JP3924383B2 - 衛星航法装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、全世界的航法システム(Global Orbiting Navigation Satellite System 、以下GLONASSと略す。)におけるGLONASS衛星から、あるいは、GLONASS衛星と、NAVSTAR/GPS(Navigation System using Time and Ranging/Global Positioning System、以下GPSと略す。)におけるGPS衛星からの衛星信号を受信し、利用者の現在位置を測位する衛星航法装置に関し、特にGLONASSシステムにおいて、衛星から取得して4年以上経過したアルマナックデータを使用して衛星の軌道計算を行った場合でも、可視衛星を正しく求めることを可能とした衛星航法装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
全世界的航法システムGLONASSは、人工衛星を利用する航法システムの一種であり、ロシアにより民間利用の目的で一部開放されているシステムである。
【0003】
航空機、船舶、自動車等の移動体における利用者は、移動体に衛星信号受信機を含む衛星測位装置を搭載し、3つの衛星軌道上に各8個ずつ合計24個配されたGLONASS衛星のうち、4個の衛星が発する電波を同時に受信し、測位計算すれば、受信位置の3次元座標(位置)を計測することができる。
【0004】
この種のシステムとしては、NAVSTAR/GPS(Navigation System using Time and Ranging/Global Positioning System)が米国空軍から民間利用の目的で一部開放されており、移動体の位置計測手段として近年広く一般に利用されるようになってきている。
【0005】
GLONASSの基本原理は、GPSの基本原理とほぼ同様である。最大の相違点は、GPSにおいては、各衛星の発する電波(衛星信号)の周波数は同一であり、各衛星の衛星信号の区別は、電波を変調する符号コードを衛星毎に相違させることにより行うのに対し、GLONASSにおいては、逆に各衛星の符号コードは同一であり、周波数を衛星毎に相違させて各衛星信号の区別を行う点にある。
【0006】
GLONASSにおける衛星信号とそれによる測位方法の概略を述べる。
【0007】
GLONASSシステムは、上述したように、3つの軌道に各8個ずつ、計24個の衛星で構成されており、衛星信号の搬送波周波数は、1598.0625MHz(チャネル−7 )から1609.3125MHz(チャネル+13)まで、0.5625MHz間隔で21チャネルの周波数毎に配置されている。各衛星信号は、全衛星に共通なPNコードと呼ばれる疑似雑音符号と航法データにより変調されている。
【0008】
PNコードは、0と1とが一見不規則に並ぶ所定長の2進データが繰り返される。所定長データ内の不規則性により雑音に似た性質が生じ、疑似雑音符号と呼ばれている。このような変調方式は電波妨害に対して強いという特徴を有している。
【0009】
PNコードが雑音的性質を有するといっても、あくまで人工的なものであり、受信機側においても同一のパターンの信号を発生することができる。衛星信号に対して、受信機側に設けた疑似信号発生回路で発生したPNコードを時間的にずらせながら照合していくと、両者が一致するタイミングがある。
【0010】
各衛星信号の位相は、時刻に基づいて管理されており、その位相と時刻との関係は、受信機側においても既知である。従って、受信機側の時計が衛星上の時計と完全に同時刻性を有しているならば、PNコードの一致タイミングから、衛星と受信機間の電波伝播時間を知ることができ、これから衛星と受信機間の距離を算出することができる。
【0011】
しかし、衛星と受信機との間の同時刻性を保証することは現実には難しく、衛星と受信機間の未知量の時刻ずれがあり、前記の距離は誤差を有している。このため、前記の距離は疑似距離と呼ばれる。
【0012】
一方、航法データは各衛星の位置情報および時刻情報であり、PNコードに2次的な変調をかける形で送信されている。従って、受信装置側に設けた疑似信号発生回路により発生したPNコードによって受信電波を復調(逆拡散)し、信号電波を抽出することができる。
【0013】
もし、衛星と受信機間の時刻のずれがなければ、疑似距離は衛星と受信機間の正確な距離を示すので、3個の衛星の衛星信号から得られる各衛星の位置と、それに対する疑似距離とから、受信機の位置を算出し決定することができる。
【0014】
しかし、実際には、先に述べたように、各衛星と受信機との間には未知量の時刻のずれが存在するため、これを除去するために4個の衛星の位置と疑似距離を用いる。
【0015】
衛星から送信される航法データは、送信(放送)している衛星自身の精密軌道データや時刻情報などの集まりであるエフェメリスデータと、他の衛星の分まで含んだ全衛星の概略軌道データであるアルマナックデータとからなる。
【0016】
さて、船舶や自動車などの移動体において、このような衛星信号をGLONASS受信機で受信して測位計算を行おうとする場合、まず、当該移動体の現在時点、現在位置において、上空に見える可視衛星を知る必要がある。GLONASSシステムにおいて、可視衛星を求めるためには、最初に、24個すべての衛星について軌道計算を行う。軌道計算には、24個すべての衛星の軌道情報が必要になるため、通常は前記の航法データのうち、全衛星のデータの得易いアルマナックデータが使用される。
【0017】
GLONASS衛星のアルマナックデータは、1日に1回更新され、ロシア時刻の午前0時時点の軌道のデータが1日を通して衛星から放送されている。このアルマナックデータには、その軌道データが何時(何年何月何日)の午前0時のものかを表す「アルマナック基準時刻」と称される情報が含まれており、このアルマナック基準時刻情報は、1日単位の整数で表現され、値域はうるう年の1月1日を1とし、次のうるう年の直前の年の12月31日までである。従って、何日か前に衛星から受信したアルマナックデータでも「アルマナック基準時刻」から、現時点までの経過時間を求めて軌道計算を行うことにより、現在の可視衛星を求めることができる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したようにGLONASS衛星のアルマナックデータにおける「アルマナック基準時刻」の値域は4年間であり、GLONASS衛星にはこれより広い値域を持つ時刻情報が存在しないため、「アルマナック基準時刻」は4年のあいまいさを持っている。従って、実際に「アルマナック基準時刻」から、現在までの経過時間を計算する際には、求める経過時間を4年以内に制限せざるを得ないという問題がある。
【0019】
これに対して、GPSシステムにおけるアルマナックデータの「アルマナック基準時刻」は、値域が1週間分と短いが、これとは別に、週を表す情報が付加されており、この値域が210≒19.6年分あり、アルマナックデータの有効期間が約19.6年となっている。
【0020】
上記したように、GLONASSシステムにおいて、可視衛星を求める計算を行う際に、「アルマナック基準時刻」から現在までの経過時間を計算するには、求める経過時間を4年以内に制限せざるを得ない。それゆえ、取得してから4年以上経過したアルマナックデータを軌道計算に使用した場合には、現実の可視衛星とは異なる衛星を誤って可視衛星として認識してしまい、なかなか衛星を捕捉できない事態を招くという不都合が存在していた。
【0021】
