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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、XY移動ステージ、カメラの撮影レンズ、オーバヘッドプロジェクタの投影レンズ、双眼鏡のレンズ、走査型トンネル電子顕微鏡のプローブ等の駆動に適した駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、撮影レンズ等の駆動対象物が取り付けられた係合部材を棒状の駆動部材に所定の摩擦力を有するようにして結合させ、その駆動部材の一方端に圧電素子からなる電気機械変換素子を固着して構成したインパクト型圧電アクチュエータからなる駆動装置が開発されている。例えば、図16は、カメラの撮影レンズ位置を調節するための駆動装置の概略構成を示す図である。
【0003】
この図16における駆動装置100は、支持部材101に取り付けられた圧電素子からなる駆動用の電気機械変換素子102により駆動される棒状の駆動部材103に係合部材104を所定の摩擦力で結合するようにした駆動部105と、電気機械変換素子102に正逆両方向の駆動電圧を印加することにより電気機械変換素子102を駆動する駆動回路部106とを備えている。
【0004】
電気機械変換素子102は、駆動回路部106を介して印加される駆動電圧に応じて伸縮するものであり、その正極及び負極間方向である伸縮方向における一方端が位置固定された支持部材101に固着されると共に、その他方端が駆動部材103の軸方向における一方端に固着されたものである。係合部材104は、所定箇所に駆動対象物である撮影レンズLが固着され、駆動部材103上を軸方向に沿って移動可能とされている。
【0005】
駆動回路部106は、電気機械変換素子102に矩形波からなる駆動電圧を供給するもので、そのデューティ比を変更することにより位置固定された支持部材101に対し係合部材104を駆動部材103に沿って繰出し方向(電気機械変換素子102から離反する方向)である矢印a1方向と戻り方向(電気機械変換素子102に近接する方向)である矢印a2方向とに移動させるようにしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、同一のシステム(装置)内において2つの駆動対象物を個別に駆動させる場合には、その駆動対象物の個数に対応した互いに独立した2つの駆動装置100を用いる必要がある。このため、同一のシステム内に互いに独立した2つの駆動装置100を配置するためのスペースを確保しなければならならず、システムの小型化に制約を受ける虞があった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、同一のシステム内において2つの駆動対象物を個別に駆動させる場合でもシステムの小型化を促進し得る駆動装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、対向電極を有する第1の電気機械変換素子、この第1の電気機械変換素子の一方の電極側に固着された第1の支持部材、前記第1の電気機械変換素子の他方の電極側に固着された第1の駆動部材及びこの第1の駆動部材に所定の摩擦力で係合された第1の係合部材からなる第1の駆動部と、対向電極を有する第2の電気機械変換素子、この第2の電気機械変換素子の一方の電極側に固着された第2の支持部材、前記第2の電気機械変換素子の他方の電極側に固着された第2の駆動部材及びこの第2の駆動部材に所定の摩擦力で係合された第2の係合部材からなる第2の駆動部と、直流電圧が出力される駆動電源、この駆動電源と接地との間に接続され複数のスイッチング素子を含む第1のスイッチ部、前記駆動電源と接地との間に接続され複数のスイッチング素子を含むスイッチ部であって一部のスイッチング素子が前記第1のスイッチ部の一部のスイッチング素子と共用されている第2のスイッチ部、及び前記第1のスイッチ部を駆動制御することにより前記駆動電源から出力される直流電圧を矩形波の第1の駆動電圧にして前記第1の電気機械変換素子に印加すると共に、前記第2のスイッチ部を駆動制御することにより前記駆動電源から出力される直流電圧を矩形波の第2の駆動電圧にして前記第2の電気機械変換素子に印加する制御信号出力部を備えた駆動回路部と、前記制御信号出力部を駆動制御することにより前記第1の駆動電圧のデューティ比を変化させて前記第1の電気機械変換素子を伸長方向と縮小方向とで異なる速度で伸縮させることで前記第1の支持部材と前記第1の係合部材とを相対移動させると共に、前記第2の駆動電圧のデューティ比を変化させて前記第2の電気機械変換素子を伸長方向と縮小方向とで異なる速度で伸縮させることで前記第2の支持部材と前記第2の係合部材とを相対移動させる駆動制御手段とを備え、前記駆動制御手段は、前記制御信号出力部を駆動制御して当該制御信号出力部から前記第1のスイッチ部及び第2のスイッチ部が備える各スイッチング素子に供給する所定のデューティ比の駆動制御信号を出力させるものであり、前記第1のスイッチ部と第2のスイッチ部とに共用されているスイッチング素子に、前記第1の駆動部と前記第2の駆動部とを同時に駆動させることが可能なデューティ比の駆動制御信号を与え ることを特徴としている。
【0009】
この構成によれば、第1の電気機械変換素子を駆動するための第1のスイッチ部の一部の回路と、第2の電気機械変換素子を駆動するための第2のスイッチ部の一部の回路とが互いに共有されることで、駆動回路部を構成するための部品点数が削減される。このため、同一のシステム内において2つの駆動対象物を個別に駆動させるようにする場合でもシステムの小型化を促進し得る駆動装置が実現される。また、駆動回路部を構成するための部品点数が削減されることで駆動装置のコストダウンも可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態に係るインパクト型圧電アクチュエータからなる駆動装置の基本構成を概略的に示すブロック図である。この図において、駆動装置10は、第1の駆動部12と、第2の駆動部14と、第1の駆動部12及び第2の駆動部14を駆動する駆動回路部16と、全体の動作を制御する制御部18とを備えている。なお、第1の駆動部12及び第2の駆動部14は、それぞれ同一の構成になるものである。
【0011】
図2は、第1の駆動部12及び第2の駆動部14の構成例を示す斜視図である。この図において、第1の駆動部12及び第2の駆動部14は、それぞれ素子固定式構造のものであり、支持部材24、電気機械変換素子26、駆動部材28及び係合部材30から構成されている。
【0012】
支持部材24は、電気機械変換素子26及び駆動部材28を保持するものであり、円柱体の軸方向両端部241,242及び略中央の仕切壁243を残して内部を刳り貫くことにより形成された第1の収容空間244及び第2の収容空間245を有している。また、この支持部材24の他方端部242の中心位置に丸孔246が穿設されると共に、仕切壁243の中心位置に丸孔247が穿設されている。
【0013】
電気機械変換素子26は、例えば所定の厚みを有する複数枚の圧電基板を各圧電基板間に図略の電極を介して積層することにより構成したものであり、外面に対向電極である正極(一方の電極)261及び負極(他方の電極)262が設けられたものである。この電気機械変換素子26は、その対向電極間方向である伸縮方向を支持部材24の軸方向と一致させた状態で第1の収容空間244に収納され、一方端面(例えば、正極261側)が第1の収容空間244の一方端部241側端面に固着されている。
【0014】
駆動部材28は、断面丸形状の棒状に形成されたもので、その両端部が支持部材24の他方端部242の丸孔246と仕切壁243の丸孔247とを貫通した状態で第2の収容空間245に軸方向に沿って移動可能に収容されている。また、この駆動部材28は、第1の収容空間244内に突出した端部が電気機械変換素子26の他方端面(例えば、負極262側)に固着されると共に、支持部材24の他方端部242の外部に突出した端部が板ばね32により所定のばね圧で押圧され、電気機械変換素子26側に付勢された状態とされている。このように板ばね32により駆動部材28を付勢するのは、電気機械変換素子26の伸縮動作に基づく駆動部材28の軸方向変位を安定化させるためである。
