JP3937844B2 - マグネットスイッチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばエンジンを始動するためのスタータなどに用いられるマグネットスイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
マグネットスイッチは、電磁コイルの磁力により電気回路を導通または遮断する装置である。図10に従来のマグネットスイッチ100の接点付近の拡大図を示す。図に示すように、マグネットスイッチ100は、第一固定接点部材101と第二固定接点部材102と可動接点部材103とを備えている。このうち第一固定接点部材101は第一固定接点104を備えている。また、第一固定接点部材101と同様に、第二固定接点部材102は第二固定接点106を備えている。可動接点部材103は、第一固定接点部材101と第二固定接点部材102との間に介装されている。可動接点部材103は、第一可動接点107と第二可動接点108とコイルスプリング109とを備えている。可動接点部材103は、インシュレータ105に固定されている。第一可動接点107は第一固定接点104と対向している。また、第二可動接点108は第二固定接点106と対向している。なお第一可動接点107と第二可動接点108とは電気的に接続されている。またコイルスプリング109は、両可動接点を両固定接点方向に付勢している。
【0003】
電磁コイル(図略)に電流が流れると、図中矢印で示すように、磁力によりインシュレータ105とともに可動接点部材103が吸引される。そして、第一可動接点107が第一固定接点104に当接する。また、第一可動接点107と同様に、第二可動接点108が第二固定接点106に当接する。このようにして、第一固定接点104と第二固定接点106とが、第一可動接点107および第二可動接点108を介して、導通する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のマグネットスイッチ100にはコイルスプリング109が一つしか配置されていなかった。したがって、可動接点が固定接点に当接する際の反力によりコイルスプリング109が収縮し、可動接点が固定接点から跳ね返るおそれがあった。可動接点が固定接点から跳ね返ると、離間した両接点の間にアーク放電が発生しスイッチングの応答性が低下するおそれがある。また可動接点の跳ね返り回数が多いと、両接点の当接部位が荒れやすくなる。このため両接点の劣化が速くなる。
【0005】
本発明のマグネットスイッチは、上記課題に鑑みて完成されたものである。したがって本発明は可動接点の固定接点に対する跳ね返りを抑制できるマグネットスイッチを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)上記課題を解決するため、本発明のマグネットスイッチは、ケーシングと、ケーシング内に固定され固定接点を持つ固定接点部材と、ケーシング内に固定された電磁コイルと、ケーシング内において電磁コイルの磁力により往復動するプランジャと、ケーシング内において、プランジャと一体的に往復動することにより固定接点に接離可能な可動接点と、可動接点を固定接点方向に付勢する第一コイルスプリングと、を持つ可動接点部材と、を備えてなるマグネットスイッチであって、可動接点部材は、可動接点が固定接点に当接する際に跳ね返るのを抑制するため、第一コイルスプリングと直列的に配置されかつ第一コイルスプリングよりもばね力の小さい第二コイルスプリング、及び第一コイルスプリングと第二コイルスプリングとの間に介在し第二コイルスプリングの伸縮幅を制限するストッパーを持つことを特徴とする。
【0007】
つまり本発明のマグネットスイッチは、可動接点部材に、可動接点を固定接点方向に付勢する付勢部としての第一コイルスプリングと、可動接点が固定接点に当接する際に跳ね返るのを抑制する反跳抑制部としての第二コイルスプリングとを直列的に配置するものである。そして第二コイルスプリングのばね力を、第一コイルスプリングのばね力よりも小さく設定するものである。可動接点が固定接点と当接する場合、つまりスイッチが閉じる場合は、まず電磁コイルの磁力によりプランジャとともに可動接点が固定接点方向に移動する。このとき第一コイルスプリングは可動接点を固定接点方向に付勢する。そして可動接点が固定接点に当接する。可動接点が当接すると、当接の際に発生する反力により、可動接点は固定接点から跳ね返ろうとする。第二コイルスプリングは、収縮と伸長とを繰り返すことにより、この反力エネルギを吸収する。そして可動接点の固定接点からの跳ね返りを抑制する。
