JP3927482B2 - シミュレーション装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多関節型のロボットを有するシステムの動作検証を行うシミュレーション装置に関し、特に、ロボットの動作制御を行うロボットコントローラと、該ロボットコントローラに通信手段を介して接続されたシーケンサを有するシステムの動作検証を行うシミュレーション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のプレス部品の接合工程等において、多関節型のロボットが利用されている。このようなロボットの動作教示は、3次元CAD等を用いることにより実機のロボットを不要とするオフラインによる教示、所謂オフラインティーチングが行われている。
【0003】
また、近時、生産性向上のために接合工程において複数のロボットを高密度に配置するようになっており、例えば、図15に示すような構成のシステム500が用いられている。このようなシステム500の場合、3台のロボット502、504、506の相互干渉を防止するために、シーケンサ(プログラマブルロジックコントローラとも呼ばれる)508がネットワーク510を介して各ロボットコントローラ512、514、516に接続されており、各ロボット502、504、506の状態を監視および制御している。また、シーケンサ508は操作盤518や搬送ライン(図示せず)等にも接続されて制御を行っている。システム500の基本的な動作は操作盤518によって作業員が操作できるようになっている。
【0004】
ロボット502、504、506には、例えば、6つの関節の動作により、6自由度を有する多関節型の産業用ロボットが用いられる。ロボット502、504、506の先端部には溶接ガン520が設けられており、この溶接ガン520によってワーク524の溶接を行うことができる。
【0005】
ところで、オフラインティーチングによる教示動作を行った後に、動作の検証を行うためにシミュレーションを行う必要があるが、このシミュレーションは実機に対して動作の位置精度と実行時間の精度が高いことが必要である。
【0006】
シミュレーションを行う方法として、複数の擬似コントローラにそれぞれのロボットの姿勢を記憶させておき、ビューワからの要求に応じて記憶した姿勢値を送信する方法(例えば、特許文献1参照)や、各ロボットプログラムの動作命令からロボットに対する指令を求め、シミュレータ用コンピュータではこれらの指令に基づいてシミュレーションを行うという方法(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特許第3305451号公報(段落[0009]〜[0011])
【特許文献2】
特開2001−150373号公報(段落[0015]〜[0019])
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ロボット502、504、506を含むシステム500(図15参照)のシミュレーションを行うと、以下の理由により実際の動作時間と比較して誤差が発生することがある。
【0009】
すなわち、ロボット502、504、506を高密度に配置したシステム500では、相互干渉を回避するためにインターロック処理を行う必要があるが、このインターロック処理に起因する誤差が発生する。また、ロボットコントローラ512、514、516とシーケンサ508との間のネットワーク510による通信時間は考慮されていないために、この通信時間に基づく誤差が発生する。さらに、シーケンサ508は種類によって処理速度が異なるので、シーケンサ508を含めたシステム500のシミュレーションを1台のコンピュータ内で精度よく行うことは困難である。
【0010】
前記の特許文献1に開示された方法では、シミュレーション時に各ロボットコントローラがロボットの姿勢を記憶しておき、シミュレータからの要求を受けた時点で記憶値を送信するようにしているので、モニタ上に表示されるロボットの動作はリアルタイムではない。従って、ロボットの動作を把握しにくい。
【0011】
前記の特許文献2に開示された方法では、ロボットコントローラからは各ロボットプログラムに基づいて指令が送信されるので、シミュレータ用コンピュータではこれらの指令からロボットの姿勢を演算または推定を行う必要がある。従って、シミュレータ用コンピュータの処理が繁雑になる。
【0012】
さらに、特許文献1および2に開示された方法では、シーケンサや通信手段の作用は考慮されていないので、これらのシーケンサおよび通信手段に起因する誤差が発生する。
【0013】
さらにまた、シミュレーションの対象となるロボットの数が増減することにより、シミュレーションの実行時間および誤差が影響を受けることになる。
【0014】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、複数のロボットの動作について、各ロボットコントローラとシーケンサとの間における動作確認手段をも含めたシステムを対象とし、高精度の動作時間でシミュレーションを行うことを可能にするシミュレーション装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るシミュレーション装置は、シーケンサに対して操作信号の送受信を行う操作盤と、該操作盤の操作に基づいて、前記シーケンサにより通信手段を介して制御される複数のロボットとを有するシステムの動作検証を行うシミュレーション装置において、前記ロボットの数だけ設けられ、該ロボット用のティーチングデータがそれぞれ格納され、該ティーチングデータに基づき、前記ロボットを示す仮想ロボットの動作制御を行うとともに、個別に対応つけられた前記仮想ロボットの各関節の動作量を示す単体のシミュレーションデータをそれぞれリアルタイムに生成する擬似コントローラと、少なくとも前記擬似コントローラを制御可能で、前記シーケンサと同構成のシミュレーション用シーケンサと、前記シミュレーション用シーケンサと前記擬似コントローラとを接続し、前記通信手段と同構成の主通信手段と、少なくとも前記シミュレーション用シーケンサに対して操作信号の送受信を行い、前記操作盤と同機能の擬似操作盤と、前記シミュレーションデータに基づいて前記仮想ロボットの姿勢に関する情報を表示するビューワと、前記擬似コントローラと前記ビューワとを接続する副通信手段と、を有し、前記システムから独立して設けられ、該システム全体としてのシミュレーションを行うことを特徴とする。
