JP3926657B2 - 金型温度の測定治具及び測定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂成形用の金型が型締めされた状態において、型面の温度、すなわち金型温度を、正確に、かつ少ないばらつきで測定するとともに、測定の自動化を可能にする、金型温度の測定治具及び測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
樹脂成形に使用される金型のキャビティに溶融樹脂を注入し、これを硬化させて成形品を製造する場合において、成形品の品質・歩留りを向上させ維持するには、金型温度の正確な測定を含む温度管理が重要になる。特に、溶融樹脂が注入されるキャビティ付近における金型温度の測定が、重要である。
従来、金型温度を測定するには、次のようにして行っている。金型を型開きした状態で、測定者が型面の所定の個所に温度センサを順次押し当てることによって、複数個所で金型温度を測定する。また、金型を型開きした状態で、非接触式の温度センサを使用して、例えば、測定者が型面の所定の個所から放射される赤外線を順次検出することにより、複数個所で金型温度を測定する。そして、金型温度の測定値に基づいて、人手によって平均値やばらつき等を算出して、基準値に比較している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の金型温度の測定によれば、次のような問題がある。まず、型開きした状態で金型温度を測定するので、金型間の空間に対する熱の輻射等に起因して、型締め時とは異なる測定値、具体的には低温である測定値になるおそれがある。また、測定場所やセンサの押し当て方等について測定者によりばらつきがあるので、測定値の信頼性が低い場合がある。また、型面の所定の個所において測定者が順次温度測定を行うので、短時間に測定することが困難である。また、測定値に基づき、人手により平均値やばらつき等を計算し、基準値に比較するので、短時間にデータ処理を行うことが困難である。更に、温度測定を自動化することが困難である。
【0004】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、実際に樹脂成形を行うのと同様の状態、すなわち金型が型締めされた状態において、正確にかつ少ないばらつきで金型温度を測定するとともに、測定の自動化を可能にする、金型温度の測定治具及び測定方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の技術的課題を解決するために、本発明に係る金型温度の測定治具は、相対向する金型の少なくとも一方に設けられたキャビティに溶融樹脂を注入して樹脂成形する場合において、相対向する金型が各々有する型面における金型温度を測定する金型温度の測定治具であって、低熱伝導率の材質からなるベース部と、ベース部に固定され高熱伝導率の材質からなる複数の熱伝導部と、熱伝導部を各々有する複数の温度検出部と、熱伝導部に各々固定され、該熱伝導部の温度を検出して該検出された温度に基づいて信号を生成する複数の温度センサとを備えるとともに、金型が型締めされた型締め状態において、複数の熱伝導部のうちの一部の熱伝導部は型面のうち少なくとも一方の型面に接触し、複数の熱伝導部のうちの残りの熱伝導部は型面のうち少なくとも他方の型面に接触していることを特徴とする。
【0006】
これによれば、型締め状態において、複数の熱伝導部は、型面のうち一方の型面と他方の型面とに安定して接触する。このことにより、実際に樹脂成形を行うのと同様の型締め状態において、一方の型面と他方の型面との型面の金型温度が、温度センサによって正確に、かつ少ないばらつきで測定される。したがって、実際の動作に近い状態で、正確に、かつ少ないばらつきで、金型温度が測定される。
【0007】
また、本発明に係る金型温度の測定治具は、上述の測定治具において、温度検出部は、型締め状態において熱伝導部が一方の型面に接触する第1の温度検出部材と、型締め状態において熱伝導部が型面のうち他方の型面に接触する第2の温度検出部材と、型締め状態において熱伝導部が型面のうち双方の型面に接触する第3の温度検出部材とからなることを特徴とする。
【0008】
これによれば、実際の動作に近い状態で、一方の金型と他方の金型との金型温度が、それぞれ正確に測定される。更に、双方の金型が熱的に平衡した状態で金型温度が測定されるので、型締め状態で双方の金型によって構成されるキャビティにおける金型温度が、正確に測定される。
【0009】
また、本発明に係る金型温度の測定方法は、相対向する金型の少なくとも一方に設けられたキャビティに溶融樹脂を注入して樹脂成形する場合において、金型の型面における金型温度を測定する金型温度の測定方法であって、温度センサを有する測定治具を金型の間に進入させる工程と、金型を型締めすることにより型面に温度センサを熱的に接触させる工程と、温度センサにより金型温度を検出して該検出された温度に基づいて信号を生成する工程と、信号に基づいて金型温度を算出する工程とを備えたことを特徴とする。
