JP3929044B2 - 試料保持プレートの恒温装置 - Google Patents

試料保持プレートの恒温装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば血液、尿等の液状の試料を分析するために用いられる試料保持プレートの恒温装置及び振盪装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、血液、尿等の液状の検体を分析するために、複数の凹部が形成された試料保持プレートに血液、尿等の液状の検体を分注し、更に試薬等の分注、攪拌、洗浄等の処理を行って各凹部内の検体を分析する分析方法が知られている。
【0003】
尚、本明細書において「試料」という用語は、分析の対象である検体という意義に限定されず、分析のために試料保持プレートの凹部に分注される例えば試薬等を含む液状体という意義で用いることとする。
【0004】
このような分析では一般的に検体と試薬等との反応を促進するため、試料保持プレートを載置するための載置台と、該載置台の下側に配設され、該載置台を介して試料保持プレートの温度を調節するための温度調節手段と、を含んでなる恒温装置(例えば、特許文献1参照。)が用いられる。温度調節手段としてはペルチェ素子を内蔵したものが多く用いられ、ペルチェ素子の熱交換のための放熱フィンと、放熱フィンに下方から空気を供給するためのファンと、が恒温装置の底部に設けられていることが多い。
【0005】
又、このような分析では各凹部内の試料を攪拌するために、試料保持プレートを載置するための載置台を可撓性部材等で揺動可能であるように支持し、偏心軸等を用いて載置台を水平方向に揺動させて試料保持プレートを振盪するようにした振盪装置を用いることが多い。
【0006】
試料を高精度で分析するためには試料保持プレートの各凹部内の試料を均一に攪拌し、又、均一な温度に保持する必要がある。
【0007】
【特許文献1】
特開平10―267933号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば、加熱のために温度調節手段が発熱した場合、載置台は外周近傍が中央近傍よりも放熱しやすいために外周近傍が中央近傍よりも低温になりやすく、これにより試料保持プレートは外周近傍の凹部の温度が中央近傍の凹部の温度よりも低くなることがある。
【0009】
又、ファンは、回転中心近傍が無風に近い状態であるのに対し、外周近傍は風量が多く、放熱フィンでは風量に応じた熱量の交換が行われるので、温度調節手段自体の温度分布が不均一となり、これにより試料保持プレートの温度分布が不均一となることがある。
【0010】
尚、冷却のために温度調節手段が吸熱する場合も同様に温度調節手段自体の温度分布が不均一となることがある。
【0011】
図7は、1個のペルチェ素子を備える恒温装置における試料保持プレート102の温度分布の一例を等温線で示した斜視図である。図8は、2個のペルチェ素子を備える恒温装置における試料保持プレート102の温度分布の一例を等温線で示した斜視図である。ペルチェ素子を複数備えることで温度分布を均一化する一定の効果が得られるが、試料保持プレート102の外周近傍、特に角部近傍では等温線の間隔が狭く、温度分布が不均一となっている。
【0012】
一方、振盪装置は載置台を様々な方向に揺動させるため、試料保持プレートは水平面に沿って揺動する際、若干の回転運動を伴うことがある。この場合、試料保持プレートは回転運動の中心から離間する部位ほど揺動の速度が大きくなり、これにより各凹部の攪拌の度合いに差が生じることがある。
【0013】
即ち、複数の凹部が形成された試料保持プレートを用いて複数の試料の分析を同時に行うことができ、これにより効率の良い分析を行うことができる一方、各凹部の試料の温度調節、攪拌等の処理が不均一となることがあり、温度調節、攪拌等の試料の処理の均一化が要望されていた。
