JP3933990B2 - 流体圧ジャッキ - Google Patents

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弘哉 肥後
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体圧ジャッキに関し、詳しくは、手動により駆動されるポンプを備えた流体圧ジャッキの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
種々の物品の製造・修理作業において使用される油圧や水圧等の流体圧を利用した流体圧ジャッキとしては、従来から種々のものが案出されている。ここで、作業現場においては、流体圧ジャッキを駆動させるための動力源を確保し難い場合や、流体圧ジャッキを移動して使用する場合があり、手動にて駆動され、しかも、小型軽量で持ち運びが容易な流体圧ジャッキが望まれる。
【0003】
そこで、図5に示すような流体圧ジャッキを新規に案出した。この流体圧ジャッキ100は、シリンダ室113を有するシリンダ体110と、ピストン部121を有するピストン体120とを備え、内蔵された手動式のポンプ130によってシリンダ室113に油等の流体を送り、流体圧によってシリンダ室113内のピストン部121を摺動させて、シリンダ体110に対してピストン体120を進退させるものである。ここで、シリンダ室113は、ピストン部121によって第1圧力室111と第2圧力室112とに区画されており、第1圧力室111に流体が送られると、シリンダ体110に対してピストン体120が前進し、第2圧力室112に流体が送られると、シリンダ体110に対してピストン体120が後退する。よって、この流体圧ジャッキ100は、手動により駆動される使い勝手に優れたものであるばかりでなく、シリンダ体110に対してピストン体120が前進する押し側の作動と、シリンダ体110に対してピストン体120が後退する引き側の作動との押し引き両方向の作動を得ることができる利便性に優れたものである。また、手動により駆動されるポンプ130、及び、押し引きの作動を切り換えるための流路切換機構140がシリンダ体110にコンパクトに納められており、小型軽量で持ち運びが容易なものである。なお、上記流路切換機構140は、第1圧力室111、第2圧力室112、流体を送出するポンプ130の送出口131及び流体を供給するポンプ130の供給口132の間に形成された流路の連通状態を切り換えるものであり、具体的な構成は以下の通りである。
【0004】
流路切換機構140は、第1切換弁141と第2切換弁142とから構成されている。ここで、第1切換弁141は、第1圧力室111との連通を、ポンプ130の送出口131またはポンプ130の供給口132のいずれかに切り換えるものであり、第2切換弁142は、第2圧力室112との連通を、ポンプ130の送出口131またはポンプ130の供給口132のいずれかに切り換えるものである。そして、第1切換弁141及び第2切換弁142を夫々操作し、第1圧力室111とポンプ130の送出口131とが連通し、第2圧力室112とポンプ130の供給口132とが連通した状態として、ポンプ130を駆動すると、ポンプ130から第1圧力室111へと流体が送られる一方で、第2圧力室112からポンプ130へと流体が戻される。これにより、シリンダ体110に対してピストン体120が前進して、流体圧ジャッキ100は押し方向に作動する。また逆に、図5に示すように、第2圧力室112とポンプ130の送出口131とが連通し、第1圧力室111とポンプ130の供給口132とが連通した状態として、ポンプ130を駆動すると、ポンプ130から第2圧力室112へと流体が送られる一方で、第1圧力室111からポンプ130へと流体が戻される。これにより、シリンダ体110に対してピストン体120が後退して、流体圧ジャッキ100は引き方向に作動する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の流体圧ジャッキは、小型軽量で利便性に優れたものであるが、以下の点で、さらに改良の余地があった。
【0006】
図5に示した流体圧ジャッキ100では、第1圧力室111の断面積と第2圧力室112の断面積が異なる。よって、押し側で使用する場合と引き側で使用する場合とで、得られる出力が異なる。具体的には、第2圧力室112内をピストン体120のロッド部122が貫通するため、第2圧力室112の断面積は第1圧力室111の断面積よりも狭くなり、引き側で使用する際の出力は、押し側で使用する際の出力よりも低くなる。この点に関して、押し側で使用する場合と引き側で使用する場合とで同出力が得られるようにすることで、使用勝手を向上させることができる余地があった。
