JP2003004312A - 空気調和装置 - Google Patents

空気調和装置

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JP2003004312A JP2001193462A JP2001193462A JP2003004312A JP 2003004312 A JP2003004312 A JP 2003004312A JP 2001193462 A JP2001193462 A JP 2001193462A JP 2001193462 A JP2001193462 A JP 2001193462A JP 2003004312 A JP2003004312 A JP 2003004312A
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崇嗣 久保田
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悟 吉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の圧縮機の温度を所定の範囲内に保つこ
とができる空気調和装置を提供する。 【解決手段】 本発明の空気調和装置1は、圧縮機2
4、26が並列に複数台接続され冷媒7が循環する循環
流路8、34と、循環流路8、34に設けられた膨張弁
16、38と、圧縮機24、26内を通流する冷媒7の
温度を検出する温度検出器27、28とを備え、温度検
出器27、28により検出された検出温度に重みを掛け
合わせた重み付き平均により算出された代表温度が設計
温度になるように膨張弁の開度を制御する制御装置を設
けたことにより、圧縮機24、26の温度を一律に運転
に支障を与えない範囲に保つことができ、空気調和装置
の信頼性を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和装置に係
り、特に、複数の圧縮機を備えた空気調和装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】室内機を複数台設けた構成にするなどの
負荷の増大に対応するために、冷媒を搬送する圧縮機が
複数並列に設けられた構成の空気調和装置が知られてい
る。これらの空気調和装置に設けられた圧縮機の温度が
高くなると、例えば、圧縮機のモーターのコイルなどが
熱により劣化する場合がある。また逆に、圧縮機内の冷
媒の温度が低くなると、圧縮機内の冷凍機油の粘度が低
下して圧縮機が破損したり、冷媒が液化して液圧縮をお
こし圧縮機が故障する場合がある。このため、圧縮機の
温度、圧縮機に流入する冷媒の温度である吸入温度、及
び圧縮機から吐出する冷媒の温度である吐出温度など
を、圧縮機の運転に支障を与えない所定の温度範囲、つ
まり許容温度範囲内に保つ必要がある。
【0003】従来、このような構成の空気調和装置で
は、例えば、特開平6-272972号公報に示すように、複数
の圧縮機の温度をそれぞれ検出し、検出した温度の算術
平均により算出された圧縮機の代表温度が、圧縮機を問
題なく運転できる最適な温度、つまり設計温度になるよ
うに、冷媒が循環する冷凍サイクルの全体の圧力を制御
する膨張弁の開度を調整し、冷媒の圧力を変化させるこ
とで圧縮機へ流入する冷媒の温度を変化させている。こ
れにより、複数の圧縮機の温度を一律に、つまり、全て
の圧縮機の温度制御を均等に行うことで許容温度範囲内
に保つことができ、モーターの劣化、圧縮機内の冷凍機
油の粘度低下、及び冷媒の液化による液圧縮を抑制して
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、空気調和装
置の任意の出力を得るために、駆動周波数の異なる定格
圧縮機や、駆動周波数を変化させることができる可変式
圧縮機などを組み合わせて搭載する場合がある。このよ
うな構成とすると、それぞれの圧縮機の駆動周波数に差
が生じる場合があり、駆動周波数の差に伴なって、圧縮
機の温度、吸入温度、及び吐出温度も、それぞれの圧縮
機毎に異なる場合がある。特に、可変式圧縮機は、駆動
周波数を120Hzまで運転することができるものもあり、
これに対して定格圧縮機の駆動周波数は電源周波数と同
様に50Hz程度である。このように、可変式圧縮機と定格
圧縮機との駆動周波数は2倍以上ある場合があり、吐出
温度及び吸入温度も30K以上の差がつく場合がある。
【0005】しかしながら、従来の制御を行う空気調和
装置では、例えば、一つの圧縮機の温度が算術平均より
突出している場合であっても、算術平均により算出され
た代表温度に基づいて膨張弁を調整することで圧縮機の
温度を制御しているので、圧縮機の温度が許容温度範囲
から外れてしまい、熱によるモーター部品の劣化、冷凍
機油の粘度低下による圧縮機の破損、及び圧縮機内の冷
媒の液化による液圧縮が発生する場合がある。例えば、
吐出温度Tdの制御を行う場合について具体例を挙げて説
明すると、吐出温度Tdの許容温度範囲の上限温度TdHを1
10℃、下限温度TdLを70℃、圧縮機吐出圧力をPd=2.1MP
a、圧縮機の最適な吐出温度、つまり吐出設計温度を、
例えば30.6×Pd+25℃=Td0=85.3℃と設定し、1台の可
変圧縮機と3台の定格圧縮機を備えた空気調和装置にお
いて、可変式圧縮機の吐出温度がTd1=120℃、他方の定
格圧縮機の吐出温度がTd2,Td3,Td4=74℃である場合、
従来の算術平均により算出された圧縮機の代表温度はTd
REP=(Td1+Td2+Td3+Td4)/4=85.5℃となる。
【0006】このように算出された代表温度TdREPに基
づいて制御装置は、吐出温度Tdの代表温度TdREPが吐出
設計温度Td0であると判断し、この状態を維持する。し
