JP3938003B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素と酸素との化学反応により電気エネルギーを発生させる燃料電池を備える燃料電池システムに関するもので、車両、船舶及びポータブル発電機等の移動体に適用して有効である。
【0002】
【従来の技術】
高分子電解質膜を有する燃料電池では、電解質膜が乾燥すると膜抵抗が増大して出力が低下するため、外部加湿器により加湿を行って電解質膜に水分を保持させるようにしている。
【0003】
一方、燃料電池に酸化ガスを供給する空気ポンプは電動モータにて駆動され、燃料電池の起動時には、蓄電池から電動モータに電力が供給され、燃料電池の起動後には、燃料電池から電動モータに電力が供給されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、氷点下において燃料電池システムを起動する場合、外部加湿器が凍結しているため外部加湿器によって加湿を行うことは困難である。
【0005】
そこで、本発明は、外部加湿器によって加湿を行うことが困難な環境下においても燃料電池内の水分保持を可能にすることを第1の目的とする。
【0006】
また、本発明は燃料電池に供給される酸化ガスあるいは燃料ガスの圧力を高くすることによって第1の目的を達成するものであるが、燃料電池にガスを供給するためのガス供給手段が電動式の場合、ガス供給手段の使用電力はガス圧力が高くなるほど増加し、燃料電池の起動時の電力供給源である電力貯蔵手段への負荷が増加してしまうという新たな問題が生じてしまう。
【0007】
そこで、本発明は、第1の目的を達成しつつ、燃料電池の起動時における電力貯蔵手段への負荷を小さくすることを第2の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、酸素を主成分とする酸化ガスと水素を主成分とする燃料ガスとを電気化学反応させて電気エネルギーを発生させる燃料電池(10)と、燃料電池(10)に供給される酸化ガスあるいは燃料ガスの少なくとも一方のガス供給量を制御すると共に、燃料電池から供給される電力によって作動するガス供給手段(31、41)と、燃料電池(10)に供給される酸化ガスが通過する酸素経路(30)内あるいは燃料ガスが通過する燃料経路(40)内の少なくとも一方のガス圧力を制御するガス圧力制御手段(32、42)とを備える燃料電池システムにおいて、燃料電池(10)の出力がガス供給手段(31、41)の必要電力と略等しくなるようにガス供給量を制御可能な範囲で、ガス圧力制御することを特徴とする。
【0009】
これによると、ガス圧力を高めることにより、燃料電池自身の生成水の蒸発を抑制して、蒸気となって外部に出ていく水分量を減少させることができる。従って、外部加湿器によって加湿を行うことが困難な環境下においても燃料電池内の水分保持が可能になり、電解質膜の乾燥による出力低下を防止することができる。
【0012】
請求項に記載の発明では、燃料電池(10)の起動後には、ガス供給量を、ガス供給手段(31、41)の必要電力分を燃料電池(10)に出力させるために必要な最少限の量に制御すると共に、ガス供給量を最少限の量に制御可能な範囲でガス圧力制御することを特徴とする。
【0013】
これによると、ガス供給量を必要最少限にしているため、燃料電池内の水分が供給ガスによって外部に排出されるのを抑制できると共に、ガス圧力を高圧に制御しているため、燃料電池自身の生成水の蒸発を抑制できる。従って、それらが相俟って、外部加湿器によって加湿を行うことが困難な環境下においても燃料電池内の水分保持が確実に可能になり、電解質膜の乾燥による出力低下を確実に防止することができる。
【0014】
請求項に記載の発明では、燃料電池(10)と熱交換する熱媒体を循環させる熱媒体循環手段(51a)を備え、熱媒体循環手段(51a)は、燃料電池(10)から電力が供給されて作動するものであることを特徴とする。
【0015】
これによると、熱媒体循環手段の必要電力分、燃料電池の出力を増加させることになるため、燃料電池の発熱量が増加して、燃料電池の暖機が促進される。
【0016】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る燃料電池システムの全体構成を示す図で、この燃料電池システムは、例えば燃料電池を電源として走行する電気自動車に適用される。