【0016】
擬似コントローラ、擬似操作盤、シミュレーション用シーケンサおよび主通信手段を実際のシステムにおける機器と同構成の機器を選定することにより、実機の構成との差異が小さくなる。また、複数のロボットコントローラにそれぞれ擬似コントローラを対応させている。従って、複数のロボットの動作について、各ロボットコントローラとシーケンサとの間における動作確認手段をも含めたシステムを対象とし、高精度の動作時間でシミュレーションすることができるとともに、ロボットの数の多少に拘わらず、リアルタイムのシミュレーションを高精度に実行することができる。
【0018】
また、前記各擬似コントローラは、前記仮想ロボットが他の仮想ロボットとの干渉領域に進入する際に、該干渉領域に進入することを示すインターロック設定信号を前記シミュレーション用シーケンサに供給し、前記シミュレーション用シーケンサは、他の全ての仮想ロボットが、受信した前記インターロック設定信号に対応する前記干渉領域の範囲外に存在すると判断したときに、前記擬似コントローラに対して許可信号を供給し、前記各擬似コントローラは、前記仮想ロボットが前記干渉領域から退出する際に、該干渉領域から退出することを示すインターロック解除信号を前記シミュレーション用シーケンサに供給するようにしてもよい。
【0019】
さらに、前記擬似コントローラは、前記インターロック設定信号、前記許可信号および/または前記インターロック解除信号を前記副通信手段を介して前記ビューワまたは前記擬似操作盤に供給し、前記ビューワまたは前記擬似操作盤は、前記インターロック設定信号、前記許可信号、前記インターロック解除信号に基づく情報を表示するようにしてもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るシミュレーション装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図1〜図15を参照しながら説明する。
【0021】
図1および図2に示すように、本実施の形態に係るシミュレーション装置10は、例えば、システム500(図15参照)における3台のロボット502、504、506の動作を仮想空間上でシミュレーションするものであり、実際のロボットコントローラ512、514、516の代わりに擬似コントローラ12a、12b、12cが仮想のロボットR1、R2、R3(図3参照)をそれぞれ制御する。
【0022】
シミュレーション装置10は、擬似コントローラ12a、12b、12cと、シーケンス処理を行うシーケンサ14と、擬似操作盤16と、シミュレーションの結果を表示するビューワ18と、ロボットR1、R2、R3のそれぞれのティーチングデータを作成するオフラインティーチングコンピュータ20とを有する。オフラインティーチングコンピュータ20で作成するティーチングデータは、ロボットR1、R2、R3の動作プログラム自体と、動作経路を示す複数の教示点データと、ロボットR1、R2、R3の相互干渉を示す干渉領域のデータとから構成される。
【0023】
擬似操作盤16、ビューワ18、オフラインティーチングコンピュータ20はそれぞれモニタ画面16a、18a、20aを備える。
【0024】
また、シミュレーション装置10は、FA用ネットワーク(主通信手段)26と、汎用ネットワーク(副通信手段)28とを有する。FA用ネットワーク26は、擬似コントローラ12a、12b、12cと、シーケンサ14とを接続しており、これらの機器間のデータ通信を行う。汎用ネットワーク28は、擬似コントローラ12a、12b、12cと、シーケンサ14と、擬似操作盤16と、ビューワ18と、オフラインティーチングコンピュータ20と、オブジェクトコンピュータ24とが接続されており、これらの機器間のデータ通信を行う。擬似操作盤16とシーケンサ14とは専用の通信手段25で接続されている。擬似操作盤16とシーケンサ14とは、FA用ネットワーク26または汎用ネットワーク28により通信を行うようにしてもよい。
【0025】
擬似コントローラ12a、12b、12c、シーケンサ14、擬似操作盤16およびFA用ネットワーク26は、図15における実際のロボットコントローラ512、514、516、シーケンサ508、操作盤518およびネットワーク510にそれぞれ相当する。
【0026】
ロボットR1、R2、R3およびロボット502、504、506は、例えば、図3に示すような産業用の多関節ロボットであり、ベース部30と、ベース部30を基準にしてロボットの先端に向かって順に第1アーム32、第2アーム34および第3アーム36と、第3アーム36の先端に設けられた溶接ガン38とを有する。第1アーム32は、ベース部30に対して水平および垂直に回動可能な軸J1、J2によって回動可能である。第2アーム34は第1アーム32と軸J3で回動可能に連結されている。第2アーム34は軸J4によって捻れ回転が可能になっている。第3アーム36は第2アーム34と軸J5で回動可能に連結されている。第3アーム36は軸J6によって捻れ回転が可能になっている。また、作業内容によっては、ロボットR1、R2、R3には付加軸が設けられることがある。例えば、第3アーム36の先端と溶接ガン38との間に回転または伸縮自在な第7の軸(図示せず)を設ける場合がある。
【0027】
なお、ロボットR1、R2、R3およびロボット502、504、506は、溶接用ロボットに限らず、組み立て用ロボットや塗装用ロボット等でもよい。
【0028】
