オムツ等が主に非分解性のプラスティック材等で作られているので、容易に腐らずそのまま土壌に残留してしまって、紙オムツ等に含まれる物質、ときには有害物質が含まれていることがあり、これらの物質が土壌に漏れ出して滲出水による二次汚染が懸念されている。また、特に首都圏では埋め立て地が不足して、このまま埋め立てが継続できる状況でもない。
【0007】
また、焼却による処理は、大部分が自治体によって一般ゴミとして回収・焼却され、一部が中間処理業者に委託され産業廃棄物として処理されている。しかし、この焼却による処理にも多くの問題が顕在化してきている。その一つがダイオキシンの問題である。ダイオキシンは、炭素分、塩素分を含む物質が低温状態において不完全燃焼する際に発生するとされているが、紙オムツには、炭素分と塩化物の塩を含み、蒸発潜熱が大きく燃え難い水分を多量に含んでいるため焼却炉の温度を下げダイオキシン発生源の一因をなすと指摘されている。また、焼却によって排出される焼却灰の処分にも問題がある。例えば、埋め立てに使用されても、滲出水及び飛散灰によって二次汚染引き起す原因にもなっている。
【0008】
更に、紙オムツ等は、その大部分が自治体によって一般ゴミとして回収・焼却されており、今後、一般ゴミを含め紙オムツ等のゴミが、さらに多量に排出されることが予測されている。このため各自治体は、新たな焼却施設、それも大量のゴミ焼却が可能な新型焼却炉、の導入が急務となっているが、建設・導入費及びランニングコスト等を考慮すると、極めて高額な投資が必要となり、財源不足から計画段階で止まっているケースも多い。
【0009】
今後の動向として、紙オムツ等を大量に排出する病院、老人福祉施設等(以下、施設等という)は、自己の責任で処理することが社会的責務とする方向で検討されており、近い将来実施に移されるものと思われる。しかしながら、これらの施設は、経済的基盤が弱くせいぜい小型焼却炉を設置し、それによる焼却処理が限度であり、このような処理では、ダイオキシン等の環境汚染物資を排出する恐れがあり、そうかと言って、この処理を施設外へ委託しても、紙オムツ等は毎日大量に発生するために、委託費用が高額になって、施設等の財政を圧迫し経営危機に遭遇することにもなりかねない。
【0010】
このような状況から、毎日大量に発生する使用済み紙オムツ等を処理して有用資源として利用するリサイクル方法が提案され実施されているが、特許文献にも幾つか紹介されている。(例えば、特許文献1、2参照)。
【0011】
【特許文献1】
特開平6−79253号(請求項1、図2)
【特許文献2】
特開2003−24918号(請求項1、図1)
【0012】
上記特許文献1に記載されたリサイクル方法は、回収した使用済み衛生用製品を耐圧容器内で所定の圧力の飽和水蒸気により所定時間の間、加熱処理した後、これを瞬時に大気に開放して爆破処理するようにした使用済み衛生用製品のリサイクル方法である。この爆破処理によれば、使用済み衛生用製品が細粉砕されて紙料・繊維材料及びポリマーと水とからなる再生資源が製造されることになる。
【0013】
また、上記特許文献2に記載された処理法は、使用済みの衛生物品を310〜450℃で炭化処理する使用済み衛生用物品の処理法であって、この方法によると、生成した炭化物を消臭剤或いは土壌改良剤、高炉用還元剤、セメント製造用原燃料として使用できるものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1、2に記載された処理法は、何れも使用済み衛生用製品を資源としてリサイクルする方法で極めて有益であるが、その実施には相当額の投資が必要となり、処理コストの高騰を招くことになり、また、これらの方法では大量の処理ができない。
【0015】
一方、使用済み衛生用品を可燃ゴミとして、一般ゴミと一緒に焼却炉で焼却しようとすると、使用済み衛生用品には、多量の水分が含まれ、しかも丸められ団子状になっているので、どうしても燃え残りが発生し、焼却が極めて困難である。例えば紙オムツの場合、団子状になった紙オムツは外周囲だけが燃えて内部にまで火が通らずに燃え残ってしまう、この燃え残りの焼却が如何に難しいかは、日常、紙束等を燃したときにも多くの人が経験していることでもある。