【0010】
これによれば、型締め状態において、熱伝導部を、型面のうち少なくとも一方の型面に安定して接触させる。これにより、実際に樹脂成形を行うのと同様の型締め状態において、少なくとも一方の型面の金型温度を、温度センサによって正確に、かつ少ないばらつきで測定する。したがって、実際の動作に近い状態で、正確に、かつ少ないばらつきで、金型温度を測定することができる。
【0011】
また、本発明に係る金型温度の測定方法は、上述した測定方法において、進入させる工程では測定治具を取り付けた搬送機構を使用して金型の間に測定治具を進入させるとともに、信号を生成する工程の後に、金型を型開きして、搬送機構を使用して測定治具を金型の間から退出させる工程を備えたことを特徴とする。
【0012】
これによれば、樹脂成形工程において、実際に樹脂成形を行うのと同様の型締め状態で、金型温度を正確に、少ないばらつきで、かつ自動的に測定することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る金型温度の測定治具及び測定方法を、図1〜図3を参照して説明する。図1(1)は本実施形態に係る金型温度の測定治具の平面図であり、図1(2)はそのA−A線に沿った断面図である。
【0014】
図1に示されるように、本実施形態に係る金型温度の測定治具1は、次のような構成をとっている。ベース部2は、後述する温度検出部を固定するとともに、測定治具1の本体を形成する主要部である。このベース部2は、低熱伝導率と所定の耐熱性とを有する材質、例えば、有機系の断熱材料や、セラミック等の無機系の断熱材料から構成されている。なお、断熱性と軽量化とを考慮して、多孔質セラミックを使用してもよい。
【0015】
上型温度検出部3U、下型温度検出部3L、及び平均温度検出部3Mは、ベース部2の貫通穴に嵌装された円柱状の部材であって、それぞれ上型(図示なし)の型面の温度、下型(図示なし)の型面の温度、及び上型と下型との型面の平均温度を検出する、温度検出部材である。上型温度検出部3Uは、上型側に設けられ高熱伝導率の材質、例えば、銅やアルミニウム等からなる熱伝導部4と、下型側に設けられベース部2に使用されたものと同様の断熱材料からなる断熱部5とから構成されている。下型温度検出部3Lは、上型側に設けられた断熱部5と、下型側に設けられた熱伝導部4とから構成されている。平均温度検出部3Mは、全体が、熱伝導部4と同じ高熱伝導率の材質から構成されている。
上型温度検出部3Uは上型に対向する側において、下型温度検出部3Lは下型に対向する側において、それぞれ熱伝導部4の端面が露出している。また、平均温度検出部3Mは、上型に対向する側と下型に対向する側との双方において、端面が露出している。
【0016】
各熱伝導部4の露出する端面と、平均温度検出部3Mの一方の端面とにおいては、それぞれ凹部6が設けられている。凹部6には、温度センサ7が、熱伝導部4又は平均温度検出部3Mに、言い換えれば高熱伝導率の材質に接触するようにして載置されている。温度センサ7は、例えば、熱電対、測温抵抗体、サーミスタ等のように、温度を検出してこれを電気的な物理量に変換する、すなわち温度に基づいて電気信号を生成するセンサである。充填部8は、高熱伝導率の樹脂、例えばシリコーン樹脂からなり、凹部6を充填した状態で硬化して温度センサ7を固定している。
【0017】
ベース部2には、測定者が測定治具1を取り扱う際に使用する取っ手9が取り付けられている。また、温度センサ7によって生成された電気信号を制御部(図示なし)に供給するために、リード線10,コネクタ11が設けられている。このリード線10は、各温度センサ7から、ベース部2の上を通って、又はベース部2に設けられた溝を通って、コネクタ11まで配線されている。
【0018】
図1の測定治具1が金型温度を測定する動作を、図2と図3とを参照して説明する。ここでは、樹脂成形用の金型として、基板に装着されたチップ状の電子部品を樹脂封止する際に使用される樹脂封止用の金型を例にとって、説明する。
図2は、図1の測定治具が金型温度を測定する状態を、図1(1)のB−B線に沿って示す部分断面図である。図3(1)は図1の測定治具を使用する温度測定の対象である上型の平面図であり、図3(2)は図3(1)の上型の金型温度が測定される際の上型と測定治具との位置関係を示す平面図である。また、図2は、図1の測定治具が金型温度を測定する状態を、図3(2)のC−C線に沿って示す部分断面図でもある。
【0019】
