JP3922822B2 - パルス健康器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人体の各部に導電接触すべき電極にパルス電源を接続し、生体を電気的に刺激してトリートメントを行うパルス健康器に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
人体にはその生体を維持するために、休みなく生体電流が流れて細胞活動や筋肉の収縮運動を行っている。
パルス健康器は、外部からパルス電流を人為的に供給して生体を刺激することにより、生体電流と同じように細胞活動を活性化し、筋肉の収縮運動を喚起して生体機能を高めるものである。
【0003】
パルス健康器の電極には、人体の各部に直に貼り付けて使用する心電図などに用いる吸盤電極や、人体の各部を直に挟んで使用するクランプ電極などがある。
これらの電極は、いずれも取り付けが面倒で、また、接触面積が小さいため、ツボなどの所望の位置に確実に取り付けるのが難しかった。
【0004】
このため、一度にたくさんの電極を所望の位置に簡単に取り付けることのできる電極被服が考案された。
この電極被服は、タイツなどの被服の内側面の所定の位置に柔軟な面状電極を配置し、これを身体にぴったりフィットさせてトリートメントするものである。
【0005】
ところがこの電極被服は、着服するときに肌に密着して内側の電極が擦れたり、めくれたりして心地よくなかった。
また、人によって身体のサイズやツボの位置が異なるので、たくさんの電極を身体の所望の位置にぴったりヒットさせるのが難しかった。
また、被服のサイズが大きすぎて身体にフィットしないと、電極が身体に密着しないので接触不良を起こすことがあった。
【0006】
そこで本発明は、装着が簡単でかつ快適にでき、電極の位置合わせも容易で、サイズの違いにかかわらず身体にぴったりフィットさせることのできる電極装着具を提供することを目的になされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明は、以下のように構成した。
【0008】
すなわち、上半身用の電極ベルトと下半身用の電極ベルトを面状給電具により連結して成り、
上半身用の電極ベルトは、両肩、背中及び両脇に接触すべき面状電極をシート基材の片面に固着すると共に、前記シート基材に一体の緊締用ベルトを備えて成り、この緊締用ベルトを身体に巻き付けその内側に前記面状電極の端部を差し込んで固定し、
下半身用の電極ベルトは左脚用と右脚用とから成り、それぞれ脇腹、下腹部、尻部、そけい部、太腿、及びふくらはぎ部に接触すべき面状電極をシート基材の片面に固着すると共に、前記シート基材に一体の緊締用ベルトを備えて成り、これら左脚用と右脚用の緊締用ベルトを連結して腰に巻き付けその内側にそけい部の面状電極の端部を差し込んで固定し、その他の面状電極も身体の各部に巻き付けて固定し、
そして各面状電極は電極ホックを介して面状給電具に着脱自在に接続し、
面状給電具にはパルス電源に接続するコードを集束して取付けて、面状給電具を介して各面状電極にパルスを供給することを特徴とするパルス健康器である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0010】
図1と図2に、本発明を実施したシート基材としての電極ベルトの正面図を示す。図1は上半身用の電極ベルト、図2は下半身用の電極ベルトを示す。
上半身用の電極ベルトAは、その内側面に左右対称の面状電極A1〜A3を固着する。
面状電極A1は両肩、A2は背中、A3は両脇の下にそれぞれ対応させる。
【0011】
電極ベルトAは、下端のベルトを緊締用ベルトFとし、両端に緊締具としての面ファスナaを固着する。
また、面状電極A1〜A3の中部の外側には、面状電極A1〜A3にそれぞれ導通する雄雌一方の側の電極ホックbを取り付ける。
【0012】
下半身用の電極ベルトBは、左脚用と右脚用があり、それぞれ内側面に面状電極B1〜B6を固着する。
面状電極B1は脇腹、B2は下腹部、B3は尻部、B4はそけい部、B5は太腿、B6はふくらはぎ部にそれそれ対応させる。
【0013】
電極ベルトBは、上端のベルトを緊締用ベルトFとし、両端に緊締具としての面ファスナaを固着する。
また、面状電極B1〜B6の一端を延長して面状導線B1′〜B6′を形成し、その終端の外側に面状導線B1′〜B6′に導通する雄雌一方の側の電極ホックbを取り付ける。
【0014】
上半身用と下半身用の電極ベルトA、Bは、伸縮性の大きい繊維材料を型抜きして1ピースに形成する。
