JP3925119B2 - ミルスケール付きマルテンサイト系ステンレス鋼材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭酸ガスなどの腐食性ガスを含有した油井やガス井に用いられる鋼材に関し、より詳しくは製造過程において生成したミルスケールが付着したままのマルテンサイト系ステンレス鋼材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭酸ガスなどの腐食性ガスを含有した油井環境では、13%Crマルテンサイト系ステンレス鋼が多く用いられている。具体的には、API(米国石油協会)に規定されているAPI−13%Cr鋼(13%Cr−0.2%C)が、良好な炭酸ガス腐食性を示すことから、多用されている。
【0003】
また、近年では、耐食性を向上させる目的で、C含有量を極低量にし、代わりにNiを添加した改良型13%Cr鋼が開発されている。この改良型13%Cr鋼は、より厳しい腐食環境で用いられるとともに、高強度にしても良好な靭性が確保できることから、高強度が要求される環境でも使用されつつある。
【0004】
さらに、より過酷な腐食環境下では、22%以上のCrを含有した二相ステンレス鋼や25%以上のCrと30%以上のNiを含有した高合金なども用いられる。
【0005】
一般的に、Cr含有量が9%以上となると、その鋼材表面にはCrの酸化物からなる非常に薄い皮膜、いわゆる不動態皮膜が形成され、優れた耐食性を発揮するステンレス鋼として知られている。
【0006】
一方、通常の鋼材の製造工程では、熱間での圧延や熱処理工程を経るため、鋼材表面には不可避的にミルスケールと呼ばれる酸化物層が形成される。この酸化物層は、Feが主体であるが、一部Crも含まれることから、酸化物層にCrが拡散した後の酸化物層(ミルスケール)の直下の母材においては、Cr濃度が低下した領域が生成する。このようなCr濃度が母材のCr濃度よりも低下した領域を一般的に脱Cr層と呼ぶ。
【0007】
上記過酷な腐食環境用途用として合金組成を高めたステンレス鋼材では、脱Cr層が存在すると、本来目的とする母材組成のCr濃度が表面において確保されず、耐食性が劣化する。特に、Cr濃度が13%程度のマルテンサイト系ステンレス鋼である13%Cr鋼では、脱Crが生じると鋼表面において容易に9%以下のCr濃度となる。その結果、保管や運搬中に大気環境において海水飛沫や雨水に曝されると錆を発生し、場合によっては孔食状の腐食を生じ、その後に油井環境に用いると、割れなどの局部的な損傷を引き起こす原因となる場合がある。
【0008】
したがって、ミルスケール直下の脱Cr層は、通常、ミルスケールをショットブラスト処理で除去し、次いで酸洗処理をおこなうことによって除去される。ところが、ミルスケールの除去および酸洗に要する工数は多大なものであり、製造コストの上昇を招くことになる。
【0009】
このため、特開平11−236651号公報には、酸洗処理をおこなわなくても錆の発生を抑制しうるようにしたマルテンサイト系ステンレス鋼材が示されている。すなわち、そのマルテンサイト系ステンレス鋼材は、ショットブラスト処理によるミルスケール除去後の表面粗さとミルスケールの残存量を規定したものである。
【0010】
しかし、上記の公報に示されているマルテンサイト系ステンレス鋼材は、焼入れ後に焼戻し処理されたもので、ミルスケールが除去された部分の脱Cr層はそのほとんどがミルスケールとともに除去されているものの、残存したミルスケールの直下には脱Cr層が存在しており、発錆率の低減効果が今一つ十分でないという問題があった。
【0011】
また、ミルスケール付きのマルテンサイト系ステンレス鋼材としては、特許第2996245号公報(特開平11−302802号)に示されるものがある。すなわち、この特許公報に示されるマルテンサイト系ステンレス鋼材は、上記の公報に示される鋼材と同様に、焼入れ後に焼戻し処理して製造されたもので、母材に対するミルスケールの密着性を高めるためにミルスケールの構造と組成および厚さを規定したものである。
【0012】
しかし、上記の特許公報に示されるマルテンサイト系ステンレス鋼材は、ミルスケールの直下に脱Cr層が存在しており、保管や運搬中のハンドリングが乱暴な場合にはミルスケールが剥離し、このミルスケールの剥離部分に錆が発生するという問題があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の実状に鑑みてなされたもので、その課題は表面のミルスケールが剥離した場合においてもその部分に錆が発生することがないミルスケール付きマルテンサイト系ステンレス鋼材の製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、下記(1)のミルスケール付きマルテンサイト系ステンレス鋼材の製造方法にある。