図2において、下型12と上型13とは、相対向するように設けられた樹脂封止用の金型である。下型12には、円筒形の空間であるポット14が設けられている。上型13には、ポット14に対向する位置にカル15が設けられ、これに順次連通してランナ16,キャビティ17が設けられている。また、下型12及び上型13には、それぞれ下型12及び上型13を加熱する加熱手段であるヒータ18,19が取り付けられている。
【0020】
電子部品が樹脂封止される工程では、電子部品が装着された基板を、その電子部品がキャビティ17内に収容されるようにして、下型12上に載置する。そして、ポット14に貯留された溶融樹脂が、プランジャ(図示なし)によって押圧されることにより、カル15,ランナ16を順次経由してキャビティ17に注入され、その後に硬化する。
【0021】
金型温度を測定する場合には、まず、下型12と上型13とを型開きした状態で、測定治具1を、例えば、位置合わせマークを使用して下型12に位置合わせした後に、下型12の上に載置する。
【0022】
次に、下型12と上型13とを型締めする。この状態で、上型温度検出部3Uにおいては、上型13と温度センサ7とが、熱伝導部4及び充填部8を介して熱的に接触する。これにより、上型13からの熱が、熱伝導部4及び充填部8を経由して温度センサ7に伝導する。これに対して下型12からの熱は、断熱部5によって遮断されるので、温度センサ7には伝導しない。したがって、温度センサ7は、上型13の温度を検出して、その温度に基づく電気信号を生成する。
同様に、下型温度検出部3Lにおいては、下型12と温度センサ7とが熱伝導部4及び充填部8を介して熱的に接触するとともに、上型13からの熱は、断熱部5によって遮断される。したがって、温度センサ7は、下型12の温度を検出して、その温度に基づく電気信号を生成する。
一方、前述のように、図1(2)において、平均温度検出部3Mは全体が高熱伝導率の材質から構成されているので、図2の下型12及び上型13は、平均温度検出部3Mの本体及び充填部8を介して、温度センサ7に熱的に接触する。これにより、下型12と上型13との双方からの熱が、平均温度検出部3Mの本体及び充填部8を経由して温度センサ7に伝導する。したがって、平均温度検出部3Mにおいては、下型12と上型13とが熱的に平衡した状態における金型温度が検出され、温度センサ7はその金型温度に基づく電気信号を生成する。
【0023】
次に、金型温度に基づく電気信号を、リード線10及びコネクタ11を経由して制御部(図示なし)に供給する。制御部は、受け取った電気信号に基づいて、図1(2)の上型温度検出部3U,下型温度検出部3L,平均温度検出部3Mのそれぞれにおける金型温度を算出して表示する。また、制御部は、各温度検出部3U,3L,3Mのそれぞれについての平均温度、すなわち、上型13全体の平均温度、下型12全体の平均温度、及び、上型13と下型12とが熱的に平衡した状態での金型全体の平均温度を検出して、これらを表示することもできる。更に、制御部は、温度検出部3U,3L,3Mのすべてについて平均した全体の平均温度を算出して、これを表示することもできる。
【0024】
ここで、測定治具1における各温度検出部3U,3L,3Mの配置の例を、図2及び図3(2)を参照して説明する。金型温度について一方の測定対象である上型13には、図3(1)に示すように、同一線上に並ぶ4個のカル15と、各カル15から双方向に伸びるランナ16と,各ランナ16にそれぞれ連通するキャビティ17とが設けられている。また、他方の測定対象である下型(図2の下型12)には、カル15に対向する位置にポット(図2のポット14)が設けられている。
【0025】
測定治具1では、平面視した場合において、各温度検出部3U,3L,3Mが図3(2)に示すように配置されている。すなわち、金型全体をカバーするように、4個/行の温度検出部3U,3L,3Mが並列に2行、すなわち8個設けられている。ここで、各温度検出部3U,3L,3Mは、キャビティ17の付近においてキャビティ17との重なりが全くないか、又はなるべく小さくなるようにして配置されている。
また、これら8個のうち中央部に近い4個は、上型温度検出部3Uと下型温度検出部3Lとからなり、互いに隣接するもの同士が異なる種類になるようにして配置されている。
更に、その2行の中間にあってこれらと並列になるように、2個の平均温度検出部3Mが、平面視した場合にカル15及びこれに対向する下型のポット(図2のポット14)との重なりが全くないか、又はなるべく小さくなるようにして設けられている。
【0026】
本実施形態によれば、図2の下型12と上型13とを型締めした状態で、すなわち、実際に樹脂封止を行うのと同様の型締め状態で、下型12と上型13とに対して各温度検出部3U,3L,3Mが一定の圧力で加圧されて、金型温度が測定される。これにより、型開きした状態で測定者が測定する場合に比較して、熱の放射による温度低下がなく、測定者によるばらつきがなく、下型12と上型13との複数個所において同時に、金型温度が測定される。したがって、多点における金型温度が、短時間に、正確に、かつ少ないばらつきで測定される。また、金型温度のデータを電気信号として測定治具の外部に供給するので、温度測定について短時間のデータ処理が可能になる。更に、次の効果が得られる。
