JP3923659B2 - チルトセンサー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子機器等の方向、角度等を容易に検出するための光学的チルトセンサーに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等の民生用電子機器の傾きの検出にチルトセンサーが使用されている。図6〜図8は、従来の一般的なチルトセンサーに係わり、図6は、チルトセンサーの斜視図である。図7は、従来の一般的なフォトインタラプタの構成を示す説明図である。図8は、モールド成形された筺体の中に金属ボールを入れたチルトセンサーの検出位置を示す説明図である。それぞれの図によりその概要を説明する。
【0003】
図6は、発光素子と受光素子で構成された既存のフォトインタラプタ10の受発光素子間のギャップGにモールド成形したモールド体4の中に金属ボール1を入れ、前記金属ボール1が動いて位置を変えることによって、2相出力からの信号により、3方向、角度等を検知する構成になっている。
【0004】
図7において、フォトインタラプタ10は、ケースの対向する部分に発光素子3(例えば、赤外LED)と受光素子2(例えば、フォトトランジスタP−Tr)とを配設し、発光素子3からの光をギャップGを介して受光素子2が受光するように構成されている。上記構成によりギャップG内に被検出物が入り光を遮断すると受光素子2側の出力が変化し、この出力変化をスイッチング信号として使用するものである。
【0005】
図8において、前記モールド成形された筺体のボール収納部は平面形状を略三角形状に形成し、前記ボール収納部に1個の金属ボール1を組み込み、モールド体4aの受光側面に2個の受光窓7a、7bを形成する。図7(a)は、金属ボール1が矢印下方向に転がり、受光窓7a、7bが共に受光状態になる。図7(b)は、金属ボール1が矢印左方向に転がり受光窓7aが遮光状態、受光窓7bが受光状態になる。図7(c)は、金属ボール1が矢印右方向に転がり受光窓7aが受光状態、受光窓7bが遮光状態になる。従って、1個のチルトセンサーので左右2方向と下方向の3方向の角度が検出できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したチルトセンサーには次のような問題点がある。即ち、1個のチルトセンサーで2方向若しくは3方向までは検出出来るが、4方向の検出を行う場合は、3個の受光素子を製品に組み込まなければならない。また、n方向の検出を行う際には、(n−1)個の受光素子を組み込まなければならない。従って、コスト及びサイズの双方の面から見て問題となった。
【0007】
本発明は上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、受光デバイスの数を最少化することにより、パッケージをより小さくでき、コストも低減できるチルトセンサーを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明におけるチルトセンサーは、発光素子からの光をギャップを介して受光素子が受光して被検出物の有無を無接点で検出するフォトインタラプタの受発光素子間の前記ギャップに金属ボールを介在させて、このボールの位置によって複数出力からの信号により、方向、角度等を検知するチルトセンサーにおいて、前記発光素子1個に対し受光素子複数個を配設し、且つ、複数個の金属ボールを収納する筺体のボール収納部は多角形形状にすることにより、同一平面上の4方向以上の検出を行うことを特徴とするものである。
【0009】
また、前記金属ボールを収納する筺体のボール収納部は平面形状をn角形(n=4以上の偶数)に形成し、金属ボール数はn/2個とし、筺体の受光面側に前記金属ボール数と同数の受光窓を形成し、デバイスが受光窓と一体となるごとく配置することにより、チルトセンサーの傾きにより金属ボールが移動しその金属ボールが受光窓を遮光し、1個のチルトセンサーで同一平面上のn方向の検出を可能にしたことを特徴とするものである。尚、本発明におけるn角形とは、金属ボールが作用する実質的な辺の数を言い、金属ボールへの影響がない範囲でのコーナーの面取り等は含まないものである。
【0010】
また、前記金属ボールを収納するモールド体のボール収納部は平面形状をn角形(n=5以上の奇数)に形成し、金属ボール数は(n−1)/2個とし、筺体の受光面側に(n+1)/2個の受光窓を形成し、受光デバイスが受光窓と一体になるごとく配置することにより、チルトセンサーの傾きにより金属ボールが移動しその金属ボールが受光窓を遮光し、1個のチルトセンサーで同一平面上のn方向の検出を可能にしたことを特徴とするものである。
