JP3927381B2 - ワーク加工機のワーク加工方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タッチセンサをワークに当接させて加工ツールに対するワークの位置を検出し、該検出したワークの位置に基づいてワークを加工するワーク加工機のワーク加工方法に関する。
【0002】
【従来技術】
特開平5−104409号公報には、ワークの基準位置を検出するワーク位置検出装置と、検出したワークの基準位置に基づいてワークを加工するワーク加工機が示されている。図8は、該公報に示された技術を示す説明図である。該公報によれば、ワーク位置検出装置101は、ワークWに当接される接触子102と、接触子102のワークWへの当接を検出するタッチセンサ103を有しており、接触子102をワークWの加工基準面Mに当接させることによってワークWの基準位置を検出し、図示していないワーク加工機は、そのワーク基準位置に基づいて図示していない加工ツールを移動させてワークWを加工する。
【0003】
上述のワーク加工機では、最初に接触子102を当接させてワークWの基準位置を検出し、次いで加工ツールを移動させてワークWに加工を施しているので、サイクルタイムが長くなり、生産台数の増大が困難である。かかる点に鑑み、従来より、加工作業と並行してワークの基準位置を検出し、加工を行うワーク加工機のワーク加工方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、加工作業と並行してワークの基準位置を検出する場合、加工により発生した切り粉などの異物がタッチセンサ103の接触子102とワークWとの間に介在され易くなり、ワーク基準位置を誤検出するおそれがある。
【0005】
誤検出されたワーク基準位置に基づいてワークWに加工を施した場合には、加工精度が規格範囲から外れるおそれがある。また、タッチセンサ103に誤検出判断手段を設けて誤検出を判断し、誤検出と判断した場合に加工作業を中断して異物を取り除く作業を行うとすると、サイクルタイムが長くなり、生産台数の低下が懸念される。また、誤検出と判断した場合に、予め設定されている位置を基準としてワークに加工を施すと、製品間の寸法差が大きい場合には、規格外の製品が大量に製造されるおそれがある。
【0006】
本発明は、上述の点に鑑みなされたものであり、その目的は、加工作業を中断することなく、規格範囲内の加工精度を有した製品を製造することができるワーク加工機のワーク加工方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1に記載の発明は、タッチセンサの接触子をワークの加工基準面に接面させて加工ツールに対するワークの基準位置を検出するワーク基準位置検出ステップと、ワーク基準位置検出ステップによりワークの基準位置を検出した際に、接触子の当接面がワークの加工基準面に正常に接面しているか否かを判断する接面判断ステップと、接面判断ステップにより接触子の当接面がワークの加工基準面に正常に接面していると判断された場合に、検出したワークの基準位置を加工基準面位置として設定する第1加工基準面位置設定ステップと、接面判断ステップにより接触子の当接面が加工基準面に正常に接面していないと判断された場合に、過去に他のワークで設定された加工基準面位置のデータに基づき算出した位置を加工基準面位置として設定する第2加工基準面位置設定ステップと、第1加工基準面位置設定ステップ若しくは第2加工基準面位置設定ステップによって設定された加工基準面位置に基づきワークを加工するワーク加工ステップと、を有することを特徴とする。
【0008】
請求項1の発明によれば、接面判断ステップにより接触子の当接面が加工基準面に正常に接面していないと判断された場合に、過去に他のワークで設定された加工基準面位置のデータを用いて演算により求めた位置を加工基準面位置として設定し、その加工基準面位置に基づいてワークを加工するので、接触子の当接面が加工基準面に正常に接面していれば検出できた真のワークの基準位置に、より近似した位置を加工基準面位置として設定することができる。
【0009】
