JP3929661B2 - シート状製品の切断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばフィルムシートや扁平な袋形状をなすシート状製品に対し、開封テープ用の摘み部分の形成や、その外形のトリミングに使用される切断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば特公昭42-1957号公報には、シート材にU字形の切れ目を入れ、その開封テープの摘み部分を形成する切断装置が開示されている。この公知の切断装置は、シート材の搬送経路を挟んで配置されたカッタローラ及び受けローラを備え、カッタローラはそのローラ本体の外周面の一部から突出した切断刃を有し、カッタローラの回転に伴い、切断刃は受けローラと協働してシート材にU字形の切れ目を周期的に形成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特にシート材がフィルムシートである場合、カッタローラの切断刃はその刃先が受けローラに対して均一に当たる必要がある。つまり、その刃先が片当たりすると、U字形の切れ目を確実かつ安定して形成できないばかりでなく、切断刃の摩耗を増大させ、耐久性を低下させることになる。
【0004】
均一な刃当たりを確保するには切断刃自体に高精度な加工が要求され、また、カッタローラ及び受けローラの軸芯間距離をも高精度に調整しなければならず、切断装置の組み付けは容易ではない。
このようなことからカッタローラに向けて受けローラを押圧付勢し、これにより、受けローラをカッタローラに対して接離する方向に変位可能とすることが考えられる。しかしながら、この場合、受けローラの押圧付勢力が弱すぎると、カッタローラの回転方向でみて切断刃の前端が受けローラに当たったときに、その衝撃により受けローラが切断刃上にてバウンドし、形成すべき切れ目に切断不良箇所が発生する。逆に、受けローラの押圧付勢力が強すぎると、切断刃の摩耗が促進され、その耐久性を低下させてしまう。
【0005】
一方、切断装置が切れ目の形成ではなく、シート状製品における外形のトリミングに適用される場合にあっては、その切断により得られる切断片をシート材の搬送経路外に確実に排除する必要がある。
本発明は上述の事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、第1にその組み付けを容易にしてなおかつ、確実な切断と耐久性の向上を図れ、第2に切断予定部分、つまり、切断片の排除が要求される場合にあってはその排除を確実且つ安定して行うことができるシート状製品の切断装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するシート状製品の切断装置(請求項1)は、ばねにより押圧付勢された受けローラ及びカッタローラを備え、そして、カッタローラはローラ本体と、このローラ本体の外周面に設けられ、シート状製品を切断して切断片を形成する切断刃と、ローラ本体の外周面にその回転方向でみて切断刃の直前方に設けられ、切断刃に先立ちシート状製品を挟んで受けローラを転接させるランディングガイドとを含み、このランディングガイドは、受けローラがシート状製品を介して転接してバウンドした後、受けローラのバウンドが収束するのに要する長さをローラ本体の周方向に沿って有する。
更に、ランディングガイドは、ローラ本体の外周面からの高さが切断刃よりも若干低く、受けローラの転接後にローラ本体の周方向でみて切断刃とオーバラップする形状を有する。
【0007】
このような切断装置によれば、カッタローラの回転に伴い、受けローラは先ずシート状製品を介し、カッタローラのランディングガイドに乗り上げて転接し、この後、カッタローラの切断刃と受けローラとの間にシート状製品が挟み込まれることで、切断刃は受けローラと協働してシート状製品の切断予定部分を切断する。
【0008】
切断装置は、シート状製品から切断片が形成された後、その切断片をシート状製品から排除経路に沿って分離し、搬送経路外に排除する排除手段を更に含む(請求項)。このような排除手段は、切断後、切断片をシート状製品の搬送経路とは別の排除経路に沿って移送することで、そのシート状製品から確実に分離して排除する。
