JP3933458B2 - コンクリートセグメント用連結金具とその連結金具を用いたコンクリートセグメントの連結構造 - Google Patents

コンクリートセグメント用連結金具とその連結金具を用いたコンクリートセグメントの連結構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として、トンネル周方向及びトンネル軸方向に多数並べて互いに連結することにより、トンネル内壁を形成するために用いられるコンクリートセグメントどうしの連結金具とその連結金具を用いたコンクリートセグメントの連結構造に係り、詳しくは、接続面側にねじ部を有する袋ナット部と、この袋ナット部に一体連設されるアンカー部とを備えて、コンクリート製のセグメント本体に、前記接続面がセグメント本体の連結端面と同面となるように埋設装備されるコンクリートセグメント用連結金具とその連結金具を用いたコンクリートセグメントの連結構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンクリートセグメントどうしを連結するには、特開2001−73693号公報に示されたもののように、一方のセグメントに、ボルト操作用空間が形成されるように構成された雄連結金具を埋設して一体装備するとともに、他方のセグメントには、前述の連結金具、即ち雌連結金具を埋設して一体装備しておき、連結ボルトを、雄連結金具に形成された孔を通して雌連結金具の袋ナット部に螺着するようにした構成の連結構造が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
セグメントには、トンネル外部から作用する土圧に抗する強度が持たされているが、隣合うセグメントに均等に作用することは希であり、殆どの場合は隣合うセグメント夫々に作用する土圧が異なる。そのため、両セグメント間、即ち連結ボルトには引張りだけでなくせん断力が作用することが多いので、そのせん断力によって連結金具とコンクリート製のセグメント本体との間の剥離や、セグメント本体に亀裂が生じる等の不都合に対処できるようにしておく必要がある。
【0004】
この場合、操作用空間部を形成するために比較的大きさの大きい雄連結金具は、セグメント本体との接触面積が十分に取れて、前述の不都合無くせん断力に十分対向できるのであるが、比較的小さい部品となる雌連結金具は、セグメント本体との接触面積が不十分となり易いものであり、耐せん断力を雄連結金具のように十分なものには設定し難い。そのため、せん断力によって雌連結金具の両脇部位におけるセグメント本体が、せん断作用方向と約45度傾斜した方向に亀裂が生じて辷り破壊すること、所謂コーン破壊に対抗する強度を補強し難い面がある。
【0005】
そこで、前述した公報(特開2001−73693号)の図2、図3に示されたように、袋ナット部(符号6)の両サイドにリブ(符号11)を一体形成することにより、せん断方向の面積を増やして対抗できるように工夫されてはいたが、十分なものでは無かった。このような実状に鑑みることにより、本発明の目的は、雌側の連結金具の形状・構造を見直すことにより、効果的に耐せん断力を向上させることができるようにする点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
〔構成〕
コンクリートセグメント用連結金具に係る請求項1の構成は、図1図4に例示する如く、接続面8側にねじ部10を有する袋ナット部6と、この袋ナット部6に一体連設されるアンカー部7とを備えて、コンクリート製のセグメント本体sに、接続面8がセグメント本体sの連結端面t2と同面となるように埋設装備されるコンクリートセグメント用連結金具において、
袋ナット部6のねじ軸心Pと平行で、かつ、そのねじ軸心Pを含まない面9aを有したフランジ9を、これと袋ナット部6とに亘る連設部13を架設することにより、袋ナット部6の外周より外側に位置させた状態で、かつ、フランジ9と連設部13との接続面8側の端面を接続面8よりもアンカー部7側へ引退させた状態で該袋ナット部6に一体に連設してあることを特徴とする。
【0007】
請求項2の構成は、図1、図2、図4に例示する如く、請求項1の構成において、連設部13に貫通孔14とリブ15を形成し、ねじ軸心Pに沿って貫通孔14を跨いだ状態でリブ15を形成してあることを特徴とするものである。