【0007】
また、シリンダ体110に対してピストン体120が進退する際には、ピストン部121により区画された第1圧力室111と第2圧力室112との容積が変化するのであるが、第1圧力室111の断面積と第2圧力室112の断面積が異なることから、第1圧力室111の容積の変化量と第2圧力室112の容積の変化量とは、同量とならない。具体的には、第1圧力室111の容積の変化量は、第2圧力室112の容積の変化量よりも多くなる。よって、シリンダ体110に対してピストン体120を前進させる場合には、第1圧力室111の容積の増加量が第2圧力室112の容積の減少量よりも多くなるため、流体の回路内に流体を補充しなければならない。また逆に、シリンダ体110に対してピストン体120を後退させる場合には、第1圧力室111の容積の減少量が第2圧力室112の容積の増加量よりも多くなるため、流体の回路外に流体を排出しなければならない。このため、この流体圧ジャッキ100では、回路内に補充される流体や回路外に排出される流体を貯留するタンク150を必要とする。特に、シリンダ体110に対するピストン体120の進退のストロークを大きく設定すると、第1圧力室111と第2圧力室112との容積変化量の差が多くなるため、大型のタンク150を必要とする。この点に関して、タンク150を小型化、或いは、省略することによって、流体圧ジャッキ100全体のさらなる小型軽量化を図ることができる余地があった。
【0008】
本発明は、上記実状を鑑みてなされたものであり、押し側と引き側とで略同一の出力を得ることができ、しかも、流体を貯留するタンクを小型化或いは省略することもできる流体圧ジャッキを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明に係る流体圧ジャッキは、
「シリンダ室を有するシリンダ体と、
前記シリンダ室を夫々略同一断面積の第1圧力室と第2圧力室とに区画するピストン部を有するピストン体と、
流体の供給口及び送出口を有し、手動により駆動される送出ピストンの進退動によって前記供給口から供給される流体を前記送出口から送出するものとして構成されると共に、前記シリンダ体または前記ピストン体に内蔵され、前記第1圧力室及び前記第2圧力室に流体を送出するポンプと、
前記シリンダ体または前記ピストン体に内蔵され、前記送出口、前記供給口、前記第1圧力室及び前記第2圧力室の間の流路を、前記送出口と前記第1圧力室とが連通し、前記第2圧力室と前記供給口とが連通する状態、または、前記送出口と前記第2圧力室とが連通し、前記第1圧力室と前記供給口とが連通する状態、に切り換える流路切換機構と
を備え、
前記流路切換機構は、
前記第1圧力室との連通を、前記送出口または前記供給口に切り換える第1切換弁と、
前記第2圧力室との連通を、前記送出口または前記供給口に切り換える第2切換弁と
で構成され、
前記第1切換弁及び前記第2切換弁は、夫々個別に操作される三方弁からなると共に、前記シリンダ体または前記ピストン体から突設された操作軸と、該操作軸に取着された操作部とを備え、前記操作部が手動により回動されることで操作されるものである
ことを特徴とする流体圧ジャッキ」
である。
【0010】
本願発明者等が既に案出している流体圧ジャッキは、シリンダ室を有するシリンダ体と、前記シリンダ室を第1圧力室と第2圧力室とに区画するピストン部を有するピストン体と、流体の供給口及び送出口を有し、前記シリンダ体または前記ピストン体に内蔵されると共に手動により駆動され、前記第1圧力室及び前記第2圧力室に流体を送出するポンプと、前記送出口、前記供給口、前記第1圧力室及び前記第2圧力室の間の流路を、前記送出口と前記第1圧力室とが連通し、前記第2圧力室と前記供給口とが連通する状態、または、前記送出口と前記第2圧力室とが連通し、前記第1圧力室と前記供給口とが連通する状態、に切り換える流路切換機構とを、単に備えるものである。
【0011】
これに対して、本発明に係る流体圧ジャッキでは、上記の流体圧ジャッキにおいて、第1圧力室と第2圧力室とが略同一断面積に形成されている。よって、押し側の出力と引き側の出力とが略同一の出力となる。また、押し側や引き側で作動するに際して、第1圧力室の容積の変化量と第2圧力室の容積の変化量とが略同量となるため、回路内における流体の変動量は少なくなる。よって、回路内で変動する分の流体を貯留するタンクの小型化が可能となる。