【0015】
係合部材30は、駆動部材28の軸方向両側に取付部301,301を有する基部302と、両取付部301,301の間に装着される挟み込み部材303とを備えており、基部302が第2の収容空間245内において駆動部材28に遊嵌されると共に、挟み込み部材303が板ばね304により押圧されることにより駆動部材28の周面に接触することで係合部材30が所定の摩擦力で駆動部材28に結合されている。これにより、この係合部材30は、その摩擦力よりも大きな駆動力が係合部材30に作用したときに駆動部材28の軸方向に沿って移動可能となる。なお、この係合部材30には、撮影レンズ等の駆動対象物L(図1)が取り付けられる。
【0016】
図3は、駆動回路部16の構成例を示す図である。この図において、駆動回路部16は、直流電圧を出力する駆動電源161と、駆動電源161と接地との間に接続された第1のスイッチ部162と、駆動電源161と接地との間に接続され、一部の回路が第1のスイッチ部162の一部の回路を共有する第2のスイッチ部163と、これら第1のスイッチ部162及び第2のスイッチ部163を駆動制御することにより駆動電源161から出力される直流電圧を矩形波の駆動電圧にして第1の駆動部12の電気機械変換素子26及び第2の駆動部14の電気機械変換素子26にそれぞれ印加するようにする制御信号出力部164とから構成されている。
【0017】
この駆動電源161は、一端が接地されたDC-DCコンバータ等から構成されている。また、第1のスイッチ部162は、駆動電源161から駆動電圧+Vpが供給される接続点aと接地された接続点bとの間に、MOSFETである第1のスイッチング素子Q1を有する第1のスイッチ回路165及びMOSFETである第2のスイッチング素子Q2を有する第2のスイッチ回路166からなる第1の直列回路と、MOSFETである第3のスイッチング素子Q3を有する第3のスイッチ回路167及びMOSFETである第4のスイッチング素子Q4を有する第4のスイッチ回路168からなる第2の直列回路とが接続されて構成されている。
【0018】
また、第2のスイッチ部163は、駆動電源161から駆動電圧+Vpが供給される接続点aと接地された接続点bとの間に、上述の第1のスイッチ部162を構成する第3のスイッチング素子Q3を有する第3のスイッチ回路167及び第1のスイッチ部162を構成する第4のスイッチング素子Q4を有する第4のスイッチ回路168からなる第2の直列回路と、MOSFETである第5のスイッチング素子Q5を有する第5のスイッチ回路169及びMOSFETである第6のスイッチング素子Q6を有する第6のスイッチ回路170からなる第3の直列回路とが接続されて構成されている。
【0019】
すなわち、第3のスイッチング素子Q3を有する第3のスイッチ回路167及び第4のスイッチング素子Q4を有する第4のスイッチ回路168からなる第2の直列回路は、第1のスイッチ部162と第2のスイッチ部163とが互いに共有する回路となる。
【0020】
また、制御信号出力部164は、第1乃至第6のスイッチ回路165乃至170に供給する駆動パルスである駆動制御信号Sc1,Sc2,Sc3,Sc4,Sc5,Sc6を出力するように構成されたものである。本実施形態では、第1乃至第6のスイッチ回路165乃至170を構成する第1乃至第6のスイッチング素子Q1乃至Q6は、それぞれNチャネルFETから構成されており、それぞれのゲートに供給される駆動制御信号Sc1乃至Sc6がハイレベルのときにオンとなる。
【0021】
このように構成された駆動回路部16における第1のスイッチ回路165及び第2のスイッチ回路166の接続点cと、第3のスイッチ回路167及び第4のスイッチ回路168の接続点dとの間に、第1の駆動部12の電気機械変換素子26が接続されてブリッジ回路が構成されている。ここで、第1の駆動部12の電気機械変換素子26の他方端面(例えば、負極262側)が接続点cに接続され、その一方端面(例えば、正極261側)が接続点dに接続されるようになっている。
【0022】
また、駆動回路部16における第3のスイッチ回路167及び第4のスイッチ回路168の接続点dと、第5のスイッチ回路169及び第6のスイッチ回路170の接続点eとの間に、第2の駆動部14の電気機械変換素子26が接続されてブリッジ回路が構成されている。ここで、第2の駆動部12の電気機械変換素子26の一方端面(例えば、正極261側)が接続点dに接続され、その他方端面(例えば、負極262側)が接続点eに接続されるようになっている。
【0023】
このように構成された駆動回路部16において、第2のスイッチ回路166及び第3のスイッチ回路167は、第1の駆動部12の電気機械変換素子26に対し、その一方側から駆動電圧+Vpを印加して電気機械変換素子26の対向電極261,262間を充電する第1の駆動回路を構成し、第1のスイッチ回路165及び第4のスイッチ回路168は、第1の駆動部12の電気機械変換素子26に対し、その他方側から駆動電圧+Vpを印加して電気機械変換素子26の対向電極261,262間を充電する第2の駆動回路を構成することになる。
【0024】
また、第3のスイッチ回路167及び第6のスイッチ回路170は、第2の駆動部14の電気機械変換素子26に対し、その一方側から駆動電圧+Vpを印加して電気機械変換素子26の対向電極261,262間を充電する第3の駆動回路を構成し、第4のスイッチ回路168及び第5のスイッチ回路169は、第2の駆動部14の電気機械変換素子26に対し、その他方側から駆動電圧+Vpを印加して電気機械変換素子26の対向電極261,262間を充電する第4の駆動回路を構成することになる。
【0025】
このように、第1のスイッチ部162と第1の駆動部12の電気機械変換素子26とでブリッジ回路を構成すると共に、第2のスイッチ部163と第2の駆動部14の電気機械変換素子26とでブリッジ回路を構成した場合、各電気機械変換素子26には駆動電源161から−Vp〜+Vpの電圧(すなわち、2Vpの電圧)が印加されることになるので、駆動電源161から出力される駆動電圧+Vpは低電圧であっても変位量の大きい駆動装置10を得ることができるという利点がある。
【0026】
図1に戻り、制御部18は、演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)、処理プログラムや各種データ等が記憶されたROM(Read-Only Memory)、及び、データを一時的に保存するRAM(Random Access Memory)から構成されており、第1の駆動部12の係合部材30及び第2の駆動部14の係合部材30の位置をそれぞれ検出する図略の位置センサ等から入力される信号に基づいて駆動回路部16の制御信号出力部164(図3)から所定のデューティ比の駆動パルスを出力させ、この駆動パルスにより第1の駆動回路(第2のスイッチ回路166及び第3のスイッチ回路167で構成)と第2の駆動回路(第1のスイッチ回路165及び第4のスイッチ回路168で構成)とを交互に駆動すると共に、第3の駆動回路(第3のスイッチ回路167及び第6のスイッチ回路170で構成)と第4の駆動回路(第4のスイッチ回路168及び第5のスイッチ回路169で構成)とを交互に駆動する。
【0027】
すなわち、制御部18は、制御信号出力部164(図3)を駆動制御することにより、図3に示す第2のスイッチ回路166と第3のスイッチ回路167とからなる第1の駆動回路、第1のスイッチ回路165と第4のスイッチ回路168とからなる第2の駆動回路、第3のスイッチ回路167と第6のスイッチ回路170とからなる第3の駆動回路、及び、第4のスイッチ回路168と第5のスイッチ回路169とからなる第4の駆動回路をそれぞれ駆動する駆動制御手段を構成する。
【0028】
次に、図4乃至図13を参照して、本発明の駆動装置10に適用される駆動回路部16の駆動動作の原理的な説明を行う。ここで、図4は、駆動回路部16により第1の駆動部12の電気機械変換素子26及び第2の駆動部14の電気機械変換素子26に印加される駆動電圧であって、各電気機械変換素子26の伸縮時の変位波形を鋸歯形状にすることにより支持部材24と係合部材30とを相対移動させることのできるパルス波形の一例を示すものである。