【0016】
したがって、この燃え残りを焼却するには、極めて長い時間を要し、しかし燃焼時間を掛けても完全燃焼できる可能性が少なく、扱いが極めて難しい。その結果、多量に水分を含んだ使用済み衛生用品の焼却が捗らないばかりか、一般ゴミの焼却にも影響を及ぼし、焼却時間が大幅に掛かり作業性が極めて悪く処理費用が高額になってしまい、一方で、焼却炉は過負荷となって焼却炉の寿命が短縮される恐れがある。
【0017】
そこで、本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その発明の目的は、使用済み衛生用品を素材に分別して事後の処理、例えば焼却或いは再資源としての利用等、を安全に且つ低コストで容易にする処理方法及び処理システムを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の構成によって達成できる。すなわち、本発明の使用済み衛生用品の処理方法は、以下の工程からなることを特徴とする。
(イ)使用済み衛生用品を所定の形状に裁断する第1工程、
(ロ)該裁断された砕片から水分を圧搾除去する第2工程、
(ハ)該水分が除去された砕片を篩を用いてシート材とゲル状物質とに分別する第3工程、
(ニ)該分別されたシート材とゲル状物質とをそれぞれの容器に格納する第4工程。
【0019】
そして、前記使用済み衛生用品は、水に接触した際に短時間に吸水、膨潤し、水全体をゲル化させ自重の数十倍から数千倍の水を吸収できる高分子材料を含む衛生用品であってもよい。また、前記第1工程では、使用済み衛生用品を所定幅長の細長細片に裁断することが好ましい。
【0020】
更に、前記第2工程の水分を圧搾除去する工程の前に消毒剤を散布する工程を備えることがより好ましい。また、第3工程は振動篩により行うことが好ましい。
【0021】
本発明は、またこれらの方法で処理された使用済み衛生用品を焼却処分、埋め立て処分、あるいは再利用のための処理を行う最終処分工程を更に含むことを特徴とする。
【0022】
以上の本願発明の処理方法によれば、使用済み衛生用品、例えば紙オムツ等を、シート材とゲル状物質とに簡単に分別することができるようになる。このうち分別されたシート材には、フロントシート及びバックシート、水分を吸収していない吸収コア、各種ギャザー等が含まれ、大部分が水分を取り除かれた状態で分別されているので燃え易い状態になっている。
【0023】
したがって、この燃え易くなったシート材は、特別な焼却炉でなく簡易焼却炉でも焼却可能になるので、これらのシート材は簡易焼却炉で燃やしてもダイオキシン発生のような環境問題を生じることはなく、一般ゴミと一緒に焼却できるようになるので、処分コストが極めて安価になる。また、焼却処分せずに、蒸し焼きして炭化させて燃料等に再利用を図ることもでき、更に分別されているので、他の処理或いは再利用が可能となる。
【0024】
一方、集められたゲル状物質は、化学物資を多く含んでいるので、精製して再利用を図ることも、或いはそのまま埋め立て等で処分することも可能になる。
【0025】
また、本発明の使用済み衛生用品の処理システムは、使用済み衛生用品を所定の形状に裁断する手段、該裁断された砕片から水分を圧搾除去する手段、該水分が除去された砕片を篩を用いてシート材とゲル状物質とに分別する手段、該分別されたシート材とゲル状物質とをそれぞれの容器に収納する手段とを備え、使用済み衛生用品を所定の形状に裁断し、該裁断された砕片から水分を除去した後に、シート材とゲル状物質とに分別して、それぞれ容器に格納するようになされていることを特徴とする。
【0026】
