JP3925353B2 - キャビネット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗面化粧台等に取りつけるキャビネットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のキャビネットとしては、例えば特開平11−9364号公報に記載のものを挙げることができる。このキャビネットは、上下に開口した略輪状の貫通部を有したトレイを備えており、このトレイに設けた貫通部にて、把持部を備えたドライヤー等の長物の収納対象を収納するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述のようなキャビネットにおいては、前述した貫通部は、予め長物の収納対象を収納するために設けたものであるため、ユーザーが、この貫通部に例えば長物ではない小物類を収納対象としたい場合には、この貫通部のスペースを収納スペースとして効率よく利用することができないので、更なる収納効率の向上が望まれていた。
【0004】
本発明は上記問題点を改善するためになされたものであり、ユーザーの必要に応じて種々の収納対象を効率的に収納できるキャビネットを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のキャビネットは、図1にその一例を示すように、開口部31を有してなる収納スペース3と、収納スペース3に収納対象を収納するトレイ4とを備えてなるキャビネットであって、トレイ4は、底面を貫通する少なくとも1つの貫通部43と、係止部41とを備え、収納スペース3は、突出受部33と、係止部41と係止可能な係止受部32とを備え、突出受部33はトレイ4を開口部31側から奥行側に向う1方向で収納スペース3に係止する場合には、トレイ4の底面側から貫通部43を覆う位置関係にあり、トレイ4を前記1方向から前後方向を逆転させて収納スペース3に係止する場合には、トレイ4の底面側から貫通部43を覆わないような位置関係にあり、係止部41と係止受部32とを係止することにより、収納スペース3の開口部31側から奥行側に向う方向に対して前後入換自在かつ着脱自在にトレイ4を収納スペース3に設置することを特徴とするものである。
【0006】
また、請求項2に記載のキャビネットは、請求項1に記載のキャビネットにおいて、係止部41をトレイ4の側方に設けたことを特徴とするものである。
【0007】
また、請求項3に記載のキャビネットは、請求項1又は請求項2に記載の発明において、係止受部32を収納スペース3の上下方向に複数設けたことを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項4に記載のキャビネットは、請求項1乃至請求項3に記載の発明において、突出受部33は、収納スペース3の上下方向に複数箇所で係止可能であることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1乃至図3に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係るキャビネットの一例であるミラーキャビネット1を示す斜視図であり、図2は、収納スペース3とトレイ4を詳細に示す斜視図であり、図3は、収納スペース3にトレイ4を設置した状態を示す断面図である。なお、以降、図1乃至図3に示すように、ミラーキャビネット1のミラー12(12a〜12c)側から奥行側へ向かう方向をA方向と称する。
【0010】
ここで、本実施形態においては、図1に示すように、ミラーキャビネット1は、ミラーキャビネット本体11と、前面に開閉扉を兼ねる例えば3つのミラー12(12a〜12c)と、前面に開口部31とを備え、開口部31側から奥行側であるA方向に向いミラーキャビネット本体11に形成された収納スペース3と、収納スペース3に収納対象を収納する例えば3つのトレイ4とを備えている。なお、ミラーキャビネット本体11の材質は、合成樹脂であり、ミラー12(12a〜12c)は、ヒンジ100等を介してミラーキャビネット本体11に開閉自在に取り付けられている。
【0011】
ここで、本実施形態においては、収納スペース3は、例えば縦長直方体状のスペースを構成し、図1に示すように、側面3aの開口部31側である前面の端部から後面3bまで、A方向に沿って側面3aの対面部に略同じ高さで上下方向の例えば異なる3つの高さ位置にそれぞれ形成した溝状の凹部である係止受部32と、後面3bに係止受部32と略平行に収納スペース3に一体形成された例えば薄板状の突出受部33を備えている。
