JP3932847B2 - ORGANIC EL ELEMENT AND ITS MANUFACTURING METHOD, EL DISPLAY, ELECTRONIC DEVICE - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスプレイ、表示光源などに用いられる電気的発光素子である有機EL素子とその製造方法、及びELディスプレイ、電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶ディスプレイに替わる自発発光型ディスプレイとして、発光層に有機物を用いた有機EL(エレクトロルミネセンス)素子の開発が加速している。有機EL素子における有機物からなる発光層の形成プロセスとしては、Appl.Phys.Lett.51(12)、21 September 1987の913ページに示されているように低分子材料を蒸着法で成膜する方法と、 Appl.Phys.Lett.71(1)、7 July 1997の34ページから示されているように高分子材料を塗布する方法が主に開発されている。
【0003】
カラー化の手段としては、低分子系材料を用いる場合、所定パターンのマスク越しに異なる発光色の発光材料を所望の画素対応部分に蒸着し形成する方法が行われている。一方、高分子系材料を用いる場合には、微細かつ容易にパターニングができることから、インクジェット法を用いたカラー化が注目されている。インクジェット法による有機EL素子の作製については、例えば、特開平7−235378、特開平10−12377、特開平11−40358、特開平11−54270に開示されている。
また、有機EL素子では、発光効率、耐久性を向上させるために、正孔注入層または正孔輸送層を陽極と発光層との間に形成することが提示されている(Appl.Phys.Lett.51、21 September 1987の913ページ)。
【0004】
ところで、インクジェット法によって正孔注入層や発光層が形成される有機EL素子では、通常、各画素はそれぞれインクジェットヘッドの1つのノズルより吐出される1ドット分の幅を有したものとなっている。そして、このような画素として例えば図12に示すように発光色が赤となる画素Rと緑となる画素Gと、青となる画素Bとが、それぞれ同じ方向に配列するとともにそれぞれの列が規則的に多数配置されることにより、有機EL素子が形成される。
【0005】
このような画素R、G、Bの発光層をインクジェット法で形成するには、基板あるいはインクジェットヘッドを移動させることにより、図12に示したようにインクジェットヘッドHの一つのノズル孔Nから、RGBのうちの一つの画素一列分を吐出するようにする。また、全体としては、複数のノズルNから、同一色の画素複数列分を一度の走査で形成し、以下、同様にして他の色の画素についても形成するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、インクジェットヘッドHに設けられた複数のノズルNには、その位置などによってインクの供給経路が異なることなどにより吐出量にバラツキが生じることがある。例えば、図12中の画素R1の列に吐出を行うノズルN1と、画素R2の列に吐出を行うノズルN2との間で、吐出量に差が生じてしまうことがあるのである。
【0007】
しかし、その場合には、当然形成される発光層間で吐出量の差に応じて層厚に差が生じてしまい、これにより画素R1の列とR2の列とで発光の度合いにむらが生じてしまい、結果として表示品質が損なわれることになってしまう。また、このような傾向は他の色でも当然起こることから、このような方法で形成された有機EL素子では、全ての色が図12に示した基板の横方向(X方向)で、すなわち各列間でそれぞれ発光度にむらを生じてしまい、表示品質が低下したものとなってしまう。
【0008】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、インクジェットヘッドのノズル間での吐出量のバラツキに起因して起こる、表示品質の低下を軽減した有機EL素子とその製造方法、及びELディスプレイ、電子機器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明の有機EL素子の製造方法は、インクジェットヘッドのノズルから基板上に発光材料を吐出して複数色の発光層を形成し、これら発光層にそれぞれ対応させて多数の画素を縦横に形成する有機EL素子の製造方法であって、前記発光層のうちの少なくとも一つの色の発光層を形成する発光材料を、前記ノズルから第1の方向に断続的に吐出して複数の発光層からなる発光層の列を形成し、前記発光層のうちの他の色の発光層を形成する発光材料を、前記ノズルから第1の方向と略直交する第2の方向に断続的に吐出して複数の発光層からなる発光層の列を形成することを特徴としている。
【0010】
この有機EL素子の製造方法によれば、発光層のうちの少なくとも一つの色の発光層を形成する発光材料を、ノズルから第1の方向に断続的に吐出して複数の発光層からなる発光層の列を形成し、発光層のうちの他の色の発光層を形成する発光材料を、ノズルから第1の方向と略直交する第2の方向に断続的に吐出して複数の発光層からなる発光層の列を形成するので、インクジェットヘッドのノズル間での吐出量のバラツキに起因して吐出方向に形成される発光層の列間での発光むらを、発光層のうちの少なくとも一つの色と他の色とで略直交する方向に生じさせることができ、したがって発光むらの方向を一方向に偏らせないことにより全体としての表示品質の低下を軽減し、これの向上を図ることができる。
【0011】
また、前記有機EL素子の製造方法においては、前記発光層を赤、緑、青の三色に形成するとともに、これら発光層を形成する画素にそれぞれ正孔注入層または正孔輸送層を、これらの形成材料をインクジェットヘッドのノズルから吐出することによって形成するに際して、前記発光層のうちの一つの色と正孔注入層または正孔輸送層とを、それぞれの材料を第1の方向に吐出することによってそれぞれの列を形成し、前記発光層のうちの他の二つの色を、それぞれの材料を第2の方向に吐出することによってそれぞれの列を形成するのが好ましい。
このようにすれば、発光層のうちの一つの色の列と正孔注入層または正孔輸送層の列とが第1の方向に、また発光層のうちの他の二つの色の列が第2の方向に形成されるので、第1の方向の列間で生じる発光むらと第2の方向の列間で生じる発光むらとが確率的に言って共に同程度に起こると考えられ、したがって発光むらの方向の偏りを一層少なくして全体としての表示品質の低下を軽減し、これの向上を図ることができる。
【0012】
また、前記有機EL素子の製造方法においては、各画素に対応する単一の発光層を、形成する発光層の列方向に対して略直交して配列された複数のノズルから略同時に発光材料を吐出することにより、形成するのが好ましい。
このようにすれば、単一の発光層を複数のノズルから吐出することによって形成するので、単一の発光層を形成するノズルのグループ毎で比較した場合に、ノズル間での吐出量のバラツキがノズルのグループ間ではその吐出量のバラツキが平均化されることにより、発光層の列間での発光むらが少なくなり、したがって全体としての表示品質の向上を図ることができる。
【0013】
また、前記有機EL素子の製造方法においては、各画素に対応する単一の正孔注入層または正孔輸送層を、形成する正孔注入層または正孔輸送層の列方向に対して略直交して配列された複数のノズルから略同時にその材料を吐出することにより、形成するのが好ましい。
このようにすれば、単一の正孔注入層または正孔輸送層を複数のノズルから吐出することによって形成するので、単一の正孔注入層または正孔輸送層を形成するノズルのグループ毎で比較した場合に、ノズル間での吐出量のバラツキがノズルのグループ間ではその吐出量のバラツキが平均化されることにより、正孔注入層または正孔輸送層の列間での層厚のむらが少なくなり、したがってこの層厚のむらに起因する表示品質の低下を軽減することができる。
【0014】
また、前記有機EL素子の製造方法においては、インクジェトヘッドのノズルの列を、形成する発光層の列方向に対して所定量傾けた状態で吐出するのが好ましい。
このようにすれば、ノズル間の見かけ上の間隔を狭くすることにより、単一の発光層に対して吐出するノズルの数を増やすことができ、したがって前述したようにノズルのグループ間での吐出量のバラツキをより平均化して発光むらを少なくすることができる。
【0015】
また、前記有機EL素子の製造方法においては、インクジェトヘッドのノズルの列を、形成する正孔注入層または正孔輸送層の列方向に対して所定量傾けた状態で吐出するのが好ましい。
このようにすれば、ノズル間の見かけ上の間隔を狭くすることにより、単一の正孔注入層または正孔輸送層に対して吐出するノズルの数を増やすことができ、したがって前述したようにノズルのグループ間での吐出量のバラツキをより平均化して得られる正孔注入層または正孔輸送層の層厚のむらを少なくすることができる。
【0016】
また、前記有機EL素子の製造方法においては、前記基板上に予め画素間を隔てる隔壁を形成しておき、該隔壁内に前記発光材料を吐出して発光層を形成するのが好ましい。
このようにすれば、吐出した際、各材料の着弾位置に少々バラツキがあっても、隔壁内に着弾すれば所望の位置に発光層等を形成することができ、したがって発光層等からなる画素をそれぞれ所望位置に形成することにより、表示品質を高めることができる。
なお、この隔壁の少なくとも頂面については、インクジェットヘッドから吐出される液体材料に対して30°以上の接触角を持つのが好ましい。
このようにすれば、発光層等が隔壁を越えて隣の画素に流れ出てしまうのを防ぐことができる。
【0017】
本発明の有機EL素子は、前記の製造方法によって得られてなることを特徴としている。
この有機EL素子によれば、前記の製造方法によって得られてなることにより、表示品質の高いものとなる。
【0018】
本発明のELディスプレイは、前記有機EL素子を用いてなることを特徴としている。
このELディスプレイによれば、前記有機EL素子を用いてなることにより高い表示品質を有するものとなる。
【0019】
本発明の電子機器は、前記ELディスプレイを表示手段として備えてなることを特徴としている。
この電子機器によれば、前記ELディスプレイを用いてなることにより高い表示品質を有するものとなる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
まず、本発明の製造方法が適用されることによって得られる本発明の有機EL素子を備えたELディスプレイについて、その概略構成を説明する。