【0027】
第1に、樹脂成形において最も温度管理を必要とするキャビティ17の付近において、金型に設けられた空間、すなわち下型12のポット14と、上型13のカル15,ランナ16,キャビティ17との影響を極力抑えて、下型12と上型13との金型温度が測定される。したがって、キャビティ17付近で、各金型の金型温度が正確に測定される。
第2に、平均温度検出部3Mは、金型に設けられた空間の影響を極力抑えて、下型12と上型13との双方から熱を受け取る。これにより、双方の金型が熱的に平衡した状態における金型温度が、測定される。したがって、型締め状態で下型12と上型13との双方によって構成されるキャビティ17における金型温度が、正確に測定される。
【0028】
なお、本実施形態においては、各温度検出部3U,3L,3Mを、図3(2)に示されたように配置した。これに限らず、必要とする金型温度に応じて、上型温度検出部3Uだけ、下型温度検出部3Lだけ、又は平均温度検出部3Mだけを配置してもよい。更に、これら3種類のうちの2種類の組合せからなる温度検出部を、配置することもできる。
【0029】
また、図1(2)のように、上型温度検出部3Uと下型温度検出部3Lとを、ベース部2に設けられた貫通穴に嵌装されることとした。これに代えて、低熱伝導率を有する材質からなるベース部2に凹部を設け、その凹部に熱伝導部4を嵌装して、上型温度検出部と下型温度検出部とを構成することもできる。
【0030】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について、図4を参照しながら説明する。図4(1)〜(3)は、本実施形態に係る金型温度の測定方法について、金型間に測定治具を進入させる工程と、金型を型締めする工程と、金型温度を測定する工程とを、図3(2)のD−D線に沿ってそれぞれ示す部分断面図である。本実施形態は、金型温度の測定について、その自動化を可能にするものである。
【0031】
図4(1)に示すように、測定治具1は、アーム20に取り付けられている。アーム20は、下型12と上型13との間に対して、進退自在になるように設けられた搬送機構である。
【0032】
本実施形態に係る金型温度の測定方法によれば、まず、図4(1)に示すように、アーム20が前進して、下型12と上型13との間に測定治具1を進入させる。次に、図4(2)に示すように、アーム20が下降して下型12上に測定治具1を載置させるとともに、上型13が下降する。
【0033】
次に、図4(3)に示すように、更に上型13が下降して、上型13と下型12とを型締めする。この状態で、第1の実施形態と同様に、上型13の熱が上型温度検出部3Uに、下型12の熱が下型温度検出部3Lに、下型12と上型13との双方の熱が平均温度検出部3Mに、それぞれ伝導する。したがって、各温度検出部3U,3L,3Mの温度センサ7は、それぞれ、上型13の金型温度、下型12の金型温度、及び双方の金型が熱的に平衡した状態における金型温度を検出して、その金型温度に基づく電気信号を制御部(図示なし)に供給する。
【0034】
次に、制御部は、第1の実施形態と同様に、受け取った電気信号に基づいて、金型温度を算出して表示する。
【0035】
次に、上型13が上昇して上型13と下型12とを型開きした後に、アーム20が上昇して後退する。これにより、下型12と上型13との間から測定治具1が退出する。これまでの工程によって金型温度の測定が終了し、金型温度に異常がなければ、電子部品の樹脂封止を開始することができる。
【0036】
本実施形態によれば、金型温度の測定について、第1の実施形態による効果に加えて、更に短時間に測定することができるとともに、自動化が可能になる。
【0037】
なお、本実施形態においては、制御部は、算出した金型温度と所定の目標温度とを比較することもできる。そして、温度差がある場合には、制御部は、その温度差を解消するように、図2において下型12,上型13にそれぞれ設けられたヒータ18,19の全部、又は必要とされる一部に対して、昇温又は降温を目的とした信号を供給する。これらの場合において制御部は、例えば、ヒータ18,19に印加する電圧の昇降やパルス幅の増減等を行うことになる。したがって、算出した金型温度に基づいてヒータ18,19を制御して、金型温度を安定させる温度管理を行うことができる。
【0038】
また、以上説明した各実施形態においては、温度センサ7によって検出された金型温度に基づく電気信号を、図1のリード線10及びコネクタ11を介して、制御部(図示なし)に供給した。これに代えて、電気信号を、ワイヤレスで制御部に供給してもよい。
【0039】
また、本発明は、電子部品の樹脂封止に限らず、他の樹脂成形に使用される金型の金型温度を測定する場合にも、適用することができる。