従って、接面判断ステップで接触子の当接面が加工基準面に正常に接面していないと判断された場合でも、加工作業を続行して製品を製造することができ、製品の加工精度を高い確率で規格範囲内に収め、規格外製品の発生頻度を飛躍的に低減することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のワーク加工機のワーク加工方法において、第2加工基準面位置設定ステップが、過去に他の複数のワークで各々設定された加工基準面位置のデータを平均して算出した位置を前記加工基準面位置として設定することを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、第2加工基準面位置設定ステップにおける具体的な処理を示したものであり、過去に他の複数のワークで各々設定された加工基準面位置のデータを平均して算出した位置を加工基準面位置として設定するので、真のワークの基準位置に更に近似した位置を加工基準面位置として設定することができ、より高い確率で規格範囲内の加工精度を有した製品を製造することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のワーク加工機において、第2加工基準面位置設定ステップが、過去に他の複数のワークで各々設定された加工基準面位置のデータの中から、直近の設定回数分のデータを平均して算出した位置を加工基準面位置として設定することを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、請求項2の発明の具体例を示したものであり、これによれば、実際のワークの形状により積極的に対応させることができ、真のワークの基準位置により近似した位置を加工基準面位置として設定することができる。例えば、ロット単位で生産されるワークの場合は、同一のロットでは各ワーク同士の寸法差が少ないことから、設定回数をロット数に応じたものに設定することによって、より適切な位置を加工基準面位置として設定することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のワーク加工機のワーク加工方法において、接面判断ステップにより、接触子の当接面が加工基準面に正常に接面していないとの判断が予め設定された回数以上、連続してなされた場合に、ワーク加工機によるワーク加工運転を中止して警報を出すことを特徴とする。
【0015】
請求項4の発明によれば、算出により設定した加工基準面位置に基づくワーク加工の連続回数を設定回数以内に抑えることにより、真のワークの基準位置からの遊離を未然に防ぎ、常に真のワークの基準位置に近似した位置を加工基準面位置として設定することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。図1は、本実施の形態におけるワーク加工機を正面より示す説明図、図2は、ワーク加工機の平面図である。尚、以下の説明では、説明の便宜上、図1で矢印A方向を前方向とし、図1で矢印B方向を後方向とする。
【0017】
ワーク加工機1は、図1及び図2に示すように、床面上で水平方向に延在する基台2を有しており、図1では左側に示される基台2の後部には、基台2上に沿って延在するように第1ベッド10が設けられ、第1移動テーブル11が前後方向に移動自在に設けられている。
【0018】
第1移動テーブル11には、第1のサーボモータ12の回転速度と回転量に応じてその移動速度と移動位置を変更する第1の移動機構が設けられており、この第1移動テーブル11の上部には、加工ツール40を保持し任意の回転数で回転させる加工ツール保持手段としてスピンドル13が設けられている。スピンドル13は、加工ツール40の延長軸線Lが第1移動テーブル11の移動方向に沿って延在するように加工ツール40の基端を保持している。
【0019】
一方、基台2の前部には、第1ベッド10と同一方向に沿って延在するように第2ベッド20が設けられ、第2移動テーブル21が延在方向に移動自在に設けられている。第2移動テーブル21には、第2のサーボモータ22の回転速度と回転量に応じてその移動速度と移動位置を変更する第2の移動機構が設けられており、この第2移動テーブル21の上部には、第2移動テーブル21が第1移動テーブル11に向かって接近移動した際に、加工ツール40の先端を回転自在に支持する回転支持部23が設けられている。