また、本発明の使用済み衛生用品の処理システムは、前記裁断する手段、前記水分を圧搾除去する手段、前記分別する手段、及び前記容器に収納する手段は、外部とほぼ隔離された少なくとも1つの処理室に配設されており、使用済み衛生用品を所定の形状に裁断し、該裁断された砕片から水分を圧搾除去した後に、シート材とゲル状物質とに分別して、それぞれ容器に格納するまでを自動的に行うようになされていることを特徴とする。
【0027】
前記裁断する手段は所定幅長の細長細片に裁断する手段であり、また、前記分別する手段は、振動篩であることが好ましい。
【0028】
この処理システムによると、使用済み衛生用品、例えば紙オムツ等は、簡単に素材に分離分別でき、上記の処理方法と同じ作用・効果を奏する。しかも処理室ではこれらの作業がほぼ自動的に処理できるので、紙オムツに含まれている汚物、臭気等が外部へ漏れることがなく、極めて衛生的に処理できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。この実施の形態では上記の材料で作られた使い捨て紙オムツの使用後の処理方法を説明するが、本発明は、紙オムツに限定されず、素材として、上記の性質、すなわち水に接触した際に短時間に吸水、膨潤し、水全体をゲル化させ自重の数十倍から数千倍の水を吸収できる高分子材料を有する衛生用品にも適用できるものである。この衛生用品には、例えば、生理用品、携帯用トイレ、尿吸収性パッド等がある。
【0030】
この処理方法は、図1に示すように、
1.処理施設等への投入工程、
2.裁断工程、
3.搾り工程、
4.分別工程、
5.分別物の保管工程、
とからなる。
【0031】
1.処理施設への投入工程
施設等から排出された使用済みの紙オムツは、専用コンテナにて処理場へ運搬されて、処理施設の投入口へ投入される。専用コンテナは、ほぼ密閉できるものを使用する。密閉コンテナを使用することにより、病院等の入院患者が使用した紙オムツであっても、衛生面の安全性は確保され、また悪臭等が外へ漏れないようになる。そして、投入口への投入とほぼ同時に消臭剤を散布し消臭することが好ましい。
【0032】
2.裁断工程
投入された紙オムツは、裁断手段により所定幅の細片に裁断される。幅長は、任意の長さでよいが、極端に幅狭であるとゲルと紙片との分別が難しくなるので、幅長は約5cm程度が好ましい。裁断の際ないしはその後に消毒剤としての強酸性電解水を散布して紙オムツ片を殺菌及び脱臭する。
【0033】
紙オムツはトップシート、吸収コア及びバックシート等からなっているが、この裁断により、トップシート及びバックシート等は、細長の帯状片に裁断され、コアの部分は、水分を吸収してゲル状になっているが、このゲル状物質の一部がトップシート及びバックシートから飛び出した状態になる。したがって、裁断された後の紙オムツ片は、その原型が崩壊しシート材とゲル状物質とが混在した混合物となっている。
【0034】
なお、紙オムツには、ウエストギャザー、モレ防止ギャザー、インナーレッグギャザー、アウターレッグギャザー、フロンタルテープ、マジックテープ等が取り付けられているが、これらはシート材と同じように裁断される。
【0035】
3.搾り工程
所定幅長で裁断された紙オムツ片は、圧搾手段で紙オムツ片に含まれている水分を搾りとる。そうすると、紙オムツ片は、ほぼ水分が取られてベトつきがなくなっており、シート材とゲル状物質との分離が容易になっている。
【0036】
4.分別工程
次いで、分別手段でシート材とゲル状物質とを分別する。紙オムツ片は、所定幅の帯状細片からなるシート材とイクラの卵のような小さな粒子からなるゲル状物質とから構成され、それぞれ大きさが異なっている。この大きさの違いを利用して、ゲル状物質の通り抜けができるが、帯状の細片は通り抜けができない分別手段を用いれば簡単にこれらを分別できる。この分別には、任意の分別手段が使用できるが、振動篩が好ましい。
【0037】
5.分別物の保管工程
前記工程で分別されたシート材とゲル物質とは、別々の容器に格納される。これらの容器は、満杯になり次第、別の容器と交換され、或いは他の容器に内容物を移される。満杯の容器等は、それぞれ次工程の処理施設へ運ばれて処分される。
