JP3930993B6 - 触媒としてアルミノケイ酸塩を用いて単置換芳香族炭化水素からパラ選択性を高くしてニトロアレンを製造する方法 - Google Patents

触媒としてアルミノケイ酸塩を用いて単置換芳香族炭化水素からパラ選択性を高くしてニトロアレンを製造する方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、触媒としてアルミノケイ酸塩を用いて、単置換芳香族炭化水素から、パラ選択性を高くしてニトロアレンを製造する方法に関する。
【0002】
本発明は特に、アルミノケイ酸塩の触媒を固体の酸として用いるために、硫酸の使用が不要であり、そのため硫酸を中和して生成する塩の廃棄処分が全くない、単置換芳香族炭化水素をニトロ化する方法に関する。市場調査から、パラ異性体の需要が高いので、本明細書に記載するように、オルトニトロ化生成物に対して、パラ芳香族化合物の選択性を高くした製造が望まれている。
【0003】
本発明は特に、オルト異性体に対するパラ異性体の選択性を向上することによって、異性体の分離方法を簡素化することに関する。
本発明は特に、環境に配慮して改良された方法であって、現在工業界で行われている硫酸を用いる方法とは対照的に、排出物を最小限にして、必要とする洗浄用水の量を非常に少なくして、自然を浸食しない前記方法に関する。
【0004】
本発明は特に、複数回再使用できることが証明された少量の触媒を用いるために、現在工業界で行われている硫酸による通常の方法に対して、改良されて費用効果が高くなった、パラ異性体の選択性が促進された方法に関する。
【0005】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ニトロ化の方法は、色素、薬品、香料および農薬などの活性中間体である多くの化合物、例えばニトロトルエン、ニトロクロロベンゼン、およびその他のニトロアレンを大容量に製造するために使われている。アレンのニトロ化は、歴史的には、硝酸と硫酸の混合物を用いて行われてきた。この方法の主要な欠点のひとつは、ポリニトロ化副産物の生成、および消費された酸を廃棄する際に起きる環境汚染である。
【0006】
参考として、米国特許4,418,230 には、0-50℃で、HNO3およびH2SO4 によって、トルエンをニトロ化する方法( オルト: メタ: パラ=55:2.3:38.9) が記載されている。欠点は、硫酸を用いること、およびオルト異性体の形成が優位であることである。
【0007】
別の参考として、米国特許1,12,006には、135-145 ℃、20Torrで、HNO3および10%H2SO4 を浸潤させたAl2O3 および1%Moによって、トルエンをニトロ化する方法( オルト: メタ: パラ=34.0:3.5:62.5) が記載されている。欠点は、触媒を調製する際に硫酸を用いること、および各反応毎に触媒が不活性化されることである。
【0008】
ベンゼンおよびその類似体を、硫酸を使わないでHNO3だけでニトロ化できることが、長い間知られている。しかし、商業的規模の方向では進展がほとんど、または全くない。この方法の欠点は、生産性が低いこと、および非常に過剰の硝酸( 硝酸対ベンゼンの分子比=2:1から4:1 まで) を使うことであり、その結果ポリニトロ化化合物が生成する確率が高まり、この企画の経済性に影響する。最近、ニトロ化反応において、環境に有害な化合物である硫酸の代わりに、環境に配慮した固体の酸触媒、例えば特にFriedel-Crafts反応におけるNafionなどの開発が注目されている。
【0009】
参考として、米国特許4,234,470 には、Nafion触媒の存在下に、HNO3によって、ベンゼン、クロロベンゼンおよびトルエンをニトロ化する方法が記載されている。欠点は、用いるNafion樹脂が高価であり、その活性が反応毎に低下し、そして混合した酸を用いた場合とほぼ等しい異性体選択性を示すことである( オルト: メタ: パラ=56:4:40) 。
【0010】
参考として、日本国公開特許公報JP63,303,957には、175 ℃および空間速度(space velocity)毎時2.2 にて、HNO3およびアルミノケイ酸塩によって、ハロベンゼン(halobenzenes)を気相でニトロ化することが記載されている( クロロベンゼンのニトロ化異性体の比率、オルト: メタ: パラ=14.5:1.7:83.8) 。欠点は、反応を気相条件で行うことである。
