JP3931060B2 - シリンジポンプ用送りねじおよびシリンジポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はシリンジポンプ用送りねじおよびシリンジポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
体内への栄養補給や輸血、化学療法剤、麻酔剤等の薬液注入を所定の注入速度で行なう装置としてシリンジポンプが多用されている。
このシリンジポンプは、送りねじに係合する直線運動可能なスライダーによりシリンジの押子が押圧されて、シリンジ内の薬液が体内に注入される。スライダーは、送りねじの回転力が軸方向移動に変換されて直線運動となる。
また、薬液の注入前や注入後にシリンジをシリンジポンプにセットしたり、シリンジポンプから除去したりしなくてはならないので、シリンジはシリンジポンプに着脱自在に保持され、必要に応じてシリンジの押子とスライダーとが係合する構造となっている。送りねじとスライダーとの係合は、ハーフナットを送りネジに脱着することによりなされ、送りねじの回転力をスライダーの直線運動に変換したり停止させたりしている。
【0003】
従来、このようなシリンジポンプ用送りねじは、真ちゅう製ハーフナットとステンレス製転造ねじ軸とにより構成され、ねじとナット間の潤滑のために、ねじ軸にグリースが塗布され、定期的に例えば3ヶ月毎に装置を分解してグリースを補充していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、グリースの補給効果がなくなると、摺動時に騒音が発生する問題がある。また、ハーフナットとねじ軸との噛み合い時に金属バリが発生しやすく、摺動面に傷をつけ、ねじの送り精度を低下させるという問題がある。
【0005】
また、ねじによる駆動伝達効率を高めるために、台形ねじのハーフナットを採用しようとすると、旋盤によるねじ切削、フライス盤による外形および穴加工を行なわなければならず、製造コストがかかりすぎるという問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、ねじとナット間の潤滑をメンテナンスフリーにするとともに、摺動時に発生する騒音を抑え、ハーフナットとねじ軸との噛み合い性を向上させ、さらに製造コストを下げることができるシリンジポンプ用送りねじおよびこの送りねじを用いたシリンジポンプの提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のシリンジポンプ用送りねじは、送りねじに係合する直線運動可能なスライダーによりシリンジの押子を駆動することでシリンジ内の薬液を送出するシリンジポンプに用いられ、上記送りねじを構成するナットが合成樹脂の成形体からなるハーフナットであることを特徴とする。
また、上記送りねじが台形ねじであることを特徴とする。
また、台形ねじにおける上記合成樹脂製ハーフナットのねじ山先端角部の面取りを、日本工業規格B0216に規定するメートル台形ねじのひっかかりの高さH1に対して、( 0.1〜0.5 )H1とすることを特徴とする。
また、上記ナットが固体潤滑材入りポリフェニレンスルフィド樹脂組成物の成形体であることを特徴とする。
【0008】
本発明のシリンジポンプは、上述した送りねじに係合する直線運動可能なスライダーによりシリンジの押子を駆動することでシリンジ内の薬液を送出するシリンジポンプであることを特徴とする。
上述した本発明の送りねじを用いることにより、合成樹脂製のハーフナットとねじ軸との螺合となるので、シリンジポンプの無潤滑化が可能となリ、またねじ軸との噛み合い性に優れる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のシリンジポンプの一例を図1により説明する。図1はシリンジポンプの構成例を示す。
シリンジポンプ1は、押子2aが内挿されたシリンジ2を着脱自在に保持する手段5と、シリンジ2内の薬液を送出するためのスライダー4と、スライダー4に係合して直線運動させる送りねじ3とから構成される。6は送りねじ3を回転駆動させるためのモータである。
【0010】
シリンジ2を着脱自在に保持する手段5は、メーカーが異なる、あるいは大きさが異なるシリンジ2であっても薬液注入時に固定できる手段であればよく、例えばクランプ、ばね力などを利用して固定する。
【0011】
スライダー4は、その一端をシリンジ2と平行に配置された送りねじ3のハーフナット3aに、他端を該シリンジの押子2aにそれぞれ固定して、送りねじ3の移動とともに押子2aを前進後退させる。例えば、送りねじ3のハーフナット3aは歯車6a、6bを介してモータ6と係合し、モータ6の駆動により押子2aが所定の速度で所定の区間押されて薬液を送出する。
【0012】
