JP3933304B2 - カーボンブラックの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水性インク並びに水性インク用の顔料として適したカーボンブラックの製造方法に関する。詳しくは、疎水性の凝集体であるカーボンブラック粒子を水性媒体へ分散する為にエステル結合を介して親水性官能基を有する有機化合物を表面に付加したカーボンブラックの製造に関する。このようなカーボンブラック水性分散液はインクジェットプリンティングを始めとする種々の記録用水性インクとして有用である。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンターは安価な印刷機としてオフィス、家庭に広く普及しているが、近年の印字品位高度化への要求に伴い使用するインクへの要求物性もより厳しいものになりつつある。特に使用量の多い黒インクに関しては高い光学濃度を実現すると同時に、安定した吐出性を有し、印字に滲みが少なく、耐水性や耐光性に優れる事などが必要になる。また、サーマルジェットプリンティングの際にはインクは280℃付近又はそれ以上の温度で加熱される為に熱安定性の低い色剤や樹脂、溶媒を用いた場合には熱分解物が印字不良やノズル閉塞の原因となる。
【0003】
高い光学濃度を有し、熱や光或いは化学的な安定性に優れた黒の色剤としてはカーボンブラックが最適であると考えられる。しかしながら、カーボンブラック粒子は疎水性の凝集体であり、水系溶媒への分散は通常困難である。カーボンブラックを水系溶媒に分散させる手法としては、各種分散剤を用いる方法や親水性モノマーをカーボンブラックにグラフト重合する方法、親水性官能基を有する有機化合物をカーボンブラック表面に付加する方法、表面を直接酸化処理する方法等が考案されている。
【0004】
分散剤を用いるカーボンブラックの水系溶媒への分散方法としては、特公平1−283044号公報、特公平2−230271号公報、特開平8−41394号公報、特開平8−113741号公報等に水溶性のビニル系ポリマーを分散剤に用いる方法が記載されている。これらの方法では分散剤が高粘度のポリマーである為にインクの吐出性が悪くなり易く、ノズルが閉塞する恐れがある。
【0005】
カーボンブラック表面に親水性モノマーをグラフト重合する方法としては、特公平1−4936号公報、特開平4−234467号公報、特開平6−128517号公報等にビニル系モノマー或いはエポキシ化合物を用いてグラフト重合する方法が記載されている。これらの方法では副生する未グラフト重合体の除去が困難であり、その為に吐出性が不安定になりノズルが閉塞する恐れがある。
【0006】
カーボンブラック表面を直接酸化処理する方法としては、特開平8−3498号公報に次亜塩素酸塩を用いて酸化する方法、特開平3−137169号公報にペルオクソ二硫酸塩で処理する方法が記載されている。これらの方法では、カーボンブラック自体の疎水性が失われ、印字の耐水性低下や滲みの発生が問題になる。また、これらの酸化カーボンブラックは再凝集し易くインクの保存安定性に難点がある。
【0007】
親水性官能基を有する有機化合物をカーボンブラック表面に付加する方法としては、USP5,571,311にジアゾカップリング反応を用いてスルファニル酸やアントラニル酸を付加する方法が記載されている。ジアゾニウム塩は分解を受け易く、ロスや副反応が多い。この為にインクの組成を一定にする事が困難であり、印字の際に吐出が不安定になり易い。また、ジアゾ化反応は暴走・爆発の危険性があり、大量に取り扱う際には好ましくない欠点を有する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