【0009】
より具体的には排除手段は、カッタローラ内に設けられ、切断刃の輪郭内にて開口した吸着・排出ノズルと、この吸着・排出ノズルに供給される空圧を制御する制御手段とから実現される(請求項)。この場合、吸着・排出ノズルは切断予定部分の切断と同時に、大気圧よりも低い負圧の供給を受け、切断片を吸着する。この後、カッタローラの回転が進むと、吸着・排出ノズルに吸着された切断片はその吸着・排出ノズルの回転軌跡により規定される排除経路に沿って移送されることで、シート状製品から完全に分離される。そして、この後、吸着・排出ノズルは大気圧よりも高い排出圧の供給を受け、吸着した切断片を搬送経路外に吹き飛ばす。
【0010】
切断装置は、シート状製品の搬送方向でみて、カッタローラの直上流に回転自在に配置されたプレスローラを更に含むことができ(請求項)、このプレスローラはシート状製品を押さえ付け、切断時、切断刃によるシート状製品の片寄りを防止する。
なお、プレスローラは特に、カッタローラの切断刃がシート状製品の側縁に規定された切断予定部分を切欠くようにして切断する際に役立つ。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1はシート状製品Pの搬送経路2を示し、この搬送経路2は水平に延びている。搬送経路2の入口端4(図1でみて左端)には表フィルムウエブFUが上方からガイドローラを介して供給されるとともに、その下方からは裏フィルムウエブFLがガイドローラを介して供給されている。これらフィルムウエブFU,FLは搬送経路2上にて互いに重ね合わされ、搬送経路2に沿って導かれている。搬送経路2の出口端6に至る近傍には搬送経路2を挟んで一対のフィードローラ8が配置されており、これらフィードローラ8はその回転に伴い、フィルムウエブFU,FLを一定の速度で走行させる。
【0012】
表フィルムウエブFUはフィードローラ8の回転に伴い、そのウエブロール(図示しない)から繰り出され、その過程にて2本の開封テープT(図2参照)の貼着を受けた後、いわゆる小口カッタユニット10を通過する。
小口カッタユニット10に関しては図示しなけれども、小口カッタユニット10は公知のように表フィルムウエブFUの通過に伴い、表フィルムウエブFUに所定形状の切れ目を所定の間隔毎に形成し、各開封テープTのための摘み部分を周期的に形成する。
【0013】
裏フィルムウエブFLもまたそのウエブロール(図示しない)から繰り出されるが、ここで、裏フィルムウエブFLは例えば部分的に重なり合う2枚又は3枚のウエブからなり、そして、その重なり合う部分にて、一方のウエブは他方のウエブに向けて折り返された状態にある。
なお、表フィルムウエブFUの開封テープTや、その摘み部分のための切り目、そして、裏フィルムウエブFLの構成及び折り返し状態等は後述する図2及び図3に関する説明から明らかとなる。
【0014】
更に、搬送経路2の入口端4には例えば略矩形のシート状をなす海苔等の被包装材Nが2枚ずつ間欠的に供給され、これら被包装材Nは入口端4にて表裏のフィルムウエブFU,FL間に一定の間隔を存して挟み込まれ、そして、これらフィルムウエブFU,FLと共に搬送される。ここで、2枚の被包装材NはフィルムウエブFU,FLの走行方向でみて左右に離間した状態で、フィルムウエブFU,FL間に供給される。
【0015】
搬送経路2には入口端4の下流側に横ヒートシーラ12及び縦ヒートシーラ14が順次配置されている。これらヒートシーラ12,14は共にヒートローラ及び受けローラからなり、その通過の際に、フィルムウエブFU,FLに横方向及び縦方向の横シール及び縦シールを形成し、これらフィルムウエブFU,FLを相互に接着する。
【0016】
より詳しくは、図2中に斜線を施して示すように横ヒートシーラ12は一定の間隔毎、つまり、被包装材N間の領域にてフィルムウエブFU,FLに2本ずつの横シールライン、すなわち、トップシールラインLT及びボトムシールラインLBを形成し、これらシールラインLT,LB間の間隔、つまり、シールラインLT,LB間の中心線間距離Dは製造すべき包装品の長さに一致する。なお、図2から明らかなようにトップシールラインLT及びボトムシールラインLBは完全に連続したラインではなく、前述した開封テープTを避けて形成され、そして、必要に応じ、開封テープTの片側近傍にシールラインLT,LBと同一線上に位置したシールスポットMを形成することもできる。なお、図2中、開封テープTの摘み部分を形成する切れ目は参照符号Cで示されており、この実施態様での場合、切れ目Cは開封テープTの両側に平行に延びる2本の切れ目線からなっている。