図4に示すように、擬似コントローラ12a、12b、12cは、プログラム実行部50と、擬似動作部52と、入出力部54とを有しており、ロボットコントローラ512、514、516(図15参照)と類似の作用をする。
【0029】
プログラム実行部50は、制御処理部56と記憶部58とを有し、オフラインティーチングコンピュータ20から供給されるティーチングデータを記憶部58に記憶し、制御処理部56がティーチングデータに基づいてロボットR1、R2、R3および溶接ガン38の移動指令値を生成する。生成した移動指令値は、ロボットの各軸J1〜J6および溶接ガン38の開度の値として擬似動作部52に供給される。
【0030】
制御処理部56は、先読み機能部60とインターロック判断部62とを有する。先読み機能部60は、ティーチングデータに含まれる教示点T(図8参照)が空間上で近接する箇所については、ロボットR1、R2、R3の動作に先行して移動指令値の生成を行う。これにより、ロボットR1、R2、R3は滑らかな動作が可能になる。インターロック判断部62は、シーケンサ14と情報の送受信を行いながらインターロックの要否を判断する。インターロックを行う必要がある場合には、擬似動作部52に対する指令値をロックする。インターロック判断部62は、判断の結果を入出力部54にも供給する。インターロックの処理に関するシーケンサ14の詳細な作用およびインターロック判断部62の詳細な作用については後述する。
【0031】
先読み機能部60およびインターロック判断部62の機能は、実際のロボットコントローラ512、514、516が備えている機能と同じものである。
【0032】
擬似動作部52は、プログラム実行部50から供給された各軸J1〜J6の移動指令値および溶接ガン38の移動指令値に基づいてロボットR1、R2、R3の姿勢を推定する。推定によって求めた結果は、シミュレーションデータとしてプログラム実行部50および入出力部54を経由してビューワ18に供給される。
【0033】
擬似動作部52は、ロボットR1、R2、R3の各軸J1〜J6の動作を推定するロボット擬似動作部64と、付加軸の動作を推定する付加軸擬似動作部66とを有する。
【0034】
シミュレーションデータは、1組のデータ列M=(θ1、θ2、θ3、θ4、θ5、θ6、θ7)で表される。このうち、データθ1〜θ6は、ロボットR1、R2、R3の各軸J1〜J6の角度(動作量)であり、ロボット擬似動作部64によって求められる。データθ7は付加軸の動作量であり、付加軸擬似動作部66によって求められる。
【0035】
ロボット擬似動作部64は、指令値に対する各軸J1〜J6の機械的な追従遅れ時間を推定するロボット追従遅れ時間推定部70と、ティーチングデータにより予定された動作時間に対する到着時間の遅れを推定するロボット到着遅れ時間推定部72とを有する。
【0036】
付加軸擬似動作部66は、付加軸の機械的な追従遅れ時間を推定する付加軸追従遅れ時間推定部74と、ティーチングデータによる予定された動作時間に対する付加軸の到着時間の遅れを推定する付加軸到着遅れ時間推定部76と、付加軸の電流値を検出してトルクの遅れ時間を推定する付加軸トルク到着遅れ時間推定部78とを有する。付加軸トルク到着遅れ時間推定部78は、付加軸の機械的な撓み時間を推定する撓み時間推定部80と、トルクが安定するまでの時間を推定するトルク安定時間推定部82とを有する。
【0037】
ロボット擬似動作部64には、付加軸トルク到着遅れ時間推定部78に相当する機能が設けられていないが、付加軸以外の関節部、つまり軸J1〜J6については先読み機能部60により同様の推定が可能である。
【0038】
入出力部54は、FA用ネットワーク26に対する入出力の信号や、プログラム実行部50と擬似動作部52との間の信号を検出する情報取得機能部84と、汎用ネットワーク28を介してビューワ18にシミュレーションデータと入出力データとを送信するシミュレーションデータ送出部86とを有する。
【0039】
入出力データは、擬似コントローラ12a、12b、12cとシーケンサ14との間で送受信されるインターロック信号と、その他の制御データとから構成される。インターロック信号は、擬似コントローラ12a、12b、12cからシーケンサ14に送信されるインターロック設定信号、インターロック解除信号と、シーケンサ14から擬似コントローラ12a、12b、12cへ送信するアンサ信号等を含む。その他の制御データとしては、例えば、溶接ガン38または付加軸との間で送受信されるデータや、エラー信号や、サーボオン信号、サーボオフ信号等が挙げられる。入出力データを構成する各信号は、オン・オフで表される1ビットの信号である。従って、例えば、入出力データを構成する信号が128点(16バイト)程度であれば汎用ネットワーク28により高速に伝送可能である。
【0040】
入出力部54は、汎用ネットワーク28とのインターフェースである第1ポート88、FA用ネットワーク26とのインターフェースである第2ポート90に接続されている。
【0041】
擬似コントローラ12a、12b、12cにおける第2ポート90や、プログラム実行部50は実際のロボットコントローラ512、514、516におけるポートやプログラム実行部と略同仕様に構成されている。
【0042】
図2に戻り、シーケンサ14は、シーケンス処理により擬似コントローラ12a、12b、12cの動作を制御するものであり、実際のシーケンサ508と同仕様のハードウェアが使用される。
【0043】
シーケンサ14は、外部から供給されたラダープログラムを実行可能なシーケンスプログラムに変換するための条件が記述されたプログラム生成用ファイル92と、シーケンスプログラムのサイクル時間の設定を行う処理時間設定部94と、生成されたシーケンスプログラムを実行する動作処理機能部96とを有する。
【0044】
処理時間設定部94は、入出力処理時間設定部98と内部処理時間設定部100とを有し、サイクル時間を実際のシーケンサ508と同じとなるようにウェイト時間等が設定される。また、シーケンサ14はFA用ネットワーク26に対して入出力を行う入出力部27を有する。
【0045】
