JP3926145B2 - 毛髪改善剤及び毛髪改善方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、毛髪改善剤及び毛髪改善方法に関し、特に、過収縮した毛髪を補強すると共に、二価金属イオン含有組成物の塗布のみにより半永久的に直毛に矯正する毛髪改善剤及び毛髪改善方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
過去には直毛にウェーブを付けてカールの持ちを良くするパーマネントウェーブが全盛であったが、最近ではくせ毛を真直ぐに矯正する縮毛矯正という技術が美容・理容の業界で注目され、縮毛矯正の施術法が何種類も提案され、何種類かの縮毛矯正に関する粧剤も開発され、何種類かの技術も普及している。尚、ここで縮毛とは直毛でない天然のくせ毛、ちじれ毛等をいい、本願発明で改善しようとする過収縮毛(ビビリ毛)とは異なったものである。即ち、過収縮毛は人工的な化学処理によって損傷させて作り出された毛髪である。
【0003】
尚、通常毛髪は、約20種類のアミノ酸で構成されていて、各アミノ酸のアミノ基(NH2)とカルボキシル基(COOH)からH+とOH−が取れて脱水縮合をし、アミノ酸は縦に繋がっている。縦に繋がったアミノ酸は、水素結合、塩結合、ジスフィルド結合と云う側鎖結合によって3本が1束になり、それが螺旋状のαヘリックス構造をとり、プロトフィブリルの繊維を作ると考えられている。プロトフィブリルの繊維が、更に中心に2本、その周りに9本集まり、ミクロフィブリルの繊維になり、ミクロフィブリルの繊維が複数束になって、ミクロフィブリルの繊維の周りを間充物質(非結晶型ケラチンでマトリックスと呼ぶ)で埋めてコルテックスを形成している。マトリックスはミクロフィブリルの繊維とミクロフィブリルの繊維間を埋めるセメントの如き役目をするとされている。そして、このようなコルテックスを6層乃至8層のクチクル(毛表皮)で被覆して毛髪が構成されている。
【0004】
従来の縮毛矯正の技術は、アルカリと還元剤を含有する粧剤を毛髪に塗布することによって、バイラテラル構造を成しているパラコルテックスとオルトコルテックスをアルカリと還元剤よって軟化させ、即ち、バイラテラル構造を矯正しやすい状態にした後に、略180℃近くの温度に加熱した平面アイロンを使用して毛髪にプレス処理を行い、縮毛を直毛化させ、酸化剤で直毛状態に固定するのが一般的であった。
【0005】
この工程の中で、アルカリと還元剤は、バイラテラル構造をとる縮毛に過剰に反応し、略180℃近くの温度という高熱のアイロン処理によって縮毛は直毛に矯正させられるが、アルカリと還元剤の処理時間を少しでも長くし過ぎたり、又は酸化時間が不十分な場合には、縮毛は直毛化された後に過収縮を起こしてしまうのである。そして、過収縮を起こした毛髪は髪の表面が縮緬状に萎縮し、髪に光沢がなくなると共に髪の長さが短くなってしまう。
【0006】
又、上記のような場合に限らず、ブリーチ、ヘアダイそして過剰なパーマ処理等により頭髪がアルカリ・還元剤によってコルテックスのマトリックスを流出させられることにより極度に軟化し、過度の損傷状態になった髪にハンドドライヤーやストレートアイロンによる高熱処理によって熱変性を起こした時等に過収縮が起きてしまうのである。
【0007】
この過収縮毛は、コルテックスからマトリックスが流出した上に、頭髪のα-へリックス構造が過剰に折り畳まれて起こる現象で、このような過収縮毛は昨今の縮毛矯正の施術の増加、更には様々な成分を含有したヘアケア剤を多種使用した頻繁なヘアダイ、パーマ、ブリーチ等の美容的処置の増加に伴い飛躍的に増加し、この過収縮毛を美容師達は「ビビリ」と言って、自分達がお客様の頭髪を損傷させてしまった後の修復とケアに悩まされていた。
【0008】
頭髪表面の毛表皮が若干欠損した程度の損傷毛であれば頭髪表面で皮膜を形成するキチン類で頭髪表面をコートして修正するか、シリコン類の油分で頭髪表面をコートする方法がある。又、最近ではコラーゲン蛋白質を加水分解して得られたポリペプチドに3-グリシドキシプロピルメチルジヒドロキシシランを付加したシリコン加水分解コラーゲン液をトリートメント剤の有効成分とした製品も多く開発され、軽度の損傷毛には有効なトリートメント剤である。
【0009】
そして、従来上記のような過収縮毛の対策としてはこのようなトリートメント剤の塗布により修復とケアを試みていたが、然し、毛表皮間、コルテックス間のセメントの役割をしている間充物質(マトリックス)が流出して、スカスカになってしまった頭髪には、トリートメント剤の乳化成分として配合している界面活性剤が更に頭髪繊維を軟化させ、頭髪の強度を低下させてしまい、トリートメント剤で過収縮毛を修復しようとしてトリートメント剤の塗布を繰り返すことにより過収縮毛は更に悪化してしまっていた。そして、悪化の程度が著しい場合には毛髪が溶けてしまっていた。即ち、従来の如何なるトリートメント剤を用いても過収縮毛を修復することができず、過収縮毛になってしまった頭髪を無くす為の唯一の技術としては、過収縮毛の部位をカットしてしまうしか方法がなく、その結果、ヘアスタイルを変えるしかないのが現状であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、過収縮毛となった毛髪を補強すると共に、過収縮毛を切ることなく、ヘアスタイルを変えることなく、過収縮毛を修復し、過収縮が起こる前の正常な頭髪の状態に改善することが可能であって、且つ改善された正常な状態を永続的に保つことが可能な毛髪改善剤及び毛髪改善方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明に於いて上記課題を解決するための手段として、第一の手段はシリコーンと非イオン界面活性剤とを配合した組成物であって、二価金属イオンの塩化物、二価金属イオンの臭化物、二価金属イオンのヨウ化物、フッ化塩、二価金属イオンのアルコラートから選ばれる二価金属イオン含有化合物を含有し、過収縮した毛髪を補強すると共に、半永久的に直毛に矯正することを特徴とする過収縮毛髪用毛髪改善剤である。
