JP3929032B2 - 電池パックの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型の携帯用電子機器等の電源として使用される電池パックの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電池パックは、電池をプラスチック製等の電池パックケースで覆ったものであり、携帯電話機等の小型の携帯用電子機器やその他の機器の電源として広く利用されている。この電池パックの電池は、金属製等の電池外装体の内部に電解液等の電解質と共に発電要素を収納したものであり、一般に充電が可能な二次電池が用いられる。即ち、この電池には、鉛蓄電池やニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素電池等の他に、最近ではエネルギー密度の高いリチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池も多く用いられるようになって来ている。電池パックは、このような電池の正負の端子を開口部から露出させたり、この電池の端子と電池パックケースに設けた正負の電池パック端子との間を配線材で配線して電池パックケースで覆っている。また、可燃性の電解質を用いる非水電解質二次電池の場合には、安全のために、この電池の端子と電池パック端子との間に保護回路や保護素子を接続することも多い。
【0003】
上記電池パックケースは、浅い箱型容器状のケース部品に電池を収納し、開口部に蓋板状のケース部品を被せるようにしたものや、浅い箱型容器状の2個のケース部品を重ねた間に電池を収納するようにしたもの等がある。そして、これらのケース部品を接合して電池パックケースを作製する方法としては、プラスチックケース材料を溶解する溶剤を用いる方法や、超音波溶接による熱溶着による方法等があるが、本願出願人は、特許願2001−338141号において、紫外線硬化性樹脂を用いる方法を提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、紫外線硬化性樹脂は、硬化させるために高温にすることが必要な場合があり、また、ケース部品に紫外線を照射すると高温になる場合がある。しかしながら、電池は、電解質等が高温になると、変質したり分解してガスを発生することがあるので、電池パックの製造過程においてこの電池が高温に晒されるのは好ましくないという問題があった。しかも、ケース部品を紫外線硬化性樹脂で接合した電池パックケースは、必ずしも接合部が強度的に十分ではない場合があるという問題もあった。
【0005】
本発明は、かかる事情に対処するためになされたものであり、アクリル系樹脂からなる長波長硬化型の紫外線硬化性樹脂を用いることにより、少ない紫外線の積算照射量で十分な接着強度を発揮する電池パックケースを作製することができる電池パックの製造方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の電池パックの製造方法は、境界部にアクリル系樹脂からなる長波長硬化型の紫外線硬化性樹脂を介在させて、2個以上のケース部品を組み合わせることにより電池を覆い、これらのケース部品に紫外線を照射することにより紫外線硬化性樹脂を硬化させて電池パックケースを作製することを特徴とする。
【0007】
請求項1の発明によれば、アクリル系樹脂からなる紫外線硬化性樹脂を用いるので、エポキシ系樹脂からなる紫外線硬化性樹脂のように高温にして硬化させる必要がなくなる。また、長波長硬化型の紫外線硬化性樹脂を用いるので、短波長硬化型のものに比べて十分に大きな接着強度を得ることができる。しかも、紫外線の積算照射量も少なくて済むので、この紫外線に晒されてケース部品が高温になるようなこともなくなる。
【0008】
請求項2の電池パックの製造方法は、前記紫外線硬化性樹脂への紫外線の積算照射量が100mJ/cm2 以上、1700mJ/cm2 以下であることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明によれば、紫外線の積算照射量が100mJ/cm2 以上となるので、紫外線硬化性樹脂を確実に硬化させて十分な接着強度を得ることができるようになる。また、この紫外線の積算照射量が1700mJ/cm2 以下となるので、ケース部品が高温になるようなこともなくなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1〜図2は本発明の一実施形態を示すものであって、図1は透過照射タイプの製造方法を示す電池パックの縦断面図、図2は直接照射タイプの製造方法を示す電池パックの縦断面図である。
