JP3936111B2 - 中空糸膜型人工肺 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、体外血液循環において、血液中の二酸化炭素を除去し、血液中に酸素を添加するための中空糸膜型人工肺に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近では、中空筒状コアの周りに螺旋状に中空糸膜を巻き付けることにより作製された中空糸膜束を用いる人工肺が提案されている(特表平7−509171号公報)。このようなタイプの中空糸膜束には、巻き付けられる中空糸膜が交差(クロス)する交差部が形成される。特に、中空筒状コアを回転させるための回転手段と中空糸膜を編み込むためのワインダー装置とを所定条件により制御することにより、巻き付けられる中空糸膜が交差(クロス)する交差部ならびにこの交差部が重なり合う中空糸膜交差環状部が形成される。この中空糸膜交差環状部に起因する血液の短絡路が形成されることがあり、ガス交換能が低下するおそれがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、中空筒状コアの外面に中空糸膜を螺旋状に巻き付けることにより形成される中空糸膜束を用いる人工肺であっても、中空糸膜交差部に起因する血液短絡路の形成がなく、十分なガス交換能を備える中空糸膜型人工肺を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するものは、筒状コアと、該筒状コアの外表面に巻き付けられた多数のガス交換用中空糸膜からなる筒状中空糸膜束と、該筒状中空糸膜束を収納するハウジングと、前記中空糸膜の内部と連通するガス流入部およびガス流出部と、前記中空糸膜の外部と前記ハウジング内と連通する血液流入部および血液流出部とを備える中空糸膜型人工肺であって、前記筒状中空糸膜束は、前記筒状コアの外周面に中空糸膜を螺旋状に巻き付けることにより形成されているとともに、中空糸膜により筒状コアの外周面に広がる中空糸膜層が、多層に重なった状態となっており、さらに、該中空糸膜層は、ガス交換有効部分内に中空糸膜が交差する交差部ならびに中空糸膜の折り返し部分が存在しないものであり、前記筒状コアは、該筒状コアの外面に、該筒状コアの外表面と筒状中空糸膜束の内面間に血液流路を形成する多数の溝を有し、かつ、該溝は、前記中空糸膜束の前記ガス交換有効部分のほぼ全域に渡るように形成されており、さらに、該筒状コアは、該筒状コアの前記溝の形成部分のほぼ全体に延びる平坦面状の溝非形成部を備え、前記筒状コアの前記溝は、始端および終端を有する環状溝となっており、さらに、前記筒状コアの前記溝間に形成される山部の頂点は平坦面となっている中空糸膜型人工肺である。
【0005】
そして、前記中空糸膜層は、前記中空糸膜束の両端部を前記ハウジングに液密に固定する隔壁部分内にも中空糸膜が交差する交差部ならびに中空糸膜の折り返し部分が存在しないことが好ましい。さらに、前記中空糸膜束は、筒状コアの外周面に広がる中空糸膜層が、多層に重なった状態となっており、かつ、該中空糸膜層は、両端に中空糸膜の折り返し部分が形成された中空糸膜束成形体の両端部を切断することにより形成されているものであることが好ましい。また、前記中空糸膜束を形成する中空糸膜の折り返し角度θは、90°より大きいものであることが好ましい。さらに、前記中空糸膜束を形成する中空糸膜の長さSは、測定対象の中空糸膜部分における中空糸膜束の半径をr、前記中空糸膜束の長さをLとしたとき、L<S<√(πr)2+L2 であることが好ましい。また、前記中空糸膜型人工肺は、前記筒状コア内に収納された筒状熱交換器部を備えているものであってもよい。そして、前記中空糸膜束は、中空糸膜が1本あるいは複数本同時に、かつ隣り合うすべての中空糸膜がほぼ一定の間隔となるように筒状コアに螺旋状に巻き付けられることにより形成されたものであり、かつ、前記中空糸膜を前記筒状コアに巻き付ける際に、筒状コアを回転させるための筒状コア回転手段と中空糸膜を編み込むためのワインダー装置とが、下記演算式1
トラバース[mm/lot]・1/n(整数)=トラバース振り幅・2±(中空糸膜外径+隣り合う中空糸膜の間隔)・巻き付け本数 (演算式1)
で動くことによって筒状コアに巻き付けられることにより形成されたものであることが好ましい。さらに、前記演算式1におけるnは2であることが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
そこで、本発明の中空糸膜型人工肺について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の中空糸膜型人工肺の一実施例を示す正面図、図2は、図1に示した中空糸膜型人工肺の左側面図、図3は、図1に示した中空糸膜型人工肺の右側面図、図4は、図1に示した中空糸膜型人工肺のハウジング部分を破断した状態を示す説明図、図5は、本発明の中空糸膜型人工肺に使用される一例の中空糸膜束を説明するための説明図、図6は、本発明の中空糸膜型人工肺に使用される中空糸膜束形成装置の一例を説明するための説明図、図7は、図2のA−A線断面図、図8は、図2のB−B線断面図、図9は、図1のC−C線断面図である。