また、カーボンブラック表面の酸性基にエステル結合が形成される事は以前から知られている。しかし、グラフトポリマーの起点を導入するのに用いられているだけで、カーボンの分散性を改善する試みへの適用はなされていない。本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討の結果、エステル結合を介することによりカーボンブラック表面に親水性の官能基を導入して水系溶媒への分散性を向上させる事に成功し、本発明を完成した。すなわち本発明は、(1)原料カーボンブラックを苛性アルカリで処理した後、2価以上の有機カルボン酸の無水物またはスルホン酸無水物と反応させてエステル結合を生成することを特徴とする親水性官能基を有する有機分子がエステル結合を介して付加したカーボンブラックの製造方法、に存する。
【0009】
本発明により耐光性や耐熱性、耐水性等に優れ高濃度、高品位の印字を可能にするインクジェットプリンター用インクを提供することができる。本発明によりカーボンブラック表面に水との親和性に優れたエステル結合を介して親水性の官能基を有する有機化合物を付加することができ、斯かるカーボンブラックは、水系溶媒中でカーボンブラックを苛性アルカリで処理し、次いで2価以上のカルボン酸無水物またはスルホン酸無水物を反応させることより得ることができることを見いだしたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用することのできるカーボンブラックは特に限定されないが、表面にプロトンが解離する酸性官能基を有する物が好ましい。通常入手可能なファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック等をそのまま用いることも出来るが、予め各種の方法で酸化処理した物が好ましい。
【0011】
インクジェットインク用として高い光学濃度を得るには小粒子径、高吸油量のカーボンブラックを原料に用いる事が好ましい。具体的には、一次粒子径が10〜30nm、DBP吸油量が100ml/100g以上のものが好ましく、更に好ましくは一次粒子径が15〜20nm、DBP吸油量が200ml/100g以上である。
【0012】
カーボンブラックの酸化処理方法としては、酸素、過酸化物、硝酸類、硫酸類等の酸化剤を用いる方法が古くから知られている。例えば、特公昭54−7639公報、特公平3−65393公報に窒素酸化物による酸化処理法が記載されている。
本発明の製造方法においては、まず上記原料カーボンブラックを苛性アルカリで処理する。かかる処理により、カーボンブラック表面の酸性官能基と苛性アルカリとが反応すると考えられる。ここでカーボンブラックと反応させる苛性アルカリはカーボンブラックと反応しうるものであれば特に限定されないが、水洗により容易に除去でき、凝集を引き起こさない1価のアルカリ金属塩が好ましい。具体的に列挙すると、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム等が挙げられる。
【0013】
本発明のカーボンブラック、或いはカーボンブラックの水性分散液を製造するには、上記の酸性カーボンブラックを水または水系有機溶媒中に分散し、上記の苛性アルカリで処理した後、2価以上のカルボン酸またはスルホン酸無水物と反応させ、エステル結合を生成させる。
反応の初期は発熱を伴うので冷水等で除熱しながら反応するのが好ましい。、室温〜40℃程度でも数分間で反応は完結する。反応の速度は苛性アルカリの量に依存し、カーボンブラック表面酸性基の1〜2倍モル等量の苛性アルカリを用いるのが好適である。この量を越えて苛性アルカリを用いても問題はない。
【0014】
後半のカルボン酸またはスルホン酸無水物を添加する事によるエステル化反応も発熱を伴うが、反応熱が余り大きくない事と原料酸無水物の溶解性、反応性を向上する為に50〜70℃に加熱して反応を完結するのが好ましい。ここでカルボン酸またはスルホン酸無水物としては2価のものであれば特に限定されない。具体的には、無水トリメリット酸、無水フタル酸、無水マレイン酸が代表的に挙げられ、その他、無水コハク酸、1,2−エタンジスルホン酸無水物、1,2−ベンゼンジスルホン酸無水物等が挙げられる。
【0015】