図1、図2は本発明のELディスプレイをアクティブマトリクス型のディスプレイに適用した場合の一例を示すもので、これらの図において符号1はELディスプレイである。
【0021】
このELディスプレイ1は、回路図である図1に示すように透明の表示基板上に、複数の走査線131と、これら走査線131に対して交差する方向に延びる複数の信号線132と、これら信号線132に並列に延びる複数の共通給電線133とがそれぞれ配線されたもので、走査線131及び信号線132の各交点毎に、画素(画素領域素)1Aが設けられて構成されたものである。
【0022】
信号線132に対しては、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン、アナログスイッチを備えるデータ側駆動回路3が設けられている。
一方、走査線131に対しては、シフトレジスタ及びレベルシフタを備える走査側駆動回路4が設けられている。また、画素領域1Aの各々には、走査線131を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング薄膜トランジスタ142と、このスイッチング薄膜トランジスタ142を介して信号線132から供給される画像信号を保持する保持容量capと、保持容量capによって保持された画像信号がゲート電極に供給されるカレント薄膜トランジスタ143と、このカレント薄膜トランジスタ143を介して共通給電線133に電気的に接続したときに共通給電線133から駆動電流が流れ込む画素電極141と、この画素電極141と反射電極154との間に挟み込まれる発光部140と、が設けられている。
【0023】
このような構成のもとに、走査線131が駆動されてスイッチング薄膜トランジスタ142がオンとなると、そのときの信号線132の電位が保持容量capに保持され、該保持容量capの状態に応じて、カレント薄膜トランジスタ143のオン・オフ状態が決まる。そして、カレント薄膜トランジスタ143のチャネルを介して共通給電線133から画素電極141に電流が流れ、さらに発光部140を通じて反射電極154に電流が流れることにより、発光部140は、これを流れる電流量に応じて発光するようになる。
【0024】
ここで、各画素1Aの平面構造は、反射電極や有機EL素子を取り除いた状態での拡大平面図である図2に示すように、平面形状が長方形の画素電極141の四辺が、信号線132、共通給電線133、走査線131及び図示しない他の画素電極用の走査線によって囲まれた配置となっている。
【0025】
次に、このようなELディスプレイ1に備えられる有機EL素子の製造方法について、図3〜図5を用いて説明する。なお、図3〜図5では、説明を簡略化するべく、単一の画素1Aについてのみ図示する。
まず、基板を用意する。ここで、有機EL素子では後述する発光層による発光光を基板側から取り出すことも可能であり、また基板と反対側から取り出す構成とすることも可能である。発光光を基板側から取り出す構成とする場合、基板材料としてはガラスや石英、樹脂等の透明ないし半透明なものが用いられるが、特に安価なソーダガラスが好適に用いられる。ソーダガラスを用いた場合、これにシリカコートを施すのが、酸アルカリに弱いソーダガラスを保護する効果を有し、さらに基板の平坦性をよくする効果も有するため好ましい。
また、基板に色フィルター膜や蛍光性物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜を配置して、発光色を制御するようにしてもよい。
また、基板と反対側から発光光を取り出す構成の場合、基板は不透明であってもよく、その場合、アルミナ等のセラミックス、ステンレス等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したもの、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。
【0026】
本例では、基板として図3(a)に示すようにソーダガラス等からなる透明基板121を用意する。そして、これに対し、必要に応じてTEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガスなどを原料としてプラズマCVD法により厚さ約200〜500nmのシリコン酸化膜からなる下地保護膜(図示せず)を形成する。
【0027】
次に、透明基板121の温度を約350℃に設定して、下地保護膜の表面にプラズマCVD法により厚さ約30〜70nmのアモルファスシリコン膜からなる半導体膜200を形成する。次いで、この半導体膜200に対してレーザアニールまたは固相成長法などの結晶化工程を行い、半導体膜200をポリシリコン膜に結晶化する。レーザアニール法では、例えばエキシマレーザでビームの長寸が400mmのラインビームを用い、その出力強度は例えば200mJ/cm2 とする。ラインビームについては、その短寸方向におけるレーザ強度のピーク値の90%に相当する部分が各領域毎に重なるようにラインビームを走査する。
【0028】
次いで、図3(b)に示すように、半導体膜(ポリシリコン膜)200をパターニングして島状の半導体膜210とし、その表面に対して、TEOSや酸素ガスなどを原料としてプラズマCVD法により厚さ約60〜150nmのシリコン酸化膜または窒化膜からなるゲート絶縁膜220を形成する。なお、半導体膜210は、図2に示したカレント薄膜トランジスタ143のチャネル領域及びソース・ドレイン領域となるものであるが、異なる断面位置においてはスイッチング薄膜トランジスタ142のチャネル領域及びソース・ドレイン領域となる半導体膜も形成されている。つまり、図3〜図5に示す製造工程では二種類のトランジスタ142、143が同時に作られるのであるが、同じ手順で作られるため、以下の説明ではトランジスタに関しては、カレント薄膜トランジスタ143についてのみ説明し、スイッチング薄膜トランジスタ142についてはその説明を省略する。
【0029】
次いで、図3(c)に示すように、アルミニウム、タンタル、モリブデン、チタン、タングステンなどの金属膜からなる導電膜をスパッタ法により形成した後、これをパターニングし、ゲート電極143Aを形成する。
次いで、この状態で高濃度のリンイオンを打ち込み、半導体膜210に、ゲート電極143Aに対して自己整合的にソース・ドレイン領域143a、143bを形成する。なお、不純物が導入されなかった部分がチャネル領域143cとなる。
【0030】
次いで、図3(d)に示すように、層間絶縁膜230を形成した後、コンタクトホール232、234を形成し、これらコンタクトホール232、234内に中継電極236、238を埋め込む。
次いで、図3(e)に示すように、層間絶縁膜230上に、信号線132、共通給電線133及び走査線(図3に示さず)を形成する。ここで、中継電極238と各配線とは、同一工程で形成されていてもよい。このとき、中継電極236は、後述するITO膜により形成されることになる。
【0031】
そして、各配線の上面をも覆うように層間絶縁膜240を形成し、中継電極236に対応する位置にコンタクトホール(図示せず)を形成し、そのコンタクトホール内にも埋め込まれるようにITO膜を形成し、さらにそのITO膜をパターニングして、信号線132、共通給電線133及び走査線(図示せず)に囲まれた所定位置に、ソース・ドレイン領域143aに電気的に接続する画素電極141を形成する。ここで、信号線132及び共通給電線133、さらには走査線(図示せず)に挟まれた部分が、後述するように正孔注入層や発光層の形成場所となっている。
【0032】
次いで、図4(a)に示すように、前記の形成場所を囲むように隔壁150を形成する。この隔壁150は仕切部材として機能するものであり、例えばポリイミド等の絶縁性有機材料で形成するのが好ましい。隔壁150の膜厚については、例えば1〜2μmの高さとなるように形成する。また、隔壁150は、インクジェットヘッド10から吐出される液体に対して撥インク性を示すものが好ましく、具体的には、インク(インクジェットヘッド10から吐出される液体)の該隔壁150に対する接触角が30°以上となるものであるのが好ましい。
隔壁150に撥インク性を発現させるためには、例えば隔壁150の表面をフッ素系化合物などで表面処理するといった方法が採用される。フッ素化合物としては、例えばCF4 、SF5 、CHF3 などがあり、表面処理としては、例えばプラズマ処理、UV照射処理などが挙げられる。
そして、このような構成のもとに、正孔注入層や発光層の形成場所、すなわちこれらの形成材料の塗布位置とその周囲の隔壁150との間には、十分な高さの段差111が形成されているのである。
【0033】
次いで、図4(b)に示すように、表示基板121の上面を上に向けた状態で、インクジェットヘッド法によって正孔注入層の形成材料をインクジェットヘッド10より、前記隔壁150に囲まれた塗布位置に選択的に塗布する。
ここで、インクジェットヘッド10は、図6(a)に示すように例えばステンレス製のノズルプレート12と振動板13とを備え、両者を仕切部材(リザーバプレート)14を介して接合したものである。ノズルプレート12と振動板13との間には、仕切部材14によって複数の空間15と液溜まり16とが形成されている。各空間15と液溜まり16の内部はインクで満たされており、各空間15と液溜まり16とは供給口17を介して連通したものとなっている。また、ノズルプレート12には、空間15からインクを噴射するためのノズル孔18が一列に配列された状態で複数形成されている。一方、振動板13には、液溜まり16にインクを供給するための孔19が形成されている。
【0034】
また、振動板13の空間15に対向する面と反対側の面上には、図6(b)に示すように圧電素子(ピエゾ素子)20が接合されている。この圧電素子20は、一対の電極21の間に位置し、通電するとこれが外側に突出するようにして撓曲するよう構成されたものである。そして、このような構成のもとに圧電素子20が接合されている振動板13は、圧電素子20と一体になって同時に外側へ撓曲するようになっており、これによって空間15の容積が増大するようになっている。したがって、空間15内に増大した容積分に相当するインクが、液溜まり16から供給口17を介して流入する。また、このような状態から圧電素子20への通電を解除すると、圧電素子20と振動板13はともに元の形状に戻る。したがって、空間15も元の容積に戻ることから、空間15内部のインクの圧力が上昇し、ノズル孔18から基板に向けてインクの液滴22が吐出される。
