JP3933622B2 - 電力供給システム - Google Patents
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すなわち、第1従来例は、プリンタとACラインとの間に接続されているACアダプタが待機中に電力を消費するので、副装置であるプリンタのACラインからみた待機電力を完全に無くすことはできないという問題がある。また、ACアダプタには通常EMI対策用のフィルタ回路が設けられているので、電源供給部がオフしていてもACラインと接続した時点でコンデンサに交流電流が流れてしまう関係上、力率が悪化して皮相電力(無効電力)が大きくなる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、1次側電源スイッチ及び第1のリレーを介して主電源回路がACラインに接続されている主装置と、この主装置に信号ケーブルで接続され、第2のリレーを介して副電源回路がACラインに接続されている副装置と、前記主装置及び前記副装置が作動するシステム稼働としてのオン又は前記主装置及び前記副装置が停止するシステム待機としてのオフを指示する指示手段とを備え、前記指示手段の指示により前記主装置又は前記副装置のいずれか一方のオン/オフに連動して他方がオン/オフするように作動する電力供給システムにおいて、前記主装置は、前記主電源回路により電力を供給され、前記第2のリレーを作動させる半導体スイッチと、前記指示手段による指示を検出し、その指示がオンである場合には、前記第1のリレー及び前記半導体スイッチを作動させる制御手段と、一次側電源スイッチがオンすることでACラインに接続され、前記制御手段に電力を供給する補助電源回路とを備え、前記1次側電源スイッチと前記第1のリレーとの間には、第1のコンデンサを備えた1段目のフィルタ回路が設けられ、前記第1のリレーと主電源回路との間には、第2のコンデンサを備えた2段目のフィルタ回路が設けられ、前記第1のコンデンサは、前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサの合成容量よりも小さい容量を備えていることを特徴とするものである。
すなわち、力率が悪い電気器具を使うと無効電力が大きくなり、皮相電力も大きくなって電力ロスが大きくなる。一般的には、ACラインと電源回路を接続する際に、EMI対策上、フィルタ回路を設けることは必須である。しかし、この回路にはコンデンサが含まれているので、ACラインに接続されているだけで電力が消費されてしまう。したがって、待機中のような主電源回路を使用しない場合には、主電源回路用のフィルタ回路をACラインから切り離しておくのが好ましい。なお、力率及び皮相電力は、次のような関係式で表され、皮相電力がコンデンサの容量cに依存することが理解できる。
皮相電力[VA]=√(有効電力2[W]+無効電力2[VAR]) … (1)
無効電力P=E2/Z=E2/(ωL+(1/ωC)) … (2)
ここでL成分を無視すると、
=E2/(1/ωC)=E2ωC[VAR]となる。
したがって、式(1),(2)から皮相電力がコンデンサの容量に依存することがわかる。
1基につき、出力電圧4[V]、出力電流10[mA]、効率37[%]とすると、
入力電力(消費電力)=出力電力/効率×補助電源回路の基数
=出力電圧×出力電流/37[%]×2[基]
=4[V]×10[mA]/0.37×2[基]
=216[mW]
出力電圧4[V]、出力電流20[mA]、効率を56[%]とすると、
入力電力(消費電力)=出力電力/効率
=出力電圧×出力電流/56[%]×1[基]
=4[V]×20[mA]/0.56×1[基]
=143[mW]
図1は、実施例1に係る電力供給システムの概略構成を示すブロック図である。
(1)主装置3A及び副装置5Aの双方がACライン11,37に接続された状態で、主装置3Aの一次側電源スイッチ13がユーザ等によりオンされると、AC100Vが1段目のフィルタ回路15を介して補助電源回路31及びリレー17に供給される。これにより補助電源回路31が起動される。
(2)補助電源回路31からマイクロコンピュータ33,45及び受信部49に対して所要電力が供給される。これによりマイクロコンピュータ33,45及び受信部49が稼働する。
システム稼働は、二次側電源スイッチ35,47又は受信部49からの指示に基づき行われるが、以下のように3パターンがある。
リモートコントローラからのオン指示を受信部49が受信し、これを副装置5Aのマイクロコンピュータ45が検出する。マイクロコンピュータ45は、主装置3Aのマイクロコンピュータ33に対して、起動コマンドを信号ケーブル7から送信して転送する。
