JP3925691B2 - 先頭波位置検出装置、先頭波受信装置、先頭波位置検出方法および先頭波位置検出プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は先頭波位置検出装置、先頭波受信装置、先頭波位置検出方法および先頭波位置検出プログラムに関し、特に、遅延プロファイルにおける先頭波の位置を検出する場合に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、受信された電波の遅延プロファイルから、時間的に先頭に位置する素波(以下、先頭波と称す。)の時間的な位置(以下、先頭波位置と称す。)を検出することにより、送受信点間の距離を求め、移動電話などの受信点の現在位置を推定することが行われている。
【0003】
ここで、送信側から送信された電波は、様々の障害物に当って反射や回折を繰返しながら、受信側に届くため、遅延プロファイルは、複数の素波(パス)の集まりとなる。
この遅延プロファイルを測定する方法として、例えば、信号送信側において、自己相関特性の強い拡散符号(例えば、PN(pseudo noise)符号)を送信信号に重畳して送信し、信号受信側では、重畳された拡散符号を用いて、受信信号を逆拡散する方法がある。
【0004】
図13は、拡散符号が重畳された受信信号の一例を、CDMA(code division multiple access)方式を例にとって示す図である。
図13において、送信側で拡散符号がシンボルに重畳され、受信側は、受信点までの到達時間だけ遅れて、拡散符号が重畳された受信信号を受信する。
【0005】
ここで、拡散符号は、通常、送信信号の1シンボル毎に同一とされるため、遅延プロファイルは、1シンボル毎に観測される。なお、1シンボル毎の観測長を、一般にウィンドウ幅と呼び、拡散符号の伝送速度をチップレート、隣り合うチップの時間間隔をチップ周期(=チップレートの逆数)と呼ぶ。
このため、時間的に多重された素波を信号受信点で分解できる能力(時間分解能)は、基本的に、拡散符号のチップ周期が限界となる。例えば、チップレートが3.84[Mbit/s]の場合、時間的に260[ns](=チップ周期)以上離れた素波しか分離できない。
【0006】
すなわち、遅延プロファイルにおいて、最初にピークを形成するサンプル値の時間位置の前後260[ns]以内に、何らかの素波が存在していたとしても、それらの素波を分離することができない。
これは、先頭波位置の検出精度で考えると、送受信点間距離の測定精度が、最悪で80[m]となることを意味する。
【0007】
従って、より近接した素波を分離し、送受信点間距離の測定精度を高度化するためには、チップレートを上げる必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、素波の時間分解能を上げるために、チップレートを上げると、ハード規模の増大や、使用帯域幅の増大を招くという問題があった。
そこで、本発明の目的は、チップレートを上げることなく、先頭波位置の検出精度を向上させることが可能な先頭波位置検出装置、先頭波受信装置、先頭波位置検出方法および先頭波位置検出プログラムを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1記載の先頭波位置検出装置によれば、遅延プロファイルのサンプル値が最初にピークとなる位置に基づいて、前記遅延プロファイルにおける先頭波位置の候補を算出する先頭波候補位置算出手段と、前記先頭波位置の候補のうち時間的に最も早い先頭波位置を、前記遅延プロファイルにおける先頭波位置として選択する先頭波位置選択手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
ここで、遅延プロファイルに含まれる素波は、フェージングなどの外乱の影響をそれぞれ独立に受けるため、遅延プロファイルのサンプル値が最初にピークとなる位置は変動し、遅延プロファイルのサンプル値が最初にピークとなる位置を何回か算出する中で、先頭波が最初にピークとなる位置を捉えることができる。これにより、素波同士が近接しているために、チップ周期内に複数の素波が存在する場合においても、これらの素波を分離することなく、遅延プロファイルにおける先頭波位置を検出することができる。
【0012】
このため、チップレートを上げることなく、先頭波位置の検出精度を向上させることが可能となり、ハード規模の増大や、使用帯域幅の増大を招くことなく、送受信点間距離の測定精度を向上させることができる。
また、請求項2記載の先頭波位置検出装置によれば、前記遅延プロファイルの各サンプル値について、予め定められた期間について時間平均を行う平均化手段をさらに備えることを特徴とする。
【0013】
これにより、受信機雑音の影響を低減することができ、先頭波位置の検出精度を向上させることが可能となる。
また、請求項3記載の先頭波位置検出装置によれば、前記遅延プロファイル測定の対象となる信号の受信レベルを測定する受信レベル測定手段をさらに備え、前記平均化手段は、前記受信レベルに基づいて、前記遅延プロファイルの各サンプル値を時間平均する期間を設定することを特徴とする。
【0014】