本発明のカーボンブラック製造方法に於いては、上述の反応を水または/及び親水性の有機溶媒中で行う。ここで言う親水性の有機溶媒とは水と任意の割合で均一に混合できる有機溶媒であり、メタノールやエタノール等のアルコール類やエチレングリコール、グリセリン等の脂肪族ポリオール類、アセトン等のケトン類、アセトニトリル等のニトリル類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、N−メチル−2−ピロリドン等のラクタム類、スルホラン等の含硫黄溶媒、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の含燐溶媒等が挙げられる。
【0016】
反応時のカーボンブラック濃度は1〜20wt%である事が好ましく、更には5〜10wt%が好ましい。濃度が高過ぎるとカーボンブラックは凝集してしまい、カーボンブラック表面にエステル結合を形成することが困難である。一方、薄過ぎると印字の際に印字濃度が低下する。
上述の方法で得られたカーボンブラックの水性分散液は、そのままインクジェット用インクに用いる事もできるが、未反応の有機化合物や過剰の塩類を除く為に分離・洗浄する事が好ましい。分離方法としては濾過、遠心分離等の方法が用いられる。濾材としては0.1μm程度のメンブランフィルターが分離ロスが少なく便利である。洗浄には通常脱塩水を用いるが、残存するアミン化合物等の有機化合物を除去し易い様に、水溶性の有機溶剤を適宜混合する事もできる。またpHを調整するする為に、各種塩類を溶解して用いても良い。
【0017】
カーボンブラックの再凝集を抑制する為には、分散液のpHは5〜9の範囲にある事が好ましい。強塩基の液性の場合には、カーボンブラック表面の負電荷が陽イオンによって中和され、電荷反発による分散安定性が阻害される。pH調節剤としては燐酸1水素塩、燐酸2水素塩、炭酸水素塩、炭酸塩、水酸化物等を挙げられるが、これらのアルカリ金属塩やアンモニウム塩等の一価の陽イオン塩を用いる事ができる。この中で好ましいのは、燐酸1水素2アンモニウム、燐酸2水素1カリウム等の燐酸塩類及び炭酸塩類であり、カーボンブラックの再凝集を起こし難い。
【0018】
このようにして親水性官能基を有する有機分子がエステル結合を介して付加したカーボンブラックを得ることができる。尚ここで「付加」とは、化学的結合によってカーボンブラック表面に強固に結合している状態を言い、洗浄などによって容易に除去されないことを指す。親水性官能基としては特に限定されないが、その具体例としては、好適にはスルホン酸基(スルホキシ基)、スルフィン酸基等の含硫黄酸性基の他、カルボキシル基、あるいはこれらの塩が挙げられる。一般には水酸基やアミノ基も親水基ではあるが、カーボンブラックを親水化する程度が、上記の具体例に較べれば大幅に劣る。スルホキシ基、カルボキシル基及び/またはこれらの塩が好ましい。
【0019】
こうして得られた親水性官能基を有する有機分子がエステル結合を介して付加したカーボンブラックを水系溶媒に微分散させるのには通常用いられるミル分散機、超音波照射等の方法が用いられる。ミル分散機としては粒径1mm以下のガラスビーズを用いたビーズミルが好適に用いられる。高品位のインクジェット印字を実現する為には、体積平均粒径で0.5μm、最大粒径で1μm以下にまで分散させる事が好ましい。更に好ましくは体積平均粒径で0.2μm以下、最大粒径で0.5μm程度まで分散する。
【0020】