【0012】
また、本発明に係る流体圧ジャッキでは、低出力で作動させる場合には、第1圧力室と第2圧力室との容積の変化量が略同一であることから、回路内における流体の変動量が少ないのであるが、高出力で作動させる場合には、回路内における流体の変動量が多くなる。これは、高出力で作動させると、容積が増加する側の圧力室が高圧力となることから、圧力室の容積を増加させるためには、高圧力で圧縮される分だけ余分に流体を圧力室に充填しなければならないからである。よって、この流体の変動量を吸収させるために、流体を貯留するタンクを設けることが好適であるが、流体圧ジャッキ内部の流路にて流体の変動量を吸収させることができる場合には、タンクを省略することも可能である。
【0014】
流路切換機構としては、種々の切換弁を用いて構成することができるが、本発明に係る流体圧ジャッキでは、第1圧力室との連通をポンプの送出口または供給口に切り換える第1切換弁と、第2圧力室との連通をポンプの送出口または前記供給口に切り換える第2切換弁との二つの三方弁を用いて流路切換機構を構成している。このため、流路切換機構として、複雑な構造の切換弁を用いることなく、構造が簡略化されている。また、第1切換弁と第2切換弁との個々の二つの三方弁を個別に操作することで、押し側または引き側の作動の切り換えを確実に行うことが可能である。しかも、第1切換弁と第2切換弁とを個別に操作することで、第1圧力室及び第2圧力室の双方をポンプの送出口または供給口に連通させて、第1圧力室と第2圧力室とを連通させた状態とすることも可能である。このような状態では、第1圧力室と第2圧力室とが同圧となり、シリンダ体に対するピストン体の進退量を手操作により変更することが可能となる。よって、シリンダ体に対するピストン体の進退量を初期の所望量に容易に設定することが可能となる。
【0015】
請求項に記載の流体圧ジャッキは、請求項1に記載の流体圧ジャッキにおいて、前記シリンダ室は、前記シリンダ体の外面に凹設されており、前記ピストン体は、前記シリンダ体に外嵌されており、前記ポンプ及び前記流路切換機構は、前記シリンダ体に内蔵されていることを特徴とするものである。
【0016】
シリンダ体の内面にシリンダ室を凹設し、シリンダ体にピストン体を内嵌し、ポンプ及び流路切換機構をシリンダ体に内蔵した構造では、ピストン体のピストン部によって区画された第1圧力室または第2圧力室とポンプ及び流路切換機構とを連通させる流路を、シリンダ体におけるシリンダ室周りの部位に形成しなければならない。よって、シリンダ体の大型化が余儀なくされる。例えば、図5に示した流体圧ジャッキ100では、シリンダ体110におけるシリンダ室113周りの部位に、第2圧力室112に連通する流路Rを形成しなければならず、この流路Rを形成する分だけ、シリンダ体110が大型化している。
【0017】
これに対して本発明に係る流体圧ジャッキでは、ポンプ及び流路切換機構を内蔵するシリンダ体の外面にシリンダ室が凹設されているため、第1圧力室または第2圧力室とポンプ及び流路切換機構とを連通させる流路を、シリンダ体におけるシリンダ室の内側の部位に形成することが可能となる。よって、シリンダ体が無用に大型化しない。
【0018】
請求項に記載の発明に係る流体圧ジャッキは、請求項1に記載の流体圧ジャッキにおいて、前記シリンダ室は、前記シリンダ体の内面に凹設されており、前記ピストン体は、前記シリンダ体に内嵌されており、前記ポンプ及び前記流路切換機構は、前記ピストン体に内蔵されていることを特徴とするものである。
【0019】
本発明に係る流体圧ジャッキでは、シリンダ体に内嵌されたピストン体にポンプ及び前記流路切換機構が内蔵されているため、第1圧力室または第2圧力室とポンプ及び流路切換機構とを連通させる流路を、ピストン体におけるシリンダ室の内側の部位に形成することが可能となる。よって、シリンダ体におけるシリンダ室周りの部位に流路を形成する必要はなく、シリンダ体が無用に大型化しない。
【0020】
請求項に記載の発明に係る流体圧ジャッキは、請求項1から請求項までのいずれか一つに記載の流体圧ジャッキにおいて、流体を貯留し、前記ポンプに流体を供給するタンクが設けられていることを特徴とするものである。
【0021】