これにより、受信信号から雑音を除去するために、各サンプル値の時間平均を行なった場合においても、真の素波の変動に起因する観測可能な合成波の形状変化自身が消失することを防止しつつ、受信機雑音を低減することが可能となり、様々の受信状態に対応しつつ、先頭波位置の検出精度を向上させることが可能となる。
【0015】
また、請求項4記載の先頭波位置検出装置によれば、前記遅延プロファイル測定の対象となる信号の受信レベルの変動周期を測定する変動周期測定手段をさらに備え、前記平均化手段は、前記受信レベルの変動周期に基づいて、前記遅延プロファイルの各サンプル値を時間平均する期間を設定し、前記先頭波候補位置算出手段は、前記受信レベルの変動周期に基づいて、前記先頭波位置の候補の決定処理を実行する回数を設定することを特徴とする。
【0016】
これにより、真の素波が合成された観測可能な合成波の変動周期について、おおよその期間を把握することが可能になり、時間平均期間および先頭波位置の候補の検出処理を実行する回数を的確に設定することが可能になる。
また、請求項5記載の先頭波受信装置によれば、送信信号に拡散符号が重畳された電波を受信するアンテナと、前記拡散符号が重畳された送信信号を逆拡散することにより、パスを分離するパス分離手段と、前記分離された各パスの受信電力値を所定のサンプリング間隔で行なうことにより、遅延プロファイルを測定する遅延プロファイル測定手段と、前記遅延プロファイルの各サンプル値について、予め定められた期間について時間平均を行う平均化手段と、前記時間平均されたサンプル値が最初にピークとなる位置に基づいて、前記遅延プロファイルにおける先頭波位置の候補を算出する先頭波候補位置算出手段と、前記先頭波位置の候補のうち時間的に最も早い先頭波位置を、前記遅延プロファイルにおける先頭波位置として選択する先頭波位置選択手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
これにより、予め定められた時間間隔ごとに相関値を連続的に検出するだけで、時間的に多重化された素波を分離することが可能となるとともに、チップ周期内に複数の素波が存在する場合においても、遅延プロファイルにおける先頭波位置を検出することが可能となり、チップレートを上げることなく、先頭波位置の検出精度を向上させることができる。
【0018】
また、請求項6記載の先頭波位置検出方法によれば、信号受信側で測定した遅延プロファイルにおける先頭波位置を検出する先頭波位置検出方法において、遅延時間上でサンプリングされた遅延プロファイルの各サンプル値について、予め定められた期間について時間平均を行うステップと、前記時間平均後のサンプル値が最初にピークとなる位置を、前記遅延プロファイルにおける暫定的な先頭波位置とするステップと、前記暫定的な先頭波位置の決定処理を、予め定められた回数だけ実行するステップと、前記暫定的な先頭波位置の中から、時間的最も早い先頭波位置を選択するステップと、前記選択された先頭波位置を、前記遅延プロファイルにおける先頭波位置に決定するステップとを備えることを特徴とする
【0019】
これにより、素波同士が近接しているために、チップ周期内に複数の素波が存在する場合においても、遅延プロファイルにおける先頭波位置を検出することが可能となり、チップレートを上げることなく、先頭波位置の検出精度を向上させることが可能となる。
また、請求項7記載の先頭波位置検出方法によれば、前記遅延プロファイル測定の対象となる信号の受信レベルを測定するステップと、前記受信レベルに基づいて、前記遅延プロファイルの各サンプル値を時間平均する期間を設定するステップをさらに備えることを特徴とする。
【0020】
これにより、受信信号の各サンプル値を時間的に平均する期間を、受信信号に対する受信機雑音の影響を抑圧することができる範囲で、できる限り短くすることが可能となり、受信信号のレベルに応じて、サンプル値を時間的に平均する期間を延ばしたり、短くしたりすることができる。
また、請求項8記載の先頭波位置検出方法によれば、前記遅延プロファイル測定の対象となる信号の受信レベルの変動周期を測定するステップと、前記受信レベルの変動周期に基づいて、前記遅延プロファイルの各サンプル値を時間平均する期間を設定するステップと、前記受信レベルの変動周期に基づいて、前記先頭波位置の候補の決定処理を実行する回数を設定するステップとをさらに備えることを特徴とする。
【0021】
これにより、真の素波が合成された観測可能な合成波の変動周期について、おおよその期間を把握することが可能になり、時間平均期間および先頭波位置の候補の検出処理を実行する回数を的確に設定することが可能になる。
また、請求項9記載の先頭波位置検出プログラムによれば、遅延プロファイルのサンプル値が最初にピークとなる位置に基づいて、前記遅延プロファイルにおける先頭波位置の候補を算出するステップと、前記先頭波位置の候補のうち時間的に最も早い先頭波位置を、前記遅延プロファイルにおける先頭波位置として選択するステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0022】