【0018】
図1に示すように、本実施形態の燃料電池システムは、水素と酸素との電気化学反応を利用して電力を発生する燃料電池10を備えている。本実施形態では燃料電池10として固体高分子電解質型燃料電池を用いており、基本単位となる燃料電池セル101が複数個積層され、且つ電気的に直列接続されている。各セル101は、電解質膜が一対の電極で挟まれた構成となっている。そして、燃料電池10では、水素および空気(酸素)が供給されることにより、以下の水素と酸素の電気化学反応が起こり電気エネルギーが発生する。
【0019】
(燃料極側)H2→2H++2e-
(空気極側)2H++1/2O2+2e-→H2
この燃料電池10で発生した電気エネルギーは、電気負荷(図示せず)や充放電可能な蓄電池20等の電気機器に供給される。因みに、電気自動車の場合、車両走行用の電動モータが電気負荷の1つに相当する。また、蓄電池20は、燃料電池10から供給された電気エネルギーを蓄えると共に、蓄えた電気エネルギーを各種の電気負荷に供給するものであり、本発明の電力貯蔵手段に相当する。
【0020】
燃料電池10と蓄電池20との間には、電圧変換を行う電力変換手段に相当するDC/DCコンバータ11と、燃料電池10の電圧を検出する電圧検出手段に相当する電圧センサ12と、燃料電池10の電流を検出する電流センサ13を備えている。
【0021】
燃料電池システムには、燃料電池10の空気極(正極)側に空気(酸素)を供給するための酸素経路30と、燃料電池10の燃料極(負極)側に水素を供給するための燃料経路40が設けられている。酸素経路30は燃料電池10内部において空気が通過する部位を含み、燃料経路40は燃料電池10内部において水素が通過する部位を含む。そして、上記した電気化学反応により生成水が発生し、このため、燃料電池10内部における酸素経路30および燃料経路40には水分が存在することとなる。なお、空気は本発明の酸化ガスに相当し、水素は本発明の燃料ガスに相当する。
【0022】
酸素経路30の最上流部には、大気中から吸入した空気を燃料電池10に圧送するための空気ポンプ31が設けられており、その回転数を変動させることで空気供給量(酸素供給量)を調整することができる。この空気ポンプ31は、電動モータ(図示せず)にて駆動され、燃料電池10の起動時には、蓄電池20から電動モータに電力が供給され、燃料電池10の起動後には、燃料電池10から電動モータに電力が供給されるようになっている。なお、空気ポンプ31は本発明のガス供給手段に相当する。
【0023】
酸素経路30における燃料電池10の下流側には、燃料電池10に供給される空気の圧力、換言すると酸素経路30内の空気の圧力を調整するための空気調圧弁32が設けられている。因みに、供給空気は空気ポンプ31にて加圧されるので、空気調圧弁32の開度を小さくすることで酸素経路30内の空気圧を高くすることができ、開度を大きくすることで空気圧を低くすることができる。なお、空気調圧弁32は本発明のガス圧力制御手段に相当する。
【0024】
燃料経路40の最上流部には、水素貯蔵部(図示せず)内の水素を燃料電池10に圧送するための水素ポンプ41が設けられており、その回転数を変動させることで水素供給量を調整することができる。この水素ポンプ41は、電動モータ(図示せず)にて駆動され、燃料電池10の起動時には、蓄電池20から電動モータに電力が供給され、燃料電池10の起動後には、燃料電池10から電動モータに電力が供給されるようになっている。因みに、水素貯蔵部としては、例えば改質反応により水素を生成する改質装置、あるいは水素吸蔵合金等の水素貯蔵材を内蔵して純水素を貯蔵する水素タンクを用いることができる。なお、水素ポンプ41は本発明のガス供給手段に相当する。
【0025】
燃料経路40における燃料電池10の下流側には、燃料電池10に供給される水素の圧力、換言すると燃料経路40内の水素の圧力を調整するための水素調圧弁42が設けられている。因みに、供給水素は水素ポンプ41にて加圧されるので、水素調圧弁42の開度を小さくすることで燃料経路40内の水素圧を高くすることができ、開度を大きくすることで水素圧を低くすることができる。なお、水素調圧弁42は本発明のガス圧力制御手段に相当する。
【0026】