【0007】
本発明の中空糸膜型人工肺1は、筒状コア5と、筒状コア5の外表面に巻き付けられた多数のガス交換用中空糸膜3aからなる筒状中空糸膜束3と、筒状中空糸膜束3を収納するハウジングと、中空糸膜3aの内部と連通するガス流入部およびガス流出部と、中空糸膜3aの外部とハウジング内と連通する血液流入部および血液流出部とを備える。筒状中空糸膜束3は、筒状コア5の外周面に中空糸膜を螺旋状に巻き付けることにより形成されているとともに、中空糸膜により筒状コアの外周面に広がる中空糸膜層が、多層に重なった状態となっており、さらに、中空糸膜層は、ガス交換有効部分内に中空糸膜が交差する交差部ならびに中空糸膜の折り返し部分が存在しない。
具体的には、筒状コア5の外周面に広がる中空糸膜層が、多層に重なった状態となっており、かつ、中空糸膜層は、両端に中空糸膜の折り返し部分3bが形成された中空糸膜束成形体の両端部を切断することにより形成されている。
【0008】
この実施例の中空糸膜型人工肺1は、図に示すように、ハウジング2と、このハウジング2内に収納された人工肺部と、この人工肺部内に収納された筒状熱交換器部を備えており、この人工肺は、熱交換機能内蔵中空糸膜型人工肺である。
この中空糸膜型人工肺1は、筒状コア5と、筒状コア5の外表面に巻き付けられた多数のガス交換用中空糸膜からなる筒状中空糸膜束3とからなる人工肺部と、筒状コア5内に収納された筒状熱交換器部と、人工肺部および筒状熱交換器部を収納するハウジング2とを備える。
筒状コア5は、筒状コア5の外表面と筒状中空糸膜束3の内面間に血液流路を形成する溝51と、筒状コア5と筒状熱交換器部間に形成された第1の血液室11と溝51とを連通する血液流通用開口52を有する。人工肺1は、筒状コア5と筒状熱交換器部間に形成された第1の血液室11と連通する血液流入ポート24と、筒状中空糸膜外面とハウジング2内面間に形成された第2の血液室12と連通する血液流出ポート25を備えている。
【0009】
この実施例の中空糸膜型人工肺1では、図7ないし図9に示すように、外側から、筒状ハウジング本体21、第2の血液室12、中空糸膜束3、溝51を備える筒状コア5、第1の血液室11、筒状熱交換体31、筒状熱交換体変形規制部34,35、筒状熱媒体室形成部材32の順でほぼ同心的に配置もしくは形成されている。
ハウジング2は、図1ないし図4および図7ないし図9に示すように、血液流出ポート25を備える筒状ハウジング本体21、ガス流入ポート26、熱媒体流入ポート28および熱媒体流出ポート29を備える第1のヘッダー22、ガス流出ポート27および筒状コア5に設けられる血液流入ポート24の挿通口を備える第2のヘッダー23を備えている。第1のヘッダー22の内面には、筒状に突出する熱媒体室形成部材接続部22aとこの筒状接続部22aの内部を2分する仕切部22bが設けられている。また、第2のヘッダー23の内面には、筒状に突出する熱媒体室形成部材接続部23aが設けられている。このため、後述する筒状熱媒体室形成部材32は、図8に示すように、開口端側が第1のヘッダー22に保持され、閉塞端側が第2のヘッダー23に保持されている。
【0010】
最初に、人工肺部について説明する。
図10は、本発明の中空糸膜型人工肺の一実施例の人工肺部の内部構造を説明するための説明図である。図11は、本発明の中空糸膜型人工肺の一実施例に使用される筒状コアの正面図、図12は、図11に示した筒状コアの背面図、図13は、図11に示した筒状コアの断面図である。図14は、図11に示した筒状コアの左側面図、図15は、図11に示した筒状コアの右側面図である。
人工肺部は、筒状コア5と、この筒状コア5の外面に巻き付けられた多数の中空糸膜からなる筒状中空糸膜束3を備える。
筒状コア5は、図4、図7ないし図15に示すように、筒状体であり一端には、所定幅にて内側に延びるドーナツ板状突出部55が形成されており、このドーナツ板状突出部55の平面部の外面に血液流入ポート24が筒状コア5の中心軸と平行にかつ外方に突出するように形成されている。筒状コア5の外面には、筒状コア5の外表面と筒状中空糸膜束3の内面間に血液流路を形成する多数の溝51が形成されている。さらに、筒状コア5は、この溝51と筒状コア5と筒状熱交換器部間に形成された第1の血液室11とを連通する血液流通用開口52を有している。筒状コア5としては、外径が20〜100mm程度が好適であり、有効長(全長のうち隔壁に埋もれていない部分の長さ)は、10〜730mm程度が好適である。
【0011】