なお、インクジェットヘッド10のインクジェット方式としては、前記の圧電素子20を用いたピエゾジェットタイプ以外の方式でもよく、例えば、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いた、熱エネルギーを利用してインクを吐出するヘッド等の方式を採用してもよい。
【0035】
このような構成のインクジェットヘッド10を用いて、本例では図4(b)に示したように隔壁150内に正孔注入層の形成材料をインクとして塗布する。
正孔注入層の形成材料としては、ポリマー前駆体がポリテトラヒドロチオフェニルフェニレンであるポリフェニレンビニレン、1,1−ビス−(4−N,N−ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサン、トリス(8−ヒドロキシキノリノール)アルミニウム等が挙げられる。
このとき、液状の形成材料114Aは、流動性が高いため水平方向に広がろうとするが、塗布された位置を囲んで隔壁150が形成されているので、形成材料114Aは隔壁150を越えてその外側に広がることが防止されている。
【0036】
なお、このようなインクジェットヘッド10のノズル孔18からの、形成材料114Aの吐出による正孔注入層の形成は、後述するように透明基板121のX方向に沿って、この方向に配列された画素1A毎に順次なされるようになっている。また、このような正孔注入層の形成材料の吐出については、基本的に全ての画素に対して行うことから、インクジェットヘッド10に配列された複数のノズル孔18のうち、各画素1Aに対応するノズル孔18は全て、略同時に吐出をなすようになっている。
【0037】
次いで、図4(c)に示すように加熱あるいは光照射により液状の前駆体114Aの溶媒を蒸発させて、画素電極141上に、固形の正孔注入層140Aを形成する。
次いで、図5(a)に示すように、表示基板121の上面を上に向けた状態で、インクジェットヘッド10よりインクとして発光層の形成材料(発光材料)114Bを前記隔壁150内の正孔注入層140A上に選択的に塗布する。
【0038】
発光層の形成材料としては、例えば共役系高分子有機化合物の前駆体と、得られる発光層の発光特性を変化させるための蛍光色素とを含んでなるものが好適に用いられる。
共役系高分子有機化合物の前駆体は、蛍光色素等とともにインクジェットヘッド10から吐出されて薄膜に成形された後、例えば以下の式(I)に示すように加熱硬化されることによって共役系高分子有機EL層となる発光層を生成し得るものをいい、例えば前駆体のスルホニウム塩の場合、加熱処理されることによりスルホニウム基が脱離し、共役系高分子有機化合物となるもの等である。
【0039】
【化1】
【0040】
このような共役系高分子有機化合物は固体で強い蛍光を持ち、均質な固体超薄膜を形成することができる。しかも形成能に富みITO電極との密着性も高い。さらに、このような化合物の前駆体は、硬化した後は強固な共役系高分子膜を形成することから、加熱硬化前においては前駆体溶液を後述するインクジェットパターニングに適用可能な所望の粘度に調整することができ、簡便かつ短時間で最適条件の膜形成を行うことができる。
【0041】
このような前駆体としては、例えばPPV(ポリ(パラ−フェニレンビニレン))またはその誘導体の前駆体が好ましい。PPVまたはその誘導体の前駆体は、水あるいは有機溶媒に可溶であり、また、ポリマー化が可能であるため光学的にも高品質の薄膜を得ることができる。さらに、PPVは強い蛍光を持ち、また二重結合のπ電子がポリマー鎖上で非極在化している導電性高分子でもあるため、高性能の有機EL素子を得ることができる。
【0042】
このようなPPVまたはPPV誘導体の前駆体として、例えば化学式(II)に示すような、PPV(ポリ(パラ−フェニレンビニレン))前駆体、MO−PPV(ポリ(2,5−ジメトキシ−1,4−フェニレンビニレン))前駆体、CN−PPV(ポリ(2,5−ビスヘキシルオキシ−1,4−フェニレン−(1−シアノビニレン)))前駆体、MEH−PPV(ポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキシルオキシ)]−パラ−フェニレンビニレン)前駆体等が挙げられる。
【0043】
【化2】
【0044】
PPVまたはPPV誘導体の前駆体は、前述したように水に可溶であり、成膜後の加熱により高分子化してPPV層を形成する。前記PPV前駆体に代表される前駆体の含有量は、組成物全体に対して0.01〜10.0wt%が好ましく、0.1〜5.0wt%がさらに好ましい。前駆体の添加量が少な過ぎると共役系高分子膜を形成するのに不十分であり、多過ぎると組成物の粘度が高くなり、インクジェット法による精度の高いパターニングに適さない場合がある。
【0045】
さらに、発光層の形成材料としては、少なくとも1種の蛍光色素を含むのが好ましい。これにより、発光層の発光特性を変化させることができ、例えば、発光層の発光効率の向上、または光吸収極大波長(発光色)を変えるための手段としても有効である。すなわち、蛍光色素は単に発光層材料としてではなく、発光機能そのものを担う色素材料として利用することができる。例えば、共役系高分子有機化合物分子上のキャリア再結合で生成したエキシトンのエネルギーをほとんど蛍光色素分子上に移すことができる。この場合、発光は蛍光量子効率が高い蛍光色素分子からのみ起こるため、発光層の電流量子効率も増加する。したがって、発光層の形成材料中に蛍光色素を加えることにより、同時に発光層の発光スペクトルも蛍光分子のものとなるので、発光色を変えるための手段としても有効となる。
【0046】
なお、ここでいう電流量子効率とは、発光機能に基づいて発光性能を考察するための尺度であって、下記式により定義される。
ηE =放出されるフォトンのエネルギー/入力電気エネルギー
そして、蛍光色素のドープによる光吸収極大波長の変換によって、例えば赤、青、緑の3原色を発光させることができ、その結果フルカラー表示体を得ることが可能となる。
さらに蛍光色素をドーピングすることにより、EL素子の発光効率を大幅に向上させることができる。
【0047】
蛍光色素としては、赤色の発色光を発光する発光層を形成する場合、赤色の発色光を有するローダミンまたはローダミン誘導体を用いるのが好ましい。これらの蛍光色素は、低分子であるため水溶液に可溶であり、またPPVと相溶性がよく、均一で安定した発光層の形成が容易である。このような蛍光色素として具体的には、ローダミンB、ローダミンBベース、ローダミン6G、ローダミン101過塩素酸塩等が挙げられ、これらを2種以上混合したものであってもよい。
【0048】
また、緑色の発色光を発光する発光層を形成する場合、緑色の発色光を有するキナクリドンおよびその誘導体を用いるのが好ましい。これらの蛍光色素は前記赤色蛍光色素と同様、低分子であるため水溶液に可溶であり、またPPVと相溶性がよく発光層の形成が容易である。
【0049】
さらに、青色の発色光を発光する発光層を形成する場合、青色の発色光を有するジスチリルビフェニルおよびその誘導体を用いるのが好ましい。これらの蛍光色素は前記赤色蛍光色素と同様、低分子であるため水・アルコール混合溶液に可溶であり、またPPVと相溶性がよく発光層の形成が容易である。
【0050】
また、青色の発色光を有する他の蛍光色素としては、クマリンおよびその誘導体を挙げることができる。これらの蛍光色素は、前記赤色蛍光色素と同様、低分子であるため水溶液に可溶であり、またPPVと相溶性がよく発光層の形成が容易である。このような蛍光色素として具体的には、クマリン、クマリン−1、クマリン−6、クマリン−7、クマリン120、クマリン138、クマリン152、クマリン153、クマリン311、クマリン314、クマリン334、クマリン337、クマリン343等が挙げられる。
【0051】
さらに、別の青色の発色光を有する蛍光色素としては、テトラフェニルブタジエン(TPB)またはTPB誘導体を挙げることができる。これらの蛍光色素は、前記赤色蛍光色素等と同様、低分子であるため水溶液に可溶であり、またPPVと相溶性がよく発光層の形成が容易である。
以上の蛍光色素については、各色ともに1種のみを用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。
【0052】
これらの蛍光色素については、前記共役系高分子有機化合物の前駆体固型分に対し、0.5〜10wt%添加するのが好ましく、1.0〜5.0wt%添加するのがより好ましい。蛍光色素の添加量が多過ぎると発光層の耐候性および耐久性の維持が困難となり、一方、添加量が少な過ぎると、前述したような蛍光色素を加えることによる効果が十分に得られないからである。
【0053】
また、前記前駆体および蛍光色素については、極性溶媒に溶解または分散させてインクとし、このインクをインクジェットヘッド10から吐出するのが好ましい。極性溶媒は、前記前駆体、蛍光色素等を容易に溶解または均一に分散させることができるため、インクジェットヘッド10のノズル孔18での発光層形成材料中の固型分が付着したり目詰りを起こすのを防止することができる。
【0054】
このような極性溶媒として具体的には、水、メタノール、エタノール等の水と相溶性のあるアルコール、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルイミダゾリン(DMI)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の有機溶媒または無機溶媒が挙げられ、これらの溶媒を2種以上適宜混合したものであってもよい。
【0055】
さらに、前記形成材料中に湿潤剤を添加しておくのが好ましい。これにより、形成材料がインクジェットヘッド10のノズル孔18で乾燥・凝固することを有効に防止することができる。かかる湿潤剤としては、例えばグリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールが挙げられ、これらを2種以上混合したものであってもよい。この湿潤剤の添加量としては、形成材料の全体量に対し、5〜20wt%程度とするのが好ましい。
なお、その他の添加剤、被膜安定化材料を添加してもよく、例えば、安定剤、、粘度調整剤、老化防止剤、pH調整剤、防腐剤、樹脂エマルジョン、レベリング剤等を用いることができる。
【0056】
このような発光層の形成材料114Bをインクジェットヘッド10のノズル孔18から吐出すると、形成材料114Aは隔壁150内の正孔注入層140A上に塗布される。
ここで、形成材料114Aの吐出による発光層の形成は、赤色の発色光を発光する発光層の形成材料、緑色の発色光を発光する発光層の形成材料、青色の発色光を発光する発光層の形成材料を、それぞれ対応する画素1Aに吐出し塗布することによって行う。なお、各色に対応する画素1Aは、これらが規則的な配置となるように予め決められている。
