JP3921571B2 - 複合コネクタ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、光学的接続と電気的接続とを同時に為したり或いは同時に接続解除できるようにしうる複合コネクタ装置に関する。
【0002】
近年、様々なネットワーク技術の普及や発展に伴い、高速伝送が一般になりつつある。この信号高速化に用いられるのが光通信技術であり、光コネクタがその接続部位に多用されている。しかしながら、そうした接続機器間に光通信と並行して用いられる接続系統には電気信号に適したものや、或いは各種回路に電源を供給するために用いるものがあり、総てを光接続化するのが適切でない場合がある。
【0003】
そのため従来より、実用新案公報第2514762号に記載の複合コネクタや、特許公開公報2001−147346号のハイブリッドコネクタの様に、光通信接続と電気的接続とを同時に解結しうるように構成したものがある。前者記載の装置は同軸型電気コネクタが通常具備する簡易なロック機構が嵌合することで光接続状態を維持する様に構成したものであり、後者は使用箇所の形態に合わせて、光コネクタとしたり複合コネクタとしたりできる様に構成したものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、光学的接続及び電気的接続が入り混じって多用されている高度なネットワーク機器の周辺では、その設置、保守または試験、変更、改造に際して機器やラインの切り離し及び代替(接続変更)が比較的頻繁に行われうることは周知の通りである。接続部位はこうした作業の生じる蓋然性を予想して解結可能に設けられていることも多い。しかるに、多数の光コネクタと多数の電気コネクタとを扱う作業において、人為的な接続ミスを防ぎつつそれを効率的に行う為には、同時に解結されるべき電気ケーブルと光ケーブルは各種の結束部材などを用いていわゆる束線処理が施されていることが望ましく、更に、その接続作業を簡便に行えるようにコネクタ部位も電気的接続と光接続とを同時に為しえる、いわゆる複合コネクタ(ハイブリッドコネクタ)と呼ばれるものとすることが望ましい。
【0005】
その一方で、特に光接続部位については、必要に応じて、広く普及している形状の光コネクタをそのまま組み込み複合コネクタとして一体化したり、或いは複合コネクタから再度分離して他の物と差し替えたりするニーズも存在する。いずれにしても、ネットワークの今日の重要性に鑑み、現場においてこうした光コネクタ部分や電気コネクタ部分の改造などを長時間を所要して行うことは、長時間にわたるネットワークの稼働停止にもつながる虞があり、そのような作業を行う必要がなく、特に機器の設置現場において電気・光接続を簡便に変更したり交換したりすることのできる複合コネクタの提供が要請されていた。
【0006】
さらに次のような起こりうる問題があった。即ち、光接続用コネクタに一般に用いられる材料は帯電性の高いものが使用される。ところがコネクタの着脱を行う者が合成繊維系の衣類を着用していて作業を行おうとすると、こうした光接続コネクタに指を近づけただけで、放電が行われ、それが電気コネクタの表面を伝わってコンタクト等に伝わり、その結果、各種の電気的素子を破壊するいわゆる静電障害(ESD)の原因となることがあった。
【0007】
この発明は斯かる問題点に鑑みて為されたもので、接続時には光接続部分および電気的接続部分の一括接続を簡便に行えるとともに、複合コネクタとしての組合せを現場で簡単に交換することが可能であって、しかも光コネクタ用として最適な材料を選択しつつ、十分な静電破壊対策が施された複合コネクタ装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の目的のもとになされたこの発明は、光接続と電気的接続とを同時に行う一対以上の複合コネクタと、前記複合コネクタをその内部に着脱可能に受容しそれらの相互接続を行う様に構成されるアダプタとからなる複合コネクタ装置である。そして前記対を為す各複合コネクタは、光接続モジュールと、電気接続モジュールと、前記光接続モジュールを受け入れる光モジュール保持部および前記電気接続モジュールを受け入れる電気モジュール保持部とが並列して形成されているクリップハウジングとで構成され、光接続モジュールと電気接続モジュールを受け入れたクリップハウジングが、両接続モジュールに対して結線方向と反対の後退方向へのスライドを可能とされている。前記アダプタは、各々一対以上の光接続キャビティと電気接続キャビティとをその端部に具備するとともに、各光接続キャビティに対する光接続モジュールの接続、及び、各電気接続キャビティに対する電気接続モジュールの接続が前記クリップハウジングで一体にされた前記各接続モジュールの結線方向への挿入により為され、各キャビティからの各々のモジュールの接続解除が、前記クリップハウジングの後退方向へのスライドにより為される様に構成されている。
