JP3925903B2 - 永久磁石型発電機に接続したｐｗｍコンバータの制御回路 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、永久磁石型発電機に接続したＰＷＭコンバータにより、交流を直流に変換するシステムにおいて、永久磁石型発電機の電源角周波数や発電機電流の値に関わらず、常に永久磁石型発電機内での巻線抵抗損失を最小にして、永久磁石型発電機より高効率で電力を入力するＰＷＭコンバータの制御回路に関するものであり、特に、永久磁石型発電機の回路定数と、電源角周波数と、ＰＷＭコンバータの指令抵抗に基づき、ＰＷＭコンバータの指令インダクタンスを決定するようにした永久磁石型発電機に接続したPWMコンバータの制御回路に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
同期発電機より交流を直流に変換して、大きな電力を取り出すためのＰＷＭコンバータについては、特開平６−５４５４０号公報「ＰＷＭコンバータの制御方法」に記載されているように公知技術であるため、ここではその概要を説明する。
以下に、上記した従来の同期発電機のインダクタンス分をキャンセルするコンデンサーを直列接続する、という考え方に基づくＰＷＭコンバータについて詳述する。
このＰＷＭコンバータの制御は、発電機電流をＩ、同期発電機の電源角周波数をωとし、同期発電機の巻線抵抗ＲｓをＰＷＭコンバータの指令抵抗Ｒｃ＊として、及び同期発電機のインダクタンスＬｓをＰＷＭコンバータの指令インダクタンスＬｃ＊として用いると、出力相電圧指令Ｖｃ＊は次に示す（１）式のように求められる。
ここで、（１）式においてＬｃ*が関わる項では、同期発電機のインダクタンスＬｓ分を打ち消すという意味で、ｊ記号の前にマイナス符号が付いている。
このように求められる出力相電圧指令Ｖｃ＊に基づき、ＰＷＭ変換器によるパルス幅変調により最大電力が制御される。
さらに、ＰＷＭコンバータの指令抵抗Ｒｃ＊の値を、同期発電機の巻線抵抗Ｒｓより大きくすると、取り出す電力を減少させるように制御できる。
【０００３】
【数１】
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、直軸と横軸のインダクタンス値が異なる永久磁石型発電機において、永久磁石型発電機のインダクタンス分を打ち消して、永久磁石型発電機より最大出力を取り出す時、ＰＷＭコンバータの出力電圧指令を生成するために用いる指令インダクタンスＬｃ＊を与える方法が不明であるという問題があった。
本発明は、上述した点に鑑みて創案されたもので、その目的とするところは、永久磁石型発電機より最大出力を取り出すために、ＰＷＭコンバータの制御回路で用いる指令インダクタンスを求める手段を提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明では、Ｖｄ，Ｖｑをｄｑ軸での発電機端子電圧、ｉｄ，ｉｑをｄｑ軸での発電機電流、ωを永久磁石型発電機の電源角周波数、Ｒｃ，Ｃを永久磁石型発電機に直列に接続されるＰＷＭコンバータの動作抵抗及び動作コンデンサ−とすると、発電機端子電圧Ｖｄ，Ｖｑは、次に示す（２）式で表される。
【０００６】
【数２】
【０００７】
また、永久磁石型発電機においては、φを永久磁石による磁束、Ｒｓを発電機巻線抵抗、Ｌｄ、及びＬｑをそれぞれ永久磁石型発電機の直軸インダクタンス、及び横軸インダクタンスとすると、次に示す（３）式が成り立ち、永久磁石型発電機の出力Ｐoは（４）式で表される。
【０００８】
【数３】
【０００９】
（２）式より、Ｖｄ，Ｖｑを求めて（３）式に代入し、定常状態を想定してｐ＝0とするとｉｄ，ｉｑが求まり、このｉｄ，ｉｑを（４）式に代入すると発電機出力Ｐoは次に示す（５）式のように整理される。ここでＬｃ=1/（ω２Ｃ)である。