【0012】
第二の手段は第一の手段において二価金属イオンは亜鉛イオン(Zn2+)、マグネシウムイオン(Mg2+)、カルシウムイオン(Ca2+)、二価の鉄イオン(Fe2+)、二価の銅イオン(Cu2+)、バリウムイオン(Ba2+)、ニッケルイオン(Ni2+)ベリリウムイオン(Be2+)、二価のマンガンイオン(Mn2+)、ストロンチウムイオン(Sr2+)、スズイオン(Sn2+)、カドミウムイオン(Cd2+)、コバルトイオン(Co2+)のうちの少なくても一種であることを特徴とする毛髪改善剤である。
【0013】
第三の手段は第一又は第二の手段において二価金属イオン含有化合物の含有量は毛髪改善剤100重量%において0.001重量%乃至0.1重量%であることを特徴とする毛髪改善剤である。
【0014】
第四の手段はシリコーンと非イオン界面活性剤とを配合した組成物であって、二価金属イオンの塩化物、二価金属イオンの臭化物、二価金属イオンのヨウ化物、フッ化塩、二価金属イオンのアルコラートから選ばれる二価金属イオン含有化合物を含有する組成物を毛髪に塗布し、毛髪内部へ浸透させ、過収縮毛を直毛にすることを特徴とする毛髪改善方法である。
【0015】
第五の手段はシリコーンと非イオン界面活性剤とを配合した組成物であって、二価金属イオンの塩化物、二価金属イオンの臭化物、二価金属イオンのヨウ化物、フッ化塩、二価金属イオンのアルコラートから選ばれる二価金属イオン含有化合物を含有する組成物を毛髪に塗布し、毛髪内部へ浸透させ、過収縮毛を直毛化し、更にシリコーンと非イオン界面活性剤とを配合した組成物を毛髪に塗布し、毛髪内部へ浸透させ、直毛状態を持続させることを特徴とする毛髪改善方法である。
【0016】
第六の手段は第四又は第五の手段において二価金属イオンは亜鉛イオン(Zn2+)、マグネシウムイオン(Mg2+)、カルシウムイオン(Ca2+)、二価の鉄イオン(Fe2+)、二価の銅イオン(Cu2+)、バリウムイオン(Ba2+)、ニッケルイオン(Ni2+)、ベリリウムイオン(Be2+)、二価のマンガンイオン(Mn2+)、ストロンチウムイオン(Sr2+)、スズイオン(Sn2+)、カドミウムイオン(Cd2+)、コバルトイオン(Co2+)のうちの少なくても一種であることを特徴とする毛髪改善方法である。
【0017】
第七の手段は第四乃至第六の手段において二価金属イオン含有化合物の含有量は組成物100重量%において0.001重量%乃至0.1重量%であることを特徴とする毛髪改善方法である。
【0018】
上記のような第一乃至第七の手段によれば、二価金属イオンを含有した毛髪改善剤の毛髪内への浸透により、コルテックス繊維内に-S-M-S-(Mは二価金属)のような新たな架橋結合を形成させ、更にはコルテックスを構成するミクロフィブリルの周りに存在するマトリックスの代用として作用させ、頭髪を内部から補強し、毛髪改善剤で直毛化させた損傷毛を更に補強することによって、直毛状態を持続させることが可能となったので、毛髪を補強すると共に、過収縮毛を切ることなく、ヘアスタイルを変えることなく、過収縮毛を修復し、過収縮が起こる前の正常な頭髪の状態に改善することが可能であって、且つ改善された正常な状態を永続的に保つことが可能となった。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の毛髪改善剤は、シリコーンと非イオン界面活性剤と二価金属イオンとを含有するもので、その配合は使用される毛髪用化粧品の具体的形態等に応じて適宜選択しうるものであり、特に限定されないが、毛髪改善剤全体としてシリコーン0.1重量%〜20重量%及び非イオン界面活性剤0.1重量%〜20重量%であるものが好ましい。シリコーン0.1重量%以下、非イオン界面活性剤0.1重量%以下であると、毛髪補強、改善効果がなく、夫々に20重量%を超えても効果に変化なく、無駄となる。
【0020】
又、二価金属イオンを含有させるための二価金属イオン含有化合物の含有量は毛髪改善剤100重量%において0.001重量%〜0.1重量%であることが望ましい。更に二価金属イオン含有化合物の含有量は毛髪改善剤100重量%において0.008重量%〜0.03重量%とすることは推奨される。
【0021】
又、本発明毛髪改善剤にはケラチンを含有させることとしてもよい。この場合ケラチンの含有量は特に限定されないが、毛髪改善剤100重量%において5重量%〜10重量パーセントであることが望ましい。
【0022】
本発明毛髪改善剤には適宜その他の任意の成分、例えば香料、防腐剤、色素、安定化剤、pH調整剤、懸濁剤、増粘剤等を含有させることとしてもよいことは勿論である。
【0023】
本発明毛髪改善剤の製法の一例としてシリコーンと非イオン界面活性剤等を配合した組成物を下釜にて80℃〜85℃に加温し溶解させる。その溶解を確認した後、上釜にて80℃〜85℃に加温した純水を下釜に送入し、これを撹拌乳化する。その後撹拌しながら50℃まで冷却する。次いで、ケラチンを加え、更に二価金属塩を加えて撹拌均一化し、その後に釜出しし、製品を得る等その他常法に従って作ることが可能である。