【0009】
更に前記光接続モジュールの接続が、前記光接続キャビティ内に設けられた腕部と光接続モジュール外面に設けられた肩部との挿入時の係合によりなされ、接続解除が、前記クリップハウジングの後退方向へのスライドにより前記腕部が待避することにより行われる構成とされている複合コネクタ装置である。
或いは更に、前記電気接続モジュールの接続が、前記電気接続キャビティに設けられた肩部と電気接続モジュールに設けられた腕部との挿入時の係合によりなされ、接続解除が、前記クリップハウジングの後退方向へのスライドにより前記腕部が待避することにより行われる複合コネクタ装置としても良い。
【0010】
或いは更に、前記クリップハウジングに、前記光接続モジュールの係止を解除する係合爪と、前記電気接続モジュールの係止を解除するスリットが設けられ、クリップハウジングのスライドに基づいて、係合爪が光接続モジュールに作用し、スリットが電気接続モジュールに作用する様に構成されている複合コネクタ装置である。
前記アダプタは、その内部に前記電気接続モジュールと接続するコンタクトが植設されたインナーウエハを具備する様にした複合コネクタ装置としても良い。
その場合、前記アダプタは、二つのアダプタ半体を突き合わせて構成し、前記インナーウエハは、前記アダプタ半体の突合せ部分に位置するする様にしても良い。
【0011】
前記アダプタは、その外部に金属製のシールドを有し、更に前記シールドは、静電気を捕捉するための手段として、アダプタ半体の突合せ面に先端が臨む突起と、捕捉した静電気を放電するための手段として、パネルと係合する切り起し片とを有することを特徴とする複合コネクタ装置とすることもできる。
【0012】
【作用】
このような構成の複合コネクタ装置によれば、クリップハウジングにより光接続モジュールと電気接続モジュールが一体化されている複合コネクタを、アダプタに挿入するのみで、双方のモジュールに対して係止機構が作用し確実な接続が為される。そのうえ接続解除時も、複合コネクタのクリップハウジングを後退方向にスライドするのみで切り離しを行うことができ、非常にスムーズに接続/接続解除が行えることになる。
【0013】
また、コンタクトへの静電気の放電が、表面部位からの沿面距離を十分にとるためのインナーウエハやアダプタの外部に設けられた金属製のシールドにより妨げられる。更にこのシールドが静電気を捕捉するための手段を具備するので、こうした有害な放電が及ぼされる虞が極めて小さい。捕捉された静電気は金属製のシールドから更に静電気を放電するための手段、例えば切り起し片やスポット溶接されたブラケット等を経て、このアダプタが取り付けられているパネル部位等に放電される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態を、添付図面を参照しつつ説明する。
図1乃至図3に示されている様に、本実施形態の複合コネクタ装置10は、図4乃至図6に示される複合コネクタ20と、図7乃至図12に示される角スリーブ状のアダプタ80とにより構成される。本実施形態の場合、複合コネクタ20は、光接続モジュール30と電気接続モジュール40とを各々1組ずつ並列させて備えており、クリップハウジング50で両モジュールが一体化されている。
また、アダプタ80に設けられた一対の光接続キャビティ81、81と電気接続キャビティ82,82とによって、それぞれ相対する方向から挿入された各複合コネクタ20の前部に露出した光接続モジュール30と電気接続モジュール40とを突き合わせた形で保持し、それぞれの接続を得るようにしている。
【0015】
複合コネクタ20を構成している光接続モジュール30は一種の光コネクタであって、1本の光ファイバケーブル31の端部に接続され、その芯線である光ファイバ32の端部に固定処理したフェルール33が接続端から突出した構造をしている。この光接続モジュール30とアダプタ80との間には、係止機構が設けられる。この係止機構は図2に最もよく表れているが、アダプタ80の光接続キャビティ内の上下に各々設けた腕状のラッチ,即ち腕部83と、光接続モジュール30のインナーハウジング34に形成した肩部35で形成されている。光接続モジュール30を光接続キャビティ81に挿入すると、腕部83が自動的に肩部35に係合して、光接続モジュール30を内部に拘束するようになっている。