【0008】
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【0009】
〔作用〕
請求項1の構成によれば、袋ナット部のねじ軸心と平行で、かつ、そのねじ軸心を含まない面を有したフランジを、袋ナット部の外周より外側に位置させた状態で袋ナット部に一体に連設してあるから、連結金具をねじ軸心に交差し、かつ、フランジの面にも交差する方向に占める面積を大きくすることが容易であり、その方向での耐せん断力を効率良く向上させることができる。
【0010】
例えば、図1に示すように、トンネル軸方向で隣合うセグメントS1,S2どうしの雌側連結金具として用いれば、セグメントS1,S2どうしのトンネル径方向での位置ずれに伴って雌連結金具K2における耐せん断力を改善することができる。この場合の耐せん断力とは、雌連結金具K2に作用するトンネル径方向の力によって、雌連結金具K2がコンクリート製のセグメント本体sを押すことになり、その押し力によってセグメント本体sに亀裂等の損傷が生じ始めるときの耐力値のことであり、フランジの存在により、従来に比べて耐せん断力を大きくすることができるのである。
【0011】
そして、フランジと袋ナット部とを一体に連設するべく、これら両者に亘って架設される連設部を設け、フランジと連設部との前記接続面側の端面を接続面よりもアンカー部側へ引退させた状態で袋ナット部に一体に連設してあるので、連結金具がセグメント本体の厚み方向における中央からずれた位置に埋設されるような場合には、耐せん断力を高めるフランジはセグメントの厚み方向で中央に位置させることができ、内径側及び外径側のいずれの厚み方向における耐せん断力を均等又はほぼ均等に設定することが可能になる。
【0012】
又、袋ナット部とフランジとの双方によって耐せん断力を受け持つようになるので、例えば、袋ナット部の両脇に連続させてフランジを形成させた場合に比べて、有効面積を無理なく増加させることができ、より耐せん断力を向上させることが可能となる点で有利でもある。
【0013】
請求項2の構成によれば、フランジと袋ナット部とに亘る連設部に貫通孔を形成してあるから、コンクリート製のセグメント本体に埋設装備される補強用の配筋(鉄筋)や、専用の棒状鉄筋等を貫通孔に通した状態で連結金具を埋設することが可能になり、それによってより強固にセグメント本体との一体化を図れるようになる。
そして、連設部にリブを設け、そのリブをねじ軸心に沿って貫通孔を跨いだ状態に形成したことによってコンクリートとの付着面積が増し、一体化強度が向上する作用を期待し得るようになる。又、連設部における貫通孔を跨いだ状態にリブを形成することにより、貫通孔を設けることによる連設部の強度低下分を補償できる作用も得られる。
【0014】
〔効果〕
請求項1に記載のコンクリートセグメント用連結金具では、袋ナット部のねじ軸心と平行で、かつ、ねじ軸心を含まない面を有したフランジを、袋ナット部に、その外周より外側に位置させた状態で一体連設するだけの簡単な改造としながら、ねじ軸心に交差する方向における連結金具とセグメント本体との間における耐せん断力を効果的に高めることができ、セグメントどうし連結強度向上に寄与するものを提供することができた。
【0015】
そして、袋ナット部が埋設されるセグメントの厚み方向で中央からずれて位置する場合でも、一方及び他方の厚み方向における耐せん断力を同一条件又はそれに近づけることができ、この均等化によって実質的に耐せん断力を高めることができる利点がある。又、連設部の存在により、厚み方向の耐せん断力向上や、厚み方向に直交する方向での耐せん断力も向上するようになった。
【0016】
請求項2に記載のコンクリートセグメント用連結金具では、請求項1の構成による前記効果を奏するとともに、連設部に形成された貫通孔を、これに配筋を通してセグメント本体との一体化強度を向上できるといった具合に、フランジを袋ナット部に一体化させるための機能以外の機能を連設部に持たせることができ、より合理的なものにできる利点がある。
そして、貫通孔を設けたことによる連設部の強度低下を、リブによって回避できる利点もある。
【0017】