【0016】
(1)Cr含有量が9.2〜13質量%の母材からなる鋼材の最終熱処理を加熱温度900℃以上でおこない、加熱時に生成したミルスケールを除去することなくそのまま製品とする、母材とミルスケールの界面から母材側に5μmの位置までの間の最低Cr濃度が9質量%以上であるミルスケール付きマルテンサイト系ステンレス鋼材の製造方法。
【0017】
本発明者らは、上記の課題を達成するために、製造工程において不可避的に生成するミルスケールの生成挙動および脱Cr層の生成挙動を調査した結果、以下のことを知見し、上記の本発明を完成させた。
【0018】
脱Cr層は、従来から指摘されているように、焼入れ処理後の焼戻し処理時に生成することを確認した。
【0019】
そこで、Cr含有量が異なる鋼を対象に、加熱温度を種々変えて天然ガス燃焼雰囲気下で加熱してミルスケールを生成させ、鋼の表層部に形成される脱Cr層における最低Cr濃度と加熱温度との関係を調べた。
【0020】
図1は、その調査結果の一例を示す図で、横軸に加熱温度、縦軸に鋼の表層部に形成された脱Cr層における最低Cr濃度を採って示してあり、図中、●印は9.2%Cr鋼、○印は12.9%Cr鋼の場合である。また、縦軸の最低Cr濃度は、母材とミルスケールの界面から母材側に5μmの位置までの間をEPMAによるビーム径1μmでの線分析結果の最低値である。
【0021】
図1からわかるように、加熱後における鋼表層部のCr濃度の低下度合は、母材のCr濃度と加熱温度によって大きく相違し、表層部のCr濃度は、一般的な焼戻し温度である500〜750℃に加熱した場合には大幅に低下し、母材のCr濃度にかかわらず、ほぼ同程度の濃度にまで低下する。これに対し、一般的な焼入れ温度である900℃以上に加熱した場合にはほとんど低下せず、母材のCr濃度が9.2%以上であれば、不動態被膜の形成に必要な9%以上のCr濃度が確保されることを知見した。
【0022】
すなわち、ミルスケール直下にCr濃度が9%未満となる脱Cr層が存在しない場合には、ミルスケールが付いたまま、あるいはその一部に鋼表面に達するまでのクラックなどがある場合でも、ミルスケールの表面に錆の発生を防止するための防錆油の塗膜を設けずとも、鋼表面に不動態被膜が確実に形成されて大気環境中に放置しておいても目視にて判別できる錆が発生しないこと、すなわち耐候性に優れることを知見した。
【0023】
なお、脱Cr層中の最低Cr濃度の加熱時間に対する依存性は、一般的な加熱時間である10〜90分の範囲内では認められなかった。また、最低Cr濃度となる位置は、母材とミルスケールの界面から母材側に5μm程度の位置までの範囲内であり、それよりも母材側になると徐々にCr濃度が母材レベルにまで回復することも判明した。
【0024】
【発明の実施の形態】
前述したように、本発明のミルスケール付きマルテンサイト系ステンレス鋼材は、母材とミルスケールの界面から母材側に5μmの位置までの間の最低Cr濃度が9質量%以上、母材はCr含有量9.2〜13質量%のマルテンサイト系ステンレス鋼でありさえすれば錆は発生しないものの、母材のマルテンサイト系ステンレス鋼は、Cr以外の化学組成が以下に述べるものであることが望ましい。
C:0.01〜0.1%
Cは、オーステナイト生成元素で、Cを添加含有させると、同じオーステナイト生成元素であるNi含有量を低減できるので、Cは0.01%以上積極的に添加含有させるのがよい。しかし、C含有量が0.1%を超えると、CO2 などを含む腐食環境における耐食性が劣化する。したがって、C含有量は0.01〜0.1%とするのがよい。なお、Ni含有量を低減する観点からはC含有量は0.02%以上とするのが望ましく、好ましい範囲は0.02〜0.08%、より好ましい範囲は0.03〜0.08%である。
【0025】
Si:0.05〜1%
Siは、脱酸剤として有効な元素である。しかし、その含有量が0.05%未満では、脱酸時のAlの損失が大きくなる。一方、1%を超えて含有させると、鋼の靱性が低下する。したがって、Si含有量は0.05〜1%とするのが望ましい。好ましい範囲は0.1〜0.5%、より好ましい範囲は0.1〜0.35%である。
【0026】
Mn:0.05〜1.5%