【0024】
本発明に用いられるシリコーンは、親油性のものについては、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルポリシクロシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン(1)、高重合メチルポリシロキサン(1)及びデカメチルシクロペンタシロキサン、高重合メチルポリシロキサン(1)及びメチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン(1)及び軽質流動イソパラフィン、高重合メチルポリシロキサン(2)、ポリメチルシルセスキオキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸及びメチルポリシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸及びデカメチルシクロペンタシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、架橋型シリコーン末、架橋型シリコーン末+マイカ、シリコーン樹脂がある。
【0025】
水溶性のものについては、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン・メチル(ポリオキシプロピレン)共重合体、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体、デカメチルシクロペンタシロキサン溶液、オクタメチルシクロテトラシロキサン溶液がある。
【0026】
エマルジョン型のものについては、メチルポリシロキサンエマルジョン、メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン(1)、高重合メチルポリシロキサン(1)およびデカメチルシクロペンタシロキサン、高重合メチルポリシロキサン(1)およびメチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン(1)及び軽質流動イソパラフィン、アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体エマルジョンがある。
【0027】
又、界面活性剤については、非イオン系のものであって、その例についてはレシチン誘導体、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル(1)、ポリグリセリン脂肪酸エステル(2)、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンステロール・水素添加ステロール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(1)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(2)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアミン・脂肪酸アミド、アルキルアルカノールアミド、アルキロールマイド型がある。
【0028】
このうち、レシチン誘導体に属するものは、精製水素添加大豆リン脂質、精製水素添加卵黄リン脂質、水素添加酵素分解大豆リン脂質、水酸化大豆リン脂質、であり、プロピレングリコール脂肪酸エステルに属するものは、モノステアリン酸プロピレングリコールであり、グリセリン脂肪酸エステルに属するものは、モノミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノオイレン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセル、ジオイレン酸グリセリルであり、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルに属するものは、モノステアリン酸POEグリセリル、モノオイレン酸POEグリセリルである。
【0029】
ポリグリセリン脂肪酸エステル(1)に属するものは、モノステアリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、ジオレイン酸ジグリセリル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、モノステアリン酸テトラグリセリル、モノオレイン酸テトラグリセリル、トリステアリン酸テトラグリセリル、ペンタステアリン酸テトラグリセリル、ペンタオレイン酸テトラグリセリル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノミリスチン酸ヘキサグリセリル、モノステアリン酸ヘキサグリセリル、モノオレイン酸ヘキサグリセリル、トリステアリン酸ヘキサグリセリル、ペンタステアリン酸ヘキサグリセリル、ペンタオレイン酸ヘキサグリセリル、ポリリシノール酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デングリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノリノール酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、ジステアリン酸デカグリセリル、ジイソステアリン酸デカグリセリル、トリステアリン酸デカグリセリル、トリオレイン酸デカグリセリルである。