【0016】
肩部35に係合した腕部を待避させるために、光接続モジュール30側には図の左右方向にスライド可能のアウターハウジング36が設けられている。アウターハウジング36を後退方向(各光モジュールの挿入方向とは逆の方向)にスライドすると、アウターハウジング36の先端に設けた作用突起38が腕部83の先端両側に係合して、腕部83を肩部35から分離する方向に変位させる。このように、アウターハウジング36のスライドを介して腕部83による係合の解除ができるようになっている。
【0017】
複合コネクタ20を構成している電気接続モジュール40は、電線41に終端接続された、本実施形態では4個のソケットコンタクト42が2個ずつ二段にしてハウジング43に装着された構造となっており、ソケットコンタクト42が接続端に臨んでいる。ハウジング43の外側壁(光接続モジュール30が隣接している側壁とは反対の側壁)には、図13,14に示したようなメタルラッチ板44が添設されて、そのラッチ片状の腕部45が後端(結線方向とは逆の方向)に向かうに従い端部が外側に拡がる様に延びている。この腕部45は、アダプタ80の電気接続キャビティ82の内壁に形成した肩部84と係合して電気接続モジュール40の係止を行う機構を有している。
【0018】
前記腕部45と肩部84による電気接続モジュールの係止機構は、クリップハウジング50によって解除できるようにしている。クリップハウジング50は並列する光接続モジュール30と電気接続モジュール40とを一体化して複合コネクタ20を構成しているものであるが、このクリップハウジング50は光接続モジュール30及び電気接続モジュール40に対して、それらの長手方向(各モジュールの結線方向)についてスライド可能となっており、このスライドによって前記腕部45を肩部84から待避させて係止を解除できるようにしている。
【0019】
ここで、クリップハウジング50の構造を説明する。このクリップハウジング50は、図15乃至図21に示した様な形状をしている。仕切り壁51を挟んでその一側(図20における上方)に光接続モジュール30を受け入れる光モジュール保持部52が形成され、その他側(図20における下方)に電気接続モジュール40を受け入れる電気モジュール保持部53が形成されている。本実施態様の場合、光モジュール保持部52は電気モジュール保持部53に比べて短く形成されており、既に説明した光接続モジュール30と光接続キャビティ81との係合を損なわない様にしている。他方、両保持部52,53の後端部は、図4に示されている様に、揃えられ、接続及び接続解除の為の操作が、視覚的にも明確かつ容易な手順で行いうる様にしている。
【0020】
光モジュール保持部52は、図18及び図19に示されている様に、前記の仕切り壁51と対向する外側壁にスリット56が形成され、光モジュール保持部52の後端側からケーブルを伴う光接続モジュール30を挿入し、図4,5に示す様な位置にセットしやすくしている。尚、このスリット56については、光接続モジュールの形状・大きさによっては省略することができる。上記位置決めはクリップハウジング50の内壁に設けられた係合爪62によって為される。
【0021】
一方、電気モジュール保持部53は、同じく電気接続モジュール40をその後方より挿入することにより内包しうる長さを有する。これは図4、6に示されている。そして、この電気モジュール保持部53の外側壁には、電気接続モジュール40のメタルラッチ44に設けた腕部45が突出できるようにした方形の窓孔58が形成されているとともに、この窓孔58をクリップハウジング50の長手方向に横断するように、スリット59が形成されている。このスリット59は幅を腕部45の幅よりも狭くしている。
【0022】
このスリット59により、クリップハウジング50を後退方向にスライドさせると、窓孔58を通じて突出している腕部45にスリット59の両岸が干渉し、腕部45を内側に待避させる。これにより、アダプタ80の端部内面に設けられた肩部84と腕部45との係合が解除され、両者の係止状態が解除される。
【0023】