【００１０】
【数４】
【００１１】
（５）式をＬｃで偏微分し、分子＝０とすると、次に示す（６）式が求められる。
【００１２】
【数５】
【００１３】
この3次方程式の条件を満たすＬｃは、通常の方法では解けないために、以下では逐次代入法であるニュートン法を適用して、Ｌｃを求める。すなわち、（６）式の左辺をｆ(Ｌｃ)、その式のＬｃによる一回微分をｆ’(Ｌｃ)、Ｌｃの近似値をＬｃ（ｎ）とすると、新しい近似値Ｌｃ（ｎ＋１）は次に示す（７）式で求められる。
【００１４】
【数６】
【００１５】
Ｌｃの近似値Ｌｃ（ｎ）が与えられると、（７）式により、新しい近似値Ｌｃ（ｎ＋１）が求まる。この新しい近似値Ｌｃ（ｎ＋１）を、近似値Ｌｃ（ｎ）として（７）式に代入する反復計算を行う事により、（６）式を満たすＬｃの近似解Ｌｃｘが求まる。
従って、この近似解ＬｃｘをPWMコンバータの指令インダクタンスＬｃ＊とする事によって、（１）式に基づき出力相電圧指令Ｖｃ＊が求められる。
【００１６】
本発明は、このように、永久磁石型発電機の電源角周波数ω、永久磁石型発電機の直軸インダクタンスＬｄ、及び横軸インダクタンスＬｑ、発電機巻線抵抗Ｒｓ、PWMコンバータの必要入力電力より別に求められる指令抵抗Ｒｃ＊が決まると、永久磁石型発電機より最高効率で出力を取り出すためのＰＷＭコンバータの指令インダクタンスＬｃ＊が逐次代入法により求められる。
そして、このＰＷＭコンバータの指令インダクタンスＬｃ＊及び指令抵抗Ｒｃ*からPWMコンバータの出力相電圧指令Ｖｃ＊を求め、ＰＷＭ変換器の出力端子電圧をパルス幅変調によって制御するものである。
又、このＰＷＭコンバータの指令抵抗Ｒｃ*を発電機巻線抵抗Ｒｓと等しくすることにより、永久磁石型発電機から最大出力を取り出す事ができる。
さらに、ＰＷＭコンバータの指令抵抗Ｒｃ＊の値を、同期発電機の巻線抵抗Ｒｓより大きくすると、取り出す電力を減少させるように制御できる。
【００１７】
本発明は上記原理に基づき、前述の課題を解決するものであり、その目的を達成するための手段は、
１）、請求項１において、
永久磁石型発電機に接続したＰＷＭコンバータの制御回路において、
前記永久磁石型発電機の電源角周波数を検出する手段と、ＰＷＭコンバータの必要入力電力より別に求められる指令抵抗と、前記永久磁石型発電機の電源角周波数と、前記永久磁石型発電機の巻線抵抗と、前記永久磁石型発電機のｄ，ｑ軸インダクタンスとから求まる指令インダクタンスの3次方程式よりＰＷＭコンバータの指令インダクタンスを求める手段と、前記指令抵抗と前記指令インダクタンスと前記永久磁石型発電機の電源角周波数とにより永久磁石型発電機に接続したＰＷＭコンバータの出力相電圧指令を出力する手段により構成するものである。
【００１８】
２）、請求項２において
前記ＰＷＭコンバータの指令インダクタンスを逐次代入法により求める手段を具備するものである。
【００１９】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の永久磁石型発電機に接続したＰＷＭコンバータの制御回路を示すブロック図である。
同図において、１は電源角周波数検出回路、２は指令インダクタンス演算回路、３は出力相電圧指令演算回路を表す。
以下、図1について説明する。
電源角周波数検出回路１は発電機電流Ｉを入力して、永久磁石型発電機の電源角周波数ωを検出し、指令インダクタンス演算回路２及び出力相電圧演算回路３に出力する。
ここで、電源角周波数ωは、例えば、発電機電流Ｉの零クロスにより求められるが、他の方法として、発電機電流Ｉのサンプリング毎の変化分によっても求められる。
【００２０】
