JP3921454B2 - 積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法および積層セラミック電子部品用の積層体ユニット - Google Patents

積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法および積層セラミック電子部品用の積層体ユニット Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法および積層体ユニットに関するものであり、さらに詳細には、積層されて、作製された積層セラミック電子部品用の積層体の凹凸を低減させて、積層体の変形や層間剥離を防止することができ、接着性に優れた積層体を作製することができるセラミックグリーンシートと電極層を含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法および積層されて、作製された積層体の凹凸を低減させて、積層体の変形や層間剥離を防止することができ、接着性に優れた積層体を作製することができるセラミックグリーンシートと電極層を含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種電子機器の小型化にともなって、電子機器に実装される電子部品の小型化および高性能化が要求されるようになっており、積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック電子部品においても、積層数の増加、積層単位の薄層化が強く要求されている。
【0003】
積層セラミックコンデンサによって代表される積層セラミック電子部品を製造するには、まず、セラミック粉末と、アクリル樹脂、ブチラール樹脂などのバインダと、フタル酸エステル類、グリコール類、アジピン酸、燐酸エステル類などの可塑剤と、トルエン、メチルエチルケトン、アセトンなどの有機溶媒を混合分散して、誘電体ペーストを調製する。
【0004】
次いで、誘電体ペーストを、エクストルージョンコーターやグラビアコーターを用いて、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリプロピレン(PP)などによって形成された支持シート上に、塗布し、加熱して、塗膜を乾燥させ、セラミックグリーンシートを作製する。
【0005】
さらに、セラミックグリーンシート上に、ニッケルなどの電極ペーストを、スクリーン印刷機などによって、所定のパターンで、印刷し、乾燥させて、電極層を形成する。
【0006】
電極層が形成されると、電極層が形成されたセラミックグリーンシートを支持シートから剥離して、セラミックグリーンシートと電極層を含む積層体ユニットを形成し、所望の数の積層体ユニットを積層して、加圧し、得られた積層体を、チップ状に切断して、グリーンチップを作製する。
【0007】
最後に、グリーンチップからバインダを除去して、グリーンチップを焼成し、外部電極を形成することによって、積層セラミックコンデンサなどのセラミック電子部品が製造される。
グリーンチップを焼成し、外部電極を形成することによって、積層セラミックコンデンサなどのセラミック電子部品が製造される。
【0008】
電子部品の小型化および高性能化の要請によって、現在では、積層セラミックコンデンサの層間厚さを決定するセラミックグリーンシートの厚さを3μmあるいは2μm以下にすることが要求され、300以上のセラミックグリーンシートと電極層を含む積層体ユニットを積層することが要求されている。
【0009】
しかしながら、従来の積層セラミックコンデンサにおいては、セラミックグリーンシートの表面に、所定のパターンで、電極層が形成されるため、各セラミックグリーンシートの表面の電極層が形成された領域と、電極層が形成されていない領域との間に、段差が形成され、したがって、それぞれが、セラミックグリーンシートと電極層を含む多数の積層体ユニットを積層することが要求される場合には、多数の積層体ユニットに含まれたセラミックグリーンシート間を、所望のように、接着させることが困難になるとともに、多数の積層体ユニットが積層された積層体が変形を起こしたり、層間剥離が発生するという問題があった。
【0010】
かかる問題を解決するため、誘電体ペーストを、電極層と反対のパターンで、セラミックグリーンシートの表面に印刷し、スペーサ層を、隣り合った電極層間に形成して、各セラミックグリーンシートの表面における段差を解消させる方法が提案されている。
【0011】
このように、隣り合った電極層間のセラミックグリーンシートの表面に、印刷によって、スペーサ層を形成して、積層体ユニットを作製した場合には、各積層体ユニットのセラミックグリーンシートの表面における段差が解消され、それぞれが、セラミックグリーンシートと電極層を含む数多くの積層体ユニットを積層して、積層セラミックコンデンサを作製する場合にも、所望のように、多数の積層体ユニットに含まれたセラミックグリーンシートを接着させることが可能になるとともに、それぞれが、セラミックグリーンシートと電極層を含む数多くの積層体ユニットが積層されて、形成された積層体が変形を起こすことを防止することができるという利点がある。