これにより、先頭波位置検出プログラムを受信機にインストールして、そのプログラムを実行するだけで、遅延プロファイルにおける先頭波位置を検出することが可能となり、ハードウェアの増大を抑制しつつ、自分の現在位置を把握することが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る先頭波位置検出装置について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る先頭波受信装置の概略構成を示すブロック図である。
【0024】
図1において、先頭波受信装置には、アンテナ1、逆拡散符号発生部2、8、乗算部3、9、遅延プロファイル測定部4、先頭波位置検出装置5、パス選択部6、検出タイミング設定部7およびRAKE合成部10が設けられ、先頭波位置検出装置5には、平均化部11、雑音レベル検出部12、除去部13、先頭波候補位置算出部14および先頭波位置選択部15が設けられている。
【0025】
なお、先頭波位置検出装置は、ASICなどのハードウェアとして実現してもよいし、DSP(Digital Signal Processor)などによりソフトウェアとして実現してもよいし、Java(登録商標)アプレットなどのプログラムを受信機のコンピュータにインストールして実現するようにしてもよい。
【0026】
アンテナ1を介して受信された信号は、乗算部3において、逆拡散符号発生部2により発生された逆拡散符号と乗算され、逆拡散され、パスが分離される。遅延プロファイル測定部4は、分離された各パスの受信電力値を測定し、遅延プロファイルを測定する。ここで、遅延プロファイルの測定は、サンプリングにより行うことができる。
【0027】
図2(a)は、本発明の一実施形態に係る先頭波受信装置における遅延プロファイルの発生過程を示す図である。
図2(a)において、信号送信点21から送信された電波は、反射/遮蔽物22、23で反射や回折を繰り返し、反射/遮蔽物22、23の影響により形成される複数の経路に沿って、信号受信点24に送達する。
【0028】
ここで、これらの経路毎に到達する電波は、信号受信点24までの到達時間が異なるため、遅延プロファイルと呼ばれる一群の受信信号を形成し、遅延プロファイルの▲1▼、▲2▼、及び▲3▼は、素波(パス)と呼ばれる。
図2(b)は、本発明の一実施形態に係る各パスの受信電力を示す図である。ここで、横軸は信号受信点24に到来する電波の伝搬遅延時間(以下、遅延時間)であり、縦軸は各パス▲1▼、▲2▼、▲3▼の受信電力である。
【0029】
図2(b)において、パス▲1▼が先頭波となるが、最初に到来したパス▲1▼の受信電力が最も大きいとは限らない。
ここで、測定した遅延プロファイルにおいて、先頭波位置を検出することができれば、信号送信点21と信号受信点24との間の距離を求めることができる。さらに、信号送信点21の地理的な位置が既知であるとすると、先頭波位置を測定結果から、信号受信点24に位置を推定することが可能となる。
【0030】
図3は、本発明の一実施形態に係る先頭波受信装置における遅延プロファイルの測定方法を示す図である。
図3において、例えば、信号送信点21において、自己相関特性の強い拡散符号(例えば、PN符号)を送信信号に重畳して送信すると、信号受信点24には、各素波▲1▼、▲2▼、▲3▼が合成された電波が届く。
【0031】
そして、信号受信点24において、重畳された拡散符号を用いて、受信信号を逆拡散することで遅延プロファイルを測定することができる。
ここで、自己相関特性の強い拡散符号で逆拡散することは、相関値を検出することに対応し、予め定められた時間間隔毎に連続的に相関値を検出する(スライディング相関)ことにより、時間的に多重された素波▲1▼、▲2▼、▲3▼を分離することが可能となる。
【0032】
具体的には、時系列的に観測されるサンプル値(例えば、受信電力値)がピークを形成する時点が、各素波▲1▼、▲2▼、▲3▼の受信時点となる。
なお、信号受信点24において、相関値を検出する時間間隔をサンプリングレート、各サンプリング時点での相関値をサンプル値と呼ぶ。
実際のサンプル値は、受信機の雑音の影響を含むため、正確な相関値を得るためには、各サンプル値を時間的に平均化したり、しきい値処理を行なったりする必要がある。
【0033】
このため、平均化部11、雑音レベル検出部12および除去部13により、雑音を抑圧する。
ここで、平均化部11は、遅延プロファイル(または、雑音をさらに抑圧するために、同相加算を行なった上で得られる遅延プロファイル)の各サンプル値について時間平均化を行なう。
【0034】
図4は、本発明の一実施形態に係る先頭波受信装置におけるサンプル値の時間平均前後の相関出力結果を示す図である。
図4(a)において、実際の信号では、受信機雑音の影響で、各サンプル値が本来の相関値からずれる。
例えば、平均化処理を行わない場合は、受信機雑音の影響により、本来の相関位置S2からずれた相関位置S1でピークを形成することになり、このピークにの位置を素波の受信時点とすると、先頭波位置の測定精度が劣化する。
【0035】
ここで、受信機雑音電力の確率密度分布は、平均がある一定値のガウス分布になることが知られている。
従って、各サンプル値を時間的に平均することにより、受信機雑音のみを抑圧して、受信機雑音が各サンプル値に与える影響を削減することができ、より正確な先頭波位置を検出することができる。