【0057】
各色の発光層形成のための、形成材料の吐出例について、図7(a)〜(c)を参照して説明する。
この例では、前述したように予め前記の正孔注入層140Aが、図7(b)に示すように透明基板121のX方向、すなわち図7(b)中の矢印に示す方向にインクジェットヘッド10と透明基板121とが相対的に移動させられたことにより、全ての画素1Aに形成されているものとする。なお、インクジェットヘッド10にはノズル孔18が、X方向と略直交する方向、すなわちY方向に配列されており、したがってX方向に並列している各画素列は、それぞれインクジェットヘッド10のうちの対応する同じノズル孔18から各画素1A毎に断続的なインクの吐出がなされることにより、正孔注入層140Aを形成したものとなっている。
【0058】
このようにして正孔注入層140Aが形成された各画素1Aに、前述したようにして発光層の形成材料を吐出し塗布するが、その際、本発明では、前記発光層形成材料のうちの一つの色(本例では緑色)の発光層形成材料を、正孔注入層140Aの場合と同様にX方向に断続的に吐出し塗布する。
また、残りの赤色及び青色の発光層形成材料については、X方向と略直交するY方向に断続的に吐出し塗布する。
【0059】
すなわち、まず図7(a)に示すように透明基板121のY方向に、赤色の発光層の形成材料を断続的に吐出し、Y方向に配列された画素1Aのうち予め赤色の発光層を形成するように設定されている画素(R1、R2、R3)に形成材料を塗布する。ここで、インクジェットヘッド10にはノズル孔18が、Y方向と略直交する方向、すなわちX方向に配列されており、したがってY方向に並列している各画素列は、それぞれインクジェットヘッド10のうちの対応する同じノズル孔18から各画素1A毎に断続的なインクの吐出がなされることにより、赤色の発光層の形成材料が塗布されたものとなっている。なお、Y方向に並列されたこれら画素列については、その複数の列(図7(a)では3列)がインクジェットヘッド10による一回の走査により同時に形成されるようになっている。
【0060】
また、この赤色発光層の形成材料の吐出については、前述した正孔注入層140Aの形成材料の吐出(図7(b)参照)に対して90°傾いた方向で行うようにしているが、このような吐出方向の変更については、透明基板121を載置した基板ステージ(図示せず)を回転させるか、あるいはインクジェットヘッド10を90°回転させることによって行う。すなわち、これによって図7(b)に示した正孔注入層の形成の際の状態から、図7(a)に示した赤色発光層形成の状態に移行させているのである。
【0061】
このようにして赤色発光層の形成材料を塗布したら、続いて緑色発光層の形成材料を吐出するべく、再度基板ステージあるいはインクジェットヘッド10を回転させて、図7(b)に示したようにインクジェットヘッド10をそのノズル孔18の列が透明基板121のY方向となるように相対的位置関係をセットする。そして、この状態のもとで緑色の発光層形成材料を透明基板121のX方向に断続的に吐出し、X方向に配列された画素1Aのうち予め緑色の発光層を形成するように設定されている画素(G1、G2、G3、G4)に形成材料を塗布する。ここで、X方向に配列された画素1Aは、図7(a)に示したようなY方向に形成された画素列と異なり、列を構成する全ての画素1Aが同一色の発光層を形成する画素とはなっておらず、複数個毎、本例では3個の画素毎に1個の緑色の発光層を形成する画素(G1、G2、G3、G4)となっている。したがって、インクジェットヘッド10からの断続的な吐出を行う際には、先の赤色発光層形成の場合とは異なり、吐出間隔をその分長くして行う必要がある。
【0062】
このようにして緑色発光層の形成材料を塗布したら、続いて青色発光層の形成材料を吐出するべく、基板ステージあるいはインクジェットヘッド10を再度回転させて、図7(c)に示したようにインクジェットヘッド10をそのノズル孔18の列が透明基板121のX方向となるようにセットする。そして、この状態のもとで青色の発光層形成材料を透明基板121のX方向に断続的に吐出し、Y方向に配列された画素1Aのうち予め青色の発光層を形成するように設定されている画素(B1、B2、B3)に形成材料を塗布する。
【0063】
このようにして正孔注入層140Aを形成し、さらに各色の発光層形成材料を吐出塗布すると、同じノズル孔18からの吐出によりその吐出方向に形成された画素列は、発光層のうちの緑色の画素列と正孔注入層140Aの画素列とが透明基板121のX方向に、また発光層のうちの赤色の画素列と青色の画素列とがY方向に形成されることになる。すると、X方向の列間で生じる発光むらとY方向の列間で生じる発光むらとが確率的に言って共に同程度に起こると考えられることから、正孔注入層140Aと赤色、緑色、青色の全て色の発光層とを同一の吐出方向で形成し、したがって各色の発光度のむらが同一の方向に生じる場合に比べ、発光むらとして視認される方向がX方向とY方向に分散され、これにより発光むらの偏りが少なくなる。
【0064】
このようにして各色の発光層形成材料を吐出し塗布したら、発光層形成材料114B中の溶媒を蒸発させることにより、図5(b)に示すように正孔層注入層140A上に固形の発光層140Bを形成し、これにより正孔層注入層140Aと発光層140Bとからなる発光部140を得る。ここで、発光層形成材料114B中の溶媒の蒸発については、必要に応じて加熱あるいは減圧等の処理を行うが、発光層の形成材料は通常乾燥性が良好で速乾性であることから、特にこのような処理を行うことなく、したがって各色の発光層形成材料を順次吐出塗布することにより、その塗布順に各色の発光層140Bを形成することができる。
その後、図5(c)に示すように、透明基板121の表面全体に、あるいはストライプ状に反射電極154を形成し、有機EL素子を得る。
【0065】
このように、本例の有機EL素子の製造方法にあっては、発光層のうちの緑色の画素列と正孔注入層140Aの画素列とを透明基板121のX方向に、また発光層のうちの赤色の画素列と青色の画素列とをY方向に形成しているので、正孔注入層140Aと赤色、緑色、青色の全て色の発光層とを同一の吐出方向で形成し、したがって各色の発光度のむらが同一の方向に生じる場合に比べ、発光むらとして視認される方向をX方向とY方向に分散することができ、これにより発光むらの偏りを少なくして全体としての表示品質の低下を軽減し、これの向上を図ることができる。
【0066】
また、透明基板121上に予め隔壁150を形成しておき、該隔壁150内に正孔注入層の形成材料や発光層の形成材料を吐出し塗布しているので、吐出した際、各材料の着弾位置に少々バラツキがあっても、隔壁150内に着弾すれば所望の位置に発光層等を形成することができ、したがって発光層等からなる画素をそれぞれ所望位置に形成することにより、表示品質を高めることができる。
【0067】
また、このようにして得られた有機EL素子にあっては、前記の製造方法によって得られてなることにより発光むらの偏りが少ないものとなることから、全体としての表示品質の低下が軽減され、表示品質の向上されたものとなる。
さらに、この有機EL素子を用いてなるELディスプレイにあっても、高い表示品質を有するものとなる。
【0068】
次に、本発明の有機EL素子の製造方法の他の例について説明する。
この例が先の例と異なるところは、インクジェット法で正孔注入層140A及び発光層140Bを形成する際に、単一の画素に対する各形成材料の吐出を、単一のノズル孔18からでなく、複数のノズル孔18から行う点にある。
すなわち、本例では、図8(a)〜(c)に示すように、一列に配列されたノズル孔18間の間隔が図7(a)〜(c)に示したものに比べ狭いインクジェットヘッド10Aを用意し、これを用いて正孔注入層140A及び発光層140Bの形成材料を吐出するようにしている。
【0069】
このインクジェットヘッド10Aによって正孔注入層140A及び発光層140Bを形成するには、まず、図8(b)に示すようにインクジェットヘッド10Aを、そのノズル孔18の列が透明基板121のY方向となるようにセットし、その状態から図8(b)中の矢印に示す方向にインクジェットヘッド10Aと透明基板121とをX方向に相対的に移動させ、これによって全ての画素1Aに正孔注入層の形成材料を吐出し塗布する。このとき、インクジェットヘッド10Aは前述したようにノズル孔18間の間隔が狭いことにより、単一の画素1Aに対する正孔注入層形成材料の吐出が、単一のノズル孔18からでなく、複数のノズル孔18(本例では二つのノズル孔18)から同時になされる。そして、先の例と同様にして塗布した形成材料から正孔注入層140Aを形成する。
【0070】
このように、単一のノズル孔18からでなく複数のノズル孔18から単一の画素1Aに対して同時に吐出を行うことにより、この画素1Aに吐出された形成材料の量は、ここへの吐出を行った複数のノズル孔18間のバラツキが平均化された量となる。したがって、単一の正孔注入層140Aを形成するノズル孔18のグループ毎で比較した場合に、そのグループ間での吐出量のバラツキも平均化されることになる。
【0071】
このようにして正孔注入層140Aを形成したら、先の例と同様にして発光層の形成材料を吐出し塗布する。
すなわち、まず図8(a)に示すように透明基板121のY方向に、赤色の発光層の形成材料を断続的に吐出し、Y方向に配列された画素1Aのうち予め赤色の発光層を形成するように設定されている画素(R1、R2、R3)に形成材料を塗布する。この場合にも、正孔注入層の形成材料の場合と同様に、単一の画素1Aに対する赤色発光層形成材料の吐出を、単一のノズル孔18からでなく複数のノズル孔18(本例では二つのノズル孔18)から同時に行う。なお、Y方向に並列されたこれら画素列については、先の例と同様に、その複数の列(図8(a)では3列)がインクジェットヘッド10Aによる一回の走査により同時に形成されるようになっている。
【0072】
このようにして赤色発光層の形成材料を塗布したら、続いて緑色発光層の形成材料を吐出するべく、図8(b)に示したようにインクジェットヘッド10Aをそのノズル孔18の列が透明基板121のY方向となるようにセットする。そして、この状態のもとで先の例と同様にして緑色の発光層形成材料を透明基板121のX方向に断続的に吐出し、X方向に配列された画素1Aのうち予め緑色の発光層を形成するように設定されている画素(G1、G2、G3、G4)に形成材料を塗布する。この場合にも、赤色発光層の形成材料の場合と同様に、単一の画素1Aに対する緑色発光層形成材料の吐出を、単一のノズル孔18からでなく複数のノズル孔18(本例では二つのノズル孔18)から同時に行う。なお、インクジェットヘッド10からの断続的な吐出を行う際には、先の例と同様に、赤色発光層形成の場合よりその吐出間隔を長くして行う。