【0017】
一方、縦ヒートシーラ14もまた図2中に斜線を施して示すようにフィルムウエブFU,FLに縦シールライン、すなわち、センタシールラインLC及び左右のサイドシールラインLSをそれぞれ形成する。センタシールラインLCはフィルムウエブFU,FLの中央、つまり、左右の被包装材Nの間に位置し、そして、サイドシールラインLSはフィルムウエブFU,FLの両側縁に位置付けられている。ここでも、センタシールラインLC及びサイドシールラインLSは完全に連続したラインではなく、所定の間隔を存して連続する矩形のヒートシール域の列からなり、その対応するヒートシール域は前述したトップ及びボトムシールラインLT,LBとオーバラップしている。図2中、白抜きの矢印はフィルムウエブFU,FLの走行方向を示す。
【0018】
上述したようにしてフィルムウエブFU,FLが横ヒートシーラ12及び縦ヒートシーラ14を通過すると、この時点で、その走行方向でみて被包装材Nを包み込んだシート状製品Pが形成される。なお、図3は、フィルムウエブFU,FL間にヒートシールにより被包装材Nが包み込まれた様子、そして、前述した裏フィルムウエブFLの構成をより明瞭に示している。
【0019】
搬送経路2には、縦ヒートシーラ14の下流に切断装置16が配置されており、この切断装置16はその上流側からセンタカッタユニット18及びサイドカッタユニット20からなる。これらカッタユニット18,20は基本的に同様な構造を有しているので、先ず、センタカッタユニット18について以下に説明する。
【0020】
センタカッタユニット18は搬送経路2の下側にカッタローラ22を備えており、カッタローラ22は一方向に回転可能に配置されている。より詳しくは、図4に示すようにカッタローラ22はローラ本体24を有し、このローラ本体24の両端部は縮径され、切断装置16のフレーム2に軸受を介して回転自在に支持されている。ローラ本体24の一端には駆動力が供給され、この駆動力を受けて、ローラ本体24、つまり、カッタローラ22は一方向に回転される。
【0021】
ローラ本体24の軸線方向中央にはその外周面にセンタカッタ26が設けられており、このセンタカッタ26はローラ本体24の外周面をその周方向に部分的に覆う円弧形状をなし、その両側部分にて2個ずつの取付ねじ28によりローラ本体24に固定されている。
センタカッタ26の中央部分からは切断刃30が一体的に突出しており、切断刃30はローラ本体24の径方向外側に向く刃先を有し、この刃先はローラ本体24の軸線から同一の半径を有する円弧面内にある。切断刃30、つまり、その刃先は図5から明らかなようにローラ本体24の周方向でみて、その両端が山形で、かつ、その周方向に長く延びたほぼ6角形状をなす。つまり、切断刃30の刃先の輪郭は閉じた形状である。なお、図5中、参照部号32は前述した取付ねじ28のためのねじ穴を示す。
【0022】
ここで、図6に示すように切断刃30の刃先は鋭角なものであるが、しかしながら、図7に拡大して示すようにその刃先の先端は切れ味を落とすことない程度に平坦となっている。ここで、刃先における平坦部分の厚みHは例えば0.05〜0.1mm程度であり、その刃先角θは約60°程度である。このように刃先の先端に平坦部分が確保されていると、その耐久性の向上を図ることができる。
【0023】
図5に示すようにセンタカッタ26はローラ本体24の回転方向(矢印R)でみて、切断刃30の直前側にランディングガイド34を有している。このランディングガイド34の後端縁は切断刃30の山形の前端部と合致するような山形の凹み形状なし、したがって、ランディングガイド34と切断刃30との間には山形形状をなす所定のギャップ36が確保されている。また、図5から明らかなように切断刃30とランディングガイド34とはローラ本体24の周方向にOLで示す部分が互いにオーバラップした状態にある。
【0024】