別の参考として、インド特許出願NS90/97 2937 Del97およびヨーロッパ特許出願98302258. 3-1521には、触媒として交換されるクレー(clays) の存在下に、硝酸ガスによって、アレンからニトロ化アレンを生成する方法が記載されている。欠点は、この方法では、2置換ベンゼンの異性体の構成比率が有意に変わらないことである。
【0011】
別の参考として、文献Chem Commun 469,1996には、再使用できる触媒としてのゼオライトベータの存在下に、0-20℃で、溶媒の無い状態で、化学量論的な量の硝酸および無水酢酸を用いて、量論的な収量で、そしてパラ選択性を高くして、ベンゼン、アルキルベンゼンおよびハロベンゼンをニトロ化することが記載されている。
別の参考として、文献Catal.Lett.255,1997 には、触媒としての硫酸化した酸化ジルコニウム(SO4 2-/ZrO2)の存在下に、室温および70℃で、CCl4溶媒中で、化学量論的な量の硝酸および無水酢酸を用いて、量論的な収量で、そしてパラ選択性を高くして、ハロベンゼンをニトロ化することが記載されている。
別の参考として、文献J.Mol.Catal.87,33,1994では、Fe3+モンモリロナイトの触媒の存在下に、室温から80℃までで、CCl4溶媒中で、化学量論的な量の硝酸および無水酢酸を用いて、収量およびパラ選択性を高めて、ハロベンゼンをニトロ化することが記載されている。
前記のこれらの方法の欠点は、高価な無水酢酸を使用することであり、そのため経済性がないこと、そして無水酢酸と硝酸との反応は、発熱性および爆発性があることである。
【0012】
別の参考として、文献Chem.Commun.613,1997には、再使用できる触媒としてのランタニド(III) トリフレーツ(lanthanide(III) triflates) の存在下に、溶媒の環流温度で(at reflux temperature of solvent)、ジクロロエタン溶媒中で、化学量論的な量の69%硝酸を用いて、高収量に芳香族化合物をニトロ化することが記載されている。欠点は、反応が遅く、反応が完了するためにより多くの時間がかかり、用いる触媒が高価であり、そして生産性が低いことである。しかも異性体の比率は、混合した酸を用いた場合と同じである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の主な目的は、詳述した前記欠点を回避するために、触媒として、アルミノケイ酸塩を用いて、単置換芳香族炭化水素から、パラ選択性を高くしてニトロアレンを製造する方法を提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、詳述した前記欠点を回避するために、単置換アレンのニトロ化において、固体の酸触媒として、環境に優しくなるように修飾したアルミノケイ酸塩を用いて、硫酸の使用を不要にすることである。
本発明のさらに別の目的は、詳述した前記欠点を回避するために、無水酢酸の使用を不要にすることである。
【0015】
従って、本発明は、触媒としてアルミノケイ酸塩を用いて、単置換芳香族炭化水素からパラ選択性を高くしてニトロアレンを製造する方法において、Si/Al 比が5から1000までの種々の割合であり、種々のゼオライトおよびK10 モンモリロナイトの形であるアルミノケイ酸塩を触媒として用いて、単置換ベンゼンに対する硝酸の分子比が0.25から2.5 までの硝酸を用い、30-160℃の範囲内で、0.25から3.0 時間まで、ディーンスターク装置を用いて生じた水を連続的に反応液から除去して、単置換芳香族炭化水素のニトロ化を行い、そして濾過によって触媒を除いた後に、反応混合液を濃縮することによって生成混合物を回収することを含んでいる前記方法を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の1つの形態として、使用する触媒は、アルミノケイ酸塩である。
本発明の別の形態として、種々のアルミノケイ酸塩の合成において、Si/Al 比を5から1000までとする。