【0011】
また、前記筺体のボール収納部は平面形状を略四角形状又は略六角形状に形成し、前記ボール収納部に2個又は3個の金属ボールを組み込み、筺体の受光側面に2個又は3個の受光窓を形成し、受光デバイスが受光窓と一体となるごとく配置することにより、チルトセンサーの傾きにより2個又は3個の金属ボールが移動しその金属ボールが受光窓を遮光し、1個のチルトセンサーで同一平面上の4方向又は6方向の検出を可能にしたことを特徴とするものである。
【0012】
また、前記金属ボールを収納する筺体は、プラスチック樹脂をモールド成形したことを特徴とするものである。
【0013】
また、前記金属ボールを収納するモールド体のボール収納部の内周辺の少なくとも一辺の中央部に中心に向かう突出部を形成したことを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づいて本発明におけるチルトセンサーについて説明する。図1、図2及び図3は本発明の第1の実施の形態であり、図1は、チルトセンサーの外観を示す斜視図である。図2は、図1の内部構造を示す断面図である。図3は、図2のA−A線断面でモールド体内の受光窓と金属ボールの位置関係により受光・遮光状態を示す説明図である。図において、従来技術と同一部材は同一符号で示す。
【0015】
図1及び図2において、チルトセンサーの構成は、ガラスエポキシ樹脂等よりなる2枚の基板5上に、それぞれ発光素子3(LED)を1個及び受光素子2(P−Tr)を2個ダイボンド及びワイヤーボンド実装され、封止樹脂6で樹脂封止さている。前記受、発光素子間には金属ボール1を収納された筺体は2つのモールド体4a、4bにより構成されている。前記2つのモールド体4a、4bは受光窓7(スリット)と発光窓8(スリット)が対向し所定の位置になるように位置合わせして接合されている。A−Aはその接合面である。金属ボール1を収納するモールド体のボール収納部は平面形状が略四角形状等の多角形状に形成されている。
【0016】
図3は、モールド体のボール収納部は平面形状が略四角形状で2個の受光窓7a、7bが形成され、2個の金属ボール1が収納されている。図3(a)、(b)、(c)、(d)は、矢印方向に90度ずつ回転させた場合の2個の金属ボール1と2個の受光窓7a、7bとの位置関係を示したものである。図3(a)は、受光窓7a、7bが共に受光状態である。図3(b)は、受光窓7aが受光状態、受光窓7bが遮光状態である。図3(c)は、受光窓7a、7bが共に遮光状態である。図3(d)は、受光窓7aが遮光状態、受光窓7bが受光状態である。即ち、金属ボールを収納する筺体のボール収納部は平面形状を略四角形に形成し、金属ボール数は2個とし、モールド体の受光面側に前記金属ボール数と同数の2個の受光窓を形成することにより、チルトセンサーの傾きにより金属ボールが移動しその金属ボールが受光窓を遮光し、1個のチルトセンサーで4方向の検出を可能にしたものである。
【0017】
図4は、本発明の第2の実施の形態であり、受光窓と金属ボールの位置関係を示す説明図である。図4に示すように、モールド体のボール収納部は平面形状が略六角形状で3個の受光窓7a、7b、7cが形成され、3個の金属ボール1が収納されている。図4(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)は、矢印方向に60度ずつ回転させた場合で、図4(a)は、受光窓7a、7b、7cが共に受光状態である。図4(b)は、受光窓7a、7bが受光状態、受光窓7cが遮光状態である。図4(c)は、受光窓7aが受光状態、受光窓7b、7cが遮光状態である。図4(d)は、受光窓7a、7b、7cが共に遮光状態である。図4(e)は、受光窓7a7bが遮光状態、受光窓7cが受光状態である。図4(f)は、7aが遮光状態、受光窓7b、7cが受光状態である。即ち、金属ボールを収納する筺体のボール収納部は平面形状を略六角形に形成し、金属ボール数は3個とし、モールド体の受光面側に前記金属ボール数と同数の3個の受光窓を形成することにより、チルトセンサーの傾きにより金属ボールが移動しその金属ボールが受光窓を遮光し、1個のチルトセンサーで6方向の検出を可能にしたものである。
【0019】
上述した2つの実施の形態で説明したように、前記金属ボールを収納するモールド体のボール収納部は平面形状をn角形(n=4以上の偶数)に形成し、金属ボール数はn/2個とし、モールド体の受光面側に前記金属ボール数と同数の受光窓、即ちn/2個を形成することにより、チルトセンサーの傾きにより金属ボールが移動しその金属ボールが受光窓を遮光し、1個のチルトセンサーでn方向の検出を可能にしたものである。
