JP3937065B2 - 空気調和装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和装置に係り、特に、複数の圧縮機を備えた空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
室内機を複数台設けた構成にするなどの負荷の増大に対応するために、冷媒を搬送する圧縮機が複数並列に設けられた構成の空気調和装置が知られている。これらの空気調和装置に設けられた圧縮機の温度が高くなると、例えば、圧縮機のモーターのコイルなどが熱により劣化する場合がある。また逆に、圧縮機内の冷媒の温度が低くなると、圧縮機内の冷凍機油の粘度が低下して圧縮機が破損したり、冷媒が液化して液圧縮をおこし圧縮機が故障する場合がある。このため、圧縮機の温度、圧縮機に流入する冷媒の温度である吸入温度、及び圧縮機から吐出する冷媒の温度である吐出温度などを、圧縮機の運転に支障を与えない所定の温度範囲、つまり許容温度範囲内に保つ必要がある。
【0003】
従来、このような構成の空気調和装置では、例えば、特開平6-272972号公報に示すように、複数の圧縮機の温度をそれぞれ検出し、検出した温度の算術平均により算出された圧縮機の代表温度が、圧縮機を問題なく運転できる最適な温度、つまり設計温度になるように、冷媒が循環する冷凍サイクルの全体の圧力を制御する膨張弁の開度を調整し、冷媒の圧力を変化させることで圧縮機へ流入する冷媒の温度を変化させている。これにより、複数の圧縮機の温度を一律に、つまり、全ての圧縮機の温度制御を均等に行うことで許容温度範囲内に保つことができ、モーターの劣化、圧縮機内の冷凍機油の粘度低下、及び冷媒の液化による液圧縮を抑制している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、空気調和装置の任意の出力を得るために、駆動周波数の異なる定格圧縮機や、駆動周波数を変化させることができる可変式圧縮機などを組み合わせて搭載する場合がある。このような構成とすると、それぞれの圧縮機の駆動周波数に差が生じる場合があり、駆動周波数の差に伴なって、圧縮機の温度、吸入温度、及び吐出温度も、それぞれの圧縮機毎に異なる場合がある。特に、可変式圧縮機は、駆動周波数を120Hzまで運転することができるものもあり、これに対して定格圧縮機の駆動周波数は電源周波数と同様に50Hz程度である。このように、可変式圧縮機と定格圧縮機との駆動周波数は2倍以上ある場合があり、吐出温度及び吸入温度も30K以上の差がつく場合がある。
【0005】
しかしながら、従来の制御を行う空気調和装置では、例えば、一つの圧縮機の温度が算術平均より突出している場合であっても、算術平均により算出された代表温度に基づいて膨張弁を調整することで圧縮機の温度を制御しているので、圧縮機の温度が許容温度範囲から外れてしまい、熱によるモーター部品の劣化、冷凍機油の粘度低下による圧縮機の破損、及び圧縮機内の冷媒の液化による液圧縮が発生する場合がある。例えば、吐出温度Tdの制御を行う場合について具体例を挙げて説明すると、吐出温度Tdの許容温度範囲の上限温度TdHを110℃、下限温度TdLを70℃、圧縮機吐出圧力をPd=2.1MPa、圧縮機の最適な吐出温度、つまり吐出設計温度を、例えば30.6×Pd+25℃=Td0=85.3℃と設定し、1台の可変圧縮機と3台の定格圧縮機を備えた空気調和装置において、可変式圧縮機の吐出温度がTd1=120℃、他方の定格圧縮機の吐出温度がTd2,Td3,Td4=74℃である場合、従来の算術平均により算出された圧縮機の代表温度はTdREP=(Td1+Td2+Td3+Td4)/4=85.5℃となる。
【0006】
このように算出された代表温度TdREPに基づいて制御装置は、吐出温度Tdの代表温度TdREPが吐出設計温度Td0であると判断し、この状態を維持する。しかし、実際には、可変圧縮機の吐出温度Td1は許容範囲の上限温度より高い温度なので、モーターが熱により劣化する場合がある。同様に、可変圧縮機の吐出温度がTd1=60℃、Td2,Td3,Td4=94℃であるとすると、冷凍機油の粘度低下による圧縮機の破損や、冷媒が液化して液圧縮が起きるなどの支障が発生する場合がある。
【0007】
また、複数の圧縮機を全て可変式圧縮機とすることで、それぞれの圧縮機の温度を同程度に保ちつつ、任意の出力を得ることもできるが、この場合、全ての圧縮機に、圧縮機の駆動周波数を調整する、例えばインバーターなどの装置や、圧縮機の圧縮能力を調整する減圧装置などを搭載する必要があるため、経済的に好ましくない。このため、温度の異なる複数の圧縮機を一律に制御して所定の温度範囲にすることができる空気調和装置が求められている。
【0008】
本発明の課題は、空気調和装置に設けられた温度の異なる複数の圧縮機の温度を所定の範囲内に保つことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の空気調和装置は、並列に複数台接続された圧縮機と、室外熱交換器と、室内熱交換器と、圧縮機、室内熱交換器、室外熱交換器間に冷媒を循環させる循環流路と、この循環流路に設けられ冷媒の温度を調整する膨張弁と、各圧縮機の温度を検出する温度検出器と、この温度検出器により検出された各圧縮機の検出温度に基づいて膨張弁の開度を調整する制御装置とを備え、制御装置は、検出温度の重み付き平均により圧縮機の現運転時の代表温度を算出し、この代表温度が、設計温度になるように膨張弁の開度を制御することにより上記課題を解決する。