指令インダクタンス演算回路２は、予め入力されている発電機巻線抵抗Ｒｓ、及び永久磁石型発電機の直軸インダクタンスＬｄ及び横軸インダクタンスＬｑの各値と、電源角周波数検出回路１より入力される電源角周波数ω、及びＰＷＭコンバータの必要入力電力から別に求められるＰＷＭコンバータの指令抵抗Ｒｃ*とを入力し、ＰＷＭコンバータ制御回路の演算周期毎に、（７）式に基づいた逐次代入法によりＰＷＭコンバータの指令インダクタンスＬｃ＊を演算し、出力相電圧演算回路３に出力する。
ここで、逐次代入法における近似解Ｌｃｘを求めるための繰り返し演算回数が問題となるが、初期の近似値Ｌｃ（ｎ）として（Ｌｄ+Ｌｑ）/２を用いれば、収束が速いので、演算回数を少なく設定できる。又、前回演算周期でのＰＷＭコンバータの指令インダクタンスＬｃ＊を、今回演算周期でのＬｃの近似値Ｌｃ（ｎ）として演算すれば、少ない繰り返し演算回数でも、十分な精度で演算を行う事が出来る。
【００２１】
出力相電圧演算回路３は、ＰＷＭコンバータの指令インダクタンスＬｃ＊と、ＰＷＭコンバータの指令抵抗Ｒｃ*と、電源角周波数ωを入力して、（１）式に基づき出力相電圧指令Ｖｃ＊を演算し、図示しないゲート回路に出力する。
ＰＷＭ変換器は、出力相電圧指令Ｖｃ＊に基づいて、ゲート回路より出力されるスイッチング信号により出力電圧を制御する。
又、別に求められるＰＷＭ変換装置の指令抵抗Ｒｃ*とは、例えば、ＰＷＭ変換装置の直流電圧一定制御であれば、直流電圧指令と実直流電圧との偏差より、直流電圧が一定となるように制御された値である。
（１）式に基づいて出力相電圧指令Ｖｃ＊を演算する方法は、例えば3相のＰＷＭ変換器であれば、3相ベクトル関係を利用して次に示す（８）式のように実現できる。
【００２２】
【００２３】
従って、（７）式により求めるＰＷＭコンバータの指令インダクタンスＬｃ＊は、永久磁石型発電機のｄ軸インダクタンスＬｄと、ｑ軸インダクタンスＬｑの差がどのようであっても、常に永久磁石型発電機の最大出力制御を行う事ができる。
【００２４】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、永久磁石型発電機のインダクタンス分を打ち消して、永久磁石型発電機より最大出力を取り出すためのＰＷＭコンバータの出力電圧指令を生成する制御回路を提案した。
この手段によれば、発電機巻線抵抗Ｒｓ、永久磁石型発電機の直軸インダクタンス及び横軸インダクタンスＬｄ，及びＬｑ電源角周波数ω、及びＰＷＭコンバータの必要入力電力から別に求められるＰＷＭコンバータの指令抵抗Ｒｃ*とから、（７）式に基づいた逐次代入法によりＰＷＭコンバータの指令インダクタンスＬｃ＊を求めた。
ＰＷＭコンバータの出力相電圧指令Ｖｃ＊は、このＰＷＭコンバータの指令インダクタンスＬｃ＊とＰＷＭコンバータの出力を制御する指令抵抗Ｒｃ*より求めるために、常に永久磁石型発電機から高効率で出力を取り出す事ができる。
又、永久磁石型発電機より最大出力を取り出したい時は、ＰＷＭコンバータの指令抵抗Ｒｃ*を発電機巻線抵抗Ｒｓと等しくする時に可能であり、実用上、極めて有用性の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の永久磁石型発電機に接続したPWMコンバータの制御回路を示すブロック図である。
【符号の説明】
１ 電源角周波数検出回路
２ インダクタンス指令演算回路
３ 出力相電圧指令演算回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、永久磁石型発電機に接続したＰＷＭコンバータにより、交流を直流に変換するシステムにおいて、永久磁石型発電機の電源角周波数や発電機電流の値に関わらず、常に永久磁石型発電機内での巻線抵抗損失を最小にして、永久磁石型発電機より高効率で電力を入力するＰＷＭコンバータの制御回路に関するものであり、特に、永久磁石型発電機の回路定数と、電源角周波数と、ＰＷＭコンバータの指令抵抗に基づき、ＰＷＭコンバータの指令インダクタンスを決定するようにした永久磁石型発電機に接続したPWMコンバータの制御回路に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