【0029】
すなわち、図4(a)は、係合部材30を繰出し方向(電気機械変換素子26から離反する方向)である矢印a1方向(図1)に移動させるための電気機械変換素子26に印加する駆動電圧のパルス波形であり、その駆動電圧の駆動周波数fdが支持部材24及び駆動部材28が固着された状態での電気機械変換素子26の共振周波数fr(例えば、60KHz)の0.7倍(fd=0.7×fr)となるように設定され、デューティ比D(D=B/A)が0.3になるように設定されたものである。
【0030】
また、図4(b)は、係合部材30が戻り方向(電気機械変換素子26に接近する方向)である矢印a2(図1)方向に移動させるための電気機械変換素子26に印加する駆動電圧のパルス波形であり、その駆動電圧の駆動周波数fdが支持部材24及び駆動部材28が固着された状態での各電気機械変換素子26の共振周波数frの0.7倍(fd=0.7×fr)となるように設定され、デューティ比D(D=B/A)が0.7になるように設定されたものである。
【0031】
駆動電圧の駆動周波数fd及びデューティ比Dを上記のように設定しているのは、支持部材24及び駆動部材28が固着されている状態での電気機械変換素子26の共振周波数frに対する駆動電圧の周波数fdの比(fd/fr)と係合部材30の移動速度とが図5の特性図に示すような関係を有していること、及び、矩形波からなる駆動電圧のデューティ比Dと係合部材30の移動方向(繰出し方向及び戻り方向)とが図6の特性図に示すような関係を有していることに基づくものである。
【0032】
この図5に示す特性図は、支持部材24及び駆動部材28が固着されている状態での電気機械変換素子26の共振周波数frを異ならせたり、形態(構造)を異ならせたりした4種類(第1乃至第4)の駆動装置を構成し、これら各駆動装置について電気機械変換素子26の共振周波数frに対する駆動電圧の周波数fdの比(fd/fr)と係合部材30の移動速度との対応関係を計測したものである。
【0033】
なお、この特性図は、矩形波からなる駆動電圧のデューティ比Dが0.3の場合(係合部材30が繰出し方向に移動する場合)のものであるが、そのデューティ比Dが0.7の場合(係合部材30が戻り方向に移動する場合)は勿論のこと、そのデューティ比Dが0.05〜0.95の範囲内にある場合に略同様の関係を有することが確認されている。
【0034】
この図5に示す特性図からも明らかなように、fd/frの値が0.3乃至1.5の範囲内にある場合には、一部領域で移動速度の落ち込みがあるとはいうものの係合部材30が実質的に移動可能となる一方、fd/frの値が0.3に満たない場合及び1.5を超える場合には係合部材30が移動不能となる。従って、電気機械変換素子26の共振周波数frに対する駆動電圧の周波数fdは、図4に示すものだけではなく必要に応じて0.3×fr<fd<1.5×frの範囲内で適宜設定することができる。なお、fd/frの値が0.6乃至1.2の範囲内にある場合には、第1乃至第4のすべての駆動装置10について十分動作可能となる。
【0035】
また、図6に示す特性図は、矩形波からなる駆動電圧のデューティ比Dと係合部材30の移動方向(繰出し方向及び戻り方向)との対応関係を計測したものである。この図から明らかなように、デューティ比Dが0.05乃至0.45の範囲内(0.05<D<0.45)にあるときには、係合部材30は繰出し方向に移動し、デューティ比Dが0.55乃至0.95の範囲内(0.55<D<0.95)にあるときには、係合部材30は戻り方向に移動する。従って、デューティ比Dは、図4に示すものだけではなく必要に応じて0.05<D<0.45又は0.55<D<0.95の範囲内で適宜設定することができる。
【0036】
なお、支持部材24及び駆動部材28が固着された状態での電気機械変換素子26の共振周波数frは、次の数式により求めたものである。
【0037】
【数1】
【0038】
この数1におけるfroは電気機械変換素子26の両電極261,262間におけるフリー共振周波数(電気機械変換素子26自体の電極間方向における共振周波数)、mpは電気機械変換素子26の質量、mfは駆動部材28の質量をそれぞれ表わしている。なお、支持部材24の質量は、共振系における電気機械変換素子26の共振周波数frに関係するが、支持部材24の質量は電気機械変換素子26及び駆動部材28の各質量mp,mfを加算したものに比べて十分大きな値を有しており、共振周波数frに与える影響は小さいので演算パラメータとして考慮する必要はない。また、係合部材30は、電気機械変換素子26の共振時には駆動部材28に対して滑りを生じて実質的に共振系の要素として考慮する必要はないので、上記数1の演算パラメータとしては含まれていない。
【0039】
図7は、電気機械変換素子26に印加される駆動回路部16からの駆動電圧のパルス波形と、電気機械変換素子26の伸縮による変位との対応関係を示す図で、同図(a)は図4(a)に示す駆動電圧が印加された場合であり、同図(b)は図4(b)に示す駆動電圧が印加された場合をそれぞれ示している。なお、電気機械変換素子26の伸縮による変位波形は、レーザードップラー振動計により測定したものを概略的に示したものである。
【0040】
このように、電気機械変換素子26に図4(a)に示す駆動電圧が印加された場合は電気機械変換素子26の変位波形が緩慢な立ち上がり部Cと急峻な立ち下がり部Dとを有する鋸歯形状となり、電気機械変換素子26に図4(b)に示す駆動電圧が印加された場合は電気機械変換素子26の変位波形が急峻な立ち上がり部Eと緩慢な立ち下がり部Fとを有する鋸歯形状となっていることが確認された。
【0041】
すなわち、電気機械変換素子26の変位が図7(a)に示すような緩慢な立ち上がり部Cを有する波形を呈するとき(すなわち、電気機械変換素子26が緩やかに伸長するとき)は、係合部材30が駆動部材28と共に繰出し方向に移動し、電気機械変換素子26の変位が図7(a)に示すような急峻な立下り部Dを有する波形を呈するとき(すなわち、電気機械変換素子26が急激に縮小するとき)は、駆動部材28が戻り方向に移動しても係合部材30は駆動部材28上をスリップして略同位置に留まることになる。このため、図7(a)に示す駆動電圧が電気機械変換素子26に繰り返し印加されることで、係合部材30は繰出し方向に間欠的に移動することになる。
【0042】
また、電気機械変換素子26の変位が図7(b)に示すような急峻な立ち上がり部Eを有する波形を呈するとき(すなわち、電気機械変換素子26が急激に伸長するとき)は、駆動部材28が繰出し方向に移動しても係合部材30は駆動部材28上をスリップして略同位置に留まることになり、電気機械変換素子26の変位が図7(b)に示すような緩慢な立下り部Fを有する波形を呈するとき(すなわち、電気機械変換素子26が緩やかに縮小するとき)は、係合部材30が駆動部材28と共に戻り方向に移動することになる。このため、図7(b)に示す駆動電圧が電気機械変換素子26に繰り返し印加されることで、係合部材30は戻り方向に間欠的に移動することになる。
【0043】
このように、例えば図4(a),(b)に示す駆動電圧が電気機械変換素子26に印加された場合、電気機械変換素子26の変位波形が鋸歯形状となるのは次のような理由による。つまり、矩形波は基本波である正弦波と複数次の高調波とからなるものであるが、駆動電圧の駆動周波数fdが電気機械変換素子26の共振周波数frに対して0.3倍よりも大きく1.5倍よりも小さいとき(0.3×fr<fd<1.5×fr)、系における電気機械変換素子26の共振周波数frの影響を受けて矩形波を形成している高調波成分のうち3次以上の高次の高調波のゲインが大きく減衰し、電気機械変換素子26に印加される駆動電圧が実質的に基本波と2次高調波とからなる波形(鋸歯形状の波形)を有するものとなるからである。
【0044】
すなわち、図8に示すような矩形波の駆動電圧(例えば、駆動周波数fdが電気機械変換素子26の共振周波数frに対して0.3倍よりも大きく1.5倍よりも小さいもの)の1パルス分の成分は、フーリエ変換することにより図9に示すような基本波f1に対してf2,f3,…,fnの複数次の高調波を有するものとして表わすことができる。一方、支持部材24及び駆動部材28が固着された状態での電気機械変換素子26の共振特性は、図10に示すように、図9の3次高調波f3以上の周波数領域ではゲインが大きく減衰したものとなる。