【0014】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであって、試料保持プレートの複数の凹部の試料を均一に処理して、精度のよい分析を確実に行うことができる試料保持プレートの恒温装置、振盪装置を提供することをその課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、液状の試料を保持する複数の凹部が形成された試料保持プレートを載置するための載置台と、該載置台の下側に配設され、該載置台を介して前記試料保持プレートの温度を調節するための温度調節手段と、を含んでなる試料保持プレートの恒温装置において、低伝熱部材と、該低伝熱部材よりも熱伝導率が高い高伝熱部材と、を有してなり、且つ、前記温度調節手段と前記載置台との間に配設され、前記温度調節手段から前記載置台への伝熱分布を規制することにより前記試料保持プレートの温度分布を規制可能とされた伝熱規制手段を備えたことにより上記課題を解決したものである。
【0016】
この場合、前記載置台を略長方形の板状体とし、前記高伝熱部材を前記載置台の下面の4箇所の角部近傍の領域に沿って配設し、前記低伝熱部材を前記載置台の下面の他の領域に沿って配設するとよい。
【0017】
又、前記高伝熱部材を前記載置台の下面の外周近傍の領域に沿って配設し、前記低伝熱部材を前記載置台の下面の他の領域に沿って配設してもよい。
【0018】
尚、前記温度調節手段はペルチェ素子を含む構成としてもよい。
【0019】
又、本発明は、液状の試料を保持する複数の凹部が形成された試料保持プレートを載置するための載置台と、該載置台の下側に配設され、該載置台を介して前記試料保持プレートの温度を調節するための温度調節手段と、を含んでなる試料保持プレートの恒温装置において、前記温度調節手段に沿って略水平な方向に送気することにより熱交換を行うための送気手段を備えたことにより上記課題を解決したものである。
【0020】
この場合、前記送気手段は、前記温度調節手段の水平方向の一端近傍から他端近傍を経由して前記一端近傍に送気を還流するための送気路を有する熱交換部を備えるようにするとよい。
【0021】
又、前記送気手段は、外部から空気を吸入するための吸気口と、該吸気口と異なる方向に開口し、空気を外部に排出するための排気口と、を備えるようにしてもよい。
【0022】
又、本発明は、液状の試料を保持する複数の凹部が形成された試料保持プレートを載置するための載置台と、前記載置台の下側に略水平に配設された板状体のガイドプレートと、該ガイドプレートを略水平なX方向に移動自在に支持するXガイドと、前記載置台及び前記ガイドプレートを略水平、且つ、前記X方向と垂直なY方向に移動自在に係合するYガイドと、前記載置台を略水平な方向に揺動させるための揺動手段と、を含んでなり、前記試料保持プレートが略水平なX−Y方向に均一に振盪可能とされたことを特徴とする試料保持プレートの振盪装置により上記課題を解決したものである。
【0023】
この場合、前記Xガイドは、略水平に配置された円板状体で側部において前記ガイドプレートを前記Y方向両側から挟むように配設され、且つ、回転自在に支持された複数のXローラを含む構成とし、前記Yガイドは、略水平に配置された円板状体で側部において前記ガイドプレートを前記X方向両側から挟むように配設され、且つ、前記載置台側に回転自在に取付けられた複数のYローラを含む構成とするとよい。
【0024】
又、本発明は上記振盪装置と、前記載置台の下側に配設され、前記載置台を介して前記試料保持プレートの温度を調節するための温度調節手段と、が備えられたことを特徴とする試料保持プレートの恒温振盪装置により上記課題を解決したものである。
【0025】
この場合、低伝熱部材と、該低伝熱部材よりも熱伝導率が高い高伝熱部材と、を有してなり、且つ、前記温度調節手段と前記載置台との間に配設され、前記温度調節手段から前記載置台への伝熱分布を規制することにより前記試料保持プレートの温度分布を規制可能とされた伝熱規制手段を備えるとよい。
【0026】
本発明によれば、試料保持プレートの複数の凹部の試料を均一に処理して、均一で精度のよい分析を確実に行うことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
