JP3924897B2 - プラスチックの処理方法および該処理方法で得られる固体燃料、鉱石用還元剤 - Google Patents

プラスチックの処理方法および該処理方法で得られる固体燃料、鉱石用還元剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉砕が容易なプラスチック処理物を得ることが可能なプラスチックの処理方法、および該処理方法によって得られる固体燃料、鉱石用還元剤に関し、さらには、ポリ塩化ビニルなどの塩素含有プラスチックを含むプラスチックを、実質的に塩素を含有しないプラスチック処理物に転化することが可能なプラスチックの処理方法、および該処理方法によって得られる固体燃料、鉱石用還元剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の廃プラスチックの有効利用の一つの解決手段として、廃プラスチックから固体燃料を製造する方法が考えられる。
これは、プラスチックは、微粉化することによって燃焼性が飛躍的に向上し、有用な燃料資源となり得るからである。
【0003】
プラスチックを固体燃料に転化する従来の技術は、例えば「プラスチックス Vol.47, No.7, p60」に解説されているように、プラスチックを直接粉砕機で微粉砕するものである。
しかし、この方法の場合、堅いプラスチックを1〜2mmの粒度にまで粉砕しなければならず、しかもこの粉砕に多大の時間と費用を要し、また、繊維状やフィルム状のプラスチックは粉砕が困難なため、別途、溶融固化後に粉砕しなければならず、工程が複雑になるなどの問題があった。
【0004】
さらに、ポリ塩化ビニルなどの塩素を含有するプラスチックは、焼却すると有害物質であるダイオキシンを発生し、加熱処理を行うと塩化水素ガスが発生して容器や配管を腐食させるため、他のプラスチックとは別にして、熱処理などによって脱塩化水素する必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記した従来技術の問題点を解決し、フィルム類が混合していても処理が可能で、しかも、脱塩化水素処理も同時に行え、粉砕が容易なプラスチック処理物を得ることが可能なプラスチックの処理方法、および該処理方法による固体燃料、鉱石用還元剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記した目的を達成するために各種方法を検討する過程で、プラスチックを150 ℃以上の温度に加熱することによって、プラスチックの結合の一部が熱により切断されるか、またはプラスチック分子鎖の絡み合いがほぐされ、さらに、上記した加熱後、プラスチックの分解生成物やプラスチック中の可塑剤などの低沸点成分を除去することにより、粉砕し易いプラスチック処理物を得ることが可能であることを見出した。
【0007】
また、異種のプラスチックを2種類以上併用すると、熱処理工程で異種のプラスチック同士の溶融、混合などが生じ、ポリマー鎖の配列が不規則になり、得られる処理物が脆くなり、この結果、粉砕し易いプラスチック処理物が得られることを見出した。
さらには、本発明によれば、熱処理工程で脱塩化水素も同時に行え、低沸点成分の除去工程でプラスチック処理物から塩化水素など塩素化合物を除去できるため、本発明のプラスチック処理物を固体燃料などとして使用したときにダイオキシンや塩化水素ガスなどの発生もない。
【0008】
すなわち、第1の発明は、塩素含有プラスチックおよび該塩素含有プラスチックとは異なる他の1種類以上のプラスチックを含む混合物であるプラスチックを 150℃以上の温度で加熱処理した後、低沸点成分を除去し、冷却、固化することを特徴とするプラスチックの処理方法である。
第2の発明は、塩素含有プラスチックおよび該塩素含有プラスチックとは異なる他の1種類以上のプラスチックを含む混合物であるプラスチックを 150℃以上の温度で加熱処理した後、低沸点成分を除去し、冷却、固化した後、粉砕を施すことを特徴とするプラスチックの処理方法である。
【0009】
前記した第1の発明、第2の発明においては、低沸点成分を除去して得られた処理物を、低沸点成分除去時の処理温度から冷却開始後10分以内に100 ℃以下に冷却、固化することが好ましい。
【0010】
また、前記した第1の発明、第2の発明においては、前記混合物が、廃プラスチックおよび/または容器包装材料であることが好ましい
【0011】
さらに、前記した第1の発明、第2の発明においては、前記した低沸点成分の除去方法として蒸留法を用いることが好ましく、さらには、該蒸留法として、被処理物の雰囲気圧力≦(大気圧−500Torr )の圧力条件下での減圧蒸留法を用いることが、より好ましい。