具体的には、筒状コア5は、その両端部分を除き、平行にかつ連続しない複数の溝51を有しており、溝51間は、環状リブ53となっている。筒状コア5の溝は、中空糸膜束のガス交換に寄与する部分(有効長,隔壁に埋もれない部分)のほぼ全域に渡るように形成されている。ここで使用する筒状コア5は、血液流入ポート24のほぼ延長線上であり、かつ筒状コア5の溝51形成部分のほぼ全体に延びる平坦面状の溝非形成部54を備えている。このため、筒状コア5の溝51およびリブ53は、始端および終端を有する環状溝51(円弧状溝51)ならびに環状リブ53(円弧状リブ)となっている。筒状コア5として、上記の筒状コア5の溝51形成部分のほぼ全体に延び平坦面状の溝非形成部54を備えることにより、筒状コア5の外面に形成される筒状中空糸膜束3の形状安定性が向上する。しかし、この溝非形成部54は必ずしも設ける必要はなく、筒状コア5の溝51およびリブ53は、無端の完全環状溝51および無端の完全環状リブ53となっていてもよい。また、溝51の深さとしては、0.5〜10.0mm程度が好適であり、特に、2.0〜4.0mmが好適である。また、溝51のピッチとしては、1.0〜10.0mm程度が好適であり、特に、3.0〜5.0mmが好適である。また、溝51の幅(最大部分の幅)としては、1.0〜10.0mm程度が好適であり、特に、2.0〜4.0mmが好適である。筒状コア5は、中空糸膜束3の有効長(隔壁に埋もれていない部分)のほぼ全域に渡る多数の溝51を備えるため、血液を中空糸膜束3の全体に分散させることができ、中空糸膜全体を有効に利用でき、ガス交換能も高いものとなる。
【0012】
さらに、筒状コア5の溝51間に形成される山部(リブ53)の頂点は平坦面となっていることが好ましい。リブ53の平坦面の幅としては、0.1〜5.0mm程度が好適であり、特に、0.8〜1.2mmが好適である。このように、リブ53の頂点を平坦面とすることにより、筒状コア5の外面に形成される筒状中空糸膜束3の形状安定性が向上する。さらに、溝51は、断面形状がリブ53の頂点に向かって広がる形状(例えば、断面台形状)となっている。このため、溝51(血液流路)は、中空糸膜束内面に向かって広がるため中空糸膜束内への血液流入を良好なものとしている。
【0013】
また、血液流入ポート24は、筒状コア5の一方の端部側に設けられており、血液流通用開口52は、血液流入ポート24の中心線を延長した領域と向かい合う領域に形成されている。このようにすることにより、筒状コアと筒状熱交換器部間に形成された第1の血液室11内における血液流通形態が均等なものとなりやすく、熱交換効率も高いものとなる。具体的には、図9および図15に示すように、筒状コア5は上述した血液流入ポート24のほぼ延長線上であり、かつ筒状コア5の溝形成部分のほぼ全体に延びる溝非形成部54を備える。この溝非形成部54は、溝を形成しないことにより可能となった肉薄部となっており、これにより、筒状コア5内部に血液流入ポート24のほぼ延長線上に位置する血液誘導部56が形成されている。血液誘導部部分は、他の溝形成部より内径が大きくなっている。このような血液誘導部56を設けることにより、筒状コアと筒状熱交換器部間に形成された第1の血液室11の軸方向の全体に血液を確実に流入させることができる。
【0014】
そして、この溝非形成部54(血液誘導部56)と向かい合う領域(位置)に血液流通用開口52が形成されている。この筒状コア5では、血液流通用開口52は、複数の環状溝51の個々と連通する複数の血液流通用開口52を備えている。つまり、溝非形成部54(血液誘導部)と向かい合う位置の筒状コア5の溝51部分を欠損させることにより、開口52が形成されている。このため、隣り合う開口52間には、リブ53が存在している。さらに、この筒状コア5では、開口形成部52aにおけるリブ53の肉厚が薄くなっており、図15に示すように、開口形成部52aの内径も溝非形成部(血液誘導部)と同様に他の部分より広くなっており、第2の血液誘導部57を形成している。上記のように、開口形成部52aにリブ53の山部分を残すことにより、筒状コア5の物性低下の回避、中空糸膜との接触部確保による中空糸膜束3の形状安定化を図ることが可能となる。また、開口形成部52aの内径が他の部分より大きい肉薄部とすることにより、第1の血液室11内を流れた血液の開口形成部52aへの誘導が確実なものとなる。
しかし、このようなものに限定されるものではなく、開口形成部52aにリブ53の山部分が存在せず、複数の環状溝51のすべてと連通する1つの血液流通用開口もしくは複数の環状溝51と連通する複数の血液流通用開口を備えるものであってもよい。
【0015】
そして、上述した筒状コア5の外面に中空糸膜束3が巻き付けられている。中空糸膜束3を形成する中空糸膜3aは、図4に示すように、筒状コア5に順次巻き付けられることにより、筒状コア5の外周面に広がる中空糸膜層が、多層に、言い換えれば、渦巻き状に重なった、もしくは、筒状コアを芯としてリール状に巻き取られた状態となっている。さらに、中空糸膜層は、ガス交換有効部分内に中空糸膜が交差する交差部ならびに中空糸膜の折り返し部分が存在しないものとなっている。特に、この実施例の人工肺では、中空糸膜層は、中空糸膜束の両端部をハウジングに液密に固定する隔壁部分内にも中空糸膜が交差する交差部ならびに中空糸膜の折り返し部分が存在しないものとなっている。そして、このような中空糸膜束3は、図5に示すように、両端に中空糸膜の折り返し部分が形成された中空糸膜束成形体の両端部を切断することにより形成されている。