更に、図8に示すようにランディングガイド34はローラ本体34の周方向に所定の長さ以上延び、その前端の角には丸みが付けられている。なお、図8に示すランディングガイド34は比較的短いが、しかしながら、ランディングガイド34は切断刃30の後端近傍まで延びるものであってもよい。
ランディングガイド34の外周面は前述した切断刃30の刃先にて規定される円弧面A1よりもその半径が僅かに短い円弧面A2上にあり、ランディングガイド34と切断刃30の刃先との間には図8に示すように僅かな段差Xが存在する。
【0025】
図5及び図6に示すように切断刃30の内側には開孔38が形成されており、この開孔38はローラ本体24の外周面を部分的に露出させている。開38内には図8に示すように吸着・排出ノズル、すなわち、吸排ノズル40が配置されている。より詳しくは、吸排ノズル40はセンタカッタ26の回転方向でみて開38の前端部に位置付けられ、ローラ本体24の径方向孔42にねじ込まれている。
【0026】
そして、ローラ本体24の軸芯には径方向孔42に連通する軸方向孔44が形成されている。この軸方向孔44は図4に示すようにローラ本体24の他端面にて開口し、その開口端はプラグ46により閉塞されている。ローラ本体24の他端は切断装置16の前述したフレーム2から突出し、この突出部分に軸受48及びスリーブ50を介してコントロールリング52が外側から嵌合されている。ここで、コントロールリング52はローラ本体24の回転に対し、固定した状態にある。
【0027】
更に、ローラ本体24内には軸方向孔44から延びる径方向孔54が形成されている。この径方向孔54はローラ本体24の外周面にて開口し、この開口端はコントロールリング52の内周面により覆われている。
一方、図9に示すようにコントロールリング52の内周面にはローラ本体24の回転に伴い径方向孔54の開口端が移動する回転軌跡上に位置して、吸引圧溝56及びブロー圧溝58がそれぞれ形成されており、これら吸引圧溝56及びブロー圧溝58はローラ本体24の周方向に互いに空圧的に分離されている。図9から明らかなように吸引圧溝56はコントロールリング5の周方向でみて、その頂点域からローラ本体24の回転方向に所定の回転角域αだけ延びている。ここで、回転角域αは前述した開孔38にて規定されるローラ本体24の露出外周面域の回転角域よりも僅かに大きく確保されている。
【0028】
ブロー圧溝58はコントロールリング5の底点域からローラ本体24の回転方向に所定の回転角域βだけ延びているが、この回転角域βは回転角域αよりも小さい。
コントロールリング52の外周面にはコネクタ60,62がねじ込んで取り付けられている。これらコネクタ60,62はコントロールリング52の直径方向に離間し、吸引圧溝56及びブロー圧溝58にそれぞれ連通している。一方のコネクタ60は吸引管路を介して大気圧よりも低圧のサクション源(図示しない)に常時接続され、そして、他方のコネクタはブロー管路を介して圧縮空気源(図示しない)に常時接続されている。
【0029】
図4及び図8に示すように前述したセンタカッタ26の上方には搬送経路2を挟んで受けローラ64が配置されており、受けローラ64はセンタカッタ26の切断刃30よりも広い幅を有している。受けローラ64はローラ軸66に回転自在に支持され、このローラ軸66はその両端がブラケット68に上下動自在に案内されている。すなわち、図8に示すように各ブラケット68には上下方向に延びるガイド溝70が形成されており、そして、ローラ軸66の両端部は断面略矩形形状をなし、対応する側のガイド溝70に摺動自在に嵌合されている。
【0030】
各ブラケット68は一対の連結ボルト72を介して水平な梁部材74に連結されており、この梁部材74はその両端が前述したフレーム2に支持されている。更に、梁部材74及びブラケット68内には上下方向の貫通孔76がそれぞれ形成されており、この貫通孔76は一対の連結ボルト72間に位置し、ブラケット68のガイド溝70に連通している。
【0031】
貫通孔76にはガイドロッド78が挿通されており、このガイドロッド78はその下端部がガイド溝70内を延び、そして、ローラ軸66の対応する側の端部を摺動自在に貫通している。ガイドロッド78の下端には止め具80が設けられており、この止め具80にてローラ軸66の端部を支持可能となっている。