制御部(ECU)60は、CPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータとその周辺回路にて構成されている。そして、制御部60は、各センサ12、13からの信号に基づいて演算を行い、その演算結果に基づいて、DC/DCコンバータ11、空気ポンプ31、空気調圧弁32、水素ポンプ41、および水素調圧弁42に制御信号を出力する。
【0027】
次に、本第1実施形態の燃料電池システムの作動について、図2〜図4に基づいて説明する。図2〜図4は、制御部60にて実行される制御のうちの一部について、その手順を示すフローチャートである。
【0028】
まず、燃料電池10の起動時には、燃料電池10の温度Tfcを検出し(ステップS100)、燃料電池10の温度Tfcが第1設定温度Tlow未満であるか否かを判定し(ステップS101)、その判定結果に応じて、目標とする燃料電池10の動作電圧Vfcを、第1設定電圧V1若しくは第2設定電圧V2(但し、V1>V2)のいずれかに設定する(ステップS102、ステップS103)。ここで、第1設定温度Tlowを0℃とすることにより、氷点下環境下での出力性能が低い状態において動作電圧Vfcが高く設定される。
【0029】
次に、この動作電圧Vfcに対する燃料電池10の電流Ifcおよび電力Wfcを推定する(ステップS104)。次に、推定した燃料電池10の電流Ifcに対して必要な燃料ガス供給量Qhおよび酸化ガス供給量Qairを、燃料電池10の電流Ifcに基づいて決定する(ステップS105)。ここでは、一般的に理論計算式から必要なガス供給量を算出するが、このガス供給量に所定の過剰率を設けてもよい。
【0030】
次に、目標とする燃料経路40内での燃料ガスの圧力Phを決定する(ステップS106)。ここでは、初期設定圧力P1に設定する。次に、決定した燃料ガス供給量Qhおよび燃料ガス圧力Phから、燃料ガス供給のための補機(本例では水素ポンプ41)の駆動に必要な電力Whを算出する(ステップS107)。
【0031】
次に、目標とする酸素経路30内での酸化ガスの圧力Pairを決定する(ステップS108)。ここでは、初期設定圧力P1に設定する。次に、決定した酸化ガス供給量Qairおよび酸化ガス圧力Pairから、酸化ガス供給のための補機(本例では空気ポンプ31)の駆動に必要な電力Wairを算出する(ステップS109)。
【0032】
次に、燃料電池10の推定電力Wfcから、燃料ガス供給補機の必要電力Whおよび酸化ガス供給補機の必要電力Wairを減算して、電力差ΔWを算出する(ステップS110)。
【0033】
次に、電力差ΔWの絶対値が設定電力差Wdif以上であれば(ステップS111がNO)、電力差ΔWに基づいて酸化ガス圧力Pairを補正する(ステップS112)。具体的には、電力差ΔWが正の値であるときは、酸化ガス供給補機の必要電力Wairを増加させるために酸化ガス圧力Pairを上昇させ、一方、電力差ΔWが負の値であるときは、酸化ガス供給補機の必要電力Wairを減少させるために酸化ガス圧力Pairを低下させる。
【0034】
ここで、実際の酸化ガス供給量は、空気ポンプ31への供給電力や、酸素経路30内での酸化ガスの圧力によって変化する。従って、空気ポンプ31への供給電力がある範囲に制限されている状態で、酸化ガス供給量を目標とする量に制御するには、酸素経路30内での酸化ガスの圧力を所定の範囲の圧力(Pmin〜Pmax)に制御する必要がある。以下、本実施形態では、酸化ガス供給量を目標とする量に制御可能な酸化ガスの圧力範囲のうち、最低圧力をガス最低圧力Pmin、最高圧力をガス最高圧力Pmaxという。
【0035】
そして、ステップS112で算出した酸化ガス圧力Pairがガス最低圧力Pminと等しくない場合は(ステップS113がNO)、ステップS109〜ステップS113の処理を繰り返す。これにより、燃料電池10の起動時には、酸化ガス供給量Qairを燃料電池10の起動に必要な量に制御可能な範囲で、酸化ガス圧力Pairを低圧に制御する。
【0036】
次に、電力差ΔWの絶対値が設定電力差Wdif未満になった場合(ステップS111がYES)、あるいは、ステップS112で算出した酸化ガス圧力Pairがガス最低圧力Pminと等しくなった場合は(ステップS113がYES)、燃料ガス供給量Qhから燃料ガス供給補機制御量Xqhを算出し、酸化ガス供給量Qairから酸化ガス供給補機制御量Xqairを算出する(ステップS114)。具体的には、燃料ガス供給補機制御量Xqhとして水素ポンプ41の回転数を算出し、酸化ガス供給補機制御量Xqairとして空気ポンプ31の回転数を算出する。