かし、実際には、可変圧縮機の吐出温度Td1は許容範囲
の上限温度より高い温度なので、モーターが熱により劣
化する場合がある。同様に、可変圧縮機の吐出温度がTd
1=60℃、Td2,Td3,Td4=94℃であるとすると、冷凍機油
の粘度低下による圧縮機の破損や、冷媒が液化して液圧
縮が起きるなどの支障が発生する場合がある。
【0007】また、複数の圧縮機を全て可変式圧縮機と
することで、それぞれの圧縮機の温度を同程度に保ちつ
つ、任意の出力を得ることもできるが、この場合、全て
の圧縮機に、圧縮機の駆動周波数を調整する、例えばイ
ンバーターなどの装置や、圧縮機の圧縮能力を調整する
減圧装置などを搭載する必要があるため、経済的に好ま
しくない。このため、温度の異なる複数の圧縮機を一律
に制御して所定の温度範囲にすることができる空気調和
装置が求められている。
【0008】本発明の課題は、空気調和装置に設けられ
た温度の異なる複数の圧縮機の温度を所定の範囲内に保
つことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の空気調和装置
は、並列に複数台接続された圧縮機と、室外熱交換器
と、室内熱交換器と、圧縮機、室内熱交換器、室外熱交
換器間に冷媒を循環させる循環流路と、この循環流路に
設けられ冷媒の温度を調整する膨張弁と、各圧縮機の温
度を検出する温度検出器と、この温度検出器により検出
された各圧縮機の検出温度に基づいて膨張弁の開度を調
整する制御装置とを備え、制御装置は、検出温度の重み
付き平均により圧縮機の現運転時の代表温度を算出し、
この代表温度が、設計温度になるように膨張弁の開度を
制御することにより上記課題を解決する。
【0010】このような構成とすることにより、複数設
けられた各々の圧縮機の温度を検出し、検出した温度
を、重み付き平均の式、例えば、式(1)及び(2)に
示すような重み付き平均の式に代入し、各圧縮機の重み
を増減させることで代表温度の調整を行うことができ
る。これにより、圧縮機の代表温度を所定の圧縮機の温
度に近づけることができ、つまり、所定の圧縮機に重点
を置いた圧縮機の代表温度を算出することができ、その
代表温度に基づいて膨張弁の開度を調整することができ
るので、従来に比べて所定の圧縮機の温度を容易に調整
することができる。また、式(1)では、代表温度をT
REP、検出温度をT1,T2,T3、重みをw1,w2,w3とする。
【0011】
【数1】 同様に、式(2)では、代表温度をTREP、検出温度をT
1,T2,T3、重みをw1,w2,w3とする。
【0012】
【数2】 したがって、例えば、一つの圧縮機iの温度が、他の圧
縮機の温度の算術平均より突出している場合に、その平
均的でない、つまり、設計温度T0との温度差が比較的大
きい圧縮機iの重みwiを増加させて代表温度TREPを算
出することができる。これにより、制御装置が代表温度
TREPを設計温度T0に近づくように膨張弁を制御すること
で、平均的でない圧縮機の温度Tiを考慮した制御を行
うことができる。
【0013】さらに、制御装置は、検出温度の最大値と
最小値との重み付き平均により代表温度を算出し、最大
値が圧縮機の許容温度の上限を上回った場合に最大値に
掛け合わせる重みを増加させ、最小値が圧縮機の許容温
度の下限を下回った場合に最小値に掛け合わせる重みを
増加させる構成とすることができる。このような構成と
することにより、検出温度の最大値が所定の温度範囲の
上限である上限温度を上回った場合に、最大値の重みを
増加させ、検出温度の最小値が所定の温度の下限である
下限温度を下回った場合に最小値の重みを増加させるこ
とができるため、許容温度範囲から外れた圧縮機の温度
に圧縮機の代表温度を近づけることができる。これによ
り、制御装置が、代表温度を設計温度になるように膨張
弁の開度を調整することで、許容温度範囲から外れた圧
縮機の温度を所定の範囲内に保つことができる。
【0014】また、本発明の空気調和装置は、並列に複
数台接続された圧縮機と、室外熱交換器と、室内熱交換
器と、圧縮機、室内熱交換器、室外熱交換器間に冷媒を
循環させる循環流路と、この循環流路に設けられ冷媒の
温度を調整する膨張弁と、各々の圧縮機の温度を検出す
る温度検出器と、この温度検出器により検出された各圧
縮機の検出温度に基づいて膨張弁の開度を調整する制御
装置とを備え、制御装置は、温度検出器により検出され
た各圧縮機の検出温度の最大値及び最小値の差が所定の
温度幅未満の場合、検出温度の算術平均により圧縮機の
現運転時の代表温度を算出し、この代表温度が、最適な
温度である設計温度になるように膨張弁の開度を制御す
る。一方、最大値及び最小値の差が所定の温度幅以上で
ある場合、制御装置は、最大値が圧縮機の許容温度の上
限を上回っているならば最大値に掛け合わせる重みを増
加させ、最小値が圧縮機の許容温度の下限を下回ってい
るならば最小値に掛け合わせる重みを増加させた最大値
及び最小値の重み付き平均により現運転時の代表温度を
算出し、この代表温度が、設計温度になるように膨張弁
の開度を制御する構成とすることができる。
【0015】このような構成とすることにより、最大値
と最小値との温度差が、所定の温度幅、例えば、設計温
度と上限温度との温度差、もしくは設計温度と下限温度
との温度差より小さくなる場合に、算術平均により代表
温度を算出することができる。つまり、算術平均及び重
み付き平均のいずれの演算によって代表温度を算出して
も代表温度が設計温度になるように膨張弁を制御するこ
とで最大値及び最小値が許容温度範囲内になる場合に、
算術平均により代表温度を算出することができる。これ
により、重み付き平均に比べて多くの圧縮機の温度を設
計温度に近づけることができるので好ましい。