【0017】
本発明の別の形態として、硝酸をニトロ化試薬として用いて、芳香族化合物に対する硝酸の分子比を、通常0.5 から2.5 までの範囲内とする。
本発明の別の形態として、硝酸をニトロ化試薬として用いて、反応において、その量を、バッチあたり10mmolから4000mmolまでとする。
本発明の別の形態として、硝酸をニトロ化試薬として用いて、その濃度範囲を、通常50から90%(w/v) まで、望ましくは60から70%までとする。
【0018】
本発明の別の形態として、使用する単置換ベンゼンは、トルエン、エチルベンゼン、クメン、アニソール、クロロベンゼン、ブロモベンゼンおよびヨードベンゼンから選択される。
【0019】
本発明の別の形態として、使用する触媒は、ゼオライトベータ、K-10モンモリロナイト、ZSM-5 、モルデナン沸石、TS-1およびHYゼオライトから選択されるアルミノケイ酸塩である。
本発明の別の形態として、ゼオライトベータが、触媒として好ましく、パラ選択性を高くするために、そのSi/Al 比を15-22 の範囲内とする。
【0020】
本発明の別の形態として、30から160 ℃の範囲内の温度で、ニトロ化を行う。本発明の別の形態として、ニトロ化の反応時間を、0.25から3 時間までの範囲内とする。
【0021】
本発明の別の形態として、使用する触媒に応じて、オルト: メタ: パラ生産物の比率が、29.4:2.3:65.7 から54.0:6.5:36.4 までの範囲内である。
本発明の別の形態として、使用する基質に応じて、オルト: メタ: パラ生産物の比率が、13:0:87 から25:0:73 までの範囲内である。
【0022】
本発明の別の形態として、触媒量を増加すると、パラ異性体の選択性が増す( 例えばパラニトロトルエンは、72-75%まで増加する) 。
本発明の別の形態として、触媒量を増加すると、パラ異性体の選択性が5-10%程度増す。
【0023】
本発明の別の形態として、アルミノケイ酸塩を固体触媒として用いることで、有害な硫酸の使用を不要にする。
本発明の別の形態として、前記触媒によって、その酸性部位の存在に起因して、活性が高くなり、そしてその制限された立体配置に起因して、パラ選択性が高くなる。
本発明の別の形態として、前記の固体の酸触媒が、親電子物質ニトロニウムイオンを生成させ、且つ反応中に生じた水を瞬間的に吸収するという2つの機能を有する触媒として、アレンの親電子置換を促進するために機能する。
【0024】
本発明の別の形態として、ニトロニウムイオンを生成する触媒活性部位を再生するために、基質自身を溶媒とするか、塩化炭化水素(chlorhydrocarbons) を溶媒として用いて、ディーンスターク装置によって、連続的に共沸蒸留して、硝酸に含まれる生成した水を、反応液から取り除きながら、ニトロ化を行う。
本発明の別の形態として、濾過によって触媒を分離して、そして蒸留するか、または回転蒸発器(rotavapor) を用いて濃縮することによって、過剰の未反応のアレンを取り除いて、ニトロアレンを回収する。
【0025】
単置換ベンゼンおよび触媒を、ディーンスターク装置を備えた2 首の丸底フラスコに入れる。フラスコを必要温度まで加熱した後、必要な時間をかけて反応混合液に硝酸を滴下した。同時に、反応によって生成した水を、ディーンスターク装置によって集めて、連続的に取り除いた。反応完了後、触媒を濾過して、そして反応混合液を濃縮して、ニトロトルエン混合物を得た。
【0026】
使用する単置換ベンゼンは、単置換芳香族化合物、好ましくはトルエン、アニソール、エチルベンゼン、クメン、クロロベンゼン、ブロモベンゼンおよびヨードベンゼンから選択される。その使用量は、10から4000mmolまでの範囲内である。芳香族化合物に対する硝酸の分子比は、通常0.25から2.5 まで、望ましくは0.5 から2.0 までの範囲内である。ニトロ化反応の温度は、通常30から190 ℃まで、望ましくは80から160 ℃までの範囲内である。ニトロ化反応は、0.25から5.0 時間、好ましくは約0.5 から3.0 時間で完了した。
【0027】
【発明の効果の説明】