【0020】
第1ベッド10と第2ベッド20との間には、図2に示すように、第1ベッド10と第2ベッド20の延在方向と平面視で直交する方向に延在する第3ベッド30が設けられ、第3テーブル31が、延在方向に移動自在に設けられている。第3テーブル31には、図示していないサーボモータによりその配置位置を変更することができる第3の移動機構が設けられており、この第3テーブル31の上部には、加工ツール40の延長軸線L上にワークWを配置し保持するワーク保持手段32が設けられている。
【0021】
図3は、ワーク保持手段32、及びワーク保持手段32に保持されたワークW、並びに加工ツール40の一部を拡大して示す説明図である。ワーク保持手段32は、ワークWの上面に接面する底面部34を有しており、底面部34の側方位置にはワークWの上部を挟持してワークWを吊り下げ状態で保持する開閉式のアーム機構33が設けられている。
【0022】
ワークWは、本実施の形態ではエンジンのシリンダヘッドであり、シリンダ側が底面部34に接面されカム室側が下方に配置された上下逆さまの状態でワーク保持手段32に保持されている。そして、加工ツール40の延長軸線L上にカムシャフト穴Wbの軸心が一致するように配置されている。
【0023】
加工ツール40に対向するワークWの側壁面Waには、ワーク加工時に基準となる加工基準面Mが設けられている。加工基準面Mは、後述する図5に示されるように、ワークWの一部を予め平面状に切削加工することによって形成されている。
【0024】
加工ツール40は、図3に示すように、先端から基端側に移行するに従って段差を介して径が拡大される段付き丸棒形状の軸部42を有しており、スピンドル13に保持され回転されることによって、ワークWのカムシャフト穴Wbに切削加工を施す仕上用加工刃43と、側壁面Waからカムシャフト穴Wbと同軸上で深さ方向に延在する穴部Wcを穿設する加工刃44が突設されている。仕上用加工刃43は、中仕上用加工刃43Aと上仕上用加工刃43Bの2種類が、互いに軸方向に離間して対をなすように配置されており、加工刃44は、加工ツール40の基端側に設けられている。
【0025】
上記構成を有するワーク加工機1には、ワークWの位置を検出するワーク位置検出装置50が設けられている。図4は、ワーク位置検出装置50を説明する図、図5は、図4のC−C線断面を示す図である。
【0026】
ワーク位置検出装置50は、図4及び図5に示すように、ベースプレート51が第1移動テーブル11の一方の側面に沿うように固定されており、そのベースプレート51にはブロック形状のハウジング53が設けられている。ハウジング53には、図5に示すように、第1移動テーブル11の移動方向に沿って延在するように支持孔54が貫通形成されている。支持孔54は、一定の内径を有してハウジング53の前部に形成される前支持穴部54Aと、ハウジング53の後部に形成される前支持穴部54Aよりも大径を有した後支持穴部54Bによって構成されている。
【0027】
また、ハウジング53には、前支持孔部54A内に一端が開口し、他端がハウジング53の側壁面に開口するエア供給孔55が設けられており、エア供給孔55には、一定エア圧のエアを供給するエア供給源に接続されたエアホース56が接続されている。
【0028】
そして、ハウジング53の支持孔54には、支持孔54内を同方向に延在すると共に前端で加工ツール40に接近する方向に向かって折曲された略L字形を有する接触子60が第1移動テーブル11の移動方向に沿って移動自在に設けられている。
【0029】
接触子60は、前端と後端がハウジング53から共に突出する長さを有して支持孔54内を軸方向に移動可能な丸棒形状のロッド61を有している。ロッド後端部61Aは、ハウジング53の後部に取付けられるキャップ部57のブッシュJによって摺動支持されており、ロッド中央部61Bとの境界部分に形成された鍔部62と、キャップ部57との間に介在されたスプリング58によって、前方向に付勢されている。
【0030】