もちろん、衛星からの信号を受信すれば、最新のアルマナックデータを取得でき、実用の衛星信号受信機では、電源を切断している間も不揮発性メモリにアルマナックデータを保持することができるため、頻繁に受信機を使用していれば、アルマナックデータが4年以上古くなることはない。
【0022】
しかしながら、受信機を最初に使用する時や、何らかの原因で受信機内部に保持していたアルマナックデータが失われた場合には、受信機の製造時に書き込まれたアルマナックデータ定数が用いられることになる。このため、購入後4年以上経過した受信機で、内部に保持したアルマナックデータが失われたような場合には、前述のような理由で可視衛星の計算を誤ることになってしまう。
【0023】
この発明はこのような課題を考慮してなされたものであって、GLONASSシステムにおいて、衛星から取得して4年以上経過したアルマナックデータを使用して衛星の軌道計算を行った場合でも、可視衛星を正しく求めることを可能とする衛星航法装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明は、例えば、図面中の符号等を( )を付けて説明すれば、GLONASS衛星からの衛星信号を受信し、最も近い過去のうるう年の年頭(C)からの通算日数で表現されるアルマナック基準時刻(B:da)を含むアルマナックデータを復調するGLONASS航法データ復調手段(16、20)と、
GPS衛星からの衛星信号を受信し、GPSシステム時刻に基づく現在時刻を復調するGPS航法データ復調手段(18、22)と、
復調された現在時刻の日付(A)を、予め定めた過去のうるう年の年頭からの通算日数である拡大現在時刻(dn)に換算するとともに、前記最も近い過去のうるう年の年頭(D)からの通算日数である剰余現在時刻(dnm)に換算し、前記アルマナック基準時刻と前記剰余現在時刻との差(M)を求め、当該差分だけ前記拡大現在時刻を補正することにより、前記予め定めた過去のうるう年の年頭からアルマナック基準時刻までの通算日数である拡大アルマナック基準時刻(dat)を算出する拡大アルマナック基準時刻算出手段(30)と、
前記GLONASS衛星のアルマナックデータが復調される毎に、当該アルマナックデータと前記拡大アルマナック基準時刻とを、アルマナック記憶値として記憶するアルマナックデータ記憶手段(32)と、
GLONASS衛星あるいはGPS衛星からの衛星信号を受信してユーザ位置を算出する測位計算手段(40)と、
前記測位計算手段によって得られたユーザ位置もしくは外部から設定されたユーザの概略位置を記憶するユーザ位置記憶手段(42)と、
前記ユーザ位置と、前記拡大現在時刻と、前記拡大アルマナック基準時刻を含むアルマナック記憶値とを用いて、現在の時刻、位置におけるGLONASS衛星中の可視衛星を選定する可視衛星選定手段(38)とを備えたことを特徴とする。
【0025】
本発明によれば、GPSシステムの時刻情報を援用してGLONASSシステムの値域を4年から19.6年に拡大することにより、4年以上経過したアルマナックデータを使用して軌道計算を行った場合でも、可視衛星を正しく求めることができる。
【0026】
また、この発明は、GLONASS衛星からの衛星信号を受信し、最も近い過去のうるう年の年頭からの通算日数で表現されるアルマナック基準時刻を含むアルマナックデータを復調するGLONASS航法データ復調手段(16、20)と、
外部より現在時刻を入力するための外部データ入力手段(24)と、
前記外部データ入力手段より入力された現在時刻の日付を、予め定めた過去のうるう年の年頭からの通算日数である拡大現在時刻に換算し、現在時刻の日付を、最も近い過去のうるう年の年頭からの通算日数である剰余現在時刻に換算し、前記アルマナック基準時刻と剰余現在時刻との差を求め、当該差分だけ前記拡大現在時刻を補正することにより、前記予め定めた過去のうるう年の年頭からアルマナック基準時刻までの通算日数である拡大アルマナック基準時刻を算出する拡大アルマナック基準時刻算出手段(30)と、
前記GLONASS衛星のアルマナックデータが復調される毎に、当該アルマナックデータと前記拡大アルマナック基準時刻とをアルマナック記憶値として記憶するアルマナックデータ記憶手段(32)と、
GLONASS衛星信号を受信してユーザ位置を算出する測位計算手段(40)と、
前記測位計算手段によって得られたユーザ位置もしくは外部から設定されたユーザの概略位置を記憶するユーザ位置記憶手段(42)と、
前記ユーザ位置と、前記拡大現在時刻と、拡大アルマナック基準時刻を含むアルマナック記憶値とを用いて、現在の時刻、位置におけるGLONASS衛星中の可視衛星を選定する可視衛星選定手段(38)とを備えたことを特徴とする。
【0027】
本発明によれば、GPS衛星からの信号を受信しないで、GLONASS衛星からの衛星信号のみを用いる場合においても、外部から正しい現在時刻を入力することで、GPSシステムを用いた場合と同等以上の19.6年以上の期間にわたっての可視衛星の選定計算が可能である。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明に係る衛星航法装置について、好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る衛星航法装置10の構成を示すブロック図である。
【0029】
衛星航法装置10は、衛星信号を受信する受信アンテナ12と、GLONASS衛星信号とGPS衛星信号をそれぞれの受信部に分配する分配器14と、両衛星信号をそれぞれ受信するGLONASS受信部16、GPS受信部18と、両衛星信号からそれぞれの航法データを復調するGLONASS航法データ復調部20、GPS航法データ復調部22と、現在時刻とユーザの概略位置を外部から入力するための外部データ入力装置24と、GPS航法データ復調部22から得られた現在時刻と外部データ入力装置24から入力された現在時刻とのいずれかを選択する時刻情報選択部26とを有している。なお、時刻情報選択部26は、GPS航法データ復調部22の現在時刻と外部データ入力装置24の入力された現在時刻が両方とも得られているとき、GPS航法データ復調部22から得られた現在時刻を優先して選択する。
【0030】
衛星航法装置10は、さらに、時刻情報選択部26により選択された現在時刻が設定され、電源が遮断状態の間にも時刻をカウント(計時)するリアルタイムクロック(実時間で計時する時計)28と、リアルタイムクロック28から得られた現在時刻を利用し、GLONASS航法データ復調部20から得られた4年の値域を持つアルマナック基準時刻から4年以上の十分な値域を持つ拡大アルマナック基準時刻を計算する拡大アルマナック基準時刻計算部30と、GLONASS航法データ復調部20から得られたアルマナックデータおよび拡大アルマナック基準時刻計算部30で得た拡大アルマナック基準時刻を記憶するアルマナックデータ記憶部32と、製造時に蓄積記憶されるアルマナックデータ定数の記憶部34と、アルマナックデータ記憶部32に記憶されたアルマナックデータと拡大アルマナック基準時刻あるいはアルマナックデータ定数の記憶部34のアルマナックデータのいずれかを選択するアルマナックデータ選択部36と、選択されたアルマナックデータから可視衛星を選定する可視衛星選定部38と、選定された可視衛星を使用してユーザ位置を計算する測位計算部40と、ユーザ位置記憶部42とを備えている。
【0031】
次に、このように構成された衛星航法装置10の作用について説明する。GLONASS衛星およびGPS衛星の両方の衛星信号を受信できる周波数帯域を有する受信アンテナ12で受信した衛星信号は、分配器14によりそれぞれGLONASS受信部16とGPS受信部18に分配され、GLONASS受信部16とGPS受信部18はそれぞれGLONASS衛星とGPS衛星からの衛星信号を探索して追尾する。