【0016】
そして、中空糸膜束(隔壁部分を含む)を形成する両端が隔壁の端面において開口する中空糸膜の長さSは、測定対象の中空糸膜部分における中空糸膜束の半径(言い換えれば、測定対象の中空糸膜部分における隔壁端面における中空糸膜束の半径)をr、中空糸膜束(隔壁部分を含む)の長さをLとしたとき、L<S<√(πr)2+L2 となっている。このような長さであれば、中空糸膜束のガス交換有効部分ならびに隔壁部分内に、中空糸膜が交差する交差部ならびに中空糸膜の折り返し部分が存在しないものとなる。また、中空糸膜束を形成する中空糸膜の折り返し角度θ(折り返し部は切断された部分内に位置する)は、90°より大きいものであることが好ましい。なお、折り返し角度θは、図5に示すように、中空糸膜束の展開時における角度である。
具体的には、中空糸膜束の1つの中空糸膜層を展開した状態を説明する図5に示すように、中空糸膜3aは、中空糸膜束形成体の両端において折り返すとともに、1本の中空糸膜が1つの中空糸膜層内において交差しないようになっている。この実施例では、中空糸膜を筒状コアに巻き取る際に、巻き取りコアが1/2回転すると中空糸膜を巻き取り始めた最初の位置と反対側(対角線対照方向)にトラバースが移動し、巻き取りコアが1回転したときに中空糸膜の巻き取り開始点付近(中空糸膜の同時巻き取り本数、中空糸膜間隙を考慮)に戻るものとなっている。
【0017】
そして、図5におけるX部分がガス交換有効部分であり、Y部分が隔壁部分であり、3cが中空糸膜束の両端切断端である。よって、図5に示す中空糸膜束形成体の両端に形成される中空糸膜の折り返し部3bは、切断されるためガス交換有効部分ならびに隔壁部分内にも存在しないものとなる。
そして、図5に示すような中空糸膜層数(中空糸膜端面における中空糸膜の積層数)は、人工肺の膜面積によって相違するが、3〜40程度が一般的である。そして、中空糸膜束は、中空糸膜が、1本あるいは複数本同時に、かつすべての中空糸膜がほぼ一定の間隔となるように前記筒状コアに巻き付けられることにより形成されている。また、中空糸膜と実質的に平行となっている隣り合う中空糸膜との距離は、中空糸膜の外径の1/10〜1/1となっていることが好ましい。
【0018】
そして、上記のように交差部の形成がなくかつ折り返し部が両端に位置する中空糸膜束は、中空糸膜が1本あるいは複数本同時に、かつ隣り合うすべての中空糸膜がほぼ一定の間隔となるように筒状コアに螺旋状に巻き付けられることにより形成されたものであり、かつ、中空糸膜を筒状コアに巻き付ける際に、筒状コアを回転させるための筒状コア回転手段61と中空糸膜を編み込むためのワインダー装置62とが、下記演算式1
トラバース[mm/lot]・1/n(2以上の整数)=トラバース振り幅・2±(中空糸膜外径+隣り合う中空糸膜の間隔)・巻き付け本数 (演算式1)
で動くことにより形成することができる。
なお、巻き取り用回転体の回転数とワインダー往復数の関係であるnは、2〜5であるべきで、好ましくは2である。このように上記式1のnとして整数を選択することにより、中空糸膜交差部(クロスワインド部)が形成されることを防止できる。この実施例の人工肺1では、n=2により行うものである。
【0019】
そこで、図6に示す中空糸膜束形成装置60について説明する。
中空糸膜束形成装置60は、筒状コア回転手段61とワインダー装置62を備える。筒状コア回転手段61は、モータ63と、モータシャフト64と、モータシャフト64に固定されたコア取付部材65を備える。筒状コア5は、コア取付部材65に取り付けられ、モータにより回転される。
ワインダー装置62は、内部に中空糸膜収納部を備える本体部66と、中空糸膜を吐出するとともに本体部の軸方向(筒状コアの軸と平行、矢印方向)に移動する吐出部75を備えている。この中空糸膜束形成装置60によれば、トラバース幅は、吐出部75の移動幅によって固定される。
また、中空糸膜は、1本あるいは複数本同時に、実質的に平行でかつ隣り合う中空糸膜が実質的に一定の間隔となるように筒状コア5に巻き付けられることが好ましい。これにより、血液の偏流がより抑制できる。また、中空糸膜は、隣り合う中空糸膜との距離が、中空糸膜の外径の1/10〜1/1となっていることが好ましい。さらに、中空糸膜は、隣り合う中空糸膜との距離が、30μm〜200μmが好ましく、特に好ましくは、50μm〜180μmである。
【0020】