シーケンサ14で実行されるシーケンスプログラムはシーケンサ508と基本的に同一のものが用いられている。従って、例えば、シーケンサ14は実際のロボットコントローラ512、514、516を制御することも可能である。
【0046】
シーケンサ14は、FA用ネットワーク26を介して各擬似コントローラ12a、12b、12cからロボットR1、R2、R3の干渉領域に対するインターロック設定信号またはインターロック解除信号を受け取り、全てのロボットR1、R2、R3の状態を把握して干渉が発生しないことを確認する。干渉が発生しないと判断した場合、進行許可を示すアンサ信号を返送する。
【0047】
擬似操作盤16は、外部から供給される画面生成用設定ファイル102に基づいてモニタ画面16aの画面設定を行い、擬似操作処理部104が実際の操作盤518(図15参照)の作用を代替する。擬似操作処理部104は、入力および表示を行う入力・表示機能部106と、シミュレーションの開始から終了までの時間を計測する時間測定機能部108とを有する。入力・表示機能部106には、汎用のキーボード、マウスおよびモニタを用いることができる。擬似操作盤16のモニタ画面16aはタッチパネル式でもよい。時間測定機能部108は、オペレーティングシステムが備えるタイマ機能を用いることができる。実際の操作盤518が移動可能である場合には、操作盤518自体を汎用ネットワーク28に接続して擬似操作盤16として用いてもよい。また、擬似操作盤16は、所定の操作によってシミュレーションのスタート信号(操作信号)をシーケンサ14に送信することができる。
【0048】
擬似操作盤16のモニタ画面16aには、図5に示すように、マウスにより操作可能なウィンドウ形式の操作画面109が表示される。この操作画面109において、第1インディケータ109aは入出力データに基づいてシミュレーションの実況状況を示す領域である。サイクルタイム表示テーブル109bは時間測定機能部108により計測したシミュレーション時間を表示する領域である。サイクルタイム表示テーブル109bに表示されるシミュレーション時間は所定の記録部に記録される。機種コンボボックス109cはロボットR1、R2、R3の機種を選定および表示する領域である。タグパネル109dはアラームおよびその説明を表示する領域である。第1モード選択スイッチ部109eおよび第2モード選択スイッチ部109fはそれぞれシミュレーションの動作モードを選択する領域である。
【0049】
なお、シーケンサ14には、一般的に計時機能が設けられているので、この計時機能によって計測したシミュレーション時間をサイクルタイム表示テーブル109bに表示するようにしてもよい。
【0050】
また、操作画面109における表示は、他の適当な方法で行ってもよいことはもちろんであり、例えば、文字列で表示される情報をシンボルや色の変化によって示すようにしてもよい。
【0051】
第2インディケータ109gはロボットR1、R2、R3のシミュレーション状況を示す領域である。第2インディケータ109gにおいて、ロボットR1、R2、R3相互間におけるインターロックの状況は矢印で示される。図5では、ロボットR2の動作により、ロボットR1が待機している状態を示す。また、異常が発生した場合には対応するロボットR1、R2、R3を示すボックスの色が変更される。また、利用されない予備のロボットについては「***」の文字列が表示される。ロボット選定スイッチ部109hは、シミュレーションの実行対象となるロボットR1、R2、R3を選択する領域である。
【0052】
図2に戻り、ビューワ18は、シミュレーションの結果をリアルタイムに表示するコンピュータであり、ビューワデータ110と画像変換部112とを有する。ビューワデータ110は、各ロボットR1、R2、R3の関節構成や寸法および設置位置等の情報である。ビューワデータ110は、外部から供給可能であり、書き換え可能である。
【0053】
画像変換部112は、関節角度画像変換機能部114とI・O情報画像変換機能部116とを有する。関節角度画像変換機能部114は、各擬似コントローラ12a、12b、12cから供給されるシミュレーションデータとビューワデータ110とに基づいて各ロボットR1、R2、R3をソリッドモデルによって3次元表示する。
【0054】
I・O情報画像変換機能部116は、各擬似コントローラ12a、12b、12cから供給される入出力データの内容を表示する。また、I・O情報画像変換機能部116は、供給された入出力データを一覧形式で表示したり、入出力データのうち所定の信号に基づいてソリッドモデルの表示色を変更する機能をもつ。例えば、エラー信号やサーボオン信号が発生したときには、対応するロボットR1、R2、R3または対応する箇所の色を変更または点滅表示させる。さらに、インターロック信号に基づいて、ロボットR1、R2、R3のインターロック状態を表示する。つまり、どのロボットがどの干渉領域に入っていて、どのロボットがインターロックによる動作停止状態であるかをグラフィック形式または文字情報形式として表示する。
【0055】
ビューワ18は、シミュレーションの結果表示を行うものであり、またロボットR1、R2、R3同士の干渉回避処理や動作プログラムの実行または解析等を行うことがないので汎用の3次元CADシステムを適用することができる。ビューワ18は、3次元CADの一般的な機能、例えば、視点位置の変更、拡大・縮小表示等の機能が利用可能である。
【0056】
オフラインティーチングコンピュータ20は、ロボットR1、R2、R3のティーチングデータをオフラインで作成するものである。オフラインティーチングコンピュータ20は、各ロボットR1、R2、R3を3次元表示させながら、一連の動作を順番に教示点データとして設定することができる。
【0057】
オフラインティーチングコンピュータ20は、必ずしも汎用ネットワーク28に接続されている必要はない。オフラインティーチングコンピュータ20で作成されたティーチングデータは、他の通信手段または汎用の記録媒体を介して擬似コントローラ12a、12b、12cにロードしてもよい。
