JP3938704B2 - 表面改質繊維材料、表面改質繊維製品並びに低温プラズマを用いた表面改質繊維材料の製造方法および製造装置 - Google Patents

表面改質繊維材料、表面改質繊維製品並びに低温プラズマを用いた表面改質繊維材料の製造方法および製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は表面改質繊維材料、表面改質繊維製品並びに低温プラズマを用いた表面改質繊維材料の製造方法および製造装置に関し、詳しくは、動植物由来の天然の繊維材料または合成繊維を表面改質により高機能化してなる表面改質繊維材料、表面改質繊維製品並びに低温プラズマを用いた表面改質繊維材料の製造方法および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、繊維材料・製品の分野においては、新たな化学繊維材料の開発に加えて、繊維材料自体を改良することにより新たな機能性を付加した、高機能性繊維材料(いわゆるハイテク繊維)の開発が盛んである。例えば、繊維材料自体の吸水性を高めた吸水性繊維や、抗菌性を付加した抗菌性繊維、約700kgの自動車を吊り上げることができる強度を有するスーパー繊維など、これまで製品としての改良により得られてきた機能性をその原材料である繊維材料そのものに付与する技術が種々提案されてきている。
【0003】
一方、最近の自然派志向のブームに伴って、繊維材料に関しても、絹やウールなどを始めとする動植物由来の天然繊維の需要が高まってきている。このような天然繊維についても上述したような各種機能性の付与が可能であれば、合成繊維にはない天然繊維の特性を活かして、従来になく優れた繊維材料を実現することが可能である。
【0004】
しかし、上記のような従来の繊維材料の高性能、高機能化技術は、合成繊維自体の構造等の改良に関するものであり、天然繊維においては適用することができない。そこで、合成繊維はもちろん、天然繊維においても適用可能な繊維材料の高機能化技術として、繊維材料の表面改質技術が提案されている。
【0005】
例えば、低温プラズマを用いた絹(シルク)繊維の表面改質の技術として、四フッ化メタンプラズマにより、絹の風合を損ねることなく絹繊維表面の撥水加工を行う技術が報告されている(奥野温子、静岡大学博士論文、「低温プラズマによる繊維織物の表面改質」、平成9年3月22日)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記技術はプラズマにより絹繊維表面をエッチング化するに過ぎないものであり、繊維材料の本質的な表面改質を行うものとは言えない。即ち、天然繊維を含む繊維材料の高機能化技術、特に天然繊維の表面改質技術については、未だ十分な検討が行われていないのが現状であり、より優れた高機能化繊維材料の提供が求められていた。
【0007】
そこで本発明の目的は、合成繊維並びに動植物由来の天然の繊維材料の表面を機能性材料を用いて改質することにより、繊維材料本来の特性を活かしつつ新たな機能性を付与した、付加価値の高い高機能の表面改質繊維材料、表面改質繊維製品並びに低温プラズマを用いた表面改質繊維材料の製造方法および製造装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述の問題を解決するために鋭意検討した結果、新規な低温プラズマの発生技術を見出し、これを用いることにより、繊維材料、特には絹やウール等の天然繊維およびナイロンやポリウレタン等の合成繊維に対し、その素材の持つ性質や機能をできる限り失わずにその表面にのみ機能性材料を付着させて、付加価値ある優れた表面改質繊維材料、ひいては表面改質繊維製品を創製することができることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、上記課題を解決するために、本発明の表面改質繊維材料は、無電極による外部誘導型のプラズマを反応炉内に一様に発生させる、温度200℃以下の低温プラズマを用いたスパッタリング処理により、繊維材料の表面に、機能性材料として、セラミックス系高機能無機材料、金属材料またはフッ素樹脂若しくはシリコーン樹脂が付着されてなり、前記繊維材料が、繭を原料とする粉体若しくは微小繊維、絹糸、ウール、綿、羽毛、麻、パルプまたは合成繊維であることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の表面改質繊維製品は、上記本発明の表面改質繊維材料を主原料として形成されてなることを特徴とするものである。