【0032】
GLONASS受信部16において受信された衛星信号は、GLONASS航法データ復調部20に送出される。GLONASS航法データ復調部20においてその航法データが復調され、GLONASSシステムにおけるアルマナックデータと、アルマナック基準時刻が抽出される。ここで得られるアルマナック基準時刻の値域は、上述したように、GLONASSシステムの仕様により4年である。
【0033】
一方、GPS受信部18において受信された衛星信号は、GPS航法データ復調部22に送出され、GPS航法データ復調部22においてその航法データを復調し、GPSシステムにおける現在時刻が抽出される。ここで得られる現在時刻の値域は、上述したようにGPSシステムの仕様により約19.6年である。この現在時刻情報は、1980年1月6日を起点としてカウント(計時)され、19.6年周期で繰り返されるが、現在のカウント値が何年何月何日に当たるかを解釈する設定はユーザ側の衛星航法装置(受信機)側で自由に決めることができる。このため、例えば、受信機製造時点から19.6年間の期間内の時刻であると解釈するように設定しておく。
【0034】
上述したように外部データ入力装置24は、現在時刻とユーザの概略位置を外部から入力するためのものである。現在時刻とユーザの概略位置は、衛星航法装置10の電源が遮断状態とされている間も記憶装置に保持されているが、何らかの原因によってそのデータが失われた場合に、外部から入力できるようにするためのものであり、現在時刻の入力の範囲は、例えば、1900年1月1日から2099年12月31日(値域は200年)としておけば、実用的には十分である。
【0035】
GPS航法データ復調部22において得られた現在時刻情報と、外部データ入力装置24により入力された現在時刻は、時刻情報選択部26において選択される。GPS航法データ復調部22から現在時刻情報が得られている場合はGPSの現在時刻が優先して選択され、GPSの時刻情報が得られていない場合は外部データ入力装置24から入力された現在時刻が選択される。
【0036】
時刻情報選択部26により選択された現在時刻情報は、リアルタイムクロック28に送られその値が設定される。ここでは、時刻情報選択部26においてGPSの現在時刻が優先されるので、通常の使用状態ではリアルタイムクロック28にはGPSの現在時刻が設定される。
【0037】
もしも、ユーザがGLONASS衛星信号のみを受信するような使い方をしている場合、GPSの時刻情報は得られないが、外部データ入力装置24から正しい時刻情報が入力されていれば、リアルタイムクロック28には外部データ入力装置24から入力された現在時刻が設定され、その値域は前述のように1900年1月1日から2099年12月31日までの200年の間の値となる。
【0038】
リアルタイムクロック28は、設定された現在時刻から、衛星航法装置10が使用されず電源が遮断している間も時刻のカウント(計時)を続け、次に衛星航法装置10を使用する際の可視衛星選定計算における現在時刻の入手を容易にする。
【0039】
拡大アルマナック基準時刻計算部30は、GLONASS航法データ復調部20から得られた4年の値域を持つアルマナック基準時刻と、リアルタイムクロック28から得られた現在時刻とから4年以上の十分な値域を持つ拡大アルマナック基準時刻を計算するものである。
【0040】
GLONASS衛星のアルマナックデータは、1日単位の整数値データであるので、拡大アルマナック基準時刻のデータ形式を、例えば、1900年1月1日を起点とする32ビットの整数とすれば、約1000万年にわたる日数を表現することができるので実用上十分なものになる。
【0041】
ここで、図2のタイムチャートを用いて拡大アルマナック基準時刻の計算方法について説明する。
【0042】
図2においてTは時間軸である。アルマナック基準時刻B(da)はロシア時刻で表されているので、まず、リアルタイムクロック28から得られた現在時刻Aをロシア時刻に換算し、1900年1月1日(1900年の年頭)Cを起点とする通算日数を求め、これを拡大現在時刻dnとする。ここで、1900年はうるう年ではないが、以降の計算の便宜上、うるう年として扱う。
【0043】
次に、拡大現在時刻dnを、うるう年を含む4年間の日数である1461日で除した余り、すなわち剰余現在時刻dnmを求める。この剰余現在時刻dnmは、最も近い過去のうるう年の年頭Dから現在時刻の日付Aまでの期間となる。この剰余現在時刻dnmとアルマナック基準時刻B(da)とは、ほとんどの場合一致するが、日付の変わり目などで食い違いが生ずることも考慮して、アルマナック基準時刻B(da)と剰余現在時刻dnmとの差M(M=da−dnm)を計算する。ここで、差(時間)Mは、余裕を見込んで値域を4年間とし、さらに正負両方を採るという理由で、−730〜+730の範囲で求める。
【0044】
最後に、下記の(1)式により1900年1月1日を起点とする拡大アルマナック基準時刻datを計算する、
dat=dn+M …(1)
通常の使用状態では、時刻情報選択部26から得られる現在時刻情報は、GPS衛星の現在時刻であるので、拡大アルマナック基準時刻datの値域はGPS衛星の時刻情報の値域である19.6年に制限されるが、実用的には十分な期間である。
【0045】
GLONASS航法データ復調部20によりアルマナックデータが復調される都度、前述のようにして拡大アルマナック基準時刻計算部30において求められた拡大アルマナック基準時刻datは、復調されたアルマナックデータとともに、アルマナックデータ記憶部32に記憶される。
【0046】
このようにして、アルマナックデータ記憶部32には、常に最新のアルマナックデータと拡大アルマナック基準時刻datが記憶され、このデータは、電源が遮断状態の間も保持されるようにされている。
【0047】
アルマナックデータ定数の記憶部34に記憶されているアルマナックデータ定数は、衛星航法装置10の製造時に書き込まれたアルマナックデータである。これは、衛星航法装置10の製造以前の時点にGLONASS衛星から収集されたアルマナックデータと、その拡大アルマナック基準時刻データであり、アルマナックデータ記憶部32におけるデータ形式と同一のデータ形式で、ROMなど書き換え不能な不揮発性の記憶装置に記憶したものである。
【0048】
アルマナックデータ記憶部32に記憶されたアルマナックデータおよび拡大アルマナック基準時刻と、アルマナックデータ定数の記憶部34に蓄積されたアルマナックデータと拡大アルマナック基準時刻は、アルマナックデータ選択部36で選択され、可視衛星選定部38に送られる。
【0049】
アルマナックデータ選択部36は、アルマナックデータ記憶部32にアルマナックデータと拡大アルマナック基準時刻が記憶されている場合にはそのデータを選択し、アルマナックデータ記憶部32の記憶データが何らかの原因で失われた場合には、アルマナックデータ定数の記憶部34に蓄積されたデータを選択する。
【0050】
可視衛星選定部38は、リアルタイムクロック28から得られる現在時刻をロシア時刻に換算し、1900年1月1日を起点とする通算日数を求め、これを拡大現在時刻dnとし、そのうえで、アルマナックデータ選択部36から得られるアルマナックデータと拡大アルマナック基準時刻を用いてGLONASS衛星の軌道計算を行い、拡大現在時刻dnにおける24個すべてのGLONASS衛星の位置を求める。
【0051】