【0037】
次に、燃料ガス圧力Phと燃料ガス供給量Qhとに基づいて燃料ガス圧力調整量Xphを算出し、酸化ガス圧力Pairと酸化ガス供給量Qairとに基づいて酸化ガス圧力調整量Xpairを算出する(ステップS115)。具体的には、燃料ガス圧力調整量Xphとして水素調圧弁42の開度を算出し、酸化ガス圧力調整量Xpairとして空気調圧弁32の開度を算出する。
【0038】
次に、燃料電池10の動作電圧Vfcから動作電圧制御量Xvを算出する(ステップS116)。動作電圧制御量Xvは、具体的には、各ポンプ31、41や各調圧弁32、42への印加電圧を所定電圧に制御するための、DC/DCコンバータ11の制御量である。
【0039】
次に、ステップS114〜ステップS116で算出した各制御量を出力し、各ポンプ31、41、各調圧弁32、42およびDC/DCコンバータ11を作動させる(ステップS117)。
【0040】
次に、燃料電池10の実電圧Vdetを電圧センサ12で検出すると共に、燃料電池10の実電流Idetを電流センサ13で検出し(ステップS118)、実電圧Vdetと実電流Idetとに基づいて燃料電池10の実電力Wdetを算出する(ステップS119)。
【0041】
次に、この実電力Wdetと推定電力Wfcとの差の絶対値が設定電力差Wdif以上であれば(ステップS120がNO)、実電力Wdetと推定電力Wfcとにずれがあると判断し、実電力Wdetおよび実電流Idetを初期条件として再設定した上で(ステップS121)、実電力Wdetと推定電力Wfcとの差の絶対値が設定電力差Wdif未満になるまで(ステップS120がYES)、ステップS118〜ステップS132の処理を繰り返す。
【0042】
すなわち、再設定した電流Ifcに基づいて燃料ガス供給量Qhおよび酸化ガス供給量Qairを決定し(ステップS122)、燃料ガス供給量Qhおよび燃料ガス圧力Phから、燃料ガス供給のための補機の駆動に必要な電力Whを算出し(ステップS123)、酸化ガス供給量Qairおよび酸化ガス圧力Pairから、酸化ガス供給のための補機の駆動に必要な電力Wairを算出する(ステップS124)。
【0043】
次に、燃料電池10の推定電力Wfcから、燃料ガス供給補機の必要電力Whおよび酸化ガス供給補機の必要電力Wairを減算して、電力差ΔWを算出する(ステップS125)。
【0044】
次に、電力差ΔWの絶対値が設定電力差Wdif以上であれば(ステップS126がNO)、電力差ΔWに基づいて酸化ガス圧力Pairを補正する(ステップS127)。具体的には、電力差ΔWが正の値であるときは、酸化ガス供給補機の必要電力Wairを増加させるために酸化ガス圧力Pairを上昇させ、一方、電力差ΔWが負の値であるときは、酸化ガス供給補機の必要電力Wairを減少させるために酸化ガス圧力Pairを低下させる。
【0045】
そして、ステップS127で算出した酸化ガス圧力Pairがガス最高圧力Pmaxと等しくない場合は(ステップS128がNO)、ステップS124〜ステップS128の処理を繰り返す。これにより、燃料電池10の起動後には、燃料電池10の出力が各ポンプ31、41の駆動に必要な電力と略等しくなるように、酸化ガス供給量Qairを制御可能な範囲で、酸化ガス圧力Pairを高圧に制御する。
【0046】
次に、電力差ΔWの絶対値が設定電力差Wdif未満になった場合(ステップS126がYES)、あるいは、ステップS127で算出した酸化ガス圧力Pairがガス最高圧力Pmaxと等しくなった場合は(ステップS128がYES)、燃料ガス供給量Qhから燃料ガス供給補機制御量Xqhを算出し、酸化ガス供給量Qairから酸化ガス供給補機制御量Xqairを算出し(ステップS129)、燃料ガス圧力Phと燃料ガス供給量Qhとに基づいて燃料ガス圧力調整量Xphを算出し、酸化ガス圧力Pairと酸化ガス供給量Qairとに基づいて酸化ガス圧力調整量Xpairを算出する(ステップS130)。
【0047】