同期発電機より交流を直流に変換して、大きな電力を取り出すためのＰＷＭコンバータについては、特開平６−５４５４０号公報「ＰＷＭコンバータの制御方法」に記載されているように公知技術であるため、ここではその概要を説明する。
以下に、上記した従来の同期発電機のインダクタンス分をキャンセルするコンデンサーを直列接続する、という考え方に基づくＰＷＭコンバータについて詳述する。
このＰＷＭコンバータの制御は、発電機電流をＩ、同期発電機の電源角周波数をωとし、同期発電機の巻線抵抗ＲｓをＰＷＭコンバータの指令抵抗Ｒｃ＊として、及び同期発電機のインダクタンスＬｓをＰＷＭコンバータの指令インダクタンスＬｃ＊として用いると、出力相電圧指令Ｖｃ＊は次に示す（１）式のように求められる。
ここで、（１）式においてＬｃ*が関わる項では、同期発電機のインダクタンスＬｓ分を打ち消すという意味で、ｊ記号の前にマイナス符号が付いている。
このように求められる出力相電圧指令Ｖｃ＊に基づき、ＰＷＭ変換器によるパルス幅変調により最大電力が制御される。
さらに、ＰＷＭコンバータの指令抵抗Ｒｃ＊の値を、同期発電機の巻線抵抗Ｒｓより大きくすると、取り出す電力を減少させるように制御できる。
【０００３】
【数１】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、直軸と横軸のインダクタンス値が異なる永久磁石型発電機において、永久磁石型発電機のインダクタンス分を打ち消して、永久磁石型発電機より最大出力を取り出す時、ＰＷＭコンバータの出力電圧指令を生成するために用いる指令インダクタンスＬｃ＊を与える方法が不明であるという問題があった。
本発明は、上述した点に鑑みて創案されたもので、その目的とするところは、永久磁石型発電機より最大出力を取り出すために、ＰＷＭコンバータの制御回路で用いる指令インダクタンスを求める手段を提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明では、Ｖｄ，Ｖｑをｄｑ軸での発電機端子電圧、ｉｄ，ｉｑをｄｑ軸での発電機電流、ωを永久磁石型発電機の電源角周波数、Ｒｃ，Ｃを永久磁石型発電機に直列に接続されるＰＷＭコンバータの動作抵抗及び動作コンデンサ−とすると、発電機端子電圧Ｖｄ，Ｖｑは、次に示す（２）式で表される。
【０００６】
【数２】
また、永久磁石型発電機においては、φを永久磁石による磁束、Ｒｓを発電機巻線抵抗、Ｌｄ、及びＬｑをそれぞれ永久磁石型発電機の直軸インダクタンス、及び横軸インダクタンスとすると、次に示す（３）式が成り立ち、永久磁石型発電機の出力Ｐoは（４）式で表される。
【０００８】
【数３】
（２）式より、Ｖｄ，Ｖｑを求めて（３）式に代入し、定常状態を想定してｐ＝0とするとｉｄ，ｉｑが求まり、このｉｄ，ｉｑを（４）式に代入すると発電機出力Ｐoは次に示す（５）式のように整理される。ここでＬｃ=1/（ω２Ｃ)である。
【００１０】
【数４】
（５）式をＬｃで偏微分し、分子＝０とすると、次に示す（６）式が求められる。
【００１２】
【数５】
この3次方程式の条件を満たすＬｃは、通常の方法では解けないために、以下では逐次代入法であるニュートン法を適用して、Ｌｃを求める。すなわち、（６）式の左辺をｆ(Ｌｃ)、その式のＬｃによる一回微分をｆ’(Ｌｃ)、Ｌｃの近似値をＬｃ（ｎ）とすると、新しい近似値Ｌｃ（ｎ＋１）は次に示す（７）式で求められる。
【００１４】
【数６】