【0030】
ポリグリセリン脂肪酸エステル(2)に属するものは、ペンタステアリン酸デカグリセリル、ペンタオレイン酸デカグリセリル、ペンタイソステアリン酸デカグリセリル、ヘプタステアリン酸デカグリセリル、ヘプタオレイン酸デカグリセリル、デンスイアリン酸デカグリセリル、デンオレイン酸デカグリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリルであり、ソルビタン脂肪酸エステルに属するものは、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルチミン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタンである。
【0031】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルに属するものは、モノヤシ油脂肪酸POE(20)ソルビタン、モノパルミチン酸POE(20)ソルビタン、モノステアリン酸POE(20)ソルビタン、トリステアリン酸POE(20)ソルビタン、モノステアリン酸POE(6)ソルビタン、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン、トリオレイン酸POE(20)ソルビタン、モノオレイン酸POE(6)ソルビタン、モノイソステアリン酸POE(20)ソルビタンであり、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルに属するものは、モノラウリン酸POE(6)ソルビット、ヘキサステアリン酸POE(6)ソルビット、テトラステアリン酸POE(60)ソルビット、テトラオレイン酸POE(6)ソルビット、テトラオレイン酸POE(30)ソルビット、テトラオレイン酸POE(40)ソルビット、テトラオレイン酸POE(60)ソルビットであり、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物に属するものは、POEノニルフェニルホルムアルデヒド縮合物である。
【0032】
ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油に属するものは、POE(3)ヒマシ油、POE(10)ヒマシ油、POE(20)ヒマシ油、POE(40)ヒマシ油、POE(50)ヒマシ油、POE(60)ヒマシ油、POE(5)硬化ヒマシ油、POE(10)硬化ヒマシ油、POE(20)硬化ヒマシ油、POE(30)硬化ヒマシ油、POE(40)硬化ヒマシ油、POE(50)硬化ヒマシ油、POE(60)硬化ヒマシ油、POE(80)硬化ヒマシ油、POE(100)硬化ヒマシ油であり、ポリオキシエチレンステロール・水素添加ステロールに属するものは、POE(5)フィトステロール、POE(10)フィトステロール、POE(20)フィトステロール、POE(30)フィトステロール、POE(25)フィトスタノール、POE(30)コレスタノールである。
【0033】
ポリエチレングリコール脂肪酸エステルに属するものは、モノラウリン酸ポリエチレングリコール(10EO)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(1EO)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(2EO)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(4EO)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(10EO)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(25EO)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(40EO)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(45EO)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(55EO)、モノオレイン酸ポリエチレングリコール(2EO)、モノオレイン酸ポリエチレングリコール(6EO)、モノオレイン酸ポリエチレングリコール(10EO)、モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、ステアリン酸ジエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、ジイソステアリン酸ポリエチレングリコールである。
【0034】