従って、複数のベルトを縫合する手間を省いて生産コストを低減することができる。
電極ベルトA、Bは、内側面に医療用の粘着剤を塗布して身体に直接貼り付けて緊締してもよい。
【0015】
面状電極A1〜A3、B1〜B6と面状導線B1′〜B6′は、柔軟なシート状のウレタン樹脂の表面をカーボンインクでコーティングして形成する。
そして、上半身用と下半身用の電極ベルトA、Bの内側面にコーティング面を表にして縫合あるいは熱溶着して取り付ける。
また、面状導線B1′〜B6′の表面を絶縁シートで被覆する。
【0016】
面状電極A1〜A3、B1〜B6は、凹凸感をなくすためにカーボンインクを直接ウレタン樹脂で形成した電極ベルトA、B上に幾重にも重ねてグラビア印刷してもよい。
これにより、面状電極A1〜A3、B1〜B6がフラットになり凹凸感や違和感がなくなる。
また、面状電極A1〜A3、B1〜B6を身体にぴったりフィットさせるために、その裏側に空気やスポンジで構成する押圧体を挿入して押圧してもよい。
【0017】
図3に、面状電極A1〜A3とB1〜B6にパルス電流を供給する面状給電具Cの正面図を示す。
面状給電具Cは、面状電極A1〜A3と面状導線B1′〜B6′の電極ホックbに着脱自在に嵌合する雄雌他方の側の電極ホックb′を取り付け、これらの電極ホックb′に導通する図示しないコードをコネクタC1に集束してケーブルC2の始端に接続する。そして、ケーブルC2の終端をパルス電源に接続する。
【0018】
面状給電具Cは、パルス電源に接続する多数のコードを一本のケーブルC2に集束して電極ホックb′、bを介して面状電極A1〜A3、B1〜B6に一度に接続する。
従って、電極ホックb′、bを一つ一つ嵌合してコードを接続する手間を省くと共に、多数のコードが絡まったり、身体に絡み付くようなことがなくなる。
【0019】
図4に、本発明を実施したパルス電源のブロック図を示す。
パルス電源は、操作部1で指定したトリートメントの種類と給電パターンをCPU2によってメモリ3から読み出し、これらの種類やパターンに基づいて基準クロック発生器4のクロックパルスを分周したデジタルトリガ信号をI/Oインタフェース5とD/A変換器6を介してパルス発生器7に入力し、所定の幅と周波数のパルスを生成してトランスT1の一次側に供給する。
【0020】
トランスT1と並列にトランスT2を接続し、トランスT2に電流検出回路8を接続して電流値を測定し、過電流が流れていないかどうかを監視する。
電流検出回路8が検出した検出電流は、A/D変換器9とI/0インタフェース5を介してCPU2に入力し、電流値が基準をオーバーしているときは、電流保護回路10によって遮断スイッチ11を作動して回路を遮断する。
【0021】
トランスT1の二次側の一端と他端にそれぞれスイッチング回路12A、12Bの一端を接続し、スイッチング回路12A、12Bの他端を共通にしてコネクタC1を介して面状電極A1〜A3、B1〜B6を分岐接続する。
スイッチング回路12A、12Bはフォトカプラ接続のスイッチング回路で、対応する切換ユニット13A、13Bの出力信号によって任意のフォトカプラを通電してスイッチングを行う。
これにより、指定したトリートメントの種類と給電パターンに基づいて面状電極面状電極A1〜A3、B1〜B6を任意に組合せて所定のパルス電流を流す。
【0022】
トリートメントの種類には、5〜10Hzの低い周波数のパルスで身体の深部を刺激し、骨格筋を運動させて血液の循環を促し、身体を揉みほぐす効果のあるトーニングと、20〜100Hzの高い周波数のパルスで身体の表部を刺激し、上層部の筋肉を運動させてリンパ液の流れを助長し、浮腫などを取り除く効果のあるドレナージュがある。
【0023】
ドレナージュとトーニングには、パルス電圧をサイクリックに上下して刺激を変化させるスペシャル・ドレナージュとスペシャル・トーニングがある。
また、同時に複数の電極間にパルスを流す通常のドレナージュとトーニングの他に、時系列で時間を分けて複数の電極間にパルスを流す時系列ドレナージュと時系列トーニング、あるいは時分割で同時に複数の電極間にパルスを流す時分割ドレナージュと時分割トーニングがある。
【0024】
本発明のパルス健康器は以上のような構成で、トリートメントを行うときは、図5の正面図と図6の背面図に示すように、電極ベルトA、Bをそれぞれ上半身と下半身の両脚部の所定の位置を覆うように巻き付け、端部を緊締用ベルトFの内側に差し込んで面ファスナaで緊締する。