〔構成〕
コンクリートセグメントの連結構造に係る請求項3の構成は、図1〜図4に例示する如く、一方のコンクリートセグメントS1に埋設される第1連結金具K1と、他方のコンクリートセグメントS2に埋設される第2連結金具K2と、これら両連結金具K1,K2を螺着する連結ボルトBとを用いて連結するコンクリートセグメントの連結構造において、
第2連結金具K2が、接続面8側に雌ねじ部10を有する袋ナット部6と、この袋ナット部6に一体連設されるアンカー部7と、袋ナット部6のねじ軸心Pと平行で、かつ、そのねじ軸心Pを含まない面を有するフランジ9と、そのフランジ9を袋ナット部6の外周より外側に位置させた状態で袋ナット部6に一体連設させる連設部13とを備え、接続面8を他方のコンクリートセグメントS2の連結端面t2と同面となるように、かつ、フランジ9と連設部13との接続面8側の端面を他方のコンクリートセグメントS2の連結端面t2よりもアンカー部7側へ引退させた状態で、他方のコンクリートセグメントS2に埋設されていることを特徴とする。
【0018】
請求項4の構成は、図6に例示する如く、請求項3の構成において、第2連結金具K2が、ねじ軸心Pの方向視で、袋ナット部6をトンネル径方向において内側にし、フランジ9をトンネル径方向において外側にして他方のコンクリートセグメントS2に埋設されていることを特徴とするものである。
【0019】
請求項5の構成は、図6に例示する如く、請求項4の構成において、第2連結金具K2が、ねじ軸心Pの方向視で、袋ナット部6を他方のコンクリートセグメントS2の厚さ方向の中央より内側にし、フランジ9を他方のコンクリートセグメントS2の厚さ方向の中央より外側にして埋設されていることを特徴とするものである。
【0020】
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【0021】
〔作用〕
請求項3の構成によれば、コンクリートセグメント用連結金具に係る請求項1において記述したように、第2連結金具をねじ軸心に交差し、かつ、フランジの面にも交差する方向に占める面積を大きくすることが容易であり、その方向での耐せん断力を効率良く向上させることができる。
そして、第2連結金具が他方のコンクリートセグメントの厚み方向における中央からずれた位置に埋設されるような場合には、耐せん断力を高めるフランジはセグメントの厚み方向で中央に位置させることができ、内径側及び外径側のいずれの厚み方向における耐せん断力を均等又はほぼ均等に設定することが可能になり、又、袋ナット部とフランジとの双方によって耐せん断力を受け持つようになるので、例えば、袋ナット部の両脇に連続させてフランジを形成させた場合に比べて、有効面積を無理なく増加させることができ、より耐せん断力を向上させることが可能となる点で有利でもある。
【0022】
請求項4の構成によれば、第2連結金具が、ねじ軸心の方向視で、袋ナット部をトンネル径方向において内側にし、フランジをトンネル径方向において外側にして他方のコンクリートセグメントに埋設されているから、図6を参照して後述するように、耐せん断力が効果的に向上する。
【0023】
請求項5の構成によれば、第2連結金具が、ねじ軸心の方向視で、袋ナット部を他方のコンクリートセグメントの厚さ方向の中央より内側にし、フランジを他方のコンクリート セグメントの厚さ方向の中央より外側にして埋設されているから、図6を参照して後述するように、トンネル内径側及び外径側の内外いずれの方向のせん断力が作用しても、同等又はほぼ同等のせん断耐力が発揮されるようになる。
【0024】
〔効果〕
請求項3に記載のコンクリートセグメントの連結構造では、コンクリートセグメント用連結金具に係る請求項1において記述したように、簡単な改造によって、ねじ軸心に交差する方向における第2連結金具とコンクリートセグメントとの間における耐せん断力を効果的に高めることができ、又、連設部の存在により、コンクリートセグメントの厚み方向の耐せん断力向上や、厚み方向に直交する方向での耐せん断力も向上するようになった。
【0025】
請求項4に記載のコンクリートセグメントの連結構造では、請求項3の構成による前記効果を奏するとともに、耐せん断力が効果的に向上するようになった。
【0026】