【0045】
このため、電気機械変換素子26に図8に示す矩形波の駆動電圧を印加すると、電気機械変換素子26の変位波形(振動波形)は3次以上の高調波f3,…,fn成分が大きく減衰されたものとなり、図11に示すように実質的に基本波f1及び第2高調波f2成分のみを有するものとなる。この図11に示す成分を有する電気機械変換素子26の変位波形はフーリエ逆変換することにより求めることができ、図12に示すような鋸歯形状を呈するものとなる。
【0046】
また、駆動電圧のデューティ比のある値を境にして係合部材30の移動方向が繰出し方向と戻り方向間で反転するのは、そのデューティ比に対応して基本波に対する2次高調波の位相がずれ、基本波と2次高調波とからなる鋸歯波形における立ち上がり部と立ち下がり部の各傾斜が変化することになるからである。すなわち、デューティ比Dが0.05<D<0.45の範囲内にあるときには、2次高調波の位相のずれが大きくなって緩慢な立ち上がり部と急峻な立ち下がり部を有する鋸歯波形となることから係合部材30は繰出し方向に移動し、デューティ比Dが0.55<D<0.95の範囲内にあるときには、2次高調波の位相のずれが小さくなって急峻な立ち上がり部と緩慢な立ち下がり部を有する鋸歯波形となることから係合部材30は繰出し方向に移動する。
【0047】
因みに、図13(a)に示すように、駆動電圧の駆動周波数fdが電気機械変換素子26の共振周波数frの0.1倍(fd=0.1×fr)となるように設定し、駆動電圧のデューティ比が0.3になるように設定した場合、電気機械変換素子26の変位は矩形波における立ち上がり部の後の平坦部と立ち下がり部の後の平坦部にリンギングが生じるのみで鋸歯波形とはならず、係合部材30は停止したままであった。また、図13(b)に示すように、駆動電圧の駆動周波数fdが電気機械変換素子26の共振周波数frの0.1倍(fd=0.1×fr)となるように設定し、駆動電圧のデューティ比が0.7になるように設定した場合、電気機械変換素子26の変位は図13(a)の場合と同様に矩形波における立ち上がり部の後の平坦部と立ち下がり部の後の平坦部にリンギングが生じるのみで鋸歯波形とはならず、係合部材30は停止したままであった。
【0048】
次に、図14を参照して本発明の駆動装置10の動作説明を行う。すなわち、この図14は、図3に示す駆動回路部16を制御する制御信号出力部164から出力されて各スイッチング素子Q1乃至Q6に印加される駆動パルス(駆動制御信号)と、第1の駆動部12及び第2の駆動部14の各電気機械変換素子26に印加される駆動電圧の波形とを示す図である。
【0049】
この図14に示す各電気機械変換素子26に印加される駆動電圧は、上述したように矩形波からなるものであり、その駆動周波数fdが支持部材24及び駆動部材28の固着された状態での電気機械変換素子26の共振周波数frに対し、0.7倍に設定されると共に、繰出し方向における波形についてはデューティ比Dが0.3に設定され、戻り方向の波形についてはデューティ比Dが0.7に設定されたものである。この駆動電圧が電気機械変換素子26に印加されることで係合部材30は繰出し方向と戻り方向とに移動することになる。なお、図14において、第1の駆動部12については係合部材30が繰出し方向と戻り方向とに移動する場合を示しており、第2の駆動部14については係合部材30が繰出し方向のみに移動する場合を示している。
【0050】
この図14に示すように、駆動装置10の駆動時には、例えば、制御信号出力部164からハイレベル(H)の期間とローレベル(L)の期間とが同一であるデューティ比が0.5の駆動制御信号Sc3が第1のスイッチ部162と第2のスイッチ部163の共有の回路の一部であるスイッチング素子Q3に入力されるとき、ハイレベル(H)の期間とローレベル(L)の期間とが同一であるデューティ比が0.5で駆動制御信号Sc3とは逆相にある駆動制御信号Sc4が第1のスイッチ部162と第2のスイッチ部163の共有の回路の一部であるスイッチング素子Q4に入力される。
【0051】
そして、第1の駆動部12について、スイッチング素子Q3に入力される駆動制御信号Sc3がハイレベル(H)の期間中にのみ制御信号出力部164からハイレベル(H)の駆動制御信号Sc2がスイッチング素子Q2に入力される。ここで、駆動制御信号Sc3がハイレベル(H)の期間中は、スイッチング素子Q1に入力される駆動制御信号Sc1はローレベル(L)となるように設定されており、駆動制御信号Sc1と駆動制御信号Sc3とが同時にハイレベル(H)となることで接続点cと接続点dとに接続された電気機械変換素子26の両端が同電位にならないようになっている。
【0052】
また、スイッチング素子Q4に入力される駆動制御信号Sc4がハイレベル(H)の期間中にのみ制御信号出力部164からハイレベル(H)の駆動制御信号Sc1がスイッチング素子Q1に入力される。ここで、駆動制御信号Sc4がハイレベル(H)の期間中は、スイッチング素子Q2に入力される駆動制御信号Sc2はローレベル(L)となるように設定されており、駆動制御信号Sc2と駆動制御信号Sc4とが同時にハイレベル(H)となることで接続点cと接続点dとに接続された電気機械変換素子26の両端が短絡されないようになっている。
【0053】
このように、所定のデューティ比に設定された駆動制御信号Sc2,Sc3及びSc1,Sc4が制御信号出力部164から連続して出力されることにより、スイッチング素子Q2,Q3及びQ1,Q4が交互にオン、オフを繰り返すことになる。すなわち、スイッチング素子Q2,Q3がオンのときには電気機械変換素子26には+Vpの電圧が印加され、スイッチング素子Q1,Q4がオンのときには電気機械変換素子26には−Vpの電圧が印加されることになる結果、電気機械変換素子26には見掛け上、電源電圧Vpの2倍(2Vp)電圧が印加されたことになり、係合部材30の移動速度を速くすることができて駆動装置10を効果的に動作させることができる。
【0054】
なお、本実施形態では、駆動電圧のデューティ比Dを0.3とすることで係合部材30が繰出し方向に移動し、デューティ比Dを0.7とすることで係合部材30が戻り方向に移動するように設定されている。すなわち、デューティ比を0.3に設定することで係合部材30を繰出し方向に駆動させる場合には、駆動制御信号Sc1がローレベル(L)となる期間を駆動制御信号Sc4がローレベル(L)となる期間よりも所定の時間(デューティ比を0.3にするのに必要な時間)t1だけ長くなるように設定されている。これにより、その時間t1には電気機械変換素子26に駆動電源161から駆動電圧−Vpが直接印加されない状態となるが、電気機械変換素子26はその対向電極261,262間が駆動電圧−Vpで充電された状態となっているため、実質的に駆動電源161から駆動電圧−Vpが印加されたのと同様の状態となって不都合が生じることはない。
【0055】
また、デューティ比を0.7に設定することで係合部材30を戻り方向に駆動させる場合には、駆動制御信号Sc2がローレベル(L)となる期間を駆動制御信号Sc3がローレベル(L)となる期間よりも所定の時間(デューティ比を0.7にするのに必要な時間)t2だけ長くなるように設定されている。これにより、その時間t2には電気機械変換素子26に駆動電源161から駆動電圧Vpが直接印加されない状態となるが、電気機械変換素子26はその対向電極261,262間が駆動電圧Vpで充電された状態となっているため、実質的に駆動電源161から駆動電圧Vpが印加されたのと同様の状態となって不都合が生じることはない。
【0056】
このように、駆動制御信号Sc1がローレベル(L)となる期間を駆動制御信号Sc4がローレベル(L)となる期間よりも所定の時間t1だけ長くなるように設定すると共に、駆動制御信号Sc2がローレベル(L)となる期間を駆動制御信号Sc3がローレベル(L)となる期間よりも所定の時間t2だけ長くなるように設定しているのは、次のような理由による。すなわち、駆動制御信号Sc3が供給される第3のスイッチ回路167及び駆動制御信号Sc4が供給される第4のスイッチ回路168が第2のスイッチ部163と共有する回路であるため、第2のスイッチ部163が第2の駆動部14を第1の駆動部12とは逆方向にも駆動できるようにする必要があることから駆動制御信号Sc3,Sc4のデューティ比を本実施形態では0.5に設定していることによる。