【0012】
さらに、本発明の低温プラズマを用いた表面改質繊維材料の製造方法は、無電極による外部誘導型のプラズマを反応炉内に一様に発生させる、温度200℃以下の低温プラズマを用いたスパッタリング処理により、母材としての繊維材料の表面に機能性材料を付着させる表面改質繊維材料の製造方法であって、前記機能性材料として、セラミックス系高機能無機材料、金属材料またはフッ素樹脂若しくはシリコーン樹脂を付着させ、前記繊維材料が、繭を原料とする粉体若しくは微小繊維、絹糸、ウール、綿、羽毛、麻、パルプまたは合成繊維であることを特徴とするものである。
【0014】
本発明によれば、合成繊維のみならず天然繊維についても、機能性材料による高機能化を図ることができ、特には、絹、ウールを始めとする天然繊維をより高付加価値の機能性繊維材料とすることができるため、天然繊維の特性と相まって、従来になく優れた繊維材料、ひいては繊維製品を実現することができる。尚、機能性材料を繊維表面に付着させることにより繊維材料の表面改質を行う繊維材料の高機能化技術については、これまでに、プラズマを媒介としないメッキ法、蒸着法や、プラズマを媒介とするイオンプレーティングおよびスパッタ法のいずれにおいても行われていない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。
本発明の表面改質繊維材料は、低温プラズマを用いたスパッタリング処理により、繊維材料の表面に、機能性材料として、セラミックス系高機能無機材料、金属材料またはフッ素樹脂若しくはシリコーン樹脂が付着されてなるものである。
【0016】
本発明においては、機能性材料を合成繊維のみならず天然の繊維材料に対して化学的に付着させ、表面コーティングを形成しているため、表面改質後の取り扱い時において機能性材料が剥離してしまうという不具合がなく、合成繊維および天然繊維に付与した機能性を長期にわたり保持することが可能である。また、本発明の表面改質繊維材料においては本来の繊維材料としての特性が損なわれることがないため、この表面改質繊維材料は通常の繊維材料と同様に適宜加工することが可能である。従って、本発明の表面改質繊維材料を原料とすることで、その機能性を活かした、高付加価値を有する表面改質繊維製品の実現が可能となる。
【0017】
以下、本発明の具体的内容につき詳細に述べる。
本発明に係る低温プラズマを用いたスパッタリング処理は、例えば、図1に示す本発明の一例の表面改質繊維材料の製造装置において行うことができる。符号1は、母材20を設置する石英管を備えた低温プラズマ反応管炉であり、石英管の外壁には誘導コイルが巻かれ、高周波電源4に接続されて電磁誘導加熱部5が形成されており、助走部には、蒸発源材料21を配置する、高周波電源8に接続された高周波誘導加熱溶融炉7が設けられている。ここで、反応管炉1に用いる石英管は、耐熱性が高く、プラズマに反応せず、かつ、透明であるために内部の様子が観察できるという特徴を有するものである。符号2は反応管炉1内を排気して真空状態にするための排気装置部(真空ポンプ)であり、符号3および6は夫々不活性キャリアガスおよび反応ガスのガス導入部であって、適宜選択して単独で、または混合して、反応管炉内に導入することができる。例えば、不活性キャリアガス3および反応ガス6としては、Arガス、N2ガス、O2ガス、CF4ガス、C22ガスなどを用いる。また、反応管炉1は、有害排気ガスを捕獲するトラップ部としての液体窒素タンク9および中和タンク10を備えている。
【0018】
本発明の表面改質繊維材料においては、上記のような装置において、低温プラズマを用いたスパッタリング処理を施すことにより繊維材料の表面改質が行われている点が重要である。真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリングに代表される従来のPVD法(物理蒸着法)コーティングにおいては、蒸発源となる材料は反応炉内に設置され、いずれも固体が使用されている。これに対し、本発明のスパッタリング処理においては液体の使用も可能である。また、上記PVD法と同様に、CVD法(化学気相蒸着法)として従来から行われているコーティング法では、蒸発源材料としてすでに室温で液体または固体状となっているものを用いる場合には、炉外部において加熱するなどの方策を講じ、一旦ガス化させて、反応炉内へキャリアガスと共に送り込まなければならないという煩わしさからは避けられなかった。これに対して本発明の方法は、原理的には従来のPVD法とCVD法とをミックスしたハイブリッド形ともいえるものであり、蒸発源材料として使用すべきものが室温において液体または固体状となっている場合には、反応炉内での高周波誘導加熱溶融炉にて処理することができ、上述のような難点は生じない。