【0016】さらに、複数の圧縮機の少なくとも1つの
圧縮機が、駆動周波数を変化させることができる可変式
圧縮機である構成とすることができる。また、温度検出
器が、圧縮機の吸入側の冷媒の温度、すなわち吸入温度
を検出する構成とすることができる。このような構成と
することで、圧縮機に流入する冷媒の温度を検出するこ
とができる。これにより、圧縮機内での冷凍機油の粘度
低下や冷媒の液圧縮の発生を比較的検知し易いので好ま
しい。また、温度検出器が、圧縮機の吐出側の冷媒の温
度、すなわち吐出温度を検出する構成とすることができ
る。このような構成とすることで、圧縮機から流出する
冷媒の温度を検出することができる。これにより、圧縮
機の温度の上昇によるモータコイルなどの劣化を比較的
検知し易いので好ましい。
【0017】
【実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明を適用
してなる空気調和装置の第1の実施形態について図1を
参照して説明する。図1は、本発明の制御装置を備えて
なる空気調和装置の概略構成を示したブロック図であ
る。本発明が適用される空気調和装置1は、室外機3、
室内機5A,5B、制御装置6などで構成されている。
【0018】室外機3内には、冷媒7が通流する室外循
環流路8が設けられている。室外循環流路8の一端は、
室外機3の外側に設けられた連結部10に連結され、他
端は、同じく室外機3の外側に設けられた連結部12に
連結されている。室外循環流路8には、連結部10から
順次、冷媒量調節器14、室外膨張弁16、室外熱交換
器18、及び四方弁20が設けられている。また、室外
熱交換器18には、外気を室外熱交換器18に送る室外
ファン22が設けられている。
【0019】四方弁20は、A,B,C,Dの四つの開口を有
し、AとB及びCとDを連通させる、もしくは、AとC及びB
とDを連通させる機能を有する。四方弁20のAの開口に
は室外熱交換器18が、Dの開口には連結部12が連結
されている。そして、Bの開口には、アキュムレータ2
3が連結され、アキュムレータ23には、1台の可変式
圧縮機24、及び複数の定格圧縮機261,262,乃至
26nの吸入側がそれぞれ並列に連結されている。可変
式圧縮機24、定格圧縮機26のそれぞれの吐出側は、
四方弁20のCの開口に並列に連結されている。可変式
圧縮機24には、圧縮機24の駆動周波数を調整する、
例えばインバーターなどの周波数調整装置25が設けら
れている。
【0020】また、可変式圧縮機24、定格圧縮機26
のそれぞれの吸入側には、吸入する冷媒7の温度を検出
する吸入温度検出器270,271,272,乃至27n
が、吐出側には、吐出される冷媒7の温度を検出する吐
出温度検出器280,281,282,乃至28nがそれぞ
れ設けられている。さらに、アキュムレータ23には、
可変式圧縮機24及び定格圧縮機26へ流入する冷媒7
の圧力を検出する吸入圧力検出器30が設けられ、開口
C部には、吐出側の冷媒7の圧力を検出する吐出圧力検
出器32が設けられている。
【0021】室内機5A,5Bは、それぞれ、冷媒7が通
流する室内循環流路34A,34Bを有している。室内循
環流路34A,34Bの一端は、連結部12に並列に連結
され、室内循環流路34A,34Bの他端は、連結部10
にそれぞれ、つまり並列に連結されている。また、室内
循環流路34A,34Bには、連結部12からそれぞれ順
次、室内熱交換器36A,36B、室内膨張弁38A,38B
が設けられている。室内熱交換器36A,36Bには、室
内ファン40A,40Bがそれぞれ設けられている。
【0022】制御装置6は、室外膨張弁16、周波数調
整装置25、吸入温度検出器270乃至27n、吐出温
度検出器280乃至28n、吸入圧力検出器30、吐出
圧力検出器32、室内膨張弁38A,38B、室外ファン
22、室内ファン40A,40B、熱交換器温度検出器4
2などと配線を通じて電気的に接続されている。制御装
置6は、吐出温度検出器280乃至28n、吐出圧力検
出器32から検出された値に基づいて吐出温度の代表温
度TdREPを算出し、代表温度TdREPが設計温度Td0になる
ように、室外膨張弁16、周波数調整装置25、室内膨
張弁38A,38B、を制御して吐出温度の制御を行う構
成になっている。
【0023】このような構成の本実施形態の空気調和装
置1の動作と本発明の特徴部である制御装置6について
説明する。まず、空気調和装置1の運転が開始される
と、可変式圧縮機24、及び定格圧縮機26の駆動が開
始され、その後四方弁20は、暖房の場合、開口AとB、
CとDとを、冷房の場合、開口AとC、BとDとを連通させ
る。そして吸入側、つまり開口B側の冷媒7を吸込み、
圧縮機内で圧縮して、吐出側、つまり開口C側へ吐出す
る。吸入側の冷媒7は、吸引されることにより圧力が下
がり、圧力に低下に伴ない温度が低下する。吐出側の冷
媒7は、圧縮されることにより圧力が上昇し、圧力の上
昇に伴ない冷媒7の温度が上昇する。このように、温度
が変化した冷媒7が室外機3及び室内機5A,5B間を循
環し、冷房もしくは暖房を行う。
【0024】その際、制御装置6は、吐出温度検出器2
80乃至28n、吐出圧力検出器32から検出された値
に基づいて吐出温度Tdの代表温度TdREPを算出し、代表
温度TdREPが設計温度Td0になるように、室外膨張弁1
6、周波数調整装置25、室内膨張弁38A,38Bを制
御して吐出温度Tdの制御を行う。具体的には、図2に示
すように、吐出温度検出器280乃至28nが検出した
吐出温度Td(0,1,2,,,,n)(以下Td)を式(3)に代入
する。
【0025】
【数3】 その差ΔTdの最大のΔTdが所定の値εdより小さい場合
には、代表温度TdREPを各圧縮機から検出した吐出温度T