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(1)に属するものは、POE(2)ラウリルエーテル、POE(4.2)ラウリルエーテル、POE(9)ラウリルエーテル、POE(21)ラウリルエーテル、POE(25)ラウリルエーテルであり、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(2)に属するものは、POE(2)セチルエーテル、POE(5.5)セチルエーテル、POE(7)セチルエーテル、POE(10)セチルエーテル、POE(15)セチルエーテル、POE(20)セチルエーテル、POE(23)セチルエーテル、POE(25)セチルエーテル、POE(30)セチルエーテル、POE(40)セチルエーテル、POE(2)ステアリルエーテル、POE(4)ステアリルエーテル、POE(20)ステアリルエーテル、POE(2)オレイルエーテル、POE(7)オレイルエーテル、POE(10)オレイルエーテル、POE(15)オレイルエーテル、POE(20)オレイルエーテル、POE(50)オレイルエーテル、POE(5)ベヘニルエーテル、POE(10)ベヘニルエーテル、POE(20)ベヘニルエーテル、POE(30)ベヘニルエーテル、POE(2)合成アルキルエーテル、POE(4)合成アルキルエーテル、POE(10)合成アルキルエーテル、POE(3)2級アルキルエーテル、POE(5)2級アルキルエーテル、POE(7)2級アルキルエーテル、POE(9)2級アルキルエーテル、POE(12)2級アルキルエーテルである。
【0035】
ポリオキシオエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルに属するものは、POE(1)POP(4)セチルエーテル、POE(10)POP(4)セチルエーテル、POE(20)POP(4)セチルエーテル、POE(1)POP(8)セチルエーテル、POE(20)POP(8)セチルエーテル、POE(12)POP(6)デシルテトラデシルエーテル、POE(20)POP(6)デシルテトラデシルエーテル、POE(30)POP(6)デシルテトラデシルエーテル、酢酸ポリオキシエチレン(3)ポリオキシプロピレン(1)セチルエーテル、酢酸ポリオキシエチレン(3)ポリオキシプロピレン(1)イソセチルエーテルである。
【0036】
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルに属するものは、POE(2)ノニフェニルエーテル、POE(5)ノニフェニルエーテル、POE(7.5)ノニフェニルエーテル、POE(10)ノニフェニルエーテル、POE(15)ノニフェニルエーテル、POE(18)ノニフェニルエーテル、POE(20)ノニフェニルエーテル、POE(3)オクチルフェニルエーテル、POE(10)オクチルフェニルエーテル、POE(30)オクチルフェニルエーテルであり、ポリオキシエチレンラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導体に属するものは、POEラノリン、POE(5)ラノリンアルコール、POE(10)ラノリンアルコール、POE(20)ラノリンアルコール、POE(40)ラノリンアルコール、POE(6)ソルビットミツロウ、POE(20)ソルビットミツロウである。
【0037】
ポリオキシエチレンアルキルアミン・脂肪酸アミドに属するものは、POE(5)ステアリルアミン、POE(10)ステアリルアミン、POE(15)ステアリルアミン、POE(5)オレイルアミン、POE(15)オレイルアミン、POE(8)ステアリルプロピレンジアミン、POE(4)ステアリン酸アミド、POE(15)ステアリン酸アミド、POE(5)オレイン酸アミドであり、アルキルアルカノールアミドに属するものは、アルキルアルカノールアミドであり、アルキロールアマイド型に属するものは、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド(1)、ラウリン酸ミリスチン酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミドである。
【0038】
本発明に用いられる二価金属イオンとしては、例えば亜鉛イオン(Zn2+)、マグネシウムイオン(Mg2+)、カルシウムイオン(Ca2+)、二価の鉄イオン(Fe2+)、二価の銅イオン(Cu2+)、バリウムイオン(Ba2+)、ニッケルイオン(Ni2+)、ベリリウムイオン(Be2+)、二価のマンガンイオン(Mn2+)、ストロンチウムイオン(Sr2+)、スズイオン(Sn2+)、カドミウムイオン(Cd2+)、コバルトイオン(Co2+)等がある。本発明の毛髪改善剤はこれらの二価金属イオンを一種類含ませるが、二種以上のこれらの二価金属イオンを含ませることとしてもよい。
【0039】
これらの二価金属イオンを本発明毛髪改善剤に含有させるために、例えば亜鉛イオン(Zn2+)、マグネシウムイオン(Mg2+)、カルシウムイオン(Ca2+)、二価の鉄イオン(Fe2+)、二価の銅イオン(Cu2+)、バリウムイオン(Ba2+)、ニッケルイオン(Ni2+)、ベリリウムイオン(Be2+)、二価のマンガンイオン(Mn2+)、ストロンチウムイオン(Sr2+)、スズイオン(Sn2+)、カドミウムイオン(Cd2+)、コバルトイオン(Co2+)等の二価金属イオンの塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化塩、硝酸塩、蟻酸塩、酢酸塩等のアルコラート等の二価金属イオン含有化合物等を組成物に添加する。
【0040】
【実施例】
以下、本発明毛髪改善剤の処方例及び製法の実施例について説明する。勿論本発明毛髪改善剤はこれら実施例の処方及び製法に限定されるものではない。尚、以下の実施例における単位は毛髪改善剤全体を100重量%とした場合における重量%である。
【0041】
〔実施例1〕
アモジメチコンエマルジョン 4重量%
ポリオキシエチレンオレイルエーテル 2重量%
ポリオキシエチレンセチルエーテル 1.5重量%