流体圧ジャッキによって高出力の作動を得ようとすると、回路内の流体の量が変動するのは上述の通りである。よって、本発明では、タンクを設けることにより、回路内の流体の変動量を吸収させている。なお、第1圧力室と第2圧力室とは略同一断面積であるため、回路内の流体の変動量は少なく、タンクを設けたとしても、このタンクは、容積の少ない小型のものであればよく、流体圧ジャッキ全体が無用に大型化しない。また、タンクを設ける場合には、シリンダ体またはピストン体の外部に設けてもよく、シリンダ体またはピストン体の内部に設けてもよい。特に、本発明では、タンクが容積の少ない小型のものであればよいため、シリンダ体またはピストン体の内部にタンクを設けることは容易である。
【0022】
請求項に記載の発明に係る流体圧ジャッキは、請求項に記載の流体圧ジャッキにおいて、前記タンクは、前記シリンダ体または前記ピストン体の外面に、シリンダ体またはピストン体の姿勢に応じて、前記ポンプへの流体の排出口が下方に位置するように、回動自在に支持されていることを特徴とするものである。
【0023】
タンクは、ポンプへと流体を排出するための排出口を有しているのであるが、タンクが固定されていると、流体圧ジャッキを使用する際の姿勢によっては、排出口が貯留された流体から露呈してしまい、これにより、タンクからポンプへと流体を送ることができず、作動不良が生じる場合がある。よって、タンクが固定されていると、使用可能な流体圧ジャッキの姿勢が限定されてしまい、使用勝手に劣る。
【0024】
これに対して本発明に係る流体圧ジャッキでは、タンクが回動自在に支持されているため、流体圧ジャッキを使用する際の姿勢に応じてタンクを回動させることにより、常に、排出口を流体に没するように位置させることが可能である。よって、流体圧ジャッキがどのような姿勢で使用されても、確実に作動させることが可能となる。また、タンクは、シリンダ体またはピストン体の外面に支持されているため、流体圧ジャッキを使用する際の姿勢に応じて、タンクを的確に回動操作することも可能となる。
【0025】
請求項に記載の発明に係る流体圧ジャッキは、請求項または請求項に記載の流体圧ジャッキにおいて、前記タンクは、流体の貯留量に応じて移動して流体を封止する封止体を備えることを特徴とするものである。
【0026】
本発明では、封止体によりタンクに貯留された流体が封止されるため、流体圧ジャッキの姿勢が変動しても、常に、排出口が流体に没することになり、流体圧ジャッキの姿勢がどのような状態であっても、流体圧ジャッキを確実に作動させることが可能となる。なお、流体を封止する封止体を設けるに加えて、タンクをシリンダ体またはピストン体の外面に回動自在に支持すれば、流体圧ジャッキの姿勢に応じて、タンクの排出口を下方に位置させることができ、流体圧ジャッキを、より一層、確実に作動させることが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明に係る流体圧ジャッキの実施形態としての一例を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0028】
図1に示すように、本例の流体圧ジャッキ10は、押し引きの動作がなされる一方の部材Aに取着されるアタッチメント25が装着されたシリンダ体20と、同様に押し引きの動作がなされる他方の部材Bに取着されるアタッチメント35が装着され、シリンダ体20に進退自在に組み付けられたピストン体30とを備えている。
【0029】
ここで、この流体圧ジャッキ10では、レバー等の操作部44により駆動されるポンプ40がシリンダ体20に内蔵されており、操作部44を操作することで、ポンプ40が手動にて駆動される。また、油等の流体を貯留するタンク60がシリンダ体20の外面の側方に回動自在(矢印T)に支持されており、流体圧ジャッキ10を、図示のように横方向で使用する場合には、タンク60を回動してタンク60を鉛直状態とすることができる。
【0030】
次に、この流体圧ジャッキ10の詳細な構造を説明する。図2に示すように、シリンダ体20の上部の外周面には、シリンダ室23が凹設されており、このシリンダ室23を覆うように、シリンダ体20の上部にピストン体30が進退自在に外嵌されている。ここで、ピストン体30は、内周面からシリンダ室23に延出するピストン部31を備えており、このピストン部31によってシリンダ室23が第1圧力室21と第2圧力室22とに区画されている。そして、第1圧力室21と第2圧力室22とは、夫々シリンダ体20の軸部24が貫通されて、略同一断面積に形成されている。
【0031】