次に、可視衛星選定部38は、ユーザ位置記憶部42に記憶されたユーザの位置と24個それぞれの衛星の位置との相対位置関係から、当該ユーザ位置における可視衛星を選択する。
【0052】
可視衛星選定部38によりユーザの現在位置における可視衛星が選択されると、測位計算部40は、選択された可視衛星を用いて受信した衛星信号を使用して測位計算を行い、ユーザの位置を求める。
【0053】
ここで、ユーザ位置記憶部42には、ユーザの概略位置が外部データ入力装置24から入力されたとき、および測位計算部40でユーザの位置が計算される度、そのユーザ位置が記憶され、このユーザ位置のデータは、電源が遮断状態とされている間も保持される。
【0054】
次に、衛星航法装置10のいくつかの動作形態について説明する。
【0055】
まず、通常の使用状態における最新のアルマナックデータ収集動作について説明する。この場合、受信アンテナ12からアルマナックデータ記憶部32までが動作する。
【0056】
GLONASS衛星からのアルマナックデータは、2.5分の周期で24個の衛星すべてのデータが繰り返し放送されているので、GLONASS航法データ復調部20では、次々とアルマナックデータが復調される。復調される度に、GLONASS航法データ復調部20で得られた4年の値域を有するアルマナック基準時刻B(da)と、GPS航法データ復調部22から得られる19.6年の値域をもつ現在時刻Aとから、拡大アルマナック基準時刻計算部30で19.6年の値域を持つ拡大アルマナック基準時刻datが計算され、アルマナックデータと合わせてアルマナックデータ記憶部32に記憶される。
【0057】
次に、前回の装置使用時に収集したアルマナックデータおよび現在時刻が記憶されている場合の、装置電源投入直後の可視衛星選定計算の動作について説明する。
【0058】
アルマナックデータ選択部36において、アルマナックデータ記憶部32に記憶されている前回の装置使用時の最新のアルマナックデータと拡大アルマナック基準時刻datが選択され、また、ユーザ位置記憶部42からユーザの位置を得る。これらのデータを用いて、可視衛星選定部38において可視衛星を求める。
【0059】
次に、前回の装置使用時に収集したアルマナックデータ、現在時刻が何らかの原因で失われた場合の装置電源投入直後の可視衛星選定計算の動作について説明する。
【0060】
この場合には、アルマナックデータ選択部36において、アルマナックデータ定数の記憶部34に蓄積された装置製造時収集のアルマナックデータと拡大アルマナック基準時刻が選択され、また、外部データ入力装置24から入力された現在時刻と、ユーザの概略位置を得て、時刻情報選択部26によって、当該入力された現在時刻を選択し、リアルタイムクロック28に現在時刻を設定し、当該入力されたユーザの概略位置をユーザ位置記憶部42に設定し、これらの現在時刻とユーザ位置データを用いて、可視衛星選定部38において可視衛星を求める。
【0061】
従って、上述の実施の形態に係る衛星航法装置10によれば、GLONASSシステムにおいて、衛星から取得して4年以上経過したアルマナックデータを使用して衛星の軌道計算を行った場合でも、可視衛星を正しく求めることができ、また、装置を最初に使用するときや、何らかの原因で受信機内部に保持していたアルマナックデータが失われた場合には、装置の製造時に書き込まれたアルマナック定数を用いるため、内部に保持したアルマナックデータが失われたような場合にも、可視衛星を正しく求めることができる。
【0062】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、GLONASSシステムにおいて、衛星から取得して4年以上経過したアルマナックデータを使用して衛星の軌道計算を行った場合でも、可視衛星を正しく求めることができるという効果が得られる。
【0063】
また、装置を最初に使用するときや、何らかの原因で受信機内部に保持していたアルマナックデータが失われた場合には、装置の製造時に書き込まれたアルマナック定数を用いるため、内部に保持したアルマナックデータが失われたような場合にも、可視衛星を正しく求めることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態の衛星航法装置の構成を示すブロック図である。
【図2】拡大アルマナック基準時刻の計算方法を説明するために供されるタイムチャートである。
【符号の説明】
10…衛星航法装置 12…受信アンテナ
14…分配器 16…GLONASS受信部
18…GPS受信部
20…GLONASS航法データ復調部
22…GPS航法データ復調部 24…外部データ入力装置
26…時刻情報選択部 28…リアルタイムクロック
30…拡大アルマナック基準時刻計算部
32…アルマナックデータ記憶部
34…アルマナックデータ定数の記憶部
36…アルマナックデータ選択部 38…可視衛星選定部
40…測位計算部 42…ユーザ位置記憶部
【発明の属する技術分野】
本発明は、全世界的航法システム(Global Orbiting Navigation Satellite System 、以下GLONASSと略す。)におけるGLONASS衛星から、あるいは、GLONASS衛星と、NAVSTAR/GPS(Navigation System using Time and Ranging/Global Positioning System、以下GPSと略す。)におけるGPS衛星からの衛星信号を受信し、利用者の現在位置を測位する衛星航法装置に関し、特にGLONASSシステムにおいて、衛星から取得して4年以上経過したアルマナックデータを使用して衛星の軌道計算を行った場合でも、可視衛星を正しく求めることを可能とした衛星航法装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
全世界的航法システムGLONASSは、人工衛星を利用する航法システムの一種であり、ロシアにより民間利用の目的で一部開放されているシステムである。
【0003】
航空機、船舶、自動車等の移動体における利用者は、移動体に衛星信号受信機を含む衛星測位装置を搭載し、3つの衛星軌道上に各8個ずつ合計24個配されたGLONASS衛星のうち、4個の衛星が発する電波を同時に受信し、測位計算すれば、受信位置の3次元座標(位置)を計測することができる。
【0004】
この種のシステムとしては、NAVSTAR/GPS(Navigation System using Time and Ranging/Global Positioning System)が米国空軍から民間利用の目的で一部開放されており、移動体の位置計測手段として近年広く一般に利用されるようになってきている。
【0005】
GLONASSの基本原理は、GPSの基本原理とほぼ同様である。最大の相違点は、GPSにおいては、各衛星の発する電波(衛星信号)の周波数は同一であり、各衛星の衛星信号の区別は、電波を変調する符号コードを衛星毎に相違させることにより行うのに対し、GLONASSにおいては、逆に各衛星の符号コードは同一であり、周波数を衛星毎に相違させて各衛星信号の区別を行う点にある。
【0006】
GLONASSにおける衛星信号とそれによる測位方法の概略を述べる。
【0007】
GLONASSシステムは、上述したように、3つの軌道に各8個ずつ、計24個の衛星で構成されており、衛星信号の搬送波周波数は、1598.0625MHz(チャネル−7 )から1609.3125MHz(チャネル+13)まで、0.5625MHz間隔で21チャネルの周波数毎に配置されている。各衛星信号は、全衛星に共通なPNコードと呼ばれる疑似雑音符号と航法データにより変調されている。