【0058】
次に、このように構成されるシミュレーション装置10を用いてシミュレーションを行う方法について図6を参照しながら説明する。
【0059】
まず、ステップS1において、オフラインティーチングコンピュータ20において各ロボットR1、R2、R3のティーチングデータを作成した後、このティーチングデータを各擬似コントローラ12a、12b、12cへロードする。また、シーケンサ14には対応するラダープログラムを供給し、プログラム生成用ファイル92を参照しながらシーケンスプログラムを生成する。ビューワ18には、適応するビューワデータ110を供給する。擬似操作盤16には、画面生成用設定ファイル102を供給する。
【0060】
次に、ステップS2において、シミュレーションを実行するための初期処理を行う。シーケンサ14における初期処理では、生成したシーケンスプログラムに対して処理時間設定部94により動作周期の設定を行う。
【0061】
擬似操作盤16における初期処理では、供給された画面生成用設定ファイル102によりモニタ画面16aの設定と入出力条件の設定とを行う。
【0062】
ビューワ18における初期処理では、供給されたビューワデータ110により各ロボットR1、R2、R3および周辺設備に関するデータを認識し、3次元描画の設定を行う。
【0063】
次に、ステップS3において、擬似操作盤16の操作画面109(図5参照)を操作して、シミュレーション動作の開始指示命令を各擬似コントローラ12a、12b、12cおよびシーケンサ14に送信する。このとき、擬似操作盤16の時間測定機能部108(図2参照)は、シミュレーション時間の計測を開始する。
【0064】
また、操作画面109の機種コンボボックス109cで生産機種を選定する。この生産機種に関する情報は各擬似コントローラ12a、12b、12cに送信される。
【0065】
各擬似コントローラ12a、12b、12cのプログラム実行部50は、記憶部58に格納したティーチングデータのうち、指定の生産機種に対応したデータに従って同時に動作を開始する。また、シーケンサ14は格納したシーケンスプログラムを実行する。
【0066】
次に、ステップS4において、シーケンサ14、擬似コントローラ12a、12b、12cおよびビューワ18がそれぞれ連動しながらシミュレーション動作を行う。
【0067】
次に、ステップS5において、擬似コントローラ12a、12b、12cは、格納したティーチングデータに基づいた処理が終了すると、シーケンサ14に終了を示す信号を送信する。シーケンサ14は、3台の擬似コントローラ12a、12b、12cからそれぞれ終了信号を受信した後、擬似操作盤16およびビューワ18にシミュレーションの終了を示す信号(操作信号)を送信する。
【0068】
この信号により、擬似操作盤16および擬似コントローラ12a、12b、12cはシミュレーションに対応した処理を終了し、擬似操作盤16の時間測定機能部108はシミュレーションに要した時間を操作画面109のサイクルタイム表示テーブル109b(図5参照)に表示する。
【0069】
次に、シミュレーション実行中における擬似コントローラ12a、12b、12cの処理について図7および図8を参照しながら説明する。
【0070】
図7のステップS101において、擬似コントローラ12a、12b、12cのプログラム実行部50は、記憶部58に格納されたティーチングデータに基づいてロボットRの各軸J1〜J6に対する指令値を生成して擬似動作部52に供給する。
【0071】
このとき、先読み機能部60の作用によって、例えば、図8に示すように、障害物150を回避するために多数の教示点Tが近接する箇所に設定されている動作経路152に沿ってロボットRが動作する場合に、実機の場合と同様に、各教示点TにおいてロボットR1、R2、R3が停止したり動作が不連続になることがなく、溶接点Pにスムーズに到達することができる。
【0072】
ステップS102において、擬似動作部52では、ロボットR1、R2、R3の姿勢を推定し、シミュレーションデータつまりデータ列Mを算出する。このとき、ロボットR1、R2、R3の動作は、指令値に対して多少の遅れが生じるが、この遅れの量はロボット擬似動作部64によって推定できるので、実際のロボット502、504、506(図15参照)を動作させる場合と同様の姿勢が算出可能である。
【0073】
次に、ステップS103において、算出したシミュレーションデータをプログラム実行部50に供給する。プログラム実行部50は、シミュレーションデータを入出力部54を介してビューワ18に所定の微小周期毎に供給する。これらのシミュレーションデータは、擬似動作部52から入出力部54へ直接的に供給してもよい。
【0074】
また、プログラム実行部50は、シーケンサ14との間においてFA用ネットワーク26を介して送受信されるインターロックに関する信号や溶接ガン38に対する信号およびエラー信号等の入出力データを所定の微小周期毎に供給する。
【0075】
このとき、プログラム実行部50は、ビューワ18がシミュレーションデータまたは入出力データを受信したか否かに拘わらずにシミュレーション処理を継続する。従って、仮にシミュレーションデータまたは入出力データの送信に長時間を要した場合でも、このことによってシミュレーションの動作時間が影響を受けることがない。
【0076】
また、プログラム実行部50は、ビューワ18に送信するデータ、つまり、シミュレーションデータおよび入出力データをログデータとして記憶部58に記憶させる。
【0077】
ステップS104においては、ティーチングデータに基づくロボットR1、R2、R3の動作が終了したか否かを判断し、シミュレーション動作終了時にはステップS105へ移り、動作未終了時にはステップS101へ戻る。
【0078】
ステップS105においては、シーケンサ14に終了信号を送出した後に、シミュレーション動作を終了する。また、必要に応じて、記憶したログデータをビューワ18またはオフラインティーチングコンピュータ20に送信する。このログデータは、シミュレーションの動作解析に用いることができる。