【0010】
このような構成とすることにより、複数設けられた各々の圧縮機の温度を検出し、検出した温度を、重み付き平均の式、例えば、式(1)及び(2)に示すような重み付き平均の式に代入し、各圧縮機の重みを増減させることで代表温度の調整を行うことができる。これにより、圧縮機の代表温度を所定の圧縮機の温度に近づけることができ、つまり、所定の圧縮機に重点を置いた圧縮機の代表温度を算出することができ、その代表温度に基づいて膨張弁の開度を調整することができるので、従来に比べて所定の圧縮機の温度を容易に調整することができる。また、式(1)では、代表温度をTREP、検出温度をT1,T2,T3、重みをw1,w2,w3とする。
【0011】
【数1】
同様に、式(2)では、代表温度をTREP、検出温度をT1,T2,T3、重みをw1,w2,w3とする。
【0012】
【数2】
したがって、例えば、一つの圧縮機iの温度が、他の圧縮機の温度の算術平均より突出している場合に、その平均的でない、つまり、設計温度T0との温度差が比較的大きい圧縮機iの重みwiを増加させて代表温度TREPを算出することができる。これにより、制御装置が代表温度TREPを設計温度T0に近づくように膨張弁を制御することで、平均的でない圧縮機の温度Tiを考慮した制御を行うことができる。
【0013】
さらに、制御装置は、検出温度の最大値と最小値との重み付き平均により代表温度を算出し、最大値が圧縮機の許容温度の上限を上回った場合に最大値に掛け合わせる重みを増加させ、最小値が圧縮機の許容温度の下限を下回った場合に最小値に掛け合わせる重みを増加させる構成とすることができる。このような構成とすることにより、検出温度の最大値が所定の温度範囲の上限である上限温度を上回った場合に、最大値の重みを増加させ、検出温度の最小値が所定の温度の下限である下限温度を下回った場合に最小値の重みを増加させることができるため、許容温度範囲から外れた圧縮機の温度に圧縮機の代表温度を近づけることができる。これにより、制御装置が、代表温度を設計温度になるように膨張弁の開度を調整することで、許容温度範囲から外れた圧縮機の温度を所定の範囲内に保つことができる。
【0014】
また、本発明の空気調和装置は、並列に複数台接続された圧縮機と、室外熱交換器と、室内熱交換器と、圧縮機、室内熱交換器、室外熱交換器間に冷媒を循環させる循環流路と、この循環流路に設けられ冷媒の温度を調整する膨張弁と、各々の圧縮機の温度を検出する温度検出器と、この温度検出器により検出された各圧縮機の検出温度に基づいて膨張弁の開度を調整する制御装置とを備え、制御装置は、温度検出器により検出された各圧縮機の検出温度の最大値及び最小値の差が所定の温度幅未満の場合、検出温度の算術平均により圧縮機の現運転時の代表温度を算出し、この代表温度が、最適な温度である設計温度になるように膨張弁の開度を制御する。一方、最大値及び最小値の差が所定の温度幅以上である場合、制御装置は、最大値が圧縮機の許容温度の上限を上回っているならば最大値に掛け合わせる重みを増加させ、最小値が圧縮機の許容温度の下限を下回っているならば最小値に掛け合わせる重みを増加させた最大値及び最小値の重み付き平均により現運転時の代表温度を算出し、この代表温度が、設計温度になるように膨張弁の開度を制御する構成とすることができる。
【0015】
このような構成とすることにより、最大値と最小値との温度差が、所定の温度幅、例えば、設計温度と上限温度との温度差、もしくは設計温度と下限温度との温度差より小さくなる場合に、算術平均により代表温度を算出することができる。つまり、算術平均及び重み付き平均のいずれの演算によって代表温度を算出しても代表温度が設計温度になるように膨張弁を制御することで最大値及び最小値が許容温度範囲内になる場合に、算術平均により代表温度を算出することができる。これにより、重み付き平均に比べて多くの圧縮機の温度を設計温度に近づけることができるので好ましい。
【0016】
さらに、複数の圧縮機の少なくとも1つの圧縮機が、駆動周波数を変化させることができる可変式圧縮機である構成とすることができる。また、温度検出器が、圧縮機の吸入側の冷媒の温度、すなわち吸入温度を検出する構成とすることができる。このような構成とすることで、圧縮機に流入する冷媒の温度を検出することができる。これにより、圧縮機内での冷凍機油の粘度低下や冷媒の液圧縮の発生を比較的検知し易いので好ましい。また、温度検出器が、圧縮機の吐出側の冷媒の温度、すなわち吐出温度を検出する構成とすることができる。このような構成とすることで、圧縮機から流出する冷媒の温度を検出することができる。これにより、圧縮機の温度の上昇によるモータコイルなどの劣化を比較的検知し易いので好ましい。
【0017】