前記の条件下に行う本発明の主な目的は、従来報告された作業に比べて、費用効果を高くして、パラ選択性が優位な生産物を製造することである。これは、ポアサイズをできるだけ制限したアルミノケイ酸塩を固体の酸触媒として用いること、さらに本反応方法を用いることによって達成された。本発明の他の目的は、有害な硫酸の代わりに、固体の酸触媒としてのアルミノケイ酸塩を用いることによって達成された。
【0028】
従来技術に対する本発明の新規性は、芳香族炭化水素のニトロ化において、化学量論的な量以上の液体の硫酸を用いる代わりに、固体の酸を触媒として用いて、優位にパラ異性体を製造することである。この選択性は、おそらく、親電子物質ニトロニウムイオンが、オルトの位置よりもパラの位置に優先的に配置されて、置換が起こるように設計および改修された均一なポアの立体配置を有する固体の酸を用いることに起因するだろう。
【0029】
アルミノケイ酸塩の触媒によるニトロニウムイオンの生成とは別に、本方法は、反応において生成する水および硝酸に含まれている水を、共沸蒸留法によって取り除く様に設計されており、そのため固体触媒の酸性部位の再使用が容易であり、利用できる部位の数が一定となり、その結果パラ選択性とともに生産性が高くなる。
【0030】
【実施例】
次の実施例を、本発明の説明として挙げるが、これは本発明の範囲を制限するものではない。
実施例1
アルミノケイ酸塩:市販品、または市販品から調製した一連の触媒を用いた。
ゼオライトベータ:5から1000までの範囲内で希望するSi/Al 比にするために、テトラエチルオルトケイ酸塩およびアルミニウム硝酸塩を適当な分子比で用いた。水を、テトラエチルオルトケイ酸塩に加えて撹拌する。この溶液に、アルミニウム硝酸塩9水和物の水酸化テトラエチルアンモニウム溶液を、圧力調節漏斗によって、撹拌しながら滴下した。添加後、本溶液を50℃で1 日間放置し、結晶化するためにオートクレイブ内で、135 ℃で1週間放置した。その後、本固体物を濾過して、空気中で乾燥した。
ZSM-5 :例えばZeolyst International から入手したZSM-5 を用いた。
モルデン沸石:例えばZeolyst International から入手したモルデン沸石を用いた。
TS-1:例えばIRC, Lyon,Franceから入手したTS-1を用いた。
HY:Zeolyst International から入手したNH4Yを500 ℃で焼成(calcine) して、HYを得た。
K10 モンモリロナイト:本合成で使用したモンモリロナイトは、交換容量(exchange capacity) 0.8 meq./gを有するFluka 社の Grade(K10) を用いた。
【0031】
実施例2
トルエン10ml(94.1mmol)およびゼオライトベータ触媒(0.5g)を、ディーンスターク装置を備えた2首丸底の50mlフラスコに入れた。混合液を環流温度まで加熱して、60%硝酸5ml(63mmol) を、反応混合液に30分以上かけて滴下した。同時に、反応で生じた水を、ディーンスターク装置に集めて、連続的に除去した。反応終了後、触媒を濾過して、反応混合液を濃縮してニトロトルエン混合物を得た。収量:4.7g
【0032】
実施例3
トルエン10ml(94.1mmol)およびK10 モンモリロナイト触媒(0.5g)の混合物を、ディーンスターク装置を備えた2首丸底の50mlフラスコに入れた。混合液を環流温度まで加熱して、60%硝酸5ml(63mmol) を、反応混合液に30分以上かけて滴下した。その間放出された水を、ディーンスターク装置に集めて、連続的に除去した。反応終了後、触媒を濾過して、反応混合液を濃縮してニトロトルエン混合物を得た。
収量:4.5g
【0033】
実施例4
トルエン10ml(94.1mmol)およびZSM-5 触媒(0.5g)の混合物を、ディーンスターク装置を備えた2首丸底の50mlフラスコに入れた。混合液を環流温度まで加熱して、60%硝酸5ml(63mmol) を、反応混合液に30分以上かけて滴下した。その間放出された水を、ディーンスターク装置に集めて、連続的に除去した。反応終了後、触媒を濾過して、反応混合液を濃縮してニトロトルエン混合物を得た。
収量:2.8g
【0034】
実施例5