【0012】
本実施形態は、図1及び図2に示すように、薄い小型角型の非水電解質二次電池1をケース容器2とケース蓋3とからなる電池パックケースで覆った電池パックの製造方法について説明する。非水電解質二次電池1は、薄い小型角型の金属缶に発電要素を収納して非水電解液を充填し金属蓋板で封口した単電池であり、正負の端子が金属蓋板と金属缶の底面に設けられている。ケース容器2は、顔料入りの着色ポリカーボネート樹脂を上面が開口した浅い箱型容器状に成形したものであり、側壁部の開口上端部には、内側に段状に下がった蓋板嵌込部2aが形成されている。また、このケース容器2には、電池パックを装着する機器の電源回路と接続するために、図示しない側壁部に正負の電池パック端子が設けられている。
【0013】
図1は、透過照射タイプの製造方法を示すものであり、図2は、直接透過タイプの製造方法を示すものである。そして、ケース蓋3は、図1に示す透過照射タイプの場合には、紫外線が透過可能な透明なポリカーボネート樹脂の板材を用い、図2に示す直接照射タイプの場合には、紫外線を透過させる必要がないので、ケース容器2と同様の着色ポリカーボネート樹脂の板材を用いる。このケース蓋3は、ケース容器2の蓋板嵌込部2aに嵌まり込むような形状の板材に加工されている。また、図1に示す透過照射タイプの製造方法の場合には、嵌め込んだケース蓋3の側面と蓋板嵌込部2aの垂直面との間にできるだけ隙間がない方が体裁上好ましいが、図2に示す直接照射タイプの製造方法の場合には、このケース蓋3の側面と蓋板嵌込部2aの垂直面との間に0.05mm以上の間隙が生じるようにすることが好ましい。
【0014】
上記ケース蓋3は、電池パック用紫外線硬化性樹脂4によってケース容器2の蓋板嵌込部2aに接合される。紫外線硬化性樹脂は、ラジカル重合によって硬化が進行するアクリル系樹脂からなるものと、カチオン重合によって硬化が進行するエポキシ系樹脂からなるものとがある。アクリル系樹脂の紫外線硬化性樹脂は、紫外線が照射されてラジカルが生成されると常温で重合反応が進行するが、エポキシ系樹脂の紫外線硬化性樹脂は、重合反応を進行させるために80°C程度の高温に加熱する必要がある。しかし、電池は、高温に晒されると、電解質が変質したり熱分解してガスを発生するおそれがあり、特に可燃性の非水系電解質を用いる非水電解質二次電池1では、このような高温は避けるべきであるため、本発明では、電池パック用紫外線硬化性樹脂4としてアクリル系樹脂を用いる。
【0015】
また、上記電池パック用紫外線硬化性樹脂4は、長波長硬化型の紫外線硬化性樹脂を用いる。紫外線は、10nm以上、400nm未満の波長の光をいい、長波長硬化型とは、この波長が350nm以上の長波長領域の紫外線を用いても硬化可能な紫外線硬化性樹脂をいう。なお、この長波長硬化型の紫外線硬化性樹脂は、一般には、350nm未満の波長の短い領域の紫外線でも硬化可能となる。このような長波長硬化型の紫外線硬化性樹脂は、例えば280nm付近以下の短波長の紫外線でのみ硬化する短波長硬化型の紫外線硬化性樹脂に比べて、接着強度が格段に優れているという特徴を有する。この理由は、不明であるが、短波長であるほど樹脂に対する透過度が低いことに起因して、投入したエネルギーが十分な深度に到達していないことが考えられる。
【0016】
以下に、この電池パックの製造方法を工程ごとに説明する。
【0017】
まず、ケース容器2の容器状の凹部に非水電解質二次電池1を挿入する。この際、非水電解質二次電池1は、正負の端子が保護回路を実装した図示しない保護回路基板や保護素子を介してケース容器2の正負の電池パック端子に配線材により接続される。
【0018】