【0008】
PNコードは、0と1とが一見不規則に並ぶ所定長の2進データが繰り返される。所定長データ内の不規則性により雑音に似た性質が生じ、疑似雑音符号と呼ばれている。このような変調方式は電波妨害に対して強いという特徴を有している。
【0009】
PNコードが雑音的性質を有するといっても、あくまで人工的なものであり、受信機側においても同一のパターンの信号を発生することができる。衛星信号に対して、受信機側に設けた疑似信号発生回路で発生したPNコードを時間的にずらせながら照合していくと、両者が一致するタイミングがある。
【0010】
各衛星信号の位相は、時刻に基づいて管理されており、その位相と時刻との関係は、受信機側においても既知である。従って、受信機側の時計が衛星上の時計と完全に同時刻性を有しているならば、PNコードの一致タイミングから、衛星と受信機間の電波伝播時間を知ることができ、これから衛星と受信機間の距離を算出することができる。
【0011】
しかし、衛星と受信機との間の同時刻性を保証することは現実には難しく、衛星と受信機間の未知量の時刻ずれがあり、前記の距離は誤差を有している。このため、前記の距離は疑似距離と呼ばれる。
【0012】
一方、航法データは各衛星の位置情報および時刻情報であり、PNコードに2次的な変調をかける形で送信されている。従って、受信装置側に設けた疑似信号発生回路により発生したPNコードによって受信電波を復調(逆拡散)し、信号電波を抽出することができる。
【0013】
もし、衛星と受信機間の時刻のずれがなければ、疑似距離は衛星と受信機間の正確な距離を示すので、3個の衛星の衛星信号から得られる各衛星の位置と、それに対する疑似距離とから、受信機の位置を算出し決定することができる。
【0014】
しかし、実際には、先に述べたように、各衛星と受信機との間には未知量の時刻のずれが存在するため、これを除去するために4個の衛星の位置と疑似距離を用いる。
【0015】
衛星から送信される航法データは、送信(放送)している衛星自身の精密軌道データや時刻情報などの集まりであるエフェメリスデータと、他の衛星の分まで含んだ全衛星の概略軌道データであるアルマナックデータとからなる。
【0016】
さて、船舶や自動車などの移動体において、このような衛星信号をGLONASS受信機で受信して測位計算を行おうとする場合、まず、当該移動体の現在時点、現在位置において、上空に見える可視衛星を知る必要がある。GLONASSシステムにおいて、可視衛星を求めるためには、最初に、24個すべての衛星について軌道計算を行う。軌道計算には、24個すべての衛星の軌道情報が必要になるため、通常は前記の航法データのうち、全衛星のデータの得易いアルマナックデータが使用される。
【0017】
GLONASS衛星のアルマナックデータは、1日に1回更新され、ロシア時刻の午前0時時点の軌道のデータが1日を通して衛星から放送されている。このアルマナックデータには、その軌道データが何時(何年何月何日)の午前0時のものかを表す「アルマナック基準時刻」と称される情報が含まれており、このアルマナック基準時刻情報は、1日単位の整数で表現され、値域はうるう年の1月1日を1とし、次のうるう年の直前の年の12月31日までである。従って、何日か前に衛星から受信したアルマナックデータでも「アルマナック基準時刻」から、現時点までの経過時間を求めて軌道計算を行うことにより、現在の可視衛星を求めることができる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したようにGLONASS衛星のアルマナックデータにおける「アルマナック基準時刻」の値域は4年間であり、GLONASS衛星にはこれより広い値域を持つ時刻情報が存在しないため、「アルマナック基準時刻」は4年のあいまいさを持っている。従って、実際に「アルマナック基準時刻」から、現在までの経過時間を計算する際には、求める経過時間を4年以内に制限せざるを得ないという問題がある。
【0019】
これに対して、GPSシステムにおけるアルマナックデータの「アルマナック基準時刻」は、値域が1週間分と短いが、これとは別に、週を表す情報が付加されており、この値域が210≒19.6年分あり、アルマナックデータの有効期間が約19.6年となっている。
【0020】
上記したように、GLONASSシステムにおいて、可視衛星を求める計算を行う際に、「アルマナック基準時刻」から現在までの経過時間を計算するには、求める経過時間を4年以内に制限せざるを得ない。それゆえ、取得してから4年以上経過したアルマナックデータを軌道計算に使用した場合には、現実の可視衛星とは異なる衛星を誤って可視衛星として認識してしまい、なかなか衛星を捕捉できない事態を招くという不都合が存在していた。
【0021】
もちろん、衛星からの信号を受信すれば、最新のアルマナックデータを取得でき、実用の衛星信号受信機では、電源を切断している間も不揮発性メモリにアルマナックデータを保持することができるため、頻繁に受信機を使用していれば、アルマナックデータが4年以上古くなることはない。
【0022】
しかしながら、受信機を最初に使用する時や、何らかの原因で受信機内部に保持していたアルマナックデータが失われた場合には、受信機の製造時に書き込まれたアルマナックデータ定数が用いられることになる。このため、購入後4年以上経過した受信機で、内部に保持したアルマナックデータが失われたような場合には、前述のような理由で可視衛星の計算を誤ることになってしまう。
【0023】
この発明はこのような課題を考慮してなされたものであって、GLONASSシステムにおいて、衛星から取得して4年以上経過したアルマナックデータを使用して衛星の軌道計算を行った場合でも、可視衛星を正しく求めることを可能とする衛星航法装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明は、例えば、図面中の符号等を( )を付けて説明すれば、GLONASS衛星からの衛星信号を受信し、最も近い過去のうるう年の年頭(C)からの通算日数で表現されるアルマナック基準時刻(B:da)を含むアルマナックデータを復調するGLONASS航法データ復調手段(16、20)と、
GPS衛星からの衛星信号を受信し、GPSシステム時刻に基づく現在時刻を復調するGPS航法データ復調手段(18、22)と、
復調された現在時刻の日付(A)を、予め定めた過去のうるう年の年頭からの通算日数である拡大現在時刻(dn)に換算するとともに、前記最も近い過去のうるう年の年頭(D)からの通算日数である剰余現在時刻(dnm)に換算し、前記アルマナック基準時刻と前記剰余現在時刻との差(M)を求め、当該差分だけ前記拡大現在時刻を補正することにより、前記予め定めた過去のうるう年の年頭からアルマナック基準時刻までの通算日数である拡大アルマナック基準時刻(dat)を算出する拡大アルマナック基準時刻算出手段(30)と、
前記GLONASS衛星のアルマナックデータが復調される毎に、当該アルマナックデータと前記拡大アルマナック基準時刻とを、アルマナック記憶値として記憶するアルマナックデータ記憶手段(32)と、
GLONASS衛星あるいはGPS衛星からの衛星信号を受信してユーザ位置を算出する測位計算手段(40)と、
前記測位計算手段によって得られたユーザ位置もしくは外部から設定されたユーザの概略位置を記憶するユーザ位置記憶手段(42)と、
前記ユーザ位置と、前記拡大現在時刻と、前記拡大アルマナック基準時刻を含むアルマナック記憶値とを用いて、現在の時刻、位置におけるGLONASS衛星中の可視衛星を選定する可視衛星選定手段(38)とを備えたことを特徴とする。