また、前記光モジュール保持部52については、図18乃至図21に示すように、その内壁の両側内面60,61に係合爪62が設けられている。この係合爪62が光接続モジュール30のアウターハウジング36の後方に設けられた係合肩37と係合し、クリップハウジング50が後方にスライドした時に、アウターハウジング36をも拘束して後方にスライドさせる結果、前述したように、その先端に設けた作用突起38がアダプタ80の腕部83を肩部35から分離する方向に作用し、アダプタ80と光接続モジュール30の先端部の係合が解除される。上記に述べた各々の係止・係止解除機構により、クリップハウジング50を後退方向にスライドすることのみで、光接続モジュール30及び電気接続モジュール40の双方を一括してアダプタ80から離脱させうる構成が実現する。
【0024】
尚、上記したように、両接続モジュール30,40は、いずれもクリップハウジング50の後端側から挿入することにより接続される。このことは、並列配置した両接続モジュールをパレット状の部材で挟み込んで一体化する様な方法と異なり、嵌合面が存在しないので、本明細書の各部で述べている、いわゆる静電障害(ESD)の防止に効果的であることに注目すべきである。嵌合面が存在するとそれが沿面放電の経路となるからである。加えて、クリップハウジング50を介して光接続モジュール30と電気接続モジュール40とを一体化する構成は、各々のモジュールのハウジングを、その製品面や具備すべき機能の面から最も好適な材料を選択することを可能とし、例えば電気接続モジュール40のハウジングとして、より絶縁体力の高いプラスチックを選択することを可能にする。
【0025】
次に、上記のような複合コネクタ20が複数接続されるアダプタ80について、図7乃至図12を参照しつつ説明する。このアダプタ80は、図10乃至図12に示してあるように、同型の二つのアダプタ半体85を突き合わせて、内部中央に仕切り壁86が画成され、仕切り壁86の両側に、それぞれ、複合コネクタ20との嵌合部が形成される様にしている。光接続キャビティ81と電気接続キャビティ82がアダプタ80の両端に各々1箇所ずつ開口するように設けられ、複合コネクタ20用の嵌合部を構成している。また、アダプタ80の外側壁は図22に示すようなメタルシールド100で覆われ、その結果図7乃至図9に示すような外観を呈する。
【0026】
また、図12に最もよく表されている様に、アダプタ半体85相互は、係合片87が相補関係にあるアダプタ半体85の内側に進入して係合し、一体化が為される。またアダプタ80の胴体に相当する部分をほぼ覆う長さにわたって、一対からなるメタルシールド100が被せられる。このメタルシールド100は、図7に表されている様に、両アダプタ半体85,85に、係合部101(メタルシールド100側に設けられた係合部101に各アダプタ半体85に設けられた凸部が係合している。)において係合し、アダプタ半体85相互の一体化を補強している。
【0027】
既に述べた様に、各アダプタ半体85の光接続キャビティ81には、腕部83が設けられており、電気接続キャビティ82の嵌合端内側には肩部84が設けられている。
【0028】
アダプタ半体85の突き合わせ部分に画成された仕切り壁86には、フェルールガイド88とコンタクト89が設けられている。フェルールガイド88は、アダプタ半体85に形成した筒体90に嵌装支持されており、光接続モジュール30の接続端に突出しているフェルール33がその中心に光軸を合致させつつ導入される様にしている。
【0029】
ピンコンタクト89は、インナーウエハ91に植設されており、インナーウエハ91はその両側から仕切り壁86に支持されている。ピンコンタクト89は、インナーウエハ91の両側に突出しており、電気接続モジュール40のソケットコンタクト42と一対一の関係で対向し、互いに嵌合して電気的に導通を図れる様になっている。
【0030】
メタルシールド100の中央部には開口部102が設けられ、この開口部102を通じてアダプタ半体85の突き合わせ部分に設けられた突部92が外側に突出するように形成されている。そして、この突部92と対向する様に、メタルシールド100の両端部には切り起し片103が片持ち状に形成され、切り起し片103の先端103aが係合してアダプタ80をパネル110に簡便に固定できる様になっている。
【0031】