図1は、本実施形態に係る恒温振盪装置の載置台周辺の概略構造を示す分解斜視図である。図2は同恒温振盪装置の全体構造の概略を示す前断面図、図3は同側断面図、図4は同底面図である。
【0029】
恒温振盪装置10は、液状の試料を保持する複数の凹部12Aが形成された試料保持プレート12を載置するための載置台14と、該載置台14の下側に配置され、該載置台14を介して試料保持プレート12の温度を調節するための温度調節手段16と、を備えている。
【0030】
恒温振盪装置10は、低伝熱部材18と、低伝熱部材18よりも熱伝導率が高い高伝熱部材20と、を有してなり、且つ、温度調節手段16と載置台14との間に配設され、温度調節手段16から載置台14への伝熱分布を規制することにより試料保持プレートの温度分布を規制可能とされた伝熱規制手段22を備えたことを特徴としている。
【0031】
又、恒温振盪装置10は、温度調節手段16に沿って略水平な方向に送気することにより熱交換を行うための送気手段24を備えたことを特徴としている。
【0032】
更に、恒温振盪装置10は、載置台14の下側に略水平に配設された板状体のガイドプレート30と、ガイドプレート30を略水平なX方向に移動自在に支持するXガイド32と、載置台14及びガイドプレート30を略水平、且つ、X方向と垂直なY方向に移動自在に係合するYガイド34と、載置台14を略水平な方向に揺動させるための揺動手段36と、を含んでなり、試料保持プレート12を略水平なX−Y方向に均一に振盪可能とされたことを特徴としている。
【0033】
他の構成については従来の恒温装置、振盪装置と同様であるので説明を適宜省略することとする。
【0034】
試料保持プレート12は四角形の透明な板状体で、上面に円形の複数(本実施形態では8×12=96)の凹部12Aが形成されている。
【0035】
載置台14は、四角形板状体で材質がアルミニウム系とされ、熱伝導率は約237(W/m℃)である。
【0036】
温度調節手段16は、面積が載置台14の面積の半分よりも若干小さな四角形板状体の2枚のペルチェ素子38を並設した構成とされている。これらペルチェ素子38は、伝熱規制手段22の下面に接するように配設されている。
【0037】
伝熱規制手段22の低伝熱部材18は材質がシリコンゴムで、熱伝導率は約1.1(W/m℃)とされている。低伝熱部材18は、載置台14と等しい形状の四角形の4箇所の角部を外周に沿ってL字形に切り欠いた形状の板状体で、4辺の中央近傍に水平方向外側に突出する突部18Aが形成され、載置台14の下面に接するように配設されている。
【0038】
一方、高伝熱部材20は材質が銅系材料で、熱伝導率は約398(W/m℃)とされている。高伝熱部材20は、載置台14と等しい形状の四角形の4箇所の角部に突部20Aを設けた略板状体で、突部20Aは角部近傍の外周に沿ってL字形に上方に突出している。高伝熱部材20は、突部20Aの側面において低伝熱部材18に嵌合すると共に、突部20Aの上面において載置台14の下面の角部近傍に接するように配設されている。
【0039】
尚、載置台14、温度調節手段16及び伝熱規制手段22は、箱体のケース39内に収容されている。
【0040】
送気手段24は、吸気部40と、熱交換部42と、を備えている。図5は、送気手段24の構造を拡大して示す平断面図である。
【0041】
吸気部40は、ファン44と、吸気カバー46と、を備えている。吸気カバー46は略L字形状でケース39の後側(図5における上側)の1箇所の角部に沿って配設されている。又、吸気カバー46は前側(図5における下側)の一端が、外部から空気を吸入するための吸気口46Aとされ、後側の他端近傍において熱交換部42に連通している。ファン44は、吸気カバー46の角部近傍の内側に収容されている。
【0042】
熱交換部42は、角型筒状体のケース50と、ケース50の前側の一端を閉塞する閉塞板52と、ケース50の後側の他端に配設された送気路選択板54と、ケース50内に並設された複数(本実施形態では8枚)のフィン56と、を備えている。