【0036】
図4(b)は、本発明の一実施形態に係る先頭波受信装置におけるサンプル値の平均後の相関出力結果を示す図である。
図4(b)において、各サンプル値を時間的に平均することにより、受信機雑音を抑圧させ、本来の相関位置S2からずれた相関位置S1でのピークを抑圧し、本来の相関位置S2を検出することができる。
【0037】
雑音レベル検出部12では、遅延プロファイルの雑音レベルを検出する。具体的には、サンプル値について累積確率を求め、予め定められた累積確率X[%]に対応するサンプル値(受信電力値)を雑音レベルN0とする。なお、累積確率Xの具体的な値としては、例えば、50[%]とすることができる。
除去部13では、パスレベルしきい値Lth=N0+ΔL(ただし、N0は、雑音レベル検出部12で求めた雑音レベル)未満であるサンプル値を雑音とみなし、それらのサンプル値を遅延プロファイルから除去する。なお、ΔLは予め定められた値であり、0としてもよい。
【0038】
このように、雑音を抑圧するため、平均化部11による平均化処理ならびに雑音レベル検出部12および除去部13によるしきい値処理を行なうことが好ましいが、平均化処理およびしきい値処理を省略するようにしてもよい。
除去部13により雑音が抑圧された遅延プロファイルは、先頭波候補位置算出部14に入力される。
【0039】
この先頭波候補位置算出部14では、遅延プロファイルのサンプル値が最初にピークとなる位置の検出を所定回数行ない、これらの遅延プロファイルのサンプル値が最初にピークとなる位置を暫定的な先頭波位置とする。
ここで、あるチップ周期の拡散符号を用いることで観測される素波は、そのチップ周期以内に存在する素波が合成された結果である。
【0040】
図5(a)は、本発明の一実施形態に係るチップ周期と素波の関係を示す図、図5(b)は、本発明の一実施形態に係る先頭波受信装置における測定可能な相関出力結果を示す図である。なお、図5では、簡単のため、あるシンボルで観測された遅延プロファイルの中の先頭波のみを抜き出して示している。
図5において、真の素波A、B、Cの時間間隔がチップ周期より短いと、先頭波候補位置算出部14では、これらの素波A、B、Cが合成された素波Dが観測される。ここで、先頭波位置を求めるため、合成された素波Dをサンプリングして、ピークとなるサンプル値を算出すると、相関位置S3が得られる。このため、相関位置S3が先頭波位置とみなされる。
【0041】
一方、真の素波A、B、Cの時間間隔がチップ周期より長く、真の素波A、B、Cが観測できる場合は、先頭波位置が相関位置S4とみなされるため、|S3−S4|で表される時間分だけ、先頭波位置に誤差が生じる。
ここで、観測可能な合成された素波Dを構成する真の素波A、B、Cは、それぞれ独立に外乱の影響をうける。外乱としては、例えば、外界と受信点との相対的な位置関係が変化することに起因するフェージングなどがある。独立なフェージングの影響を受けた真の素波A、B、Cは、その受信レベルや位相が、時間的に独立に変化する。その結果、合成された素波Dの形状も時間的に変動する。
【0042】
図6は、本発明の一実施形態に係る真の素波および合成後の素波の変動の様子を示す図である。なお、図6の例では、真の素波A、B、Cの受信レベルの変動に着目した場合を示す。
図6において、フェージングなどの外乱の影響により、真の素波A、B、Cはそれぞれ独立に変動し、これに伴って、合成された素波Dも不規則に変動する。
【0043】
例えば、図6(a)に示すように、ある受信時には、真の素波Cのピークが最も強くなり、これに伴って、真の素波Cのピークの影響を最も強く受けた合成された素波Dが観測される。
また、図6(b)に示すように、別の受信時には、真の素波Aのピークが最も強くなり、これに伴って、真の素波Aのピークの影響を最も強く受けた合成された素波Dが観測される。
【0044】
また、図6(c)に示すように、さらに別の受信時には、真の素波Bのピークが最も強くなり、これに伴って、真の素波Bのピークの影響を最も強く受けた合成された素波Dが観測される。
このため、合成された素波Dの観測を複数回行なうことにより、その内の何回かは、真の素波Aのピークの影響を最も強く受けた合成された素波Dを観測することができる。
【0045】
これにより、測定された遅延プロファイルにおいて、時間的に先頭に位置する真の素波Aの影響を最も強く受けている観測可能な先頭素波を検出することが可能なり、合成された素波Dを観測した場合においても、正確な先頭波位置を検出することが可能になる。
図7は、本発明の一実施形態に係る先頭波受信装置における先頭波位置の検出方法を示す図である。
【0046】
図7において、素波A、B、Cが合成された素波Dを複数回観測すると、合成された素波Dをそれぞれサンプリングして、最初にピークとなるサンプル値をそれぞれ算出することにより、暫定的な先頭波位置を求める。
この結果、図6(a)の素波A、B、Cが合成された素波Dからは、素波Cの影響を最も強く受けている相関位置S3を得ることができ、この相関位置S3を暫定的な先頭波位置とすることができる。
【0047】
次に、図6(b)の素波A、B、Cが合成された素波Dからは、素波Aの影響を最も強く受けている相関位置S4を得ることができ、この相関位置S4を暫定的な先頭波位置とすることができる。