dの算術平均により求める。最大のΔTdが所定のεdより
大きい場合、つまり、式(3)の状態を逸脱している場
合には、最適な冷凍サイクル運転状態、すなわち許容温
度範囲に対して、高温側で問題があるのか、低温側で問
題があるのかを判断する。つまり、吐出温度Tdの最大値
Tdmaxが許容温度範囲の上限温度TdHを上回っているの
か、最小値Tdminが許容温度範囲の下限温度TdLを下回っ
ているのかを判断する。
【0026】最大値Tdmaxが許容温度範囲の上限温度TdH
を上回っている場合、Tdminが許容温度範囲の下限温度T
dLを十分上回っているか判断し、問題がない場合には、
室外膨張弁16、室内膨張弁38A,38Bを開くことで
可変式圧縮機24及び定格圧縮機261乃至26nの吐
出温度Tdを下げることができるため、重み付き平均を用
いた式(4)に各圧縮機から検出した吐出温度Tdの最大
値Tdmaxと最小値Tdm inとを代入して、最大値Tdmax側に
傾いた、つまり、最大値Tdmaxに重点をおいた代表温度T
dREPを算出する。
【0027】
【数4】 なお、a,bは予め決定されている定数であり、Tdmaxは各
圧縮機の吐出温度Tdの最大値、Tdminは各圧縮機の吐出
温度Tdの最小値、cdはTdmaxとTdminとの差であるΔTdを
関数として0から1まで変化する重みであり、図3に示す
ようにΔTdがa以上である場合に有効になるものとす
る。
【0028】また、Tdの最大値Tdmaxが許容温度範囲の
上限温度TdHを上回っており、かつ、Tdminが許容温度範
囲の下限温度TdLを十分上回っていない場合、最大値Td
maxと最小値Tdminとの温度差ΔTd自体が問題であるの
で、最大値Tdmaxの圧縮機が可変式圧縮機24である場
合、駆動周波数を低下させる信号を周波数調整装置25
へ発信して、可変式圧縮機24の駆動周波数を低下させ
る。最大値Tdmaxの圧縮機が駆動周波数を変化させるこ
とができない定格圧縮機26である場合は、制御による
問題解決ができないのでハードウェアによる欠陥とみな
し温度上昇に起因するアラームなどの警報を発信する。
【0029】一方、最小値Tdminが許容温度範囲の下限
温度TdLを下回っている場合、吐出温度Td全体を上げる
ことで高い圧縮機が問題あるかどうかを判断し、問題な
い場合は室外膨張弁16、室内膨張弁38A,38Bを閉
じることで可変式圧縮機24及び定格圧縮機261乃至
26nの吐出温度Tdを上げることができるため、重み付
き平均を用いた式(5)に各圧縮機から検出した吐出温
度Tdの最大値Tdmaxと最小値Tdminとを代入して、最小値
Tdmin寄りの、つまり、最小値Tdminに重点をおいた代表
温度TdREPを算出する。
【0030】
【数5】 なお、a,bは予め決定されている定数であり、Tdmaxは各
圧縮機の吐出温度Tdの最大値、Tdminは各圧縮機の吐出
温度Tdの最小値、cdがTdmaxとTdminとの差であるΔTdを
関数として0から1まで変化する重みであり、図3に示す
ようにΔTdがa以上である場合に有効になるものとす
る。
【0031】また、Tdの最小値Tdminが許容温度範囲の
下限温度TdLを下回っており、かつ、Tdmaxが許容温度範
囲の上限温度TdHを十分下回っていない場合、最大値Td
maxと最小値Tdminとの温度差ΔTd自体が問題であるの
で、最小値Tdminの圧縮機が可変式圧縮機24である場
合、駆動周波数を上昇させる信号を周波数調整装置25
へ発信して、可変式圧縮機24の駆動周波数を上昇させ
る。最小値Tdminの圧縮機が駆動周波数を変化させるこ
とができない定格圧縮機26である場合は、制御による
問題解決ができないのでハードウェアによる欠陥とみな
し温度低下に起因する図示していないアラームなどの警
報を発信する。
【0032】このように、制御装置6は、吐出温度検出
器280乃至28nが検出した検出温度の最大値Tdmax
最小値Tdminとに重みcd及び(1−cd)をそれぞれ掛け
合わせた重み付き平均式(4、5)により代表温度Td
REPを算出し、最大値Tdmaxが所定の上限温度TdHを上回
った場合に最大値Tdmaxの重みを増加させ、最小値Tdmin
が所定の下限温度TdLを下回った場合に最小値Tdminの重
みを増加させることにより、許容温度範囲から外れた圧
縮機の温度に代表温度TdREPを近づけることができる。
これにより、制御装置6は、許容温度範囲から外れた圧
縮機の温度へ移動した代表温度TdREPが設計温度Td0にな
るように室外膨張弁16及び室内膨張弁38A,38Bの
開度を調整して、複数の圧縮機24、261乃至26n
の吐出温度Tdを所定の範囲内に保つことができる。
【0033】また、室外膨張弁16及び室内膨張弁38
A,38Bの開度の調整により、各圧縮機の吐出温度Tdを
調整することができない場合には、警報による報知を行
うので高温によるモーターの劣化や低温による液圧縮の
発生を防止することができ、空気調和装置1の信頼性を
向上させることができるので好ましい。さらに、吐出温
度検出器280乃至28nが検出した検出温度の最大値T
dmax及び最小値Tdminの差ΔTdが所定の値εdより小さい
場合には、代表温度TdREPを各圧縮機から検出した吐出
温度Tdの算術平均により求めることができる。これによ
り、算術平均及び重み付き平均のいずれの演算によって
代表温度TdREPを算出しても代表温度TdR EPが設計温度Td
0になるように室外膨張弁16及び室内膨張弁38A,3
8Bを制御することで最大値Tdmax及び最小値Tdminが許
容温度範囲内になる場合には、算術平均により代表温度
を算出することができる。つまり、算術平均と重み付き
平均のどちらを用いてもよい場合は、算術平均を用いて