【0012】
また、トレイ4は、例えば図2に示すように、トレイ4の両側方に直線状に設けた凸状の係止部41と、仕切り部42と、底面を設けず上下に貫通した貫通部43と、底面を有した収納部44とを備えた略四角形状のものである。トレイ4は、材質には合成樹脂を用いており、各部一体形成されている。なお、トレイ4は、構成各部を個々に形成して接着剤等の固定手段にて一体化してもよい。
【0013】
なお、本実施形態においては、図1に示すように、収納スペース3に設けた3組の係止受部32の各々に対応するだけトレイ4を設けているが、必ずしも全組の係止受部32に対応する数のトレイ4を準備する必要はなく、少なくとも1つのトレイ4を用いればよい。
【0014】
ここで、トレイ4の係止部41は、収納スペース3の係止受部32と着脱自在に係止でき、また、A方向に対してトレイ4の前後を入換自在にして収納スペース3に設置することができる。このため、ユーザーは、トレイ4を図3(a)に示すようにトレイ4の貫通部43を後面3b側に向けて設置することも、図3(b)に示すように貫通部43を開口部31に向けて設置することもできる。
【0015】
ここで、図3(a)に示すように、トレイ4の貫通部43を後面3b側に向けて、収納スペース3とトレイ4とを係止する場合には、トレイ4の底面側から貫通部43を覆う位置関係になるように、突出受部33のA方向の長さLをトレイ4の貫通部43のA方向の長さM以上とする。突出受部33のA方向の長さLを貫通部43のA方向の長さM以上とすることで、突出受部33が貫通部43を塞ぎ、貫通部43に底面がなくとも突出受部33が底面の役割を果たすので、収納部44だけでなく貫通部43にも小物類5といった収納対象を収納することができる。
【0016】
また、図3(b)に示すように、トレイ4の貫通部43を開口部31側にして収納スペース3とトレイ4とを係止する場合には、突出受部33はトレイ4の底面側から貫通部43を覆わない、つまり、貫通部43の奥行側の先端43aから突出受部33の先端33aまでA方向に所定の距離を有するようにする。この場合、突出受部33が貫通部43を塞ぐとこはないので、ブラシ6等の長物の収納対象を効率的に収納することができる。
【0017】
ここで、本実施形態においては、突出受部33の幅は、収納スペース3の両側面3a間の距離とするが、トレイ4の貫通部43の幅にあわせて任意の幅であってよい。また、突出受部33の設置位置は、収納スペース3の係止受部32とトレイ4の係止部41とを係止したときに、トレイ4の底面と略面一になるようにすることが好ましい。
【0018】
なお、図1に示すように、ミラーキャビネット1は、例えば、前面に開閉戸21を設け、その内部に種々の収納物を収納するためのスペース(図示せず)に使用されたり、洗面ボウル22からの排水を導く排水管(図示せず)や水栓23に湯水を供給する給水・給湯管(図示せず)等を収納する箱体24上に、陶器やステンレス等で形成した洗面ボウル22を取りつけ、この洗面ボウル22の近傍に水栓23等を配置した洗面台2の後部上方に立設されている。
【0019】
また、ミラーキャビネット1は、図1に示すように、上端には、例えば照明器具13を取りつけるとともに、下端には洗面ボウル22に設けた水栓23の後方に位置する平板状の水返し部25を形成し、水返し部25の例えば両端に照明器具13のスイッチ26、コンセント27等を配置しているが、ミラーキャビネット1としては、ミラー12と、開口部31側から奥行側であるA方向に向いミラーキャビネット本体11に形成された収納スペース3と、収納スペース3に収納対象を収納するトレイ4を少なくとも備えていれば勿論よい。
【0020】
なお、収納スペース3は、ミラー12a〜12cの裏面側各々に対して形成しても、ミラー12a、12cの裏面側だけに形成してもよく、また、図1において、ミラー12bのみを開閉扉を兼ねて設け、ミラー12a、12cは設けず、収納スペース3及びトレイ4が直接露出するような構成であってもよい。また、ミラーキャビネット1のミラー12数や、ミラーキャビネット本体11に対するミラー12の配置位置は、図1に示すような構成に限ったものではない。
【0021】