ケラチン 5重量%
パラベン 0.5重量%
塩化カルシウム 0.05重量%
純水 残部
【0042】
アモジメチコンエマルジョン、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、パラベンを下釜にて80℃に加温し、溶解を確認する。そこで上釜にて純水を80℃に加温し、下釜に送入し、これを乳化撹拌する。その後撹拌しながら50℃まで冷却する。次いでケラチンを加え、更に塩化カルシウムを加えて撹拌均一化し、その後に釜出し製品を得る。
【0043】
〔実施例2〕
アモジメチコンエマルジョン 5重量%
ポリオキシエチレンオレイルエーテル 3重量%
ポリオキシエチレンセチルエーテル 1.5重量%
パラベン 0.6重量%
ジンクピリチオン 0.0175重量%
純水 残部
【0044】
アモジメチコンエマルジョン、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、パラベンを下釜にて80℃に加温し、溶解を確認する。そこで上釜にて純水を80℃に加温し、下釜に送入し、これを乳化撹拌する。その後撹拌しながら50℃まで冷却する。次いでジンクピリチオンを加えて撹拌均一化し、その後に釜出し製品を得る。
【0045】
〔実施例3〕
ポリオキシエチレンシロキサン共重合体 5重量%
ポリオキシエチレンオレイルエーテル 3重量%
ポリオキシエチレンセチルエーテル 2重量%
パラベン 0.6重量%
塩化カルシウム 0.015重量%
純水 残部
【0046】
ポリオキシエチレンシロキサン共重合体、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、パラベンを下釜にて80℃に加温し、溶解を確認する。そこで上釜にて純水を80℃に加温し、下釜に送入し、これを撹拌乳化する。その後撹拌しながら50℃まで冷却する。次いで塩化カルシウムを加えて撹拌均一化し、その後に釜出し製品を得る。
【0047】
〔実施例4〕
ポリオキシエチレンシロキサン共重合体 4重量%
ポリオキシエチレンオレイルエーテル 5重量%
ケラチン 10重量%
パラベン 0.5重量%
ジンクピリチオン 0.1重量%
純水 残部
【0048】
ポリオキシエチレンシロキサン共重合体、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、パラベンを下釜にて80℃に加温し、溶解を確認する。そこで上釜にて純水を80℃に加温し、下釜に送入し、これを撹拌乳化する。その後撹拌しながら50℃まで冷却する。次いでケラチンを加え、更にジンクピリチオンを加えて撹拌均一化し、その後に釜出し製品を得る。
【0049】
〔実施例5〕
メチルポリシロキサン 4重量%
ポリオキシエチレンセチルエーテル 4.5重量%
パラベン 0.5重量%
ケラチン 5重量%
塩化カルシウム 0.001重量%
純水 残部
【0050】
メチルポリシロキサン、ポリオキシエチレンセチルエーテル、パラベンを下釜にて80℃に加温し、溶解を確認する。一方上釜にて純水を80℃に加温し、これを上記下釜に送入し、これを撹拌乳化する。その後撹拌しながら50℃まで冷却する。次いでケラチンを加え、更に塩化カルシウムを加えて全量調整し、撹拌均一化した後、釜出し、製品を得る。
【0051】
〔実施例6〕
メチルポリシロキサン 6重量%
モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン 0.9重量%
ポリオキシエチレンオレイルエーテル 2重量%
ポリオキシエチレンセチルエーテル 1重量%
パラベン 0.6重量%
ケラチン 5重量%
塩化マグネシウム 0.01重量%
純水 残部
【0052】
メチルポリシロキサン、モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、パラベンを下釜にて80℃に加温し、溶解を確認する。一方上釜にて純水を80℃に加温し、これを上記下釜に送入し、これを撹拌乳化する。その後撹拌しながら50℃まで冷却する。そこでケラチン、更に塩化マグネシウムを加えて全量調整し、撹拌均一化した後、釜出し、製品を得る。
【0053】
〔実施例7〕
メチルポリシロキサン 4重量%
モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン 1重量%
ポリオキシエチレンオレイルエーテル 1重量%
ポリオキシエチレンセチルエーテル 3重量%
パラベン 0.5重量%
塩化マグネシウム 0.03重量%
純水 残部
【0054】
メチルポリシロキサン、モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、パラベンを下釜にて80℃に加温し、溶解を確認する。一方上釜にて純水を80℃に加温し、これを上記下釜に送入し、これを撹拌乳化する。その後撹拌しながら50℃まで冷却する。そこで塩化マグネシウムを加えて全量調整し、撹拌均一化した後、釜出し、製品を得る。
【0055】
〔実施例8〕
高重合メチルポリシロキサン 4重量%
モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン 1.8重量%
ポリオキシエチレンオレイルエーテル 3重量%
パラベン 0.5重量%
塩化マグネシウム 0.0275重量%
純水 残部
【0056】