さらに、前記した第1の発明、第2の発明においては、プラスチックを 150℃以上の温度で加熱処理した後、および/または低沸点成分を除去した後、処理物中の不溶分を除去し、その後、冷却、固化することが、、より好ましい。
【0012】
第3の発明は、前記した第1の発明、第2の発明のプラスチックの処理方法で得られたプラスチック処理物である固体燃料である。
第4の発明は、前記した第1の発明、第2の発明のプラスチックの処理方法で得られたプラスチック処理物である鉱石用還元剤である。
第5の発明は、塩素含有プラスチックおよび該塩素含有プラスチックとは異なる他の1種類以上のプラスチックを含む混合物を150 ℃以上の温度で加熱処理する熱処理工程と、低沸点成分を除去する低沸点成分の除去工程と、冷却し、固化したプラスチック処理物の塊を得る冷却・固化工程を順次施すことを特徴とするプラスチック処理物の製造方法である。
また、前記した第5の発明においては、前記冷却・固化工程が、前記低沸点成分除去後の処理物を低沸点成分の除去工程の処理温度から冷却開始後10分以内に100 ℃以下に冷却し、固化したプラスチック処理物の塊を得る工程であることが好ましい。
また、前記した第5の発明においては、前記熱処理工程後および/または前記低沸点成分の工程後に不溶分を除去する不溶分の除去工程を施すことが好ましい。
また、前記した第5の発明においては、前記混合物が廃プラスチックおよび/または容器包装材料であることが好ましい。
また、前記した第5の発明においては、前記冷却・固化工程に続き前記プラスチック処理物の塊を所定の大きさに粉砕する粉砕工程を施すことが好ましい。
また、第5の発明においては、前記プラスチック処理物の塊を所定の大きさに粉砕する前記粉砕工程を施し、鉱石用還元剤又は固体燃料とすることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、本発明に係わるプラスチック、熱処理工程、低沸点成分の除去工程、不溶分の除去工程、冷却、固化工程および粉砕工程の順に、さらに詳細に説明する。
〔プラスチック:〕
本発明の対象とするプラスチックは、バージン材プラスチック以外に、都市ゴミ、産業廃棄物などに含まれる廃プラスチックや容器包装材料、および電機製品、自動車などの解体の過程で発生する廃プラスチックなどが例示される。
【0014】
プラスチックとして具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニルデンなど塩素を含有する塩素含有プラスチックと該塩素含有プラスチックとは異なる他の1種以上、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートおよびナイロンやその他の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などの混合物が適用可能である。
【0015】
なお、本発明の方法では、全てのプラスチックが溶融状態で低分子化した状態になる必要はなく、得られた固体燃料中に、熱硬化性樹脂などの一部不融物が残存していても、粉砕などに著しい障害がなければよい。
本発明では、異なる種類のプラスチック混合物を用いることにより、後述する熱処理工程で、異種のプラスチックの溶融、混合などが生じ、ポリマー鎖の配列が不規則になり、得られるプラスチック処理物が脆くなり、プラスチック処理物の粉砕がより容易になる。
【0016】
特に、本発明によれば、プラスチックに含まれる塩素などのハロゲン元素は、処理中に塩化水素などのハロゲン化水素となり、分離が容易になる
したがって、本発明によれば、廃プラスチックの選別が不要であり、この点でも、極めて有利である。
【0017】
すなわち、本発明の方法に従って処理を行うと、実質的に塩素などのハロゲン元素をほとんど含まないプラスチック処理物を得ることができる。
また、本発明で用いるプラスチックの形状寸法は、粗く粉砕したものでよく、10cm角程度の大きさで十分であり、一般的な廃プラスチックでは、改めて粉砕する必要がなく、回収されたままの状態で処理可能であり、フィルム状、シート状、繊維状のプラスチックもそのままの形で処理できる。
【0018】
細かく破砕した方が加熱が容易になるが、その分、破砕のコストは高くなる。
〔熱処理工程:〕
プラスチックを 150℃以上の温度に加熱する方法は特に限定されない。
すなわち、プラスチックを収納した容器を、単に加熱する方法やプラスチックと高温の媒体を容器内で混合する方法など、いかなる方法でもよい。
【0019】
高温媒体を用いる場合は、高温媒体として熱風、熱砂などが例示される。