ロッド中央部61Bは、前支持穴部54Aに設けられたブッシュJによって支持穴54内を軸方向に摺動自在に支持されており、ハウジング53のエア供給孔55と対向する箇所には縮径部63が設けられている。ロッド先端部61Cは、ロッド中央部61Bとの間に段差を形成するように縮径された外径を有しており、先端にはねじ部64が設けられ、アーム70が取り付けられている。
【0031】
アーム70は、基端にロッド先端部61Cを挿入可能な嵌合穴72を有しており、ねじ部64にナット65を取り付けることによってロッド先端部61Cに結合される。また、プレートベース51の前端と対向する箇所には、ベースプレート51に突設されたガイドロッド52が挿入案内されるガイド穴73が設けられており、ロッド61を中心とした回転が防止されている。
【0032】
また、アーム70には、ワークWと対向する箇所に、当接チップ74が取り付けられている。当接チップ74は、円柱状の胴部を有しており、その端面にはワークWの加工基準面Mに対向して接面する当接面75が設けられている。
【0033】
上記構成を有する接触子60には、当接面75の中心に一端が開口して開口穴76を形成し、アーム70及びロッド先端部61C、ロッド中央部61B内を貫通して他端が縮径部63に開口するエア通路77が設けられており、エアホース56からエア供給孔55に供給されたエアが当接面75の開口穴76から噴出されるように構成されている。
【0034】
また、接触子60の後方位置には、タッチセンサ80が設けられている。タッチセンサ80は、ベースプレート51に固定される筐体81と、筐体81からロッド61と同軸方向に突出し退避してロッド後端部61Aの端面に常に当接する検出部82を有している。そして、第1移動テーブル11の前方向への移動により、接触子60がワークWに接近して当接し、スプリング58の付勢力に抗して後方に移動されると、タッチセンサ80は、その後方向への移動を検出してONの出力信号を出力する。
【0035】
また、特に図示していないが、エアホース56にはエア通路77内のエア圧が規定値以上である場合にONを出力し、規定値に満たない場合にOFFを出力するプレッシャスイッチ59(図6参照)が設けられている。
【0036】
上記のワーク位置検出装置50を備えたワーク加工機1は、制御部90を有している。制御部90は、CPU、ROM、RAM等によって構成されており、タッチセンサ80、プレッシャスイッチ59等の検出部及び他の入力部が接続されている。また、制御部90には第1のサーボモータ12、第2のサーボモータ22等の駆動部96及び他の出力部が接続されている。
【0037】
図6は、制御ブロック図であり、制御部90内には、ワーク基準位置検出手段91、接面確認判断手段92、基準面位置設定手段93、基準面位置記憶手段94、駆動部制御手段95が内部機構として構築されている。
【0038】
ワーク基準位置検出手段91は、タッチセンサ80の出力に基づき加工ツール40に対するワークWの基準位置を検出する。接面確認判断手段92は、タッチセンサ80とプレッシャスイッチ59の出力信号に基づいて接触子60の当接面75がワークWの加工基準面Mに正常に接面しているか否かを判断する。具体的には、タッチセンサ80とプレッシャスイッチ59の出力信号が共にONの場合に、当接面75が加工基準面Mに正常に接面していると判断し、タッチセンサ80の出力信号がONであるが、プレッシャスイッチ59の出力信号がOFFの場合に、当接面75が加工基準面Mに正常に接面していないと判断する。
【0039】
基準面位置設定手段93は、接面確認判断手段92により当接面75が加工基準面Mに正常に接面していると判断されたときは、ワークWの位置を正確に検出していると判断して、ワーク基準位置検出手段91により検出したワークWの基準位置をそのワークWの加工基準面位置として設定する。また、当接面75が加工基準面Mに正常に当接していないと判断されたときは、ワークWの位置を正確に検出していないと判断して、所定の演算処理により求めた位置をそのワークWの加工基準面位置として設定する。
【0040】
基準面位置記憶手段94は、基準面位置設定手段93が現在の第1移動テーブル11の位置を加工基準面位置として設定した場合に、その位置のデータを記憶するものである。駆動部制御手段95は、基準面位置設定手段93によって設定された加工基準面位置から予め設定された移動量だけ第1移動テーブル11を前方向に移動させる指令を駆動部96に出力する。駆動部96は、駆動部制御手段95からの指令に従い、第1のサーボモータ12を制御して第1移動テーブル11を移動させる。