さらに、図6(c)の素波A、B、Cが合成された素波Dからは、素波Bの影響を最も強く受けている相関位置S5を得ることができ、この相関位置S5を暫定的な先頭波位置とすることができる。
【0048】
先頭波候補位置算出部14にて、遅延プロファイルにおける暫定的な先頭波位置が算出されると、これらの暫定的な先頭波位置が先頭波位置選択部15に入力される。
この先頭波位置選択部15では、暫定的な先頭波位置のうち時間的に最も早い先頭波位置を、遅延プロファイルにおける先頭波位置として選択する。
【0049】
例えば、図7の相関位置S3、S4、S5が暫定的な先頭波位置として求まると、これらの相関位置S3、S4、S5の遅延プロファイルにおける時間的な早さを算出し、時間的に最も早い相関位置を求める。
そして、これらの相関位置S3、S4、S5のうち時間的に最も早い相関位置としてS4が求まると、相関位置S4を遅延プロファイルにおける先頭波位置として選択する。
【0050】
これにより、素波A、B、Cが合成された素波Dを観測するだけで、図6(b)の素波Aのピークの位置を先頭波位置として決定することができ、素波A、B、Cの時間間隔がチップ周期より短く、先頭波候補位置算出部14では、これらの素波A、B、Cが合成された素波Dしか観測できない場合においても、サンプル値S3の位置が先頭波位置とみなされることを防止して、先頭波位置を精度よく求めることができる。
【0051】
図8は、本発明の第1実施形態に係る先頭波受信装置における先頭波位置の検出方法を示すフローチャートである。
図8において、信号受信点24で先頭波位置検出処理を開始すると(ステップE1)、あるシンボルに対し、サンプリング周期T1でスライディング相関検出を行う(ステップE2)。ここで、このスライディング相関検出を、予め定められたシンボル数分(Nシンボル)だけ実行する(ステップE3)。
【0052】
次に、Nシンボル数分のスライディング相関検出が終了すると、各サンプル値を各シンボル毎に平均化する(ステップE4)。なお、シンボル周期をT2とすると、1シンボル内にサンプル値がT2/T1個だけ存在する。
ここで、iシンボル内のj番目のサンプルをSijと表すと、平均化後の各サンプル値Sjは、式(1)で表すことができる。
【0053】
【数1】
【0054】
次に、平均化後の各サンプル値Sjが求まると、これらの各サンプル値Sjの中から暫定的な先頭波位置を抽出する(ステップE5)。具体的には、シンボルタイミングを起点とし、時間的に最も早いピークとなったサンプルタイミングを、暫定的な先頭波位置と決定する。
次に、ステップE2〜E5までの一連の処理を、予め定められた回数Mだけ実行する(ステップE6)。
【0055】
次に、M個の暫定的な先頭波位置の中から、時間的に最も早い先頭波位置を、最終的な先頭波位置と決定する(ステップE7)。
次に、図1において、パス選択部6は、雑音が抑圧された遅延プロファイルからRAKE合成に適切なパス(例えば、受信電力値の大きいパス)を選択する。
検出タイミング設定部7は、パス選択部6で選択されたパスを考慮して、検出タイミングを設定する。
【0056】
逆拡散符号発生部8は、検出タイミング設定部7で設定された検出タイミングに従い、逆拡散符号を発生する。そして、アンテナ1を介して受信された信号を乗算部9で逆拡散し、受信された信号のうち、パス選択部6で選択された信号のみがRAKE合成部10に入力されるようにする。
RAKE合成部10では、入力されたパスのRAKE合成を行なう。RAKE合成された信号は、その後、デインタリーブなどの処理がなされ、復調データを得ることができる。
【0057】
このように、上述した第1実施形態によれば、遅延プロファイルにおける先頭波の位置を検出する先頭波位置検出方法において、ハード規模の増大並びに使用帯域幅の増大を伴うことなく、真の先頭波位置により近い測定結果を得ることができる。このため、例えば、より正確な送受信点間の距離を求めることが可能となり、送信点の地理的な位置が既知であるとすると、受信点の位置を高精度に推定することが可能となる。
【0058】
なお、上述した第1実施形態では、受信信号から雑音の影響を除去するため、各サンプル値を時間的に平均する方法を用いた。
ここで、時間的な平均期間を長く取りすぎると、観測可能な素波Dの真の素波A、B、Cの変動に起因する形状変化自身も平均化される恐れがある。
すなわち、個々の真の素波A、B、Cの勢力に強く影響を受けた形状の異なる合成された素波Dが観測されにくくなる恐れがある。
【0059】
従って、受信信号の各サンプル値を時間的に平均する期間は、受信信号に対する受信機雑音の影響を抑圧できる範囲内で、できる限り短くすることが望ましい。
一方、受信信号のレベルが低い場合は、受信機雑音の影響が顕著になるため、サンプル値を時間的に平均する期間を延ばす必要がある。
【0060】
逆に、受信信号のレベルが高い場合は、受信機雑音の影響が低くなるため、サンプル値を時間的に平均する期間を短く設定し、個々の真の素波A、B、Cの影響を受けた合成された素波Dの形状を観測しやすくすることができる。