【0025】
本発明によれば、GPSシステムの時刻情報を援用してGLONASSシステムの値域を4年から19.6年に拡大することにより、4年以上経過したアルマナックデータを使用して軌道計算を行った場合でも、可視衛星を正しく求めることができる。
【0026】
また、この発明は、GLONASS衛星からの衛星信号を受信し、最も近い過去のうるう年の年頭からの通算日数で表現されるアルマナック基準時刻を含むアルマナックデータを復調するGLONASS航法データ復調手段(16、20)と、
外部より現在時刻を入力するための外部データ入力手段(24)と、
前記外部データ入力手段より入力された現在時刻の日付を、予め定めた過去のうるう年の年頭からの通算日数である拡大現在時刻に換算し、現在時刻の日付を、最も近い過去のうるう年の年頭からの通算日数である剰余現在時刻に換算し、前記アルマナック基準時刻と剰余現在時刻との差を求め、当該差分だけ前記拡大現在時刻を補正することにより、前記予め定めた過去のうるう年の年頭からアルマナック基準時刻までの通算日数である拡大アルマナック基準時刻を算出する拡大アルマナック基準時刻算出手段(30)と、
前記GLONASS衛星のアルマナックデータが復調される毎に、当該アルマナックデータと前記拡大アルマナック基準時刻とをアルマナック記憶値として記憶するアルマナックデータ記憶手段(32)と、
GLONASS衛星信号を受信してユーザ位置を算出する測位計算手段(40)と、
前記測位計算手段によって得られたユーザ位置もしくは外部から設定されたユーザの概略位置を記憶するユーザ位置記憶手段(42)と、
前記ユーザ位置と、前記拡大現在時刻と、拡大アルマナック基準時刻を含むアルマナック記憶値とを用いて、現在の時刻、位置におけるGLONASS衛星中の可視衛星を選定する可視衛星選定手段(38)とを備えたことを特徴とする。
【0027】
本発明によれば、GPS衛星からの信号を受信しないで、GLONASS衛星からの衛星信号のみを用いる場合においても、外部から正しい現在時刻を入力することで、GPSシステムを用いた場合と同等以上の19.6年以上の期間にわたっての可視衛星の選定計算が可能である。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明に係る衛星航法装置について、好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る衛星航法装置10の構成を示すブロック図である。
【0029】
衛星航法装置10は、衛星信号を受信する受信アンテナ12と、GLONASS衛星信号とGPS衛星信号をそれぞれの受信部に分配する分配器14と、両衛星信号をそれぞれ受信するGLONASS受信部16、GPS受信部18と、両衛星信号からそれぞれの航法データを復調するGLONASS航法データ復調部20、GPS航法データ復調部22と、現在時刻とユーザの概略位置を外部から入力するための外部データ入力装置24と、GPS航法データ復調部22から得られた現在時刻と外部データ入力装置24から入力された現在時刻とのいずれかを選択する時刻情報選択部26とを有している。なお、時刻情報選択部26は、GPS航法データ復調部22の現在時刻と外部データ入力装置24の入力された現在時刻が両方とも得られているとき、GPS航法データ復調部22から得られた現在時刻を優先して選択する。
【0030】
衛星航法装置10は、さらに、時刻情報選択部26により選択された現在時刻が設定され、電源が遮断状態の間にも時刻をカウント(計時)するリアルタイムクロック(実時間で計時する時計)28と、リアルタイムクロック28から得られた現在時刻を利用し、GLONASS航法データ復調部20から得られた4年の値域を持つアルマナック基準時刻から4年以上の十分な値域を持つ拡大アルマナック基準時刻を計算する拡大アルマナック基準時刻計算部30と、GLONASS航法データ復調部20から得られたアルマナックデータおよび拡大アルマナック基準時刻計算部30で得た拡大アルマナック基準時刻を記憶するアルマナックデータ記憶部32と、製造時に蓄積記憶されるアルマナックデータ定数の記憶部34と、アルマナックデータ記憶部32に記憶されたアルマナックデータと拡大アルマナック基準時刻あるいはアルマナックデータ定数の記憶部34のアルマナックデータのいずれかを選択するアルマナックデータ選択部36と、選択されたアルマナックデータから可視衛星を選定する可視衛星選定部38と、選定された可視衛星を使用してユーザ位置を計算する測位計算部40と、ユーザ位置記憶部42とを備えている。
【0031】
次に、このように構成された衛星航法装置10の作用について説明する。GLONASS衛星およびGPS衛星の両方の衛星信号を受信できる周波数帯域を有する受信アンテナ12で受信した衛星信号は、分配器14によりそれぞれGLONASS受信部16とGPS受信部18に分配され、GLONASS受信部16とGPS受信部18はそれぞれGLONASS衛星とGPS衛星からの衛星信号を探索して追尾する。
【0032】
GLONASS受信部16において受信された衛星信号は、GLONASS航法データ復調部20に送出される。GLONASS航法データ復調部20においてその航法データが復調され、GLONASSシステムにおけるアルマナックデータと、アルマナック基準時刻が抽出される。ここで得られるアルマナック基準時刻の値域は、上述したように、GLONASSシステムの仕様により4年である。
【0033】
一方、GPS受信部18において受信された衛星信号は、GPS航法データ復調部22に送出され、GPS航法データ復調部22においてその航法データを復調し、GPSシステムにおける現在時刻が抽出される。ここで得られる現在時刻の値域は、上述したようにGPSシステムの仕様により約19.6年である。この現在時刻情報は、1980年1月6日を起点としてカウント(計時)され、19.6年周期で繰り返されるが、現在のカウント値が何年何月何日に当たるかを解釈する設定はユーザ側の衛星航法装置(受信機)側で自由に決めることができる。このため、例えば、受信機製造時点から19.6年間の期間内の時刻であると解釈するように設定しておく。
【0034】
上述したように外部データ入力装置24は、現在時刻とユーザの概略位置を外部から入力するためのものである。現在時刻とユーザの概略位置は、衛星航法装置10の電源が遮断状態とされている間も記憶装置に保持されているが、何らかの原因によってそのデータが失われた場合に、外部から入力できるようにするためのものであり、現在時刻の入力の範囲は、例えば、1900年1月1日から2099年12月31日(値域は200年)としておけば、実用的には十分である。
【0035】
GPS航法データ復調部22において得られた現在時刻情報と、外部データ入力装置24により入力された現在時刻は、時刻情報選択部26において選択される。GPS航法データ復調部22から現在時刻情報が得られている場合はGPSの現在時刻が優先して選択され、GPSの時刻情報が得られていない場合は外部データ入力装置24から入力された現在時刻が選択される。
【0036】
時刻情報選択部26により選択された現在時刻情報は、リアルタイムクロック28に送られその値が設定される。ここでは、時刻情報選択部26においてGPSの現在時刻が優先されるので、通常の使用状態ではリアルタイムクロック28にはGPSの現在時刻が設定される。
【0037】
もしも、ユーザがGLONASS衛星信号のみを受信するような使い方をしている場合、GPSの時刻情報は得られないが、外部データ入力装置24から正しい時刻情報が入力されていれば、リアルタイムクロック28には外部データ入力装置24から入力された現在時刻が設定され、その値域は前述のように1900年1月1日から2099年12月31日までの200年の間の値となる。