【0057】
また、第2の駆動部14について、スイッチング素子Q3に入力される駆動制御信号Sc3がハイレベル(H)の期間中にのみ制御信号出力部164からハイレベル(H)の駆動制御信号Sc6がスイッチング素子Q6に入力される。ここで、駆動制御信号Sc3がハイレベル(H)の期間中は、スイッチング素子Q5に入力される駆動制御信号Sc5はローレベル(L)となるように設定されており、駆動制御信号Sc3と駆動制御信号Sc5とが同時にハイレベル(H)となることで接続点dと接続点eとに接続された電気機械変換素子26の両端が同電位とならないようになっている。
【0058】
また、スイッチング素子Q4に入力される駆動制御信号Sc4がハイレベル(H)の期間中にのみ制御信号出力部164からハイレベル(H)の駆動制御信号Sc5がスイッチング素子Q5に入力される。ここで、駆動制御信号Sc4がハイレベル(H)の期間中は、スイッチング素子Q6に入力される駆動制御信号Sc6はローレベル(L)となるように設定されており、駆動制御信号Sc4と駆動制御信号Sc6とが同時にハイレベル(H)となることで接続点dと接続点eとに接続された電気機械変換素子26の両端が短絡されないようになっている。
【0059】
このように、所定のデューティ比に設定された駆動制御信号Sc3,Sc6及びSc4,Sc5が制御信号出力部164から連続して出力されることにより、スイッチング素子Q3,Q6及びQ4,Q5が交互にオン、オフを繰り返すことになる。すなわち、スイッチ素子Q3,Q6がオンのときには電気機械変換素子26には+Vpの電圧が印加され、スイッチ素子Q4,Q5がオンのときには電気機械変換素子26には−Vpの電圧が印加されることになる結果、電気機械変換素子26には見掛け上、電源電圧Vpの2倍(2Vp)電圧が印加されたことになり、係合部材30の移動速度を速くすることができて駆動装置10を効果的に動作させることができる。
【0060】
ここで、本実施形態では、駆動電圧のデューティ比Dを0.3とすることで係合部材30が繰出し方向に移動し、デューティ比Dを0.7とすることで係合部材30が戻り方向に移動するように設定されている(なお、図では、第2の駆動部14は繰出し方向に駆動される場合のみを示している。)。すなわち、デューティ比を0.3に設定することで係合部材30を繰出し方向に駆動させる場合には、駆動制御信号Sc5がローレベル(L)となる期間を駆動制御信号Sc4がローレベル(L)となる期間よりも所定の時間(デューティ比を0.3にするのに必要な時間)t1だけ長くなるように設定されている。これにより、その時間t1には電気機械変換素子26に駆動電源161から駆動電圧−Vpが直接印加されない状態となるが、電気機械変換素子26はその対向極262,262間が駆動電圧−Vpで充電された状態となっているため、実質的に駆動電源161から駆動電圧−Vpが印加されたのと同様の状態となって不都合が生じることはない。
【0061】
このように、駆動制御信号Sc5がローレベル(L)となる期間を駆動制御信号Sc4がローレベル(L)となる期間よりも所定の時間t1だけ長くなるように設定しているのは、第1の駆動部12の場合と同様の理由による。すなわち、駆動制御信号Sc3が供給される第3のスイッチ回路167及び駆動制御信号Sc4が供給される第4のスイッチ回路168が第1のスイッチ部162と共有する回路であるため、第1のスイッチ回路162が第1の駆動部12を第2の駆動部14とは逆方向にも駆動できるようにする必要があることから駆動制御信号Sc3,Sc4のデューティ比を本実施形態では0.5に設定していることによる。
【0062】
なお、第1の駆動部12及び第2の駆動部14は、図2に示すような素子固定式構造のものではなく、例えば、図15に示すような自走式構造のものであっても上記の駆動回路部16により駆動することができる。図15(a)は自走式構造の第1の駆動部12’及び第2の駆動部14’の分解斜視図であり、図15(b)はその正面図である。
【0063】
すなわち、この図15に示す駆動部12’,14’は、位置固定される係合部材(ベース部材)40と移動部材42とから構成されている。係合部材40は、基板44と、基板44の略中央位置に所定の間隔をおいて対向配置され、板ばね等の弾性部材46,48により取り付けられた一対の狭持部材50,52と、基板44の左右両端部に取り付けられた一対のガイド部材54,56とを備えている。各ガイド部材54,56の外側面には、回転自在の複数のボール部材58,60が取り付けられている。
【0064】
移動部材42は、駆動体63と、この駆動体63に一体に取り付けられた移動体65とから構成されている。駆動体63は、支持部材67、電気機械変換素子69及び駆動部材71から構成されている。支持部材67は、電気機械変換素子69及び駆動部材71を保持するものであり、直方体の軸方向両端部671,672及び略中央の仕切壁673を残して刳り貫くことにより形成された第1の収容空間674及び第2の収容空間675を有している。この第1の収容空間674には、電気機械変換素子69がその伸縮方向を支持部材67の軸方向と一致させて収容されている。また、第2の収容空間675には、駆動部材71が軸方向に移動可能に収容されている。
【0065】
電気機械変換素子69は、図2に示す電気機械変換素子26と同様に構成されたものであり、その伸縮方向(積層方向)である一方端面(例えば、正極側)が第1の収容空間674の一方端部671側端面に固着されている。駆動部材71は、支持部材67の左右両側に膨出する膨出部711が中央部に一体形成された軸体からなるもので、この膨出部711が第2の収容空間675に位置すると共に、仕切壁673に形成された貫通孔を介して第1の収容空間674内に突出した端部は電気機械変換素子69の他方端面(例えば、負極側)に固着され、支持部材67の他方端部672に形成された貫通孔を介して第2の収容空間675の外部に突出した端部は自由端とされている。
【0066】
移動体65は、平板部651と、平板部651の左右両側に下方に伸びる側壁部652,653が形成されると共に、各側壁部652,653の内側に摺動部材654,655が形成されたもので、移動部材42における支持部材67の上面にねじ部材656により固定されている。
【0067】
このように構成された移動部材42は、駆動部材71の膨出部711が係合部材40の一対の挟持部材50,52間に移動可能に挟持されることで係合部材40に組み付けられることになる。すなわち、係合部材40が図2の係合部材30に対応するものであり、この係合部材40が駆動部材71に対して所定の摩擦力で結合され、駆動部12’,14’が構成されることになる。
【0068】
この駆動部12’,14’では、駆動回路部16から例えば図4(a)に示す波形を有する駆動電圧が電気機械変換素子69に印加されて電気機械変換素子69が緩やかに伸長すると、駆動部材71が静止した状態で支持部材67が係合部材40の一方側に移動し、その後に電気機械変換素子69が急激に縮小すると、支持部材67が静止した状態で駆動部材71が狭持部材50,52による摩擦力に打ち勝って係合部材40の一方側に移動する。この繰り返し動作により支持部材67が移動体65と共に、係合部材40の一方側に間欠的に移動することになる。
【0069】
また、駆動回路部16から例えば図4(b)に示す波形を有する駆動電圧が電気機械変換素子69に印加されて電気機械変換素子69が急激に伸長すると、支持部材67が静止した状態で駆動部材71が狭持部材50,52による摩擦力に打ち勝って係合部材40の他方側に移動し、その後に電気機械変換素子69が緩やかに縮小すると駆動部材71が静止した状態で支持部材67が係合部材40の他方側に移動する。この繰り返し動作により支持部材67が移動体65と共に、係合部材40の他方側に間欠的に移動することになる。
【0070】