【0012】
しかしながら、隣り合った電極層間のセラミックグリーンシートの表面に、隙間なく、正確に、誘電体ペーストを印刷することは、一般に困難であり、隣り合った電極層間のセラミックグリーンシートの表面に、隙間なく、誘電体ペーストを印刷しようとしても、隣り合った一方の電極層の上に、スペーサ層の一部が形成され、他方の電極層と、スペーサ層との間に、間隙が生じて、積層体ユニットの厚さの小さい部分と厚さの大きい部分が形成され、積層体ユニットの厚さが不均一になる場合があった。
【0013】
このような場合には、セラミックグリーンシートと電極層を含む積層体ユニットを積層して、積層体を形成したときに、積層体の表面に、積層体ユニットの厚さの小さい部分が積層された部分と、積層体ユニットの厚さの大きい部分が積層された部分とによって、凹凸が形成され、積層体の変形や、層間剥離の発生を効果的に防止することができないという問題があった。
【0014】
そこで、特開2001−76958号公報は、隣り合った電極層間のセラミックグリーンシートの領域に対して、ことさら、スペーサ層を、対角方向の異なる向きに、所定距離だけ、ずれるように形成して、4種類の積層体ユニットを作製し、これらの積層体ユニットを積層することによって、スペーサ層の印刷すべきセラミックグリーンシートの領域とのずれに起因する厚さの変動を相殺して、積層体ユニットが積層されて、形成された積層体の表面の凹凸を解消する方法を提案している。
【特許文献1】
特開2001−76958号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように、4種類の積層体ユニットを作製することは、きわめて煩雑であるし、何らかの原因で、いずれかの積層体ユニットが、所望のように、作製されなかった場合には、4種類の積層体ユニットを積層して、積層体を形成しても、積層体の表面の凹凸を解消することができず、4種類の積層体ユニットのすべてを廃棄する必要があり、きわめて生産効率が悪いという問題があった。
【0015】
したがって、本発明は、積層されて、作製された積層体の凹凸を低減させて、積層体の変形や層間剥離を防止することができ、接着性に優れた積層体を作製することができるセラミックグリーンシートと電極層を含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法および積層されて、作製された積層体の表面の凹凸を低減させて、積層体の変形や層間剥離を防止することができ、接着性に優れた積層体を作製することができるセラミックグリーンシートと電極層を含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットを提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、本発明のかかる目的を達成するため、鋭意研究を重ねた結果、それぞれが、単位面積あたりの電極材料の量が、5ないし50μmの幅の周縁部領域で、周辺部に向かって、全体として、漸減するパターンを有する複数の単位電極層を含む電極層を、所定のパターンで、印刷することができるパターンを有する第一のマスクを用いて、電極ペーストを印刷して、複数の単位電極層を含む電極層を形成し、それぞれが、単位面積あたりの誘電体材料の量が、5ないし50μmの幅の周縁部領域で、周辺部に向かって、全体として、漸減するパターンで、かつ、前記単位電極層のパターンと実質的に相補的なパターンを有する複数の単位スペーサ層を含むスペーサ層を、前記電極層の前記所定のパターンと実質的に相補的なパターンで、印刷することができるパターンを有する第二のマスクを用いて、隣り合った前記単位電極層の間に、誘電体ペーストを印刷して、複数の単位スペーサ層を含むスペーサ層を形成することによって、それぞれの積層体ユニットにおいて、隣り合った単位電極層の間の領域に、スペーサ層を正確に印刷することができなかった場合にも、それぞれが、セラミックグリーンシート、電極層およびスペーサ層を含む多数の積層体ユニットを積層して、積層体を作製したときに、電極層とスペーサ層とが重なり合った部分の厚さと、電極層もスペーサ層も形成されていない部分の厚さとが相殺し合って、積層体の表面に生じる凹凸を低減し得ることを見出した。
【0017】
具体的には、本発明の前記目的は、それぞれが、5ないし50μmの幅の周縁部領域で、凹凸パターンを有する複数の単位電極層を含む電極層を、所定のパターンで、印刷することができるパターンを有する第一のマスクを用いて、電極ペーストを印刷して、複数の単位電極層を含む電極層を形成し、それぞれが、5ないし50μmの幅の周縁部領域で、前記単位電極層の前記凹凸パターンと実質的に相補的な凹凸パターンを有する複数の単位スペーサ層を含むスペーサ層を、前記電極層の前記所定のパターンと実質的に相補的なパターンで、印刷することができるパターンを有する第二のマスクを用いて、隣り合った前記単位電極層の間に、誘電体ペーストを印刷して、複数の単位スペーサ層を含むスペーサ層を形成することを特徴とする積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法によって達成される。