一方、ガイドロッド78の上端部はねじ部として形成され、梁部材74から突出した状態にある。ガイドロッド78の上端部にはナット82がねじ込まれており、これらナット82は梁部材74からガイドロッド78を吊持している。更に、ガイドロッド78にはその止め具80との間にてローラ軸66の端部を挟むようにして圧縮コイルばね84が取り付けられており、この圧縮コイルばね84はその上端ばね座86を介してガイド溝70の上端面に当接し、ローラ軸66の端部を下方に向けて押圧付勢している。
【0032】
なお、図8から明らかなようにガイドロッド78及び止め具80は長尺なボルトにより一体にして構成することもでき、そして、ローラ本体24に対するローラ軸66の平行度はそのナット82により各ガイドロッド78の上下位置を調整して得ることができる。また、図4中、参照符号8は搬送経路2を規定するガイドプレートであって、このガイドプレート8には開口が形成され、この開口はセンタカッタ26、つまり、そのランディングガイド34や切断刃30に対する受けローラ64の転接を許容している。
【0033】
更に、図1に示すようにカッタローラ22の近傍にはそのセンタカッタ26と対応した位置に回収フード88が配置されている。この回収フード88はカッタローラ22の回転方向でみて、受けローラ64側からカッタローラ22の周方向に沿って延びることで、カッタローラ22の半周以上を覆い、かつ、カッタローラ22に向けて開口している。回収フード88の下端部には排出管路90を介して回収容器92に接続されており、この回収容器92は送風機に接続されている。この送風機は回収容器92及び排出管路90を介して回収フード88内の空気を排出し、回収フード88から回収容器92に向かう空気流を発生させる。
【0034】
次に、サイドカッタユニット20について以下に説明するが、ここでは説明の重複を避けるため、センタカッタユニット18と相違する点についてのみ説明する。
図1から明らかなようにサイドカッタユニット20は搬送経路2でみてセンタカッタユニット18の下流側に位置し、そのカッタローラ22のローラ本体24はその両端部にサイドカッタ94L,94Rを備えており、そして、カッタローラ22の上方には各サイドカッタ94と協働する受けローラ64L,64Rがそれぞれ配置されている。
【0035】
サイドカッタ94L,94Rは前述したセンタカッタ26の切断刃30と同様な形状の切断刃96L,96Rを有しているが、これら切断刃96は図10及び図11に示すように、その全周に刃が付けられているのではなく、切断刃96L,96Rにおける刃先の輪郭形状は開いたものとなっている。より詳しくは図12に右側のサイドカッタ94Rの平面図を代表して示すように、その切断刃96Rの刃先はセンタカッタ26の刃先30と比較した場合、サイドカッタ94Rの回転方向(矢印参照)でみて、その右側の直線部及びこの直線部から前後の山形部に連なる角部が斜線を施して示すように平坦面となり、その残りの部分のみに刃が付けられている。
【0036】
なお、サイドカッタユニット20のカッタローラ22はセンタカッタユニット18側から駆動力を受けて一方向に回転される。より詳しくは、図に示すように、センタ及びサイドカッタユニット18,20のカッタローラ22、つまり、これらのローラ本体24にはその一端部に歯付きプーリ98が取り付けられており、これら歯付きプーリ98は歯付きベルト(図示しない)を介して相互に接続されている。
【0037】
更に、センタカッタユニット18とサイドカッタユニット20との間には、図1に示すようにサイドカッタユニット20の直上流にプレスローラ100が配置されており、このプレスローラ100は回転自在に支持され、その自重によりシート状製品Pを上方から押さえ付けている。
前述したシート状製品Pが前述したセンタカッタユニット18を通過すると、そのセンタカッタ26の切断刃30はその回転に伴い、受けローラ64との間にてシート状製品Pを挟み付けて切断し、シート状製品Pの中央に長尺な6角形状の切断片を一定の間隔毎に形成する。
【0038】