【0038】
この処理方法によれば、使用済み紙オムツは、シート材とゲル状物質とに簡単に分別できる。この分別されたシート材には、フロントシート及びバックシート、水分を吸収していない吸収コア、各種ギャザー等が含まれ、大部分が水分を取り除かれた状態で分別されているので燃え易い状態になっている。
【0039】
したがって、この燃え易くなったシート材は、特別な焼却炉でなく簡易焼却炉でも焼却可能になり、これらのシート材は簡易焼却炉で燃してもダイオキシン発生のような環境問題を生じることはなく、一般ゴミと一緒に焼却できるようになるので、処分コストが極めて安価になる。また、焼却処分するのでなく、蒸し焼きして炭化させて再利用を図ることもできる。更に分別されているので、他の処理或いは再利用が可能となる。
【0040】
一方、集められたゲル状物質は、化学物資を多く含んでいるので、精製して再利用を図ることも、或いはそのまま埋め立て等で処分することも可能になる。
【0041】
また、以下において、上記の処理方法を実現する使用済み衛生用品の処理システムの一具体例を説明する。図2は、この処理システムの断面図、図3は平面図である。
【0042】
使用済み衛生用品の処理システム10は、処理施設等への投入手段20、裁断手段30、圧搾手段40、分別手段50、及び分別物の保管手段60からなり、これらの手段は搬入室110と処理室120内に設置される。これらの室110、120は、隣接し、一つに建屋100の下で構築されていることが好ましく、各室110、120は、可能なかぎり外部とほぼ遮蔽される構造であることが好ましい。
【0043】
搬入室110は、専用コンテナ1で運ばれてきた回収された使用済み紙オムツを処理室120へ投入する室であり、少なくとも1個の専用コンテナ1が収納できる大きさを有している。室床面11aは、幾分高所に設けることが好ましい。この床面11aを高所にすることにより、紙オムツを自重により移送可能になるので事後の紙オムツの処理が容易になる。なお、専用コンテナ1は、蓋体2を有し使用済み紙オムツを密閉して運搬できるようにしたものが使用される。
【0044】
この搬入室110には、投入手段20、消臭装置11b、コンテナ搬入口11cが設置される。投入手段20は、所定の開口を有したホッパー21からなり、このホッパーには、散布器22が付設され使用済み紙オムツの投入とほぼ同時に消臭剤が散布される。
【0045】
処理室120は、使用済み紙オムツを裁断し、素材に分別し、更に容器に保管するところであり、この処理室120には、裁断手段30、圧搾手段40、分別手段50、及び分別物の保管手段60が配設される。なお、裁断手段30、圧搾手段40及び分別手段50はそれぞれ電動モーター57、58及び59により駆動されており、一連の動作が自動的に行われるように制御されている。
【0046】
裁断手段30は、使用済み紙オムツを所定の幅長、例えば5cm程度に裁断するもので、このように裁断できるものであれば如何なる裁断機でもよい。例えば、吹上げカッターを用い、紙オムツを裁断し、裁断した紙オムツ片を吹上げて次工程へ移送できるようにすることが好ましい。また、この裁断機32の付近には、消毒剤を塗布する散布器22を付設して、使用済み紙オムツの裁断時ないしはその後に消毒剤を散布して殺菌乃至脱臭することが好ましい。この消毒剤には、強酸性電解水を用いることが好ましい。
【0047】
圧搾手段40は、裁断された紙オムツ片から水分を搾りとるもので、例えば、一対のローラからなる圧搾機を使用する。この一対のローラの圧力を調節し、ローラ間に紙オムツ片を通過させることにより、水分が搾りとられると共に、紙オムツ片が砕かれる。その際、紙オムツ片は、所定幅の帯状細片からなるシート材とイクラの卵のような小さな粒子からなるゲル状物質になり、それぞれ大きさが異なっている。この大きさの違いを利用して、ゲル状物質の通り抜けができるが、帯状の細片は通り抜けができない分別手段を用いれば簡単にこれらを分別できる。
【0048】