そこで、信号受信側で、遅延プロファイル測定の対象となる信号の受信レベルを測定し、その受信レベルに従って、遅延プロファイルの各サンプル値を時間平均する期間を設定することにより、様々の受信状態に対応しつつ、先頭波位置の検出精度を向上させることが可能となる。
【0061】
図9は、本発明の第2実施形態に係る先頭波受信装置の概略構成を示すブロック図である。
図9において、先頭波位置検出装置5’には、図1の先頭波位置検出装置5の構成に加え、受信レベル測定部31が設けられ、受信レベル測定部31は、遅延プロファイル測定の対象となる信号の受信レベルを測定する。
【0062】
そして、平均化部11’は、受信レベル測定部31で測定された受信レベルに従って、遅延プロファイルの各サンプル値を時間平均する期間を設定する。
図10、本発明の第2実施形態に係る先頭波受信装置における先頭波位置の検出方法を示すフローチャートである。
図10において、信号受信点24で先頭波位置検出処理を開始すると(ステップE11)、受信レベル測定部31は、対象となる信号の受信レベルRを測定する(ステップE12)。
【0063】
次に、平均化部11’は、受信レベル測定部31により測定された受信レベルRに従い、サンプル値を時間平均するシンボル数Nを決定する(ステップE13)。
以下、シンボル数Nを決定するための演算方法の具体的な例について説明する。
【0064】
受信機雑音レベルの確率密度関数は、平均値k0、分散値v0の正規分布に従うことが知られている。なお、平均値k0および分散値v0は、予め求められる数値である。
ここで、正規分布における分散vは、サンプル値の平均化個数Nが増加すると、下記の(2)式に従い減少する。
【0065】
v=v0/√N ・・・(2)
ただし、Nは正の整数である。
次に、受信レベルRに対して許容できる測定誤差を算出するための係数ηと、雑音電力の分散値と受信レベルRに関する関係式を、下記の(3)式のように定義する。
【0066】
v=v0/√N<R・η ・・・(3)
次に、(3)式を正の整数Nについて解くと、下記の(4)式のようになる。
N>(0/(R・η))2 ・・・(4)
(4)式の右辺において、適当な係数ηを設定して算出された値以上の最小の整数値を正の整数Nとすることにより、受信レベルRに基づいた平均化するシンボル数Nを求めることができる。ここで、係数ηの具体的な値として、例えば、0.01を用いることができる。
【0067】
次に、あるシンボルに対し、サンプリング周期T1のスライディング相関検出を、ステップE13で算出されたシンボル数分(Nシンボル)だけ実行する(ステップE14)。
そして、Nシンボル数分のスライディング相関検出が終了すると(ステップE15)、シンボル毎の各サンプル値を平均化する(ステップE16)。
【0068】
次に、平均化後の各サンプル値が求まると、これらの各サンプル値の中から暫定的な先頭波位置を抽出する(ステップE17)。具体的には、シンボルタイミングを起点とし、時間的に最も早いピークとなったサンプルタイミングを、暫定的な先頭波位置と決定する。
次に、ステップE14〜E17までの一連の処理を、予め定められた回数Mだけ実行する(ステップE18)。
【0069】
次に、M個の暫定的な先頭波位置の中から、時間的に最も早い先頭波位置を、最終的な先頭波位置と決定する(ステップE19)。
このように、上述した第2実施形態によれば、受信信号を時間的に平均化する期間を適応的に設定することが可能になるため、信号受信点の状況に応じた先頭波位置の検出が可能になる。
【0070】
図11は、本発明の第3実施形態に係る先頭波受信装置の概略構成を示すブロック図である。なお、この第3実施形態では、信号受信側は、遅延プロファイル測定の対象となる信号のレベル変動周期に従って、遅延プロファイルの各サンプル値を時間平均する期間、並びに暫定的な先頭波位置の検出処理を実行する回数を設定するようにしたものである。
【0071】
図11において、先頭波位置検出装置5’’には、図1の先頭波位置検出装置5の構成に加え、変動周期測定部41が設けられ、この変動周期測定部41は、遅延プロファイル測定の対象となる信号のレベル変動周期を測定する。
そして、平均化部11’’は、変動周期測定部41により測定されたレベル変動周期に従って、遅延プロファイルの各サンプル値を時間平均する期間する。
【0072】
また、先頭波候補位置算出部14’は、変動周期測定部41により測定されたレベル変動周期に従って、暫定的な先頭波位置の検出処理を実行する回数を設定する。
図12は、本発明の第3実施形態に係る先頭波受信装置における先頭波位置の検出方法を示すフローチャートである。
【0073】
図12において、信号受信点24で先頭波位置検出処理を開始すると(ステップE21)、変動周期測定部41は、対象となる信号の受信レベル変動周期Lを測定する(ステップE22)。
次に、変動周期測定部41により測定された受信レベル変動周期Lに従い、平均化部11’’は、サンプル値を時間平均するシンボル数Nを決定し、先頭波候補位置算出部14’は、暫定的な先頭波位置を抽出する回数Mを決定する(ステップE23)。
【0074】
以下、受信レベル変動周期Lを求めるための具体的な方法について示す。
信号受信側では、遅延プロファイルの測定に先立ち、予め定められた期間T3の間で、対象となる信号の受信レベルを測定し、その期間T3の受信レベルの平均値Erを算出する。