コイルスプリングは巻回ピッチなどを変えることにより、容易にばね力を調整することができる。したがって本構成のマグネットスイッチは、第一コイルスプリング(以下、付勢部と称す)および第二コイルスプリング(以下、反跳抑制部と称す)のばね力の調整が容易である。またコイルスプリングは安価であり、組み付けも容易である。したがって本構成のマグネットスイッチは、コスト性に優れている。
可動接点部材には、さらに第二コイルスプリングの伸縮幅を制限するストッパーが設けられている。第二コイルスプリングは、可動接点の反跳により収縮し伸長する。このとき、第二コイルスプリングが過度に伸縮し、最大伸長状態あるいは最大収縮状態まで頻繁に到達すると、第二コイルスプリングが復元しにくくなる。そこで本構成のマグネットスイッチは、第二コイルスプリングの伸縮幅を制限するためにストッパーを配置している。本構成のマグネットスイッチによると、第二コイルスプリングが最大収縮状態あるいは最大伸長状態まで変形するおそれがない。このため第二コイルスプリングの長寿命化を図ることができる。
【0008】
本発明のマグネットスイッチによると、可動接点の跳ね返りを抑制することができる。このため両接点間にアーク放電が発生するおそれが小さい。また可動接点および固定接点が劣化しにくい。
【0009】
(2)好ましくは、可動接点部材は複数並置され、固定接点部材は複数の可動接点部材の持つ複数の可動接点に各々対向する複数の固定接点を持つ構成とする方がよい。つまりこの構成は、可動接点と固定接点とを対となるように複数並置するものである。可動接点と固定接点の対を複数並置すると、スイッチを閉じる場合、複数の接点対のうち一対のみが当接していれば導通を確保することができる。したがって固定接点から可動接点が反跳することにより離間した接点対があっても、他のいずれかの接点対が当接していれば導通を確保することができる。このため本構成のマグネットスイッチは、スイッチングの応答性が高い。
【0012】
(4)好ましくは、上記(1)の構成において、可動接点部材は、さらに第二コイルスプリングの第一コイルスプリングに対するずれを抑制するピンを持つ構成とする方がよい。第二コイルスプリングがずれると、第一コイルスプリングの付勢力が可動接点全体に亘って均等に伝達されないおそれがある。このため可動接点が固定接点に対して傾いて当接するおそれがある。言い換えると、当接時に可動接点ががたつくおそれがある。可動接点ががたつくと、可動接点および固定接点の劣化が早くなる。そこで本構成のマグネットスイッチは、第二コイルスプリングのずれを抑制するために、第二コイルスプリングの内部を挿通するピンを配置している。このため、本構成のマグネットスイッチは、当接時における可動接点のがたつきが小さい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のマグネットスイッチの実施の形態について説明する。以下に示す実施形態のマグネットスイッチは、いずれも自動車などのスタータに使用されている。またバッテリーと始動モータとを結ぶ電気回路に介装されている。
【0014】
(1)第一実施形態
まず、本実施形態のマグネットスイッチが介装されている電気回路について説明する。図1にマグネットスイッチが介装されている電気回路の回路図を示す。なお図1に示すのは、スイッチが開いている状態である。図に示すように、マグネットスイッチ1はバッテリー80と始動モータ81との間に介装されている。第一固定接点50は第一ボルト部51を介してバッテリー80と電気的に接続されている。また第二固定接点60は第二ボルト部61を介して始動モータ81と電気的に接続されている。また第一可動接点44は第一固定接点50と所定間隔離れて対向している。また第二可動接点45は第二固定接点60と所定間隔離れて対向している。そして第一可動接点44と第二可動接点45とは電気的に接続されている。第一可動接点44および第二可動接点45は、電磁コイル34の磁力により往復動する。このため、第一可動接点44は第一固定接点50に接離可能である。また、第二可動接点45は第二固定接点60に接離可能である。スイッチが閉じると、バッテリー80→第一ボルト部51→第一固定接点50→第一可動接点44→第二可動接点45→第二固定接点60→第二ボルト部61→始動モータ81という経路で電流が流れ、始動モータ81が駆動される。
【0015】
次に、本実施形態のマグネットスイッチの構成について説明する。図2にマグネットスイッチの軸方向断面図を示す。なお図2に示すのは、スイッチが開いている状態である。マグネットスイッチ1の外殻をなすケーシング2は、ヨーク20とスイッチハウジング21とから形成されている。
【0016】