次に、ケース容器2の蓋板嵌込部2aには、電池パック用紫外線硬化性樹脂4が塗布される。図1に示す透過照射タイプの製造方法の場合には、主に蓋板嵌込部2aにおける水平面上に塗布され、垂直面側も次工程で嵌め込むケース蓋3との隙間を埋める程度に塗布される。また、図2に示す直接照射タイプの場合には、主に蓋板嵌込部2aにおける垂直面上に塗布され、水平面上には、全く塗布しないか、わずかに塗布される。なお、この電池パック用紫外線硬化性樹脂4の塗布は、作業の邪魔にならない限り、ケース容器2に非水電解質二次電池1を挿入する前に行うこともできる。
【0019】
ケース容器2の蓋板嵌込部2aに電池パック用紫外線硬化性樹脂4が塗布されると、この蓋板嵌込部2aにケース蓋3を嵌め込み、このケース蓋3の下面周縁部や側面と蓋板嵌込部2aとの間に電池パック用紫外線硬化性樹脂4が充填された状態とする。この際、図1に示す透過照射タイプの製造方法の場合には、ケース蓋3の下面周縁部と蓋板嵌込部2aの水平面との間に確実に電池パック用紫外線硬化性樹脂4の層が形成されるようにする。また、図2に示す直接照射タイプの製造方法の場合には、ケース蓋3の側面と蓋板嵌込部2aの垂直面との間に確実に電池パック用紫外線硬化性樹脂4の層が形成されるようにする。直接照射タイプの場合には、このような電池パック用紫外線硬化性樹脂4の層がある程度の厚さに形成されるようにするために、上述のように、このケース蓋3の側面と蓋板嵌込部2aの垂直面との間に間隙を設けるようにする。なお、上記工程で、ケース容器2の蓋板嵌込部2aに電池パック用紫外線硬化性樹脂4を塗布する代わりに、この工程で嵌め込むケース蓋3の下面周縁部や側面に予め塗布しておくこともでき、蓋板嵌込部2aとケース蓋3の双方に塗布しておくようにしてもよい。また、ケース蓋3を蓋板嵌込部2aに嵌め込んだ後に、これらの隙間に電池パック用紫外線硬化性樹脂4を充填することも可能である。ただし、この場合には、未硬化の粘度が十分に低い電池パック用紫外線硬化性樹脂4を使用する必要がある。
【0020】
ケース蓋3がケース容器2の蓋板嵌込部2aに嵌め込まれると、このケース容器2とケース蓋3に紫外線が照射される。そして、この紫外線の照射により、電池パック用紫外線硬化性樹脂4が硬化し、ケース容器2とケース蓋3とが接合されて電池パックケースが作製される。
【0021】
本実施形態では、紫外線ランプから発した紫外線がほぼ平行光線として均一にケース容器2とケース蓋3に上方から照射されるようにする。ただし、実際に照射が必要となるのは、電池パック用紫外線硬化性樹脂4が塗布された蓋板嵌込部2aだけである。紫外線がこのように照射されると、図1に示す透過照射タイプの製造方法の場合には、この紫外線が透明なケース蓋3を透過して、蓋板嵌込部2aの水平面上の電池パック用紫外線硬化性樹脂4の層に照射される。また、ケース蓋3の側面と蓋板嵌込部2aの垂直面との間の電池パック用紫外線硬化性樹脂4の層については、紫外線がこれらの間隙に直接照射されると共に、ケース蓋3を斜めに透過した紫外線が照射されることになる。ただし、ケース容器2の上端縁部のポリカーボネート樹脂も透明にしておけば、この上端縁部を斜めに透過した紫外線も照射されるようになる。ケース容器2の上端縁部を透明にするには、ケース容器2の全体を透明ポリカーボネート樹脂で形成する他、例えば着色ポリカーボネート樹脂を箱型容器状に成形したものの上端面に透明ポリカーボネート樹脂製の枠体を接着して蓋板嵌込部2aを形成するようにしてもよい。また、ケース蓋3についても、周縁部のみで紫外線が透過すればよいので、この周縁部のみが透明なものを用いることもできる。図2に示す直接照射タイプの製造方法の場合には、ケース蓋3の側面と蓋板嵌込部2aの垂直面との間の電池パック用紫外線硬化性樹脂4の層に紫外線が直接照射されることになる。そして、この紫外線を確実に照射させるために、上述のように、ケース蓋3の側面と蓋板嵌込部2aの垂直面との間に間隙を設けておく。ただし、この場合にも、ケース蓋3やケース容器2の全部や一部を透明にして、これらを斜めに透過した紫外線が電池パック用紫外線硬化性樹脂4に照射されるようにしてもよい。
【0022】