高重合メチルポリシロキサン、モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、パラベンを下釜にて80℃に加温し、溶解を確認する。そこで上釜にて純水を80℃に加温し、下釜に送入し、これを撹拌乳化する。その後撹拌しながら50℃まで冷却する。次いで塩化マグネシウムを加えて撹拌均一化し、その後に釜出し製品を得る。
【0057】
〔実施例9〕
高重合メチルポリシロキサン 4重量%
モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン 0.9重量%
ポリオキシエチレンオレイルエーテル 1.8重量%
ポリオキシエチレンセチルエーテル 1.5重量%
ケラチン 5重量%
パラベン 0.8重量%
塩化マグネシウム 0.008重量%
純水 残部
【0058】
高重合メチルポリシロキサン、モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、パラベンを下釜にて80℃に加温し、溶解を確認する。そこで上釜にて純水を80℃に加温し、下釜に送入し、これを撹拌乳化する。その後撹拌しながら50℃まで冷却する。次いでケラチンを加え、更に塩化マグネシウムを加えて撹拌均一化し、その後に釜出し製品を得る。
【0059】
〔実施例10〕
高重合メチルポリシロキサン 5重量%
モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン 1.8重量%
ポリオキシエチレンセチルエーテル 3重量%
パラベン 0.6重量%
塩化カルシウム 0.01重量%
純水 残部
【0060】
高重合メチルポリシロキサン、モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンセチルエーテル、パラベンを下釜にて80℃に加温し、溶解を確認する。そこで上釜にて純水を80℃に加温し、下釜に送入し、これを撹拌乳化する。その後撹拌しながら50℃まで冷却する。次いで塩化カルシウムを加えて撹拌均一化し、その後に釜出し製品を得る。
【0061】
次に、本発明の使用例及び作用について説明する。先ず、過収縮している頭髪を水でぬらして毛髪改善剤が浸透しやすくした後に、本発明毛髪改善剤を塗布し、櫛等を使用して毛髪改善剤がスムーズに頭髪内に吸収され、浸透するようにとかす。次に毛髪改善剤を頭髪の内部に定着させるために15分間自然放置する。該毛髪改善剤の毛髪内への浸透により、コルテックス繊維内に-S-M-S-(Mは二価金属)のような新たな架橋結合を形成させる。
【0062】
次に本願出願人が特願2001−334293において開示したシリコーンと非イオン界面活性剤とを配合した組成物、例えば上記実施例で示した組成物から二価金属イオン含有のために配合したものを除いた組成物、であって、コルテックスを構成するミクロフィブリルの周りのマトリックス代用と為すことを特徴とする毛髪補強剤を塗布して15間放置する。この毛髪補強剤の毛髪への浸透により、コルテックスを構成するミクロフィブリルの周りに存在するマトリックスの代用として作用させ、頭髪を内部から補強し、毛髪改善剤で直毛化させた損傷毛を更に補強することによって、直毛状態を持続させる。最後に頭髪を水で軽くすすぎ、乾燥させる。
【0063】
尚、過収縮した毛髪の損傷の程度により、本願発明の毛髪改善剤の塗布を1回ではなく適宜回数行ってもよい。その場合例えば、1回目の処置をして15分間放置した後に乾燥させる。その後2回目の再度同じ処置をするという処置例がある。この2回目の処置は1回目の処置と同日の適宜時間をおいて行ってもよく、1回目の処置の次ぎの日等適宜日数をおいて行ってもよい。又、毛髪改善剤を塗布して放置した後及び/又は毛髪補強剤を塗布して放置した後に毛髪を水で軽く濯ぐ処理を行うことは推奨される。又、毛髪補強剤の塗布を1回ではなく適宜回数行ってもよい。
【0064】
尚、本願毛髪改善剤の塗布後に毛髪への浸透のために放置する時間は特に限定されないが、毛髪改善剤の毛髪への充分な浸透のために10分以上とすることが望ましい。又、前記毛髪補強剤を用いずに本願発明の毛髪改善剤のみを適宜回数塗布することとしてもよいが、毛髪改善剤のみではなく、毛髪改善剤塗布後に毛髪補強剤の塗布を行うことは推奨される。又、毛髪改善剤の塗布前に毛髪を水で濡らさずにドライ状態で塗布することとしてもよい。
【0065】
尚、本発明毛髪改善剤は、単一の製剤として上述のように使用するが、これに限定されるものではなく、上記成分或いは更に他の適宜な成分を添加し、常法に従いヘアートリートメント、リンス、シャンプー、セットローション、コンディショナー、ヘアーダイ、ブリーチ、染毛剤、パーマネントウェーブに含有させることが出来る。又、本発明毛髪改善剤は、用途等に応じて前記成分を使用し、常法により調製して、適宜ゲル、エマルジョン、ローション等の形態を選択しうるものである。
【0066】
上記実施例1に示す処方により毛髪改善剤を調製し、過収縮した毛髪の処理実験を行った。その詳細を説明すると、人頭髪約200本で総ての長さが150mmのかもじ(以下テスト毛という)を作った。該テスト毛をアルカリとしてのアンモニアと還元剤を配合した薬剤に浸し、遠赤60℃で10分間加温をした。テスト毛はアルカリと還元剤の作用でオーバー反応し、S−S結合はズタズタになり、更に遠赤効果により熱変性を起こした。その後、電子レンジで7秒間加熱し、前記のように熱変性を起こして過度に損傷したテスト毛を過収縮させた。そして、テスト毛にプレーンリンス処理を行い、ハンドラで乾燥させた。過収縮したテスト毛は115mmないし125mmの長さになった。
【0067】
