JP3934592B2

JP3934592B2 - 階段の踏板

Info

Publication number: JP3934592B2
Application number: JP2003368234A
Authority: JP
Inventors: 真水野
Original assignee: 東洋プライウッド株式会社
Priority date: 2003-10-29
Filing date: 2003-10-29
Publication date: 2007-06-20
Anticipated expiration: 2023-10-29
Also published as: JP2005133356A

Description

本発明は、階段に用いる踏板に関し、より詳しくは階段のリフォームに好適な踏板に関する。

従来、階段の踏板は人の荷重が直接係る部分であるため、集成材や合板等を基材とし、表面を塗料等により保護した厚くて硬質な積層材が用いられている。

しかし厚くて硬質な階段踏板は、階段を昇降する際の足への負担が大きく、また、踏板にかかる荷重による衝撃から踏鳴り音が発生し易く、この音は階段の上下及び隣室の空間で反響し騒音となる。そこで、足への負担を軽減し、踏鳴り音を抑制するため踏板の裏面にクッション材を貼着している。
特開２００１−９８７３１号公報

しかしながら、階段の踏板にクッション材を貼着しただけの構造では足への負担を軽減し、踏鳴り音を抑制するうえで満足できる効果が得られない。

本発明は上記の課題を鑑みてなされたものであって、階段昇降時の足への負担を軽減するとともに、踏鳴り音を抑え、防音効果を向上させた階段の踏板を提供することを目的とする。

上記目的を達成するため請求項１に記載の階段の踏板は、踏板本体と、略Ｌ字形の横断断面形状を有するとともに踏板本体の前端面の厚みに略等しい厚みの後端面を有し、上面に滑り止めが設けられ、前記後端面が前記踏板本体の前端面に接合される段鼻部材から成り、踏板本体の裏面に該踏板本体の後端面から前端面に達する複数本の溝を形成するとともに、該複数本の溝を覆うように踏板本体の裏面にクッション材を貼着し、前記踏板本体の前端面に接合した前記段鼻部材で踏板本体前端面に現れる前記複数本の溝を覆い隠すようにしたことを特徴とする。

請求項１に記載の本発明によれば、踏板本体は裏面にクッション材が貼着されているため、踏板本体に荷重をかけた際の衝撃はクッション材によって吸収される。

また、踏板本体の裏面に本体の後端面から前端面に達する複数本の溝を刻設したため、踏板本体の裏面に溝が入っていない場合に比べて、踏板本体は滑らかにかつ大きく撓む。そのため、クッション材と共に防音効果を高め、かつ衝撃緩衝機能が向上し、足への負担が軽減される。

特に段鼻部材と踏板本体を別体にしたので、踏板本体の裏面全体に複数本の溝を刻設することが容易となる。そして、段鼻部材によって踏板本体に刻設した複数本の溝を隠すことができるため、溝が段鼻部分に表れて外観を損ねるようなことは無い。

本発明の階段の踏板は、積層材を略Ｌ字形に切削した段鼻部材と、合板の表面に化粧シートが貼着された踏板本体から構成され、踏板本体前端部に突部を設け、段鼻部材に前記の突部が嵌合する実溝を刻設する。踏板本体の裏面には間隔を空けて複数本の鋸溝が踏板本体の厚みの中心付近まで刻設されると共に、合成樹脂発泡体からなるクッション材が貼着される。このように構成した階段の踏板は踏板本体が踏面上に載置されると共に、段鼻部材が段鼻部分に固着される。

本発明の実施例１として、図に基づき以下に詳細な説明を記す。図１に示す階段の踏板１０は段鼻部材２０と踏板本体３０から構成される。

図２に示す段鼻部材２０は、無垢材、合板、集成材、単板積層材などの木材、或は合成樹脂材を単独成形または任意複合するか切削して略Ｌ字形に形成する。上面にはゴム、不織布、合成樹脂或は金属製の滑り止め４０を嵌合する凹溝２１を刻設し、後端面には実溝２２を刻設する。また、足が当たった場合の危険を防ぎ、かつ不快感を与えないために、前面の上下端は僅かに角を落とす。図１で嵌合した状態で示す滑り止め４０は段鼻部材２０を形成する素材とは異なる素材を使用し、滑り止め４０の表面に少なくとも一本の溝を刻設し滑り止め効果を高める。