かかるキャビネットにおいては、トレイ4の貫通部43を後面3b側に向け開口部31側からA方向に収納スペース3とトレイ4とを係止させる場合には、突出受部33がトレイ4の底面側から貫通部43を覆う位置関係となるので、突出受部33が貫通部43を塞ぎ、貫通部43に底面がなくとも突出受部33が底面の役割を果たし、収納部44だけでなく貫通部43にも小物類5を収納することができる。また、A方向に対してトレイ4の前後方向を逆転させて、トレイ4の貫通部43を開口部31側にして収納スペース3とトレイ4と係止させる場合には、突出受部33はトレイ4の底面側から貫通部43を覆わないような位置関係となるので、突出受部33が貫通部43を塞ぐとこはなく、長物6を収納することができる。このように、ユーザーは収納対象の種類に合わせて利用形態を選択できるので、収納対象を効率的に収納でき、収納効率が向上する。
【0022】
また、係止部41をトレイ4の側方に設けたので、トレイ4を前後に逆転して入換えても、係止部41が直接露出することがなく、ミラーキャビネット1の外観は損われない。
【0023】
また、係止受部32を収納スペース3の上下方向に複数(本実施形態においては3組)設けたので、ユーザーは、好みの高さの位置にトレイ4を設置することができる。また、ユーザーは、収納対象が極端に長いときには上方にトレイを設置する等、収納対象の長さに応じて効率よく収納できる。
【0024】
ここで、本実施形態においては、突出受部33は、収納スペース3と一体形成しているが、ミラーキャビネット1と別々に形成して収納スペース3に固定するようにしてもよい。この場合、ユーザーは、例えば、突出受部33に係止部(図示せず)を設け、収納スペース3に上下方向に複数の係止受部(図示せず)を設けて、収納スペース3に設けた複数の係止受部と突出受部33に設けた係止部とを所望の上下方向の位置で係止させ、収納スペース3の上下方向に複数箇所で突出受部33を係止可能となる。これにより、ユーザーは、トレイ4の位置に合わせて突出受部33の設置位置を上下方向に移動できるので、上下方向に複数ある設置位置のいずれの高さにトレイ4を設置しても、トレイ4の2通りの使用方法が可能となる。
【0025】
ここで、本実施形態においては、図2に示すように、仕切り部42にてトレイ4を2つに仕切っているが、トレイ4には、少なくと1つの貫通部43が設けられていればよく、例えばトレイ4内部を3つに仕切り、そのうちの1つを貫通部43としたり、仕切り部42を設けず底面の一部を貫通させて貫通部43を形成するようにしてもよい。
【0026】
また、本実施形態においては、図2に示すように、トレイ4に係止部41を2個設けたが、トレイを収納スペースに設置できればよく、係止部41は1個でも複数個でもよい。同様に、係止受部32は収納スペース3に少なくとも1つ設けられていればよい。
【0027】
なお、本実施形態においては、係止部41は、トレイ4の側方に設けられた凸状部であり、係止部41に係止される係止受部32は、溝状の凹部であるが、係止部41がトレイ4の側方に設けられた溝状の凹部であり、係止部41に係止される係止受部32が凸状部であってもよい。また、本実施形態においては、係止部41と係止受部32との係止は、図2に示すように凹凸部を利用した引出式のものであるが、収納スペース3とトレイ4が着脱自在に係止できればよく、例えば所望の係止受部32と所望の係止部41を用いてお互いを引っ掛けて係止するようにしてもよい。
【0028】
また、本実施形態においては、トレイ4の材質及びミラーキャビネット本体11の材質は合成樹脂であるが、その他、金属や木材等その他の種々の材質であってもよい。
【0029】
また、本実施形態においては、キャビネットは、ミラー12を例えば前面に備えたミラーキャビネット1であるが、ミラー12を備えていないキャビネットであっても、キャビネットが、開口部31側から奥行側に向う収納スペース3と、収納スペース3に収納対象を収納するトレイ4とを少なくとも備えていれば勿論よい。
【0030】
【発明の効果】