数の多い圧縮機の温度に重点を置いて代表温度を算出す
ることができ、重み付き平均に比べて多くの圧縮機の温
度を設計温度に近づけることができるので好ましい。
【0034】また、本実施形態では吐出温度Td、すなわ
ち、圧縮機から流出する冷媒の温度を検出することがで
きるので、可変式圧縮機24及び定格圧縮機261乃至
26nの温度の上昇によるモータコイルなどの劣化を比
較的検知し易いので好ましい。
【0035】さらに、式(4)に換えて、最大値Tdmax
が許容温度範囲の上限温度TdHを上回り、かつ、ΔTdがa
以下の場合に、式(6)と、ΔTdがaより大きい場合
に、式(7)とすることができる。
【0036】
【数6】
【0037】
【数7】 同様に、式(5)に換えて、最小値Tdminが許容温度範
囲の下限温度TdLを下回り、かつ、ΔTdがa以下の場合
に、式(8)と、ΔTdがaより大きい場合に、式(9)
とすることができる。
【0038】
【数8】
【0039】
【数9】 このように、温度差ΔTdがa以下である場合には、算術
平均によりTdREP算出し、温度差ΔTdがaを越えた場合に
は、重み係数cd、(1−cd)を用いる構成とすることが
できる。これにより、算術平均及び重み付き平均のいず
れの演算によって代表温度TdREPを算出しても代表温度T
dREPが設計温度Td0になるように室外膨張弁16及び室
内膨張弁38A,38Bを制御することで最大値Tdmax及び
最小値Td minが許容温度範囲内になる場合には、算術平
均により代表温度を算出することができる。つまり、算
術平均と重み付き平均のどちらを用いてもよい場合は、
算術平均を用いて代表温度TdREPを算出することで数の
多い圧縮機の吐出温度Tdに重点を置いて代表温度TdREP
を算出することができることから、重み付き平均に比べ
て多くの圧縮機の吐出温度Tdを設計温度Td0に近づける
ことができ、圧縮機の信頼性を向上させることができる
ので好ましい。
【0040】なお、以上の操作をフローチャートで表し
たものが図2である。これを元に説明すると、まず現在
の圧縮機24、261乃至26nの運転が吐出温度Tdの
最大値Tdmaxと最小値Tdminとの差ΔTdの観点から問題な
いかを判断する(ステップ1)。次に問題があると判断
された場合、それが高温側である最大値Tdmaxが上限温
度TdH以上であるか判断する。(ステップ2)。高温側
で問題があると判断された場合は、さらに温度を低下さ
せた場合に、低温側で問題ないか、つまり低温側で裕度
があるかを判断する(ステップ3)。
【0041】低温側で問題ないと判断された場合、代表
温度TdREPを高温側に重点をおいた値とする(ステップ
4)。温度差ΔTdが問題である時、低温側である最小値
Tdmi nが下限温度TdL以下であるか判断する。(ステップ
5)低温側で問題があると判断された場合は、さらに温
度を上昇させた場合に、高温側で問題ないか、つまり高
温側で裕度があるかを判断する(ステップ6)。高温側
で問題ないと判断された場合に、低温側に重点をおいた
代表温度TdREPとする(ステップ7)。
【0042】高温側、あるいは低温側で問題があると判
断されたにもかかわらず(ステップ2、ステップ5)逆
の温度側で裕度がない場合、温度差ΔTd自体が問題ある
ということになり、もし能力など駆動周波数を下げても
よい条件を満たした場合(ステップ8)、可変式圧縮機
24の駆動周波数を低下、もしくは、上昇させる(ステ
ップ9)。可変式圧縮機24の駆動周波数を低下するこ
とが出来ない場合、異常運転とみなし、空気調和装置1
の運転を停止させる(ステップ10)。現在の運転に温
度差ΔTdの問題がないと判断された場合、温度Tdは従来
の手法、例えば算術平均値を代表温度TdREPとする(ス
テップ11)。代表温度TdREPを決定した後は、それぞ
れの空気調和装置1に搭載している制御方法で、操作器
(室外膨張弁16、室内膨張弁38A,38B)を操作す
る(ステップ12)。
【0043】(第2の実施形態)以下、本発明を適用し
てなる空気調和装置の第2の実施形態について図4を参
照して説明する。図4は、本発明の制御装置を備えてな
る空気調和装置の概略構成を示したブロック図である。
なお、本実施形態では、第1の実施形態と同一のものに
は同じ符号を付して説明を省略し、第1の実施形態と相
違する構成及び特徴部などについて説明する。本実施形
態は、第1の実施の形態が吐出温度Tdについて制御を行
っているのに対して、吸入温度Tsについて制御を行うも
のである。
【0044】ところで、圧縮機の冷凍機油の粘度低下防
止や液圧縮防止、しめり度調整の観点から、圧縮機の吸
入温度Tsを制御量として制御している空気調和装置も多
い。特に、液冷媒を圧縮機に直接注入する液インジェク
ションタイプの空気調和装置ではインジェクション量を
調整するために圧縮機吸入温度Tsを制御量とすることが
多い。しかしながら、上記第1の実施の形態で吐出温度
Tdの制御について説明したように、駆動周波数可変式圧
縮機と定格圧縮機との周波数は倍以上異なることがあ
り、これに伴ない吸入温度Tsも10k以上異なることがあ
る。そこで、本実施形態の制御装置66は、吸入温度検
出器270乃至27n、吸入圧力検出器30から検出さ
れた値に基づいて吸入温度Tsの代表温度TsREPを算出
し、代表温度TsREPが設計温度Ts0になるように、室外膨
張弁16、周波数調整装置25、室内膨張弁38A,38
B、を制御して吸入温度Tsの制御を行う構成になってい
る。
【0045】このような構成の本実施形態の空気調和装
置61の動作と本発明の特徴部である制御装置66につ
いて説明する。まず、空気調和装置61の運転が開始さ
れると、可変式圧縮機24、及び定格圧縮機26の駆動
が開始され、その後、四方弁20は、暖房の場合、開口