【実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明を適用してなる空気調和装置の第1の実施形態について図1を参照して説明する。図1は、本発明の制御装置を備えてなる空気調和装置の概略構成を示したブロック図である。本発明が適用される空気調和装置1は、室外機3、室内機5A,5B、制御装置6などで構成されている。
【0018】
室外機3内には、冷媒7が通流する室外循環流路8が設けられている。室外循環流路8の一端は、室外機3の外側に設けられた連結部10に連結され、他端は、同じく室外機3の外側に設けられた連結部12に連結されている。室外循環流路8には、連結部10から順次、冷媒量調節器14、室外膨張弁16、室外熱交換器18、及び四方弁20が設けられている。また、室外熱交換器18には、外気を室外熱交換器18に送る室外ファン22が設けられている。
【0019】
四方弁20は、A,B,C,Dの四つの開口を有し、AとB及びCとDを連通させる、もしくは、AとC及びBとDを連通させる機能を有する。四方弁20のAの開口には室外熱交換器18が、Dの開口には連結部12が連結されている。そして、Bの開口には、アキュムレータ23が連結され、アキュムレータ23には、1台の可変式圧縮機24、及び複数の定格圧縮機261,262,乃至26nの吸入側がそれぞれ並列に連結されている。可変式圧縮機24、定格圧縮機26のそれぞれの吐出側は、四方弁20のCの開口に並列に連結されている。可変式圧縮機24には、圧縮機24の駆動周波数を調整する、例えばインバーターなどの周波数調整装置25が設けられている。
【0020】
また、可変式圧縮機24、定格圧縮機26のそれぞれの吸入側には、吸入する冷媒7の温度を検出する吸入温度検出器270,271,272,乃至27nが、吐出側には、吐出される冷媒7の温度を検出する吐出温度検出器280,281,282,乃至28nがそれぞれ設けられている。さらに、アキュムレータ23には、可変式圧縮機24及び定格圧縮機26へ流入する冷媒7の圧力を検出する吸入圧力検出器30が設けられ、開口C部には、吐出側の冷媒7の圧力を検出する吐出圧力検出器32が設けられている。
【0021】
室内機5A,5Bは、それぞれ、冷媒7が通流する室内循環流路34A,34Bを有している。室内循環流路34A,34Bの一端は、連結部12に並列に連結され、室内循環流路34A,34Bの他端は、連結部10にそれぞれ、つまり並列に連結されている。また、室内循環流路34A,34Bには、連結部12からそれぞれ順次、室内熱交換器36A,36B、室内膨張弁38A,38Bが設けられている。室内熱交換器36A,36Bには、室内ファン40A,40Bがそれぞれ設けられている。
【0022】
制御装置6は、室外膨張弁16、周波数調整装置25、吸入温度検出器270乃至27n、吐出温度検出器280乃至28n、吸入圧力検出器30、吐出圧力検出器32、室内膨張弁38A,38B、室外ファン22、室内ファン40A,40B、熱交換器温度検出器42などと配線を通じて電気的に接続されている。制御装置6は、吐出温度検出器280乃至28n、吐出圧力検出器32から検出された値に基づいて吐出温度の代表温度TdREPを算出し、代表温度TdREPが設計温度Td0になるように、室外膨張弁16、周波数調整装置25、室内膨張弁38A,38B、を制御して吐出温度の制御を行う構成になっている。
【0023】
このような構成の本実施形態の空気調和装置1の動作と本発明の特徴部である制御装置6について説明する。まず、空気調和装置1の運転が開始されると、可変式圧縮機24、及び定格圧縮機26の駆動が開始され、その後四方弁20は、暖房の場合、開口AとB、CとDとを、冷房の場合、開口AとC、BとDとを連通させる。そして吸入側、つまり開口B側の冷媒7を吸込み、圧縮機内で圧縮して、吐出側、つまり開口C側へ吐出する。吸入側の冷媒7は、吸引されることにより圧力が下がり、圧力に低下に伴ない温度が低下する。吐出側の冷媒7は、圧縮されることにより圧力が上昇し、圧力の上昇に伴ない冷媒7の温度が上昇する。このように、温度が変化した冷媒7が室外機3及び室内機5A,5B間を循環し、冷房もしくは暖房を行う。
【0024】
その際、制御装置6は、吐出温度検出器280乃至28n、吐出圧力検出器32から検出された値に基づいて吐出温度Tdの代表温度TdREPを算出し、代表温度TdREPが設計温度Td0になるように、室外膨張弁16、周波数調整装置25、室内膨張弁38A,38Bを制御して吐出温度Tdの制御を行う。具体的には、図2に示すように、吐出温度検出器280乃至28nが検出した吐出温度Td(0,1,2,,,,n)(以下Td)を式(3)に代入する。
【0025】
【数3】
その差ΔTdの最大のΔTdが所定の値εdより小さい場合には、代表温度TdREPを各圧縮機から検出した吐出温度Tdの算術平均により求める。最大のΔTdが所定のεdより大きい場合、つまり、式(3)の状態を逸脱している場合には、最適な冷凍サイクル運転状態、すなわち許容温度範囲に対して、高温側で問題があるのか、低温側で問題があるのかを判断する。つまり、吐出温度Tdの最大値Tdmaxが許容温度範囲の上限温度TdHを上回っているのか、最小値Tdminが許容温度範囲の下限温度TdLを下回っているのかを判断する。
【0026】