【0043】
尚、ケース50は、上面において2枚のペルチェ素子38を支持し、又、上面の後側の端部近傍は切り欠かれて上方に開放されている。又、ケース50の底板58は、左右方向両側に突出している。
【0044】
フィン56は細長い長方形板状体で、幅方向の両端縁がケース50内側の上面及び底面に接するように配設され、又、長手方向の前側の端部56Aと閉塞板52との間に隙間が形成されるように配設されている。一方、後側の端部56Bは送気路選択板54に接するように配設されている。
【0045】
フィン56及びケース50の側壁は、温度調節手段16の水平方向の一端近傍から他端近傍を経由して前記一端近傍に送気を還流するための複数(本実施形態では9本)の送気路50Aを形成している。
【0046】
送気路選択板54は、断面がL字形となるように板状体を曲折した部材で、ケース50の後側の端部近傍を上方及び後方から覆って、フィン56の端部56Bに接するように配設されている。送気路選択板54の上面には、複数(本実施形態では5個)の連通孔54Aが形成され、側面にも複数(本実施形態では4個)の排気孔(排気口)54Bが形成されている。
【0047】
上面の5箇所の連通孔54Aは、9本の送気路50Aのうちの両端の送気路を含む1つ置きの5本の送気路50Aに連通するように形成され、後面の4箇所の排気孔54Bは他の1つ置きの4本の送気路50Aに連通するように形成されている。
【0048】
送気路選択板54は上面が吸気カバー46の内側に臨み、後面は外部に臨むように配設されている。これにより、ファン44からの送気は、まず、後側の端部近傍の連通孔54Aから1つ置きの5本の送気路50Aに供給され、閉塞板52により前側の端部近傍で他の1つ置きの4本の送気路50Aに進入して後側の端部近傍に還流されて排気孔54Bから外部に排気されるように構成されている。
【0049】
ガイドプレート30は、X方向に突出した一対の突部30Aと、Y方向に突出した一対の突部30Bと、を有する略十字形状の板状体で、底板58の下面に近接するように配設されている。
【0050】
Xガイド32は、略水平に配置された円板状体で側部においてガイドプレート30をY方向両側から挟むように配設され、且つ、ブラケット61に回転自在に支持された複数(本実施形態では4個)のXローラ32Aを備えている。尚、ブラケット61は図示しない支柱に取付けられている。
【0051】
Xローラ32Aは、側部にU字溝が形成されており、このU字溝においてガイドプレート30の突部30Aに係合し、ガイドプレート30をX方向に案内すると共に、ガイドプレート30の上下方向の動きを規制している。
【0052】
Yガイド34は、Xローラ32Aと等しい形状の複数(本実施形態では4個)のYローラ34Aを備え、これらYローラ34Aはガイドプレート30の突部30BをX方向両側から挟むように配設され、且つ、(載置台14側の)底板58に回転自在に取付けられている。これらYローラ34Aは、側部のU字溝においてガイドプレート30の突部30Bに係合し、突部30Bに沿ってY方向に転動するようにされ、且つ、上下方向の動きが規制されている。
【0053】
揺動手段36は、出力軸62Aが略鉛直に配設されたモータ62と、一端が底板58に回転自在に係合し、他端がモータ62の出力軸62Aに連結された偏心軸64と、を有して構成されている。
【0054】
次に、恒温振盪装置10の作用について説明する。
【0055】
まず、温度調節作用について説明する。
【0056】
ファン44に通電すると、ファン44が回転して吸気口46Aから吸気カバー46内に空気を吸引する。ファン44を通過した空気は後側端部近傍の送気路選択板54の連通孔54Aからケース50内の9本の送気路50Aのうち両端の送気路を含む1つ置きの5本の送気路に供給される。供給された空気は閉塞板52により前側端部近傍で他の1つ置きの4本の送気路に進入して後方に還流され、排気孔54Bから外部に排気される。
【0057】