【0018】
本発明において、単位面積あたりの電極材料の量あるいは単位面積あたりの誘電体材料の量が、周辺部に向かって、全体として、漸減するとは、単位面積あたりの電極材料の量あるいは単位面積あたりの誘電体材料の量が、周辺部に向かって、必ずしも、単調に減少することを意味するものではなく、巨視的に見て、単位面積あたりの電極材料の量あるいは単位面積あたりの誘電体材料の量が、周辺部に向かって、減少することを意味するものである。
【0020】
本発明の好ましい実施態様においては。前記複数の単位電極層のパターンが、それぞれ、その周縁部領域において、波形パターンを有するように、前記第一のマスクのパターンを選択し、前記複数の単位スペーサ層のパターンが、それぞれ、その周縁部領域において、前記単位電極層の前記波形パターンと実質的に相補的な波形パターンを有するように、前記第二のマスクのパターンを選択して、前記電極層および前記スペーサ層を形成するように構成されている。
【0021】
本発明の前記目的はまた、それぞれが、5ないし50μmの幅の周縁部領域で、周辺部に向かうにしたがって、面積が減少する複数のドットよりなるドット状パターンを有する複数の単位電極層を含む電極層を、所定のパターンで、印刷することができるパターンを有する第一のマスクを用いて、電極ペーストを印刷して、複数の単位電極層を含む電極層を形成し、それぞれが、5ないし50μmの幅の周縁部領域で、周辺部に向かうにしたがって、面積が減少する複数のドットよりなり、前記単位電極のドット状パターンと実質的に相補的なドット状パターンを有する複数の単位スペーサ層を含むスペーサ層を、前記電極層の前記所定のパターンと実質的に相補的なパターンで、印刷することができるパターンを有する第二のマスクを用いて、隣り合った前記単位電極層の間に、誘電体ペーストを印刷して、複数の単位スペーサ層を含むスペーサ層を形成することを特徴とする積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法によって達成される
【0023】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記複数の単位電極層の前記周縁部領域の幅および前記複数の単位スペーサ層の前記周縁部領域の幅を、それぞれ、10ないし40μmに設定して、前記第一のマスクおよび前記第二のマスクを選択し、前記電極層および前記スペーサ層を形成するように構成されている。
【0024】
本発明の好ましい実施態様においては、支持シート上に、前記複数の単位電極層を含む電極層および前記複数の単位スペーサ層を含むスペーサ層を形成し、前記電極層および前記スペーサ層を、接着層を介して、セラミックグリーンシート上に接着することによって、積層体ユニットを製造するように構成されている。
【0025】
本発明の別の好ましい実施態様においては、前記複数の単位電極層を含む電極層および前記複数の単位スペーサ層を含むスペーサ層を、セラミックグリーンシート上に印刷することによって、積層体ユニットを製造するように構成されている。
【0026】
本発明の前記目的はまた、セラミックグリーンシートと、複数の単位電極層を含む電極層と、複数の単位スペーサ層を含むスペーサ層とを備え、前記複数の単位電極層が、それぞれ、5ないし50μmの幅の周縁部領域で、凹凸パターンを有し、前記複数の単位スペーサ層が、それぞれ、5ないし50μmの幅の周縁部領域で、前記単位電極層の前記凹凸パターンと実質的に相補的な凹凸パターンを有することを特徴とする積層セラミック電子部品用の積層体ユニットによって達成される。
【0028】
本発明の好ましい実施態様においては、前記複数の単位電極層のパターンが、それぞれ、その周縁部領域において、波形パターンを有し、前記複数の単位スペーサ層のパターンが、それぞれ、その周縁部領域において、前記単位電極層の前記波形パターンと実質的に相補的な波形パターンを有するように、前記電極層および前記スペーサ層が形成されている。
【0029】
本発明の前記目的はまた、セラミックグリーンシートと、複数の単位電極層を含む電極層と、複数の単位スペーサ層を含むスペーサ層とを備え、前記複数の単位電極層が、それぞれ、5ないし50μmの幅の周縁部領域で、周辺部に向かうにしたがって、面積が減少する複数のドットよりなるドット状パターンを有し、前記複数の単位スペーサ層が、それぞれ、5ないし50μmの幅の周縁部領域で、周辺部に向かうにしたがって、面積が減少する複数のドットよりなり、前記単位電極のドット状パターンと実質的に相補的なドット状パターンを有することを特徴とする積層セラミック電子部品用の積層体ユニットによって達成される
【0031】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記複数の単位電極層の前記周縁部領域の幅および前記複数の単位スペーサ層の前記周縁部領域の幅が、それぞれ、10ないし40μmに設定されている。
【0032】
本発明において、セラミックグリーンシートを形成するために用いる誘電体ペーストは、通常、誘電体原料と、有機溶剤中にバインダを溶解させた有機ビヒクルを混練して、調製される。