請求項5に記載のコンクリートセグメントの連結構造では、請求項4の構成による前記効果を奏するとともに、トンネル内径側及び外径側の内外いずれの方向のせん断力が作用しても、同等又はほぼ同等のせん断耐力が発揮されるようになった。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明によるコンクリートセグメント用連結金具とその連結金具を用いたコンクリートセグメントの連結構造の実施の形態を図面に基づいて説明する。この連結金具は、図1〜図4に示すように、一方のコンクリートセグメントS1の円弧状のトンネル軸方向端面t1側に埋設される鋳造製の第1連結金具(雄側の連結金具)K1と、他方のコンクリートセグメントS2の円弧状のトンネル軸方向端面t2側に埋設される鋳造製の第2連結金具(雌側の連結金具)K2と、これら両者K1,K2を螺着する連結ボルトBとで構成されている。
【0028】
即ち、第1連結金具K1には、連結用のボルトBが挿通されるボルト挿通孔1が設けられ、第2連結金具K2には、ボルトBが螺合される雌ねじ部10が設けられていて、これら両連結金具K1,K2を連結ボルトBを用いて連結することにより、隣合うコンクリートセグメントS1,S2を連結一体化する。
【0029】
図1〜図4に示すように、第1連結金具K1は、一方のコンクリートセグメントS1の連結端面と同面となる接続面3を有した鋳鉄製の金具本体2と、一対の棒状鉄筋製のアンカー4,4とから構成されている。金具本体2は略箱状に形成されており、左右中央位置にボルト挿通用の貫通孔1が形成されているとともに、左右両脇の各突出部2a,2aの夫々にアンカー4を螺着装備してある。第1連結金具K1を、コンクリート製のセグメント本体sに埋設するに際しては、第1連結金具K1の裏側に中子を位置させてコンクリートを硬化させ、第1連結金具K1の裏側に、連結ボルトBを挿入して第2連結金具K2に螺合するための操作空間5が形成されるようになっている。
【0030】
図1〜図4に示すように、第2連結金具K2は、他方のコンクリートセグメントS2の連結端面と同面となる接続面8を有し、その接続面8側に雌ねじ部10を有する袋ナット部6と、その袋ナット部6に連設されてセグメント本体sの内方に位置するようになるアンカー部7と、袋ナット部6に一体に連設されたフランジ9とから成る鋳鉄製のものに構成されている。
【0031】
袋ナット部6は、裾広がり状(裁頭円錐状)の接続側部分6aと、それに続く略円筒状の本体部分6bとから成り、内部に雌ねじ部10が形成されている。接続側部分6aの接続面8の両側には、セグメント本体sに埋設する際の位置決め用穴11を備えた突出部12が形成されている。本体部分6bの上面側には、その上方に離れた位置にて横臥姿勢のフランジ9を一体化するための縦壁状連設部13が形成され、そのフランジ9と連設部13の接続面8側の端面が、その接続面8よりもアンカー部7側へ引退している。この連設部13には、貫通孔14を形成してあるとともに、その貫通孔14を跨いだ状態で雌ねじ部10のねじ軸心Pに沿って前後向き(トンネル周方向)のリブ15を形成してある。
【0032】
リブ15は、連設部13におけるコンクリートとの付着面積を増やして、セグメント本体sとの一体化強度を改善するとともに、貫通孔14を設けたことにより、その部位における連設部13の強度が低下するのを補償する機能も有しており、リブ15の幅や高さは連設部13の嵩や大きさに応じて適宜に設定する。又、そのリブの形状としては、貫通孔14の両脇において、袋ナット部6とフランジ9とに亘って形成された縦向きのリブとしても良い。又、貫通孔14の両サイドの肉厚を厚くする手段も有効である。
【0033】
アンカー部7は、基本的には円柱状であり、その長手方向に沿う上下の縦リブ16,16、及び複数の円周リブ17が外周に一体形成されているとともに、先端には鍔部18が形成されている。そして、アンカー部7の左右両側には、袋ナット部6から続く長尺状の補強リブ19,19が一体形成されている。又、袋ナット部6の外周より外側に位置するフランジ9は、袋ナット部6のねじ軸心Pと平行で、かつ、そのねじ軸心Pを含まないフランジ面9aを有している。尚、フランジ9の左右幅(トンネル周方向幅)は、補強リブ19,19部分の左右幅と同等のものに設定されている。