分別手段50は、シート材とゲル状物質とを分別する手段であり、任意の分別手段の使用が可能である。ここでは、所定の開口を備えた篩いを使用する。この篩いは、網目状、格子状、或いは簀(スノコ)状の何れも使用可能である。以下、分別手段に簀状の篩いを使用した例を説明する。
【0049】
この簀状の篩いは、所定幅長の板材を所定の間隔をあけて複数枚平行に配設して構成する。幅長は15mm、間隔は30mmにすることが好ましい。この間隔に設定すると板材間の間隔が15mmとなって、この隙間からゲル状物質が通り抜けることができる。また、この簀状篩いは、所定の角度、例えば30°に傾斜させて配設することが好ましい。この傾斜により、紙オムツ片は、自然落下し、この落下の際に分別されることになる。なお、この自然落下を容易にするために板材の表面にフィルムを貼付すると紙オムツ片が滑り易くなる。
【0050】
更に、分別の作業効率の向上を図るために、振動装置を付設して簀状篩いに所定の振動を与えて分別することが好ましい。この振動は、傾斜された簀状篩いを周期的に水平方向へ移動させる。簀状篩いが周期的に水平方向へ移動されることにより、板材に載置された混合物は篩いの上で跳ねながら落下することになる。この落下により、容易に分別される。
【0051】
分別物の保管手段60は、ゲル状物質を格納する容器61と、シート材を格納する容器62とからなる。この容器61には、分別手段50から落下するゲル状物質がホッパー55で集められて収納される。また、容器62には、シート材がそのまま収納されるが、このシート材には多少水分が含まれているので、メッシュ状をしたカゴが好ましい。なお、処理室120には換気ダクト90及び換気扇91が設けられており、処理室120内の空気を随時交換するようになっている。
【0052】
次に、上記の処理システム10を用い、使用済み紙オムツの処理手順を説明する。使用済みの紙オムツは、専用のコンテナ1に収納されて搬入室110へ搬入される。搬入されたコンテナから使用済みの紙オムツをホッパー20内へ投入する。投入された紙オムツは、散布器22から消臭剤が噴射されて、ローラ31により裁断機32へ移送される。
【0053】
所定の幅長、例えば5cm幅に裁断される。裁断された紙オムツ片は、圧搾機40へ移送され、ここで紙オムツ片に含まれる水分が搾り取られる。この移送途中においても、散布器22から消毒液が噴霧され紙オムツ片が殺菌される。搾られた水分は、ホッパー55で集められて容器61内へ落下する。
【0054】
水分が搾り取られた紙オムツ片は、分別手段50の上に載置され、この分別手段により、シート材とゲル状物質とに分離される。すると、ゲル状物質は、ホッパー55に集められて、容器61に収納される。また、シート材は、カゴ62内へ収納される。収納されたシート材には、幾分水分が含まれているが、この水分は、メッシュ状のカゴから自然落下し容器に貯められる。容器に溜まった水分は、ポンプで容器61へ移される。また、容器61内のゲル状物質は、パイプ72を介して他の容器等へ移送され、処分される。
【0055】
この処理システムによると、使用済み紙オムツは、簡単に素材に分離分別でき、しかも処理室ではこれらの作業がほぼ自動的に処理できるので、紙オムツに含まれている汚物、臭気等が外部へ漏れることがなく、極めて衛生的に処理できる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の処理方法によれば、使用済み衛生用品、例えば紙オムツ等は、シート材とゲル状物質とに簡単に分別できるようになる。
【0057】
分別されたシート材には、フロントシート及びバックシート、水分を吸収していない吸収コア、各種ギャザー等が含まれ、大部分が水分を取り除かれた状態で分別されているので燃え易い状態になっているので、特別な焼却炉でなく簡易焼却炉でも焼却可能になる。また、焼却処分するのでなく、蒸し焼きして炭化させて再利用を図ることもできる。一方、集められたゲル状物質は、化学物資を多く含んでいるので、精製して再利用を図ることも、或いはそのまま埋め立て等で処分することも可能になる。