シリンダ体20には、流体の供給口42及び送出口41を有し、供給口42から供給される流体を送出口41から送出するポンプ40と、ポンプ40の送出口41、供給口42、第1圧力室21及び第2圧力室22の間を適宜連通させる流路と、この流路の連通状態を切り換える流路切換機構50とが設けられている。ここで、本例では、ポンプ40に接続された送出口41側の流路に、流体の送出方向を順方向とした逆止弁70が設けられており、供給口42側の流路に、流体の供給方向を順方向とした逆止弁70が設けられており、ポンプ40が、送出ピストン43の進退動によって供給口42から供給される流体を送出口41から送出するものとして構成されている。また、流路切換機構50は、第1圧力室21との連通をポンプ40の送出口41または供給口42のいずれかに切り換える三方弁からなる第1切換弁51と、第2圧力室22との連通をポンプ40の送出口41または供給口42のいずれかに切り換える三方弁からなる第2切換弁52とにより構成されている。なお、第1切換弁51及び第2切換弁52は、夫々、シリンダ体20から突設された操作軸(図示省略)と、この操作軸に取着されたハンドル等の操作部(図示省略)とを備え、操作部が手動により回動されることにより操作されるものである。また、操作部は、ループさせた鋼線材や平板等によって操作軸に比して幅広に形成されており、しかも、操作軸に対して折り畳み可能に設けられている。よって、操作部は、操作時には、小さな回動力によって操作可能であり、非操作時には、折り畳みによりコンパクトに納められる。
【0032】
このように流体の回路が構成された本例の流体圧ジャッキ10では、図2に示すように、第1切換弁51を操作して、ポンプ40の送出口41と第1圧力室21とを連通させ、第2切換弁51を操作して、第2圧力室22とポンプ40の供給口42とを連通させた状態でポンプ40を駆動させると、第1圧力室21に流体が送られて第1圧力室21の容積が増加すると共に第2圧力室22から流体が排出されて第2圧力室22の容積が減少し、シリンダ体20に対してピストン体30が前進して、押し側にて作動する。一方、図3に示すように、第2切換弁52を操作して、ポンプ40の送出口41と第2圧力室22とを連通させ、第1切換弁51を操作して、第1圧力室21とポンプ40の供給口42とを連通させた状態でポンプ40を駆動させると、第2圧力室22に流体が送られて第2圧力室22の容積が増加すると共に第1圧力室21から流体が排出されて第1圧力室21の容積が減少し、シリンダ体20に対してピストン体30が後退して、引き側にて作動する。ここで、第1圧力室21と第2圧力室22とは略同一断面積であるため、押し側及び引き側にて得られる出力は、略同一となる。
【0033】
また、図示は省略するが、第1切換弁51及び第2切換弁52を操作して、第1圧力室21及び第2圧力室22の双方をポンプ40の送出口41または供給口42に連通させた状態とすると、第1圧力室21と第2圧力室22とが連通した状態となる。この状態では、第1圧力室21に充填された流体の圧力と第2圧力室22に充填された流体の圧力とが同一となり、シリンダ体20に対してピストン体30を手操作によって進退させることができる。よって、流体圧ジャッキ10を使用するに先立って、流体圧ジャッキ10の全長を所望の長さに設定する際の作業が容易である。
【0034】
ところで、本例の流体圧ジャッキ10では、第1圧力室21と第2圧力室22との断面積を完全に同一とすれば、流体圧ジャッキ10を押し側で作動させても、引き側で作動させても、回路内の流体量が変動されないのであるが、流体圧ジャッキ10を高出力で作動させる場合には、流体が高圧力で圧縮される分だけ、回路内の流体量が変動してしまう。そこで、本例では、図2及び図3に示すように、第1切換弁51及び第2切換弁52とポンプ40の供給口42との間の流路に、タンク60が接続されており、このタンク60に流体を貯留させることにより、回路内における流体の変動量が補償されている。ここで、タンク60は、シリンダ体20に回動自在に支持されていることは上述の通りであるが、加えて、貯留する流体の量に応じて移動する封止体62を備えており、この封止体62によって、タンク60に貯留された流体が封止されている。よって、流体圧ジャッキ10の姿勢に応じてタンク60を回動させることにより、タンク60の排出口61を下方に位置させることができるばかりでなく、たとえタンク60を回動させなくても、タンク60に貯留された流体が封止体62によって封止されるため、貯留された流体から排出口61が露呈されることはない。これにより、流体圧ジャッキ10がどのような姿勢であっても、流体圧ジャッキ10を確実に作動させることができる。
【0035】
次に、本発明に係る流体圧ジャッキの別の例を、図4に基づいて説明する。なお、前述の例と同様の構成については、同一の符号を付すことによって詳細な説明を省略する。
【0036】