上記紫外線は、ここでは長波長領域となる365nm付近の波長を主体とするものが用いられる。この紫外線の照射によって電池パック用紫外線硬化性樹脂4を十分に硬化させるには、紫外線照射量は100mJ/cm2 以上の積算照射量となる照射を行うことが好ましい。また、1700mJ/cm2 を超える積算照射量の照射を行っても、それ以上硬化することはなく、無駄にケース容器2やケース蓋3を発熱させるだけとなる。ここで、積算照射量とは、電池パック用紫外線硬化性樹脂4に実際に照射される紫外線の積算量であり、UV照射炉の単位面積当たりのランプ強度×時間からなるものであって、一般的には、積算照度計で計測することができる。例えば、コンベア方式の場合は、UV照射炉の中を積算照度計を通過させることで計測することができる。
【0023】
なお、長波長硬化型の電池パック用紫外線硬化性樹脂4を硬化させるためには、短波長領域の紫外線を照射してもよい。ただし、図1に示す透過照射タイプの製造方法の場合に、短波長領域の紫外線がケース蓋3を透過すると、波長が短いほど、透明なポリカーボネート樹脂の紫外線の透過率が急速に低下する特性がある。そして、この透過率が低下すると、紫外線を十分に照射しても、電池パック用紫外線硬化性樹脂4への積算照射量は不足することがあるので、ケース容器2やケース蓋3だけが発熱して高温となり、電池パック用紫外線硬化性樹脂4は十分に硬化しないようになるおそれがある。これに対して、本実施形態のように長波長領域を主体とする紫外線を使用すれば、ケース蓋3の透明なポリカーボネート樹脂の透過率が低下するのを抑制することができ、このケース蓋3の発熱を減少させることができるようになる。また、透過照射タイプや直接照射タイプにかかわりなく、ケース容器2やケース蓋3のポリカーボネート樹脂が紫外線照射により劣化するのを抑制することもできる。さらに、このような長波長領域を主体とする紫外線は、オゾンの発生も少なく、人体への悪影響も少なくなるので、作業環境の安全性向上にも貢献することができる。
【0024】
上記構成により、本実施形態の電池パックの製造方法によれば、電池パック用紫外線硬化性樹脂4にアクリル系樹脂からなる紫外線硬化性樹脂を用いるので、常温での硬化が可能となり、ケース容器2とケース蓋3の内部に収納した非水電解質二次電池1を高温に晒す必要がなくなる。また、この電池パック用紫外線硬化性樹脂4に長波長硬化型の紫外線硬化性樹脂を用いるので、ケース容器2とケース蓋3を強固に接着することができるようになる。しかも、この長波長硬化型の紫外線硬化性樹脂は、少ない積算照射量の紫外線でも十分な強度を発揮することができるので、ケース容器2やケース蓋3への紫外線の照射量が多くなりすぎて、これらのポリカーボネート樹脂が劣化したり発熱して高温になるようなこともなくなる。
【0025】
なお、上記実施形態では、浅い箱型容器状のケース容器2と蓋板状のケース蓋3とを組み合わせて電池パックケースを構成する場合について示したが、この電池パックケースの構成は任意であり、例えば浅い箱型容器状の2個のケース部品を凹部同士が向かい合うように重ねて、この間に電池を収納するようにしたもの等でもよく、3個以上のケース部品を組み合わせたものであってもよい。電池パック用紫外線硬化性樹脂4は、これらのケース部品の境界部に塗布や注入等により充填される。境界部とは、これらのケース部品同士が当接する部分や接近して配置される部分をいう。
【0026】
また、上記実施形態では、ポリカーボネート樹脂製の電池パックケースを用いる場合について示したが、この電池パックケースの材質については限定されず、ABS樹脂等を用いることも可能である。さらに、非水電解質二次電池1の端子と電池パックケースの電池パック端子との間には、必ずしも保護回路や保護素子を接続する必要はなく、この非水電解質二次電池1の端子が電池パックケースに設けられた開口部を介して直接外部に露出するようになっていてもよい。
【0027】
また、上記実施形態では、電池パックケースに非水電解質二次電池1を収納した電池パックについて説明したが、この電池パックケースに収納する電池の種類は限定されない。また、この電池は、単電池に限らず、電池外装体の内部に直列接続された複数の発電要素を収納したようなものであってもよい。
【0028】
【実施例】
[実施例1と比較例]
【0029】