ヨーク20は、金属製であって上方に開口する有底円筒状、すなわちカップ状を呈している。ヨーク20のカップ外周側の底面には、金属製のエンドプレート22が配置されている。一方、ヨーク20のカップ内周側には、吸引部材30とプランジャ31とリターンスプリング32とスプール33と電磁コイル34と固定鉄心35とが収納配置されている。吸引部材30は、金属製であって上方に開口するカップ状を呈している。吸引部材30は、ヨーク20の底面中央に固定されている。プランジャ31は、磁性材製であって下方に開口するカップ状を呈している。プランジャ31は、吸引部材30の上方に配置されている。吸引部材30の底面300とプランジャ31の底面310とは、上下方向に対向している。底面300と底面310との間には、コイル状のリターンスプリング32が介装されている。リターンスプリング32は、プランジャ31を上方に付勢している。スプール33は、絶縁樹脂製であって円筒状を呈している。スプール33は、吸引部材30およびプランジャ31の外周側に配置されている。スプール33の上端には上部フランジ330が形成されている。一方、スプール33の下端には下部フランジ331が形成されている。また、スプール33の中間部には、上部フランジ330に近接して鍔部332が形成されている。電磁コイル34は、絶縁被覆されたコイル線の巻回体であり、スプール33の鍔部332と下部フランジ331との間に巻装されている。固定鉄心35は、金属製であってリング状を呈している。固定鉄心35は、スプール33の上部フランジ330と鍔部332との間に環装されている。
【0017】
スイッチハウジング21は、絶縁樹脂製であって下方に開口する二重円筒状を呈している。すなわちスイッチハウジング21は、外筒部210と内筒部211とを備えている。スイッチハウジング21は、ヨーク20の上方に配置されている。具体的には、外筒部210の下方開口端が、ヨーク20の上方開口端の内周側に挿入されている。また、外筒部210の下方開口端と、ヨーク20の上方開口端との隙間には、Oリング23が介装されている。スイッチハウジング21の内周側には、可動接点部材4と第一固定接点部材5と第二固定接点部材6とインシュレータ7とが配置されている。図3に可動接点部材付近の拡大図を示す。
【0018】
可動接点部材4は、第一コイルスプリング40とストッパー41と第二コイルスプリング42と可動側導電板43と第一可動接点44と第二可動接点45とピン46とを備える。第一コイルスプリング40は、鋼製であって内筒部211の内周側に配置されている。第一コイルスプリング40の上端は、内筒部211の上底壁下面に当接している。また第一コイルスプリング40の上端は、内筒部211の上底面中央に形成された突起213に環装されている。ストッパー41は、絶縁樹脂製であって下方に開口するカップ状を呈している。ストッパー41の上底壁上面には、リング状のスプリング受け410が形成されている。スプリング受け410には、前記第一コイルスプリング40の下端が環装されている。すなわち第一コイルスプリング40は、スプリング受け410と前記突起213とにより径方向への揺動が規制されている。ストッパー41の上底壁中央には、ストッパー側ピン孔411が穿設されている。第二コイルスプリング42は、鋼製であってストッパー41のカップ内周側に配置されている。可動側導電板43は金属製であって板状を呈している。可動側導電板43の中央には、導電板側ピン孔430が穿設されている。第一可動接点44および第二可動接点45は、金属製であってタブレット状を呈している。第一可動接点44および第二可動接点45は、可動側導電板43の下面に固定されている。第一可動接点44と第二可動接点45とは、導電板側ピン孔430を挟んで、それぞれ可動側導電板43の両端に配置されている。インシュレータ7は、絶縁樹脂製であって円筒状を呈している。インシュレータ7の下端は、前記プランジャの上底壁上面に固定されている。ピン46は、金属製であって上下端がそれぞれ拡径した丸棒状、すなわちダンベル状を呈している。ピン46の上端には上鍔部460が形成されている。ピン46の下端には下鍔部461が形成されている。ピン46は前記ストッパー側ピン孔411および前記導電板側ピン孔430を貫通している。上鍔部460は、ストッパー側ピン孔411から上方に突出し、ストッパー41の上底壁に係合している。下鍔部461は、インシュレータ7の内周側に、インサート成形により固定されている。
【0019】
第一固定接点部材5は、図2に戻って、第一固定接点50と第一導電板52と第一ボルト部51とを備える。第一ボルト部51は、金属製であって丸棒状を呈している。第一ボルト部51の上部は、スイッチハウジング21の上底壁から外部に突出している。第一ボルト部51は、バッテリー80と電気的に接続されている。第一導電板52は金属製であって板状を呈している。第一導電板52には、第一ボルト孔520が穿設されている。この第一ボルト孔520には、第一ボルト部51の下端が挿入固定されている。第一固定接点50は、金属製であってタブレット状を呈している。第一固定接点50は、第一導電板52の上面に固定されている。第一固定接点50は、前記第一可動接点44と所定距離だけ離間して対向している。