次に、信号の受信レベルを期間T3について再度測定し、その受信レベルが平均値Erを交差して変化する回数Enを計測する。
【0075】
回数Enが計測されると、レベル変動周期Lを、下記の(5)式に従い算出する。
L=2・T3/En ・・・(5)
次に、シンボル数Nおよび抽出回数Mを決定するための方法について示す。
ステップE22で算出されたレベル変動周期Lから、例えば、下記の(6)式を満たす最大の整数値をシンボル数Nとする。
【0076】
N≦L/α・1/T2 ・・・(6)
ただし、Nおよびαは正の整数である。
ここで、正の整数αの具体的な値としては、例えば、4を用いることができる。
また、抽出回数Mは、下記の(7)に従い算出することができる。
【0077】
M≧α ・・・(7)
(6)式および(7)式に従い、シンボル数Nおよび抽出回数Mを設定することにより、受信機雑音の影響を抑圧するための時間的な平均化処理が、真の素波A、B、Cの変動に起因する観測可能な素波Dの形状変化自身までも平均化してしまう可能性を軽減することができ、より正確な先頭波位置を検出することが可能になる。
【0078】
次に、あるシンボルに対し、サンプリング周期T1のスライディング相関検出を、ステップE22で算出されたシンボル数分(Nシンボル)だけ実行する(ステップE24)。
そして、Nシンボル数分のスライディング相関検出が終了すると(ステップE25)、シンボル毎の各サンプル値を平均化する(ステップE26)。
【0079】
次に、平均化後の各サンプル値が求まると、これらの各サンプル値の中から暫定的な先頭波位置を抽出する(ステップE27)。具体的には、シンボルタイミングを起点とし、時間的に最も早いピークとなったサンプルタイミングを、暫定的な先頭波位置と決定する。
次に、ステップE24〜E27までの一連の処理を、ステップE22で算出された回数Mだけ実行する(ステップE28)。
【0080】
次に、M個の暫定的な先頭波位置の中から、時間的に最も早い先頭波位置を、最終的な先頭波位置と決定する(ステップE29)。
このように、上述した第3実施形態によれば、観測可能な真の素波が合成された素波の変動周期について、そのおおよその期間を把握することが可能になり、先頭波の影響の最も強い合成された素波の観測漏れを防止しつつ、時間平均期間、並びに暫定的な先頭波位置検出処理を実行する回数とをより的確に設定することが可能になる。
【0081】
なお、上述した第3実施形態では、暫定的な先頭波位置検出処理を実行する回数を決定する方法として、レベル変動周期Lを用いる方法について説明したが、時間的に最も早い先頭波位置を捕らえるために最低限必要な測定回数をカウントし、その測定回数に基づいて、暫定的な先頭波位置検出処理を実行する回数を決定するようにしてもよい。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、遅延プロファイルのサンプル値が最初にピークとなる位置を先頭波位置の候補として求め、それらの先頭波位置の候補のうち時間的に最も早い先頭波位置を選択することにより、チップレートを上げることなく、先頭波位置の検出精度を向上させることが可能となり、ハード規模の増大や、使用帯域幅の増大を招くことなく、送受信点間距離の測定精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る先頭波受信装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図2(a)は、本発明の一実施形態に係る先頭波受信装置における遅延プロファイルの発生過程を示す図、図2(b)は、本発明の一実施形態に係る各パスの受信電力を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る先頭波受信装置における遅延プロファイルの測定方法を示す図である。
【図4】図4(a)は、本発明の一実施形態に係る先頭波受信装置におけるサンプル値の平均前の相関出力結果を示す図、図4(b)は、本発明の一実施形態に係る先頭波受信装置におけるサンプル値の平均後の相関出力結果を示す図である。
【図5】図5(a)は、本発明の一実施形態に係るチップ周期と素波の関係を示す図、図5(b)は、本発明の一実施形態に係る先頭波受信装置における測定可能な相関出力結果を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る真の素波および合成後の素波の変動の様子を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る先頭波受信装置における先頭波位置の検出方法を示す図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る先頭波受信装置における先頭波位置の検出方法を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2実施形態に係る先頭波受信装置の概略構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る先頭波受信装置における先頭波位置の検出方法を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第3実施形態に係る先頭波受信装置の概略構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第3実施形態に係る先頭波受信装置における先頭波位置の検出方法を示すフローチャートである。