トルエン10ml(94.1mmol)およびモルデン沸石触媒(0.5g)の混合物を、ディーンスターク装置を備えた2首丸底の50mlフラスコに入れた。混合液を環流温度まで加熱して、60%硝酸5ml(63mmol) を、反応混合液に30分以上かけて滴下した。その間放出された水を、ディーンスターク装置に集めて、連続的に除去した。反応終了後、触媒を濾過して、反応混合液を濃縮してニトロトルエン混合物を得た。収量:4.7g
【0035】
実施例6
トルエン10ml(94.1mmol)およびTS-1触媒(0.5g)の混合物を、ディーンスターク装置を備えた2首丸底の50mlフラスコに入れた。混合液を環流温度まで加熱して、60%硝酸5ml(63mmol) を、反応混合液に30分以上かけて滴下した。その間放出された水を、ディーンスターク装置に集めて、連続的に除去した。反応終了後、触媒を濾過して、反応混合液を濃縮してニトロトルエン混合物を得た。
収量:4.7g
【0036】
実施例7
トルエン10ml(94.1mmol)およびHY触媒(0.5g)の混合物を、ディーンスターク装置を備えた2首丸底の50mlフラスコに入れた。混合液を環流温度まで加熱して、60%硝酸5ml(63mmol) を、反応混合液に30分以上かけて滴下した。その間放出された水を、ディーンスターク装置に集めて、連続的に除去した。反応終了後、触媒を濾過して、反応混合液を濃縮してニトロトルエン混合物を得た。
収量:2.7g
【0037】
実施例8
トルエン170ml(1600mmol) および新鮮なゼオライトベータ触媒(10g) の混合物を、ディーンスターク装置を備えた1000mlの反応フラスコに入れた。混合液を環流温度まで加熱して、60%硝酸120ml(1512mmol) を、注入ポンプで1 時間35分以上かけて反応混合液に滴下した。その間放出された水を、ディーンスターク装置に集めて、連続的に除去した。反応終了後、触媒を濾過して、反応混合液を濃縮してニトロトルエン混合物を得た。
収量:105.6g
30分で抜き取った試料は、75%のパラ選択性を示した。これは、反応終了後に得た異性体の比率より10%大きい。
【0038】
実施例9-13
トルエン170ml(1600mmol) および使用したゼオライトベータ触媒(10g)(1-5 回再使用) の混合物を、ディーンスターク装置を備えた1000mlの反応フラスコに入れた。混合液を環流温度まで加熱して、60%硝酸120ml(1512mmol) を、注入ポンプで1 時間35分以上かけて反応混合液に滴下した。その間放出された水を、ディーンスターク装置に集めて、連続的に除去した。反応終了後、触媒を濾過して、反応混合液を濃縮してニトロトルエン混合物を得た。
【0039】
実施例14
クロロベンゼン8.6ml(76.6mmol) およびゼオライトベータ触媒(1g)の混合物を、ディーンスターク装置を備えた2首丸底の50mlフラスコに入れた。混合液を環流温度まで加熱して、濃硝酸5ml(76.6mmol) を、反応混合液に30分以上かけて滴下した。その間放出された水を、ディーンスターク装置に集めて、連続的に除去した。反応終了後、触媒を濾過して、反応混合液を濃縮してニトロクロロベンゼン混合物を得た。
収量:6.2g
【0040】
実施例15
クロロベンゼン8.6ml(76.6mmol) およびゼオライトベータ触媒(1g)の混合物を、ディーンスターク装置を備えた2首丸底の50mlフラスコに入れた。混合液を環流温度まで加熱して、濃硝酸10ml(153.2mmol) を、反応混合液に1時間以上かけて滴下した。その間放出された水を、ディーンスターク装置に集めて、連続的に除去した。反応終了後、触媒を濾過して、反応混合液を濃縮してニトロクロロベンゼン混合物を得た。
収量:11.8g
【0041】
実施例16
ブロモベンゼン8.0ml(76.6mmol) 、ゼオライトベータ触媒(1g)およびジクロロエタン(10ml)の混合物を、2首丸底の50mlフラスコ内で撹拌した。混合液を環流温度まで加熱して、濃硝酸5ml(76.6mmol) を、反応混合液に30分以上かけて滴下した。その間放出された水を、ディーンスターク装置に集めて、連続的に除去した。反応終了後、触媒を濾過して、反応混合液を濃縮してニトロブロモベンゼン混合物を得た。
収量:7.9g
【0042】
実施例17