【0020】
第二固定接点部材6は、第一固定接点部材5と、可動接点部材4を挟んで対称的に配置されている。第二固定接点部材6は、第二固定接点60と第二導電板62と第二ボルト部61とを備える。第二ボルト部61は、金属製であって丸棒状を呈している。第二ボルト部61の上部は、スイッチハウジング21の上底壁から外部に突出している。第二ボルト部61は、始動モータ81と電気的に接続されている。第二導電板62は金属製であって板状を呈している。第二導電板62には、第二ボルト孔620が穿設されている。この第二ボルト孔620には、第二ボルト部61の下端が挿入固定されている。第二固定接点60は、金属製であってタブレット状を呈している。第二固定接点60は、第二導電板62の上面に固定されている。第二固定接点60は、前記第二可動接点45と所定距離だけ離間して対向している。
【0021】
次に、本実施形態のマグネットスイッチの動きについて説明する。スイッチを閉じる場合は、まず電磁コイル34に電流を流す。この電流により電磁コイル34周囲には、磁路340(図中、一点鎖線で示す。)が形成される。そしてプランジャ31が下方、すなわち吸引部材30方向に移動する。このときリターンスプリング32は収縮変形する。図3に戻って、プランジャが下方に移動すると、プランジャに固定されたインシュレータ7も下方に移動する。またインシュレータ7に固定されたピン46も下方に移動する。ここで、ピン46の上鍔部460は、ストッパー41の上底壁に係合している。このため、ストッパー41も上鍔部460に引っ張られ下方に移動する。そしてストッパー41は可動側導電板43に当接する。ストッパー41が可動側導電板43に当接すると、可動側導電板43もストッパー41に押圧されて下方に移動する。そして可動側導電板43の下面に固定された第一可動接点44が第一固定接点50に当接する。また第一固定接点44と同様に、第二可動接点45が第二固定接点60に当接する。図4に各々の可動接点が、各々対向する固定接点に当接した状態の拡大図を示す。可動接点が固定接点に当接すると、第一コイルスプリング40は伸張する。一方、第二コイルスプリング42は、第一コイルスプリング40の付勢力により収縮する。この当接により第一可動接点44は、第一固定接点50から反力を受ける。また第二可動接点45は、第二固定接点60から反力を受ける。この反力により、ストッパー41は上昇する。そして第一コイルスプリング40は収縮する。そして反対に第二コイルスプリング42が伸張する。図5にストッパー41が上昇した状態の拡大図を示す。図に示すように、第一コイルスプリング40が収縮している場合は、第二コイルスプリング42が、第一可動接点44を第一固定接点50方向に、また第二可動接点45を第二固定接点60方向に、それぞれ付勢する。その後、第一コイルスプリング40および第二コイルスプリング42は、各々伸縮を繰り返す。すなわち図4の状態と図5の状態とを繰り返す。そして反力によるエネルギを伸縮により吸収する。最終的には、図4に示すように、再びストッパー41は可動側導電板43に当接する。なお第一コイルスプリング40および第二コイルスプリング42が、各々伸縮を繰り返す間、第一可動接点44と第一固定接点50、および第二可動接点45と第二固定接点60は、常に当接している。したがって接点間の導通は確保されている。
【0022】
スイッチを開く場合は、図2に戻って、電磁コイル34への通電を遮断する。
通電を遮断すると、磁路340が消滅する。このためプランジャ31は、リターンスプリング32の付勢力により上方に移動する。そしてインシュレータ7により可動側導電板43が押し上げられ、第一可動接点44が第一固定接点50から離れる。また第二可動接点45が第二固定接点60から離れる。
【0023】
本実施形態のマグネットスイッチ1には、第二コイルスプリング42が配置されている。このため第一可動接点44および第二可動接点45の反跳を抑制することができる。また本実施形態のマグネットスイッチ1には、ストッパー41が配置されている。このため第二コイルスプリング42の全収縮を防止することができる。また、本実施形態のマグネットスイッチ1には、ピン46が配置されている。このため第二コイルスプリング42のずれを抑制することができる。
【0024】
(2)第二実施形態