さらに、筒状コア5への中空糸膜の巻き付けは、筒状コア5の外側に中空糸膜を溝51となる部分に配置されないよう、言い換えればリブ53の頂点から頂点を結ぶように、リブ53の頂点部外周に沿って螺旋状に巻き回すことにより行われることが好ましい。なおこの際、中空糸膜が筒状コア5の溝51に落ち込まないよう溝51(リブ53)に対して一定の角度を持って巻回されることが好ましい。具体的には、筒状コア5の溝51(リブ53)に対して10〜50°の角度が好ましく、20〜40°がより好ましい。さらに、中空糸膜の折り返し角度θが90°を越えることが好ましい。また、中空糸膜が筒状コア5の溝51(リブ53)に対して一定の角度を有しながら巻回されることによってプライミング時において、筒状コア5と中空糸膜との間にかみ込む泡の抜けが向上し、プライミング性、ガス性能の向上、また中空糸膜脱落による性能のばらつきを低減できる。
【0021】
中空糸膜としては、多孔質ガス交換膜が使用される。多孔質中空糸膜としては、内径100〜1000μm、肉厚は5〜200μm、好ましくは10〜100μm、空孔率は20〜80%、好ましくは30〜60%、また細孔径は0.01〜5μm、好ましくは0.01〜1μmのものが好ましく使用できる。また、多孔質膜に使用される材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン、セルロースアセテート等の疎水性高分子材料が用いられる。好ましくは、ポリオレフィン系樹脂であり、特に好ましくは、ポリプロピレンであり、延伸法または固液相分離法により壁に微細孔が形成されたものがより好ましい。中空糸膜束3の外径は、30〜162mmが好適であり、中空糸膜束3の厚さは、3〜28mmであることが好ましい。さらに、筒状コア5の外面に形成された筒状中空糸膜束3は、筒状中空糸膜束3の外側面と内側面間により形成される筒状空間に対する中空糸膜の充填率が、50%〜75%であることが好ましい。より好ましくは、53%〜73%である。
【0022】
そして、両端が開口した中空糸膜からなる中空糸膜束3は、筒状コア5に中空糸膜を巻き付けた後、両端を隔壁8,9により筒状ハウジング本体21に固定し、そして、中空糸膜束形成体の両端を切断することにより作製される。
中空糸膜束3が外面に巻き付けられた筒状コア5の両端は、隔壁8,9により、筒状ハウジング本体21の両端部に液密に固定され、筒状中空糸膜外面と筒状ハウジング本体21内面間に環状空間(筒状空間)である第2の血液室12が形成される。筒状ハウジング本体21の側面に形成された血液流出ポート25は、第2の血液室12と連通する。隔壁8,9は、ポリウレタン、シリコーンゴムなどのポッティング剤で形成される。
そして、図10に示すように、上述のように形成された人工肺部の筒状コア5内部に、後述する熱交換器部が収納される。そして、筒状コア5と筒状熱交換器部間に環状の第1の血液室11が形成され、血液流入ポート24はこの血液室11と連通する。
【0023】
筒状熱交換器部は、図7ないし図9に示すように、筒状熱交換体31と、この熱交換体31内に収納される筒状熱媒体室形成部材32と、筒状熱交換体31と筒状熱媒体室形成部材32間に挿入される2つの筒状熱交換体変形規制部34,35を備えている。
筒状熱交換体31としては、いわゆるベローズ型熱交換体が使用される。ベローズ型熱交換体31(蛇腹管)は、図10に示すように、中央側面にほぼ平行に形成された多数の中空環状突起を備える蛇腹形成部と、その両端に形成され、蛇腹形成部の内径とほぼ等しい円筒部31cを備えている。熱交換体31の円筒部の一方は、中空筒状コア5の血液流入ポート24側端部内面と第2のヘッダー23間により挟持され、熱交換体31の円筒部の他方は、中空筒状コア5の一端内に挿入されたリング状熱交換体固定用部材48とこのリング状熱交換体固定用部材48と第1のヘッダー22間に挿入された筒状熱交換体固定用部材49と第2のヘッダー23間により挟持されている。
【0024】
ベローズ型熱交換体31は、ステンレス、アルミ等の金属もしくはポリエチレン、ポリカーボネート等の樹脂材料によりいわゆる細かな蛇腹状に形成されている。強度、熱交換効率の面からステンレス、アルミ等の金属が好ましい。特に、筒状熱交換体31の軸方向(中心軸)に対してほぼ直交する凹凸が多数繰り返された波状となっているベローズ管からなり、その谷部と山部の高さは5.0〜15.0mm程度が最も効率がよく、好ましくは9.0〜12.0mmが好ましい。また、熱交換器部の軸方向の長さは、使用される患者によって異なるが、70.0〜150cmの範囲のものが用いられる。
【0025】
筒状熱媒体室形成部材32は、図7ないし図9に示すように、一端(第2のヘッダー23側)が開口した筒状体であり、内部を流入側熱媒体室41と流出側熱媒体室42に区分する区画壁32aと、流入側熱媒体室41と連通し軸方向に延びる第1の開口33aと、流出側熱媒体室42と連通し軸方向に延びる第2の開口33bと、向かい合いかつ、第1の開口33aおよび第2の開口33bと約90°ずれた位置の側面に形成され外方に突出する軸方向に延びる突起36a、36bを備えている。突起36aは、熱交換体変形規制部34の内面中央に形成された軸方向に延びる溝51内に侵入することにより変形規制部34の移動を規制する。同様に、突起36bは、熱交換体変形規制部35の内面中央に形成された軸方向に延びる溝51内に侵入することにより変形規制部35の移動を規制する。