Mnは、鋼の強度を高めるのに効果的な元素である。また、オーステナイト生成元素であり、鋼の焼入れ処理時に、鋼の金属組織を安定してマルテンサイトとする効果のある元素である。しかし、後者の効果については、その含有量が0.05%未満では、その効果が少ない。一方、その含有量が1.5%を超えても、その効果は飽和する。したがって、Mn含有量は0.05〜1.5%とするのが望ましい。好ましい範囲は0.1〜1.0%、より好ましい範囲は0.1〜0.8%である。
【0027】
P:0.03%以下
Pは、不純物元素で、鋼の靱性に著しい悪影響を及ぼすとともに、CO2 などを含む腐食環境における耐食性を劣化させる。そのため、P含有量は低ければ低いほどよいが、0.03%までであれば特に問題ない。好ましい上限は0.02%、より好ましい上限は0.015%である。
【0028】
S:0.01%以下
Sは、上記のPと同様の不純物元素で、鋼の熱間加工性に著しい悪影響を及ぼす。そのため、S含有量は低ければ低いほどよいが、0.01%までであれば特に問題ない。好ましい上限は0.005%、より好ましい上限は0.003%である。
【0029】
Ni:0.1〜7.0%
Niは、オーステナイト生成元素であり、鋼の焼入れ処理時に、鋼の金属組織を安定してマルテンサイトとする効果のある元素である。さらに、Niは、CO2 、Cl− 、H2S などを含む厳しい腐食環境における耐食性、耐応力腐食割れ性などを確保するために重要な元素である。高価な元素であるので、Cを多く含有させれば低減できるが、前記の効果を得るには0.1%以上の含有量が必要である。しかし、7.0%を超えて含有させると、高価になる。したがって、Ni含有量は0.1〜7.0%とするのが望ましい。好ましい範囲は0.1〜3.0%、より好ましい範囲は0.1〜2.0%である。
【0030】
Al:0.0005〜0.05%
Alは、脱酸剤として有効な元素である。その目的のためには0.0005%以上の含有量が必要であるが、0.05%を超えて含有させると、靱性が劣化する。したがって、Al含有量は0.0005〜0.05%とするのが望ましい。好ましい範囲は0.005〜0.03%、より好ましい範囲は0.01〜0.02%である。
【0031】
N:0.1%以下
Nは、オーステナイト生成元素で、上記のCと同様に、Ni含有量を低減することができる元素である。しかし、N含有量が0.1%を超えると、靱性が劣化する。したがって、N含有量は0.1%以下とするのが望ましい。好ましい上限は0.08%、より好ましい上限は0.05%である。
【0032】
また、上記の望ましマルテンサイト系ステンレス鋼は、必要に応じて、以下のA群、B群およびC群のうちの1群以上の元素を添加含有させたものであってもよい。
【0033】
A群;MoおよびCuの1種以上
これらの元素は、いずれも、CO2 、Cl− を含む腐食環境における耐食性を向上させる元素で、その効果はいずれの元素も0.05%以上の含有量で顕著になる。しかし、Moは5%、Cuは3%を超えて含有させると、前記の効果が飽和するだけでなく、却って溶接熱影響部の靱性低下を招く。したがって、前記の効果を得たい場合には添加含有させてもよいが、その含有量は、それぞれ、0.05〜5%、0.05〜3%とするのが望ましい。Moの好ましい範囲は0.1〜2%、より好ましい範囲は0.1〜0.5%、Cuの好ましい範囲は0.05〜2.0%、より好ましい範囲は0.05〜1.5%である。
【0034】
B群;Ti、VおよびNbの1種以上
これらの元素は、いずれも、H2S を含む腐食環境下における耐応力腐食割れ性を向上させるとともに、高温での引張強さを向上させる元素で、その効果はいずれの元素も0.005%以上の含有量で顕著になる。しかし、いずれの元素も0.5%を超えて含有させると、靱性劣化を招く。したがって、前記の効果を得たい場合には添加含有させてもよいが、その含有量はいずれの元素も0.005〜0.5%とするのが望ましい。いずれの元素も、好ましい範囲は0.005〜0.2%、より好ましい範囲は0.005〜0.05%である。
【0035】
C群;B、Ca、MgおよびREMの1種以上
これらの元素は、いずれも、熱間加工性を向上させる元素で、その効果はBの場合0.0002%以上、Ca、MgおよびREMの場合0.0003%以上の含有量で顕著になる。しかし、いずれの元素も0.005%を超えて含有させると、靱性劣化を招くとともに、CO2 などを含む腐食環境下における耐食性を劣化させる。したがって、前記の効果を得たい場合には添加含有させてもよいが、その含有量は、Bについては0.0002〜0.005%、Ca、MgおよびREMについては0.0003〜0.005%とするのが望ましい。いずれの元素も、好ましい範囲は0.0005〜0.0030%、より好ましい範囲は0.0005〜0.0020%である。
【0036】