この様に、メタルシールド100に形成した開口部102を通じてアダプタ半体85の突部92を突出させる構造は、アダプタ半体85の突き合わせ面93の一部が外部に露出することになる。したがって、この露出した突き合わせ面93を通じてピンコンタクト89に至る沿面放電の経路が形成されることになって、静電障害(ESD)が生じる虞がある。即ち化学繊維製品などを着用し静電気を帯電させている操作者がこうした突起部に接触したり或いは単に手や指を近づけただけで、この際に数千ボルト乃至数万ボルトの静電気がこの部分に放電される可能性がある。
【0032】
万一、このようなことが起こると、ピンコンタクトに接続されている回路上のIC半導体などが損傷されることにつながる。そこで、本実施態様では、図8に示すように、前記開口部102の側縁に、突き合わせ面93に先端が臨む突起104を二カ所、互いに対向する様に設けてある。これにより、突部92などの絶縁部分に静電気が帯電されそうになったときには、いずれかの突起104が静電気を捕捉してその突起104を通してメタルシールド100に放電され、更に切り起し片103からパネル110へと放電される様にしている。
【0033】
即ち、本実施態様では、これらアダプタ半体85の露出している部分である突部92のどの位置に対して放電が為されたとしても、1個のメタルシールドに2カ所設けられている突起104によりその電荷を捕捉し、静電気がアダプタ内に流れるのを未然に防げるようにしている。
尚、より好ましい実施態様としては、互いに対向する様に設けた突起104の対向間隔を、突部92の表面部から突き合わせ面93に沿ってピンコンタクト89に至る沿面長さに比べて十分に短くすることが考えられる。具体的には、上記対向間隔をL(図22参照)とした場合、その半分の長さ(L/2)を基準として、内部のピンコンタクトへの沿面距離がL/2より長くなる様に構成する。
【0034】
また、他の実施例としては、上記の対向間隔を保ちつつ、突起104を上向きに突部92の側面に沿わせて設けることによっても、同様の効果を得られる。これらはいずれも突起形状が静電気の電荷を捕捉しやすい性質を利用したものである。
尚、前記のインナーウエハ91を設ける利点としては、ピンコンタクトがアダプタ半体に支持されている場合に比べると、上記沿面距離を大きくすることができるという大きなメリットが上げられる。
【0035】
図1乃至図3は、以上の様に構成された、アダプタ80が有する一方の嵌合端に複合コネクタ20を嵌合して、片側の接続を完了した状態を示している。複合コネクタ20を、その光接続モジュール30を光接続キャビティ81に対して、電気接続モジュール40を電気接続キャビティ82に対してそれぞれ合致させた位置に進入させると、光接続キャビティ81に設けられた腕部83が光接続モジュール30の肩部35に自動的に係合し、また、電気接続モジュール40に設けた腕部45が電気接続キャビティ82に設けた肩部84に自動的に係合して、複合コネクタ20の接続状態がロックされる。
【0036】
接続を解除する時は、複合コネクタ20を構成したクリップハウジング50を後退方向にスライドさせる。図23、図24に、クリップハウジングを後退させた状態が図示されている。操作者がクリップハウジング50を把持して後退させると、クリップハウジング50は、光接続モジュール30とアダプタ80との間の係止機構及び電気接続モジュール40とアダプタ80との間の係止機構に作用して、係止を解除することができる。
【0037】
光接続モジュール30とアダプタ80との間の係止機構については、クリップハウジング50の後退方向へのスライドによって、クリップハウジング50側の係合爪62が光接続モジュール30側のアウターハウジング36に形成した係合肩37に係合して、アウターハウジング36を後退方向にスライドさせる。アウターハウジング36と作用突起38は一体となって動作するため、アウターハウジング36が後退すると作用突起38の作用により肩部35との係合が解除される。
【0038】
電気接続モジュール40とアダプタ80との間の係止機構については、クリップハウジング50の後退方向へのスライドによって、クリップハウジング50側のスリット59が電気接続モジュール40側の腕部45に係合して、腕部45を係合位置から内側(電気接続モジュール寄り)に待避させる。この結果、アダプタ80内面の肩部84との係合が解除される。
【0039】
このように、この複合コネクタ装置10は、複合コネクタ20をアダプタ80の端部に挿入するだけで、係止機構が自動的に作用して、光接続モジュール30及び電気接続モジュール40の接続状態を確実に維持し、高い接続信頼性を得ることが出来る。そして、クリップハウジング50を後退方向に向けてスライド操作するのみで、各々の係止状態を一括して解除できるので、接続の解除をきわめて容易に行うことができる。