【0026】
筒状熱媒体室形成部材32は、開口端側を第1のヘッダー22の熱媒体室形成部材接続部22aに嵌合させたとき、図8に示すように、筒状熱媒体室形成部材32の区画壁32aの先端部の一方の面(この実施例では下面)に、筒状接続部22aの内部を2分する仕切部22bが密接する。これにより、筒状熱媒体室形成部材32内の流入側熱媒体室41は、熱媒体流入ポート28と連通し、流出側熱媒体室42は熱媒体流出ポート29と連通する。
また、2つの熱交換体変形規制部34,35は、付き合わされるそれぞれの端部部分に軸方向に延びる切り欠き部を備えており、2つの規制部34,35が付き合わされることにより、図9に示すように、媒体流入側通路37および媒体流出側通路38が形成されている。2つの熱交換体変形規制部34,35は、一体に形成してもよい。
【0027】
そして、この実施例の人工肺1の熱交換器部における熱媒体の流れを図8および図9を用いて説明する。熱媒体流入ポート28より人工肺内部に流入した熱媒体は、第1のヘッダー22内部を通り流入側熱媒体室41内に流入する。そして、筒状熱媒体室形成部材32の流入室側開口33aおよび熱交換体変形規制部34,35の当接部により形成された媒体流入側通路37を通過して、熱交換体31と熱交換体変形規制部34,35間を流れる。この際に、熱媒体により熱交換体31は加温もしくは冷却される。そして、熱媒体は、熱交換体変形規制部34,35の当接部により形成された媒体流出側通路38および筒状熱媒体室形成部材32の流出室側開口33bを通過することにより、筒状熱媒体室形成部材32内の流出側熱媒体室42内に流出する。そして、第1のヘッダー22内部を通過して熱媒体流出ポート29より流出する。
【0028】
この人工肺1では、血液流入ポート24から流入した血液は、筒状コア5と筒状熱交換器部間である血液室11の一部を構成する血液誘導部56内に流入し、筒状コア5と筒状熱交換体間を流れた後、第1の血液誘導部56と向かい合う位置に形成された開口52を通り筒状コア5より流出する。筒状コア5より流出した血液は、中空糸膜束3内面と筒状コア5間に位置する筒状コア5の外面に形成された複数の溝51内に流入した後、中空糸膜束3間に流入する。この実施例の人工肺では、中空糸膜束3のガス交換に寄与する部分(有効長,隔壁に埋もれない部分)のほぼ全域に渡るように多数の溝51が形成されているため、血液を中空糸膜束3の全体に分散させることができ、中空糸膜全体を有効に利用でき、ガス交換能も高いものとなる。そして、中空糸膜に接触し、ガス交換がなされた後、筒状ハウジング本体21と中空糸膜外面(中空糸膜束3外面)間により形成された第2の血液室12に流入し、血液流出ポート25より流出する。また、ガス流入ポート26より流入した酸素含有ガスは、第1のヘッダー22内を通り隔壁端面より中空糸膜内に流入し、第2のヘッダー23内を通過してガス流出ポート27より流出する。
【0029】
また、筒状ハウジング本体21、筒状コア5、第1および第2のヘッダー22,23などの熱交換体31を除く部材の形成材料としては、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)、エステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、スチレン系樹脂(例えば、ポリスチレン、MS樹脂、MBS樹脂)、ポリカーボネートなどが使用できる。
さらに、人工肺1の血液接触面は、抗血栓性表面となっていることが好ましい。抗血栓性表面は、抗血栓性材料を表面に被覆、さらには固定することにより形成できる。抗血栓性材料としては、ヘパリン、ウロキナーゼ、HEMA−St−HEMAコポリマー、ポリHEMAなどが使用できる。
【0030】
【実施例】
次に、本発明の中空糸膜型人工肺の具体的実施例および比較例について説明する。
(実施例)
筒状ハウジング本体としては、外径110.0mm、内径106.0mm、長さ114.0mmのものを用いた。また、第1のヘッダーおよび第2のヘッダーとしては、図1から図4に示すような形状のものを用いた。
ベローズ型熱交換体としては、外径が75.0mm、内径が50.0mm、長さが114.0mm、蛇腹形成部の長さ90.0mm、山の数40、蛇腹(山)のピッチ2.25mmのものを用いた。そして、ベローズ型熱交換体内に、図8に示すような形状で、筒状部外径が39.0mm、リブ部分の外径が47.0mm、長さが114.0mmの一端が閉塞した筒状熱媒体室形成部材と、この外側に2つの熱交換体変形規制部材を組み合わせたものを挿入した。熱交換体変形規制部材は、長さ92.0mm、最大径部分52.0mm、平行に形成された40のリブ(高さ1.0mm、幅0.5mm)を外面に持つものを用い、規制部材のリブが、ベローズ型熱交換体の谷の内側空間内に侵入するように挿入した。