【0019】
また、従来のPVD法およびCVD法においては、いずれも反応温度(被コーティング物体(母材)基板温度)は一般に500℃以上の高温となるが、本発明における処理は、母材の組成に影響を及ぼさない200℃以下の低温プラズマ雰囲気下で好適に行うことができる。従って、特に、シルク等の天然繊維を母材とする処理においても天然繊維の主成分は破壊されることがなく、天然繊維本来の特性を保持しつつ表面改質を行うことが可能である。本発明における表面改質の処理温度は、母材や機能性材料等の組み合わせにより個々に決定され、好ましくは180〜220℃程度である。
【0020】
母材に損傷を与えないかかる200℃以下の処理温度において機能性材料のスパッタリング処理を行うためには、プラズマの種類、その発生方法およびプラズマ発生出力、蒸発源材料の選択およびその気化方法、母材のプラズマ雰囲気内における設置方法、キャリアガスの有無とキャリアガス流量および反応管炉内圧力、反応時間等を、各母材および機能性材料に対応して適切に選ぶことが重要となる。なお、プラズマ内温度は、石英管の誘導コイルへの通電を行う高周波電源4の出力を調整することにより調節することができる。
【0021】
また、本発明に係る母材の繊維材料の形状、大きさ、直径、長さおよび充填率等は、一定ではなく夫々まちまちである。そこで、本発明においては、低温プラズマ反応管炉1は、各母材の表面が一様にプラズマ雰囲気に露呈されるように、内径および長さを十分確保した円筒状の石英チューブとし、その外周に高周波電源4からの誘導コイルを巻きつけて高周波誘導加熱溶融炉5となして、無電極による外部誘導形のプラズマを反応管炉1内に一様に発生させる方法を採用した。
【0022】
さらに、本発明に係る表面改質においては、母材の分子結合組成(大半の母材は炭素原子と酸素原子とからなる結合分子である)と発生させるプラズマの種類との兼合いが最も重要である。特に、プラズマの種類としては、機能性材料がガス化した、そのガスプラズマが最適である。従って、例えば、炭素原子と酸素原子との結合分子からなる母材表面に二酸化チタン(TiO2)や炭化珪素(SiC)のセラミックス系高機能無機材料層をスパッタリングする場合には、反応ガスとしての酸素ガスを混合すると、母材の持つ酸素原子との結合を阻害し、母材の持つ炭素原子を奪い取ってしまうため、初期の付着が達成されず好ましくない。
【0023】
本発明においては、例えば、各種金属材料を母材表面にコーティングする場合には、その金属材料等を蒸発源材料21として、反応管炉1内の高周波誘導加熱溶融炉7にて蒸発・気化させ、アルゴン等の不活性キャリアガスとの混合雰囲気中でかかる金属材料のプラズマを発生させる表面改質方法を用いる。また、フッ素樹脂コーティングを行う場合には、例えば、反応管炉外から四フッ化メタンガスを反応ガスとして炉内に送り込んで、四フッ化メタンガスプラズマ状態を実現させて付着成膜を行う方法を取ることができる。さらに、シリコーン樹脂コーティングを行う場合には、反応管炉外から塩化メチルガスを反応ガスとして炉内に送り込み、同時に炉内に設けた高周波誘導加熱溶融炉には金属ケイ素を銅の触媒のもとで加熱させ、これらの反応で得られたメチルクロロシランのプラズマ状態下で母材のシリコーン樹脂コーティングが達成される。
【0024】
本発明に係る母材20としては、天然繊維および合成繊維を含むいかなる繊維材料も用いることができるが、特には、本発明は、従来は機能性材料による高機能化がほとんど行われていなかった合成繊維、とりわけ、天然繊維、即ち、動植物由来の天然の繊維材料を母材とした表面改質繊維材料を可能とした点に意義がある。かかる動植物由来の繊維材料としては、例えば、繭を原料とする粉体若しくは微小繊維、絹糸、ウール、綿、麻、パルプまたは羽毛を挙げることができる。ここで、繭を原料とする粉体とは、繭から生糸を引き出すのではなく繭自体をそのまま粉砕することにより得られる、いわばシルクのパウダーをいい、繭を原料とする微小繊維とは、繭の表面に付着している微細なケバ(毛羽)をいう。また、絹糸とは、繭から引き出した状態の1本の絹糸および紡糸した絹糸の双方を含み、特殊な手法により得られる絹糸、例えば、シルクウェーブ(商品名(登録商標)、(株)マペペユニット製)等も含むものである。また、紙製品一般に用いられる繊維原料より得られる繊維材料も本発明に含まれる。