熱砂などの固体の高温媒体を用いた場合は、後工程に沈降分離法や濾過法などによる固液分離工程を組み込めばよい。
処理温度は 150℃以上である。
プラスチックを 150℃以上の温度に加熱することにより、プラスチックの結合の一部が熱により切断されたり、プラスチック分子鎖の絡み合いがほぐされて、冷却後に得られる固形物の強度が弱まるものと考えられ、さらに、異種のプラスチックが溶融、混合されると、ポリマー鎖の配列が不規則になり、得られるプラスチック処理物が脆くなり、粉砕が容易となる。
【0020】
処理温度が 150℃未満では、冷却後に得られるプラスチック処理物の硬さは元のプラスチックと殆ど変わらず、その微粉砕が困難であり、処理温度が高い程、前記結合の切断などがより多く生じると考えられ、冷却後に得られるプラスチック処理物の粉砕性が良好となる。
一方、処理温度が高すぎると、プラスチックのガス化や油化によって、冷却後の固形物の収率が低下する。
【0021】
したがって、処理温度は 150℃以上と規定するが、その上限は450 ℃とすることがよく、より好ましくは200 〜400 ℃、さらに好ましくは250 〜380 ℃の温度範囲である。
プラスチックは組成にも依存するが、約140 ℃以上で、溶融状態となり、好ましくはこのときに撹拌・混合すれば、得られる物質の均質性が高まり、また、前記した靱性の低下も促進され、冷却後に得られるプラスチック処理物の粉砕がより容易となる。
【0022】
プラスチックを 150℃以上の温度に昇温した後は、 150℃以上の温度に一定時間保持することが好ましい。
この保持時間は長い方が脱塩化水素が確実に行え、また、低沸点成分除去後に得られるプラスチック処理物が脆くなるので好ましいが、長すぎるとプラスチックの分解、ガス化が進行して目的とする固体の収率が低下したり、設備の処理能力が低下するなどの問題が生じる。
【0023】
好ましい保持時間は10分〜6時間であり、より好ましくは20分〜3時間である。
熱処理を行っている間は、撹拌や、空気または不活性ガスを用いたバブリングを行った方が脱塩化水素が効率的に行われるので好ましい。
〔低沸点成分の除去工程:〕
前記した加熱処理の終了後、プラスチックから低沸点成分を除去した後、冷却し、プラスチック処理物の塊を得る。
【0024】
この低沸点成分の除去工程で、プラスチック中の可塑剤、塩化水素などの反応生成物、プラスチックの分解生成物などの低沸点成分が除去され、得られたプラスチック処理物の粉砕性が向上する。
また、常温で液体の成分がプラスチック処理物中に残留していると粉砕後に凝集が生じたり粉砕性が低下することがあるため、低沸点成分の除去を行う。
【0025】
低沸点成分の除去は、蒸留法、乾燥法などを用いることができる。
蒸留で行う場合は、簡単な単蒸留でも可能であり、バッチ式、連続式いずれの方法でもよい。
いずれの場合でも、蒸留後に得られるピッチ状の釜残は任意の方法で抜き出し、冷却して目的物であるプラスチック処理物を得ることができる。
【0026】
蒸留温度は、150 〜400 ℃であることが好ましい。
蒸留温度は、より好ましくは200 〜400 ℃、さらに好ましくは250 〜380 ℃である。
蒸留法としては、常圧蒸留、減圧蒸留いずれでもかまわないが、減圧蒸留の方が低沸点成分の除去効率が高いため好ましく、被処理物の雰囲気圧力≦(大気圧−500Torr )の圧力条件下での減圧蒸留法を用いることが、より好ましい。
【0027】
乾燥法で行う場合は、任意の大きさの容器に収納し、キルン内で処理するなどの方法を用いることが可能である。
乾燥法の場合の処理温度は、150 〜400 ℃が好ましい。
乾燥法の場合の処理温度は、より好ましくは200 〜400 ℃、さらに好ましくは250 〜380 ℃である。
【0028】
本発明においては、噴霧乾燥法で低沸点成分の除去を行うことも可能である。
この場合、150 〜400 ℃の温度のプラスチックを噴霧させるのが好ましい。
低沸点成分の除去工程の温度が低すぎると、低沸点成分の除去が困難となり、逆に、高すぎると、プラスチックのガス化や油化が生じ、冷却後の固形物の収率が低下する。
【0029】
本工程で除去される低沸点成分は、プラスチックが分解した低分子量成分、プラスチック中の可塑剤などの添加剤や塩化水素などの反応生成物質である。
低沸点成分除去時の温度は、熱処理工程の温度と同一でも異なっていてもよい。
低沸点成分除去時の温度が熱処理工程の温度より高い方が、低沸点成分を除去し易く、好ましい。
【0030】
〔不溶分の除去工程:〕
本発明においては、前記した熱処理工程後または低沸点成分の除去工程後または両工程の後において、処理物から不溶分を除去することが、より好ましい。