【0033】
誘電体原料としては、複合酸化物や酸化物となる各種化合物、たとえば、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物などから適宜選択され、これらを混合して、用いることができる。誘電体原料は、通常、平均粒子径が約0.1μmないし約3.0μm程度の粉末として用いられる。誘電体原料の粒径は、セラミックグリーンシートの厚さより小さいことが好ましい。
【0034】
有機ビヒクルに用いられるバインダは、とくに限定されるものではなく、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂などの通常の各種バインダが用いることができるが、セラミックグリーンシートを薄層化するためには、ポリビニルブチラールなどのブチラール系樹脂が、好ましく用いられる。
【0035】
有機ビヒクルに用いられる有機溶剤も、とくに限定されるものではなく、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエンなどの有機溶剤が用いられる。
【0036】
本発明において、誘電体ペーストは、誘電体原料と、水中に水溶性バインダを溶解させたビヒクルを混練して、生成することもできる。
【0037】
水溶性バインダは、とくに限定されるものではなく、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、水溶性アクリル樹脂、エマルジョンなどが用いられる。
【0038】
誘電体ペースト中の各成分の含有量は、とくに限定されるものではなく、たとえば、約1重量%ないし約5重量%のバインダと、約10重量%ないし約50重量%の溶剤を含むように、誘電体ペーストを調製することができる。
【0039】
誘電体ペースト中には、必要に応じて、各種分散剤、可塑剤、誘電体、副成分化合物、ガラスフリット、絶縁体などから選択される添加物が含有されていてもよい。誘電体ペースト中に、これらの添加物を添加する場合には、総含有量を、約10重量%以下にすることが望ましい。バインダ樹脂として、ブチラール系樹脂を用いる場合には、可塑剤の含有量は、バインダ樹脂100重量部に対して、約25重量部ないし約100重量部であることが好ましい。可塑剤が少なすぎると、生成されたセラミックグリーンシートが脆くなる傾向があり、多すぎると、可塑剤が滲み出して、取り扱いが困難になり、好ましくない。
【0040】
本発明において、セラミックグリーンシートは、誘電体ペーストを、第一の支持シート上に塗布し、乾燥して、作製される。
【0041】
誘電体ペーストは、エクストルージョンコーターやワイヤーバーコーターなどを用いて、第一の支持シート上に塗布され、塗膜が形成される。
【0042】
第一の支持シートとしては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられ、剥離性を改善するために、その表面に、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされる。第一の支持シートの厚さは、とくに限定されるものではないが、好ましくは、約5μmないし約100μmである。
【0043】
こうして形成された塗膜は、たとえば、約50℃ないし約100°Cの温度で、約1分ないし約20分にわたって、乾燥され、支持シート上に、セラミックグリーンシートが形成される。
【0044】
本発明において、乾燥後におけるセラミックグリーンシートの厚さが3μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは、1.5μm以下である。
【0045】
本発明において、積層体ユニットの電極層を形成するにあたっては、第一の支持シートとは別に、第二の支持シートが準備され、第二の支持シート上に、スクリーン印刷機やグラビア印刷機などの印刷機を用いて、電極ペーストが印刷されて、電極層が形成される。
【0046】
第二の支持シートとしては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられ、剥離性を改善するために、その表面に、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされる。第二の支持シートの厚さは、とくに限定されるものではなく、セラミックグリーンシートが形成される支持シートの厚さと同じであっても、異なっていてもよいが、好ましくは、約5μmないし約100μmである。
【0047】
本発明において、第二の支持シート上に、電極層を形成するのに先立って、まず、誘電体ペーストが調製され、第二の支持シート上に塗布されて、剥離層が、第二の支持シート上に形成される。
【0048】
剥離層を形成するための誘電体ペーストは、好ましくは、セラミックグリーンシートに含まれている誘電体と同一組成の誘電体の粒子を含んでいる。
【0049】
剥離層を形成するための誘電体ペーストは、誘電体粒子以外に、バインダと、任意成分として、可塑剤および剥離剤とを含んでいる。誘電体粒子の粒径は、セラミックグリーンシートに含まれる誘電体粒子の粒径と同じでもよいが、より小さいことが好ましい。