上記のように、本願の請求項1に係る発明のキャビネットにおいては、開口部を有してなる収納スペースと、収納スペースに収納対象を収納するトレイとを備えてなるキャビネットであって、トレイは、底面を貫通する少なくとも1つの貫通部と、係止部とを備え、収納スペースは、突出受部と、係止部と係止可能な係止受部とを備え、突出受部はトレイを開口部側から奥行側に向う1方向で収納スペースに係止する場合には、トレイの底面側から貫通部を覆う位置関係にあり、トレイを前記1方向から前後方向を逆転させて収納スペースに係止する場合には、トレイの底面側から貫通部を覆わないような位置関係にあり、係止部と係止受部とを係止することにより、収納スペースの開口部側から奥行側に向う方向に対して前後入換自在かつ着脱自在にトレイを収納スペースに設置するので、貫通部を収納スペースの開口部側に向けてトレイを収納スペースに設置したときは、トレイの底面が上下に貫通しているため、ユーザーはブラシ等の長物の収納対象を効率よく収納でき、貫通部を奥行側に向けてトレイを収納スペースに設置したときは、突出受部が貫通部を塞ぐので、ユーザーは小物類といった収納対象も収納することができるという効果を奏する。このように、ユーザーは、必要に応じてトレイの利用形態を選択できるという効果を奏する。
【0031】
また、請求項2に係る発明のキャビネットにおいては、請求項1に記載の発明において、 係止部をトレイの側方に設けたので、貫通部を収納スペース前面側に向けて設置した場合及び貫通部を奥行き側に向けて設置した場合、いずれにおいてもトレイの前面に係止部が露出しないため、トレイを設置してもキャビネットの外観を損ねることはないという効果を奏する。
【0032】
また、請求項3に係る発明のキャビネットにおいては、請求項1又は請求項2に記載の発明において、係止受部を収納スペースの上下方向に複数設けたので、ユーザーは利用し易い好みの高さの位置にトレイを設置することができるという効果を奏する。また、ユーザーは、収納対象が長いときには上方にトレイを設置する等、収納対象の長さに応じて効率よく収納できるという効果を奏する。
【0033】
また、請求項4に係る発明のキャビネットにおいては、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明において、突出受部は収納スペースの上下方向に複数箇所で係止可能であるので、ユーザーは、突出受部の設置位置を上下方向に移動でき、トレイを任意の高さに設置しても、長物収納用、小物類収納用いずれの使用方法も可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るキャビネットを示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る収納スペースとトレイを詳細に示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る収納スペースにトレイを設置した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ミラーキャビネット
2 洗面台
3 収納スペース
3a 側面
3b 後面
4 トレイ
11 キャビネット本体
12 (12a〜12c)ミラー
31 開口部
32 係止受部
33 突出受部
33a 先端
41 係止部
42 仕切り部
43 貫通部
43a 先端
44 収納部

Claims (4)

  1. 開口部を有してなる収納スペースと、該収納スペースに収納対象を収納するトレイとを備えてなるキャビネットであって、前記トレイは、底面を貫通する少なくとも1つの貫通部と、係止部とを備え、前記収納スペースは、突出受部と、前記係止部と係止可能な係止受部とを備え、前記突出受部は前記トレイを前記開口部側から奥行側に向う1方向で前記収納スペースに係止する場合には、前記トレイの底面側から前記貫通部を覆う位置関係にあり、前記トレイを前記1方向から前後方向を逆転させて前記収納スペースに係止する場合には、前記トレイの底面側から前記貫通部を覆わないような位置関係にあり、前記係止部と前記係止受部とを係止することにより、前記収納スペースの前記開口部側から奥行側に向う方向に対して前後入換自在かつ着脱自在に前記トレイを前記収納スペースに設置することを特徴とするキャビネット。
  2. 前記係止部を前記トレイの側方に設けた請求項1に記載のキャビネット。
  3. 前記係止受部を前記収納スペースの上下方向に複数設けた請求項1又は請求項2に記載のキャビネット。
  4. 前記突出受部は、前記収納スペースの上下方向に複数箇所で係止可能である請求項1乃至請求項3にいずれかに記載のキャビネット。
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