【0025】
機能性材料としては、セラミックス系高機能無機材料、金属材料またはフッ素樹脂若しくはシリコーン樹脂を用いる。金属材料としては、例えば、金、銅、銀、錫、アルミ、白金、チタンおよびそのチタン合金、アルミおよびその合金、アモルファス合金、磁性金属材料、光導電材料、シリコンおよび希土類混入合金等が挙げられる。また、本発明に係るセラミックス系高機能無機材料とは、例えば、炭素や、チタン、アルミ、珪素、ジルコニウム、マグネシウム等の酸化物、窒化物および炭化物をいう。
【0026】
本発明における、母材表面に対しコーティング層として付着させる機能性材料と、このコーティング層を形成するための蒸発源材料、反応ガスおよびキャリアガスの組み合わせは、例えば、下記の表1中に示すとおりである。
【0027】
【表1】
Figure 0003938704
【0028】
上記の表1中に示した代表的な機能性材料の夫々につき、繊維材料に付着させた際の表面改質繊維材料における効果について以下に説明する。
【0029】
例えば、チタン酸化物、即ち酸化チタンは、多くのイオンと化学結合を起こし易く、それ自体で悪臭成分ガス(塩化水素、硫化水素、アンモニア等)を吸着する性能を有する。従って、酸化チタンにて表面処理を行った表面改質繊維材料は、かかる悪臭成分ガスの吸着材として好適に使用することができる。また、酸化チタンは光によって励起され、酸化力をもった正孔を生ずるため、この酸化力は炭疽菌やO−157等の殺菌に利用可能であり、この観点から、例えば、酸化チタン処理された表面改質繊維材料をフィルター形状に加工することにより、表面改質繊維製品としての焼却施設燃焼排ガスのバグフィルターを得ることができる。さらに、カラー電子写真システムや水の光電気分解へも適用可能であり、太陽光などの紫外線を照射することにより光触媒として作用することから、有害な薬品を用いずにダイオキシン類の除去に使用することができる。さらにまた、脱臭用に使用したオゾンの過剰分解用として家庭用冷蔵庫のフィルターとして利用することも可能である。
【0030】
チタン窒化物により表面改質を行った表面改質繊維材料は、光沢感や防水性に優れ、軽量で断熱性が高いため、特に、冬用スポーツウェア素材として好適に利用可能である。
【0031】
アルミ酸化物(アルミナ)を用いた表面改質繊維材料は、例えば、繊維強化金属(FRM)に利用可能であり、軽量で耐熱性に優れ、高強度であることから、航空機機体用や、熱可塑性樹脂における強化複合繊維としても使用することができる。また、宇宙空間で受ける紫外線、電子線、プロトン線または宇宙塵などに対し強いという特性を有することから、宇宙空間における使用にも好適であると考えられ、例えば、宇宙ステーションにおける衣類(宇宙服)や、宇宙ステーションの構造材としてのセラミック繊維強化プラスチック(CFRP)の複合材などとしても有効活用が可能であると考えられる。さらに、セラミックス・フィルターとしての利用も可能である。セラミックス製フィルターに関しては、例えば、これを通過させた空気を大型冷凍庫に送り込むと着霜や着氷現象が発生しないとの報告がなされており、これを用いた空調機が(株)アメフレックより市販されている。従って、アルミ酸化物を用いた表面改質繊維製品としてのフィルターは、空調機用フィルターとして好適に使用できる。
【0032】
アルミ窒化物を用いた表面改質繊維材料は、高熱伝導率、高絶縁性、耐圧電性を有することから、放熱用繊維強化プラスチック(FRP)として好適に使用できる。
【0033】
珪素酸化物を用いた表面改質繊維材料は、耐熱、耐絶縁性、耐水性、化学的安定性などに優れることから、耐熱防火繊維として好適であり、また、FRPとしても使用できる。また、珪素炭化物を用いた表面改質繊維材料は、引っ張り強度が高いことから、ウィスカーを利用したFRPとして利用できる。
【0034】
ジルコニウム酸化物を用いた表面改質繊維材料は、比重、曲げ強度、破壊靭性が高いことから、FRM、繊維強化セラミック(FRC)、フィルター、ガス吸着体、熔融金属濾過材、ゴルフクラブ、活性酸化触媒などの表面改質繊維製品に利用可能である。また、ジルコニウム窒化物を用いた表面改質繊維材料は、耐熱性、耐摩耗性、耐熱衝撃性に優れることから、耐熱防火繊維として使用することができる。さらに、ジルコニウム炭化物を用いた表面改質繊維材料は、高硬度であり、耐摩耗性、高温耐酸化性に優れることから、防弾チョッキ、耐熱防火繊維などの表面改質繊維製品に使用できる。