(2)副装置5Aの2次側電源スイッチ47による起動
副装置5Aの2次側電源スイッチ47がユーザ等によってオンされると、マイクロコンピュータ45がこれを検出する。そして、マイクロコンピュータ45は、主装置3Aのマイクロコンピュータ33に対して起動コマンドを信号ケーブル7から送信して転送する。
(3)主装置3Aの2次側電源スイッチ35による起動
主装置3Aの2次側電源スイッチ47がユーザ等によりオンされると、マイクロコンピュータ33がこれを検出する。マイクロコンピュータ33は、副装置5Aのマイクロコンピュータ45に対して、起動コマンドを信号ケーブル7を通して送信転送する。
図2は、実施例2に係る電力供給システムの概略構成を示すブロック図である。なお、上述した実施例1と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明については省略する。
(1)主装置3B及び副装置5Bの双方がACライン11,37に接続された状態で、主装置3Bの一次側電源スイッチ13がユーザ等によりオンされると、AC100Vが1段目のフィルタ回路15を介して補助電源回路31及びリレー17に供給される。これにより補助電源回路31が起動される。
(2)補助電源回路31からマイクロコンピュータ33,45及び受信部49並びに半導体スイッチ27に対して所要電力が供給される。これによりマイクロコンピュータ33,45及び受信部49並びに半導体スイッチ27が稼働する。
システム稼働は、二次側電源スイッチ35,47又は受信部49からの指示に基づき行われるが、これは上述した実施例1における3つの稼働パターンと同様である。
すなわち、システム待機時には、主装置3Bの補助電源回路31だけが電力を消費するので、ACライン37からみた副装置5Bの待機消費電力をゼロにできる。その結果、電力供給システム1Bの全体における待機消費電力を低減できる。さらに、この実施例2の電力供給システム1Bでは、副装置5Bのリレー39を駆動する半導体スイッチ27を副装置5B側に備えているので、リレー39と半導体スイッチ27とを接続する信号ケーブル7の信号線を省略することができる。信号ケーブル7は、例えば、1〜3m、場合によっては10mもの長さになるので、信号線を一本省略することができるだけで装置コストを低減することができる。
図3は、実施例3に係る電力供給システムの概略構成を示すブロック図である。なお、上述した実施例1または実施例2と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明については省略する。
(1)主装置3C及び副装置5Cの双方がACライン11,37に接続された状態で、主装置3Cの一次側電源スイッチ13がユーザ等によりオンされると、AC100Vが1段目のフィルタ回路15を介して補助電源回路31及びリレー17に供給される。これにより補助電源回路31が起動される。
(2)補助電源回路31からマイクロコンピュータ33,45及び受信部49に対して所要電力が供給される。これによりマイクロコンピュータ33,45及び受信部49が稼働する。
システム稼働は、二次側電源スイッチ35,47又は受信部49からの指示に基づき行われるが、以下のように3パターンがある。
リモートコントローラからのオン指示を受信部49が受信し、これを主装置3Cのマイクロコンピュータ33が検出する。マイクロコンピュータ33は、副装置5Cのマイクロコンピュータ45に対して、起動コマンドを信号ケーブル7から送信して転送する。
(2)主装置3Cの2次側電源スイッチ47による起動
主装置3Cの2次側電源スイッチ47がユーザ等によってオンされると、マイクロコンピュータ33がこれを検出する。そして、マイクロコンピュータ33は、副装置5Cのマイクロコンピュータ45に対して起動コマンドを信号ケーブル7から送信して転送する。
(3)副装置5Cの2次側電源スイッチ35による起動
副装置5Cの2次側電源スイッチ35がユーザ等によりオンされると、マイクロコンピュータ45がこれを検出する。マイクロコンピュータ45は、主装置3Cのマイクロコンピュータ33に対して、起動コマンドを信号ケーブル7を通して送信転送する。
すなわち、システム待機時には、主装置3Cの補助電源回路31だけが電力を消費するので、ACライン37からみた副装置5Cの待機消費電力をゼロにすることができる。その結果、電力供給システム1Cの全体における待機消費電力を低減できる。
図4は、実施例4に係る電力供給システムの概略構成を示すブロック図である。なお、上述した各実施例1〜3と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明については省略する。