AとB、CとDとを、冷房の場合、開口AとC、BとDとを連通
させる。そして、吸入側、つまり開口B側の冷媒7を吸
込み、圧縮機内で圧縮して、吐出側、つまり開口C側へ
吐出する。吸入側の冷媒7は、吸引されることにより圧
力が下がり、圧力に低下に伴ない温度が低下する。吐出
側の冷媒7は、圧縮されることにより圧力が上昇し、圧
力の上昇に伴ない冷媒7の温度が上昇する。このよう
に、温度が変化した冷媒7が室外機3及び室内機5A、
5B間を循環し、冷房もしくは暖房を行う。
【0046】その際、制御装置66は、吸入温度検出器
270乃至27n、吸入圧力検出器30から検出された
値に基づいて吸入温度Tsの代表温度TsREPを算出し、代
表温度TsREPが設計温度Ts0になるように、室外膨張弁1
6、周波数調整装置25、室内膨張弁38A,38Bを制
御して吸入温度Tsの制御を行う。具体的には、図2に示
すように、吸入温度検出器270乃至27nが検出した
吸入温度Ts(0,1,2,,,,n)(以下Ts)を式(10)に代
入する。
【0047】
【数10】 その差ΔTsの最大のΔTsが所定の値εsより小さい場合
には、代表温度TsREPを各圧縮機から検出した吸入温度T
sの算術平均により求める。最大のΔTsが所定のεsより
大きい場合、つまり、式(10)の状態を逸脱している
場合には、最適な冷凍サイクル運転状態、すなわち許容
温度範囲に対して、高温側で問題があるのか、低温側で
問題があるのかを判断する。つまり、吸入温度Tsの最大
値Tsmaxが許容温度範囲の上限温度TsHを上回っているの
か、最小値Tsminが許容温度範囲の下限温度TsLを下回っ
ているのかを判断する。
【0048】最大値Tsmaxが許容温度範囲の上限温度TsH
を上回っている場合、Tsminが許容温度範囲の下限温度T
sLを十分に上回っているか判断し、問題がない場合に
は、室外膨張弁16、室内膨張弁38A,38Bを閉じる
ことで可変式圧縮機24及び定格圧縮機261乃至26
nの吸入温度Tsを下げることができるため、重み付き平
均を用いた式(11)に各圧縮機から検出した吸入温度
Tsの最大値Tsmaxと最小値Tsminとを代入して、最大値Ts
max側に傾いた、つまり、最大値Tsmaxに重点をおいた代
表温度TsREPを算出する。
【0049】
【数11】 なお、e,fは予め決定されている定数であり、Tsmaxは各
圧縮機の吸入温度Tsの最大値、Tsminは各圧縮機の吸入
温度Tsの最小値、csはTsmaxとTsminとの差であるΔTsを
関数として0から1まで変化する重みであり、図3に示す
ようにΔTsがe以上である場合に有効になるものとす
る。
【0050】また、Tsの最大値Tsmaxが許容温度範囲の
上限温度TsHを上回っており、かつ、Tsminが許容温度範
囲の下限温度TsLを十分上回っていない場合、最大値Ts
maxと最小値Tsminとの温度差ΔTs自体が問題であるの
で、最大値Tsmaxの圧縮機が可変式圧縮機24である場
合、駆動周波数を低下させる信号を周波数調整装置25
へ発信して、可変式圧縮機24の駆動周波数を低下させ
る。最大値Tsmaxの圧縮機が駆動周波数を変化させるこ
とができない定格圧縮機26である場合は、制御による
問題解決ができないのでハードウェアによる欠陥とみな
し温度上昇に起因するアラームなどの警報を発信する。
【0051】一方、最小値Tsminが許容温度範囲の下限
温度TsLを下回っている場合、吸入温度全体を上げるこ
とで高い圧縮機が問題あるかどうかを判断し、問題ない
場合は室外膨張弁16、室内膨張弁38A,38Bを閉じ
ることで可変式圧縮機24及び定格圧縮機261乃至2
6nの吸入温度Tsを上げることができるため、重み付き
平均を用いた式(12)に各圧縮機から検出した吸入温
度Tsの最大値Tsmaxと最小値Tsminとを代入して、最小値
Tsmin寄りの、つまり、最小値Tsminに重点をおいた代表
温度TsREPを算出する。
【0052】
【数12】 なお、e,fは予め決定されている定数であり、Tsmaxは各
圧縮機の吸入温度Tsの最大値、Tsminは各圧縮機の吸入
温度Tsの最小値、csがTsmaxとTsminとの差であるΔTsを
関数として0から1まで変化する重みであり、図3に示す
ようにΔTsがe以上である場合に有効になるものとす
る。
【0053】また、Tsの最小値Tsminが許容温度範囲の
下限温度TsLを下回っており、かつ、Tsmaxが許容温度範
囲の上限温度TsHを十分下回っていない場合、最大値Ts
maxと最小値Tsminとの温度差ΔTs自体が問題であるの
で、最小値Tsminの圧縮機が可変式圧縮機24である場
合、駆動周波数を上昇させる信号を周波数調整装置25
へ発信して、可変式圧縮機24の駆動周波数を上昇させ
る。最小値Tsminの圧縮機が駆動周波数を変化させるこ
とができない定格圧縮機26である場合は、制御による
問題解決ができないのでハードウェアによる欠陥とみな
し温度低下に起因する図示していないアラームなどの警
報を発信する。
【0054】このように、制御装置66は、吸入温度検
出器270乃至27nが検出した検出温度の最大値Tsmax
と最小値Tsminとに重みcs及び(1−cs)をそれぞれ掛
け合わせた重み付き平均式(4、5)により代表温度Ts
REPを算出し、最大値Tsmaxが所定の上限温度TsHを上回
った場合に最大値Tsmaxの重みを増加させ、最小値Tsmi n
が所定の下限温度TsLを下回った場合に最小値Tsminの重
みを増加させることにより、許容温度範囲から外れた圧
縮機の温度に代表温度TsREPを近づけることができる。
これにより、制御装置66は、許容温度範囲から外れた
圧縮機の温度へ移動した代表温度TsREPが設計温度Ts0