筒状コアとしては、図11〜図15に示すような形状を有し、長さ152.0mm、外径84.0mm、内径75.0mm、溝形成部の長さ90.0mm、溝の深さが高さ2.5mm、溝間隔3.0mm、リブ頂点の平坦面の幅1.0mm、溝数40を外周に有するものを用いた。そして、この筒状コア内に、上記のベローズ型熱交換器を挿入した。
筒状コアの外面に、内径195μm、外径295μm、空孔率約35%の多孔質ポリプロピレン中空糸膜を4本中空糸膜間隔を100μmに保って巻き直し、次に隣接する中空糸膜との中空糸膜間隔も以前に巻かれている中空糸膜間隔と同じとなるようにし、隣り合う中空糸膜間隔が一定となるように中空糸膜を巻き回し、流路規制板を兼ね備えた熱交換器内蔵中空糸膜ボビンを作製した。中空糸膜を筒状コア上に巻き付ける際に、筒状コアを回転させるための回転体と中空糸膜を編み込むためのワインダーとが、下記式で動かし、図5に示すような中空糸膜層の渦巻き状積層体の中空糸膜束形成体を作製した。
トラバース[mm/lot]・1/2=トラバース振り幅・2±(中空糸膜外径+間隔)・巻き着け本数
より具体的には、ほぼ平行に配置される4本の中空糸膜を筒状コアに巻き取る際に、巻き取りコアが1/2回転すると中空糸膜を巻き取り始めた最初の位置と反対側(対角線対照方向)にトラバースが移動し、巻き取りコアが1回転したときに中空糸膜の巻き取り開始点付近(中空糸膜の同時巻き取り本数、中空糸膜間隙を考慮し、巻き取り開始点から約1600μm離れた位置)に戻るようにし、これを中空糸膜束の徐々の拡大を考慮して、繰り返すことにより中空糸膜束形成体(中空糸膜束内における充填率68%)を作製した。
そして、中空糸膜束形成体の両端をポッティング剤により筒状コアとともに筒状ハウジング本体の両端に固定し、熱交換器部を中心にして回転させながら、熱交換器部を切断させることなく、固定された中空糸膜ボビンの両端を切断した。そして、筒状ハウジング本体の両端に、上述した第1のヘッダーおよび第2のヘッダーを取り付け、膜面積2.5m2、血液充填量250mlであり、図1ないし図4および図7ないし図9に示すような構造の中空糸膜型人工肺を作製した。
【0031】
(比較例)
ほぼ平行に配置される4本の中空糸膜を筒状コアに巻き取る際に、巻き取りコアが1回転すると中空糸膜を巻き取り始めた最初の位置と反対側(対角線対照方向)にトラバースが移動し、巻き取りコアが2回転したときに中空糸膜の巻き取り開始点付近(中空糸膜の同時巻き取り本数、中空糸膜間隙を考慮し、巻き取り開始点から約1600μm離れた位置)に戻るようにし、これを中空糸膜束の徐々の拡大を考慮して、繰り返すことにより中空糸膜束形成体(中空糸膜束内における充填率68%)を作製した以外は、実施例と同様に行い膜面積2.5m2、血液充填量250mlの中空糸膜型人工肺を作製した。なお、形成された中空糸膜形成体は、コアの軸方向中央部に中空糸膜の交差部が積層する中空糸膜交差部環状積層部が形成されていた。
【0032】
(実験)
上記のようにして作製した実施例および比較例の人工肺について、牛血を用いて以下の実験を行った。なお、牛血は、AAMI(Association for the Advance of Medical Instrumentation)で定めるところの標準静脈血を用い、これに抗凝固剤を添加したものを各人工肺に流量7L/minで灌流した。そして、それぞれの人工肺について、血液流入ポート付近および血液流出ポート付近で採血を行い、血液ガス分析装置にて酸素ガス分圧、二酸化炭素分圧、pH等を求め、酸素移動量、二酸化炭素移動量を求めた。また、血液流量7L/minにおける圧力損失を測定した。
結果は、以下の表1に示す通りであった。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】
本発明の中空糸膜型人工肺は、筒状コアと、該筒状コアの外表面に巻き付けられた多数のガス交換用中空糸膜からなる筒状中空糸膜束と、該筒状中空糸膜束を収納するハウジングと、前記中空糸膜の内部と連通するガス流入部およびガス流出部と、前記中空糸膜の外部と前記ハウジング内と連通する血液流入部および血液流出部とを備える中空糸膜型人工肺であって、前記筒状中空糸膜束は、前記筒状コアの外周面に中空糸膜を螺旋状に巻き付けることにより形成されているとともに、中空糸膜により筒状コアの外周面に広がる中空糸膜層が、多層に重なった状態となっており、さらに、該中空糸膜層は、ガス交換有効部分内に中空糸膜が交差する交差部ならびに中空糸膜の折り返し部分が存在しないものであるので、中空糸膜束内に交差部に起因する血液の短絡路が形成されることがなく、人工肺として高いガス交換能を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の中空糸膜型人工肺の一実施例を示す正面図である。
【図2】 図2は、図1に示した中空糸膜型人工肺の左側面図である。
【図3】 図3は、図1に示した中空糸膜型人工肺の右側面図である。