次に、燃料電池10の動作電圧Vfcから動作電圧制御量Xvを算出し(ステップS131)、ステップS129〜ステップS131で算出した各制御量を出力し、各ポンプ31、41、各調圧弁32、42およびDC/DCコンバータ11を作動させる(ステップS132)。
【0048】
次に、上記したステップS118〜ステップS132の処理によりステップS120がYESになると、燃料電池10の温度Tfcを検出し(ステップS133)、燃料電池10の温度Tfcが第2設定温度Thigh(但し、Thigh>Tlow)を超えていれば(ステップS134がYES)、燃料電池10の暖機完了とみなして通常運転モードに移行する(ステップS135)。
【0049】
本実施形態によると、燃料電池10の出力が、燃料電池10の自立運転に必要となる空気ポンプ31および水素ポンプ41の電力と等しくなるようにできるため、特別な補助電源に依存することなく、起動直後からの自立運転が可能となる。
【0050】
また、燃料電池10の起動時には、酸化ガス供給量Qairを燃料電池10の起動に必要な量に制御可能な範囲で、酸化ガス圧力Pairを低圧に制御しているため、燃料電池10の起動時における蓄電池20への負荷を小さくすることができる。
【0051】
また、燃料電池10の起動後には、燃料電池10の出力が各ポンプ31、41の駆動に必要な電力と略等しくなるように、酸化ガス供給量Qairを制御可能な範囲で、酸化ガス圧力Pairを高圧に制御しているため、燃料電池自身の生成水の蒸発を抑制して、蒸気となって外部に出ていく水分量を減少させることができる。従って、外部加湿器によって加湿を行うことが困難な環境下においても燃料電池10内の水分保持が可能になり、電解質膜の乾燥による出力低下を防止することができる。
【0052】
また、各ポンプ31、41の駆動に必要な電力分を燃料電池10に出力させるために必要な最低限の量に、燃料ガス供給量Qhおよび酸化ガス供給量Qairを制御することができるため、燃料電池内の水分が供給ガスによって外部に排出されるのを抑制できる。
【0053】
なお、本実施形態では、燃料ガス供給手段として水素ポンプ41を用いたが、燃料ガス供給手段として、水素ポンプ41の代わりに、燃料電池10に供給される水素ガスの圧力を一定圧に調整するレギュレータを用いてもよい。この場合、図2〜図4のフローチャートにおいて、燃料ガス供給補機の必要電力Wh=0にすると共に、燃料ガス供給量Qhを決定するステップを省略することができる。
【0054】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図5〜図7に基づいて説明する。本実施形態は、上記第1実施形態と比較して、燃料電池10を加熱・冷却する加熱冷却システムを設けた点が相違する。なお、上記第1実施形態と同一若しくは均等部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0055】
図5に示すように、加熱冷却システムは、冷却水を燃料電池10に循環させるための熱媒体循環経路50、熱媒体循環経路50内で冷却水を循環させる熱媒体循環手段に相当する循環ポンプ51、冷却水を加熱するための加熱手段に相当するヒータ52、冷却水を冷却するための冷却手段に相当するラジエータ53、冷却水の温度を検出して燃料電池10の温度を間接的に検出する温度検出手段に相当する温度センサ54を備えている。
【0056】
熱媒体循環経路50を循環する冷却水は、燃料電池10を構成する各セル101を通過するように構成されている。循環ポンプ51は、図示しない電動モータにて駆動され、燃料電池10から電力が供給されて作動する。ヒータ52としては、例えば電気ヒータ、燃焼式ヒータ等を用いることができる。冷却水としては、一般的な不凍液冷却水を用いることができる。
【0057】
そして、低温起動時においては、ヒータ52にて加熱した冷却水を循環させることにより、燃料電池10の暖機を促進する。暖機完了後は、ラジエータ53にて冷却した冷却水を循環させることにより、燃料電池10の温度を一定温度(例えば80℃程度)に維持して、高い発電効率を得るようにしている。
【0058】
図6および図7は、制御部60にて実行される制御の手順を示すフローチャートである。第1実施形態に比較して、ステップS200、S201、S210、およびS211を追加し、ステップS110およびS125をステップS110aおよびS125aに変更している。
【0059】