本実施形態と第一実施形態との相違点は、可動接点部材が二つ並置されている点のみである。したがって本項では、この相違点についてのみ説明する。
【0025】
まず、本実施形態のマグネットスイッチが介装されている電気回路について説明する。図6にマグネットスイッチが介装されている電気回路の回路図を示す。
なお図6に示すのは、スイッチが開いている状態である。また図1と対応する部材については同じ記号で示す。図に示すように、第一ボルト部51から第二ボルト部61までの間の経路は並列である。すなわち、第一ボルト部51の下流側には、第一固定接点50a、50bが並置されている。また第二ボルト部61の上流側には、第二固定接点60a、60bが並置されている。そして第一固定接点50aと対向して、第一可動接点44aが配置されている。また第一固定接点50bと対向して、第一可動接点44bが配置されている。また第二固定接点60aと対向して、第二可動接点45aが配置されている。また第二固定接点60bと対向して、第二可動接点45bが配置されている。
【0026】
スイッチが閉じると、二つの経路により電気回路が導通する。二つの経路のうち一方は、バッテリー80→第一ボルト部51→第一固定接点50a→第一可動接点44a→第二可動接点45a→第二固定接点60a→第二ボルト部61→始動モータ81という経路(以下、「a経路」と称す。)である。また他方は、バッテリー80→第一ボルト部51→第一固定接点50b→第一可動接点44b→第二可動接点45b→第二固定接点60b→第二ボルト部61→始動モータ81という経路(以下、「b経路」と称す。)である。
【0027】
次に、本実施形態のマグネットスイッチの、可動接点部材付近の構成について説明する。可動接点部材は、図2を参照すると、紙面表裏方向に二つ並置されている。図7に可動接点部材付近の拡大図を示す。なお図7は、図2を参照すると、可動接点部材付近を矢印I−I方向から見ている。図7において図3と対応する部材については同じ記号で示す。図に示すように、可動接点部材4a、4bは、スイッチハウジング内に並置されている。
【0028】
次に、本実施形態のマグネットスイッチの動きについて説明する。インシュレータ7a、7bは単一のプランジャに固定されている。このためプランジャが電磁コイルの磁力により下方に移動すると、インシュレータ7a、7bも下方に移動する。そして第一可動接点44aが第一固定接点50aに当接する。同時にa経路側の第二可動接点が第二固定接点に当接する。また第一可動接点44bが第一固定接点50bに当接する。同時にb経路側の第二可動接点が第二固定接点に当接する。図8にa経路およびb経路の各々の可動接点が、各々対向する固定接点に当接した状態の拡大図を示す。可動接点が固定接点に当接すると、反力により、ストッパー41a、41bは上昇する。図9にストッパー41a、41bが上昇した状態の拡大図を示す。第一コイルスプリング40a、40bおよび第二コイルスプリング42a、42bは、各々伸縮を繰り返す。すなわち図8の状態と図9の状態とを繰り返す。そして反力によるエネルギを伸縮により吸収する。最終的には、図8に示すように、再びストッパー41a、41bは、可動側導電板43a、43bに、各々当接する。
【0029】
本実施形態のマグネットスイッチ1には、a経路とb経路とが並置されている。このため、接点当接時において例えばa経路の可動接点が固定接点から跳ね返り導通が遮断されても、b経路により導通を確保することができる。
【0030】
(3)その他
以上、本発明のマグネットスイッチの実施の形態について説明した。しかしながら実施の形態は、上記形態に特に限定されるものではない。
【0031】
例えば、上記実施形態においては付勢部として第一コイルスプリングを、反跳抑制部として第二コイルスプリングを配置した。しかしながら、付勢部または反跳抑制部として、板ばねや空気ばねなどの他の形状のスプリングを配置してもよい。また付勢部または反跳抑制部として、波形ワッシャや発泡性樹脂など他の弾性体を配置してもよい。また第一コイルスプリングと第二コイルスプリングの配置は、上下反対であってもよい。また第一コイルスプリングと第二コイルスプリングは、各々複数配置してもよい。また第一コイルスプリングと第二コイルスプリングは、粗密二種類の巻回ピッチを持つ単一のコイルスプリングにより代用してもよい。この場合は、巻回ピッチが粗の部分が、ばね力が小さいため第二コイルスプリングとなる。また、巻回ピッチが密の部分が、ばね力が大きいため第一コイルスプリングとなる。
【0032】