【0040】
また、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて、任意にかつ適宜に変更・選択して採用できるものである。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、実際に樹脂成形を行うのと同様の型締め状態において、一方の型面と他方の型面との金型温度が、正確に、かつ少ないばらつきで測定される。また、型締め状態において双方の金型が熱的に平衡した状態で金型温度が測定されるので、双方の金型によって構成されるキャビティにおける金型温度が正確に測定される。また、樹脂成形工程において、実際に樹脂成形を行うのと同様の型締め状態で、金型温度を正確に、少ないばらつきで、かつ自動的に測定することができる。
したがって、本発明は、実際に樹脂成形を行うのと同様の状態において、正確に、かつ少ないばらつきで金型温度を測定するとともに、測定の自動化を可能にする、金型温度の測定治具及び測定方法を提供するという、優れた実用的な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(1)は本発明の第1の実施形態に係る金型温度の測定治具の平面図であり、図1(2)はそのA−A線に沿った断面図である。
【図2】 図2は、図1の測定治具が金型温度を測定する状態を、図1(1)のB−B線に沿って示す部分断面図である。
【図3】 図3(1)は図1の測定治具を使用する温度測定の対象である上型の平面図であり、図3(2)は図3(1)の上型の金型温度が測定される際の上型と測定治具との位置関係を示す平面図である。
【図4】 図4(1)〜(3)は、本発明の第2の実施形態に係る金型温度の測定方法について、金型間に測定治具を進入させる工程と、金型を型締めする工程と、金型温度を測定する工程とを、図3(2)のD−D線に沿ってそれぞれ示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 測定治具
2 ベース部
3U 上型温度検出部(第1の温度検出部材)
3L 下型温度検出部(第2の温度検出部材)
3M 平均温度検出部(第3の温度検出部材)
4 熱伝導部
5 断熱部
6 凹部
7 温度センサ
8 充填部
9 取っ手
10 リード線
11 コネクタ
12 下型
13 上型
14 ポット
15 カル
16 ランナ
17 キャビティ
18,19 ヒータ
20 アーム(搬送機構)
Claims (4)
- 相対向する金型の少なくとも一方に設けられたキャビティに溶融樹脂を注入して樹脂成形する場合において、前記相対向する金型が各々有する型面における金型温度を測定する金型温度の測定治具であって、
低熱伝導率の材質からなるベース部と、
前記ベース部に固定され、高熱伝導率の材質からなる複数の熱伝導部と、
前記熱伝導部を各々有する複数の温度検出部と、
前記熱伝導部に各々固定され、該熱伝導部の温度を検出して該検出された温度に基づいて信号を生成する複数の温度センサとを備えるとともに、
前記金型が型締めされた型締め状態において、前記複数の熱伝導部のうちの一部の熱伝導部は前記型面のうち少なくとも一方の型面に接触し、前記複数の熱伝導部のうちの残りの熱伝導部は前記型面のうち少なくとも他方の型面に接触していることを特徴とする金型温度の測定治具。 - 請求項1記載の金型温度の測定治具において、前記温度検出部は、
前記型締め状態において前記熱伝導部が前記一方の型面に接触する第1の温度検出部材と、
前記型締め状態において前記熱伝導部が前記型面のうち他方の型面に接触する第2の温度検出部材と、
前記型締め状態において前記熱伝導部が前記型面のうち双方の型面に接触する第3の温度検出部材とからなることを特徴とする金型温度の測定治具。 - 相対向する金型の少なくとも一方に設けられたキャビティに溶融樹脂を注入して樹脂成形する場合において、前記金型の型面における金型温度を測定する金型温度の測定方法であって、
温度センサを有する測定治具を前記金型の間に進入させる工程と、
前記金型を型締めすることにより前記型面に前記温度センサを熱的に接触させる工程と、
前記温度センサにより前記金型温度を検出して該検出された温度に基づいて信号を生成する工程と、
前記信号に基づいて前記金型温度を算出する工程とを備えたことを特徴とする金型温度の測定方法。 - 請求項3記載の金型温度の測定方法において、
前記進入させる工程では、前記測定治具を取り付けた搬送機構を使用して前記金型の間に前記測定治具を進入させるとともに、
前記信号を生成する工程の後に、前記金型を型開きして、前記搬送機構を使用して前記測定治具を前記金型の間から退出させる工程を備えたことを特徴とする金型温度の測定方法。
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