最大値Tdmaxが許容温度範囲の上限温度TdHを上回っている場合、Tdminが許容温度範囲の下限温度TdLを十分上回っているか判断し、問題がない場合には、室外膨張弁16、室内膨張弁38A,38Bを開くことで可変式圧縮機24及び定格圧縮機261乃至26nの吐出温度Tdを下げることができるため、重み付き平均を用いた式(4)に各圧縮機から検出した吐出温度Tdの最大値Tdmaxと最小値Tdminとを代入して、最大値Tdmax側に傾いた、つまり、最大値Tdmaxに重点をおいた代表温度TdREPを算出する。
【0027】
【数4】
なお、a,bは予め決定されている定数であり、Tdmaxは各圧縮機の吐出温度Tdの最大値、Tdminは各圧縮機の吐出温度Tdの最小値、cdはTdmaxとTdminとの差であるΔTdを関数として0から1まで変化する重みであり、図3に示すようにΔTdがa以上である場合に有効になるものとする。
【0028】
また、Tdの最大値Tdmaxが許容温度範囲の上限温度TdHを上回っており、かつ、Tdminが許容温度範囲の下限温度TdLを十分上回っていない場合、最大値Tdmaxと最小値Tdminとの温度差ΔTd自体が問題であるので、最大値Tdmaxの圧縮機が可変式圧縮機24である場合、駆動周波数を低下させる信号を周波数調整装置25へ発信して、可変式圧縮機24の駆動周波数を低下させる。最大値Tdmaxの圧縮機が駆動周波数を変化させることができない定格圧縮機26である場合は、制御による問題解決ができないのでハードウェアによる欠陥とみなし温度上昇に起因するアラームなどの警報を発信する。
【0029】
一方、最小値Tdminが許容温度範囲の下限温度TdLを下回っている場合、吐出温度Td全体を上げることで高い圧縮機が問題あるかどうかを判断し、問題ない場合は室外膨張弁16、室内膨張弁38A,38Bを閉じることで可変式圧縮機24及び定格圧縮機261乃至26nの吐出温度Tdを上げることができるため、重み付き平均を用いた式(5)に各圧縮機から検出した吐出温度Tdの最大値Tdmaxと最小値Tdminとを代入して、最小値Tdmin寄りの、つまり、最小値Tdminに重点をおいた代表温度TdREPを算出する。
【0030】
【数5】
なお、a,bは予め決定されている定数であり、Tdmaxは各圧縮機の吐出温度Tdの最大値、Tdminは各圧縮機の吐出温度Tdの最小値、cdがTdmaxとTdminとの差であるΔTdを関数として0から1まで変化する重みであり、図3に示すようにΔTdがa以上である場合に有効になるものとする。
【0031】
また、Tdの最小値Tdminが許容温度範囲の下限温度TdLを下回っており、かつ、Tdmaxが許容温度範囲の上限温度TdHを十分下回っていない場合、最大値Tdmaxと最小値Tdminとの温度差ΔTd自体が問題であるので、最小値Tdminの圧縮機が可変式圧縮機24である場合、駆動周波数を上昇させる信号を周波数調整装置25へ発信して、可変式圧縮機24の駆動周波数を上昇させる。最小値Tdminの圧縮機が駆動周波数を変化させることができない定格圧縮機26である場合は、制御による問題解決ができないのでハードウェアによる欠陥とみなし温度低下に起因する図示していないアラームなどの警報を発信する。
【0032】
このように、制御装置6は、吐出温度検出器280乃至28nが検出した検出温度の最大値Tdmaxと最小値Tdminとに重みcd及び(1−cd)をそれぞれ掛け合わせた重み付き平均式(4、5)により代表温度TdREPを算出し、最大値Tdmaxが所定の上限温度TdHを上回った場合に最大値Tdmaxの重みを増加させ、最小値Tdminが所定の下限温度TdLを下回った場合に最小値Tdminの重みを増加させることにより、許容温度範囲から外れた圧縮機の温度に代表温度TdREPを近づけることができる。これにより、制御装置6は、許容温度範囲から外れた圧縮機の温度へ移動した代表温度TdREPが設計温度Td0になるように室外膨張弁16及び室内膨張弁38A,38Bの開度を調整して、複数の圧縮機24、261乃至26nの吐出温度Tdを所定の範囲内に保つことができる。
【0033】
また、室外膨張弁16及び室内膨張弁38A,38Bの開度の調整により、各圧縮機の吐出温度Tdを調整することができない場合には、警報による報知を行うので高温によるモーターの劣化や低温による液圧縮の発生を防止することができ、空気調和装置1の信頼性を向上させることができるので好ましい。さらに、吐出温度検出器280乃至28nが検出した検出温度の最大値Tdmax及び最小値Tdminの差ΔTdが所定の値εdより小さい場合には、代表温度TdREPを各圧縮機から検出した吐出温度Tdの算術平均により求めることができる。これにより、算術平均及び重み付き平均のいずれの演算によって代表温度TdREPを算出しても代表温度TdR EPが設計温度Td0になるように室外膨張弁16及び室内膨張弁38A,38Bを制御することで最大値Tdmax及び最小値Tdminが許容温度範囲内になる場合には、算術平均により代表温度を算出することができる。つまり、算術平均と重み付き平均のどちらを用いてもよい場合は、算術平均を用いて数の多い圧縮機の温度に重点を置いて代表温度を算出することができ、重み付き平均に比べて多くの圧縮機の温度を設計温度に近づけることができるので好ましい。