【0040】
また、アダプタ80は、複数の複合コネクタ20と共動して複合コネクタ装置10を構成するのに好適であるばかりでなく、このアダプタ80の有する各接続キャビティ数を増減することにより、接続される複合コネクタ数を、2個、4個、6個など任意なものとすることも可能である。
【0041】
更に、操作者の手や指が触れたり接近することにより静電気が放電されて、接続されている電気回路がダメージを受けることの無いように、メタルシールドが静電気を捕捉しやすく構成されているので、電気回路の保護を十分に図ることができる一方、光接続部分には、その用途に最も適した材料を選択することが可能となる。
【0042】
【発明の効果】
以上に説明の通り、この発明によれば、光接続モジュールと電気接続モジュールを一体化しているクリップハウジングを前後方向に操作するのみで、接続時には光接続モジュール及び電気接続モジュールの接続が極めて簡便に実現でき、また、切り離し時には、この接続状態を簡単な操作で解除できる複合コネクタ装置を提供することができる。また、外部に静電気を有効に捕捉しうる金属製のシールドを具備しコンタクトの保持部としてのインナーウエハが設けられているので、内部への沿面放電によりコンタクトに静電気が放電されてしまう虞が無い。これにより静電気が生じやすい使用条件のもとでも、それによる回路破壊等の事態を防ぎつつ、光学部位には光学的物性に優れた材料を使用しうる優れた複合コネクタとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態の複合コネクタ装置の横断面図である。
【図2】 同じく複合コネクタ装置の光コネクタの部分の縦断面図である。
【図3】 同じく複合コネクタ装置の電気コネクタの部分の縦断面図である。
【図4】 この発明の実施形態の複合コネクタの横断面図である。
【図5】 同じく複合コネクタの光コネクタの部分の縦断面図である。
【図6】 同じく複合コネクタの電気コネクタの部分の縦断面図である。
【図7】 この発明の実施形態のアダプタの平面図である。
【図8】 同じくアダプタの正面図である。
【図9】 同じくアダプタの側面図である。
【図10】 同じくアダプタの横断面図である。
【図11】 同じくアダプタの光コネクタ受入空洞の部分の縦断面図である。
【図12】 同じくアダプタの電気コネクタ受入空洞の部分の縦断面図である。
【図13】 この発明の実施形態の電気コネクタに設けたメタルラッチ板の正面図である。
【図14】 同じくメタルラッチ板の平面図である。
【図15】 この発明の実施形態のクリップハウジングの平面図である。
【図16】 同じくクリップハウジングの正面図である。
【図17】 同じくクリップハウジングの背面図である。
【図18】 同じくクリップハウジングの右側面図である。
【図19】 同じくクリップハウジングの左側面図である。
【図20】 同じくクリップハウジングの横断面図である。
【図21】 同じくクリップハウジングの光コネクタ保持部の部分の縦断面図である。
【図22】 この発明の実施形態のメタルシールドの斜視図である。
【図23】 この発明の実施形態の、クリップハウジングを後退方向へスライドした時の光コネクタの部分の縦断面図である。
【図24】 同じく、クリップハウジングを後退方向へスライドした時の横断面図である。
【符号の説明】
10 複合コネクタ装置
20 複合コネクタ
30 光接続モジュール
34 インナーハウジング
35 肩部
36 アウターハウジング
37 係合肩
38 作用突起
40 電気接続モジュール
44 メタルラッチ板
45 腕部
50 クリップハウジング
51 仕切り壁
59 スリット
62 係合爪
80 アダプタ
81 光接続キャビティ
82 電気接続キャビティ
83 腕部
84 肩部
85 アダプタ半体
86 仕切り壁
89 コンタクト
91 インナウエハ
92 突部
93 突き合わせ面
100 メタルシールド
102 開口部
103 切り起し片
104 突起
110 パネル
Claims (10)
- 光接続と電気的接続とを同時に行う一対以上の複合コネクタ(20)と、前記複合コネクタ(20)をその内部に着脱可能に受容しそれらの相互接続を行う様に構成されるアダプタ(80)とからなる複合コネクタ装置であって、