【0035】
マグネシウム酸化物は代表的な活性金属酸化物であるため、これを用いた表面改質繊維材料は、表面改質繊維製品としての、排煙脱硫用や脱塩酸用のフィルターとして使用可能である。また、マグネシウム窒化物は、軽量で耐摩耗性に優れることから、航空機や自動車用軽量高強度複合材として利用することができる。
【0036】
金、銅、銀、錫、アルミおよび白金を用いた表面改質繊維材料は、主として触媒として利用することができる。特に、白金を用いた表面改質繊維材料は、表面改質繊維製品としての硝酸製造プラントにおける触媒フィルターや、自動車排ガス処理用フィルターとして有用であり、また、工業用化学反応場(水素化反応、酸化反応、脱水素反応、水素化分解反応)において優れた触媒反応適応性を示すことから、これらのフィルターとして特に好適である。その他、装飾インテリア繊維や防弾チョッキ用にも使用することができる。
【0037】
炭素を用いた表面改質繊維材料は、複合コンクリート用炭素繊維材、航空機用強化炭素繊維複合材として利用することができる。
【0038】
チタンおよびチタン合金を用いた表面改質繊維材料は、耐食性および耐熱性が高く、高比強度、非磁性、低密度、低熱伝導性等の特性を有することから、航空機用強化先端複合材(ACM)、海洋開発プラント複合材として利用することができる。また、アルミおよびアルミ合金を用いた表面改質繊維材料は、航空機、自動車用軽量高強度複合材として利用することができる。さらに、アモルファス合金を用いた表面改質繊維材料は、高引っ張り強度、耐食性を有することから、ワイヤー、釣り糸、スポーツ着等に利用することができる。
【0039】
磁性金属材料を用いた表面改質繊維材料はモータ用ボンド磁石素材として利用可能である。また、希土類混入合金の成膜層を用いた表面改質繊維材料は、脱水、脱水素、酸化、重合用触媒、永久磁石材、核燃料ペレット混入材、放射線遮蔽材等として利用することができる。
【0040】
なお、本発明の表面改質繊維製品は、本発明の表面改質繊維材料を主原料として形成されてなるものであればよく、上記に挙げた各種製品の他、一般的な衣料用繊維、他の強化複合材料、排ガス浄化フィルター、吸着・脱臭、殺菌、触媒フィルター、医療機器の滅菌・殺菌フィルター、塗装用エアーガンフィルター、太陽熱利用のための保温・蓄熱材などを挙げることができるが、これらには制限されず、繊維材料の適用の想定し得る幅広い用途の製品を含む広い概念である。
【0041】
これら機能性材料を繊維材料表面に付着させるために用いる本発明に係る低温プラズマ発生方法においては、表面改質に用いる金属材料を、低温プラズマ反応管炉1内の助走部に設けた高周波誘導加熱溶融炉7にて溶融させ、次いで蒸発、気化させて、その気化ガス単独、または、その気化ガスと、必要に応じ反応管炉外から導入する不活性キャリアガスおよび/または反応ガスとの混合にて、ガスプラズマを発生させる。
【0042】
この低温プラズマ発生方法を用いた具体的な表面改質工程の手順としては、例えば、蒸発源材料21としてマグネシウム等の金属材料を用いる場合には、真空状態にした反応管炉1内の電磁誘導加熱部5内に母材20となる繊維材料を配置して、助走部内に設置した高周波誘導加熱溶融炉7にてこの金属材料を溶融させ、金属材料の蒸発・気化を行う。これとともに反応管炉1外から適宜不活性キャリアガス3および/または反応ガス6を反応管炉1内に導入して、気化した金属材料の気化ガスと導入ガスとの混合ガスとからなる雰囲気中で、高周波誘導加熱溶融炉5において混合ガスプラズマを発生させ、繊維材料へのスパッタリング処理を行う。
【0043】
また、本発明に係る低温プラズマ発生方法においては、常温で液体状の金属塩化物を表面改質に用いる場合には、これを高周波誘導加熱溶融炉7にて蒸発、気化させて、その気化ガス単独、または、その気化ガスと、必要に応じ反応管炉外から導入する不活性キャリアガスおよび/または反応ガスとの混合にて、ガスプラズマを発生させることもできる。
【0044】
この場合は、具体的には、常温で液体状の塩化アルミニウム等の金属塩化物を用いて、これを高周波誘導加熱溶融炉7にて溶融させて蒸発・気化させ、その金属塩化物の気化ガスのみによるプラズマを用いてスパッタリング処理を行うか、または、反応ガスを反応管炉1外から不活性キャリアガス3とともに反応管炉1内に導入し、気化ガスと反応ガスとの混合雰囲気中でプラズマを発生させてスパッタリング処理を行う。