【0034】
また、本実施形態では吐出温度Td、すなわち、圧縮機から流出する冷媒の温度を検出することができるので、可変式圧縮機24及び定格圧縮機261乃至26nの温度の上昇によるモータコイルなどの劣化を比較的検知し易いので好ましい。
【0035】
さらに、式(4)に換えて、最大値Tdmaxが許容温度範囲の上限温度TdHを上回り、かつ、ΔTdがa以下の場合に、式(6)と、ΔTdがaより大きい場合に、式(7)とすることができる。
【0036】
【数6】
【0037】
【数7】
同様に、式(5)に換えて、最小値Tdminが許容温度範囲の下限温度TdLを下回り、かつ、ΔTdがa以下の場合に、式(8)と、ΔTdがaより大きい場合に、式(9)とすることができる。
【0038】
【数8】
【0039】
【数9】
このように、温度差ΔTdがa以下である場合には、算術平均によりTdREP算出し、温度差ΔTdがaを越えた場合には、重み係数cd、(1−cd)を用いる構成とすることができる。これにより、算術平均及び重み付き平均のいずれの演算によって代表温度TdREPを算出しても代表温度TdREPが設計温度Td0になるように室外膨張弁16及び室内膨張弁38A,38Bを制御することで最大値Tdmax及び最小値Tdminが許容温度範囲内になる場合には、算術平均により代表温度を算出することができる。つまり、算術平均と重み付き平均のどちらを用いてもよい場合は、算術平均を用いて代表温度TdREPを算出することで数の多い圧縮機の吐出温度Tdに重点を置いて代表温度TdREPを算出することができることから、重み付き平均に比べて多くの圧縮機の吐出温度Tdを設計温度Td0に近づけることができ、圧縮機の信頼性を向上させることができるので好ましい。
【0040】
なお、以上の操作をフローチャートで表したものが図2である。これを元に説明すると、まず現在の圧縮機24、261乃至26nの運転が吐出温度Tdの最大値Tdmaxと最小値Tdminとの差ΔTdの観点から問題ないかを判断する(ステップ1)。次に問題があると判断された場合、それが高温側である最大値Tdmaxが上限温度TdH以上であるか判断する。(ステップ2)。高温側で問題があると判断された場合は、さらに温度を低下させた場合に、低温側で問題ないか、つまり低温側で裕度があるかを判断する(ステップ3)。
【0041】
低温側で問題ないと判断された場合、代表温度TdREPを高温側に重点をおいた値とする(ステップ4)。温度差ΔTdが問題である時、低温側である最小値Tdminが下限温度TdL以下であるか判断する。(ステップ5)低温側で問題があると判断された場合は、さらに温度を上昇させた場合に、高温側で問題ないか、つまり高温側で裕度があるかを判断する(ステップ6)。高温側で問題ないと判断された場合に、低温側に重点をおいた代表温度TdREPとする(ステップ7)。
【0042】
高温側、あるいは低温側で問題があると判断されたにもかかわらず(ステップ2、ステップ5)逆の温度側で裕度がない場合、温度差ΔTd自体が問題あるということになり、もし能力など駆動周波数を下げてもよい条件を満たした場合(ステップ8)、可変式圧縮機24の駆動周波数を低下、もしくは、上昇させる(ステップ9)。可変式圧縮機24の駆動周波数を低下することが出来ない場合、異常運転とみなし、空気調和装置1の運転を停止させる(ステップ10)。現在の運転に温度差ΔTdの問題がないと判断された場合、温度Tdは従来の手法、例えば算術平均値を代表温度TdREPとする(ステップ11)。代表温度TdREPを決定した後は、それぞれの空気調和装置1に搭載している制御方法で、操作器(室外膨張弁16、室内膨張弁38A,38B)を操作する(ステップ12)。
【0043】
(第2の実施形態)
以下、本発明を適用してなる空気調和装置の第2の実施形態について図4を参照して説明する。図4は、本発明の制御装置を備えてなる空気調和装置の概略構成を示したブロック図である。なお、本実施形態では、第1の実施形態と同一のものには同じ符号を付して説明を省略し、第1の実施形態と相違する構成及び特徴部などについて説明する。本実施形態は、第1の実施の形態が吐出温度Tdについて制御を行っているのに対して、吸入温度Tsについて制御を行うものである。
【0044】
ところで、圧縮機の冷凍機油の粘度低下防止や液圧縮防止、しめり度調整の観点から、圧縮機の吸入温度Tsを制御量として制御している空気調和装置も多い。特に、液冷媒を圧縮機に直接注入する液インジェクションタイプの空気調和装置ではインジェクション量を調整するために圧縮機吸入温度Tsを制御量とすることが多い。しかしながら、上記第1の実施の形態で吐出温度Tdの制御について説明したように、駆動周波数可変式圧縮機と定格圧縮機との周波数は倍以上異なることがあり、これに伴ない吸入温度Tsも10k以上異なることがある。そこで、本実施形態の制御装置66は、吸入温度検出器270乃至27n、吸入圧力検出器30から検出された値に基づいて吸入温度Tsの代表温度TsREPを算出し、代表温度TsREPが設計温度Ts0になるように、室外膨張弁16、周波数調整装置25、室内膨張弁38A,38B、を制御して吸入温度Tsの制御を行う構成になっている。