本発明の実施形態に係る駆動装置は、上記のように、第1の駆動部12,12’の電気機械変換素子26,69を駆動する第1のスイッチ部162と、第2の駆動部14,14’の電気機械変換素子26,69を駆動するスイッチ部であって一部の回路が第1のスイッチ部162の一部の回路を共有する第2のスイッチ部163とを備えて構成されている。このため、駆動回路部を構成するための部品点数が削減されることから同一のシステム内において2つの駆動対象物を個別に駆動させる場合でもシステムの小型化を促進し得る駆動装置を実現することができる。また、駆動回路部を構成するための部品点数が削減されるため、駆動装置のコストダウンも可能となる。
【0071】
なお、本発明は、上記実施形態のものに限定されるものではなく、種々の変形態様を必要に応じて採用することが可能である。例えば、図3に示す駆動回路部16の場合では、第1,第2のスイッチ部162,163の第2,第4,第6のスイッチング素子Q2,Q4,Q6と接地との間にそれぞれ所定の抵抗値を有する抵抗素子を接続する回路構成とすることができる。また、スイッチング素子としてMOSFETを用いるようにしているが、これに限るものではない。例えば、バイポーラトランジスタを用いたりすることも可能である。
【0072】
また、上記実施形態では、制御信号出力部164から出力される駆動制御信号のうち、第1のスイッチ部162と第2のスイッチ部163の共有の回路である第3のスイッチ回路167に供給される駆動制御信号Sc3と第4のスイッチ回路168に供給される駆動制御信号Sc4とは互いに逆相で、デューティ比がそれぞれ0.5に設定されたものであるが、これに限るものではない。例えば、そのデューティ比を第1,第2の駆動部12,14(あるいは12’,14’)が繰出し方向及び戻り方向の両方向に駆動可能となる範囲内で変更することも可能である。また、そのデューティ比を第1,第2の駆動部12,14(あるいは12’,14’)の繰出し方向及び戻り方向の駆動方向に応じて異なる値に設定することもできる。
【0073】
また、上記実施形態では、それぞれの電気機械変換素子に矩形波からなる駆動電圧を印加するようにしているが、これに限るものではない。例えば、第2のスイッチ回路166、第4のスイッチ回路168及び第6のスイッチ回路170に、抵抗素子とスイッチング素子との直列回路をそれぞれ並列接続しておき、これらスイッチ回路と直列回路の何れかを選択的に駆動させることでそれぞれの電気機械変換素子に鋸歯形状の駆動電圧が印加されるようにしてもよい。このようにした場合、鋸歯形状の駆動電圧の立ち上がり部を緩慢にして立ち下がり部を急峻にすることで係合部材30を支持部材24に対し繰出し方向に相対移動させることができ、立ち上がり部を急峻にして立ち下がり部を緩慢にすることで係合部材30を支持部材24に対し戻り方向に相対移動させることができる。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、第1の電気機械変換素子を駆動するための第1のスイッチ部の一部の回路と、第2の電気機械変換素子を駆動するための第2のスイッチ部の一部の回路とが互いに共有され、駆動制御手段が、第1のスイッチ部と第2のスイッチ部とに共用されているスイッチング素子に、前記第1の駆動部と前記第2の駆動部とを同時に駆動させることが可能なデューティ比の駆動制御信号を与えるので、同一のシステム内において2つの駆動対象物を個別に駆動させる場合でもシステムの小型化を促進し得る駆動装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る駆動装置の全体構成を概略的に示す図である。
【図2】 図1に示す駆動装置の駆動部の構成例を示す斜視図である。
【図3】 図1に示す駆動装置の駆動回路部の構成例を示すブロック図である。
【図4】 図3に示す駆動回路部により形成される駆動パルスの波形を示す図で、(a)はデューティ比が0.3になるように設定されたもの、(b)はデューティ比が0.7になるように設定されたものである。
【図5】 図1に示す駆動装置におけるfd/frと係合部材の移動速度との関係を示す図である。
【図6】 図1に示す駆動装置における駆動電圧のデューティ比と係合部材の移動速度との関係を示す図である。
【図7】 図1に示す駆動装置の電気機械変換素子に印加される駆動電圧と、電気機械変換素子の伸縮による変位波形との関係を示す図で、(a)は駆動電圧のデューティ比が0.3になるように設定された場合のもの、(b)は駆動電圧のデューティ比が0.7になるように設定された場合のものである。
【図8】 電気機械変換素子に印加する矩形波からなる駆動電圧を示す図である。
【図9】 図8に示す駆動電圧をフーリエ変換することにより求めた基本波及び高調波成分を示す図である。
【図10】 支持部材及び駆動部材が固着された状態での電気機械変換素子の共振特性を示す図である。
【図11】 図10に示す共振特性を有する電気機械変換素子に図8に示す駆動電圧を印加した場合の基本波及び高調波成分を示す図である。
【図12】 図11に示す基本波及び高調波成分をフーリエ逆変換することにより求めた電気機械変換素子の変位波形を示す図である。
【図13】 本発明の範囲外の駆動周波数を有する駆動電圧と電気機械変換素子の伸縮による変位波形との関係を示す図で、(a)は駆動電圧のデューティ比が0.3になるように設定したもの、(b)は駆動電圧のデューティ比が0.7になるように設定したものである。
【図14】 図3に示す駆動回路部の動作説明をするためのタイミングチャートである。
【図15】 図1に示す駆動装置における駆動部の別の構成例を示す図で、(a)はその分解斜視図、(b)はその正面図である。
【図16】 従来例の駆動装置の構成を概略的に示す図である。
【符号の説明】
10 駆動装置
12,12’ 第1の駆動部
14,14’ 第2の駆動部
16 駆動回路部
18 制御部(駆動制御手段)
24,67 支持部材
26,69 電気機械変換素子
28,71 駆動部材
30,40 係合部材
161 駆動電源
162 第1のスイッチ部
163 第2のスイッチ部
164 制御信号出力部
165 第1のスイッチ回路
166 第2のスイッチ回路
167 第3のスイッチ回路
168 第4のスイッチ回路
169 第5のスイッチ回路
170 第6のスイッチ回路
Q1 第1のスイッチング素子
Q2 第2のスイッチング素子
Q3 第3のスイッチング素子
Q4 第4のスイッチング素子
Q5 第5のスイッチング素子
Q6 第6のスイッチング素子[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a driving apparatus suitable for driving an XY moving stage, a camera photographing lens, a projection lens of an overhead projector, a binocular lens, a probe of a scanning tunneling electron microscope, and the like.
[0002]
[Prior art]
In recent years, an engagement member to which a driving object such as a photographic lens is attached is coupled to a rod-shaped driving member so as to have a predetermined frictional force, and an electromechanical conversion element including a piezoelectric element is provided at one end of the driving member. A drive device composed of an impact-type piezoelectric actuator fixedly constructed has been developed. For example, FIG. 16 is a diagram illustrating a schematic configuration of a driving device for adjusting the photographing lens position of the camera.