本例の流体圧ジャッキ10aでは、シリンダ体20aの内面にシリンダ室23が凹設されており、このシリンダ室23に摺動自在に挿嵌されると共にシリンダ室23を第1圧力室21と第2圧力室22とに区画するピストン部31を有するピストン体30aが、シリンダ体20aに進退自在に内嵌されている。また、ポンプ40及び流路切換機構50は、ピストン体30aに内蔵されており、タンク60は、ピストン体30aの外面に回動自在に支持されている。ここで、ピストン体30aは、第1圧力室21を貫通する第1軸部32と、第2圧力室22を貫通する第2軸部33とを備えてなり、第1軸部32と第2軸部33とは略同一径に形成されている。これにより、第1圧力室21と第2圧力室22とは、略同一断面積となっている。
【0037】
本例の流体圧ジャッキ10aでは、流路切換機構50によって、第1圧力室21及び第2圧力室22との連通をポンプ40の送出口41または供給口42のいずれかに一方及び他方に切り換えることにより、シリンダ体20aに対してピストン体30aを進退させて、押し側及び引き側にて同出力で作動される。なお、図4では、流路切換機構50を構成する第2切換弁52を操作して、ポンプ40の送出口41と第2圧力室22とを連通させ、第1切換弁51を操作して、第1圧力室21とポンプ40の供給口42とを連通させて、流体圧ジャッキ10aを引き側に作動させる状態を示す。
【0038】
以上、本発明に係る流体圧ジャッキの例を説明したが、本発明に係る流体圧ジャッキはこれに限らず、次のように、種々の変形が可能である。
【0039】
流体を貯留するタンクを、シリンダ体またはピストン体の内部に設けてもよい。また、シリンダ体またはピストン体に形成される流路によって十分な容積を確保し、流路自体によって回路内の流体の変動量を補償することができるようにすれば、タンクを省略することもできる。
【0040】
流路切換機構を、三方弁以上の多方弁を用いて構成してもよく、また、四方弁以上の多方弁を採用する場合には、単一の多方弁によって構成してもよい。さらに、個々の流路を開閉する開閉弁を用いて構成してもよい。
【0041】
図5に示した流体圧ジャッキにおいて、ピストン部の下方に、第2圧力室を貫通するロッド部と略同径の軸部を延出させ、この軸部を第1圧力室に貫通させ、これにより、第1圧力室と第2圧力室とが略同一断面積となるようにして、本発明に係る流体圧ジャッキとしてもよい。
【0042】
また、本発明に係る流体圧ジャッキは、小型軽量で、手動にて駆動されるものであり、工場内や屋外での種々の機械や物品の製造・修理作業に際して、様々な部材を押したり引いたりする作業に好適に使用することができる。特に、屋外で高所作業を必要とする建築現場にて好適に使用することができる。例えば、建築物を建築する際に、鉄骨等により形成された下側構造体の上部に、同じく鉄骨等により形成された上側構造体を積重して溶接やボルト締め等により一体化するにあたって、下側構造体と上側構造体との間に介装され、下側構造体に対して上側構造体を押し引きして、上側構造体の正確な鉛直度及び水平度を確保する建築用の流体圧ジャッキとして好適である。
【0043】
【発明の効果】
以上詳細に説明した本発明によれば、以下の効果を得ることができる。
【0044】
請求項1の発明によれば、第1圧力室と第2圧力室とが略同一断面積であるため、押し側と引き側とで得られる出力を略同一とすることができる。また、押し側で作動させても、引き側で作動させても、回路内の流体量の変動が少ないため、流体を貯留するタンクを小型化或いは省略することもできる。
【0045】
加えて、第1切換弁と第2切換弁とで単純な構造の二つの三方弁により流路切換機構を構成することにより、流路切換機構全体の構造の簡略化を図ることができる。また、第1切換弁及び第2切換弁の個別の操作により、流体圧ジャッキを押し側または引き側に確実に作動させることができる。さらに、第1切換弁及び第2切換弁の個別の操作により、第1圧力室と第2圧力室とを連通させることもでき、これにより、シリンダ体に対するピストン体の進退量、すなわち、流体圧ジャッキの全長を手操作により容易に設定することができ、使い勝手をさらに向上せることができる。
【0046】
請求項の発明によれば、シリンダ体の外面にシリンダ室が設けられているため、シリンダ室よりも内側の部位に流路を形成することができ、シリンダ体の無用な大型化を抑制することができる。
【0047】
請求項の発明によれば、シリンダ体に内嵌されたピストン体に流路が形成されるため、シリンダ体に流路を形成する必要がなく、シリンダ体の無用な大型化を抑制することができる。