Ｌｃの近似値Ｌｃ（ｎ）が与えられると、（７）式により、新しい近似値Ｌｃ（ｎ＋１）が求まる。この新しい近似値Ｌｃ（ｎ＋１）を、近似値Ｌｃ（ｎ）として（７）式に代入する反復計算を行う事により、（６）式を満たすＬｃの近似解Ｌｃｘが求まる。
従って、この近似解ＬｃｘをPWMコンバータの指令インダクタンスＬｃ＊とする事によって、（１）式に基づき出力相電圧指令Ｖｃ＊が求められる。
【００１６】
本発明は、このように、永久磁石型発電機の電源角周波数ω、永久磁石型発電機の直軸インダクタンスＬｄ、及び横軸インダクタンスＬｑ、発電機巻線抵抗Ｒｓ、PWMコンバータの必要入力電力より別に求められる指令抵抗Ｒｃ＊が決まると、永久磁石型発電機より最高効率で出力を取り出すためのＰＷＭコンバータの指令インダクタンスＬｃ＊が逐次代入法により求められる。
そして、このＰＷＭコンバータの指令インダクタンスＬｃ＊及び指令抵抗Ｒｃ*からPWMコンバータの出力相電圧指令Ｖｃ＊を求め、ＰＷＭ変換器の出力端子電圧をパルス幅変調によって制御するものである。
又、このＰＷＭコンバータの指令抵抗Ｒｃ*を発電機巻線抵抗Ｒｓと等しくすることにより、永久磁石型発電機から最大出力を取り出す事ができる。
さらに、ＰＷＭコンバータの指令抵抗Ｒｃ＊の値を、同期発電機の巻線抵抗Ｒｓより大きくすると、取り出す電力を減少させるように制御できる。
【００１７】
本発明は上記原理に基づき、前述の課題を解決するものであり、その目的を達成するための手段は、
１）、請求項１において、
永久磁石型発電機に接続したＰＷＭコンバータの制御回路において、
前記永久磁石型発電機の電源角周波数を検出する手段と、ＰＷＭコンバータの必要入力電力より別に求められる指令抵抗と、前記永久磁石型発電機の電源角周波数と、前記永久磁石型発電機の巻線抵抗と、前記永久磁石型発電機のｄ，ｑ軸インダクタンスとから求まる指令インダクタンスの3次方程式よりＰＷＭコンバータの指令インダクタンスを求める手段と、前記指令抵抗と前記指令インダクタンスと前記永久磁石型発電機の電源角周波数とにより永久磁石型発電機に接続したＰＷＭコンバータの出力相電圧指令を出力する手段により構成するものである。
【００１８】
２）、請求項２において
前記ＰＷＭコンバータの指令インダクタンスを逐次代入法により求める手段を具備するものである。
【００１９】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の永久磁石型発電機に接続したＰＷＭコンバータの制御回路を示すブロック図である。
同図において、１は電源角周波数検出回路、２は指令インダクタンス演算回路、３は出力相電圧指令演算回路を表す。
以下、図1について説明する。
電源角周波数検出回路１は発電機電流Ｉを入力して、永久磁石型発電機の電源角周波数ωを検出し、指令インダクタンス演算回路２及び出力相電圧演算回路３に出力する。
ここで、電源角周波数ωは、例えば、発電機電流Ｉの零クロスにより求められるが、他の方法として、発電機電流Ｉのサンプリング毎の変化分によっても求められる。
【００２０】
指令インダクタンス演算回路２は、予め入力されている発電機巻線抵抗Ｒｓ、及び永久磁石型発電機の直軸インダクタンスＬｄ及び横軸インダクタンスＬｑの各値と、電源角周波数検出回路１より入力される電源角周波数ω、及びＰＷＭコンバータの必要入力電力から別に求められるＰＷＭコンバータの指令抵抗Ｒｃ*とを入力し、ＰＷＭコンバータ制御回路の演算周期毎に、（７）式に基づいた逐次代入法によりＰＷＭコンバータの指令インダクタンスＬｃ＊を演算し、出力相電圧演算回路３に出力する。
ここで、逐次代入法における近似解Ｌｃｘを求めるための繰り返し演算回数が問題となるが、初期の近似値Ｌｃ（ｎ）として（Ｌｄ+Ｌｑ）/２を用いれば、収束が速いので、演算回数を少なく設定できる。又、前回演算周期でのＰＷＭコンバータの指令インダクタンスＬｃ＊を、今回演算周期でのＬｃの近似値Ｌｃ（ｎ）として演算すれば、少ない繰り返し演算回数でも、十分な精度で演算を行う事が出来る。