以上説明した本発明のカーボンブラック水分散液は、各種のインク組成物、就中、インクジェット用インク組成物として好適に用いることができる。すなわち、上述した本発明のカーボンブラックが水系溶媒中に分散してなるインク組成物である。かかるインク組成物は、上述のとおり本発明のカーボンブラックが体積平均粒径で0.5μm、最大粒径で1μm以下、更には体積平均粒径で0.2μm以下、最大粒径で0.5μm程度にまで安定して分散するという良好な分散状態を発揮することが可能である。なお、インク組成物におけるカーボンブラック濃度は通常5〜20重量%、好ましくは5〜6重量%である。5重量%未満だと印字濃度を十分なものとすることが困難である。一方、20重量%を超えると、カーボンブラックが凝集し易い。また、吐出性が安定したインクジェット印字実現の為にはインクの溶液粘度を低く、また表面張力を高く保つ必要がある。溶液粘度は1〜3mPa・s、表面張力は50mN/m以上にする事が好ましい。更に好ましくは溶液粘度を1.5〜2.5mPa・s、表面張力を60mN/m以上に調製する。インクの調製には水溶性の有機溶媒を適宜添加する他、市販の界面活性剤、分散安定剤やバインダー等の添加剤を用いる事ができる。
【0021】
こうして得られたインク組成物はインクジェット印刷用のインクとして適している他、水性インクとして他の多くの目的に用いる事ができる。例えば、筆記具用インク、印刷用インク、転写用インク等を挙げる事ができる。
【0022】
【実施例】
以下に、実施例を示して本発明をより具体的に説明する。
本発明におけるカーボンブラック分散液中のカーボンブラックの体積平均粒径及び最大粒径は動的光散乱法により、「MICROTRAC−UPA150」(MODEL9230)を用いて23℃、PD=1.86にて測定を行った。凝集体の有無はカールトン光学(株)製「M−959CKT」光学顕微鏡を用いて400倍に拡大観察して観察した。pHは東亜電波工業「HM−20」を用いて室温にて測定した。得られたカーボンブラックの熱安定性及び有機成分の付加量はSEIKO電子製「SSC−5000」を用いて100〜1000℃のTG/DTAを測定した。
【0023】
印字評価はNEC(株)製サーマルジェットプリンター「PICTY200」(PR−101/J200)を用い、インクカートリッジ「HP51629A」のインクを詰め替えて使用した。印字用紙にはゼロックス「4024」紙を用いた。印字濃度はMacbeth濃度計「TD932」を用いて測定した。
カーボンブラック表面の酸性基はカーボンブラック約0.3gを脱塩水約100mlに分散してから希塩酸を加えてpH2〜3に調整した後、0.01N水酸化ナトリウム水溶液にて滴定を行い、第一中和点と第二中和点の差から下式により計算して求めた。
【0024】
Figure 0003933304
また、全酸性基量はカーボンブラック約0.3gを100mlの三角フラスコに秤取り、窒素雰囲気下で0.01Nの水酸化ナトリウム水溶液60mlを加えてスターラーで6時間撹拌する。反応液を0.1μmのメンブランフィルターで濾過し、濾液40mlを0.025N塩酸にて中和滴定する。
Figure 0003933304
[実施例1]
排気装置を備えたドラフト中で100リットルのポリエチレン袋に三菱化学(株)製カーボンブラック「#47」(一次粒径24nm、比表面積124m2/g)を30gを入れて口をゴムバンドで縛り、PICオゾン&コントロールシステム社製オゾンジェネレーター「ModelG−2」にて発生させた0.14g/リットル濃度のオゾンガスを3リットル毎分にて30分間吹き込んだ。(オゾン0.42g/カーボンブラック1g)ポリエチレン袋を良く振り混ぜてカーボンブラックをオゾンと反応させた後300mlのガラスビーカーに取り出した。100℃の減圧乾燥機で3時間乾燥した後、酸化カーボンブラック(以下、「#47」オゾン酸化処理品という)の粉体29gを得た。
【0025】
得られた酸化カーボンブラックの表面酸性基量は0.18meq./g、全酸性基量は0.64meq./gであった。
撹拌翼と冷却管、測温管及び窒素導入管を備えた200ml丸底フラスコ中に上記の「#47」オゾン酸化処理品2.0gと50vol%含水メタノール100mlを加え撹拌して分散した。水酸化ナトリウム0.07gを添加して超音波を照射してながら1時間反応を行った。
【0026】
次いで、無水トリメリット酸0.35gを加えて内温50℃まで昇温して1時間撹拌を続けた後、室温まで冷却してから1N水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH10以上にした。0.1μmメンブランフィルターで加圧濾過する事により固形分を単離してから400mlの脱塩水で洗浄した。100℃で減圧乾燥して黒色の粉体を得た。