このとき、面状電極A1〜A3、B1〜B6が所望の部位にこない場合は、電極ベルトA、Bをずらして位置合わせする。
また、面状電極A1〜A3、B1〜B6が身体にぴったりフィットしない場合は、緊締用ベルトFの強さを加減する。
この態勢で電極ベルトA、Bの内側面にある面状電極A1〜A3、B1〜B6に指定したトリートメントの種類と給電パターンのパルス電流を流してトリートメントを行う。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のパルス健康器は、上半身用の電極ベルトと下半身用の電極ベルトを面状給電具により連結した構成である。
そして上半身用の電極ベルトは、両肩、背中及び両脇に接触すべき面状電極をシート基材の片面に固着すると共に、前記シート基材に一体の緊締用ベルトを備えた構成で、この緊締用ベルトを身体に巻き付けその内側に前記面状電極の端部を差し込んで固定する。
また下半身用の電極ベルトは左脚用と右脚用とから成り、それぞれ脇腹、下腹部、尻部、そけい部、太腿、及びふくらはぎ部に接触すべき面状電極をシート基材の片面に固着すると共に、前記シート基材に一体の緊締用ベルトを備えた構成で、これら左脚用と右脚用の緊締用ベルトを連結して腰に巻き付けその内側にそけい部の面状電極の端部を差し込んで固定し、その他の面状電極も身体の各部に巻き付ける。
このように本発明では、シート基材を身体の各部を覆うように巻き付けて緊締するので、簡単に装着でき、電極被服のように電極が擦れたり、めくれたりしないので快適に装着できる。
また、電極ベルトを自由にずらすことができるので、電極の位置合わせが容易にできる。
さらに、緊締用ベルトを緩めたり強くしたり調節して電極ベルトを身体にぴったりフィットできるので、電極が身体に密着してパルス電流の流れがよくなり、トリートメント効果が向上する。
また、各面状電極は電極ホックを介して面状給電具に着脱自在に接続し、面状給電具にはパルス電源に接続するコードを集束して取付けて、面状給電具を介して各面状電極にパルスを供給するので、コードを接続する手間を省くと共に、多数のコードが互いに絡まったり、身体に絡みつくようなことがない。
さらに、面状電極の端部は身体に巻き付けた緊締用ベルトの内側に差し込んで固定するので、差し込む位置をずれせば身体の大きさが違っても面状電極を簡単に位置合せできる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した上半身用の電極ベルトの正面図である。
【図2】本発明を実施した下半身用の電極ベルトの正面図である。
【図3】本発明を実施した面状給電具の正面図である。
【図4】本発明を実施したパルス電源のブロック図である。
【図5】本発明を実施した電極ベルトを装着した人体の正面図である。
【図6】図5の背面図である。
【符号の説明】
1 操作部
2 CPU
3 メモリ
4 基準クロック発生器
5 I/Oインタフェース
6 D/A変換器
7 パルス発生器
8 電流検出回路
9 A/D変換器
10 電流保護回路
11 遮断スイッチ
12 スイッチング回路
13 切換ユニット
A 上半身用の電極ベルト
A1〜A3 面状電極
B 下半身用の電極ベルト
B1〜B6 面状電極
C 面状給電具
C1 コネクタ
C2 ケーブル
T1〜T2 トランス
a 面ファスナ
b 電極ホック

Claims (1)

  1. 上半身用の電極ベルトと下半身用の電極ベルトを面状給電具により連結して成り、
    上半身用の電極ベルトは、両肩、背中及び両脇に接触すべき面状電極をシート基材の片面に固着すると共に、前記シート基材に一体の緊締用ベルトを備えて成り、この緊締用ベルトを身体に巻き付けその内側に前記面状電極の端部を差し込んで固定し、
    下半身用の電極ベルトは左脚用と右脚用とから成り、それぞれ脇腹、下腹部、尻部、そけい部、太腿、及びふくらはぎ部に接触すべき面状電極をシート基材の片面に固着すると共に、前記シート基材に一体の緊締用ベルトを備えて成り、これら左脚用と右脚用の緊締用ベルトを連結して腰に巻き付けその内側にそけい部の面状電極の端部を差し込んで固定し、その他の面状電極も身体の各部に巻き付けて固定し、
    そして各面状電極は電極ホックを介して面状給電具に着脱自在に接続し、
    面状給電具にはパルス電源に接続するコードを集束して取付けて、面状給電具を介して各面状電極にパルスを供給することを特徴とするパルス健康器。
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