【００２１】
出力相電圧演算回路３は、ＰＷＭコンバータの指令インダクタンスＬｃ＊と、ＰＷＭコンバータの指令抵抗Ｒｃ*と、電源角周波数ωを入力して、（１）式に基づき出力相電圧指令Ｖｃ＊を演算し、図示しないゲート回路に出力する。
ＰＷＭ変換器は、出力相電圧指令Ｖｃ＊に基づいて、ゲート回路より出力されるスイッチング信号により出力電圧を制御する。
又、別に求められるＰＷＭ変換装置の指令抵抗Ｒｃ*とは、例えば、ＰＷＭ変換装置の直流電圧一定制御であれば、直流電圧指令と実直流電圧との偏差より、直流電圧が一定となるように制御された値である。
（１）式に基づいて出力相電圧指令Ｖｃ＊を演算する方法は、例えば3相のＰＷＭ変換器であれば、3相ベクトル関係を利用して次に示す（８）式のように実現できる。
【００２２】
従って、（７）式により求めるＰＷＭコンバータの指令インダクタンスＬｃ＊は、永久磁石型発電機のｄ軸インダクタンスＬｄと、ｑ軸インダクタンスＬｑの差がどのようであっても、常に永久磁石型発電機の最大出力制御を行う事ができる。
【００２４】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、永久磁石型発電機のインダクタンス分を打ち消して、永久磁石型発電機より最大出力を取り出すためのＰＷＭコンバータの出力電圧指令を生成する制御回路を提案した。
この手段によれば、発電機巻線抵抗Ｒｓ、永久磁石型発電機の直軸インダクタンス及び横軸インダクタンスＬｄ，及びＬｑ電源角周波数ω、及びＰＷＭコンバータの必要入力電力から別に求められるＰＷＭコンバータの指令抵抗Ｒｃ*とから、（７）式に基づいた逐次代入法によりＰＷＭコンバータの指令インダクタンスＬｃ＊を求めた。
ＰＷＭコンバータの出力相電圧指令Ｖｃ＊は、このＰＷＭコンバータの指令インダクタンスＬｃ＊とＰＷＭコンバータの出力を制御する指令抵抗Ｒｃ*より求めるために、常に永久磁石型発電機から高効率で出力を取り出す事ができる。
又、永久磁石型発電機より最大出力を取り出したい時は、ＰＷＭコンバータの指令抵抗Ｒｃ*を発電機巻線抵抗Ｒｓと等しくする時に可能であり、実用上、極めて有用性の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の永久磁石型発電機に接続したPWMコンバータの制御回路を示すブロック図である。
【符号の説明】
１ 電源角周波数検出回路
２ インダクタンス指令演算回路
３ 出力相電圧指令演算回路
Claims (2)
- 永久磁石型発電機に接続したＰＷＭコンバータの制御回路において、前記永久磁石型発電機の電源角周波数ωを検出する手段と、ＰＷＭコンバータの必要入力電力より別に求められる指令抵抗Ｒｃと、前記永久磁石型発電機の電源角周波数ωと、前記永久磁石型発電機の巻線抵抗Ｒｓと、前記永久磁石型発電機のｄ、ｑ軸インダクタンスＬｄ、Ｌｑとから求まる指令インダクタンスＬｃの3次方程式
- 前記ＰＷＭコンバータの指令インダクタンスを逐次代入法により求める手段を具備した請求項１記載の永久磁石型発電機に接続したＰＷＭコンバータの制御回路。
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| JP4269941B2 (ja) | 2004-01-08 | 2009-05-27 | 株式会社日立製作所 | 風力発電装置およびその制御方法 |
| JP2007236192A (ja) * | 2007-04-06 | 2007-09-13 | Hitachi Ltd | 風力発電装置およびその制御方法 |
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