【0079】
次に、シミュレーションを実行中のビューワ18の処理内容について図9を参照しながら説明する。
【0080】
図9のステップS201において、ビューワ18は、擬似コントローラ12a、12b、12cからそれぞれシミュレーションデータを受信し、このシミュレーションデータとビューワデータ110とに基づいて、関節角度画像変換機能部114により各ロボットR1、R2、R3の姿勢を演算する。受信したシミュレーションデータは時系列形式に記憶する。
【0081】
次に、ステップS202において、各ロボットRの姿勢をモニタ画面18a上にソリッドモデルにより3次元表示する。表示の形式は、ワイヤフレーム形式や、数値列による情報表示等でもよい。
【0082】
次に、ステップS203において、擬似コントローラ12a、12b、12cからそれぞれ入出力データを受信して、時系列形式に記憶する。
【0083】
次に、ステップS204において、入出力データに基づく情報をモニタ画面18a上にグラフィック形式または文字情報形式で表示する。
【0084】
次いで、ステップS205において、シミュレーションが終了したか否かを判断する。すなわち、擬似操作盤16から終了信号を受信した場合には、次のステップS206へ移り、終了信号が検出されない場合にはステップS201に戻る。
【0085】
ステップS206においては、記憶したシミュレーションデータおよび入出力データに基づいて各ロボットR1、R2、R3の動作のタイミングチャートを生成する。このタイミングチャートは、シミュレーションの開始から終了までの間における動作、溶接、インターロックによる待機、エラー発生等の各ロボットR1、R2、R3の状態を時系列的に表す。生成したタイミングチャートは、モニタ画面18a上に表示するとともに所定の記憶部に記憶する。
【0086】
このステップS201〜S205で形成されるループは、微小時間で実行されるので、モニタ画面18aには、ロボットR1、R2、R3の姿勢および入出力データに基づく情報がリアルタイムで表示される。
【0087】
次に、インターロック処理に関するシーケンサ14およびインターロック判断部62の詳細な作用について図10〜図14を参照しながら説明する。
【0088】
図10および図11に示すように、ロボットR1とロボットR2とが干渉する領域が2つ存在し、それぞれ干渉領域A1、A2と設定されているとき、擬似コントローラ12aまたは12bがインターロック設定信号IL1を送信することによって干渉領域A1に進入することを示し、インターロック解除信号IL2を送信することによって干渉領域A1から退出したことを示す。また、インターロック設定信号IL3を送信することにより干渉領域A2に進入することを示し、インターロック解除信号IL4を送信することにより干渉領域A2から退出することを示す。干渉領域A1およびA2は、1つの干渉領域を2つに分割したものでもよい。
【0089】
同様に、ロボットR2とロボットR3とが干渉する領域が干渉領域A3として設定されているとき、インターロック信号IL5、インターロック解除信号IL6により、それぞれ干渉領域A3への進入および退出を示すことができる。
【0090】
次に、擬似コントローラ12aのインターロック判断部62(図4参照)の処理内容について図12を参照しながら説明する。擬似コントローラ12aの処理を例として説明するが、擬似コントローラ12b、12cの処理も同様である。
【0091】
図12のステップS301において、インターロック判断部62は、シーケンサ14からのスタート信号の受信を待つ。スタート信号の受信を確認した後、次のステップS302へ移る。
【0092】
ステップS302において、ロボットR1の動作を開始するために、プログラム実行部50にロボットR1の動作開始の指令を与える。これにより、プログラム実行部50は、ティーチングデータに基づいて指令値の計算を開始する。
【0093】
次に、ステップS303において、ロボットR1が予め設定された干渉領域へ進入するか否かを監視する。干渉領域に進入する際にはステップS304へ移り、干渉領域に進入することがない場合にはステップS307へ移る。
【0094】
ステップS304においては、インターロック設定信号を入出力部54およびFA用ネットワーク26を介してシーケンサ14に発信する。例えば、ロボットR1が、干渉領域A1に進入する際には、インターロック設定信号IL1(図11参照)を発信する。
【0095】
次に、ステップS305において、シーケンサ14からのアンサ信号の受信を待つ。アンサ信号を受信した際には次のステップS307へ移る。アンサ信号を受信できない場合には、ステップS306においてロボットR1の動作を停止させてステップS305に戻る。
【0096】
ステップS307においては、進入した干渉領域より退出したか否かを判断し、干渉領域から退出した際には次のステップS309へ移る。干渉領域に入っている最中には、ステップS308において、ロボットR1の動作を継続してステップS307に戻る。
【0097】
ステップS309においては、インターロック解除信号(例えば、IL2)をシーケンサ14に送信する。
【0098】
次に、ステップS310においては、ロボットR1の動作が終了したか否かを判断する。動作が終了した場合には、ステップS311において、プログラム実行部50に動作の終了を指示し、動作を継続する場合にはステップS303へ戻る。
【0099】
次に、シーケンサ14によるインターロック処理について図13を参照しながら説明する。
【0100】
まず、ステップS401において、シーケンサ14は、擬似操作盤16からシミュレーションの開始の信号を検出した後、各擬似コントローラ12a、12b、12cへスタート信号を発信する。
【0101】
次に、ステップS402において、擬似コントローラ12a、12b、12cから発信されたインターロック設定信号の受信を確認する。インターロック設定信号を受信した際には次のステップS403に移り、インターロック設定信号が検出されない場合にはステップS406へ移る。