ブロモベンゼン8.0ml(76.6mmol) 、ゼオライトベータ触媒(1g)およびジクロロエタン(10ml)の混合物を、2首丸底の50mlフラスコ内で撹拌した。混合液を環流温度まで加熱して、濃硝酸10ml(153.2mmol) を、反応混合液に1 時間以上かけて滴下した。その間放出された水を、ディーンスターク装置に集めて、連続的に除去した。反応終了後、触媒を濾過して、反応混合液を濃縮してニトロブロモベンゼン混合物を得た。
収量:9.9g
【0043】
実施例18
ヨードベンゼン8.5ml(76.6mmol) 、ゼオライトベータ触媒(1g)およびジクロロエタン(10ml)の混合物を、ディーンスターク装置を備えた2首丸底の50mlフラスコに入れた。混合液を環流温度まで加熱して、濃硝酸5ml(76.6mmol) を、反応混合液に30分以上かけて滴下した。その間放出された水を、ディーンスターク装置に集めて、連続的に除去した。反応終了後、触媒を濾過して、反応混合液を濃縮してニトロヨードベンゼン混合物を得た。
収量:9.9g
【0044】
実施例19
エチルベンゼン9.4ml(76.6mmol) およびゼオライトベータ触媒(1g)の混合物を、ディーンスターク装置を備えた2首丸底の50mlフラスコに入れた。混合液を環流温度まで加熱して、濃硝酸5ml(76.6mmol) を、反応混合液に30分以上かけて滴下した。その間放出された水を、ディーンスターク装置に集めて、連続的に除去した。反応終了後、触媒を濾過して、反応混合液を濃縮してニトロエチルベンゼン混合物を得た。
収量:5.51g
【0045】
実施例20
エチルベンゼン9.4ml(76.6mmol) およびゼオライトベータ触媒(1g)の混合物を、ディーンスターク装置を備えた2首丸底の50mlフラスコに入れた。混合液を環流温度まで加熱して、濃硝酸10ml(153.2mmol) を、反応混合液に1 時間以上かけて滴下した。その間放出された水を、ディーンスターク装置に集めて、連続的に除去した。反応終了後、触媒を濾過して、反応混合液を濃縮してニトロエチルベンゼン混合物を得た。
収量:10.9g
【0046】
実施例21
クメン10.6ml(76.6mmol)、ゼオライトベータ触媒(1g)およびジクロロエタン10mlの混合物を、ディーンスターク装置を備えた2首丸底の50mlフラスコに入れた。混合液を環流温度まで加熱して、濃硝酸5ml(76.6mmol) を、反応混合液に30分以上かけて滴下した。その間放出された水を、ディーンスターク装置に集めて、連続的に除去した。反応終了後、触媒を濾過して、反応混合液を濃縮してニトロクメン混合物を得た。
収量:6.4g
【0047】
実施例22
アニソール8.3ml(76.6mmol) およびゼオライトベータ触媒(1g)の混合物を、ディーンスターク装置を備えた2首丸底の50mlフラスコに入れた。混合液を環流温度まで加熱して、濃硝酸5ml(76.6mmol) を、反応混合液に30分以上かけて滴下した。その間放出された水を、ディーンスターク装置に集めて、連続的に除去した。反応終了後、触媒を濾過して、反応混合液を濃縮してニトロアニソール混合物を得た。
収量:5.7g
【0048】
実施例23
アニソール8.3ml(76.6mmol) およびゼオライトベータ触媒(1g)の混合物を、ディーンスターク装置を備えた2首丸底の50mlフラスコに入れた。混合液を環流温度まで加熱して、濃硝酸10ml(153.2mmol) を、反応混合液に1 時間以上かけて滴下した。その間放出された水を、ディーンスターク装置に集めて、連続的に除去した。反応終了後、触媒を濾過して、反応混合液を濃縮してニトロアニソール混合物を得た。
収量:11.2g
【0049】
表1:種々の触媒によるトルエンのニトロ化
【表1】
Figure 0003930993
注a: 結果は、硝酸を一回通過させた反応に基づく。残りの硝酸は、反応中の共沸蒸留によって蒸発する。反応で消費された硝酸を考慮すると、全ての実験で収量は95%を超える。
注b: 2,4-ジニトロトルエン、2,6-ジニトロトルエン、ベンズアルデヒドおよび高分子体。
ゼオライトベータが、パラ選択性を高くしてニトロ化芳香族化合物を生産するために有効な触媒であることが判明した。
【0050】
表2:トルエンのニトロ化における触媒の再使用実験