前記対を為す各複合コネクタ(20)は、光接続モジュール(30)と、電気接続モジュール(40)と、前記光接続モジュール(30)を受け入れる光モジュール保持部(52)および前記電気接続モジュール(40)を受け入れる電気モジュール保持部(53)とが並列して形成されているクリップハウジング(50)とで構成され、光接続モジュール(30)と電気接続モジュール(40)を受け入れたクリップハウジング(50)が、両接続モジュール(30、40)に対して結線方向と反対の後退方向へのスライドを可能とされており、
前記アダプタ(80)は、各々一対以上の光接続キャビティ(81)と電気接続キャビティ(82)とをその端部に具備するとともに、
各光接続キャビティ(81)に対する光接続モジュール(30)の接続、及び、各電気接続キャビティ(82)に対する電気接続モジュール(40)の接続が前記クリップハウジング(50)で一体にされた前記各接続モジュールの結線方向への挿入により為され、各キャビティ(81、82)からの各々のモジュール(30、40)の接続解除が、前記クリップハウジング(50)の後退方向へのスライドにより為されることを特徴とする複合コネクタ装置。 - 前記光接続モジュール(30)の接続が、前記光接続キャビティ(81)内に設けられた腕部(83)と光接続モジュール(30)外面に設けられた肩部(35)との挿入時の係合によりなされ、接続解除が、前記クリップハウジング(50)の後退方向へのスライドにより前記腕部(83)が待避することにより行われる請求項1に記載の複合コネクタ装置。
- 前記電気接続モジュール(40)の接続が、前記電気接続キャビティ(82)に設けられた肩部(84)と電気接続モジュール(40)に設けられた腕部(45)との挿入時の係合によりなされ、接続解除が、前記クリップハウジング(50)の後退方向へのスライドにより前記腕部(45)が待避することにより行われる請求項1に記載の複合コネクタ装置。
- 前記クリップハウジング(50)に、前記光接続モジュール(30)の係止を解除する係合爪(62)と、前記電気接続モジュール(40)の係止を解除するスリット(59)が設けられ、クリップハウジングのスライドに基づいて、係合爪(62)が光接続モジュール(30)に作用し、スリット(59)が電気接続モジュール(40)に作用することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の複合コネクタ装置。
- 前記アダプタ(80)は、その外部に金属製のシールド(100)を有し、その内部に前記電気接続モジュール(30)と接続するコンタクト(89)が植設されたインナーウエハ(91)を具備する請求項1に記載の複合コネクタ装置。
- 前記アダプタ(80)は、二つのアダプタ半体(85)を突き合わせて構成され、前記インナーウエハ(91)は、前記アダプタ半体(85)の突合せ部分に位置することを特徴とする請求項5に記載の複合コネクタ装置。
- 前記アダプタ(80)の前記シールド(100)は、静電気を捕捉するための手段として、アダプタ半体(85)の突合せ面(93)に先端が臨む突起(104)と、捕捉した静電気を放電するための手段として、パネル(110)と係合する切り起し片(103)とを有することを特徴とする請求項6に記載の複合コネクタ装置。
- 前記アダプタ半体(85)の突合せ面(93)に臨む突起(104)は、二カ所互いに対向させてなることを特徴とする請求項7に記載の複合コネクタ装置。
- 複数の光接続キャビティ(81)と同じく複数の電気接続キャビティ(82)とを具備し、その外部に金属製のシールド(100)を、その内部に前記複数の電気接続キャビティ(82)間を相互に接続するコンタクト(89)が植設されたインナーウエハ(91)を具備する複合コネクタ用アダプタであって、二つのアダプタ半体(85)を突き合わせて構成され、前記インナーウエハ(91)は、前記アダプタ半体(85)の突合せ部分に位置していると共に前記シールド(100)は、静電気を捕捉するための手段として、前記アダプタ半体(85)の付き合わせ面(93)に先端が臨む突起(104)と、捕捉した静電気を放電するための手段として、パネル(110)と係合する切り起し片(103)とを有していることを特徴とする複合コネクタ用アダプタ。
- 前記アダプタ半体(85)の突合せ面(93)に臨む突起(104)は、二カ所互いに対向させてなることを特徴とする請求項7記載の複合コネクタ用アダプタ。
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