【0045】
なお、用いる蒸発源材料21によっては、反応管炉1内を減圧することにより沸点が下がり、室温にて気化ガスとなる場合もある。従って、この場合には高周波誘導加熱溶融炉7への通電は不要である。
【0046】
さらに、本発明においては、表面改質に用いる反応ガスを直接低温プラズマ反応管炉1外から導入して、その反応ガス単独、または、その反応ガスと、必要に応じ反応管炉外から導入する不活性キャリアガスとの混合にて、ガスプラズマを発生させる方法も用いることができる。
【0047】
なお、上記処理に際しては、反応管炉1内を清浄な初期状態に設定するために、反応管炉1の電磁誘導加熱部5内に母材20を、高周波誘導加熱溶融炉7内に蒸発源材料21を、夫々配置した後に、あらかじめ反応管炉1内を排気しておくことが好ましい。この清浄化処理は、例えば、排気装置部(真空ポンプ)2としての油回転ポンプと油拡散ポンプを用いて反応管炉1内の圧力が6×10-6Torr(800Pa)程度になるまで内部の空気を排気して、反応管炉1内部を減圧することにより行うことができ、その後、油回転ポンプのみによる粗引きに切り替えて、表面改質のための手順に移ればよい。
【0048】
また、処理中は、図示するように、排気装置部2の排気ダクト内に、液体窒素や塩化物を中和させるための水酸化カルシウムなどの中和物を充填したトラップ部として、液体窒素タンク9や中和タンク10を設け、真空ポンプを保護すると同時に、真空ポンプから出る排気ガスを必ず室外へ逃がすことが必要となる。
【0049】
本発明に係る低温プラズマを用いたスパッタリング処理により繊維材料表面に付着する機能性材料の厚みは、処理時間にもよるが、好適には約0.1〜0.5μm程度とごく薄いものであるため、この点においても繊維材料の特質を損なうことがない。また、スパッタリングの処理時間や消費電力は、目標とする厚みに応じて適宜設定することができ、特に制限されない。尚、低温プラズマ反応管炉1内の圧力は、好適には、プラズマが安定して発生する0.5〜5.0Torr(67〜670Pa)の範囲とする。
【0050】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
実施例1
表面改質工程
母材の繊維材料20として、絹糸製品であるシルクウェーブ(商品名(登録商標)、(株)マペペユニット製)を用いて、これに対し、機能性材料としてのチタンのコーティングを行った。処理に際しては、蒸発源材料21として四塩化チタンの液体を用い、その気化ガスプラズマによりスパッタリング処理を行った。使用した低温プラズマ反応管炉1は、外径500mm、厚さ5mm、長さ2000mmの石英管を備え、360kHzの高周波電源4および8に接続した。
【0051】
1リットル用のビーカーに四塩化チタンの液体を入れて、これを反応管炉1内の石英管の中央部に置いた。シルクウェーブはビーカーから離れた石英管の上部排気側に、真空ポンプに吸い込まれないようにガラス棒で固定して、四塩化チタンの気化ガスが均一に通過するようにほぼ均一に広げて配置した。
【0052】
真空ポンプ2を作動して石英管内を減圧し、ビーカー内の四塩化チタンの沸点を下げて、室温のまま四塩化チタンを蒸発させ、気化ガスを生じさせた。従って、高周波誘導加熱溶融炉7への通電は行わなかった。石英管炉1内の圧力は約1.0Torr(130Pa)で一定化させた。
【0053】
次に、プラズマ発生用の高周波電源4を作動させ、出力約3kVの電圧をかけることによりプラズマを発生させた。石英管内に均一な青白い放電、すなわち、低温プラズマが発生したことが確認できた。この際のプラズマ内温度は約200℃であった。この状態で10分間保持した後、高周波電源4を切り、処理を終了した。反応管炉1内から取り出したシルクウェーブは幾分淡い黄色を呈しており、処理前の色とは目視にて明らかに異なっていた。
このシルクウェーブ表面のコーティング成分を調べるため、よく水洗いをし、乾燥した試料を作成した。
【0054】
X線光電子分光法(XPS)実験
表面改質後の試料につき、X線光電子分光法によるスペクトル観測を行った。X線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy:XPS)とは、試料固体表面にX線を照射して、光電効果により励起され表面から叩き出される光電子のエネルギーおよび強度を測定することにより、その運動エネルギーを測定し、試料表面の原子内の電子の結合エネルギーを求める方法である。内殻電子の結合エネルギーは結合状態により固有のエネルギーを持つので、スペクトルを観測することにより、固体の組成同定を行うことができる。また、化学結合が異なるとスペクトルピークが数eVシフトするので、この変化した値から化学結合状態を知ることができる。