上記実施形態で示したアクリル樹脂からなる長波長硬化型の紫外線硬化性樹脂を実施例1に用いると共に、短波長硬化型の紫外線硬化性樹脂を比較例として用いて、透過照射タイプと直接照射タイプにより試験片を接合させた場合の引っ張り強度を比較した結果を図3に示す。ここでは、長波長硬化型樹脂としてはロックタイト3106(ヘンケルジャパン製)を、また、短波長硬化型樹脂としてはロックタイト322(ヘンケルジャパン製)を用いた。透過照射タイプに用いた試験片は、長さ30mm、幅10mm、厚さ1mmの透明ポリカーボネート樹脂板であり、これらの端部に紫外線硬化性樹脂を塗布して端部同士を長さ方向に10mmずつ重ね合わせた。一方、直接照射タイプの試験片は、透過照射タイプにおける試験片の透明ポリカーボネート樹脂板を顔料で着色したポリカーボネート樹脂板に変更したものである。また、透過照射タイプのものは、一方の試験片を通して紫外線硬化性樹脂に紫外線を照射して硬化させ、直接照射タイプのものは、2枚の試験片の側方からこれらの間の紫外線硬化性樹脂に直接紫外線を照射して硬化させた。さらに、この紫外線硬化性樹脂に対する紫外線の積算照射量を50〜2400mJ/cm2 の範囲で変化させて、それぞれの試験片を接合した。そして、これらの試験片を互いに接合した部分とは逆方向に10cm/分の速度で引っ張り、そのときの最大荷重を調べた。なお、紫外線照射ランプとしては、短波長から長波長までを発生する一般的なものを用いた。また、積算照射量は積算照度計を使用して計測し、その量を調整した。
【0030】
図3に積算照射量と引っ張り強度との関係を示す。図から、比較例の短波長硬化型の紫外線硬化性樹脂を用いた試験片に比較して、実施例1の長波長硬化型を使用した試験片の引っ張り強度は明らかに高いことが分かる。また、実施例1の試験片は、積算照射量が約100mJ/cm2 以上の範囲で十分な強度を有していることが分かる。特に400mJ/cm2 以上の範囲では、透過照射タイプと直接照射タイプの双方とも、破壊が接合部ではなく試験片(組織破壊)で生じており、接着強度として極めて高いことが分かった。
【0031】
また、上記実施例1と比較例で用いた一般的なUVランプを使用し、紫外線を透明のポリカーボネート試験片に照射したときのこの試験片の表面温度と紫外線透過率を調べた。図4に示すように、試験片の表面温度は、積算照射量が増加するほど高温になり、最大の積算照射量である2400mJ/cm2 の場合に約130°Cに達した。使用する樹脂によって異なるが、電池パックケースとして一般的に用いられるポリカーボネート樹脂の場合、短時間とは言えども表面温度を約100℃以下に抑える必要があるため、積算照射量は1700mJ/cm2 以下であることが望ましい。また、紫外線透過率は、積算照射量が増加するほど低下していることが分かる。従って、特に透過照射タイプの場合には、積算照射量が増加するほど紫外線の照射効率が低下するので、必要最小限の積算照射量で紫外線硬化性樹脂を迅速に硬化させる必要がある。
【0032】
なお、上記実施例1と比較例では、短波長から長波長までの紫外線を発生する一般的なUVランプを用いたが、実施例1で使用した長波長硬化型紫外線硬化樹脂を用いる場合には、UVランプとして、約365nm付近の長波長帯の紫外線を主として発生するものを使用することも可能である。さらに、被照射物の温度上昇を抑えることを目的として、UVランプの照射器具としてはコールドミラー方式を採用することが望ましい。
【0033】
上記で、本発明における基本的な特性を説明した。次いで、本発明を用いた電池パックの特性について説明する。
【0034】
つぎに、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
【0035】
[実施例2]
【0036】
本発明の実施例1に係わる電池パックの断面構造は図1に示したものと同様である。筐体であるケース容器2の中に非水電解質二次電池1が配線材や保護回路と共に収納されており、ケース容器2の蓋板嵌込部2aにロックタイト3106(アクリル系、長波長硬化型、紫外線硬化性樹脂/ヘンケルジャパン株式会社製)からなる電池パック用紫外線硬化性樹脂4を塗布した後に、ケース蓋3を嵌合させ、次いで積算照射量が500mJ/cm2 の条件で紫外線を照射して接合したものである。
【0037】