図３及び図４に示す踏板本体３０は、合板、集成材、単板積層材、繊維板などの木材、或は合成樹脂材、金属材を単独または任意複合して可撓性を持たせた板材を基材３１として形成し、基材３１の表面に天然木材を薄く切削して得られる天然化粧板、ベニヤ板等に木目を印刷した化粧合板、印刷したシートを貼り合わせた化粧板または着色を施した化粧合成樹脂板と、好ましくはその裏面に不織布、紙、合成樹脂シート、ガラス繊維シート等を裏打ちし形成した化粧材３２を貼着し構成する。さらに、基材３１の裏面にクッション材３３を貼着し、段鼻部材２０と連接する前端面に突部３４を形成する。貼着するクッション材３３は合成樹脂発泡体かそれに類似するもの或は不織布、織布等の弾性及び衝撃緩衝機能を備えるもので構成され、クッション材３３の下面に、不織布、紙、合成樹脂シート、ガラス繊維シート等が裏打ちされる。基材３１、化粧材３２及びクッション材３３を合わせた厚さは、段鼻部材２０の後端面の厚さと等しいかそれを越えないものとし、各部材間は一般的な建築用の接着剤にて一体化される。

基材３１の裏面には、同一の方向に一定の間隔を空けて複数本の鋸溝３５が刻設される。図４に示す鋸溝３５は踏板本体３０の前端面から後端面まで通して切られており、図３に示す突部３４は鋸溝３５が貫通しているために鎖線状に断続して踏板本体３０に突設される。鋸溝３５は基材３１の厚さに対し３分の２程度まで刻設され、基材３１の可撓幅を増加させる。

踏板本体３０は階段の下地踏板の踏面上に固定され、段鼻部材２０は下地踏板の段鼻部分に固着される。段鼻部材３０を取り付ける際、実溝２２へ突部３４が嵌合されて、段鼻部材２０と踏板本体３０が接合される。

踏板本体３０に荷重を加えると、踏板本体３０が撓み、クッション材３３を押圧する。それに伴い基材３１の裏面に刻設した鋸溝３５は個々に拡開し、クッション材３３は足が階段へ与える衝撃を和らげると共に階段から足への反発力を緩衝する。大きく撓んだ踏板本体３０とクッション材３３によって、踏鳴り音と階段の上下空間及び隣室における反響音を遮音若しくは吸音する防音効果と共に、足にかかる負担を軽減する効果を得る。

踏板本体３０と段鼻部材２０を分割して構成したため、踏板本体３０の鋸溝３５は階段正面から見えず、階段全体の見た目を損なわない。

本発明の階段の踏板は、住宅密集地の個別住宅、メゾネット形の集合住宅等の階段を昇降する際、音に注意する住宅に利用したり、足に負担のかけられない高齢者等に対応するバリアフリー住宅に利用することが可能である。また放送局、録音スタジオなど雑音、騒音を嫌う家屋に利用することも可能である。

本発明の実施例１に係る階段の踏板を示す斜視図である。本発明の実施例１に係る段鼻部材を示す斜視図である。本発明の実施例１に係る踏板本体を示す斜視図である。本発明の実施例１に係る踏板本体を示す後端面の平面図である。

符号の説明

１０…階段の踏板、２０…段鼻部材、３０…踏板本体、４０…滑り止め
２１…凹溝、２２…実溝、
３１…基材、３２…化粧材、３３…クッション材、３４…突部、３５…鋸溝

Claims

踏板本体と、略Ｌ字形の横断断面形状を有するとともに踏板本体の前端面の厚みに略等しい厚みの後端面を有し、上面に滑り止めが設けられ、前記後端面が前記踏板本体の前端面に接合される段鼻部材から成り、踏板本体の裏面に該踏板本体の後端面から前端面に達する複数本の溝を形成するとともに、該複数本の溝を覆うように踏板本体の裏面にクッション材を貼着し、前記踏板本体の前端面に接合した前記段鼻部材で踏板本体前端面に現れる前記複数本の溝を覆い隠すようにしたことを特徴とする階段の踏板。