ここで、図13を参照すればより明らかなように切断刃30による切断に先立ち、センタカッタ26はそのランディングガイド34にてシート状製品Pを介して受けローラ64に当たり、受けローラ64は先ずランディングガイド34にシート状製品Pを介して乗り上げることになる。この際、受けローラ64は前述したように下方に向けて押圧付勢され、そして、上方への変位が許容されているので、ランディングガイド34の前端との衝突により受けローラ64はバウンドした後、ランディングガイド34上に着地し、そして、そのバウンドはランディングガイド34上にて収束されるようになっている。つまり、ランディングガイド34は少なくとも受けローラ64のバウンドが収束するのに要する周長を有していればよい。なお、前述したようにランディングガイド34の前端は丸くなっているので、受けローラ64がランディングガイド34と衝突しても、シート状製品Pが損傷を受けることはない。
【0039】
この後、センタカッタ26の回転が進み、その切断刃30の前端が受けローラ64に到達すると、前述したように切断刃30とランディングガイド34との間は前述した僅かな段差Xが存在するのみであるので、この段差X分だけ受けローラ64はその押圧付勢力に抗して僅かに上方に変位し、シート状製品Pを挟み付けながら切断刃30に円滑に乗り移ることができる。したがって、この乗り移りの際、切断刃30に大きな衝撃力が加わることはなく、切断刃30の摩耗が低減され、そして、その耐久性の向上を図ることができる。
【0040】
上述したように受けローラ64は所定の押圧付勢力にて切断刃30に押し付けられ、そして、上下に変位可能に吊持されているから、たとえ切断刃30の刃先が完全な円筒面上になくとも、切断刃30はセンタカッタ26の回転が進むに連れ、その全周に亘りシート状製品Pを介して受けローラ64に均一にして密着することができる。つまり、センタカッタ26と受けローラ64との間の微妙な軸芯間調整を必要とすることなく、シート状製品Pに対する切断刃30の刃当たりを均一にできる。この結果、切断装置の組み付けが容易になり、そして、その切断刃30はシート状製品Pを確実且つ良好に切断可能となる。
【0041】
このように切断刃30の刃当たりが均一になれば、受けローラ64に加えるべき押圧付勢力をシート状製品Pの切断に必要な最小限度に制限することができる。この結果、切断刃30の摩耗を更に低減でき、その耐久性を大幅に向上することができる。
一方、切断刃30によるシート状製品Pの切断が開始されると、ローラ本体24の軸方向孔44は径方向孔54を介してコントロールリング52の吸引圧溝56に接続され、吸引圧溝56から所定の吸引圧の供給を受ける(図9参照)。図8に示したように軸方向孔44は径方向孔42を通じて切断刃30内の吸排ノズル40に連通しているから、この時点にて、吸排ノズル40に吸引圧が供給され、吸排ノズル40は切断刃30より切断され始めたシート状製品Pの被切断部分を吸引する。ここで、吸排ノズル40はセンタカッタ26の回転方向でみて、切断刃30の前端部に位置付けられているから、切断刃30による切断が開始されると同時に、被切断部分の先頭を吸着することになる。
【0042】
したがって、切断刃30による切断が進むに連れ、被切断部分はセンタカッタ26の回転に伴いシート状製品Pから搬送経路2の下方に向けて分離される。そして、切断刃30が受けローラ64を完全に通過し、被切断部分が切断片としてシート状製品Pから切り抜かれても、ローラ本体24内の径方向孔54が吸引圧溝56に連通している間、切断片は吸排ノズル40に吸着された状態にある。つまり、切断片は切断刃30内に保持された状態で、センタカッタ26の回転とともにその回転軌跡により規定される排出経路に沿って移送され、シート状製品Pから確実に分離される。
【0043】
この後、センタカッタ26の回転が更に進み、ローラ本体24内の径方向孔54がブロー圧溝58に接続されると、軸方向孔44、つまり、吸排ノズル40は所定のブロー圧の供給を受ける。したがって、この時点にて、吸排ノズル40は吸着していた切断片を回収フード88(図1参照)に向けて吹き飛ばすことになる。回収フード88は排出管路90を介して回収容器92に接続されているので、回収フード88内の切断片は排出管路90内を風送され、回収容器92内に回収される。この結果、切断刃30により切り抜いた切断片は搬送経路2の周辺に散乱することなく、回収容器92に確実に回収される。