【0027】
この黒色の粉体0.3gにエチレングリコール0.4g、グリセリン0.35g、脱塩水3.95gを加えて粒径0.8mmのガラスビーズ7gが入った20mlのガラス管中で30分振盪した後、超音波洗浄機中で2時間超音波を照射してカーボンブラック分散液を得た。分散液のpHは8.1、体積平均粒径は104nm、最大粒子径は818nmであり、400倍の光学顕微鏡で凝集塊は観察されなかった。また、100℃の通風乾燥機中に静置したところ、1ヶ月以上再凝集を生じなかった。
【0028】
この分散液をプリンターで印字した所、カスレや滲みのない良好な印字結果が得られた。ベタ塗り部の反射光学濃度は1.33であった。
[実施例2]
撹拌翼と冷却管、測温管及び窒素導入管を備えた200ml丸底フラスコ中に三菱化学(株)製カーボンブラック「#990」(一次粒径16nm、比表面積240m2/g)2.5gとペルオクソ二硫酸カリウム7.5gを加え、脱塩水50mlを加えて撹拌した。
【0029】
次いで、温水浴を用いて70℃まで昇温し3時間撹拌を続けた後、室温まで冷却してから水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH10以上にした。0.1μmメンブランフィルターで加圧濾過する事により固形分を単離して少量の脱塩水で洗浄した後、100℃で減圧乾燥して黒色の粉体として酸化カーボンブラックを得た。
【0030】
得られた酸化カーボンブラック(以下、「R147」オゾン酸化処理品という)の表面酸性基量は0.40meq./gであった。
酸化カーボンブラックとして「#47」オゾン酸化処理品に代えて上記の「R147」オゾン酸化処理品を用いた以外は実施例1と同様にして、反応を行った。分散液のpHは9.8、体積平均粒径は68nm、最大粒子径は147nmであった。
【0031】
この分散液をプリンターで印字した所、カスレや滲みのない良好な印字結果が得られた。ベタ塗り部の反射光学濃度は1.48であった。
[比較例1]
「#47」オゾン酸化処理品0.3gを10mlのガラス容器に秤取り、エチレングリコール0.4gとグリセリン0.35g、脱塩水3.95gを加えて0.8mmφのカラスビーズ7.2gを入れ振盪機に30分、次いで超音波洗浄機に2時間かけて分散を行った。
【0032】
分散液のpHは3.5、顕微鏡下で全体が凝集しているのが観察された。
[比較例2]
「#47」オゾン酸化処理品1gを0.1μmのメンブランフィルターの入った濾過器に入れ、1Nの水酸化ナトリウム水溶液50mlで洗浄し、次いで200mlの脱塩水で3回洗浄した。100℃の減圧乾燥機で3時間乾燥した後比較例1と同様に分散を行った。
【0033】
分散液のpHは8.5、顕微鏡下で大きな凝集塊は見えなくなった。
【0034】
【発明の効果】
本発明により、水系溶媒中での分散性の良好なカーボンブラックを得ることができる。

Claims (4)

  1. 原料カーボンブラックを苛性アルカリで処理した後、2価以上の有機カルボン酸の無水物またはスルホン酸無水物と反応させてエステル結合を生成することを特徴とする親水性官能基を有する有機分子がエステル結合を介して付加したカーボンブラックの製造方法。
  2. 原料カーボンブラックとして酸化剤により酸化処理されたカーボンブラックを用いる請求項1に記載のカーボンブラックの製造方法。
  3. 原料カーボンブラックとして表面酸性基が0.1meq./g以上であるカーボンブラックを用いる請求項1又は2に記載のカーボンブラックの製造方法。
  4. 反応溶媒として、水または/及び親水性の有機溶媒を用いる請求項1〜3のいずれかに記載のカーボンブラックの製造方法。
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