一方、温度調節手段16のペルチェ素子38に通電すると、ペルチェ素子38は上面側が発熱し、下面側が吸熱する。尚、ここでは、試料保持プレート12を室温よりも高い温度に保持するために、ペルチェ素子38の上面が発熱する場合について説明するが、通電する電流の向きを反転することにより、ペルチェ素子38の上面側が吸熱し、下面側が発熱するようにして試料保持プレート12を室温よりも低い温度に保持することも可能である。
【0058】
ペルチェ素子38の下面の各部には均一な風量の空気が送気され、ファンが下方から上方に空気を送気する恒温装置のような風量のばらつきは生じない。
【0059】
更に、送気路50Aが、温度調節手段16の後側の一端近傍から前側の他端近傍を経由して後側の一端近傍に送気を還流するように形成されているので、ケース50内の温度分布は均一になり、2枚のペルチェ素子38は下面側において均一に熱交換され、上面側が均一に発熱する。
【0060】
尚、吸気カバー46の吸気口46Aと、排気孔54Bとが異なる方向に開口し、排気孔54Aからの排気が吸気口46Aから再吸気され難くされているので、長時間稼動しても効率良く熱交換を行なうことが可能である。
【0061】
ペルチェ素子38の上面側で発生した熱は、高伝熱部材20に伝熱する。高伝熱部材20は、4箇所の角部近傍が放熱しやすいため、角部近傍近傍よりも中央近傍が強く加熱される。
【0062】
高伝熱部材20の中央近傍の熱は、低伝熱部材18を介して載置台14に伝わるが、低伝熱部材18は高伝熱部材20よりも熱伝導率が低いので、高伝熱部材20から載置台14への伝熱は、中央近傍で大幅に制限される。尚、高伝熱部材20の中央近傍の熱の一部は、角部近傍に伝熱する。
【0063】
一方、高伝熱部材20の角部近傍の熱は突部20Aから載置台14の角部近傍に伝わる。突部20Aは低伝熱部材18よりも熱伝導率が高いので、中央近傍よりも効率よく熱が伝えられる。
【0064】
即ち、高伝熱部材20は、角部近傍よりも中央近傍が強く加熱される一方、低伝熱部材18のために中央近傍における載置台14への伝熱が制限されるので、載置台14は全体が均一に加熱される。図6は、恒温振盪装置10における試料保持プレート12の温度分布の一例を等温線で示した斜視図である。前述の図7、図8に対して試料保持プレートの温度分布が大幅に均一化されていることがわかる。
【0065】
このように、載置台14に載置された試料保持プレート12の総ての凹部12Aは均一な温度に保持され、各凹部12A内の試料が均一な温度条件の下で反応するので均一で精度のよい分析を確実に行うことができ、恒温振盪装置10は信頼性が高い。
【0066】
尚、試料保持プレート12を冷却する場合も同様に、載置台14に載置された試料保持プレート12の各凹部12Aは均一な温度に保持され、精度のよい分析を確実に行うことができる。
【0067】
又、伝熱規制手段22を備えているので、温度を均一化するために熱容量が大きい厚めの載置台を採用する必要がなく、それだけ短時間で目標温度に調節することが可能である。又、薄めの載置台を採用することでコストを低減することができる。
【0068】
又、ファン44を温度調節手段16の側方に配置しているので、ファンを温度調節手段の下方に配設する構造の恒温装置に対し、恒温振盪装置10は、特に上下方向にコンパクトである。
【0069】
又、ペルチェ素子から載置台への伝熱分布を規制することができるので、比較的小型のペルチェ素子を用いても載置台を均一な温度に調節することが可能である。ペルチェ素子は高価であるので、ペルチェ素子を小型化することにより恒温振盪装置10の一層の低コスト化を図ることができる。
【0070】
次に、試料保持プレート12の凹部12A内の試料を撹拌する振盪作用について説明する。
【0071】
揺動手段36のモータ62に通電すると、偏心軸64が偏心回転して底板58と共に載置台14、試料保持プレート12が水平方向に揺動する。
【0072】