【0050】
バインダとしては、たとえば、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、または、これらの共重合体、または、これらのエマルジョンを用いることができる。
【0051】
剥離層を形成するための誘電体ペーストに含まれているバインダは、セラミックグリーンシートに含まれているバインダと同系であっても、同系でなくてもよいが、同系のバインダであることが好ましい。
【0052】
剥離層を形成するための誘電体ペーストは、誘電体粒子100重量部に対して、好ましくは、約2.5重量部ないし約200重量部、さらに好ましくは、約5重量部ないし約30重量部、とくに好ましくは、約8重量部ないし約30重量部のバインダを含んでいる。
【0053】
可塑剤は、とくに限定されるものではなく、たとえば、フタル酸エステル、アジピン酸、燐酸エステル、グリコール類などを挙げることができる。剥離層を形成するための誘電体ペーストに含まれる可塑剤は、セラミックグリーンシートに含まれる可塑剤と同系であっても、同系でなくてもよい。
【0054】
剥離層を形成するための誘電体ペーストは、バインダ100重量部に対して、約0重量部ないし約200重量部、好ましくは、約20重量部ないし約200重量部、さらに好ましくは、約50重量部ないし約100重量部の可塑剤を含んでいる。
【0055】
剥離層を形成するための誘電体ペーストに含まれる剥離剤は、とくに限定されるものではなく、たとえば、パラフィン、ワックス、シリコーン油などを挙げることができる。
【0056】
剥離層を形成するための誘電体ペーストは、バインダ100重量部に対して、約0重量部ないし約100重量部、好ましくは、約2重量部ないし約50重量部、さらに好ましくは、約5重量部ないし約20重量部の剥離剤を含んでいる。
【0057】
本発明において、剥離層に含まれる誘電体に対するバインダの含有割合が、セラミックグリーンシートに含まれる誘電体に対するバインダの含有割合と同等、あるいは、それよりも低いことが好ましい。また、剥離層に含まれる誘電体に対する可塑剤の含有割合が、セラミックグリーンシートに含まれる誘電体に対する可塑剤の含有割合と同等、あるいは、高いことが好ましい。さらに、剥離層に含まれる誘電体に対する離型剤の含有割合が、セラミックグリーンシートに含まれる誘電体に対する離型剤の含有割合よりも高いことが好ましい。
【0058】
このような組成を有する剥離層を形成することにより、セラミックグリーンシートをきわめて薄層化しても、剥離層の強度を、グリーンシートの破壊強度よりも低くすることができ、第二の支持シートを剥離する際に、セラミックグリーンシートが破壊されることを確実に防止することが可能になる。
【0059】
剥離層は、ワイヤーバーコーターなどを用いて、第二の支持シート上に、誘電体ペーストを塗布することによって、形成される。
【0060】
剥離層の厚さは、その上に形成される電極層の厚さ以下であることが好ましく、好ましくは、電極層の厚さの約60%以下、さらに好ましくは、電極層の厚さの約30%以下である。
【0061】
剥離層の形成後、剥離層は、たとえば、約50℃ないし約100℃で、約1分ないし約10分にわたって、乾燥される。
【0062】
剥離層が乾燥された後、剥離層の表面上に、焼成後に、内部電極層を構成する電極層が、所定パターンで形成される。
【0063】
本発明において、電極層を形成するために用いられる電極ペーストは、各種導電性金属や合金からなる導電体材料、焼成後に、各種導電性金属や合金からなる導電体材料となる各種酸化物、有機金属化合物、または、レジネートなどと、有機溶剤中にバインダを溶解させた有機ビヒクルとを混練して、調製される。
【0064】
電極ペーストを製造する際に用いる導電体材料としては、Ni、Ni合金あるいはこれらの混合物が、好ましく用いられる。導電体材料の形状は、とくに限定されるものではなく、球状でも、鱗片状でも、あるいは、これらの形状のものが混合されていてもよい。また、導電体材料の平均粒子径は、とくに限定されるものではないが、通常、約0.1μmないし約2μm、好ましくは、約0.2μmないし約1μmの導電性材料が用いられる。
【0065】
有機ビヒクルに用いられるバインダは、とくに限定されるものではなく、エチルセルロース、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、あるいはは、これらの共重合体などを用いることができるが、とくに、ポリビニルブチラールなどのブチラール系バインダが好ましく用いられる。
【0066】
電極ペーストは、導電体材料100重量部に対して、好ましくは、約2.5重量部ないし約20重量部のバインダを含んでいる。
【0067】
溶剤としては、たとえば、テルピネオール、ブチルカルビトール、ケロシンなど、公知の溶剤を用いることができる。溶剤の含有量は、電極ペースト全体に対して、好ましくは、約20重量%ないし約55重量%である。
【0068】
接着性を改善するために、電極ペーストが、可塑剤を含んでいることが好ましい。
【0069】