【0058】
また、本発明の処理システムによると、使用済み衛生用品、例えば紙オムツ等は、簡単に素材に分離分別でき、上記の処理方法と同じ作用・効果を奏する。しかも処理室ではこれらの作業がほぼ自動的に処理できるので、紙オムツに含まれている汚物、臭気等が外部へ漏れることがなく、極めて衛生的に処理できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理方法のフローを説明する図である。
【図2】本発明の処理システムの断面図である。
【図3】本発明の処理システムの平面図である。
【符号の説明】
1 専用コンテナ
20 投入手段
22 散布器
30 裁断手段
32 裁断機
33 送りローラ
40 圧搾手段
50 分別手段
60 容器
100 建家
110 搬入室
120 処理室

Claims (11)

  1. 次の工程からなる使用済み衛生用品の処理方法。
    (イ)使用済み衛生用品を所定の形状に裁断する第1工程、
    (ロ)該裁断された砕片から水分を圧搾除去する第2工程、
    (ハ)該水分が除去された砕片を篩を用いてシート材とゲル状物質とに分別する第3工程、
    (ニ)該分別されたシート材とゲル状物質とをそれぞれの容器に格納する第4工程。
  2. 前記ゲル状物質は、水に接触した際に短時間に吸水、膨潤し、水全体をゲル化させ、自重の数十倍から数千倍の水を吸収できる高分子材料を含むものであることを特徴とする請求項1記載の使用済み衛生用品の処理方法。
  3. 前記第1工程では、使用済み衛生用品を所定幅長の細長細片に裁断することを特徴とする請求項1又は2記載の使用済み衛生用品の処理方法。
  4. 前記水分を圧搾除去する工程の前に、前記裁断された砕片に消毒剤を散布する工程を含むことを特徴とする請求項に記載の使用済み衛生用品の処理方法。
  5. 前記第3工程が振動篩によるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の使用済み衛生用品の処理方法。
  6. 更に、前記分別されたシート材とゲル状物質を焼却処分、埋め立て処分、あるいは再利用のための処理を行う最終処分工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の使用済み衛生用品の処理方法。
  7. 使用済み衛生用品を所定の形状に裁断する手段、
    該裁断された砕片から水分を圧搾除去する手段、
    該水分が除去された砕片を篩を用いてシート材とゲル状物質とに分別する手段、
    該分別されたシート材とゲル状物質とをそれぞれの容器に格納する手段、
    を備え、使用済み衛生用品を所定の形状に裁断し、該裁断された砕片から水分を圧搾除去した後に、シート材とゲル状物質とに分別して、それぞれ容器に格納するようになされていることを特徴とする使用済み衛生用品の処理システム。
  8. 前記裁断する手段、前記水分を圧搾除去する手段、前記分別する手段、及び前記容器に格納する手段は、外部とほぼ隔離された少なくとも1つの処理室に配設されており、使用済み衛生用品を所定の形状に裁断し、該裁断された砕片から水分を圧搾除去した後に、シート材とゲル状物質とに分別して、それぞれ容器に格納するまでを自動的に行うようになされていることを特徴とする請求項に記載の使用済み衛生用品の処理システム。
  9. 前記裁断する手段は、所定幅長の細長細片に裁断するものであることを特徴とする請求項又はに記載の使用済み衛生用品の処理システム。
  10. 前記裁断する手段及び水分を除去する手段の間に更に消毒剤散布手段を有することを特徴とする請求項又はに記載の使用済み衛生用品の処理システム。
  11. 前記分別する手段は、振動篩であることを特徴とする請求項又はに記載の使用済み衛生用品の処理システム。
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