【0055】
その結果として得られたXPSスペクトルを図2に、また、検出されたコーティング層の組成とその濃度を下記の表2に、夫々示す。図2中の縦軸はスペクトル強度であり、横軸は結合エネルギー(eV)を示す。図示するように、表面改質後の絹糸試料においてはTi2pスペクトルが現れており、絹糸試料表面にTi(チタン)が付着していることが確認できた。また、表2中より、処理後の絹糸試料表面には、O(酸素原子)41.2%、C(炭素原子)42.0%、Ti(チタン原子)7.65%が存在していることが明らかであり、この結果からも絹糸試料の表面にチタンがスパッタされていることが確認できた。
【0056】
【表2】
Figure 0003938704
【0057】
比較のため、図3に、表面改質前の絹糸試料のXPSスペクトルを示す。図示するように、処理前にはチタンのスペクトルは検出されない。また、下記の表3中に、処理前の絹糸試料の組成および濃度を示す。表3より、絹糸試料は主としてC:81.7%、O:15.0%、N:3.3%にて構成されていることがわかる。
【0058】
【表3】
Figure 0003938704
【0059】
また、図4(イ)は表面改質前の絹糸試料の写真であり、図4(ロ)はその1本を顕微鏡で拡大したものである。図4(ロ)の拡大写真より、2本のフィブロインがセリシンで固化されている様子がわかる。これに対し、図5(イ)はプラズマ処理されたシルクウェーブの写真であり、全体がやや淡黄色に変化しているのが見て取れ、その1本を顕微鏡で拡大した図5(ロ)においては、セリシンが除去され、フィブロインの表面には斑点状にチタンが付着している様子が認められる。
【0060】
実施例2
母材の繊維材料20として、絹糸製品であるシルクウェーブ(商品名(登録商標)、(株)マペペユニット製)を用いて、これに対し、実施例1と同様にして機能性材料としてのケイ素のコーティングを行った。処理に際しては、蒸発源材料21として四塩化ケイ素の液体を用い、その気化ガスプラズマによりスパッタリング処理を行った。
【0061】
実施例1と同様にして、表面改質後の試料につき、X線光電子分光法によるスペクトル観測を行った。その結果として得られたXPSスペクトルを図6に、また、検出されたコーティング層の組成とその濃度を下記の表4に、夫々示す。これらの結果より絹糸試料表面にケイ素が付着していることが確認でき、その濃度は15.7%であった。
【0062】
【表4】
Figure 0003938704
【0063】
また、図7は表面改質後のケイ素が付着した絹糸試料の拡大顕微鏡写真であり、図5(ロ)における斑点状のチタン付着と比較すると、滑らかな成膜付着模様が確認できる。
【0064】
実施例3
母材の繊維材料20として、100%の綿糸を用いて、これに対し、実施例1と同様にして機能性材料としてのケイ素のコーティングを行った。処理に際しては、蒸発源材料21として四塩化ケイ素の液体を用い、その気化ガスプラズマによりスパッタリング処理を行った。図8に、表面改質前の綿糸試料のXPSスペクトルを示す。また、下記の表5中に、処理前の綿糸試料の組成と濃度を示す。表5より、綿糸は主としてC:65.4%とO:34.6%にて構成されていることがわかる。
【0065】
【表5】
Figure 0003938704
【0066】
実施例1と同様にして、表面改質後の試料につき、X線光電子分光法によるスペクトル観測を行った。その結果として得られたXPSスペクトルを図9に、また、検出されたコーティング層の組成とその濃度を下記の表6に、夫々示す。これらの結果より綿糸試料表面にケイ素が付着していることが確認でき、その濃度は22.4%であった。
【0067】
【表6】
Figure 0003938704
【0068】
また、図10は表面改質後のケイ素が付着した綿糸試料の拡大顕微鏡写真であり、図7と同様に滑らかな成膜付着模様が確認できた。
【0069】
実施例4
母材の繊維材料20として、100%のナイロン糸を用いて、これに対し、実施例1と同様にして機能性材料としてのケイ素のコーティングを行った。処理に際しては、蒸発源材料21として四塩化ケイ素の液体を用い、その気化ガスプラズマによりスパッタリング処理を行った。図11に、表面改質前のナイロン糸試料のXPSスペクトルを示す。また、下記の表7中に、処理前のナイロン糸試料の組成と濃度を示す。表7より、ナイロン糸は主としてC:74.4%、O:16.6%、Si:7.4%、N:1.7%で構成されていることがわかる。