本発明のミルスケール付きマルテンサイト系ステンレス鋼材は、Cr含有量が9.2〜13質量%の母材からなる鋼材の最終熱処理を加熱温度900℃以上でおこない、加熱時に生成したミルスケールを除去することなくそのまま製品とすることにより得られるが、母材のCr含有量を9.2%以上、最終熱処理の加熱温度を900℃以上としたのは、前述したとおりの理由による。
【0037】
また、母材のCr含有量の上限を13%としたのは、最終熱処理を加熱温度900℃以上でおこなえば、ミルスケール直下にはCrの低下度が最大で約1%の脱Cr層が生成するだけで、不動態被膜の形成に必要なCr濃度9%に満たない脱Cr層は決して生成せず(前述の図1参照)、コスト上昇をもたらすだけの母材Cr量増加は不要なため、経済性を考慮してその上限を13%とした。
【0038】
なお、上記の最終熱処理は、熱間圧延後の鋼材を必ずしも900℃以上に再加熱しておこなう必要はなく、熱間圧延を仕上げ温度900℃以上で終了し、そのまま大気放冷したり水冷するなどする熱処理であってもよい。
【0039】
また、本発明にいう母材のCr濃度とは、当該母材全体の平均Cr濃度、すなわち取鍋値(レードル値)のことである。
【0040】
【実施例】
表1に示す化学組成を有する3種類の鋼を50kg真空溶解炉で溶製し、得られたインゴットを1250℃で2時間加熱した後、鍛伸し、厚さ50mm、幅120mmのブロックを作製した。次いで、各ブロックを1250℃で1時間加熱した後、熱間圧延して厚さ12mmの鋼板を仕上温度950℃で作製した。
【0041】
最終熱処理としては、前記熱間圧延の後、そのまま空冷(大気放冷)して焼入れする熱処理Aをおこなった。また、一部の鋼板については、比較のために、前記熱間圧延の後、950℃に再加熱して30分間保持後に空冷(大気放冷)して焼入し、次いで650℃に30分間加熱保持して焼戻しする熱処理Bもおこなった。
【0042】
そして、熱処理後の各鋼板から、厚さ5mm、一辺50mmの正方形のミルスケール付きのクーポン試験片を採取し、その耐候性を調べるために、次の腐食試験に供した。
【0043】
耐候性試験は、クーポン試験表面のミルスケールの中央部に鋼表面に達するクロスカットをつけた後、そのミルスケール表面に100倍に希釈した人工海水(ASTM D−1141に準拠)をスプレー噴霧して風乾し、温度50℃、相対湿度98%の大気雰囲気の恒温恒湿試験槽内に設置して1週間放置した。そして、試験後の試験片表面を目視観察し、錆発生の有無を調べた。
【0044】
また、熱処理後の各鋼板からは、ミルスケール付きの断面ミクロ試験片を採取して樹脂に埋め込み、母材とミルスケールの界面から母材側5μm位置までの間のCr濃度をEPMAによりビーム径1μmで線分析して脱Cr層中の最低Cr濃度を調べ、これらの結果を、表1に併せて示した。
【0045】
表1に示す結果からわかるように、本発明で規定する条件で作製した試番1〜3のミルスケール付き鋼板は、いずれも、鋼表層部のCr濃度がほぼ母材と同レベルで、9%以上が確保されており、大気雰囲気の上記腐食試験において目視にて判別できる錆は発生しておらず、耐候性が良好である。
【0046】
これに対し、最終熱処理が焼戻しで、その加熱温度が本発明で規定する条件を外れる条件で作製した試番4のミルスケール付き鋼板は、鋼表層部のCr濃度が母材の11.8%から大きく低下して7.6%と低くなっており、9%以上が確保されていないために、大気雰囲気の上記耐候性試験において錆が発生し、耐候性が不芳である。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、母材のCr含有量を増加させずとも、ミルスケール直下の鋼表層部にCr濃度が9%未満となる脱Cr層が存在しないミルスケール除去が不要で、しかも防錆油の塗膜省略が可能な大気環境中で目視で判別できる錆がほとんど発生しない安価なミルスケール付きマルテンサイト系ステンレス鋼材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ミルスケール直下の鋼表層部に形成される脱Cr層中の最低Cr濃度と加熱温度との関係の一例を示す図である。
Claims (1)
- Cr含有量が9.2〜13質量%の母材からなる鋼材の最終熱処理を加熱温度900℃以上でおこない、加熱時に生成したミルスケールを除去することなくそのまま製品とする、母材とミルスケールの界面から母材側に5μmの位置までの間の最低Cr濃度が9質量%以上であるミルスケール付きマルテンサイト系ステンレス鋼材の製造方法。
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