【0102】
ステップS403においては、受信したインターロック設定信号に対応する干渉領域の内部フラグの状態を確認する。この内部フラグがオフである場合には次のステップS404へ移り、内部フラグがオンである場合にはステップS406へ移る。
【0103】
ステップS404においては、インターロック設定信号の送信元に対してアンサ信号を発信する。つまり、ロボットR1、R2、R3同士が干渉することがないと判断して発信元の擬似コントローラ12a、12b、12cに対してロボットR1、R2、R3の干渉領域への進入を許可し、アンサ信号を発信する。
【0104】
次に、ステップS405において、干渉領域に対応する内部フラグをオンにする。
【0105】
次に、ステップS406において、インターロック解除信号の受信を確認する。インターロック解除信号を受信した際には、次のステップS407へ移り、インターロック解除信号が検出されない場合にはステップS409へ移る。
【0106】
次に、ステップS408において、受信したインターロック解除信号に対する干渉領域の内部フラグをオフにする。
【0107】
次に、ステップS409において、処理時間設定部94(図2参照)によって設定されたサイクル時間c(図14参照)が経過するまで待機する。所定のサイクル時間cが経過した後、ステップS410へ移る。
【0108】
次に、ステップS410では、シーケンスプログラムの所定の終了条件を確認し、続行する場合にはステップS402へ戻り、終了条件が成り立つときには、擬似操作盤16にシミュレーションの終了を示す信号を発信して(ステップS411)、シーケンスプログラムの動作を終了する。この信号を受信した擬似操作盤16では、時間測定機能部108による計時を終了し、シミュレーションに要した時間をサイクルタイム表示テーブル109b(図5参照)に表示する。
【0109】
擬似コントローラ12aのインターロック判断部62およびシーケンサ14におけるインターロック処理に係る信号の流れは図14のタイミングチャートのように表すことができる。すなわち、ロボットR1が干渉領域に進入するときには擬似コントローラ12aのプログラム実行部50は、インターロック設定信号をラダー処理部130に供給する。この信号はラダー処理部130および入出力部54を介してFA用ネットワーク26に供給される。インターロック設定信号は、FA用ネットワーク26を介してシーケンサ14に供給され、シーケンサ14の入出力部およびラダー処理部132を通して動作処理機能部96に供給される。
【0110】
ラダー処理部130、入出力部54、FA用ネットワーク26、入出力部27およびラダー処理部132はそれぞれ固有のサイクルで動作しているので、これらのサイクル周期の影響により転送の遅れが生じる。従って、インターロック設定信号を送信した時間からアンサ信号を受け取るまでにインターロック処理時間tが経過する。
【0111】
ところで、擬似コントローラ12aにおけるラダー処理部130、入出力部54は、実際のロボットコントローラ512におけるラダー処理部および入出力部と同仕様であるから、この部分における信号の伝達遅れ時間は、実機の場合と同じになる。また、FA用ネットワーク26は、実際のネットワーク510と同じ仕様のものを使用しているので、このFA用ネットワーク26による信号伝送時間は実機の場合と同じになる。さらに、シーケンサ14は、実際のシーケンサ508と同じハードウェアのものを用いているので、入出力部27およびラダー処理部132における信号の伝達遅れ時間は、実機の場合と同じになる。さらにまた、遅延時間は、処理時間設定部94(図2参照)によって、サイクル時間cが実際のシーケンサ508の動作周期と同一となるように設定されている。
【0112】
従って、これらの時間の総和であるインターロック処理時間tは、実機の場合と同じとなり、インターロックの処理を行うことによるシミュレーション時間の誤差は非常に小さい。
【0113】
上述したように、本実施の形態に係るシミュレーション装置10は、ロボットコントローラ512、514、516と類似の機能をもつ擬似コントローラ12a、12b、12cと、シーケンサ14と、FA用ネットワーク26とを用いてシミュレーションを行うようにしている。シーケンサ14およびFA用ネットワーク26は実際のシステム500(図15参照)におけるシーケンサ508およびネットワーク510と同仕様のものを使用しているので、ロボットR1、R2、R3の動作を高い位置精度、動作時間精度で実現することができる。従って、システム500の工程における処理時間を正確に検証することができる。ビューワ18のモニタ画面18aに表示される画像は、3次元表示でしかもリアルタイムの表示であることから非常に現実的な描画であり、実機に則した動作を把握することができる。
【0114】
また、シーケンサ14は、実際のシーケンサ508と同じサイクル時間cとなるように処理時間設定部94によって設定されている。また、FA用ネットワーク26と、擬似コントローラ12a、12b、12cにおける入出力部54と、シーケンサ14における入出力部27等が実機と同じ構成になっているので、擬似コントローラ12a、12b、12cとシーケンサ14との間で行われるインターロックの確認処理が、実際のシステム500による場合と同じインターロック処理時間t(図14参照)となる。
【0115】
さらに、実際のシステム500におけるロボットコントローラ512、514、516の数に応じた擬似コントローラ12a、12b、12cを設けるようにしているので、ロボットおよびロボットコントローラの数が増減する場合には、擬似コントローラの数も合わせて増減させて対応することができる。従って、ロボットおよびロボットコントローラの数によって、シミュレーションの精度が低下するということがない。
【0116】
各擬似コントローラ12a、12b、12cは、ロボットR1、R2、R3が干渉領域に進入する際に、FA用ネットワーク26を介して、シーケンサ14から進入を許可するアンサ信号を受信した後にロボットR1、R2、R3を干渉領域へ進入させるようにしているので、ロボットR1、R2、R3同士の干渉を確実に回避することができる。