【0020】
図5は、本発明の第3の実施の形態であり、略四角形状をしたモールド体のボール収納部の内周形状を示す説明図である。図5において、モールド体4aのボール収納部の内周の四辺の略中央部に略三角形状の突出部4cが形成されている。前述したように、チルトセンサーの傾きにより2個の金属ボール1が移動するが、金属ボール1が移動した後、この突出部4cの両側に金属ボール1が落ちつき、金属ボール1の位置を安定化させる機能を有するものである。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、1個のチルトセンサーで同一平面上(2次元)の4方向以上の検出が出来るので、部品代、組立費の低減、省スペース化、軽量化が図られ、製品の高機能化、小型化・薄型化が可能で安価なチルトセンサーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わるチルトセンサーの外観を示す斜視図である。
【図2】図1の内部構造を示す説明図である。
【図3】図2のA−A線断面で、略四角形状のモールド体内の受光窓と金属ボールの位置関係により受光・遮光状態を示す説明図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係わる略六角形状のモールド体内の受光窓と金属ボールの位置関係により受光・遮光状態を示す説明図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係わる略四角形状をしたモールド体のボール収納部の内周形状を示す説明図である。
【図6】従来の表面実装型チルトセンサーの斜視図である。
【図7】従来の一般的なフォトインタラプタの構成を示す説明図である。
【図8】従来の表面実装型チルトセンサーの検出位置を示す説明図である。
【符号の説明】
1 金属ボール
2 受光素子(P−Tr)
3 発光素子(LED)
4、4a、4b モールド体
4c 突出部
5 基板
6 封止樹脂
7a、7b、7c 受光窓(スリット)
8 発光窓(スリット)
G ギャップ

Claims (6)

  1. 発光素子からの光をギャップを介して受光素子が受光して被検出物の有無を無接点で検出するフォトインタラプタの受発光素子間の前記ギャップに金属ボールを介在させて、このボールの位置によって複数出力からの信号により、方向、角度等を検知するチルトセンサーにおいて、前記発光素子1個に対し受光素子複数個を配設し、且つ、複数個の金属ボールを収納する筺体のボール収納部は多角形形状にすることにより、同一平面上の4方向以上の検出を行うことを特徴とするチルトセンサー。
  2. 前記金属ボールを収納するモールド体のボール収納部は平面形状をn角形(n=4以上の偶数)に形成し、金属ボール数はn/2個とし、筺体の受光面側に前記金属ボール数と同数の受光窓を形成し、受光デバイスが受光窓と一体になるごとく配置することにより、チルトセンサーの傾きにより金属ボールが移動しその金属ボールが受光窓を遮光し、1個のチルトセンサーで同一平面上のn方向の検出を可能にしたことを特徴とする請求項1記載のチルトセンサー。
  3. 前記金属ボールを収納するモールド体のボール収納部は平面形状をn角形(n=5以上の奇数)に形成し、金属ボール数は(n−1)/2個とし、筺体の受光面側に(n+1)/2個の受光窓を形成し、受光デバイスが受光窓と一体になるごとく配置することにより、チルトセンサーの傾きにより金属ボールが移動しその金属ボールが受光窓を遮光し、1個のチルトセンサーで同一平面上のn方向の検出を可能にしたことを特徴とする請求項1記載のチルトセンサー。
  4. 前記筺体のボール収納部は平面形状を略四角形状又は略六角形状に形成し、前記ボール収納部に2個又は3個の金属ボールを組み込み、筺体の受光側面に2個又は3個の受光窓を形成し、受光デバイスが受光窓と一体となるごとく配置することにより、チルトセンサーの傾きにより2個又は3個の金属ボールが移動しその金属ボールが受光窓を遮光し、1個のチルトセンサーで同一平面上の4方向又は6方向の検出を可能にしたことを特徴とする請求項2記載のチルトセンサー。
  5. 前記金属ボールを収納する筺体は、プラスチック樹脂をモールド成形したことを特徴とする請求項1〜4のいづれかに記載のチルトセンサー。
  6. 前記金属ボールを収納するモールド体のボール収納部の内周辺の少なくとも一辺の中央部に中心に向かう突出部を形成したことを特徴とする請求項1〜5のいづれかに記載のチルトセンサー。
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