【0038】
リアルタイムクロック28は、設定された現在時刻から、衛星航法装置10が使用されず電源が遮断している間も時刻のカウント(計時)を続け、次に衛星航法装置10を使用する際の可視衛星選定計算における現在時刻の入手を容易にする。
【0039】
拡大アルマナック基準時刻計算部30は、GLONASS航法データ復調部20から得られた4年の値域を持つアルマナック基準時刻と、リアルタイムクロック28から得られた現在時刻とから4年以上の十分な値域を持つ拡大アルマナック基準時刻を計算するものである。
【0040】
GLONASS衛星のアルマナックデータは、1日単位の整数値データであるので、拡大アルマナック基準時刻のデータ形式を、例えば、1900年1月1日を起点とする32ビットの整数とすれば、約1000万年にわたる日数を表現することができるので実用上十分なものになる。
【0041】
ここで、図2のタイムチャートを用いて拡大アルマナック基準時刻の計算方法について説明する。
【0042】
図2においてTは時間軸である。アルマナック基準時刻B(da)はロシア時刻で表されているので、まず、リアルタイムクロック28から得られた現在時刻Aをロシア時刻に換算し、1900年1月1日(1900年の年頭)Cを起点とする通算日数を求め、これを拡大現在時刻dnとする。ここで、1900年はうるう年ではないが、以降の計算の便宜上、うるう年として扱う。
【0043】
次に、拡大現在時刻dnを、うるう年を含む4年間の日数である1461日で除した余り、すなわち剰余現在時刻dnmを求める。この剰余現在時刻dnmは、最も近い過去のうるう年の年頭Dから現在時刻の日付Aまでの期間となる。この剰余現在時刻dnmとアルマナック基準時刻B(da)とは、ほとんどの場合一致するが、日付の変わり目などで食い違いが生ずることも考慮して、アルマナック基準時刻B(da)と剰余現在時刻dnmとの差M(M=da−dnm)を計算する。ここで、差(時間)Mは、余裕を見込んで値域を4年間とし、さらに正負両方を採るという理由で、−730〜+730の範囲で求める。
【0044】
最後に、下記の(1)式により1900年1月1日を起点とする拡大アルマナック基準時刻datを計算する、
dat=dn+M …(1)
通常の使用状態では、時刻情報選択部26から得られる現在時刻情報は、GPS衛星の現在時刻であるので、拡大アルマナック基準時刻datの値域はGPS衛星の時刻情報の値域である19.6年に制限されるが、実用的には十分な期間である。
【0045】
GLONASS航法データ復調部20によりアルマナックデータが復調される都度、前述のようにして拡大アルマナック基準時刻計算部30において求められた拡大アルマナック基準時刻datは、復調されたアルマナックデータとともに、アルマナックデータ記憶部32に記憶される。
【0046】
このようにして、アルマナックデータ記憶部32には、常に最新のアルマナックデータと拡大アルマナック基準時刻datが記憶され、このデータは、電源が遮断状態の間も保持されるようにされている。
【0047】
アルマナックデータ定数の記憶部34に記憶されているアルマナックデータ定数は、衛星航法装置10の製造時に書き込まれたアルマナックデータである。これは、衛星航法装置10の製造以前の時点にGLONASS衛星から収集されたアルマナックデータと、その拡大アルマナック基準時刻データであり、アルマナックデータ記憶部32におけるデータ形式と同一のデータ形式で、ROMなど書き換え不能な不揮発性の記憶装置に記憶したものである。
【0048】
アルマナックデータ記憶部32に記憶されたアルマナックデータおよび拡大アルマナック基準時刻と、アルマナックデータ定数の記憶部34に蓄積されたアルマナックデータと拡大アルマナック基準時刻は、アルマナックデータ選択部36で選択され、可視衛星選定部38に送られる。
【0049】
アルマナックデータ選択部36は、アルマナックデータ記憶部32にアルマナックデータと拡大アルマナック基準時刻が記憶されている場合にはそのデータを選択し、アルマナックデータ記憶部32の記憶データが何らかの原因で失われた場合には、アルマナックデータ定数の記憶部34に蓄積されたデータを選択する。
【0050】
可視衛星選定部38は、リアルタイムクロック28から得られる現在時刻をロシア時刻に換算し、1900年1月1日を起点とする通算日数を求め、これを拡大現在時刻dnとし、そのうえで、アルマナックデータ選択部36から得られるアルマナックデータと拡大アルマナック基準時刻を用いてGLONASS衛星の軌道計算を行い、拡大現在時刻dnにおける24個すべてのGLONASS衛星の位置を求める。
【0051】
次に、可視衛星選定部38は、ユーザ位置記憶部42に記憶されたユーザの位置と24個それぞれの衛星の位置との相対位置関係から、当該ユーザ位置における可視衛星を選択する。
【0052】
可視衛星選定部38によりユーザの現在位置における可視衛星が選択されると、測位計算部40は、選択された可視衛星を用いて受信した衛星信号を使用して測位計算を行い、ユーザの位置を求める。
【0053】
ここで、ユーザ位置記憶部42には、ユーザの概略位置が外部データ入力装置24から入力されたとき、および測位計算部40でユーザの位置が計算される度、そのユーザ位置が記憶され、このユーザ位置のデータは、電源が遮断状態とされている間も保持される。
【0054】
次に、衛星航法装置10のいくつかの動作形態について説明する。
【0055】
まず、通常の使用状態における最新のアルマナックデータ収集動作について説明する。この場合、受信アンテナ12からアルマナックデータ記憶部32までが動作する。
【0056】
GLONASS衛星からのアルマナックデータは、2.5分の周期で24個の衛星すべてのデータが繰り返し放送されているので、GLONASS航法データ復調部20では、次々とアルマナックデータが復調される。復調される度に、GLONASS航法データ復調部20で得られた4年の値域を有するアルマナック基準時刻B(da)と、GPS航法データ復調部22から得られる19.6年の値域をもつ現在時刻Aとから、拡大アルマナック基準時刻計算部30で19.6年の値域を持つ拡大アルマナック基準時刻datが計算され、アルマナックデータと合わせてアルマナックデータ記憶部32に記憶される。
【0057】
次に、前回の装置使用時に収集したアルマナックデータおよび現在時刻が記憶されている場合の、装置電源投入直後の可視衛星選定計算の動作について説明する。
【0058】
アルマナックデータ選択部36において、アルマナックデータ記憶部32に記憶されている前回の装置使用時の最新のアルマナックデータと拡大アルマナック基準時刻datが選択され、また、ユーザ位置記憶部42からユーザの位置を得る。これらのデータを用いて、可視衛星選定部38において可視衛星を求める。
【0059】
次に、前回の装置使用時に収集したアルマナックデータ、現在時刻が何らかの原因で失われた場合の装置電源投入直後の可視衛星選定計算の動作について説明する。
【0060】
この場合には、アルマナックデータ選択部36において、アルマナックデータ定数の記憶部34に蓄積された装置製造時収集のアルマナックデータと拡大アルマナック基準時刻が選択され、また、外部データ入力装置24から入力された現在時刻と、ユーザの概略位置を得て、時刻情報選択部26によって、当該入力された現在時刻を選択し、リアルタイムクロック28に現在時刻を設定し、当該入力されたユーザの概略位置をユーザ位置記憶部42に設定し、これらの現在時刻とユーザ位置データを用いて、可視衛星選定部38において可視衛星を求める。