【0117】
なお、図7、図9、図12および図13で示した各処理手順は、必ずしもその順番で実行される必要はなく、例えば、マルチタスク処理によって複数の処理を同時並列的に行うようにしてもよい。また、例えば、所定の信号を検出し次第、所定のステップを割り込み形式で実行してもよい。
【0118】
本発明に係るシミュレーション装置は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0119】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るシミュレーション装置によれば、複数のロボットの動作について、各ロボットコントローラとシーケンサとの間における動作確認手段をも含めたシステムを対象とし、高精度の動作時間でシミュレーションするという効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るシミュレーション装置を構成する機器の接続図である。
【図2】本実施の形態に係るシミュレーション装置のブロック図である。
【図3】シミュレーション対象のロボットの斜視図である。
【図4】擬似コントローラの内部ブロック図である。
【図5】擬似操作盤のモニタ画面上に表示される操作画面である。
【図6】シミュレーションの手順を示すフローチャートである。
【図7】擬似コントローラの処理内容を示すフローチャートである。
【図8】ロボットがティーチングデータに基づいて動作する動作経路を示す模式図である。
【図9】ビューワの処理内容を示すフローチャートである。
【図10】ロボットと干渉領域とを示す模式平面図である。
【図11】各ロボットと干渉領域に対応するインターロック設定信号およびインターロック解除信号の関係を示すテーブルである。
【図12】擬似コントローラにおけるインターロック判断部の処理内容を示すフローチャートである。
【図13】シーケンサ処理を示すフローチャートである。
【図14】擬似コントローラとシーケンサとの間における信号の流れを示すタイミングチャートである。
【図15】実際のシステムの概略ブロック図である。
【符号の説明】
10…シミュレーション装置
12a、12b、12c…擬似コントローラ
14、508…シーケンサ 16…擬似操作盤
18…ビューワ 20…オフラインティーチングコンピュータ
26…FA用ネットワーク 28…汎用ネットワーク
38…溶接ガン 50…プログラム実行部
52…擬似動作部 54…入出力部
56…制御処理部 58…記憶部
60…先読み機能部 62…インターロック判断部
64…ロボット擬似動作部 84…情報取得機能部
86…シミュレーションデータ送出部
88、90…ポート 94…処理時間設定部
96…動作処理機能部 98…入出力処理時間設定部
100…内部処理時間設定部 102…画面生成用設定ファイル
104…擬似操作処理部 106…入力・表示機能部
108…時間測定機能部 110…ビューワデータ
112…画像変換部 114…関節角度画像変換機能部
116…I・O情報画像変換機能部
502、504、506、R1、R2、R3…ロボット

Claims (3)

  1. シーケンサに対して操作信号の送受信を行う操作盤と、該操作盤の操作に基づいて、前記シーケンサにより通信手段を介して制御される複数のロボットとを有するシステムの動作検証を行うシミュレーション装置において、
    前記ロボットの数だけ設けられ、該ロボット用のティーチングデータがそれぞれ格納され、該ティーチングデータに基づき、前記ロボットを示す仮想ロボットの動作制御を行うとともに、個別に対応つけられた前記仮想ロボットの各関節の動作量を示す単体のシミュレーションデータをそれぞれリアルタイムに生成する擬似コントローラと、
    少なくとも前記擬似コントローラを制御可能で、前記シーケンサと同構成のシミュレーション用シーケンサと、
    前記シミュレーション用シーケンサと前記擬似コントローラとを接続し、前記通信手段と同構成の主通信手段と、
    少なくとも前記シミュレーション用シーケンサに対して操作信号の送受信を行い、前記操作盤と同機能の擬似操作盤と、
    前記シミュレーションデータに基づいて前記仮想ロボットの姿勢に関する情報を表示するビューワと、
    前記擬似コントローラと前記ビューワとを接続する副通信手段と、
    を有し、前記システムから独立して設けられ、該システム全体としてのシミュレーションを行うことを特徴とするシミュレーション装置。
  2. 請求項1記載のシミュレーション装置において、
    前記各擬似コントローラは、前記仮想ロボットが他の仮想ロボットとの干渉領域に進入する際に、該干渉領域に進入することを示すインターロック設定信号を前記シミュレーション用シーケンサに供給し、
    前記シミュレーション用シーケンサは、他の全ての仮想ロボットが、受信した前記インターロック設定信号に対応する前記干渉領域の範囲外に存在すると判断したときに、前記擬似コントローラに対して許可信号を供給し、
    前記各擬似コントローラは、前記仮想ロボットが前記干渉領域から退出する際に、該干渉領域から退出することを示すインターロック解除信号を前記シミュレーション用シーケンサに供給することを特徴とするシミュレーション装置。
  3. 請求項2記載のシミュレーション装置において、
    前記擬似コントローラは、前記インターロック設定信号、前記許可信号および/または前記インターロック解除信号を前記副通信手段を介して前記ビューワまたは前記擬似操作盤に供給し、
    前記ビューワまたは前記擬似操作盤は、前記インターロック設定信号、前記許可信号、前記インターロック解除信号に基づく情報を表示することを特徴とするシミュレーション装置。
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