【0041】
ワーク加工機1は、制御部90によって制御され、以下に説明するように動作する。図7は、その制御フローチャートである。まず、ワーク保持手段32にワークWが保持され、第3テーブル31により、図1に示すように予め設定された位置に所定の姿勢状態に配置されると、第1移動テーブル11が第1の移動機構によって前方向に移動されてワーク保持手段32に接近し、加工ツール40をワークWのカムシャフト穴Wb内に挿入する。加工ツール40の先端は、ワークWを貫通して他方のワーク側壁面から突出する。また、第2移動テーブル21は、後方向に移動されてワーク保持手段32に接近し、他方のワーク側壁面から突出している加工ツール40の先端を支持する。
【0042】
そして、第2移動テーブル21が後進端(後方向B)まで移動した後、スピンドル13により加工ツール40を回転させながら、第1移動テーブル11を前方向に設定速度で送り移動させる。これにより、最初に加工ツール40の中仕上用加工刃43Aがカムシャフト穴Wbの後端部に当接し、第1移動テーブル11の移動に応じて漸次前方に移行しながらカムシャフト穴Wbに中仕上用の機械加工を施す。そして、中仕上用の機械加工が終了すると、次いで上仕上用加工刃43Bがカムシャフト穴Wbの後端部に当接し、第1の移動テーブル11の移動に応じて漸次カムシャフト穴Wbに上仕上用の機械加工を施す。また、上仕上用の機械加工と並行して、加工刃44により穴部Wcの穿設加工が開始され、第1移動テーブル11の移動に応じて漸次その深さが増大される。
【0043】
そして、図3に示すように上仕上用の機械加工が終了した後も、第1移動テーブル11の前方向への送り移動により、加工刃44による穴部Wcの穿設加工が継続され、図5に示すように、ワーク位置検出装置50の接触子60はワークWの加工基準面Mに漸次接近し当接する。接触子60が加工基準面Mに当接すると、ロッド61がスプリング58の付勢力に抗して軸方向に押圧され、タッチセンサ80の出力信号がOFFからONに切り替わる(ワーク基準位置検出ステップS101でYES)。タッチセンサ80の出力信号がOFFからONに切り替わると、ワーク基準位置検出手段91により、タッチセンサ80の出力信号及び第1移動テーブル11の位置に基づいてワークWの基準位置が検出される。
【0044】
そして、間に切り粉などの異物が介在されずに接触子60の当接面75が加工基準面Mに正常に接面した場合には、開口穴76が加工基準面Mによって閉塞されて、開口穴76からのエアの噴出が停止され、エア通路77のエア圧が上昇して規定圧以上となり、プレッシャスイッチ59の出力信号がOFFからONに切り替わる(接面判断ステップS102でYES)。
【0045】
タッチセンサ80とプレッシャスイッチ59の出力信号が共にONすると、接面確認判断手段92により当接面75が加工基準面Mに正常に接面しており、ワークWの基準位置が正確に検出されていると判断され、基準面位置設定手段93によりその基準位置が加工基準面位置として設定される(第1加工基準面位置設定ステップS103)。そして、設定された加工基準面位置のデータは、駆動部制御手段95に出力されると共に基準面位置記憶手段94によって記憶される。
【0046】
駆動部制御手段95は、基準面位置設定手段93によって設定された加工基準面位置から設定量だけ第1移動テーブル11を前方向に移動させる指令を駆動部96に出力して第1移動テーブル11を移動させる(ワーク加工ステップS104)。従って、加工刃44は、接触子60の当接面75が加工基準面Mに当接する位置まで掘り進み、そこから更に設定量だけ深さ方向に移動して、ワークWの側壁面Waに、加工基準面Mから一定の位置に底面を有した穴部Wcを形成する。
【0047】
一方、接触子60の当接面75と加工基準面Mとの間に切り粉などの異物が噛み込んだ場合には、間隙が形成され、開口穴からのエアの噴出が継続される。従って、エア通路77内の圧力は上昇せず、プレッシャスイッチ59の出力信号はOFFのままとなる(接面判断ステップS102でNO)。
【0048】