【0061】
従って、上述の実施の形態に係る衛星航法装置10によれば、GLONASSシステムにおいて、衛星から取得して4年以上経過したアルマナックデータを使用して衛星の軌道計算を行った場合でも、可視衛星を正しく求めることができ、また、装置を最初に使用するときや、何らかの原因で受信機内部に保持していたアルマナックデータが失われた場合には、装置の製造時に書き込まれたアルマナック定数を用いるため、内部に保持したアルマナックデータが失われたような場合にも、可視衛星を正しく求めることができる。
【0062】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、GLONASSシステムにおいて、衛星から取得して4年以上経過したアルマナックデータを使用して衛星の軌道計算を行った場合でも、可視衛星を正しく求めることができるという効果が得られる。
【0063】
また、装置を最初に使用するときや、何らかの原因で受信機内部に保持していたアルマナックデータが失われた場合には、装置の製造時に書き込まれたアルマナック定数を用いるため、内部に保持したアルマナックデータが失われたような場合にも、可視衛星を正しく求めることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態の衛星航法装置の構成を示すブロック図である。
【図2】拡大アルマナック基準時刻の計算方法を説明するために供されるタイムチャートである。
【符号の説明】
10…衛星航法装置 12…受信アンテナ
14…分配器 16…GLONASS受信部
18…GPS受信部
20…GLONASS航法データ復調部
22…GPS航法データ復調部 24…外部データ入力装置
26…時刻情報選択部 28…リアルタイムクロック
30…拡大アルマナック基準時刻計算部
32…アルマナックデータ記憶部
34…アルマナックデータ定数の記憶部
36…アルマナックデータ選択部 38…可視衛星選定部
40…測位計算部 42…ユーザ位置記憶部
Claims (8)
- GLONASS衛星からの衛星信号を受信し、最も近い過去のうるう年の年頭からの通算日数で表現されるアルマナック基準時刻を含むアルマナックデータを復調するGLONASS航法データ復調手段と、
GPS衛星からの衛星信号を受信し、GPSシステム時刻に基づく現在時刻を復調するGPS航法データ復調手段と、
復調された現在時刻の日付を、予め定めた過去のうるう年の年頭からの通算日数である拡大現在時刻に換算するとともに、前記最も近い過去のうるう年の年頭からの通算日数である剰余現在時刻に換算し、該剰余現在時刻と前記アルマナック基準時刻との差を求め、当該差分だけ前記拡大現在時刻を補正することにより、前記予め定めた過去のうるう年の年頭から前記アルマナック基準時刻までの通算日数である拡大アルマナック基準時刻を算出する拡大アルマナック基準時刻算出手段と、
前記GLONASS衛星のアルマナックデータが復調される毎に、当該アルマナックデータと前記拡大アルマナック基準時刻とを、アルマナック記憶値として記憶するアルマナックデータ記憶手段と、
GLONASS衛星あるいはGPS衛星からの衛星信号を受信してユーザ位置を算出する測位計算手段と、
前記測位計算手段によって得られたユーザ位置もしくは外部から設定されたユーザの概略位置を記憶するユーザ位置記憶手段と、
前記ユーザ位置と、前記拡大現在時刻と、前記拡大アルマナック基準時刻を含むアルマナック記憶値とを用いて、現在の時刻、位置におけるGLONASS衛星中の可視衛星を選定する可視衛星選定手段とを備えたことを特徴とする衛星航法装置。 - 請求項1記載の衛星航法装置において、
さらに、外部より現在時刻を入力するための外部データ入力手段と、時刻情報選択手段とを備え、
前記GPS航法データ復調手段により現在時刻が得られていない場合に、前記外部データ入力手段より入力された現在時刻を前記時刻情報選択手段により選択することを特徴とする衛星航法装置。 - 請求項1記載の衛星航法装置において、
さらに、当該衛星航法装置の製造時に、予め収集したアルマナックデータと、その拡大アルマナック基準時刻とを蓄積したアルマナック定数の記憶手段と、
アルマナックデータ選択手段とを備え、
前記アルマナックデータ記憶手段によるアルマナック記憶値が得られていない場合、前記アルマナックデータ選択手段により、前記アルマナック定数の記憶手段の記憶値である前記拡大アルマナック基準時刻を含む前記アルマナック定数を選択することを特徴とする衛星航法装置。 - GLONASS衛星からの衛星信号を受信し、最も近い過去のうるう年の年頭からの通算日数で表現されるアルマナック基準時刻を含むアルマナックデータを復調するGLONASS航法データ復調手段と、
外部より現在時刻を入力するための外部データ入力手段と、
前記外部データ入力手段より入力された現在時刻の日付を、予め定めた過去のうるう年の年頭からの通算日数である拡大現在時刻に換算し、現在時刻の日付を、最も近い過去のうるう年の年頭からの通算日数である剰余現在時刻に換算し、前記アルマナック基準時刻と剰余現在時刻との差を求め、当該差分だけ前記拡大現在時刻を補正することにより、前記予め定めた過去のうるう年の年頭からアルマナック基準時刻までの通算日数である拡大アルマナック基準時刻を算出する拡大アルマナック基準時刻算出手段と、
前記GLONASS衛星のアルマナックデータが復調される毎に、当該アルマナックデータと前記拡大アルマナック基準時刻とをアルマナック記憶値として記憶するアルマナックデータ記憶手段と、
GLONASS衛星信号を受信してユーザ位置を算出する測位計算手段と、
前記測位計算手段によって得られたユーザ位置もしくは外部から設定されたユーザの概略位置を記憶するユーザ位置記憶手段と、
前記ユーザ位置と、前記拡大現在時刻と、拡大アルマナック基準時刻を含むアルマナック記憶値とを用いて、現在の時刻、位置におけるGLONASS衛星中の可視衛星を選定する可視衛星選定手段とを備えたことを特徴とする衛星航法装置。 - 請求項4記載の衛星航法装置において、
さらに、当該衛星航法装置の製造時に、予め収集したアルマナックデータと、その拡大アルマナック基準時刻とを蓄積したアルマナック定数の記憶手段と、
アルマナックデータ選択手段とを備え、
前記アルマナックデータ記憶手段によるアルマナック記憶値が得られていない場合、前記アルマナックデータ選択手段により、前記アルマナック定数の記憶手段からの拡大アルマナック基準時刻を含む前記アルマナック定数を選択することを特徴とする衛星航法装置。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の衛星航法装置において、
さらに、リアルタイムクロックを備え、
電源が遮断状態にある間も、前記現在時刻に基づいて前記リアルタイムクロックにおいて時刻を継続的に計時することを特徴とする衛星航法装置。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の衛星航法装置において、
電源が遮断状態の間にも、前記アルマナックデータ記憶手段は、記憶内容を保持する記憶手段により構成されることを特徴とする衛星航法装置。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の衛星航法装置において、
電源が遮断状態の間にも、前記ユーザ位置記憶手段は、記憶内容を保持する記憶手段により構成されることを特徴とする衛星航法装置。
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