底板58はYガイド34でY方向に案内され、Yガイド34はガイドプレート30を介してXガイド32でX方向に案内されているので、載置台14は、X方向の揺動及びY方向の揺動を合成した態様で略水平なX−Y方向に揺動し、回転運動を含む態様の揺動はしない。特に、Xガイド32、Yガイド34がXローラ32A、Yローラ34Aを備える構成であるので載置台14はX−Y方向に滑らかに案内される一方、水平方向の遊びが微小に制限され、回転運動が確実に防止される。これにより載置台14上の試料保持プレート12の総ての凹部12Aが均一に振盪し、各凹部12A内の試料は均一に撹拌される。
【0073】
このように、試料保持プレート12の全ての凹部12A内を均一に撹拌するので各凹部の試料の高精度な分析が可能であり、恒温振盪装置10は信頼性が高い。
【0074】
又、載置台14を均一に振盪するためにガイドプレート30、Xローラ32A及びYローラ34Aを組み合わせた簡単な構造を採用し、複雑なリンク機構等を設けていないので、恒温振盪装置10は低コストである。
【0075】
更に、Xローラ32A、Yローラ34Aの側部にU字溝が形成され、これらローラが水平方向のガイドの役割と共に載置台14を上下方向に支持する役割も兼ねているので、この点でも恒温振盪装置10はコンパクトで低コストである。
【0076】
又、Xローラ32A、Yローラ34Aが共に板状のガイドプレート30の側方に配設されているので、恒温振盪装置10は特に上下方向にコンパクトである。
【0077】
尚、ガイドプレート30にYローラ34Aを回転自在に取付けて、Yローラ34Aが底板58を挟むような構造を採用した場合も試料保持プレート12の回転運動を防止して複数の凹部12A内の試料を均一に攪拌することができるが、恒温振盪装置10の上下方向のコンパクト化を図るためには上記実施形態のように構成することが好ましい。
【0078】
又、Xガイド32、Yガイド34はXローラ32A、Yローラ34Aを備えているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばX方向のガイドレール、Y方向のガイドレールを備え、X―Y方向に案内する構成のXガイド、Yガイドとしてもよい。
【0079】
又、本実施形態において、送気手段24は、複数(8枚)のフィン56を備え、ケース50内に9本の送気路50Aが形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ケー50内の温度が十分に均一とすることができれば、例えば、フィンを1枚のみ備え、2本の送気路を形成する構成としてもよい。
【0080】
更に、本実施形態において、ファン44からの送気が温度調節手段16の一端近傍から他端近傍を経由して前記一端近傍に還流するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば温度調節手段の発熱量(又は吸熱量)が小さいような場合には、温度調節手段の一端近傍から他方近傍に一方向に空気を供給するようにしてもよい。この場合も、温度調節手段の各部の風量が均一となるので温度調節手段の発熱又は吸熱を均一化する一定の効果が得られる。又、ファン44が温度調節手段の側方に配設することができ、上下方向にコンパクトな恒温振盪装置とすることができる。
【0081】
又、本実施形態において、温度調節手段16はペルチェ素子を備えているが、本発明はこれに限定されるものではなく、試料保持プレートの冷却が不要である場合には、例えば、電熱線を備えて加熱のみを行なう構成の温度調節手段としてもよい。
【0082】
又、本実施形態において、高伝熱部材20は載置台14の下面の4箇所の角部近傍の領域に沿って配設され、低伝熱部材は載置台14の下面の他の領域に沿って配設されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、高伝熱部材、低伝熱部材の形状は載置台、温度調節手段の形状、温度調節手段の発熱(又は吸熱)態様等に応じて適宜選択すればよい。
【0083】
即ち、温度調節手段から載置台への伝熱は、温度調節手段の形状、発熱量又は吸熱量、ペルチェ素子等の配置、載置台の熱容量等により、様々に変化し得るので、具体的な伝熱の態様に応じて、伝熱分布のばらつきが小さくなるように低伝熱部材と、高伝熱部材とを適宜配設すればよい。
【0084】