(1)主装置3D及び副装置5Dの双方がACライン11,37に接続された状態で、主装置3Dの一次側電源スイッチ13がユーザ等によりオンされると、AC100Vが1段目のフィルタ回路15を介して補助電源回路31及びリレー17に供給される。これにより補助電源回路31が起動される。
(2)補助電源回路31からマイクロコンピュータ33及び受信部49に対して所要電力が供給される。これによりマイクロコンピュータ33及び受信部49が稼働する。
システム稼働は、以下のように二次側電源スイッチ35,47又は受信部49からの指示に基づき行われる。
例えば、パーソナルコンピュータのビデオボード等のホスト(主装置又は副装置)と、モニター装置(副装置又は主装置)とが互いに信号ケーブルで接続され、モニター装置に所要の電力を供給したり、一定時間の操作が行われない場合にホストからの信号に応じてモニター装置への電力が遮断されたりするのに用いられる電力供給システムにも適用できる。また、モニター装置の内部に設けられたマイクロコントローラ(主装置又は副装置)と、モニター装置の表示部(副装置又は主装置)とが信号ケーブルで接続されてなる電力供給システムにも適用可能である。
すなわち、一次側電源スイッチ13から分岐したラインにフィルタ回路15aを備え、リレー17を介して電源回路21との間にフィルタ回路19aを備える。フィルタ回路15aが、フィルタ回路15aとフィルタ回路19aのコンデンサの合成容量より小さな容量であれば、上述した実施例と同様の効果を奏する。
3A … 主装置
5A … 副装置
7 … 信号ケーブル
11,37 … ACライン
13 … 1次側電源スイッチ
15 … 1段目のフィルタ回路
17 … リレー(第1のリレー)
19 … 2段目のフィルタ回路
21 … 主電源回路
27 … 半導体スイッチ
31 … 補助電源回路
33 … マイクロコンピュータ(制御手段及び第2のマイクロコンピュータ)
35 … 2次側電源スイッチ(指示手段,手動スイッチ)
39 … リレー(第2のリレー)
41 … フィルタ回路
43 … 副電源回路
45 … マイクロコンピュータ(制御手段及び第2のマイクロプロセッサ)
47 … 2次側電源スイッチ(指示手段,手動スイッチ)
49 … 受信部(指示手段)
Claims (11)
- 1次側電源スイッチ及び第1のリレーを介して主電源回路がACラインに接続されている主装置と、この主装置に信号ケーブルで接続され、第2のリレーを介して副電源回路がACラインに接続されている副装置と、前記主装置及び前記副装置が作動するシステム稼働としてのオン又は前記主装置及び前記副装置が停止するシステム待機としてのオフを指示する指示手段とを備え、前記指示手段の指示により前記主装置又は前記副装置のいずれか一方のオン/オフに連動して他方がオン/オフするように作動する電力供給システムにおいて、
前記主装置は、前記主電源回路により電力を供給され、前記第2のリレーを作動させる半導体スイッチと、前記指示手段による指示を検出し、その指示がオンである場合には、前記第1のリレー及び前記半導体スイッチを作動させる制御手段と、一次側電源スイッチがオンすることでACラインに接続され、前記制御手段に電力を供給する補助電源回路とを備え、
前記1次側電源スイッチと前記第1のリレーとの間には、第1のコンデンサを備えた1段目のフィルタ回路が設けられ、
前記第1のリレーと主電源回路との間には、第2のコンデンサを備えた2段目のフィルタ回路が設けられ、
前記第1のコンデンサは、前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサの合成容量よりも小さい容量を備えていることを特徴とする電力供給システム。 - 請求項1に記載の電力供給システムにおいて、
前記制御手段は、前記主装置に設けられた第1のマイクロコンピュータと、前記副装置に設けられ、前記指示手段のオン/オフを前記第1のマイクロコンピュータとの間で通信可能な第2のマイクロコンピュータを備えている電力供給システム。 - 請求項1に記載の電力供給システムにおいて、
前記制御手段は、前記主装置だけに設けられたマイクロコンピュータを備えていることを特徴とする電力供給システム。 - 1次側電源スイッチ及び第1のリレーを介して主電源回路がACラインに接続されている主装置と、この主装置に信号ケーブルで接続され、第2のリレーを介して副電源回路がACラインに接続されている副装置と、前記主装置及び前記副装置が作動するシステム稼働としてのオン又は前記主装置及び前記副装置が停止するシステム待機としてのオフを指示する指示手段とを備え、前記指示手段の指示により前記主装置又は前記副装置のいずれか一方のオン/オフに連動して他方がオン/オフするように作動する電力供給システムにおいて、