【0044】
上述したようにしてシート状製品Pから切断片が切り抜かれると、図14に示すようにシート状製品Pには切断片に相当するセンタ切り抜き孔CHが形成される。ここで、センタ切り抜き孔CHはシート状製品Pの中央、つまり、前述したセンタシールラインLC上にて、トップ及びボトムシールラインLT,LBを横断して位置付けられている。
【0045】
この後、シート状製品Pがサイドカッタユニット20を通過すると、その左右のサイドカッタ94L,94Rの切断刃96L,96Rは対応する受けローラ64と協働し、センタカッタユニット18での場合と同様にしてシート状製品Pの両側縁を切断し、図14に示すようにシート状製品Pの両側縁にサイド切欠SHをそれぞれ形成する。この際、前述したように切断刃96L,96Rはサイド切欠SHの形成に必要な片側領域のみに実質的に刃が付けられているだけであるので、その刃先が受けローラ64に直接に当たることはない。したがって、切断刃96の場合にあっても、その摩耗を低減し、耐久性の向上を図ることができる。
【0046】
図14から明らかなように左右のサイド切欠SHは、対応する側のサイドシールラインLS上にて、センタ切り抜き孔CHと同様にトップ及びボトムシールラインLT,LBを横断して位置付けられ、その形状はセンタ切り抜き孔CHの片側部分に相当する。
更に、切断刃96L,96Rによる切断の際、シート状製品Pはサイドカッタユニット20の直上流にあるプレスローラ100(図1参照)により上方から押さえ付けられているので、切断刃96による切断が進むに連れ、シート状製品Pの両側縁部が中央側に片寄るのを防止できる。それゆえ、その片寄りに起因し、サイド切欠SHの形状が図15に示すように正規の形状(2点鎖線)から外れてしまうようなこともない。
【0047】
なお、サイド切欠SHを形成した切断片もまた、シート状製品Pから確実に分離され、そして同様にして、その回収フード88から排出管路90を通じて回収容器92に回収されることは言うまでもない。
図1に示すようにサイドカッタユニット20とフィードローラ8との間にはセンタスリッタ102が配置されている。このセンタスリッタ102は受けローラ104と固定カッタ106からなり、図14中の切断ラインKCで示すようにシート状製品Pをその中央から長手方向に切断分離する。
【0048】
更に、図1に示すように搬送経路2の出口端6の近傍にはメインカッタユニット108が配置されている。このメインカッタユニット108は回転カッタ110と、固定刃112から構成され、回転カッタ110は図14中の切断ラインKLで示すようにシート状製品Pを所定の間隔毎に横方向に切断分離する。切断ラインKLは図14から明らかなように前述したトップ及びボトムシールラインLT,LB間の中央に規定されている。
【0049】
したがって、搬送経路2の出口端6にシート状製品Pが到達すると、このシート状製品Pは個々の被包装材、つまり、海苔Nを包装し、かつ、その4隅の角部がカットされた包装品となる。この後、包装品は図示しない折り込み装置に供給され、この折り込み装置にておにぎりを包み込むべく折り込まれ、海苔付きのおむすびとなる。
【0050】
本発明は上述の実施態様に節約されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明の切断装置はセンタカッタユニット18やサイドカッタユニット20の一方のみでであってよいし、また、サイドカッタユニット20及びプレスローラ100をセンタカッタユニット18の上流側に配置してもよい。
また、本発明の切断装置は上述したシート状製品Pにセンタ切り抜き孔CHや、サイド切欠SHを形成するだけではなく、前述した特公昭42-1957号公報に記載の開封テープ装着装置の小口カッタユニットにも適用可能である。この場合、図16に示すように、その小口カッタ114は例えばU字形の切断刃116を有し、その前側に受けローラ(図示しない)のためのランディングガイド118を有している。なお、本発明の切断装置をその小口カッタユニットに適用する場合、前述した吸排ノズル40や、切断片の排出及び回収経路は不要である。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のシート状製品の切断装置(請求項1,4)によれば、カッタローラにおける切断刃の前側に受けローラのためのランディングガイドを設けてあるので、受けローラは先ずランディングガイドに当たった後、ランディングガイドから切断刃に円滑に乗り移ることができ、シート状製品の切断を確実に行うことができる。