例えば、載置台14の中央近傍と外周近傍で温度差が生じることがあるが、このような場合、温度載置台14の下面の外周に沿って高伝熱部材を配設し、載置台14の下面の他の領域に沿って低伝熱部材を配設すればよい。
【0085】
又、本実施形態において、低伝熱部材18は材質がシリコンゴムとされているが、低伝熱部材は熱伝導率が比較的小さな材質であればよく、例えば熱伝導率が比較的小さなセラミック、樹脂等の他の材質の低伝熱部材としてもよい。
【0086】
同様に、高伝熱部材20は材質が銅系とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばアルミニウム等の熱伝導率が比較的大きな他の材質の高伝熱部材としてもよい。
【0087】
又、本実施形態は、温度調節機能及び振盪機能を兼ね備えた恒温振盪装置10について説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、温度調節機能のみを備える恒温装置、振盪機能のみを備える振盪装置を別個に構成した場合も、試料保持プレートの各凹部の試料を均一に処理でき、均一で精度のよい分析を確実に実現することができることは言うまでもない。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、試料保持プレートの複数の凹部の試料を均一に処理して、精度のよい分析を確実に行うことが可能となるという優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る恒温振盪装置の載置台周辺の概略構造を示す分解斜視図
【図2】同恒温振盪装置の全体構造の概要を示す前面図
【図3】同側断面図
【図4】同底面図
【図5】同恒温振盪装置の送気手段の構造を拡大して示す平断面図
【図6】同恒温振盪装置における試料保持プレートの温度分布の一例を等温線で示す斜視図
【図7】従来の恒温装置における試料保持プレートの温度分布の一例を等温線で示す斜視図
【図8】従来の恒温装置における試料保持プレートの温度分布の他の例を等温線で示す斜視図
【符号の説明】
10…恒温振盪装置
12、102…試料保持プレート
12A…凹部
14…載置台
16…温度調節手段
18…低伝熱部材
20…高伝熱部材
22…伝熱規制手段
24…送気手段
30…ガイドプレート
32…Xガイド
32A…Xローラ
34…Yガイド
34A…Yローラ
36…揺動手段
38…ペルチェ素子
42…熱交換部
46A…吸気口
50A…送気路
54B…排気孔(排気口)

Claims (4)

  1. 液状の試料を保持する複数の凹部が形成された試料保持プレートを載置するための載置台と、該載置台の下側に配設され、該載置台を介して前記試料保持プレートの温度を調節するための温度調節手段と、を含んでなる試料保持プレートの恒温装置において、
    低伝熱部材と、該低伝熱部材よりも熱伝導率が高い高伝熱部材と、を有してなり、且つ、前記温度調節手段と前記載置台との間に配設され、前記温度調節手段から前記載置台への伝熱分布を規制することにより前記試料保持プレートの温度分布を規制可能とされた伝熱規制手段が備えられた
    ことを特徴とする試料保持プレートの恒温装置。
  2. 請求項1において、
    前記載置台は略長方形の板状体とされ、前記高伝熱部材は前記載置台の下面の4箇所の角部近傍の領域に沿って配設され、前記低伝熱部材は前記載置台の下面の他の領域に沿って配設された
    ことを特徴とする試料保持プレートの恒温装置。
  3. 請求項1において、
    前記高伝熱部材は前記載置台の下面の外周近傍の領域に沿って配設され、前記低伝熱部材は前記載置台の下面の他の領域に沿って配設された
    ことを特徴とする試料保持プレートの恒温装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記温度調節手段はペルチェ素子を含む構成とした
    ことを特徴とする試料保持プレートの恒温装置。
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