電極ペーストに含まれる可塑剤は、とくに限定されるものではなく、たとえば、フタル酸ベンジルブチル(BBP)などのフタル酸エステル、アジピン酸、燐酸エステル、グリコール類などを挙げることができる。電極ペーストは、バインダ100重量部に対して、好ましくは、約10重量部ないし約300重量部、さらに好ましくは、約10重量部ないし約200重量部の可塑剤を含んでいることが好ましい。
【0070】
さらに、電極ペーストは、ガラス転移温度Tgが室温以下であるメタアクリル酸ラウリル、メタアクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸ブチルなどのアクリル系バインダを、バインダ100重量部に対して、約10重量部ないし100重量部の含有量で含んでいてもよい。
【0071】
また、電極ペーストは、バインダ100重量部に対して、100重量部以下の粘着剤を含んでいてもよい。
【0072】
電極ペーストに含まれる粘着剤は、とくに限定されるものではなく、たとえば、アクリル酸ブチル(BA)、アクリル酸−2−エチルヘキシル(2HEA)、メタクリル酸ラウリル(RMA)などを挙げることができる。
【0073】
可塑剤または粘着剤の添加量が多すぎると、電極層の強度が著しく低下する傾向があり、好ましくない。
【0074】
電極層は、スクリーン印刷機やグラビア印刷機などの印刷機を用いて、第二の支持シート上に形成された剥離層の表面に、電極ペーストを印刷することによって、形成される。
【0075】
電極層の厚さは、約0.1μmないし約5μmの厚さに形成されることが好ましく、より好ましくは、約0.1μmないし約1.5μmである。
【0076】
本発明において、第二の支持シート上に形成された剥離層の表面の電極層が形成されていない部分に、さらに、スクリーン印刷機やグラビア印刷機などの印刷機を用いて、電極層のパターンと実質的に相補的なパターンで、誘電体ペーストが印刷されて、スペーサ層が形成される。
【0077】
電極層の形成に先立って、第二の支持シート上に形成された剥離層の表面に、電極層と相補的なパターンで、スペーサ層を形成することもできる。
【0078】
本発明において、スペーサ層を形成するために用いる誘電体ペーストは、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストと同様にして、調製される。
【0079】
スペーサ層を形成するための誘電体ペーストは、好ましくは、セラミックグリーンシートに含まれている誘電体と同一組成の誘電体の粒子を含んでいる。
【0080】
スペーサ層を形成するための誘電体ペーストは、誘電体粒子以外に、バインダと、任意成分として、可塑剤および剥離剤とを含んでいる。誘電体粒子の粒径は、セラミックグリーンシートに含まれる誘電体粒子の粒径と同じでもよいが、より小さいことが好ましい。
【0081】
バインダとしては、たとえば、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、または、これらの共重合体、または、これらのエマルジョンを用いることができる。
【0082】
スペーサ層を形成するための誘電体ペーストに含まれているバインダは、セラミックグリーンシートに含まれているバインダと同系であっても、同系でなくてもよいが、同系であることが好ましい。
【0083】
スペーサ層を形成するための誘電体ペーストは、誘電体粒子100重量部に対して、好ましくは、約2.5重量部ないし約200重量部、さらに好ましくは、約4重量部ないし約15重量部、とくに好ましくは、約6重量部ないし約10重量部のバインダを含んでいる。
【0084】
スペーサ層を形成するための誘電体ペーストに含まれている可塑剤は、とくに限定されるものではなく、たとえば、フタル酸エステル、アジピン酸、燐酸エステル、グリコール類などを挙げることができる。スペーサ層を形成するための誘電体ペーストに含まれる可塑剤は、セラミックグリーンシートに含まれる可塑剤と同系であっても、同系でなくてもよい。
【0085】
スペーサ層を形成するための誘電体ペーストは、バインダ100重量部に対して、約0重量部ないし約200重量部、好ましくは、約20重量部ないし約200重量部、さらに好ましくは、約50重量部ないし約100重量部の可塑剤を含んでいる。
【0086】
スペーサ層を形成するための誘電体ペーストに含まれる剥離剤は、とくに限定されるものではなく、たとえば、パラフィン、ワックス、シリコーン油などを挙げることができる。
【0087】
スペーサ層を形成するための誘電体ペーストは、バインダ100重量部に対して、約0重量部ないし約100重量部、好ましくは、約2重量部ないし約50重量部、より好ましくは、約5重量部ないし約20重量部の剥離剤を含んでいる。
【0088】
本発明において、電極層およびスペーサ層が、0.7≦ts/te≦1.3(tsは、スペーサ層の厚さであり、teは、電極層の厚さである。)を満たすように形成されることが好ましく、さらに好ましくは、0.8≦ts/te≦1.2、とくに好ましくは、0.9≦ts/te≦1.1を満たすように、スペーサ層および電極層が形成される。
【0089】
電極層およびスペーサ層は、たとえば、約70℃ないし120℃の温度で、約5分ないし約15分にわたって、乾燥される。電極層およびスペーサ層の乾燥条件は、とくに限定されるものではない。