【0073】
このようにして緑色発光層の形成材料を塗布したら、続いて青色発光層の形成材料を吐出するべく、図8(c)に示したようにインクジェットヘッド10Aをそのノズル孔18の列が透明基板121のX方向となるようにセットする。そして、この状態のもとで青色の発光層形成材料を透明基板121のX方向に断続的に吐出し、Y方向に配列された画素1Aのうち予め青色の発光層を形成するように設定されている画素(B1、B2、B3)に形成材料を塗布する。この場合にも、赤色発光層の形成材料の場合と同様に、単一の画素1Aに対する青色発光層形成材料の吐出を、単一のノズル孔18からでなく複数のノズル孔18(本例では二つのノズル孔18)から同時に行う。
【0074】
このような発光層形成材料の吐出に際しても、単一のノズル孔18からでなく複数のノズル孔18から単一の画素1Aに対して同時に吐出を行うことにより、この画素1Aに吐出された形成材料の量を、ここへの吐出を行った複数のノズル孔18間のバラツキが平均化された量とすることができる。したがって、単一の正孔注入層140Aを形成するノズル孔18のグループ毎で比較した場合に、そのグループ間での吐出量のバラツキも平均化されることになる。
【0075】
そして、このように正孔注入層140A及び各色の発光層140Bについて、いずれも単一の画素1Aに対して複数のノズル孔18から同時に吐出するようにしているので、ノズル孔18のグループ間での吐出量のバラツキも平均化されることにより、全体としての表示品質の向上を図ることができる。
また、発光層のうちの緑色の画素列と正孔注入層140Aの画素列とを透明基板121のX方向に、また発光層のうちの赤色の画素列と青色の画素列とをY方向に形成しているので、正孔注入層140Aと赤色、緑色、青色の全て色の発光層とを同一の吐出方向で形成し、したがって各色の発光度のむらが同一の方向に生じる場合に比べ、発光むらとして視認される方向をX方向とY方向に分散することができ、これにより発光むらの偏りを少なくして全体としての表示品質の低下を軽減し、これの向上を図ることができる。
【0076】
なお、図8(a)〜(c)に示した例のごとく、単一の画素に対して複数のノズル孔18から吐出を行う場合、図9に示すようにインクジェットヘッド10Aを、正孔注入層や発光層を形成する画素1Aの列方向に対して所定量(例えば図9中の角度θ)傾けた状態で吐出するようにしてもよい。このようにしてインクジェットヘッド10Aを所定量傾け、ノズル孔18の配列方向と移動方向(例えばX軸方向)との傾きを角度θとすれば、ノズル孔18間の実際のピッチDよりも見かけ上のピッチEを狭くすることができ、これにより単一の画素1Aに対して複数のノズル孔18から略同時に吐出を行わせることができるようになる。
このようにしてノズル孔18間の見かけ上の間隔を狭くするようにすれば、単一の画素1Aに対して吐出するノズル孔18の数を増やすことができ、したがって前述したようにノズル孔18のグループ間での吐出量のバラツキをより平均化して、発光むらを一層少なくすることができる。
【0077】
また、前記例では、画素1A…の配列を図10(a)に示すようにストライプ状としたが、図10(b)に示すようなモザイク状の配列や、図10(c)に示すようなデルタ状の配列などにおいても、同様の効果を得ることができる。
また、前記例では発光層140Bの下層として正孔注入層140Aを形成したが、本発明はこれに限定されることなく、例えばこの正孔注入層に代えて正孔輸送層を形成するようにしてもよい。この正孔輸送層の形成材料としては特に限定されないものの、例えばピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体等が用いられる。
【0078】
また、前記例では画素1A間を隔てる隔壁150を、ポリイミド材料とその表面を撥インク処理することによって形成したが、本発明はこれに限定されることなく、例えば樹脂ブラックレジストなどによって隔壁を形成してもよく、さらには隔壁を設けることなく正孔注入層や発光層を形成するようにしてもよい。
【0079】
次に、前記例の有機EL素子を用いたELディスプレイが備えられた電子機器の具体例について説明する。
図11(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図11(a)において、500は携帯電話本体を示し、501は図1、図2に示したELディスプレイを備えたEL表示部(表示手段)を示している。
図11(b)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図11(b)において、600は情報処理装置、601はキーボードなどの入力部、603は情報処理本体、602は前記の図1、図2に示したELディスプレイを備えたEL表示部(表示手段)を示している。
図11(c)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図11(c)において、700は時計本体を示し、701は前記の図1、図2に示したELディスプレイを備えたEL表示部(表示手段)を示している。
図11(a)〜(c)に示す電子機器は、前記ELディスプレイが備えられたものであるので、優れた表示品質が得られる表示手段を備えた電子機器となる。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の有機EL素子の製造方法によれば、発光層のうちの少なくとも一つの色の発光層を形成する発光材料を、ノズルから第1の方向(例えばX方向)に断続的に吐出して複数の発光層からなる発光層の列を形成し、発光層のうちの他の色の発光層を形成する発光材料を、ノズルから第1の方向と略直交する第2の方向(例えばY方向)に断続的に吐出して複数の発光層からなる発光層の列を形成するので、インクジェットヘッドのノズル間での吐出量のバラツキに起因して吐出方向に形成される発光層の列間での発光むらを、発光層のうちの少なくとも一つの色と他の色とで略直交する方向に生じさせることができ、したがって発光むらの方向を一方向に偏らせないことにより全体としての表示品質の低下を軽減し、これの向上を図ることができる。
【0081】
本発明の有機EL素子によれば、前記の製造方法によって得られてなることにより、表示品質の高いものとなる。
本発明のELディスプレイによれば、前記有機EL素子を用いてなることにより高い表示品質を有するものとなる。
本発明の電子機器によれば、前記ELディスプレイを用いてなることにより高い表示品質を有するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のELディスプレイの配置部を示す回路図である。
【図2】 画素部の平面構造を示す拡大平面図である。
【図3】 (a)〜(e)は本発明の有機EL素子の製造方法を工程順に説明するための要部側断面図である。
【図4】 (a)〜(c)は図3に続く工程を順に説明するための要部側断面図である。
【図5】 (a)〜(c)は図4に続く工程を順に説明するための要部側断面図である。
【図6】 インクジェットヘッドの概略構成を説明するための図であり、(a)は要部斜視図、(b)は要部側断面図である。
【図7】 (a)〜(c)はインクジェットヘッドのノズル孔から発光層の形成材料を吐出する工程の一例を順に説明するための模式図である。
【図8】 (a)〜(c)はインクジェットヘッドのノズル孔から発光層の形成材料を吐出する工程の他の例を順に説明するための模式図である。
【図9】 インクジェットヘッドを所定量傾けた状態で吐出する例を説明するための模式図である。
【図10】 画素の配列パターンを説明するための図であって、(a)はストライプ状のパターン、(b)はモザイク状のパターン、(c)はデルタ状のパターンを示す図である。
【図11】 ELディスプレイが備えられた電子機器の具体例を示す図であり、(a)は携帯電話に適用した場合の一例を示す斜視図、(b)は情報処理装置に適用した場合の一例を示す斜視図、(c)は腕時計型電子機器に適用した場合の一例を示す斜視図である。
【図12】 インクジェットヘッドのノズル孔から発光層の形成材料を吐出する工程の従来の例を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1A…画素、10、10A…インクジェットヘッド、
18…ノズル孔(ノズル)、121…透明基板、140A…正孔注入層、
140B…発光層、150…隔壁[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an organic EL element that is an electroluminescent element used for a display, a display light source, and the like, a manufacturing method thereof, an EL display, and an electronic apparatus.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art In recent years, development of organic EL (electroluminescence) elements using organic substances in a light emitting layer has been accelerated as a spontaneous emission type display replacing a liquid crystal display. As a process for forming a light emitting layer made of an organic substance in an organic EL element, Appl. Phys. Lett. 51 (12), 21 September 1987, page 913, a method of depositing a low molecular weight material by vapor deposition, and Appl. Phys. Lett. 71 (1), 7 July 1997, page 34, a method of applying a polymer material has been mainly developed.