このようにして人工的に作った過収縮毛に本願発明毛髪改善剤を塗布して15分間放置した。15分経過後に軽く水で濯いで、前記毛髪補強剤を塗布して15分間放置した。15分後、軽く水で濯いでタオルで軽くふいてから自然乾燥させてその長さを測定した。
【0068】
その結果、テスト毛は総て150mmの長さであった。即ち過収縮を人工的に起こす前の長さに戻った。その後シャンプーとトリートメントをした後乾燥させる処理を15回繰り返したが、テスト毛の長さに変化はなく、150mmの長さを保った。
【0069】
又、他の実験として、人頭髪のかもじを作り、過酸化ナトリウム(Na2O2)で損傷させ、水洗いした後にシャンプーを2回して水洗いした。更にマイクロウェーブ(980W)で1分間照射した後に、120℃の温風で乾燥させて過収縮毛を作った。該過収縮毛の写真を図1に示す。該過収縮毛を4束に分け、1束は処理を施さない過収縮毛(びびり毛)のままの未処理毛とした。他の3束は夫々実施例2の処方であって、ジンクピリチオンを0.03重量%にしたもの、即ちZnイオン(Zn++)を含有する本発明毛髪改善剤、実施例6の処方であって、塩化マグネシウムを0.03重量%にしたもの、即ちMgイオン(Mg++)を含有する本発明毛髪改善剤、実施例1の処方であって、塩化カルシウムを0.03重量%にしたもの、即ちCaイオン(Ca++)を含有する本発明毛髪改善剤を適量塗布し、15分間自然放置した後に軽く濯いだ。尚、更に、夫々の束に夫々塗布した毛髪改善剤と同一の組成の毛髪改善剤を塗布し、15分間自然放置した後に軽く濯ぎ、80℃の温風で乾燥させてから強度測定を行った。測定は各束から10本づつ頭髪の直径が一定のもの(本実験では75μm±3)を測定に用い、その平均値を求め、未処理毛と比較した。
【0070】
結果を以下の表1に示す。尚、処理後の毛髪の写真を図2に示す。
【表1】
【0071】
亜鉛イオン含有毛髪改善剤を塗布したものは、未処理毛より強度が14%アップした。マグネシウムイオン含有毛髪改善剤を塗布したものは、未処理毛より強度が21.7%アップした。カルシウムイオン含有毛髪改善剤を塗布したものは、未処理毛より強度が21.5%アップした。
【0072】
又、図1の過収縮毛に比べて図2の処理後の毛髪は直毛となっていることがわかる。
【0073】
【発明の効果】
上記の如き本発明によれば、毛髪改善剤の毛髪内への浸透により、コルテックス繊維内に-S-M-S-(Mは二価金属)のような新たな架橋結合を形成させ、更にはコルテックスを構成するミクロフィブリルの周りに存在するマトリックスの代用として作用させ、頭髪を内部から補強し、毛髪改善剤で直毛化させた損傷毛を更に補強することによって、直毛状態を持続させことが可能となったので、過収縮毛を切ることなく、ヘアスタイルを変えることなく、過収縮毛を修復し、過収縮が起こる前の正常な頭髪の状態に改善することが可能であって、且つ改善された正常な状態を永続的に保つことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 過酸化ナトリウムで損傷させ、更にマイクロウェーブ(980W)で1分間照射して作った過収縮毛写真
【図2】 (a)亜鉛イオン含有本発明毛髪改善剤塗布後の毛髪写真
(b)マグネシウムイオン含有本発明毛髪改善剤塗布後の毛髪写真
(c)カルシウムイオン含有本発明毛髪改善剤塗布後の毛髪写真
Claims (5)
- シリコーンと非イオン界面活性剤とを配合した組成物であって、二価金属イオンの塩化物、二価金属イオンの臭化物、二価金属イオンのヨウ化物、フッ化塩、二価金属イオンのアルコラートから選ばれる二価金属イオン含有化合物を含有し、該二価金属イオンは亜鉛イオン(Zn2+)、マグネシウムイオン(Mg2+)、カルシウムイオン(Ca2+)のうちの少なくても一種であり、過収縮した毛髪を補強すると共に、半永久的に直毛に矯正することを特徴とする過収縮毛髪用毛髪改善剤。
- 前記二価金属イオン含有化合物の含有量は毛髪改善剤100重量%において0.001重量%乃至0.1重量%であることを特徴とする請求項1に記載の過収縮毛髪用毛髪改善剤。
- シリコーンと非イオン界面活性剤とを配合した組成物であって、二価金属イオンの塩化物、二価金属イオンの臭化物、二価金属イオンのヨウ化物、フッ化塩、二価金属イオンのアルコラートから選ばれる二価金属イオン含有化合物を含有し、該二価金属イオンは亜鉛イオン(Zn2+)、マグネシウムイオン(Mg2+)、カルシウムイオン(Ca2+)のうちの少なくても一種である組成物を毛髪に塗布し、毛髪内部へ浸透させ、過収縮毛を直毛にすることを特徴とする毛髪改善方法。
- シリコーンと非イオン界面活性剤とを配合した組成物であって、二価金属イオンの塩化物、二価金属イオンの臭化物、二価金属イオンのヨウ化物、フッ化塩、二価金属イオンのアルコラートから選ばれる二価金属イオン含有化合物を含有し、該二価金属イオンは亜鉛イオン(Zn2+)、マグネシウムイオン(Mg2+)、カルシウムイオン(Ca2+)のうちの少なくても一種である組成物を毛髪に塗布し、毛髪内部へ浸透させ、過収縮毛を直毛化し、更にシリコーンと非イオン界面活性剤とを配合した組成物を毛髪に塗布し、毛髪内部へ浸透させ、直毛状態を持続させることを特徴とする毛髪改善方法。
- 前記二価金属イオン含有化合物の含有量は組成物100重量%において0.001重量%乃至0.1重量%であることを特徴とする請求項3又は4に記載の毛髪改善方法。
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