前記主装置は、前記指示手段による指示を検出し、その指示がオンである場合には、前記第1のリレーを作動させる第1の制御手段を備え、
前記副装置は、前記第2のリレーを作動させる半導体スイッチと、前記指示手段による指示を検出し、その指示がオンである場合には、前記半導体スイッチを作動させる第2の制御手段とを備え、
さらに前記主装置は、一次側電源スイッチがオンすることでACラインに接続され、前記第1の制御手段及び前記第2の制御手段並びに前記半導体スイッチに電力を供給する補助電源回路とを備え、
前記1次側電源スイッチと前記第1のリレーとの間には、第1のコンデンサを備えた1段目のフィルタ回路が設けられ、
前記第1のリレーと主電源回路との間には、第2のコンデンサを備えた2段目のフィルタ回路が設けられ、
前記第1のコンデンサは、前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサの合成容量よりも小さい容量を備えていることを特徴とする電力供給システム。 - 1次側電源スイッチ及び第1のリレーを介して主電源回路がACラインに接続されている主装置と、この主装置に信号ケーブルで接続され、第2のリレーを介して副電源回路がACラインに接続されている副装置と、前記主装置及び前記副装置が作動するシステム稼働としてのオン又は前記主装置及び前記副装置が停止するシステム待機としてのオフを指示する指示手段とを備え、前記指示手段の指示により前記主装置又は前記副装置のいずれか一方のオン/オフに連動して他方がオン/オフするように作動する電力供給システムにおいて、
前記主装置は、前記主電源回路により電力が供給され、前記第2のリレーを作動させる半導体スイッチと、前記指示手段による指示がオンであることに基づいて前記第1のリレーを作動させる第1の制御手段を備え、
前記副装置は、前記指示手段による指示を検出し、その指示がオンである場合には、そのことを前記第1の制御手段に伝達する第2の制御手段とを備え、
さらに前記主装置は、一次側電源スイッチがオンすることでACラインに接続され、前記第1の制御手段及び前記第2の制御手段に電力を供給する補助電源回路とを備え、
前記1次側電源スイッチと前記第1のリレーとの間には、第1のコンデンサを備えた1段目のフィルタ回路が設けられ、
前記第1のリレーと主電源回路との間には、第2のコンデンサを備えた2段目のフィルタ回路が設けられ、
前記第1のコンデンサは、前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサの合成容量よりも小さい容量を備えていることを特徴とする電力供給システム。 - 請求項1から5のいずれかに記載の電力供給システムにおいて、
前記指示手段は、前記補助電源回路から電力が供給され、リモートコントローラからのオン/オフ信号を受信する受信部を備えていることを特徴とする電力供給システム。 - 請求項6に記載の電力供給システムにおいて、
前記受信部は、前記主装置または前記副装置のいずれか一方にのみ備えられていることを特徴とする電力供給システム。 - 請求項1から7のいずれかに記載の電力供給システムにおいて、
前記指示手段は、前記主装置及び前記副装置に備えられ、オン/オフを切り換える手動スイッチを備えていることを特徴とする電力供給システム。 - 請求項1から8のいずれかに記載の電力供給システムにおいて、
前記第2のリレーは、2a接点を有することを特徴とする電力供給システム。 - 1次側電源スイッチ及びリレーを介してACラインに接続された電源回路と、この電源回路から電力が供給される負荷とを備え、前記リレーを作動させて前記負荷に対して電力が供給されるシステム稼働としてのオン又は前記リレーを非作動させて前記負荷に対する電力が遮断されるシステム待機としてのオフに移行可能な電力供給システムにおいて、
前記1次側電源スイッチと前記リレーとの間には、第1のコンデンサを備えた1段目のフィルタ回路を備え、
前記リレーと前記電源回路との間には、第2のコンデンサを備えた2段目のフィルタ回路を備え、
前記第1のコンデンサは、前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサの合成容量よりも小さい容量を備え、
前記1段目のフィルタ回路の後段には、システム待機時に小電力を供給する補助電源回路が接続されていることを特徴とする電力供給システム。 - 請求項10に記載の電力供給システムにおいて、
前記2段目のフィルタ回路が備えるコンデンサの容量は、前記1段目のフィルタ回路が備えるコンデンサの容量の2〜50倍であることを特徴とする電力供給システム。
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