【0034】
図5には、部分的に透視状態のセグメントS1(S2)が示されており、セグメントS1の一方のトンネル軸方向端面t1側に第1連結金具K1が、かつ、他方のトンネル軸方向端面t2側に第2連結金具Kが夫々埋設配置されている。第2連結金具K2のねじ軸心Pは、セグメントS1の厚さ方向(トンネル径方向)における内側に寄った位置に設定されており、トンネル径方向で外径側に突出するフランジ9とねじ軸心Pとの中央となる位置が、丁度セグメント厚み方向の中央に位置する状態(図6参照)に第2連結金具K2が埋設されている。
【0035】
又、セグメント本体sには、トンネル周方向及びトンネル軸方向の双方に、ループ状に屈曲された鉄棒材による補強用の縦及び横鉄筋20,21の複数が埋設されている。そして、縦鉄筋20のうちの一つが、第2連結具K2の連設部13に形成された貫通孔14を通るように設定されており、第2連結具K2がより強固にセグメント本体sに一体化されるようにしてある。
【0036】
図5においては、一方のトンネル周方向端面t3側には、一対のボルト挿通用孔と4本のアンカーとを備えた雄側の第3連結金具K3が、かつ、他方の周方向端面t4には、一対の雌ねじ部を備えた雌側の第4連結金具K4が夫々埋設配置されているが、第3連結金具K3を第1連結金具K1に、かつ、第4連結金具K4を第2連結金具K2に夫々置き換えても良い。
【0037】
以上の構成による雄雌側の両連結金具K1,K2を用いて両コンクリートセグメントS1,S2を連結するには、先ず、第1連結金具K1の貫通孔1と、第2連結金具K2の接続面8とを位置合せし、第1連結金具K1の貫通孔1が、第2連結金具K2の雌ねじ部10と一致する位置関係にする。次いで、第1連結金具K1裏側の操作空間5から貫通孔1に連結ボルトBを挿通し、連結ボルトBの雄ねじ部を袋ナット部6の雌ねじ部10に螺合させることができ、これによって隣合う両セグメントS1,S2どうしを連結することができるのである。
【0038】
フランジ9は、ねじ軸心Pの方向視で左右長さを有し、かつ、平面視で矩形を呈する板状であるとともに、連設部13との一体化強度を高めるべく湾曲した一対のコーナーR部9b,9bを有しており、引張りによるコーン破壊に有効な耐力を備えることができる手段である。即ち、土圧等によって隣合うセグメントS1,S2間にトンネル径方向のせん断力が作用すると、連結ボルトBを介して第2連結金具K2とセグメント本体sとの間にせん断力が作用する。
【0039】
つまり、図6に示すように、第2連結金具K2が、ねじ軸心Pの方向視で、袋ナット部6をトンネル径方向において内側にし、フランジ9をトンネル径方向において外側にして他方のコンクリートセグメントS2に埋設された状態では、第2連結金具K2のセグメント厚み方向に作用するせん断力により、コンクリートの耐力が限界になると、トンネル周方向視においてトンネル周方向端面t3(t4)には、左右夫々に約45度傾斜した方向の亀裂kが生じての辷り破壊、所謂コーン破壊が生じるようになる。このコーン破壊では、破壊幅が広い程耐力は高くなるので、亀裂kの末端におけるセグメント内周壁t5側端での崩れ部分幅Wが広い程耐せん断力も高い。
【0040】
図6(イ)に示すように、フランジ9(及び連設部13)の無い従来の第2連結金具K2’では、円筒状の袋ナット部6から始まる亀裂k1に基づく崩れ部分幅W1であるに対し、本発明の第2連結金具K2では、フランジ9から始まる亀裂k2に基づく崩れ部分幅W2となり、これは明らかにW2>W1であって、耐せん断力が効果的に向上することが示されている。
【0041】
又、図6(ロ)に示すように、図6(イ)の場合とは逆方向のせん断力に対しては、ねじ軸心Pの方向視で、袋ナット部6をセグメントの厚さ方向の中央より内側にし、フランジ9をセグメントの厚さ方向の中央より外側にして、フランジ9とねじ軸心Pとの中央がセグメントの厚さ方向での中央に一致又はほぼ一致していることから、補強リブ19,19部分からの亀裂k3,k3による崩れ部分幅W3が最大となり、かつ、W3≒W2であって、トンネル内径側及び外径側の内外いずれの方向のせん断力が作用しても、同等又はほぼ同等のせん断耐力が発揮されるようになっている。
【0042】
〔別実施形態〕