【図4】 図4は、図1に示した中空糸膜型人工肺のハウジングを部分剥離した状態を示す説明図である。
【図5】 図5は、本発明の中空糸膜型人工肺に使用される一例の中空糸膜束の交差部を説明するための説明図である。
【図6】 図6は、本発明の中空糸膜型人工肺に使用される中空糸膜束形成装置の一例を説明するための説明図である。
【図7】 図7は、図2のA−A線断面図である。
【図8】 図8は、図2のB−B線断面図である。
【図9】 図9は、図1のC−C線断面図である。
【図10】 図10は、本発明の中空糸膜型人工肺の一実施例の人工肺部の内部構造を説明するための説明図である。
【図11】 図11は、本発明の中空糸膜型人工肺の一実施例に使用される筒状コアの正面図である。
【図12】 図12は、図11に示した筒状コアの背面図である。
【図13】 図13は、図11に示した筒状コアの断面図である。
【図14】 図14は、図11に示した筒状コアの左側面図である。
【図15】 図15は、図11に示した筒状コアの右側面図である。
【符号の説明】
1 中空糸膜型人工肺
2 ハウジング
3 筒状中空糸膜束
3a 中空糸膜
3b 折り返し部
3c 切断端
5 筒状コア
11 第1の血液室
12 第2の血液室
21 筒状ハウジング本体
22 第1のヘッダー
23 第2のヘッダー
24 血液流入ポート
25 血液流出ポート
26 ガス流入ポート
27 ガス流出ポート
28 熱媒体流入ポート
29 熱媒体流出ポート
31 筒状熱交換体
34,35 筒状熱交換体変形規制部
51 溝
52 血液流通用開口
Claims (9)
- 筒状コアと、該筒状コアの外表面に巻き付けられた多数のガス交換用中空糸膜からなる筒状中空糸膜束と、該筒状中空糸膜束を収納するハウジングと、前記中空糸膜の内部と連通するガス流入部およびガス流出部と、前記中空糸膜の外部と前記ハウジング内と連通する血液流入部および血液流出部とを備える中空糸膜型人工肺であって、
前記筒状中空糸膜束は、前記筒状コアの外周面に中空糸膜を螺旋状に巻き付けることにより形成されているとともに、中空糸膜により筒状コアの外周面に広がる中空糸膜層が、多層に重なった状態となっており、さらに、該中空糸膜層は、ガス交換有効部分内に中空糸膜が交差する交差部ならびに中空糸膜の折り返し部分が存在しないものであり、前記筒状コアは、該筒状コアの外面に、該筒状コアの外表面と筒状中空糸膜束の内面間に血液流路を形成する多数の溝を有し、かつ、該溝は、前記中空糸膜束の前記ガス交換有効部分のほぼ全域に渡るように形成されており、さらに、該筒状コアは、該筒状コアの前記溝の形成部分のほぼ全体に延びる平坦面状の溝非形成部を備え、前記筒状コアの前記溝は、始端および終端を有する環状溝となっており、さらに、前記筒状コアの前記溝間に形成される山部の頂点は平坦面となっていることを特徴とする中空糸膜型人工肺。 - 前記中空糸膜層は、前記中空糸膜束の両端部を前記ハウジングに液密に固定する隔壁部分内にも中空糸膜が交差する交差部ならびに中空糸膜の折り返し部分が存在しないものである請求項1に記載の中空糸膜型人工肺。
- 前記中空糸膜束は、筒状コアの外周面に広がる中空糸膜層が、多層に重なった状態となっており、かつ、該中空糸膜層は、両端に中空糸膜の折り返し部分が形成された中空糸膜束成形体の両端部を切断することにより形成されているものである請求項1または2に記載の中空糸膜型人工肺。
- 前記中空糸膜束を形成する中空糸膜の折り返し角度θは、90°より大きいものである請求項1ないし3のいずれかに記載の中空糸膜型人工肺。
- 前記中空糸膜束を形成する中空糸膜の長さSは、測定対象の中空糸膜部分における中空糸膜束の半径をr、前記中空糸膜束の長さをLとしたとき、L<S<√(πr)2+L2である請求項1ないし4のいずれかに記載の中空糸膜型人工肺。
- 前記中空糸膜型人工肺は、前記筒状コア内に収納された筒状熱交換器部を備えている請求項1ないし5のいずれかに記載の中空糸膜型人工肺。
- 前記中空糸膜束は、中空糸膜が1本あるいは複数本同時に、かつ隣り合うすべての中空糸膜がほぼ一定の間隔となるように筒状コアに螺旋状に巻き付けられることにより形成されたものであり、かつ、前記中空糸膜を前記筒状コアに巻き付ける際に、筒状コアを回転させるための筒状コア回転手段と中空糸膜を編み込むためのワインダー装置とが、下記演算式1
トラバース[mm/lot]・1/n(整数)=トラバース振り幅・2±(中空糸膜外径+隣り合う中空糸膜の間隔)・巻き付け本数 (演算式1)
で動くことによって筒状コアに巻き付けられることにより形成されたものである請求項1ないし6のいずれかに記載の中空糸膜型人工肺。 - 前記演算式1におけるnは2である請求項7に記載の中空糸膜型人工肺。
- 前記筒状コアは、前記溝非形成部と向かい合う領域に、前記溝部分を欠損させることにより形成された血液流通用開口を備えている請求項1ないし8のいずれかに記載の中空糸膜型人工肺。
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