ハーフナット3aは、送りねじのナットを軸方向断面において二分割したナットであり、薬液送出時には、送りねじ3とスライダー4とが連動するように、また、シリンジポンプ交換時等には、断絶できるように設定する。例えば、ハーフナット3aを送りねじ3に脱着することによってモータ6の駆動をスライダー4に伝達させたり断絶させたりできる。
【0013】
ハーフナット3aの一部拡大断面図を図2に示す。ハーフナット3aは送りねじ3との係合・解除を容易にできるように、台形ねじを用い、さらに台形ねじにおけるハーフナットのねじ山先端角部の面取りRを、日本工業規格B0216に規定するメートル台形ねじのひっかかりの高さH1に対して、( 0.1〜0.5 )H1とする。面取りRが 0.1H1未満であると、送りねじとの脱着時にナットのねじ山先端部が損傷する恐れがある。0.5H1をこえると駆動伝達効率が低下する。
本発明の送りねじは、台形ねじを用いるので送りねじによる駆動伝達効率が高まり、また、ハーフナットのねじ山先端角部の面取りRを所定の大きさとすることにより、送りねじとの係合・解除が容易となる。
【0014】
本発明の送りねじは、ハーフナットが合成樹脂の成形体からなリ、軸がステンレスなどの金属製であることが好ましい。合成樹脂の中でも固体潤滑材入り樹脂組成物が好ましく、固体潤滑材入りポリフェニレンスルフィド樹脂組成物が特に好ましい。市販品としては、ベアリーAS5000(NTN精密樹脂社製、商品名)が挙げられる。
【0015】
【実施例】
実施例
日本工業規格B0216に規定するメートル台形ねじ(JIS Tr8×1.5)のハーフナットをベアリーAS5000を用いて射出成形した。ねじ山先端角部の面取りRを 0.3mm に設定した。
得られたハーフナットと、ステンレス製軸とを組み合わせて送りねじを作製し、ねじ軸の駆動源パルスモータにトルク検出装置を連結して動トルクを測定した。結果を表1に示す。
【0016】
比較例
真ちゅう製ハーフナットおよびステンレス製軸を組み合わせて、日本工業規格B0216に規定するメートル台形ねじ(JIS Tr8×1.5)を作製した。真ちゅう製ハーフナットは旋盤による切削加工、フライス盤による外形および穴加工により作製し、ねじ山先端角部の面取りRを 0.05mm に設定した。
得られた送りねじにグリースを塗布して、そのねじ軸の駆動源パルスモータにトルク検出装置を連結して動トルクを測定した。結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
表1に示すように、樹脂製ハーフナットとステンレス軸とを組み合わせた実施例は、比較例より動トルクが低く、摺動特性に優れていた。
【0019】
実施例および比較例の噛み合い性を比較したところ、比較例では、ねじ軸との噛み合い時に金属バリが発生したが、実施例では発生しなかった。
【0020】
【発明の効果】
本発明のシリンジポンプ用送りねじは、該送りねじを構成するナットが合成樹脂の成形体からなるハーフナットであるので、ねじ軸との噛み合い時に発生する金属バリがない。また、送りねじが台形ねじであるので、駆動伝達効率に優れる。
また、台形ねじにおける上記合成樹脂製ハーフナットのねじ山先端角部の面取りを所定の面取りとするので、ねじ軸との噛み合い性に優れる。
上記ナットが固体潤滑材入りポリフェニレンスルフィド樹脂組成物の成形体であるので摺動性に優れる。
【0021】
本発明のシリンジポンプは、上述した合成樹脂製ハーフナットの送りねじを用いるので、シリンジポンプの無潤滑化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シリンジポンプの構成例を示す図である。
【図2】ハーフナットの断面図である。
【符号の説明】
1 シリンジポンプ
2 シリンジ
3 送りねじ
4 スライダー
5 シリンジ保持手段
6 モータ
Claims (3)
- 送りねじに係合する直線運動可能なスライダーによりシリンジの押子を駆動することでシリンジ内の薬液を送出するシリンジポンプに用いられるシリンジポンプ用送りねじであって、
前記送りねじは台形ねじであり、
前記送りねじを構成するナットが合成樹脂の成形体からなるハーフナットであり、前記合成樹脂製ハーフナットのねじ山先端角部の面取りを、日本工業規格B0216に規定するメートル台形ねじのひっかかりの高さH 1 に対して、( 0.1 〜 0.5 )H 1 とすることを特徴とするシリンジポンプ用送りねじ。 - 前記合成樹脂が固体潤滑材入りポリフェニレンスルフィド樹脂組成物であることを特徴とする請求項1記載のシリンジポンプ用送りねじ。
- 送りねじに係合する直線運動可能なスライダーによりシリンジの押子を駆動することでシリンジ内の薬液を送出するシリンジポンプであって、
前記送りねじが請求項1または請求項2記載のシリンジポンプ用送りねじであることを特徴とするシリンジポンプ。
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