【図13】拡散符号が重畳された受信信号の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 アンテナ
2、8 逆拡散符号発生部
3、9 乗算部
4 遅延プロファイル測定部
5、5’、5’’ 先頭波位置検出装置
6 パス選択部
7 検出タイミング設定部
10 RAKE合成部
11、11’、11’’ 平均化部
12 雑音レベル検出部
13 除去部
14、14’ 先頭波候補位置算出部
15 先頭波位置選択部
21 信号送信点
22、23 反射/遮蔽物
24 信号受信点
A、B、C 真の素波
D 合成された素波
31 受信レベル測定部
41 変動周期測定部
Claims (9)
- 遅延プロファイルのサンプル値が最初にピークとなる位置に基づいて、前記遅延プロファイルにおける先頭波位置の候補を算出する先頭波候補位置算出手段と、
前記先頭波位置の候補のうち時間的に最も早い先頭波位置を、前記遅延プロファイルにおける先頭波位置として選択する先頭波位置選択手段とを備えることを特徴とする先頭波位置検出装置。 - 前記遅延プロファイルの各サンプル値について、予め定められた期間について時間平均を行う平均化手段をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の先頭波位置検出装置。
- 前記遅延プロファイル測定の対象となる信号の受信レベルを測定する受信レベル測定手段をさらに備え、
前記平均化手段は、前記受信レベルに基づいて、前記遅延プロファイルの各サンプル値を時間平均する期間を設定することを特徴とする請求項2記載の先頭波位置検出装置。 - 前記遅延プロファイル測定の対象となる信号の受信レベルの変動周期を測定する変動周期測定手段をさらに備え、
前記平均化手段は、前記受信レベルの変動周期に基づいて、前記遅延プロファイルの各サンプル値を時間平均する期間を設定し、
前記先頭波候補位置算出手段は、前記受信レベルの変動周期に基づいて、前記先頭波位置の候補の決定処理を実行する回数を設定することを特徴とする請求項2記載の先頭波位置検出装置。 - 送信信号に拡散符号が重畳された電波を受信するアンテナと、
前記拡散符号が重畳された送信信号を逆拡散することにより、パスを分離するパス分離手段と、
前記分離された各パスの受信電力値を所定のサンプリング間隔で行なうことにより、遅延プロファイルを測定する遅延プロファイル測定手段と、
前記遅延プロファイルの各サンプル値について、予め定められた期間について時間平均を行う平均化手段と、
前記時間平均されたサンプル値が最初にピークとなる位置に基づいて、前記遅延プロファイルにおける先頭波位置の候補を算出する先頭波候補位置算出手段と、
前記先頭波位置の候補のうち時間的に最も早い先頭波位置を、前記遅延プロファイルにおける先頭波位置として選択する先頭波位置選択手段とを備えることを特徴とする先頭波受信装置。 - 信号受信側で測定した遅延プロファイルにおける先頭波位置を検出する先頭波位置検出方法において、
遅延時間上でサンプリングされた遅延プロファイルの各サンプル値について、予め定められた期間について時間平均を行うステップと、
前記時間平均後のサンプル値が最初にピークとなる位置を、前記遅延プロファイルにおける暫定的な先頭波位置とするステップと、
前記暫定的な先頭波位置の決定処理を、予め定められた回数だけ実行するステップと、
前記暫定的な先頭波位置の中から、時間的に最も早い先頭波位置を選択するステップと、
前記選択された先頭波位置を、前記遅延プロファイルにおける先頭波位置に決定するステップとを備えることを特徴とする先頭波位置検出方法。 - 前記遅延プロファイル測定の対象となる信号の受信レベルを測定するステップと、
前記受信レベルに基づいて、前記遅延プロファイルの各サンプル値を時間平均する期間を設定するステップをさらに備えることを特徴とする請求項6記載の先頭波位置検出方法。 - 前記遅延プロファイル測定の対象となる信号の受信レベルの変動周期を測定するステップと、
前記受信レベルの変動周期に基づいて、前記遅延プロファイルの各サンプル値を時間平均する期間を設定するステップと、
前記受信レベルの変動周期に基づいて、前記先頭波位置の候補の決定処理を実行する回数を設定するステップとをさらに備えることを特徴とする請求項6記載の先頭波位置検出方法。 - 遅延プロファイルのサンプル値が最初にピークとなる位置に基づいて、前記遅延プロファイルにおける先頭波位置の候補を算出するステップと、
前記先頭波位置の候補のうち時間的に最も早い先頭波位置を、前記遅延プロファイルにおける先頭波位置として選択するステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする先頭波位置検出プログラム。
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