前記した熱処理工程の後工程および/または低沸点成分の除去工程の後工程として、遠心分離法、静置分離法、濾過法などによる固液分離工程を組み込んだ場合は、プラスチック中にガラス、金属などの無機物や紙類などを含んでいても処理可能であり、例えば、金属キャップがついたままのボトル類をも処理可能である。
【0031】
また、不溶分を除去することによって、金属などの無機物が除去され、後工程における粉砕が容易となるばかりでなく、含塩素量の少ないプラスチック処理物が得られる。
すなわち、ポリ塩化ビニルなどの塩素含有プラスチックを脱塩化水素する場合、炭化物が生じ易く、また、この炭化物中には塩素成分が含まれ易く、前記した熱処理工程の後工程および/または低沸点成分の除去工程の後工程において不溶分を除去することによって、得られるプラスチック処理物中の含塩素量をより一層低減できる。
【0032】
〔冷却、固化工程:〕
低沸点成分除去後の処理物を冷却して、固化したプラスチック処理物を得る。
冷却方法、冷却速度は特には限定されないが、冷却速度が速い方が、得られたプラスチック処理物が粉砕し易いものになる。
本発明においては、低沸点成分の除去時の温度から100 ℃以下の温度迄冷却する時間を、冷却開始から10分以内とすることが好ましい。
【0033】
〔粉砕工程:〕
本発明においては、冷却、固化したプラスチック処理物の塊を所定の大きさに粉砕することが好ましい。
この段階での粉砕は未処理のプラスチックの粉砕よりも極めて容易である。
したがって、あらゆるタイプの粉砕機で粉砕可能であり、例えばジョークラッシャー、ロールクラッシャー、ボールミル、遠心ミルなどを用いることができる。
【0034】
粉砕後の粒度は使用対象に応じて決めればよく、所定の粒度となるように粒度調節を行えば、例えば、鉄鉱石などの鉱石還元剤、すなわち、高炉用の還元剤などの原燃料や、ボイラー、キルンなどの燃焼用燃料として使用できる。
さらに、本発明の処理方法で得られたプラスチック処理物は、粉砕性が優れているため、上記した用途以外にも、微粉で燃焼性に優れた固体燃料、還元剤として使用できる。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
参考例1)
内容積5lのステンレス製反応器に、ポリエチレン(フィルム状)、ポリプロピレン(板状)、ポリスチレン(板状)、ポリエチレンテレフタレート(繊維状)を、それぞれ約10cm角または約10cm長に切断したものを各300g投入し、反応器外壁のヒーターによって昇温を開始した。
【0036】
なお、上記した4種類のプラスチックの上記配合量における混合物の成分分析値は、C:81wt%,H:11wt%,O:8wt%であった。
昇温開始後、反応器内の温度が 180℃を超えた時点でプラスチックの大部分が溶融したので撹拌を開始し、最終的には 330℃まで昇温し、その温度で2時間保持した。
【0037】
次に同温度で50Torr(絶対圧)の減圧蒸留を2時間行い、その後、常温まで冷却した結果褐色の固体が得られた。
得られた褐色の塊状の固体5gを回転刃式粉砕機に装入して粉砕したところ、容易に粉砕され、粉砕時間20秒で平均粒径が1mmの微粉固体が得られた。
参考例において使用したプラスチックの種類、形状、寸法、反応器への投入量(:添加量)、その他の処理条件および得られた塊の成分分析値、粉砕試験結果などの試験結果を表1に示す。
【0038】
(実施例11、比較例1、2)
参考例1とは配合量の異なる各種プラスチック(混合物の成分分析値 C:73wt%,H:9wt%,O:7wt%,Cl:11wt%)を用い、熱処理条件、脱低沸点成分の条件などを変化させた以外は参考例1と同様に処理して、プラスチック処理物を得た。
【0039】
得られた塊状の固体を、参考例1と同じ粉砕機を用いて粉砕し、粉砕時間と平均粒径を測定した。
本実施例、比較例において使用したプラスチックの種類、形状、寸法、反応器への投入量(:添加量)、その他の処理条件および得られた塊の成分分析値、粉砕試験結果などの試験結果を表1に示す。
【0041】
(実施例12
実施例において、低沸点成分除去後の処理物を、低沸点成分除去時の温度と同じ温度で熱濾過を行い、固形の不溶分を除去した以外は実施例と同様にして処理物を得た後、冷却、固化した。
得られた塊の成分分析値、粉砕試験結果を表1に示す。
【0042】
(比較例3)
ポリエチレン(フィルム状)、ポリプロピレン(板状)、ポリスチレン(板状)、ポリ塩化ビニル(板状)、ポリエチレンテレフタレート(繊維状)を約1cm角または約10cm長に切断したもの各10gを、一緒に回転刃式粉砕機に装入し粉砕を試みた。
【0043】
しかし、フィルム状、繊維状のプラスチックが回転刃に絡み付き、粉砕ができなかった。