まず、ステップS100〜S105(図2参照)、ステップS106、およびステップS107に続いて、熱媒体循環経路50内での冷却水の循環量Qcを決定し(ステップS200)、循環量Qcから、熱媒体循環補機(本例では循環ポンプ51)の駆動に必要な電力Wcを算出する(ステップS201)。ステップS110aでは、燃料電池10の推定電力Wfcから、燃料ガス供給補機の必要電力Wh、酸化ガス供給補機の必要電力Wair、および熱媒体循環補機の必要電力Wcを減算して、電力差ΔWを算出する。そして、ステップS111およびS112では、この電力差ΔWに基づいて演算処理を行う。
【0060】
また、ステップS123に続いて、熱媒体循環経路50内での冷却水の循環量Qcを決定し(ステップS210)、循環量Qcから、熱媒体循環補機の駆動に必要な電力Wcを算出する(ステップS211)。ステップS125aでは、燃料電池10の推定電力Wfcから、燃料ガス供給補機の必要電力Wh、酸化ガス供給補機の必要電力Wair、および熱媒体循環補機の必要電力Wcを減算して、電力差ΔWを算出する。そして、ステップS126およびS127では、この電力差ΔWに基づいて演算処理を行う。
【0061】
本実施形態によると、循環ポンプ51の必要電力分、燃料電池10の出力を増加させることになるため、燃料電池10の発熱量が増加して、燃料電池10の暖機が促進される。
【0062】
なお、本実施形態では、温度センサ54を熱媒体循環経路50中に設けたが、温度センサ54は、燃料電池10内に設けてもよい。この場合、燃料電池10内において温度が最も低くなると予測される部分、例えば、外部の加熱源から最も離れた部分に設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る燃料電池システムの全体構成を示す図である。
【図2】第1実施形態の制御の手順を示すフローチャートである。
【図3】第1実施形態の制御の手順を示すフローチャートである。
【図4】第1実施形態の制御の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施形態に係る燃料電池システムの全体構成を示す図である。
【図6】第2実施形態の制御の手順を示すフローチャートである。
【図7】第2実施形態の制御の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…燃料電池、30…酸素経路、31…空気ポンプ(ガス供給手段)、
32…空気調圧弁(ガス圧力制御手段)、40…燃料経路、
41…水素ポンプ(ガス供給手段)、
42…水素調圧弁(ガス圧力制御手段)。

Claims (3)

  1. 酸素を主成分とする酸化ガスと水素を主成分とする燃料ガスとを電気化学反応させて電気エネルギーを発生させる燃料電池(10)と、
    前記燃料電池(10)に供給される前記酸化ガスあるいは前記燃料ガスの少なくとも一方のガス供給量を制御すると共に、前記燃料電池から供給される電力によって作動するガス供給手段(31、41)と、
    前記燃料電池(10)に供給される前記酸化ガスが通過する酸素経路(30)内あるいは前記燃料ガスが通過する燃料経路(40)内の少なくとも一方のガス圧力を制御するガス圧力制御手段(32、42)とを備える燃料電池システムにおいて、
    前記燃料電池(10)の出力が前記ガス供給手段(31、41)の必要電力と略等しくなるように前記ガス供給量を制御可能な範囲で、前記ガス圧力制御することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池(10)の起動後には、前記ガス供給量を、前記ガス供給手段(31、41)の必要電力分を前記燃料電池(10)に出力させるために必要な最少限の量に制御すると共に、前記ガス供給量を前記最少限の量に制御可能な範囲で前記ガス圧力制御することを特徴とする請求項に記載の燃料電池システム。
  3. 前記燃料電池(10)と熱交換する熱媒体を循環させる熱媒体循環手段(51a)を備え、前記熱媒体循環手段(51a)は、前記燃料電池(10)から電力が供給されて作動するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池システム。
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