【0045】
このような構成の本実施形態の空気調和装置61の動作と本発明の特徴部である制御装置66について説明する。まず、空気調和装置61の運転が開始されると、可変式圧縮機24、及び定格圧縮機26の駆動が開始され、その後、四方弁20は、暖房の場合、開口AとB、CとDとを、冷房の場合、開口AとC、BとDとを連通させる。そして、吸入側、つまり開口B側の冷媒7を吸込み、圧縮機内で圧縮して、吐出側、つまり開口C側へ吐出する。吸入側の冷媒7は、吸引されることにより圧力が下がり、圧力に低下に伴ない温度が低下する。吐出側の冷媒7は、圧縮されることにより圧力が上昇し、圧力の上昇に伴ない冷媒7の温度が上昇する。このように、温度が変化した冷媒7が室外機3及び室内機5A、5B間を循環し、冷房もしくは暖房を行う。
【0046】
その際、制御装置66は、吸入温度検出器270乃至27n、吸入圧力検出器30から検出された値に基づいて吸入温度Tsの代表温度TsREPを算出し、代表温度TsREPが設計温度Ts0になるように、室外膨張弁16、周波数調整装置25、室内膨張弁38A,38Bを制御して吸入温度Tsの制御を行う。具体的には、図2に示すように、吸入温度検出器270乃至27nが検出した吸入温度Ts(0,1,2,,,,n)(以下Ts)を式(10)に代入する。
【0047】
【数10】
その差ΔTsの最大のΔTsが所定の値εsより小さい場合には、代表温度TsREPを各圧縮機から検出した吸入温度Tsの算術平均により求める。最大のΔTsが所定のεsより大きい場合、つまり、式(10)の状態を逸脱している場合には、最適な冷凍サイクル運転状態、すなわち許容温度範囲に対して、高温側で問題があるのか、低温側で問題があるのかを判断する。つまり、吸入温度Tsの最大値Tsmaxが許容温度範囲の上限温度TsHを上回っているのか、最小値Tsminが許容温度範囲の下限温度TsLを下回っているのかを判断する。
【0048】
最大値Tsmaxが許容温度範囲の上限温度TsHを上回っている場合、Tsminが許容温度範囲の下限温度TsLを十分に上回っているか判断し、問題がない場合には、室外膨張弁16、室内膨張弁38A,38Bを閉じることで可変式圧縮機24及び定格圧縮機261乃至26nの吸入温度Tsを下げることができるため、重み付き平均を用いた式(11)に各圧縮機から検出した吸入温度Tsの最大値Tsmaxと最小値Tsminとを代入して、最大値Tsmax側に傾いた、つまり、最大値Tsmaxに重点をおいた代表温度TsREPを算出する。
【0049】
【数11】
なお、e,fは予め決定されている定数であり、Tsmaxは各圧縮機の吸入温度Tsの最大値、Tsminは各圧縮機の吸入温度Tsの最小値、csはTsmaxとTsminとの差であるΔTsを関数として0から1まで変化する重みであり、図3に示すようにΔTsがe以上である場合に有効になるものとする。
【0050】
また、Tsの最大値Tsmaxが許容温度範囲の上限温度TsHを上回っており、かつ、Tsminが許容温度範囲の下限温度TsLを十分上回っていない場合、最大値Tsmaxと最小値Tsminとの温度差ΔTs自体が問題であるので、最大値Tsmaxの圧縮機が可変式圧縮機24である場合、駆動周波数を低下させる信号を周波数調整装置25へ発信して、可変式圧縮機24の駆動周波数を低下させる。最大値Tsmaxの圧縮機が駆動周波数を変化させることができない定格圧縮機26である場合は、制御による問題解決ができないのでハードウェアによる欠陥とみなし温度上昇に起因するアラームなどの警報を発信する。
【0051】
一方、最小値Tsminが許容温度範囲の下限温度TsLを下回っている場合、吸入温度全体を上げることで高い圧縮機が問題あるかどうかを判断し、問題ない場合は室外膨張弁16、室内膨張弁38A,38Bを閉じることで可変式圧縮機24及び定格圧縮機261乃至26nの吸入温度Tsを上げることができるため、重み付き平均を用いた式(12)に各圧縮機から検出した吸入温度Tsの最大値Tsmaxと最小値Tsminとを代入して、最小値Tsmin寄りの、つまり、最小値Tsminに重点をおいた代表温度TsREPを算出する。
【0052】
【数12】
なお、e,fは予め決定されている定数であり、Tsmaxは各圧縮機の吸入温度Tsの最大値、Tsminは各圧縮機の吸入温度Tsの最小値、csがTsmaxとTsminとの差であるΔTsを関数として0から1まで変化する重みであり、図3に示すようにΔTsがe以上である場合に有効になるものとする。
【0053】
また、Tsの最小値Tsminが許容温度範囲の下限温度TsLを下回っており、かつ、Tsmaxが許容温度範囲の上限温度TsHを十分下回っていない場合、最大値Tsmaxと最小値Tsminとの温度差ΔTs自体が問題であるので、最小値Tsminの圧縮機が可変式圧縮機24である場合、駆動周波数を上昇させる信号を周波数調整装置25へ発信して、可変式圧縮機24の駆動周波数を上昇させる。最小値Tsminの圧縮機が駆動周波数を変化させることができない定格圧縮機26である場合は、制御による問題解決ができないのでハードウェアによる欠陥とみなし温度低下に起因する図示していないアラームなどの警報を発信する。