以上の結果から、本発明の処理方法によって得られたプラスチック処理物は、粉砕が容易で、かつ塩素の含有量が少なく、ボイラーやキルン用の固体燃料、鉄鉱石の還元剤などの用途向けとして優れたものであることがわかる。
【0044】
【表1】
Figure 0003924897
【0045】
【表2】
Figure 0003924897
【0046】
【表3】
Figure 0003924897
【0047】
【表4】
Figure 0003924897
【0048】
【表5】
Figure 0003924897
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、従来の生プラスチックを直接粉砕する方式における諸問題が大幅に改善される。
すなわち本発明によれば下記▲1▼〜▲5▼の優れた効果が得られる。
▲1▼:例えば1〜2mm角へのプラスチックの直接微粉砕は不要になり、10cm角程度への予備粉砕で十分である。
【0050】
▲2▼:冷却固化して得られるプラスチック処理物は脆く、微粉砕が極めて容易である。
▲3▼:フィルム状、繊維状のプラスチックでも他のプラスチックと同時に処理できる。
▲4▼:ポリ塩化ビニルなどの塩素含有プラスチックも同時に処理することができる。
【0051】
▲5▼:本発明の方法で得られるプラスチック処理物は、粉砕性に優れ、塩素を実質的に含有しない微粉を得ることができ、燃焼性に優れた無公害の燃料、還元剤などとして用いることができる。
また、本発明によれば、連続処理を行うことが可能であるため、複雑かつ高価な装置を用いる必要がなく、また、大きな反応容器を用いれば大量処理も可能であり、経済性にも優れている。

Claims (13)

  1. 塩素含有プラスチックおよび該塩素含有プラスチックとは異なる他の1種類以上のプラスチックを含む混合物であるプラスチックを 150℃以上の温度で加熱処理した後、低沸点成分を除去し、冷却、固化することを特徴とするプラスチックの処理方法。
  2. 前記冷却、固化した後、粉砕を施すことを特徴とする請求項1記載のプラスチックの処理方法。
  3. 低沸点成分を除去して得られた処理物を、低沸点成分除去時の処理温度から冷却開始後10分以内に100 ℃以下に冷却、固化することを特徴とする請求項1または2記載のプラスチックの処理方法。
  4. 記混合物が、廃プラスチックおよび/または容器包装材料であることを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載のプラスチックの処理方法。
  5. 前記プラスチックを 150℃以上の温度で加熱処理した後、および/または低沸点成分を除去した後、処理物中の不溶分を除去し、その後、冷却、固化することを特徴とする請求項1〜いずれかに記載のプラスチックの処理方法。
  6. 請求項1〜いずれかに記載のプラスチックの処理方法で得られたプラスチック処理物である固体燃料。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載のプラスチックの処理方法で得られたプラスチック処理物である鉱石用還元剤。
  8. 塩素含有プラスチックおよび該塩素含有プラスチックとは異なる他の1種以上のプラスチックを含む混合物を 150℃以上の温度で加熱処理する熱処理工程と、低沸点成分を除去する低沸点成分の除去工程と、冷却し、固化したプラスチック処理物の塊を得る冷却・固化工程を順次施すことを特徴とするプラスチック処理物の製造方法。
  9. 前記冷却・固化工程が、前記低沸点成分除去後の処理物を低沸点成分の除去工程の処理温度から冷却開始後10分以内に100 ℃以下に冷却し、固化したプラスチック処理物の塊を得る工程であることを特徴とする請求項に記載のプラスチック処理物の製造方法。
  10. 前記熱処理工程後および/または前記低沸点成分の除去工程後に不溶分を除去する不溶分の除去工程を施すことを特徴とする請求項又はに記載のプラスチック処理物の製造方法。
  11. 記混合物が廃プラスチックおよび/または容器包装材料であることを特徴とする請求項8ないし 10 いずれかに記載のプラスチック処理物の製造方法。
  12. 前記冷却・固化工程に続き、前記プラスチック処理物の塊を所定の大きさに粉砕する粉砕工程を施すことを特徴とする請求項8ないし 11いずれかに記載のプラスチック処理物の製造方法。
  13. 前記粉砕工程を施し、鉱石用還元剤又は固体燃料とすることを特徴とする請求項12に記載のプラスチック処理物の製造方法。」
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