【0070】
【表7】
Figure 0003938704
【0071】
実施例1と同様にして、表面改質後の試料につき、X線光電子分光法によるスペクトル観測を行った。その結果として得られたXPSスペクトルを図12に、また、検出されたコーティング層の組成とその濃度を下記の表8に、夫々示す。これらの結果より絹糸試料表面にケイ素が付着していることが確認でき、その濃度は14.3%であった。
【0072】
【表8】
Figure 0003938704
【0073】
また、図13は表面改質後のケイ素が付着したナイロン糸試料の拡大顕微鏡写真であり、非常に滑らかな成膜付着模様が確認できた。
【0074】
なお、今回の実施例では、夫々の付着元素のスペクトルピークが化学結合によりわずかにシフトしていた。これらは全て酸素との結合によりシフトしたものと考えられることから、付着元素は夫々酸化物として付着しているものと考えられる。
【0075】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、動植物由来の天然の繊維材料および合成繊維の表面を改質することにより、母材となる繊維の特性を活かしつつ、機能性を付与した付加価値の高い表面改質繊維材料、表面改質繊維製品並びに低温プラズマを用いた表面改質繊維材料の製造方法および製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表面改質繊維材料の製造装置の概要を示す模式図である。
【図2】表面改質後のチタンが付着した絹糸試料のXPSスペクトルである。
【図3】表面改質前の絹糸試料のXPSスペクトルである。
【図4】(イ)は表面改質前の絹糸試料の写真であり、(ロ)はそのうちの1本の拡大顕微鏡写真である。
【図5】(イ)は表面改質後のチタンが付着した絹糸試料の写真であり、(ロ)はそのうちの1本の拡大顕微鏡写真である。
【図6】表面改質後のケイ素が付着した絹糸試料のXPSスペクトルである。
【図7】表面改質後のケイ素が付着した絹糸試料の拡大顕微鏡写真である。
【図8】表面改質前の綿糸試料のXPSスペクトルである。
【図9】表面改質後のケイ素が付着した綿糸試料のXPSスペクトルである。
【図10】表面改質後のケイ素が付着した綿糸試料の拡大顕微鏡写真である。
【図11】表面改質前のナイロン糸試料のXPSスペクトルである。
【図12】表面改質後のケイ素が付着したナイロン糸試料のXPSスペクトルである。
【図13】表面改質後のケイ素が付着したナイロン糸試料の拡大顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 低温プラズマ反応管炉
2 排気装置部(真空ポンプ)
3 不活性キャリアガス導入部
4 高周波電源
5 電磁誘導加熱部
6 反応ガス導入部
7 高周波誘導加熱溶融炉
8 高周波電源
9 液体窒素タンク
10 中和タンク
20 母材
21 蒸発源材料

Claims (3)

  1. 無電極による外部誘導型のプラズマを反応炉内に一様に発生させる、温度200℃以下の低温プラズマを用いたスパッタリング処理により、繊維材料の表面に、機能性材料として、セラミックス系高機能無機材料、金属材料またはフッ素樹脂若しくはシリコーン樹脂が付着されてなり、前記繊維材料が、繭を原料とする粉体若しくは微小繊維、絹糸、ウール、綿、羽毛、麻、パルプまたは合成繊維であることを特徴とする表面改質繊維材料。
  2. 請求項1記載の表面改質繊維材料を主原料として形成されてなることを特徴とする表面改質繊維製品。
  3. 無電極による外部誘導型のプラズマを反応炉内に一様に発生させる、温度200℃以下の低温プラズマを用いたスパッタリング処理により、母材としての繊維材料の表面に機能性材料を付着させる表面改質繊維材料の製造方法であって、前記機能性材料として、セラミックス系高機能無機材料、金属材料またはフッ素樹脂若しくはシリコーン樹脂を付着させ、前記繊維材料が、繭を原料とする粉体若しくは微小繊維、絹糸、ウール、綿、羽毛、麻、パルプまたは合成繊維であることを特徴とする低温プラズマを用いた表面改質繊維材料の製造方法。
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