なるように室外膨張弁16及び室内膨張弁38A,38B
の開度を調整して、複数の圧縮機24、261乃至26
nの吸入温度Tsを所定の範囲内に保つことができる。さ
らに、個々の圧縮機24、26に、圧縮機の駆動周波数
を調整する、例えばインバーターなどの装置や、圧縮機
の圧縮能力を調整する減圧装置などを搭載する必要がな
いため、経済的に好ましい。
【0055】また、室外膨張弁16及び室内膨張弁38
A,38Bの開度の調整により、各圧縮機の吸入温度Tsを
調整することができない場合には、警報による報知を行
うので高温によるモーターの劣化や低温による冷凍機油
の粘度低下、液圧縮の発生を防止することができ、空気
調和装置61の信頼性を向上させることができるので好
ましい。さらに、吸入温度検出器270乃至27nが検
出した検出温度Tsの最大値Tsmax及び最小値Tsminの差Δ
Tsが所定の値εsより小さい場合には、代表温度TsREP
各圧縮機から検出した吸入温度Tsの算術平均により求め
ることができる。
【0056】これにより、算術平均及び重み付き平均の
いずれの演算によって代表温度TsRE Pを算出しても代表
温度TsREPが設計温度Ts0になるように室外膨張弁16及
び室内膨張弁38A,38Bを制御することで最大値Tsmax
及び最小値Tsminが許容温度範囲内になる場合には、算
術平均により代表温度TsREPを算出することができる。
つまり、算術平均と重み付き平均のどちらを用いてもよ
い場合は、算術平均を用いて数の多い圧縮機の温度に重
点を置いて代表温度TsREPを算出することができ、重み
付き平均に比べて多くの圧縮機の温度を設計温度Ts0
近づけることができるので好ましい。
【0057】また、本実施形態では吸入温度Ts、すなわ
ち、圧縮機に流入する冷媒の温度を検出することができ
るので、可変式圧縮機24及び定格圧縮機261乃至2
6n内で発生する冷凍機油の粘度低下や液圧縮を比較的
検知し易いので好ましい。
【0058】さらに、式(11)に換えて、最大値Ts
maxが許容温度範囲の上限温度TsHを上回り、かつ、ΔTs
がa以下の場合に、式(13)と、ΔTsがeより大きい場
合に、式(14)とすることができる。
【0059】
【数13】
【0060】
【数14】 同様に、式(12)に換えて、最小値Tsminが許容温度
範囲の下限温度TsLを下回り、かつ、ΔTsがe以下の場合
に、式(15)と、ΔTsがeより大きい場合に、式(1
6)とすることができる。
【0061】
【数15】
【0062】
【数16】 このように、温度差ΔTsがe以下である場合には、算術
平均によりTsREP算出し、温度差ΔTsがeを越えた場合に
は、重み係数cs、(1−cs)を用いる構成とすることが
できる。これにより、算術平均及び重み付き平均のいず
れの演算によって代表温度TsREPを算出しても代表温度T
sREPが設計温度Ts0になるように室外膨張弁16及び室
内膨張弁38A、38Bを制御することで最大値Tsmax
び最小値Tsminが許容温度範囲内になる場合には、算術
平均により代表温度を算出することができる。つまり、
算術平均と重み付き平均のどちらを用いてもよい場合
は、算術平均を用いて代表温度TsREPを算出することで
数の多い圧縮機の吸入温度Tsに重点を置いて代表温度Ts
REPを算出することができることから、重み付き平均に
比べて多くの圧縮機の吸入温度Tsを設計温度Ts0に近づ
けることができ、圧縮機の信頼性を向上させることがで
きるので好ましい。
【0063】なお、以上の操作をフローチャートで表し
たものが図2である。これを元に説明すると、まず現在
の圧縮機24、261乃至26nの運転が吸入温度Tsの
最大値Tsmaxと最小値Tsminとの差ΔTsの観点から問題な
いかを判断する(ステップ1)。次に問題があると判断
された場合、それが高温側である最大値Tsmaxが上限温
度TsH以上であるか判断する。(ステップ2)。高温側
で問題があると判断された場合は、さらに温度を低下さ
せた場合に、低温側で問題ないか、つまり低温側で裕度
があるかを判断する(ステップ3)。
【0064】低温側で問題ないと判断された場合、代表
温度TsREPを高温側に重点をおいた値とする(ステップ
4)。温度差ΔTsが問題である時、低温側である最小値
Tsmi nが下限温度TsL以下であるか判断する。(ステップ
5)低温側で問題があると判断された場合は、さらに温
度を上昇させた場合に、高温側で問題ないか、つまり高
温側で裕度があるかを判断する(ステップ6)。高温側
で問題ないと判断された場合に、低温側に重点をおいた
代表温度TsREPとする(ステップ7)。
【0065】高温側、あるいは低温側で問題があると判
断されたにもかかわらず(ステップ2、ステップ5)逆
の温度側で裕度がない場合、温度差ΔTs自体が問題ある
ということになり、もし能力など駆動周波数を下げても
よい条件を満たした場合(ステップ8)、可変式圧縮機
24の駆動周波数を低下、もしくは、上昇させる(ステ
ップ9)。可変式圧縮機24の駆動周波数を低下するこ
とが出来ない場合、異常運転とみなし、空気調和装置6
1の運転を停止させる(ステップ10)。現在の運転に
温度差ΔTsの問題がないと判断された場合、温度Tsは従
来の手法、例えば算術平均値を代表温度TsREPとする
(ステップ11)。代表温度TsREPを決定した後は、そ
れぞれの空気調和装置61に搭載している制御方法で、
操作器(室外膨張弁16、室内膨張弁38A,38B)を
操作する(ステップ12)。
【0066】また、第1及び第2の実施形態では、室外
機3に対して、2台の室内機5A,5Bを設けた構成であ
ったが、本実施形態に限らず、複数の室内機を備えた構
成とすることができる。また、圧縮機に支障が生じさせ
ることなく運転を行える温度の範囲を温度許容温度範囲