【0090】
セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層は、セラミックグリーンシートあるいは電極層およびスペーサ層の表面に転写された接着層を介して、接着され、接着層を形成するために、第三の支持シートが用意される。
【0091】
第三の支持シートとしては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられ、剥離性を改善するために、その表面に、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされる。第三の支持シートの厚さは、とくに限定されるものではないが、好ましくは、約5μmないし約100μmである。
【0092】
接着層は、第三の支持シート上に、接着剤溶液が塗布されて、形成される。
【0093】
本発明において、接着剤溶液は、バインダと、任意成分として、可塑剤、剥離剤および帯電防止剤を含んでいる。
【0094】
接着剤溶液は、セラミックグリーンシートに含まれている誘電体粒子と同一組成の誘電体粒子を含んでいてもよい。接着剤溶液が、誘電体粒子を含んでいる場合には、誘電体粒子のバインダ重量に対する割合が、セラミックグリーンシートに含まれている誘電体粒子のバインダ重量に対する割合より小さいことが好ましい。
【0095】
接着剤溶液に含まれるバインダは、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストに含まれるバインダと同系であることが好ましいが、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストに含まれるバインダと同系でなくてもよい。
【0096】
接着剤溶液に含まれる可塑剤は、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストに含まれる可塑剤と同系であることが好ましいが、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストに含まれる可塑剤と同系でなくてもよい。
【0097】
可塑剤の含有量は、バインダ100重量部に対して、約0重量部ないし約200重量部、好ましくは、約20重量部ないし約200重量部、さらに好ましくは、約50重量部ないし約100重量部である。
【0098】
本発明において、好ましくは、接着剤溶液は、バインダの0.01重量%ないし15重量%の帯電防止剤を含み、さらに好ましくは、バインダの0.01重量%ないし10重量%の帯電防止剤を含んでいる。
【0099】
本発明において、接着剤溶液に含まれる帯電防止剤は、吸湿性を有する有機溶剤であればよく、たとえば、エチレングリコール;ポリエチレングリコール;2−3ブタンジオール;グリセリン;イミダゾリン系界面活性剤、ポリアルキレングリコール誘導体系界面活性剤、カルボン酸アミジン塩系界面活性剤などの両性界面活性剤などが、接着剤溶液に含まれる帯電防止剤として使用することができる。
【0100】
これらの帯電防止剤の中では、少量で、静電気を防止することが可能であるとともに、小さい剥離力で、接着層から、第三の支持シートを剥離することが可能であるため、イミダゾリン系界面活性剤、ポリアルキレングリコール誘導体系界面活性剤、カルボン酸アミジン塩系界面活性剤などの両性界面活性剤が好ましく、イミダゾリン系界面活性剤は、とくに小さな剥離力で、接着層から、第三の支持シートを剥離することができるため、とくに好ましい。
【0101】
接着剤溶液は、たとえば、バーコータ、エクストルージョンコータ、リバースコータ、ディップコーター、キスコーターなどによって、第三の支持シート上に塗布され、好ましくは、約0.02μmないし約0.3μm、より好ましくは、約0.02μmないし約0.1μmの厚さの接着層が形成される。接着層の厚さが、約0.02μm未満の場合には、接着力が低下し、一方、接着層の厚さが、約0.3μmを越えると、欠陥(隙間)の発生原因となり、好ましくない。
【0102】
接着層は、たとえば、室温(25℃)ないし約80℃の温度で、約1分ないし約5分にわたって、乾燥される。接着層の乾燥条件は、とくに限定されるものではない。
【0103】
第三の支持シート上に形成された接着層は、第二の支持シート上に形成された電極層およびスペーサ層の表面あるいは第一の支持シート上に形成されたセラミックグリーンシートの表面に転写される。
【0104】
接着層を、第二の支持シート上に形成された電極層およびスペーサ層の表面に転写する場合には、接着層が、第二の支持シート上に形成されたスペーサ層および電極層の表面に接触した状態で、約40℃ないし約100℃の温度下で、接着層と、電極層およびスペーサ層とが、約0.2MPaないし約15MPaの圧力で、好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaの圧力で、加圧されて、接着層が、電極層およびスペーサ層の表面上に転写され、その後、第三の支持シートが接着層から剥離される。
【0105】