[0003]
The
[0004]
The
[0005]
The
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, when two driving objects are individually driven in the same system (device), it is necessary to use two
[0007]
The present invention has been made in view of such circumstances, and an object of the present invention is to provide a driving device that can promote downsizing of the system even when two driving objects are individually driven in the same system. And
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the invention of claim 1 includes a first electromechanical transducer having a counter electrode, a first support member fixed to one electrode side of the first electromechanical transducer, A first drive comprising a first drive member fixed to the other electrode side of the first electromechanical transducer and a first engagement member engaged with the first drive member with a predetermined frictional force. Part, a second electromechanical transducer having a counter electrode, a second support member fixed to one electrode side of the second electromechanical transducer, and the other electrode of the second electromechanical transducer A second driving member that is fixed to the side, a second driving member that is engaged with the second driving member with a predetermined frictional force, and a driving power source that outputs a DC voltage Connected between this drive power supply and groundIncludes multiple switching elementsA first switch unit, connected between the drive power supply and ground;Includes multiple switching elementsSwitch part and someSwitching elementIs a part of the first switch section.Shared with switching elementsThe second switch section and the first switch section are driven and controlled, and the DC voltage output from the drive power supply is applied to the first electromechanical transducer as a rectangular wave first drive voltage. And a control signal output unit configured to drive the second switch unit to change the DC voltage output from the drive power supply into a second drive voltage of a rectangular wave and apply the second voltage to the second electromechanical transducer. And a drive circuit unit including the control signal output unit, and a duty ratio of the first drive voltage is changed by controlling the drive of the control signal output unit so that the first electromechanical conversion element has different speeds in the expansion direction and the reduction direction. The first electromechanical conversion element is extended in the extension direction by moving the first support member and the first engagement member relative to each other by expanding and contracting at the same time and changing the duty ratio of the second drive voltage. When And a second support member and a drive control means for relatively moving the second engagement member by expanding and contracting at different rates in the small direction,The drive control means controls the drive of the control signal output unit from the control signal output unit.The first switch unit and the second switch unit are provided.A drive control signal having a predetermined duty ratio to be supplied to each switching element is output.A drive control signal having a duty ratio capable of causing the switching element shared by the first switch unit and the second switch unit to drive the first drive unit and the second drive unit simultaneously. give RuIt is characterized by that.
[0009]
According to this configuration, a part of the circuit of the first switch unit for driving the first electromechanical conversion element and a part of the second switch unit for driving the second electromechanical conversion element This circuit is shared with each other, so that the number of parts for configuring the drive circuit unit is reduced. For this reason, the drive device which can promote the miniaturization of the system is realized even when two driving objects are individually driven in the same system. In addition, the cost of the driving device can be reduced by reducing the number of parts for configuring the driving circuit unit.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 1 is a block diagram schematically showing a basic configuration of a drive device including an impact type piezoelectric actuator according to an embodiment of the present invention. In this figure, the
[0011]
FIG. 2 is a perspective view illustrating a configuration example of the
[0012]
The
[0013]
The
[0014]
The
[0015]
The
[0016]
FIG. 3 is a diagram illustrating a configuration example of the
[0017]
The
[0018]
The
[0019]
That is, the second series circuit including the
[0020]
The control
[0021]
Between the connection point c of the
[0022]
In addition, the
[0023]
In the
[0024]
The
[0025]
As described above, the
[0026]
Returning to FIG. 1, the
[0027]
That is, the
[0028]
Next, the principle of the driving operation of the driving
[0029]
That is, FIG. 4A shows a drive applied to the
[0030]
FIG. 4B shows the drive applied to the
[0031]
The drive frequency fd and the duty ratio D of the drive voltage are set as described above because the drive voltage with respect to the resonance frequency fr of the
[0032]
The characteristic diagram shown in FIG. 5 has four types (the resonance frequency fr of the
[0033]
This characteristic diagram is for the case where the duty ratio D of the drive voltage composed of a rectangular wave is 0.3 (when the
[0034]
As is clear from the characteristic diagram shown in FIG. 5, when the value of fd / fr is in the range of 0.3 to 1.5, although there is a drop in the movement speed in some areas. While the engaging
[0035]
The characteristic diagram shown in FIG. 6 is obtained by measuring the correspondence between the duty ratio D of the drive voltage formed of a rectangular wave and the moving direction (feeding direction and returning direction) of the engaging
[0036]
The resonance frequency fr of the
[0037]
[Expression 1]
[0038]
In Equation 1, fro is a free resonance frequency between the
[0039]
FIG. 7 is a diagram showing a correspondence relationship between the pulse waveform of the drive voltage applied from the
[0040]
As described above, when the drive voltage shown in FIG. 4A is applied to the
[0041]
That is, when the displacement of the
[0042]
When the displacement of the
[0043]
As described above, for example, when the drive voltage shown in FIGS. 4A and 4B is applied to the
[0044]
That is, a rectangular wave drive voltage as shown in FIG. 8 (for example, one having a drive frequency fd greater than 0.3 times and less than 1.5 times the resonance frequency fr of the electromechanical transducer 26). The component for the pulse can be expressed as having a plurality of higher harmonics of f2, f3,..., Fn with respect to the fundamental wave f1 as shown in FIG. On the other hand, as shown in FIG. 10, the resonance characteristics of the
[0045]
For this reason, when the rectangular-wave drive voltage shown in FIG. 8 is applied to the
[0046]
In addition, the movement direction of the
[0047]
Incidentally, as shown in FIG. 13A, the drive frequency fd of the drive voltage is set to be 0.1 times the resonance frequency fr of the electromechanical transducer 26 (fd = 0.1 × fr), and the drive When the voltage duty ratio is set to be 0.3, the displacement of the
[0048]
Next, the operation of the driving
[0049]
The drive voltage applied to each
[0050]
As shown in FIG. 14, when the driving
[0051]
For the
[0052]
Further, the high-level (H) drive control signal Sc1 is input to the switching element Q1 from the control
[0053]
In this way, the drive control signals Sc2, Sc3 and Sc1, Sc4 set at a predetermined duty ratio are continuously output from the control
[0054]
In this embodiment, the
[0055]
When the
[0056]
In this way, the period during which the drive control signal Sc1 is at the low level (L) is set to be longer by the predetermined time t1 than the period during which the drive control signal Sc4 is at the low level (L), and the drive control signal Sc2 The reason why the period during which the drive control signal Sc3 is at the low level (L) is set to be longer by the predetermined time t2 than the period during which the drive control signal Sc3 is at the low level (L). That is, since the
[0057]
Further, for the
[0058]
Further, the high-level (H) drive control signal Sc5 is input to the switching element Q5 from the control
[0059]
In this way, the drive control signals Sc3, Sc6 and Sc4, Sc5 set at a predetermined duty ratio are continuously output from the control
[0060]
Here, in this embodiment, the
[0061]
As described above, the period in which the drive control signal Sc5 is at the low level (L) is set to be longer by the predetermined time t1 than the period in which the drive control signal Sc4 is at the low level (L). For the same reason as in the case of the
[0062]
The
[0063]
That is, the
[0064]
The moving
[0065]
The
[0066]
The moving
[0067]
The moving
[0068]
In the
[0069]
Further, when the drive voltage having the waveform shown in FIG. 4B, for example, is applied from the
[0070]
As described above, the drive device according to the embodiment of the present invention includes the
[0071]
In addition, this invention is not limited to the thing of the said embodiment, A various deformation | transformation aspect is employable as needed. For example, in the case of the
[0072]
In the above-described embodiment, the drive control signal output from the control
[0073]
Moreover, in the said embodiment, although the drive voltage which consists of a rectangular wave is applied to each electromechanical conversion element, it is not restricted to this. For example, a series circuit of a resistance element and a switching element is connected in parallel to each of the
[0074]
【The invention's effect】
As explained above, according to the present invention,A part of the circuit of the first switch unit for driving the first electromechanical transducer and a part of the circuit of the second switch unit for driving the second electromechanical transducer are shared with each other The drive control means can cause the switching element shared by the first switch unit and the second switch unit to drive the first drive unit and the second drive unit simultaneously. Give drive control signal of duty ratioTherefore, it is possible to realize a driving device that can promote downsizing of the system even when two driving objects are individually driven in the same system.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram schematically showing an overall configuration of a driving apparatus according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a perspective view showing a configuration example of a drive unit of the drive device shown in FIG. 1;
3 is a block diagram showing a configuration example of a drive circuit unit of the drive device shown in FIG. 1. FIG.