【表2】
Figure 0003930993
注a: 2,4-ジニトロトルエンおよび2,6-ジニトロトルエンは、毎回0.2%以下であり、残りの生産物は、ベンズアルデヒドおよび高分子体である。
ゼオライトベータが、パラ選択性を高くしてニトロ化芳香族化合物を生産するために有効な触媒であること、そしてこの触媒は数回再使用できることが判明した。
【0051】
表3:種々の単置換芳香族化合物のニトロ化
【表3】
Figure 0003930993
注a: 酸化産物
注b: 芳香族化合物:硝酸=1:1
注c: 芳香族化合物:硝酸=1:2、アレンを基にした収量
ゼオライトベータを触媒として用いて、パラ選択性の高いニトロ化芳香族化合物を得た。
【0052】
【発明の効果】
本発明の主な利点は次の通りである。
1.置換ニトロアレンを製造する簡単で、そして環境に優しい方法を開発した。
2.パラ選択性を高くしてニトロアレンを得る簡単な方法を開発した。
3.有害な化合物である硫酸の使用を不要にした。
4.いくつかの方法で用いられて、硝酸と混合すると爆発性混合物を形成する、高価な無水酢酸の使用も不要にした。
5.本触媒は、数回再使用できるので、本方法では、廃棄問題を考慮しない。本触媒を、ほとんど同様に活性および選択性を維持して、4 回再使用した。
6.反応混合物から連続的に水を除去すること、そして反応後に、濾過によって触媒を容易に分離することによって、本方法を簡素化した。
7.排出液を廃棄する問題がないので、本方法は環境的に安全である。

Claims (13)

  1. 触媒としてアルミノケイ酸塩を用いて、単置換芳香族炭化水素からパラ選択性を高くしてニトロアレンを製造する方法において、硫酸の不在下で、Si/Al 比15〜22のベータゼオライトを触媒として用いて、ニトロ化試薬として硝酸を用いて、単置換芳香族炭化水素のニトロ化を行い、同時に反応混合液中に形成した水及び存在している水を共沸蒸留することを含んで成る方法。
  2. ニトロ化試薬として硝酸を用いて、そして芳香族化合物に対する硝酸の分子比が0.5 から2.5 までの範囲内にある、請求項1の方法。
  3. ニトロ化試薬として硝酸を、60から70%までの範囲内の濃度で用いる、請求項1の方法。
  4. 使用する単置換芳香族炭化水素が、トルエン、エチルベンゼン、クメン、アニソール、クロロベンゼン、ブロモベンゼンおよびヨードベンゼンから選択される、請求項1の方法。
  5. ニトロ化を、30から160 ℃までの範囲内の温度で行う、請求項1の方法。
  6. ニトロ化の反応時間が、0.25から3時間までの範囲内である、請求項1の方法。
  7. オルト: メタ : パラの生産物の比率が、使用する触媒に応じて、29.4 : 2.3 : 65.7 から54.0 : 6.5 : 36.4 までの範囲内である、請求項1の方法。
  8. オルト: メタ : パラの生産物の比率が、使用する基質に応じて、13 : 0 : 87 から25 : 0 : 73 までの範囲内である、請求項1の方法。
  9. 触媒量を増加すると、パラ異性体の選択性が5-10%程度増加する、請求項1の方法。
  10. 前記触媒によって、その酸性部位の存在に起因して、活性が高くなり、そしてその制限された立体配置に起因して、パラ選択性が高くなる、請求項1の方法。
  11. 前記の固体の酸触媒が、親電子物質ニトロニウムイオンを生成させ、且つ反応中に生じた水を瞬間的に吸収するという2つの機能を有する触媒として、アレンの親電子置換を促進するために機能する、請求項1の方法。
  12. ニトロニウムイオンを生成する触媒活性部位を再生するために、基質自身を溶媒とするか、塩化炭化水素(chlorhydrocarbons) を溶媒として用いて、ディーンスターク装置によって、連続的に共沸蒸留して、硝酸に含まれる生成した水を、反応液から取り除きながら、ニトロ化を行う、請求項1の方法。
  13. 濾過によって触媒を分離して、そして蒸留するか、または回転蒸発器(rotavapor)を用いて濃縮することによって、過剰の芳香族炭化水素を取り除いて、ニトロアレンを回収する、請求項1の方法。
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