UVランプとしては、約365nm付近の長波長帯の紫外線を主体として発生するものを用いた。ケース容器2は、側面部の厚みが0.7mm、底面部の厚みが0.3mmであり、顔料による着色ポリカーボネート樹脂である。ケース蓋3は、透明ポリカーボネート樹脂であり、厚みは0.3mmである。ケース蓋3に透明樹脂を使用することで、紫外線がこれを透過して紫外線硬化性樹脂に到達可能である。これを電池パックAとした。この電池パックAは、外形寸法が5.5×40×48.5mm、容量は720mAh、電圧は3.6Vであった。
【0038】
[実施例3]
【0039】
本発明の実施例3に係わる電池パックの断面構造は図2に示したものと同様である。筐体であるケース容器2の中に非水電解質二次電池1が配線材や保護回路と共に収納されており、ケース容器2の蓋板嵌込部2aに電池パック用紫外線硬化性樹脂4として上記ロックタイト3106を塗布した後に、ケース蓋3を嵌合させ、次いで積算照射量が500mJ/cm2 の条件で紫外線を照射して接合したものである。
【0040】
ケース蓋3及びケース容器2は、顔料による着色ポリカーボネート樹脂であり、紫外線が電池パック用紫外線硬化性樹脂4に直接照射されるために、ケース蓋3とケース容器2との嵌合部には0.1mmの隙間を設けてある。これを電池パックBとした。また、電池パックBは、実施例2の電池パックAと同じく、外形寸法が5.5×40×48.5mm、容量は720mAh、電圧は3.6Vであった。
【0041】
[従来例]
【0042】
従来例として上ケースと下ケースを超音波溶着で接合した電池パックCを用いた。この電池パックCの外形寸法は5.5×40×48.5mm、容量は720mAh、電圧は3.6Vであった。
【0043】
次いで、以上の方法にて製作した3種類の電池パックA〜Cの機械的強度特性を評価した。
【0044】
機械的強度特性評価試験としては、A、B、Cの各電池パック10個を任意の方向に1.5mの高さから落下させ、ケースの接合部が何回落下させた時に剥れるかを調査した。落下の上限回数は100回とした。なお、表1の接合部剥れが生じた落下回数は各電池パック10個づつの平均値を示したものである。
【0045】
【表1】
Figure 0003929032
【0046】
表1から、電池パック用紫外線硬化性樹脂4を用いた電池パックA、Bそれぞれの接合部の強度は、従来の超音波溶着で接合した電池パックCの接合強度に比較して同等以上であった。
【0047】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の電池パックの製造方法によれば、アクリル系樹脂からなる紫外線硬化性樹脂を用いるので常温で硬化させることができる。しかも、長波長硬化型の紫外線硬化性樹脂を用いるので、十分に大きな接着強度を得ることができ、紫外線の積算照射量も少なくて済む。従って、紫外線硬化性樹脂を硬化させるために高温にする必要がなく、紫外線の照射によってケース部品が高温になることもないので、内部の電池に損傷を与えるおそれがなくなり、電池パックケースの強度も高めることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであって、透過照射タイプの製造方法を示す電池パックの縦断面図である。
【図2】本発明の一実施形態を示すものであって、直接照射タイプの製造方法を示す電池パックの縦断面図である。
【図3】本発明の実施例を示すものであって、長波長硬化型と短波長硬化型の紫外線硬化性樹脂の引っ張り強度を比較した結果を示す図である。
【図4】本発明の実施例を示すものであって、紫外線の照射によるポリカーボネート樹脂の試験片の表面温度と紫外線透過率の変化を示す図である。
【符号の説明】
1 非水電解質二次電池
2 ケース容器
2a 蓋板嵌込部
3 ケース蓋
4 電池パック用紫外線硬化性樹脂

Claims (2)

  1. 境界部にアクリル系樹脂からなる長波長硬化型の紫外線硬化性樹脂を介在させて、2個以上のケース部品を組み合わせることにより電池を覆い、
    これらのケース部品に紫外線を照射することにより紫外線硬化性樹脂を硬化させて電池パックケースを作製することを特徴とする電池パックの製造方法。
  2. 前記紫外線硬化性樹脂への紫外線の積算照射量が100mJ/cm2 以上、1700mJ/cm2 以下であることを特徴とする請求項1に記載の電池パックの製造方法。
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