タッチセンサ80の出力信号がONでプレッシャスイッチ59の出力信号がOFFの場合、接面確認判断手段92により当接面75が加工基準面Mに正常に接面しておらず、ワークWの基準位置を正確に検出していないと判断される。この場合、ワーク加工機1による加工作業を一旦中止して作業員の手作業によって加工基準面Mと当接面75との間に介在されている異物を取り除き、再度、加工作業を行うことも可能であるが、サイクルタイムが長くなり、再び異物が介在されるおそれもある。従って、加工作業を中断することはせず、所定のデータに基づいて加工を施す処理を実行する(第2加工基準面位置設定ステップS105)。
【0049】
基準面位置設定手段93は、接面確認判断手段92から当接面75が加工基準面Mに正常に当接していないとの判断を受けると、基準面位置記憶手段94により記憶されている過去の他のワークで設定された加工基準面位置のデータを読み出し、そのデータに基づいて加工基準面位置を設定する。本実施の形態では、加工基準面位置データの中から、直近のn回分のデータを抽出してその平均値を算出し、その値を加工基準面位置として設定している。
【0050】
従って、真のワークの基準位置により近似した位置を加工基準面位置として設定することができる。特に本実施の形態のように、シリンダヘッドなどのロット単位で生産されるワークの場合は、同一のロットでは各ワーク同士の寸法差が少ないことから、直近のデータ数をロット数に応じたものに設定することによって、真のワークの基準位置に更に近似した位置を加工基準面位置として設定することができる。
【0051】
駆動部制御手段95は、過去の加工基準面位置のデータに基づいて求められた加工基準面位置から予め設定された移動量だけ第1移動テーブル11を前方向に移動させる指令を駆動部96に出力し、第1移動テーブル11を移動させ、加工刃44によってワークWの側端面Waに穴部Wcを形成する(ワーク加工ステップS104)。
【0052】
従って、異物の介在等により当接面75が加工基準面Mに正常に接面せず、ワークWの位置を正確に検出していないと判断された場合でも、加工作業を中断することなく、より高い確率で規格範囲内の加工精度を有した製品を製造することができる。
【0053】
また、複数のワークに対して予め設定された回数以上連続して当接面75が加工基準面Mに正常に当接していないと判断されたときには、ワーク加工機1の運転を自動的に停止して、作業者によって接触子の当接面を点検するようにしてもよい。
【0054】
これにより、基準面位置記憶手段94内のデータを用いて算出し設定した加工基準面位置に基づくワーク加工の連続回数を設定回数以内に抑え、真のワークの基準位置からの遊離を未然に防ぎ、可能な限り真のワークの基準位置に近似した位置を加工基準面位置として加工するようにできる。
【0055】
上述のワーク加工機1の加工方法によれば、接触子の当接面が加工基準面に正常に接面していないと判断された場合に、過去に他のワークで各々設定された加工基準面位置のデータを用いて算出した位置を加工基準面位置として設定し、その加工基準面位置に基づいてワークを加工するので、接触子の当接面が加工基準面に正常に接面していれば検出できた真のワークの基準位置に、より近似した位置を加工基準面位置として設定することができる。従って、接触子の当接面が加工基準面Mに正常に接面していないと判断された場合でも、加工作業を続行して製品を製造することができ、製品の加工精度を高い確率で規格範囲内に収め、規格外製品の発生頻度を飛躍的に低減することができる。
【0056】
また、過去に他のワークで各々設定された加工基準面位置のデータの中から、直近の設定回数分の加工基準面位置のデータを平均して算出した値を加工基準面位置として設定することによって、真のワークの基準位置に、より近似した位置を加工基準面位置として設定することができ、高い確率で規格範囲内の加工精度を有した製品を製造することができる。
【0057】