[0003]
As a means for colorization, when a low molecular weight material is used, a method of evaporating and forming a light emitting material of a different light emission color over a desired pixel corresponding portion through a mask having a predetermined pattern is performed. On the other hand, when a polymer material is used, since it can be patterned finely and easily, colorization using an ink jet method has attracted attention. The production of an organic EL element by the ink jet method is disclosed in, for example, JP-A-7-235378, JP-A-10-12377, JP-A-11-40358, and JP-A-11-54270.
In addition, in an organic EL element, it has been proposed to form a hole injection layer or a hole transport layer between an anode and a light emitting layer in order to improve luminous efficiency and durability (Appl. Phys. Lett. 51, 21 September 1987, page 913).
[0004]
By the way, in an organic EL element in which a hole injection layer and a light emitting layer are formed by an ink jet method, each pixel usually has a width corresponding to one dot ejected from one nozzle of the ink jet head. . As such pixels, for example, as shown in FIG. 12, a pixel R whose emission color is red, a pixel G which is green, and a pixel B which is blue are arranged in the same direction, and the respective columns are defined. Thus, an organic EL element is formed by arranging a large number of them.
[0005]
In order to form such light emitting layers of the pixels R, G, and B by the ink jet method, the substrate or the ink jet head is moved to move the RGB from one nozzle hole N of the ink jet head H as shown in FIG. One row of pixels is discharged. Further, as a whole, a plurality of rows of pixels of the same color are formed from a plurality of nozzles N by one scan, and thereafter, pixels of other colors are formed in the same manner.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, a plurality of nozzles N provided in the inkjet head H may vary in discharge amount due to different ink supply paths depending on their positions. For example, there may be a difference in the discharge amount between the nozzle N1 that discharges to the row of pixels R1 in FIG. 12 and the nozzle N2 that discharges to the row of pixels R2.
[0007]
However, in that case, of course, a difference in the layer thickness occurs according to the difference in ejection amount between the light emitting layers to be formed, and this causes unevenness in the degree of light emission between the columns of the pixels R1 and R2. As a result, the display quality is impaired. In addition, since such a tendency naturally occurs in other colors, in the organic EL element formed by such a method, all colors are in the horizontal direction (X direction) of the substrate shown in FIG. Unevenness in the luminous intensity occurs between the columns, and the display quality deteriorates.
[0008]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and an object of the present invention is to manufacture an organic EL element with reduced deterioration in display quality caused by variations in the discharge amount between nozzles of an inkjet head and its manufacture. It is to provide a method, an EL display, and an electronic device.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a method for manufacturing an organic EL device according to the present invention includes forming a plurality of light emitting layers by ejecting a light emitting material from a nozzle of an inkjet head onto a substrate, and corresponding to each of the light emitting layers. A method of manufacturing an organic EL element in which pixels are formed vertically and horizontally, wherein a light emitting material for forming a light emitting layer of at least one of the light emitting layers is intermittently ejected from the nozzle in a first direction. A row of light-emitting layers composed of a plurality of light-emitting layers is formed, and a light-emitting material forming a light-emitting layer of another color among the light-emitting layers is intermittently provided from the nozzle in a second direction substantially orthogonal to the first direction. The method is characterized in that a row of light-emitting layers composed of a plurality of light-emitting layers is formed by ejecting the liquid.
[0010]
According to this method for manufacturing an organic EL device, a light emitting material that forms a light emitting layer of at least one of the light emitting layers is intermittently ejected from a nozzle in a first direction, and light emission comprising a plurality of light emitting layers. A plurality of light emitting layers are formed by intermittently discharging a light emitting material forming a light emitting layer of another color among the light emitting layers from a nozzle in a second direction substantially orthogonal to the first direction. As a result, the uneven light emission between the light emitting layer rows formed in the ejection direction due to the variation in the ejection amount between the nozzles of the inkjet head is caused by at least one of the light emitting layers. One color and the other can be generated in a direction substantially orthogonal to each other, and therefore the direction of uneven light emission is not biased in one direction, thereby reducing the overall display quality and improving this. Can do.
[0011]
Further, in the method for manufacturing the organic EL element, the light emitting layer is formed in three colors of red, green, and blue, and a hole injection layer or a hole transport layer is formed on each of the pixels forming the light emitting layer. When forming the above-described forming material by discharging from the nozzle of the inkjet head, one color of the light emitting layer and the hole injection layer or the hole transport layer are discharged in the first direction. Preferably, each row is formed, and each of the other two colors of the light emitting layer is formed by ejecting each material in the second direction.
In this way, one color column of the light emitting layer and the hole injection layer or hole transport layer column are in the first direction, and the other two color columns of the light emitting layer are Since it is formed in the second direction, it is considered that the light emission unevenness occurring between the columns in the first direction and the light emission unevenness occurring between the columns in the second direction occur at the same level in terms of probability. It is possible to further reduce the unevenness in the direction of light emission unevenness, reduce the deterioration of the display quality as a whole, and improve it.
[0012]
Further, in the method for manufacturing the organic EL element, a single light emitting layer corresponding to each pixel is formed by simultaneously emitting a light emitting material from a plurality of nozzles arranged substantially orthogonal to the column direction of the light emitting layer to be formed. It is preferably formed by discharging.
In this way, since a single light emitting layer is formed by discharging from a plurality of nozzles, when compared for each group of nozzles forming a single light emitting layer, variations in the discharge amount between the nozzles. However, the variation in the discharge amount between the groups of nozzles is averaged, so that unevenness in light emission between the rows of the light emitting layers is reduced, and therefore the display quality as a whole can be improved.
[0013]
In the method of manufacturing the organic EL element, a single hole injection layer or hole transport layer corresponding to each pixel is substantially orthogonal to the column direction of the hole injection layer or hole transport layer to be formed. The material is preferably discharged by discharging the material from a plurality of nozzles arranged almost simultaneously.
In this way, since a single hole injection layer or hole transport layer is formed by discharging from a plurality of nozzles, each group of nozzles forming a single hole injection layer or hole transport layer is formed. In comparison, the variation in the discharge amount between the nozzles is averaged between the groups of nozzles, resulting in unevenness in the layer thickness between the hole injection layers or the hole transport layer rows. Therefore, a decrease in display quality due to the unevenness of the layer thickness can be reduced.
[0014]
In the method of manufacturing the organic EL element, it is preferable that the nozzle row of the inkjet head is ejected in a state where it is inclined by a predetermined amount with respect to the row direction of the light emitting layer to be formed.
In this way, it is possible to increase the number of nozzles ejected to a single light emitting layer by narrowing the apparent interval between the nozzles. Therefore, as described above, ejection between groups of nozzles is possible. The variation in the amount can be further averaged to reduce unevenness in light emission.
[0015]
Further, in the method for producing the organic EL element, it is preferable that the nozzle row of the inkjet head is ejected in a state inclined by a predetermined amount with respect to the row direction of the hole injection layer or hole transport layer to be formed.
In this way, the number of nozzles ejected to a single hole injection layer or hole transport layer can be increased by narrowing the apparent spacing between nozzles, and as described above. It is possible to reduce unevenness in the layer thickness of the hole injection layer or the hole transport layer obtained by further averaging the variation in the discharge amount between the nozzle groups.
[0016]
Further, in the method for manufacturing the organic EL element, it is preferable that partition walls separating pixels are formed on the substrate in advance, and the light emitting material is discharged into the partition walls to form a light emitting layer.
In this way, even if there is a slight variation in the landing position of each material when ejected, a light emitting layer or the like can be formed at a desired position by landing in the partition wall. The display quality can be improved by forming each at a desired position.
Note that at least the top surface of the partition wall preferably has a contact angle of 30 ° or more with respect to the liquid material discharged from the inkjet head.
In this way, it is possible to prevent the light emitting layer or the like from flowing out to the adjacent pixel beyond the partition.
[0017]
The organic EL device of the present invention is obtained by the above-described manufacturing method.
According to this organic EL element, the display quality is high by being obtained by the manufacturing method described above.
[0018]
The EL display of the present invention is characterized by using the organic EL element.
According to this EL display, it has a high display quality by using the organic EL element.
[0019]
The electronic apparatus of the present invention is characterized in that the EL display is provided as a display means.
According to this electronic apparatus, high display quality is achieved by using the EL display.
[0020]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
First, a schematic configuration of an EL display including the organic EL element of the present invention obtained by applying the manufacturing method of the present invention will be described.