FIGS. 4A and 4B are diagrams showing waveforms of drive pulses formed by the drive circuit section shown in FIG. 3, wherein FIG. 4A shows a duty ratio set to be 0.3, and FIG. 4B shows a duty ratio. It is set to be 0.7.
5 is a diagram showing the relationship between fd / fr and the moving speed of the engaging member in the driving apparatus shown in FIG.
6 is a diagram showing a relationship between a duty ratio of a driving voltage and a moving speed of an engaging member in the driving apparatus shown in FIG.
7 is a diagram showing a relationship between a drive voltage applied to the electromechanical transducer of the drive device shown in FIG. 1 and a displacement waveform due to expansion and contraction of the electromechanical transducer, and (a) shows the duty ratio of the drive voltage. FIG. 6B shows a case where the duty ratio is set to be 0.3, and FIG. 5B shows a case where the duty ratio of the drive voltage is set to be 0.7.
FIG. 8 is a diagram illustrating a drive voltage composed of a rectangular wave applied to an electromechanical transducer.
9 is a diagram showing a fundamental wave and a harmonic component obtained by performing Fourier transform on the drive voltage shown in FIG.
FIG. 10 is a diagram showing the resonance characteristics of the electromechanical transducer in a state where the support member and the drive member are fixed.
11 is a diagram showing a fundamental wave and a harmonic component when the drive voltage shown in FIG. 8 is applied to the electromechanical transducer having the resonance characteristics shown in FIG.
12 is a diagram showing a displacement waveform of an electromechanical transducer obtained by inverse Fourier transform of the fundamental wave and the harmonic component shown in FIG.
FIG. 13 is a diagram showing a relationship between a drive voltage having a drive frequency outside the range of the present invention and a displacement waveform due to expansion and contraction of the electromechanical transducer, and (a) shows that the duty ratio of the drive voltage is 0.3. (B) is set so that the duty ratio of the drive voltage is 0.7.
14 is a timing chart for explaining the operation of the drive circuit section shown in FIG. 3;
FIGS. 15A and 15B are diagrams showing another configuration example of a drive unit in the drive device shown in FIG. 1, wherein FIG. 15A is an exploded perspective view thereof, and FIG. 15B is a front view thereof;
FIG. 16 is a diagram schematically showing a configuration of a conventional driving device.
[Explanation of symbols]
10 Drive device
12, 12 'first drive unit
14, 14 'second drive unit
16 Drive circuit section
18 Control unit (drive control means)
24, 67 support member
26, 69 electromechanical transducer
28, 71 Drive member
30, 40 engagement member
161 Drive power supply
162 First switch part
163 Second switch section
164 Control signal output unit
165 First switch circuit
166 Second switch circuit
167 Third switch circuit
168 Fourth switch circuit
169 Fifth switch circuit
170 Sixth switch circuit
Q1 first switching element
Q2 Second switching element
Q3 Third switching element
Q4 Fourth switching element
Q5 Fifth switching element
Q6 Sixth switching element
Claims (1)
対向電極を有する第2の電気機械変換素子、この第2の電気機械変換素子の一方の電極側に固着された第2の支持部材、前記第2の電気機械変換素子の他方の電極側に固着された第2の駆動部材及びこの第2の駆動部材に所定の摩擦力で係合された第2の係合部材からなる第2の駆動部と、
直流電圧が出力される駆動電源、この駆動電源と接地との間に接続され複数のスイッチング素子を含む第1のスイッチ部、前記駆動電源と接地との間に接続され複数のスイッチング素子を含むスイッチ部であって一部のスイッチング素子が前記第1のスイッチ部の一部のスイッチング素子と共用されている第2のスイッチ部、及び前記第1のスイッチ部を駆動制御することにより前記駆動電源から出力される直流電圧を矩形波の第1の駆動電圧にして前記第1の電気機械変換素子に印加すると共に、前記第2のスイッチ部を駆動制御することにより前記駆動電源から出力される直流電圧を矩形波の第2の駆動電圧にして前記第2の電気機械変換素子に印加する制御信号出力部を備えた駆動回路部と、
前記制御信号出力部を駆動制御することにより前記第1の駆動電圧のデューティ比を変化させて前記第1の電気機械変換素子を伸長方向と縮小方向とで異なる速度で伸縮させることで前記第1の支持部材と前記第1の係合部材とを相対移動させると共に、前記第2の駆動電圧のデューティ比を変化させて前記第2の電気機械変換素子を伸長方向と縮小方向とで異なる速度で伸縮させることで前記第2の支持部材と前記第2の係合部材とを相対移動させる駆動制御手段とを備え、
前記駆動制御手段は、前記制御信号出力部を駆動制御して当該制御信号出力部から前記第1のスイッチ部及び第2のスイッチ部が備える各スイッチング素子に供給する所定のデューティ比の駆動制御信号を出力させるものであり、前記第1のスイッチ部と第2のスイッチ部とに共用されているスイッチング素子に、前記第1の駆動部と前記第2の駆動部とを同時に駆動させることが可能なデューティ比の駆動制御信号を与えることを特徴とする駆動装置。A first electromechanical transducer having a counter electrode, a first support member secured to one electrode side of the first electromechanical transducer, and secured to the other electrode side of the first electromechanical transducer A first drive member comprising a first drive member made and a first engagement member engaged with the first drive member with a predetermined frictional force;
A second electromechanical conversion element having a counter electrode, a second support member fixed to one electrode side of the second electromechanical conversion element, and fixed to the other electrode side of the second electromechanical conversion element A second drive member comprising a second drive member and a second engagement member engaged with the second drive member with a predetermined frictional force;
A driving power source for outputting a DC voltage, a first switch unit including a plurality of switching elements connected between the driving power source and the ground, and a switch including a plurality of switching elements connected between the driving power source and the ground the second switch unit portion of the switching element a part is that are shared with part of the switching elements of the first switch section, and the first switch unit from the driving power source by controlling driving The output DC voltage is applied to the first electromechanical conversion element as a first drive voltage of a rectangular wave, and the DC voltage output from the drive power supply by driving the second switch unit. A drive circuit unit comprising a control signal output unit configured to apply the second electromechanical conversion element to the second electromechanical transducer as a rectangular wave second drive voltage;
The first electromechanical conversion element is expanded and contracted at different speeds in the extending direction and the reducing direction by changing the duty ratio of the first driving voltage by driving and controlling the control signal output unit. The support member and the first engagement member are moved relative to each other, and the duty ratio of the second drive voltage is changed to move the second electromechanical transducer at different speeds in the extension direction and the reduction direction. Drive control means for relatively moving the second support member and the second engagement member by extending and contracting ;
The drive control means controls the drive of the control signal output unit and supplies a drive control signal having a predetermined duty ratio supplied from the control signal output unit to each switching element included in the first switch unit and the second switch unit. The switching element shared by the first switch unit and the second switch unit can simultaneously drive the first drive unit and the second drive unit. A drive device characterized by providing a drive control signal with a proper duty ratio .
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