【0052】
そして、切断装切断後の切断片を搬送経路外に排出する排手段が設けられている場合(請求項2,3)、排除手段は切断片が搬送経路の周辺に散乱したり、また、シート状製品と一緒に後段の工程に向けて搬送されるのを確実に防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施態様の切断装置を含む包装品の製造ラインを示した概略図である。
【図2】シート状製品の平面図である。
【図3】シート状製品の横断面図である。
【図4】センタカッタユニットの正面図である。
【図5】センタカッタの平面図である。
【図6】センタカッタの横断面図である。
【図7】切断刃の刃先の拡大断面図である。
【図8】センタカッタユニットの横断面図である。
【図9】コントロールリングの横断面図である。
【図10】左側のサイドカッタの横断面図である。
【図11】右側のサイドカッタの横断面図である。
【図12】右側のサイドカッタの平面図である。
【図13】センタカッタのランディングガイドの機能を説明するための図である。
【図14】切断後のシート状製品を示した平面図である。
【図15】サイド切欠の周辺を示したシート状製品の部分図である。
【図16】小口カッタに適用した例を示す図である。
【符号の説明】
22 カッタローラ
24 ローラ本体
30 切断刃
34 ランディングガイド
40 吸排ノズル
52 コントロールリング
64 受けローラ
88 回収フード
92 回収容器

Claims (4)

  1. シート状製品の搬送経路の途中に回転自在に配置された受けローラと、
    前記受けローラを前記搬送経路に向けて押圧付勢し、前記搬送経路に対して接離する方向への前記受けローラの変位を許容したばねと、
    前記受けローラとの間に前記搬送経路を挟んで回転可能に配置され、前記シート状製品の通過に伴い、前記受けローラと協働して前記搬送経路上の前記シート状製品を切断し、所定形状の切断片を周期的に形成するカッタローラとを備え、
    前記カッタローラは、
    ローラ本体と、
    前記ローラ本体の外周面に設けられ、前記シート状製品を切断して前記切断片を形成する切断刃と、
    前記ローラ本体の外周面にその回転方向でみて前記切断刃の直前方に設けられ、前記切断刃に先立ち前記シート状製品を挟んで前記受けローラを転接させるランディングガイドと
    を含み、
    前記ランディングガイドは、
    前記受けローラが前記シート状製品を介して転接してバウンドした後、前記受けローラのバウンドが収束するのに要する長さを前記ローラ本体の周方向に沿って有し、
    前記ランディングガイドは更に、前記ローラ本体の外周面からの高さが前記切断刃よりも若干低く、前記受けローラの転接後に前記ローラ本体の周方向でみて前記切断刃とオーバラップする形状を有することを特徴とするシート状製品の切断装置。
  2. 前記切断刃による切断後の切断片を前記搬送経路から排除経路に沿って移送し、前記搬送経路外に排除する排除手段を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のシート状製品の切断装置。
  3. 前記排除手段は、
    前記カッタローラ内に設けられ、前記切断刃の輪郭内にて開口した吸着・排出ノズルと、
    前記吸着・排出ノズルに供給される空圧を制御する制御手段と、
    を具備したことを特徴とする請求項2に記載のシート状製品の切断装置。
  4. 前記シート状製品の搬送方向でみて、前記カッタローラの直上流に回転自在に配置され、前記シート状製品を押さえ付けるプレスローラを更に具備したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のシート状製品の切断装置。
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