1 and 2 show an example in which the EL display of the present invention is applied to an active matrix display. In these drawings, reference numeral 1 denotes an EL display.
[0021]
As shown in FIG. 1 which is a circuit diagram, the EL display 1 includes a plurality of
[0022]
For the
On the other hand, for the
[0023]
Under such a configuration, when the
[0024]
Here, the planar structure of each
[0025]
Next, a method for manufacturing an organic EL element provided in such an EL display 1 will be described with reference to FIGS. 3 to 5, only the single pixel 1 </ b> A is illustrated for simplifying the description.
First, a substrate is prepared. Here, in the organic EL element, light emitted from a light emitting layer to be described later can be extracted from the substrate side, and can be configured to be extracted from the side opposite to the substrate. In the case where the emitted light is extracted from the substrate side, transparent or translucent materials such as glass, quartz, and resin are used as the substrate material, but particularly inexpensive soda glass is preferably used. When soda glass is used, it is preferable to apply silica coating to the soda glass because it has an effect of protecting the soda glass that is weak against acid-alkali and further has an effect of improving the flatness of the substrate.
Alternatively, a color filter film, a color conversion film containing a fluorescent material, or a dielectric reflection film may be disposed on the substrate to control the emission color.
Further, in the case of a configuration in which emitted light is extracted from the side opposite to the substrate, the substrate may be opaque. In that case, a ceramic sheet such as alumina, a metal sheet such as stainless steel that has been subjected to an insulation treatment such as surface oxidation, A curable resin, a thermoplastic resin, or the like can be used.
[0026]
In this example, a
[0027]
Next, the temperature of the
[0028]
Next, as shown in FIG. 3B, the semiconductor film (polysilicon film) 200 is patterned into an island-shaped
[0029]
Next, as shown in FIG. 3C, a conductive film made of a metal film such as aluminum, tantalum, molybdenum, titanium, or tungsten is formed by sputtering, and then patterned to form a
Next, high-concentration phosphorus ions are implanted in this state, and source /
[0030]
Next, as illustrated in FIG. 3D, after forming the
Next, as illustrated in FIG. 3E, the
[0031]
Then, an
[0032]
Next, as shown in FIG. 4A, a
In order to develop ink repellency in the
Under such a configuration, a sufficiently
[0033]
Next, as shown in FIG. 4B, with the upper surface of the
Here, as shown in FIG. 6A, the
[0034]
Further, a piezoelectric element (piezo element) 20 is joined to the surface of the
The ink jet system of the
[0035]
Using the
As a material for forming the hole injection layer, polyphenylene vinylene whose polymer precursor is polytetrahydrothiophenylphenylene, 1,1-bis- (4-N, N-ditolylaminophenyl) cyclohexane, tris (8-hydroxyquinolinol) ) Aluminum and the like.
At this time, the
[0036]
In addition, the formation of the hole injection layer by discharging the forming
[0037]
Next, as shown in FIG. 4C, the solvent of the liquid precursor 114 </ b> A is evaporated by heating or light irradiation to form a solid
Next, as shown in FIG. 5A, with the upper surface of the
[0038]
As a material for forming the light emitting layer, for example, a material containing a precursor of a conjugated polymer organic compound and a fluorescent dye for changing the light emitting characteristics of the light emitting layer to be obtained is preferably used.
The precursor of the conjugated polymer organic compound is ejected from the
[0039]
[Chemical 1]
[0040]
Such a conjugated polymer organic compound is solid and has strong fluorescence, and can form a homogeneous solid ultrathin film. In addition, it has high forming ability and high adhesion to the ITO electrode. Furthermore, since the precursor of such a compound forms a strong conjugated polymer film after curing, the precursor solution is adjusted to a desired viscosity applicable to inkjet patterning described later before heat curing. It is possible to form a film under optimum conditions in a simple and short time.
[0041]
As such a precursor, for example, a precursor of PPV (poly (para-phenylene vinylene)) or a derivative thereof is preferable. A precursor of PPV or a derivative thereof is soluble in water or an organic solvent, and can be polymerized, so that a high-quality thin film can be obtained optically. Furthermore, since PPV has strong fluorescence and is also a conductive polymer in which double bond π electrons are non-polarized on the polymer chain, a high-performance organic EL device can be obtained.
[0042]
Examples of precursors of such PPV or PPV derivatives include PPV (poly (para-phenylene vinylene)) precursors, MO-PPV (poly (2,5-dimethoxy-1,4), as shown in chemical formula (II), for example. -Phenylene vinylene)) precursor, CN-PPV (poly (2,5-bishexyloxy-1,4-phenylene- (1-cyanovinylene))) precursor, MEH-PPV (poly [2-methoxy-5- (2′-ethylhexyloxy)]-para-phenylene vinylene) precursor and the like.
[0043]
[Chemical 2]
[0044]
The precursor of the PPV or PPV derivative is soluble in water as described above, and is polymerized by heating after film formation to form a PPV layer. The content of the precursor typified by the PPV precursor is preferably 0.01 to 10.0 wt%, more preferably 0.1 to 5.0 wt% with respect to the entire composition. If the amount of the precursor added is too small, it is insufficient to form a conjugated polymer film. If the amount is too large, the composition has a high viscosity and may not be suitable for highly accurate patterning by the ink jet method.
[0045]
Furthermore, it is preferable that the light emitting layer forming material contains at least one fluorescent dye. Thereby, the light emission characteristics of the light emitting layer can be changed. For example, it is effective as a means for improving the light emission efficiency of the light emitting layer or changing the light absorption maximum wavelength (light emission color). That is, the fluorescent dye can be used not only as a light emitting layer material but also as a dye material having a light emitting function itself. For example, most of the exciton energy generated by carrier recombination on the conjugated macromolecular organic compound molecule can be transferred onto the fluorescent dye molecule. In this case, since light emission occurs only from fluorescent dye molecules having high fluorescence quantum efficiency, the current quantum efficiency of the light emitting layer is also increased. Therefore, by adding a fluorescent dye to the material for forming the light emitting layer, the emission spectrum of the light emitting layer simultaneously becomes that of the fluorescent molecule, which is effective as a means for changing the emission color.
[0046]
The current quantum efficiency here is a scale for considering the light emission performance based on the light emission function, and is defined by the following equation.
ηE = emitted photon energy / input electric energy
Then, by converting the light absorption maximum wavelength by doping the fluorescent dye, for example, three primary colors of red, blue, and green can be emitted, and as a result, a full color display can be obtained.
Furthermore, the luminous efficiency of the EL element can be greatly improved by doping with a fluorescent dye.
[0047]
As the fluorescent dye, when forming a light emitting layer that emits red colored light, it is preferable to use rhodamine or a rhodamine derivative having red colored light. Since these fluorescent dyes are low in molecular weight, they are soluble in an aqueous solution, have good compatibility with PPV, and can easily form a uniform and stable light emitting layer. Specific examples of such fluorescent dyes include rhodamine B, rhodamine B base, rhodamine 6G, rhodamine 101 perchlorate and the like, and a mixture of two or more thereof may be used.
[0048]
Moreover, when forming the light emitting layer which emits green colored light, it is preferable to use quinacridone and its derivatives having green colored light. These fluorescent dyes, like the red fluorescent dyes, are low in molecular weight and therefore soluble in aqueous solutions, and are compatible with PPV and can easily form a light emitting layer.
[0049]
Furthermore, when forming a light emitting layer that emits blue colored light, it is preferable to use distyrylbiphenyl having a blue colored light and derivatives thereof. These fluorescent dyes, like the red fluorescent dyes, are low in molecular weight and therefore are soluble in a water / alcohol mixed solution, and have good compatibility with PPV and facilitate the formation of a light emitting layer.
[0050]
In addition, examples of other fluorescent dyes having blue colored light include coumarin and derivatives thereof. These fluorescent dyes, like the above-mentioned red fluorescent dyes, are low in molecular weight and therefore are soluble in aqueous solutions, and have good compatibility with PPV and facilitate the formation of a light emitting layer. Specific examples of such fluorescent dyes include coumarin, coumarin-1, coumarin-6, coumarin-7, coumarin 120, coumarin 138,
[0051]
Furthermore, examples of the fluorescent dye having a blue colored light include tetraphenylbutadiene (TPB) and TPB derivatives. These fluorescent dyes, like the above-mentioned red fluorescent dyes, are low in molecular weight and are therefore soluble in aqueous solutions, and are compatible with PPV and can easily form a light emitting layer.
About the above fluorescent dye, only 1 type may be used for each color, and 2 or more types may be mixed and used for it.
[0052]
These fluorescent dyes are preferably added in an amount of 0.5 to 10 wt%, more preferably 1.0 to 5.0 wt%, based on the solid precursor of the conjugated polymer organic compound. If the amount of fluorescent dye added is too large, it will be difficult to maintain the weather resistance and durability of the light-emitting layer. On the other hand, if the amount added is too small, the effects of adding the fluorescent dye as described above cannot be obtained sufficiently. It is.
[0053]
The precursor and the fluorescent dye are preferably dissolved or dispersed in a polar solvent to form an ink, and this ink is preferably ejected from the
[0054]
Specific examples of such a polar solvent include water, alcohols compatible with water such as methanol and ethanol, N, N-dimethylformamide (DMF), N-methylpyrrolidone (NMP), dimethylimidazoline (DMI), An organic solvent or an inorganic solvent such as dimethyl sulfoxide (DMSO) may be used, and two or more of these solvents may be appropriately mixed.