【0048】
請求項の発明によれば、高出力の作動によって生じる回路内の流体量の変動をタンクによって確実に吸収させることができる。なお、吸収が必要な流体の変動量は少ないため、大型のタンクを必要とせず、流体圧ジャッキが無用に大型化することはない。
【0049】
請求項の発明によれば、流体圧ジャッキの姿勢に応じてタンクを回動させることで、タンクを鉛直状態として排出口を下方に位置させることができるため、流体圧ジャッキを多様な姿勢で使用することができ、使用勝手を向上させることができる。
【0050】
請求項の発明によれば、タンクに貯留された流体が封止体によって封止されるため、タンクの排出口が貯留された流体から露呈することがなく、流体圧ジャッキを多様な姿勢で使用することができ、使用勝手を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る流体圧ジャッキの一例を示す斜視図である。
【図2】図1に示した流体圧ジャッキの構造を模式的に示す説明図である。
【図3】図1に示した流体圧ジャッキの構造を模式的に示す説明図である。
【図4】流体圧ジャッキの別例の構造を模式的に示す説明図である。
【図5】従来の流体圧ジャッキの構造を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
10(10a) 流体圧ジャッキ
20(20a) シリンダ体
21 第1圧力室
22 第2圧力室
23 シリンダ室
30(30a) ピストン体
31 ピストン部
40 ポンプ
41 送出口
42 供給口
50 流路切換機構
51 第1切換弁
52 第2切換弁
60 タンク
61 排出口
62 封止体

Claims (6)

  1. シリンダ室を有するシリンダ体と、
    前記シリンダ室を夫々略同一断面積の第1圧力室と第2圧力室とに区画するピストン部を有するピストン体と、
    流体の供給口及び送出口を有し、手動により駆動される送出ピストンの進退動によって前記供給口から供給される流体を前記送出口から送出するものとして構成されると共に、前記シリンダ体または前記ピストン体に内蔵され、前記第1圧力室及び前記第2圧力室に流体を送出するポンプと、
    前記シリンダ体または前記ピストン体に内蔵され、前記送出口、前記供給口、前記第1圧力室及び前記第2圧力室の間の流路を、前記送出口と前記第1圧力室とが連通し、前記第2圧力室と前記供給口とが連通する状態、または、前記送出口と前記第2圧力室とが連通し、前記第1圧力室と前記供給口とが連通する状態、に切り換える流路切換機構と
    を備え、
    前記流路切換機構は、
    前記第1圧力室との連通を、前記送出口または前記供給口に切り換える第1切換弁と、
    前記第2圧力室との連通を、前記送出口または前記供給口に切り換える第2切換弁と
    で構成され、
    前記第1切換弁及び前記第2切換弁は、夫々個別に操作される三方弁からなると共に、前記シリンダ体または前記ピストン体から突設された操作軸と、該操作軸に取着された操作部とを備え、前記操作部が手動により回動されることで操作されるものである
    ことを特徴とする流体圧ジャッキ。
  2. 前記シリンダ室は、前記シリンダ体の外面に凹設されており、前記ピストン体は、前記シリンダ体に外嵌されており、前記ポンプ及び前記流路切換機構は、前記シリンダ体に内蔵されていることを特徴とする請求項1に記載の流体圧ジャッキ。
  3. 前記シリンダ室は、前記シリンダ体の内面に凹設されており、前記ピストン体は、前記シリンダ体に内嵌されており、前記ポンプ及び前記流路切換機構は、前記ピストン体に内蔵されていることを特徴とする請求項1に記載の流体圧ジャッキ。
  4. 流体を貯留し、前記ポンプに流体を供給するタンクが設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一つに記載の流体圧ジャッキ。
  5. 前記タンクは、前記シリンダ体または前記ピストン体の外面に、シリンダ体またはピストン体の姿勢に応じて、前記ポンプへの流体の排出口が下方に位置するように、回動自在に支持されていることを特徴とする請求項4に記載の流体圧ジャッキ。
  6. 前記タンクは、流体の貯留量に応じて移動して流体を封止する封止体を備えることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の流体圧ジャッキ。
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