【0054】
このように、制御装置66は、吸入温度検出器270乃至27nが検出した検出温度の最大値Tsmaxと最小値Tsminとに重みcs及び(1−cs)をそれぞれ掛け合わせた重み付き平均式(4、5)により代表温度TsREPを算出し、最大値Tsmaxが所定の上限温度TsHを上回った場合に最大値Tsmaxの重みを増加させ、最小値Tsminが所定の下限温度TsLを下回った場合に最小値Tsminの重みを増加させることにより、許容温度範囲から外れた圧縮機の温度に代表温度TsREPを近づけることができる。これにより、制御装置66は、許容温度範囲から外れた圧縮機の温度へ移動した代表温度TsREPが設計温度Ts0になるように室外膨張弁16及び室内膨張弁38A,38Bの開度を調整して、複数の圧縮機24、261乃至26nの吸入温度Tsを所定の範囲内に保つことができる。さらに、個々の圧縮機24、26に、圧縮機の駆動周波数を調整する、例えばインバーターなどの装置や、圧縮機の圧縮能力を調整する減圧装置などを搭載する必要がないため、経済的に好ましい。
【0055】
また、室外膨張弁16及び室内膨張弁38A,38Bの開度の調整により、各圧縮機の吸入温度Tsを調整することができない場合には、警報による報知を行うので高温によるモーターの劣化や低温による冷凍機油の粘度低下、液圧縮の発生を防止することができ、空気調和装置61の信頼性を向上させることができるので好ましい。さらに、吸入温度検出器270乃至27nが検出した検出温度Tsの最大値Tsmax及び最小値Tsminの差ΔTsが所定の値εsより小さい場合には、代表温度TsREPを各圧縮機から検出した吸入温度Tsの算術平均により求めることができる。
【0056】
これにより、算術平均及び重み付き平均のいずれの演算によって代表温度TsREPを算出しても代表温度TsREPが設計温度Ts0になるように室外膨張弁16及び室内膨張弁38A,38Bを制御することで最大値Tsmax及び最小値Tsminが許容温度範囲内になる場合には、算術平均により代表温度TsREPを算出することができる。つまり、算術平均と重み付き平均のどちらを用いてもよい場合は、算術平均を用いて数の多い圧縮機の温度に重点を置いて代表温度TsREPを算出することができ、重み付き平均に比べて多くの圧縮機の温度を設計温度Ts0に近づけることができるので好ましい。
【0057】
また、本実施形態では吸入温度Ts、すなわち、圧縮機に流入する冷媒の温度を検出することができるので、可変式圧縮機24及び定格圧縮機261乃至26n内で発生する冷凍機油の粘度低下や液圧縮を比較的検知し易いので好ましい。
【0058】
さらに、式(11)に換えて、最大値Tsmaxが許容温度範囲の上限温度TsHを上回り、かつ、ΔTsがa以下の場合に、式(13)と、ΔTsがeより大きい場合に、式(14)とすることができる。
【0059】
【数13】
【0060】
【数14】
同様に、式(12)に換えて、最小値Tsminが許容温度範囲の下限温度TsLを下回り、かつ、ΔTsがe以下の場合に、式(15)と、ΔTsがeより大きい場合に、式(16)とすることができる。
【0061】
【数15】
【0062】
【数16】
このように、温度差ΔTsがe以下である場合には、算術平均によりTsREP算出し、温度差ΔTsがeを越えた場合には、重み係数cs、(1−cs)を用いる構成とすることができる。これにより、算術平均及び重み付き平均のいずれの演算によって代表温度TsREPを算出しても代表温度TsREPが設計温度Ts0になるように室外膨張弁16及び室内膨張弁38A、38Bを制御することで最大値Tsmax及び最小値Tsminが許容温度範囲内になる場合には、算術平均により代表温度を算出することができる。つまり、算術平均と重み付き平均のどちらを用いてもよい場合は、算術平均を用いて代表温度TsREPを算出することで数の多い圧縮機の吸入温度Tsに重点を置いて代表温度TsREPを算出することができることから、重み付き平均に比べて多くの圧縮機の吸入温度Tsを設計温度Ts0に近づけることができ、圧縮機の信頼性を向上させることができるので好ましい。
【0063】
なお、以上の操作をフローチャートで表したものが図2である。これを元に説明すると、まず現在の圧縮機24、261乃至26nの運転が吸入温度Tsの最大値Tsmaxと最小値Tsminとの差ΔTsの観点から問題ないかを判断する(ステップ1)。次に問題があると判断された場合、それが高温側である最大値Tsmaxが上限温度TsH以上であるか判断する。(ステップ2)。高温側で問題があると判断された場合は、さらに温度を低下させた場合に、低温側で問題ないか、つまり低温側で裕度があるかを判断する(ステップ3)。
【0064】
低温側で問題ないと判断された場合、代表温度TsREPを高温側に重点をおいた値とする(ステップ4)。温度差ΔTsが問題である時、低温側である最小値Tsminが下限温度TsL以下であるか判断する。(ステップ5)低温側で問題があると判断された場合は、さらに温度を上昇させた場合に、高温側で問題ないか、つまり高温側で裕度があるかを判断する(ステップ6)。高温側で問題ないと判断された場合に、低温側に重点をおいた代表温度TsREPとする(ステップ7)。