《1》 ねじ軸心Pとフランジ9との中央位置と、セグメントsにおける厚み方向の中央位置とが互いにずれる位置関係として、耐せん断力がトンネル内径方向と外径方向とで異なるように設定することが可能であり、トンネルの立地条件や土圧条件等に応じて適宜に設定する。
【0043】
》 図示しないが、連設部に形成されるリブを貫通孔の両脇において縦向き(トンネル径方向)のものとしても良い。又、貫通孔及びリブのどちらか、或いはいずれも省略した連設部でも良い。さらに、縦向きに延びる壁としての連設部が実質的に無く、袋ナット部とフランジとが直接的に繋がる状態に形成されたものも可であり、この場合は袋ナット部とフランジとの接続部分を連設部と定義する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 セグメントどうしの連結部の構造を示す断面側面図
【図2】 連結状態におけるセグメントどうしの連結部を示す断面側面図
【図3】 連結状態におけるセグメントどうしの連結部を示す一部切欠きの底面図
【図4】 第1連結金具及び第2連結金具を示す分解斜視図
【図5】 一部透視状態のコンクリートセグメントを示す斜視図
【図6】 (イ)はトンネル内径方向のせん断力、(ロ)はトンネル外径方向のせん断力による約45度に分布するコーン破壊状況を示す作用図
【符号の説明】
6 袋ナット部
7 アンカー部
接続面
9 フランジ
9a 面
10 雌ねじ
13 連設部
14 貫通孔
15 リブ
s セグメント本体
S1 隣合う一方のコンクリートセグメント
S2 隣合う他方のコンクリートセグメント
t2 連結端面
K1 第1連結金具
K2 第2連結金具
連結ボルト
P ねじ軸心

Claims (5)

  1. 接続面側にねじ部を有する袋ナット部と、この袋ナット部に一体連設されるアンカー部とを備えて、コンクリート製のセグメント本体に、前記接続面がセグメント本体の連結端面と同面となるように埋設装備されるコンクリートセグメント用連結金具であって、
    前記袋ナット部のねじ軸心と平行で、かつ、そのねじ軸心を含まない面を有したフランジを、これと前記袋ナット部とに亘る連設部を架設することにより、前記袋ナット部の外周より外側に位置させた状態で、かつ、前記フランジと連設部との前記接続面側の端面を前記接続面よりも前記アンカー部側へ引退させた状態で該袋ナット部に一体に連設してあるコンクリートセグメント用連結金具。
  2. 前記連設部に貫通孔とリブを形成し、前記ねじ軸心に沿って前記貫通孔を跨いだ状態で前記リブを形成してある請求項1に記載のコンクリートセグメント用連結金具。
  3. 一方のコンクリートセグメントに埋設される第1連結金具と、他方のコンクリートセグメントに埋設される第2連結金具と、これら両連結金具を螺着する連結ボルトとを用いて連結するコンクリートセグメントの連結構造であって、
    前記第2連結金具が、接続面側に雌ねじ部を有する袋ナット部と、この袋ナット部に一体連設されるアンカー部と、前記袋ナット部のねじ軸心と平行で、かつ、そのねじ軸心を含まない面を有するフランジと、そのフランジを前記袋ナット部の外周より外側に位置させた状態で前記袋ナット部に一体連設させる連設部とを備え、前記接続面を前記他方のコンクリートセグメントの連結端面と同面となるように、かつ、前記フランジと連設部との前記接続面側の端面を前記他方のコンクリートセグメントの連結端面よりも前記アンカー部側へ引退させた状態で、前記他方のコンクリートセグメントに埋設されているコンクリートセグメントの連結構造。
  4. 前記第2連結金具が、前記ねじ軸心の方向視で、前記袋ナット部をトンネル径方向において内側にし、前記フランジをトンネル径方向において外側にして前記他方のコンクリートセグメントに埋設されている請求項3に記載のコンクリートセグメントの連結構造。
  5. 前記第2連結金具が、前記ねじ軸心の方向視で、前記袋ナット部を前記他方のコンクリートセグメントの厚さ方向の中央より内側にし、前記フランジを前記他方のコンクリートセグメントの厚さ方向の中央より外側にして埋設されている請求項4に記載のコンクリートセグメントの連結構造。
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