尚、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述の実施の形態ではワーク位置検出装置50をワークに穴加工を施すワーク加工機に用いた場合を例に説明したが、他の切削や研削加工を行うワーク加工機のワーク加工方法に用いても同様の作用効果を得ることができる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るワーク加工機のワーク加工方法によれば、接触子の当接面が加工基準面に正常に接面していないと判断された場合に、接触子の当接面が加工基準面に正常に接面していれば検出できた真のワークの基準位置に、より近似した位置を加工基準面位置として設定し、かかる加工基準面位置に基づいてワークを加工することができる。従って、加工作業を続行して製品を製造することができ、製品の加工精度を高い確率で規格範囲内に収め、規格外製品の発生頻度を飛躍的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態におけるワーク加工機を正面より示す説明図である。
【図2】ワーク加工機の平面図である。
【図3】ワーク保持手段に保持されたワーク及び加工ツールの一部を拡大して示す説明図である。
【図4】ワーク位置検出装置の構成を示す説明図である。
【図5】図4のC−C線断面を示す図である。
【図6】ワーク加工機の制御部を示す説明図である。
【図7】ワーク加工機のワーク加工制御を示すフローチャートである。
【図8】従来技術を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ワーク加工機
11 第1移動テーブル
13 スピンドル
40 加工ツール
50 ワーク位置検出装置
51 ベースプレート
53 ハウジング
54 支持孔
55 エア供給孔
59 プレッシャスイッチ
60 接触子
75 当接面
77 エア通路
80 タッチセンサ
W ワーク
Wa 側壁面
Wb カムシャフト穴
Wc 穴部
M 加工基準面
L 加工ツールの延長軸線
S101 ワーク基準位置検出ステップ
S102 接面判断ステップ
S103 第1加工基準面位置設定ステップ
S104 ワーク加工ステップ
S105 第2加工基準面位置設定ステップ

Claims (4)

  1. タッチセンサの接触子をワークの加工基準面に接面させて加工ツールに対する前記ワークの基準位置を検出するワーク基準位置検出ステップと、
    該ワーク基準位置検出ステップにより前記ワークの基準位置を検出した際に、前記接触子の当接面が前記ワークの加工基準面に正常に接面しているか否かを判断する接面判断ステップと、
    該接面判断ステップにより前記接触子の当接面が前記ワークの加工基準面に正常に接面していると判断された場合に、前記検出した前記ワークの基準位置を加工基準面位置として設定する第1加工基準面位置設定ステップと、
    前記接面判断ステップにより前記接触子の当接面が前記加工基準面に正常に接面していないと判断された場合に、過去に他のワークで設定された加工基準面位置のデータに基づき算出した位置を加工基準面位置として設定する第2加工基準面位置設定ステップと、
    前記第1加工基準面位置設定ステップ若しくは前記第2加工基準面位置設定ステップによって設定された加工基準面位置に基づき前記ワークを加工するワーク加工ステップと、を有することを特徴とするワーク加工機のワーク加工方法。
  2. 前記第2加工基準面位置設定ステップは、
    過去に他の複数のワークで各々設定された加工基準面位置のデータを平均して算出した位置を前記加工基準面位置として設定することを特徴とする請求項1に記載のワーク加工機のワーク加工方法。
  3. 前記第2加工基準面位置設定ステップは、
    過去に他の複数のワークで各々設定された加工基準面位置のデータの中から、直近の設定回数分のデータを平均して算出した位置を加工基準面位置として設定することを特徴とする請求項2に記載のワーク加工機のワーク加工方法。
  4. 前記接面判断ステップにより、前記接触子の当接面が前記加工基準面に正常に接面していないとの判断が予め設定された回数以上、連続してなされた場合に、ワーク加工機によるワーク加工運転を中止して警報を出すことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のワーク加工機のワーク加工方法。
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