【0065】
高温側、あるいは低温側で問題があると判断されたにもかかわらず(ステップ2、ステップ5)逆の温度側で裕度がない場合、温度差ΔTs自体が問題あるということになり、もし能力など駆動周波数を下げてもよい条件を満たした場合(ステップ8)、可変式圧縮機24の駆動周波数を低下、もしくは、上昇させる(ステップ9)。可変式圧縮機24の駆動周波数を低下することが出来ない場合、異常運転とみなし、空気調和装置61の運転を停止させる(ステップ10)。現在の運転に温度差ΔTsの問題がないと判断された場合、温度Tsは従来の手法、例えば算術平均値を代表温度TsREPとする(ステップ11)。代表温度TsREPを決定した後は、それぞれの空気調和装置61に搭載している制御方法で、操作器(室外膨張弁16、室内膨張弁38A,38B)を操作する(ステップ12)。
【0066】
また、第1及び第2の実施形態では、室外機3に対して、2台の室内機5A,5Bを設けた構成であったが、本実施形態に限らず、複数の室内機を備えた構成とすることができる。また、圧縮機に支障が生じさせることなく運転を行える温度の範囲を温度許容温度範囲とし、上限温度をTH、下限温度をTLと設定したが、この値は、実際にモーターコイルが焼損したり、冷媒が液圧縮する温度とせずに、警告を発信する上限値もしくは下限値としてのしきい値とすることができる。
【0067】
【発明の効果】
本発明によれば、空気調和装置に設けられた複数の圧縮機の温度を所定の範囲内に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる空気調和装置の第1の実施形態のブロック図である。
【図2】本発明を適用してなる空気調和装置の第1及び第2の実施形態の制御装置が行う制御のフローチャート図である。
【図3】吐出温度の代表温度を演算する際の重みを表すグラフである。
【図4】本発明を適用してなる空気調和装置の第2の実施形態のブロック図である。
【図5】吸入温度の代表温度を演算する際の重みを表すグラフである。
【符号の説明】
1 空気調和装置
7 冷媒
8 室外循環流路
16 室外膨張弁
27 吸入温度検出器
28 吐出温度検出器
34A、34B 室内循環流路
38A、38B 室内膨張弁
Claims (5)
- 並列に複数台接続された圧縮機と、室外熱交換器と、室内熱交換器と、前記圧縮機、室内熱交換器、室外熱交換器間に冷媒を循環させる循環流路と、該循環流路に設けられ前記冷媒の温度を調整する膨張弁と、前記各圧縮機の温度を検出する温度検出器と、該温度検出器により検出された前記各圧縮機の検出温度に基づいて前記膨張弁の開度を調整する制御装置とを備えてなる空気調和装置であって、
前記制御装置は、前記検出温度の重み付き平均により圧縮機の現運転時の代表温度を算出し、該代表温度が、前記圧縮機の設計温度になるように前記膨張弁の開度を制御することを特徴とする空気調和装置。 - 前記制御装置は、前記検出温度の最大値と最小値との重み付き平均により前記代表温度を算出し、前記最大値が前記圧縮機の許容温度の上限を上回った場合に前記最大値に掛け合わせる重みを増加させ、前記最小値が前記圧縮機の許容温度の下限を下回った場合に前記最小値に掛け合わせる重みを増加させることを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
- 並列に複数台接続された圧縮機と、室外熱交換器と、室内熱交換器と、前記圧縮機、室内熱交換器、室外熱交換器間に冷媒を循環させる循環流路と、該循環流路に設けられ前記冷媒の温度を調整する膨張弁と、前記各圧縮機の温度を検出する温度検出器と、該温度検出器により検出された前記各圧縮機の検出温度に基づいて前記膨張弁の開度を調整する制御装置とを備えてなる空気調和装置であって、
前記制御装置は、前記温度検出器により検出された各圧縮機の検出温度の最大値及び最小値の差が所定の温度幅未満の場合、前記検出温度の算術平均により前記圧縮機の現運転時の代表温度を算出し、該代表温度が、前記圧縮機の設計温度になるように前記膨張弁の開度を制御し、
前記最大値及び最小値の差が前記所定の温度幅以上である場合で、前記最大値が前記圧縮機の許容温度の上限を上回っているならば前記最大値に掛け合わせる重みを増加させ、前記最小値が前記圧縮機の許容温度の下限を下回っているならば前記最小値に掛け合わせる重みを増加させた前記最大値及び最小値の重み付き平均により現運転時の代表温度を算出し、該代表温度が、前記圧縮機の設計温度になるように前記膨張弁の開度を制御することを特徴とする空気調和装置。 - 前記温度検出器が、前記圧縮機の吸入側の冷媒の温度を検出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の空気調和装置。
- 前記温度検出器が、前記圧縮機の吐出側の冷媒の温度を検出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の空気調和装置。
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