[0055]
Furthermore, it is preferable to add a wetting agent to the forming material. Thereby, it can prevent effectively that a forming material dries and solidifies in the
Other additives and film stabilizing materials may be added. For example, a stabilizer, a viscosity modifier, an anti-aging agent, a pH adjuster, an antiseptic, a resin emulsion, a leveling agent and the like can be used. .
[0056]
When such a light emitting layer forming material 114 </ b> B is discharged from the
Here, the formation of the light emitting layer by discharging the forming
[0057]
An example of discharging the forming material for forming the light emitting layer of each color will be described with reference to FIGS.
In this example, as described above, the
[0058]
As described above, the light emitting layer forming material is discharged and applied to each
Further, the remaining red and blue light emitting layer forming materials are intermittently discharged and applied in the Y direction substantially orthogonal to the X direction.
[0059]
That is, first, as shown in FIG. 7A, the red light emitting layer forming material is intermittently ejected in the Y direction of the
[0060]
Further, the discharge of the material for forming the red light emitting layer is performed in a direction inclined by 90 ° with respect to the discharge of the material for forming the
[0061]
After the red light emitting layer forming material is applied in this way, the substrate stage or the
[0062]
After the green light emitting layer forming material is applied in this way, the substrate stage or the
[0063]
When the
[0064]
When the light emitting layer forming material of each color is discharged and applied in this way, the solvent in the light emitting
Then, as shown in FIG.5 (c), the
[0065]
As described above, in the method of manufacturing the organic EL element of this example, the green pixel column of the light emitting layer and the pixel column of the
[0066]
In addition, since the
[0067]
In addition, in the organic EL element obtained in this way, since it is obtained by the above-described manufacturing method, unevenness in light emission unevenness is reduced, so that deterioration in display quality as a whole is reduced. , Display quality will be improved.
Further, even an EL display using this organic EL element has high display quality.
[0068]
Next, another example of the method for producing the organic EL element of the present invention will be described.
This example differs from the previous example in that when forming the
That is, in this example, as shown in FIGS. 8A to 8C, the interval between the nozzle holes 18 arranged in a row is narrower than that shown in FIGS. 7A to 7C. 10A is prepared, and a material for forming the
[0069]
In order to form the
[0070]
In this way, by simultaneously discharging from a plurality of nozzle holes 18 to a
[0071]
When the
That is, first, as shown in FIG. 8A, the material for forming the red light emitting layer is intermittently discharged in the Y direction of the
[0072]
When the red light emitting layer forming material is applied in this manner, in order to subsequently discharge the green light emitting layer forming material, as shown in FIG. Set to 121 in the Y direction. In this state, the green light emitting layer forming material is intermittently ejected in the X direction of the
[0073]
When the green light emitting layer forming material is applied in this manner, the
[0074]
Even when such a light emitting layer forming material is discharged, the discharge is not performed from the
[0075]
Since both the
Further, the green pixel column of the light emitting layer and the pixel column of the
[0076]
In addition, as shown in FIGS. 8A to 8C, when discharging from a plurality of nozzle holes 18 to a single pixel, the
If the apparent interval between the nozzle holes 18 is reduced in this way, the number of nozzle holes 18 ejected to a
[0077]
In the above example, the arrangement of the
In the above example, the
[0078]
In the above example, the
[0079]
Next, a specific example of an electronic apparatus provided with an EL display using the organic EL element of the above example will be described.
FIG. 11A is a perspective view showing an example of a mobile phone. In FIG. 11A,
FIG. 11B is a perspective view illustrating an example of a portable information processing apparatus such as a word processor or a personal computer. In FIG. 11B, 600 is an information processing apparatus, 601 is an input unit such as a keyboard, 603 is an information processing body, 602 is an EL display unit (display means) provided with the EL display shown in FIGS. ).
FIG. 11C is a perspective view showing an example of a wristwatch type electronic device. In FIG. 11C,
Since the electronic device shown in FIGS. 11A to 11C is provided with the EL display, it is an electronic device provided with display means for obtaining excellent display quality.
[0080]
【The invention's effect】
As described above, according to the method for manufacturing an organic EL element of the present invention, the light emitting material that forms the light emitting layer of at least one of the light emitting layers is intermittently provided from the nozzle in the first direction (for example, the X direction). A second light emitting material that forms a row of light emitting layers composed of a plurality of light emitting layers and forms a light emitting layer of another color among the light emitting layers is substantially perpendicular to the first direction from the nozzle. Light emission formed in the discharge direction due to the variation in the discharge amount between the nozzles of the inkjet head, since the light emitting layer array composed of a plurality of light emitting layers is formed by intermittently discharging in the direction (for example, Y direction). Light emission unevenness between the rows of layers can be generated in a direction substantially orthogonal to at least one color of the light emitting layer and the other color, and therefore the direction of light emission unevenness is not biased in one direction. Reduces overall display quality degradation, It is possible to record improvements.
[0081]
According to the organic EL element of the present invention, the display quality is high by being obtained by the above manufacturing method.
According to the EL display of the present invention, a high display quality is obtained by using the organic EL element.
According to the electronic apparatus of the present invention, high display quality is obtained by using the EL display.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a circuit diagram showing an arrangement part of an EL display according to the present invention.
FIG. 2 is an enlarged plan view showing a planar structure of a pixel portion.
FIGS. 3A to 3E are cross-sectional side views of a main part for explaining the method of manufacturing an organic EL element of the present invention in the order of steps.
4A to 4C are cross-sectional side views of a main part for sequentially explaining steps subsequent to FIG. 3;
FIGS. 5A to 5C are side cross-sectional views of relevant parts for sequentially explaining steps following FIG. 4; FIGS.
6A and 6B are diagrams for explaining a schematic configuration of the inkjet head, in which FIG. 6A is a perspective view of a main part, and FIG. 6B is a side sectional view of the main part.
FIGS. 7A to 7C are schematic views for sequentially explaining an example of a process of discharging a light emitting layer forming material from a nozzle hole of an inkjet head. FIGS.
FIGS. 8A to 8C are schematic views for sequentially explaining another example of a process of discharging a light emitting layer forming material from a nozzle hole of an inkjet head. FIGS.
FIG. 9 is a schematic diagram for explaining an example in which the inkjet head is ejected in a state where the inkjet head is tilted by a predetermined amount.
10A and 10B are diagrams for explaining a pixel arrangement pattern, where FIG. 10A is a stripe pattern, FIG. 10B is a mosaic pattern, and FIG. 10C is a delta pattern.
FIGS. 11A and 11B are diagrams illustrating a specific example of an electronic device provided with an EL display, where FIG. 11A is a perspective view illustrating an example when applied to a mobile phone, and FIG. 11B is a case when applied to an information processing apparatus; FIG. 7C is a perspective view showing an example when applied to a wristwatch type electronic device.
FIG. 12 is a schematic diagram for explaining a conventional example of a process for discharging a light emitting layer forming material from a nozzle hole of an inkjet head.
[Explanation of symbols]
1A: Pixel, 10, 10A: Inkjet head,
18 ... Nozzle hole (nozzle), 121 ... Transparent substrate, 140A ... Hole injection layer,
140B ... luminous layer, 150 ... partition
Claims (10)
前記発光層のうちの少なくとも一つの色の発光層を形成する発光材料を、前記ノズルから第1の方向に断続的に吐出して複数の発光層からなる発光層の列を形成し、
前記発光層のうちの他の色の発光層を形成する発光材料を、前記ノズルから第1の方向と略直交する第2の方向に断続的に吐出して複数の発光層からなる発光層の列を形成することを特徴とする有機EL素子の製造方法。A method of manufacturing an organic EL element, wherein a plurality of light emitting layers are formed by discharging a light emitting material from a nozzle of an inkjet head onto a substrate, and a plurality of pixels are formed vertically and horizontally corresponding to each of the light emitting layers,
A light emitting material for forming a light emitting layer of at least one of the light emitting layers is intermittently ejected from the nozzle in a first direction to form a row of light emitting layers composed of a plurality of light emitting layers,
A light emitting material that forms a light emitting layer of another color among the light emitting layers is intermittently ejected from the nozzle in a second direction substantially orthogonal to the first direction. A method for producing an organic EL element, comprising forming a row.
前記発光層を赤、緑、青の三色に形成するとともに、これら発光層を形成する画素にそれぞれ正孔注入層または正孔輸送層を、これらの形成材料をインクジェットヘッドのノズルから吐出することによって形成するに際して、
前記発光層のうちの一つの色と正孔注入層または正孔輸送層とを、それぞれの材料を第1の方向に吐出することによってそれぞれの列を形成し、
前記発光層のうちの他の二つの色を、それぞれの材料を第2の方向に吐出することによってそれぞれの列を形成することを特徴とする有機EL素子の製造方法。In the manufacturing method of the organic EL element of Claim 1,
The light emitting layer is formed in three colors of red, green, and blue, and a hole injection layer or a hole transport layer is ejected from the nozzle of the ink jet head to each pixel forming the light emitting layer. In forming by
Forming each row by discharging one color of the light emitting layer and a hole injection layer or a hole transport layer in a first direction with each material;
A method of manufacturing an organic EL element, wherein each of the other two colors of the light emitting layer is formed by discharging each material in a second direction.
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