とし、上限温度をTH、下限温度をTLと設定したが、この
値は、実際にモーターコイルが焼損したり、冷媒が液圧
縮する温度とせずに、警告を発信する上限値もしくは下
限値としてのしきい値とすることができる。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、空気調和装置に設けら
れた複数の圧縮機の温度を所定の範囲内に保つことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる空気調和装置の第1の実
施形態のブロック図である。
【図2】本発明を適用してなる空気調和装置の第1及び
第2の実施形態の制御装置が行う制御のフローチャート
図である。
【図3】吐出温度の代表温度を演算する際の重みを表す
グラフである。
【図4】本発明を適用してなる空気調和装置の第2の実
施形態のブロック図である。
【図5】吸入温度の代表温度を演算する際の重みを表す
グラフである。
【符号の説明】
1 空気調和装置 7 冷媒 8 室外循環流路 16 室外膨張弁 27 吸入温度検出器 28 吐出温度検出器 34A、34B 室内循環流路 38A、38B 室内膨張弁
フロントページの続き (72)発明者 吉田 悟 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 空調システム清水生産本部内 (72)発明者 畑 良樹 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 空調システム清水生産本部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 並列に複数台接続された圧縮機と、室外
    熱交換器と、室内熱交換器と、前記圧縮機、室内熱交換
    器、室外熱交換器間に冷媒を循環させる循環流路と、該
    循環流路に設けられ前記冷媒の温度を調整する膨張弁
    と、前記各圧縮機の温度を検出する温度検出器と、該温
    度検出器により検出された前記各圧縮機の検出温度に基
    づいて前記膨張弁の開度を調整する制御装置とを備えて
    なる空気調和装置であって、 前記制御装置は、前記検出温度の重み付き平均により圧
    縮機の現運転時の代表温度を算出し、該代表温度が、前
    記圧縮機の設計温度になるように前記膨張弁の開度を制
    御することを特徴とする空気調和装置。
  2. 【請求項2】 前記制御装置は、前記検出温度の最大値
    と最小値との重み付き平均により前記代表温度を算出
    し、前記最大値が前記圧縮機の許容温度の上限を上回っ
    た場合に前記最大値に掛け合わせる重みを増加させ、前
    記最小値が前記圧縮機の許容温度の下限を下回った場合
    に前記最小値に掛け合わせる重みを増加させることを特
    徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
  3. 【請求項3】 並列に複数台接続された圧縮機と、室外
    熱交換器と、室内熱交換器と、前記圧縮機、室内熱交換
    器、室外熱交換器間に冷媒を循環させる循環流路と、該
    循環流路に設けられ前記冷媒の温度を調整する膨張弁
    と、前記各圧縮機の温度を検出する温度検出器と、該温
    度検出器により検出された前記各圧縮機の検出温度に基
    づいて前記膨張弁の開度を調整する制御装置とを備えて
    なる空気調和装置であって、 前記制御装置は、前記温度検出器により検出された各圧
    縮機の検出温度の最大値及び最小値の差が所定の温度幅
    未満の場合、前記検出温度の算術平均により前記圧縮機
    の現運転時の代表温度を算出し、該代表温度が、前記圧
    縮機の設計温度になるように前記膨張弁の開度を制御
    し、 前記最大値及び最小値の差が前記所定の温度幅以上であ
    る場合で、前記最大値が前記圧縮機の許容温度の上限を
    上回っているならば前記最大値に掛け合わせる重みを増
    加させ、前記最小値が前記圧縮機の許容温度の下限を下
    回っているならば前記最小値に掛け合わせる重みを増加
    させた前記最大値及び最小値の重み付き平均により現運
    転時の代表温度を算出し、該代表温度が、前記圧縮機の
    設計温度になるように前記膨張弁の開度を制御すること
    を特徴とする空気調和装置。
  4. 【請求項4】 前記温度検出器が、前記圧縮機の吸入側
    の冷媒の温度を検出することを特徴とする請求項1乃至
    3のいずれか1項に記載の空気調和装置。
  5. 【請求項5】 前記温度検出器が、前記圧縮機の吐出側
    の冷媒の温度を検出することを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれか1項に記載の空気調和装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005121359A (ja) * 2003-10-16 2005-05-12 Lg Electronics Inc エアコン制御方法
US8887518B2 (en) 2010-09-30 2014-11-18 Trane International Inc. Expansion valve control system and method for air conditioning apparatus
CN113921948A (zh) * 2021-10-13 2022-01-11 华为数字能源技术有限公司 机柜空调系统、机柜空调装置和机柜

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