また、本発明においてはストッパーとして絶縁樹脂製のカップを配置した。しかしながら、ストッパーの形状は、第二コイルスプリングの伸縮を制限できれば特に限定しない。例えば第二コイルスプリング伸縮方向に延びるロッド状でもよい。また、ずれを抑制する部材としてピン(以下、ずれ抑制部と称す)を配置した。しかしながら、ずれ抑制部の形状も特に限定しない。例えば第二コイルスプリングに環装され、ずれを抑制するリング状のずれ抑制部を配置してもよい。また、上記第二実施形態においてはa経路とb経路という二つの経路を並置した。しかしながら経路数はさらに増やしてもよい。経路数を増やすと反跳しない可動接点の数が増えるため、スイッチングの応答性が向上する。また、本発明のマグネットスイッチは、エンドプレートから突出するとともにピニオンに連結されたプランジャシャフトを持ち、このプランジャシャフトを軸方向に移動させることにより、エンジンのクランク軸に連結されたリングギアとピニオンとを噛合させる構造のマグネットスイッチとして具現化してもよい。
【0033】
【発明の効果】
本発明によると、可動接点の固定接点に対する跳ね返りを抑制できるマグネットスイッチを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第一実施形態のマグネットスイッチが介装されている電気回路の回路図である。
【図2】 第一実施形態のマグネットスイッチの軸方向断面図である。
【図3】 第一実施形態のマグネットスイッチの可動接点部材付近の拡大図である。
【図4】 第一実施形態のマグネットスイッチにおいて可動接点が固定接点に当接した状態の拡大図である。
【図5】 第一実施形態のマグネットスイッチのストッパーが上昇した状態の拡大図である。
【図6】 第二実施形態のマグネットスイッチが介装されている電気回路の回路図である。
【図7】 第二実施形態のマグネットスイッチの可動接点部材付近の拡大図である。
【図8】 第二実施形態のマグネットスイッチにおいて可動接点が固定接点に当接した状態の拡大図である。
【図9】 第二実施形態のマグネットスイッチのストッパーが上昇した状態の拡大図である。
【図10】 従来のマグネットスイッチの接点付近の拡大図である。
【符号の説明】
1:マグネットスイッチ、2:ケーシング、20:ヨーク、21:スイッチハウジング、210:外筒部、211:内筒部、213:突起、22:エンドプレート、23:Oリング、30:吸引部材、300:底面、31:プランジャ、310:底面、32:リターンスプリング、33:スプール、330:上部フランジ、331:下部フランジ、332:鍔部、34:電磁コイル、340:磁路、35:固定鉄心、4:可動接点部材、40:第一コイルスプリング、41:ストッパー、410:スプリング受け、411:ストッパー側ピン孔、42:第二コイルスプリング、43:可動側導電板、430:導電板側ピン孔、44:第一可動接点、45:第二可動接点、46:ピン、460:上鍔部、461:下鍔部、5:第一固定接点部材、50:第一固定接点、51:第一ボルト部、52:第一導電板、520:第一ボルト孔、6:第二固定接点部材、60:第二固定接点、61:第二ボルト部、62:第二導電板、620:第二ボルト孔、7:インシュレータ、80:バッテリー、81:始動モータ。
Claims (4)
- ケーシングと、
該ケーシング内に固定され固定接点を持つ固定接点部材と、
該ケーシング内に固定された電磁コイルと、
該ケーシング内において該電磁コイルの磁力により往復動するプランジャと、
該ケーシング内において、該プランジャと一体的に往復動することにより該固定接点に接離可能な可動接点と、該可動接点を該固定接点方向に付勢する第一コイルスプリングと、を持つ可動接点部材と、を備えてなるマグネットスイッチであって、
該可動接点部材は、該可動接点が該固定接点に当接する際に跳ね返るのを抑制するため、前記第一コイルスプリングと直列的に配置されかつ該第一コイルスプリングよりもばね力の小さい第二コイルスプリング、及び該第一コイルスプリングと該第二コイルスプリングとの間に介在し該第二コイルスプリングの伸縮幅を制限するストッパーを持つことを特徴とするマグネットスイッチ。 - 前記可動接点部材は複数並置され、前記固定接点部材は該複数の可動接点部材の持つ複数の可動接点に各々対向する複数の固定接点を持つ請求項1に記載のマグネットスイッチ。
- 前記可動接点部材に設けられた前記ストッパーは、前記第二コイルスプリング側に開口し、該第二コイルスプリングを覆うカップ状の部材である請求項1に記載のマグネットスイッチ。
- 前記可動接点部材は、さらに前記第二コイルスプリングの前記第一コイルスプリングに対するずれを抑制するピンを有し、該ピンは該第二コイルスプリングの内部を挿通すると共に前記ストッパーに係合し、前記プランジャの往復運動に連動する請求項1に記載のマグネットスイッチ。
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