接着層を、電極層およびスペーサ層の表面に転写するにあたっては、電極層およびスペーサ層が形成された第二の支持シートと、接着層が形成された第三の支持シートを、プレス機を用いて、加圧しても、一対の加圧ローラを用いて、加圧してもよいが、一対の加圧ローラによって、第二の支持シートと第三の支持シートを加圧することが好ましい。
【0106】
接着層を、第一の支持シート上に形成されたセラミックグリーンシートの表面に転写する場合には、接着層が、第一の支持シート上に形成されたセラミックグリーンシートの表面に接触した状態で、約40℃ないし約100℃の温度下で、接着層と、セラミックグリーンシートとが、約0.2MPaないし約15MPaの圧力で、好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaの圧力で、加圧されて、接着層が、セラミックグリーンシートの表面上に転写され、その後、第三の支持シートが接着層から剥離される。
【0107】
接着層を、セラミックグリーンシートの表面に転写するにあたっては、セラミックグリーンシートが形成された第一の支持シートと、接着層が形成された第三の支持シートを、プレス機を用いて、加圧しても、一対の加圧ローラを用いて、加圧してもよいが、一対の加圧ローラによって、第一の支持シートと第三の支持シートを加圧することが好ましい。
【0108】
次いで、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層とが、接着層を介して、接着される。
【0109】
セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層は、接着層を介して、約40℃ないし約100℃の温度下で、約0.2MPaないし約15MPaの圧力で、好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaの圧力で、加圧されて、セラミックグリーンシートと、スペーサ層および電極層が、接着層を介して、接着される。
【0110】
好ましくは、一対の加圧ローラを用いて、セラミックグリーンシートと、接着層、電極層およびスペーサ層とが加圧されて、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層が、接着層を介して、接着される。
【0111】
接着層が、電極層およびスペーサ層の表面に転写された場合には、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層とが、接着層を介して、接着されると、第一の支持シートが、セラミックグリーンシートから剥離される。
【0112】
次いで、電極層およびスペーサ層の表面に、第三の支持シートの表面に形成された接着層を転写したのと同様にして、セラミックグリーンシートの表面に、接着層が転写される。
【0113】
こうして得られた積層体が、所定のサイズに、裁断されて、第二の支持シート上に、剥離層、電極層、スペーサ層、接着層、セラミックグリーンシートおよび接着層が積層された積層体ユニットが作製される。
【0114】
一方、接着層が、セラミックグリーンシートの表面に転写された場合には、セラミックグリーンシートと、電極層およびスペーサ層とが、接着層を介して、接着されると、第二の支持シートが、剥離層から剥離される。
【0115】
次いで、セラミックグリーンシートの表面に、第三の支持シートの表面に形成された接着層を転写したのと同様にして、剥離層の表面に、接着層が転写される。
【0116】
こうして得られた積層体が、所定のサイズに、裁断されて、第一の支持シート上に、セラミックグリーンシート、接着層、電極層、スペーサ層、剥離層および接着層が積層された積層体ユニットが作製される。
【0117】
本発明において、積層体ユニットは、電極ペーストおよび誘電体ペーストを、スクリーン印刷機やグラビア印刷機などの印刷機を用いて、セラミックグリーンシート上に印刷して、電極層およびスペーサ層を形成し、セラミックグリーンシートの表面に、第三の支持シートの表面に形成された接着層を転写したのと同様にして、電極層およびスペーサ層の表面に、接着層を転写し、所定のサイズに裁断して、作製されてもよく、あるいは、電極層およびスペーサ層上に、誘電体ペーストを塗布して、セラミックグリーンシートを形成し、セラミックグリーンシートの表面に、接着層を転写し、所定のサイズに裁断して、作製されてもよい。
【0118】
以上のようにして、作製された多数の積層体ユニットが、接着層を介して、積層されて、積層体ブロックが作製される。
【0119】
多数の積層体ユニットの積層にあたっては、まず、複数の孔が形成された基板上に、支持体がセットされる。
【0120】
本発明において、支持体の材料は、とくに限定されるものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレートなどのプラスチック材料によって、形成されていることが好ましい。
【0121】
支持体の厚さは、積層体ユニットを支持可能な厚さであれば、とくに限定されるものではない。
【0122】
支持体は、たとえば、基板に形成された複数の孔を介して、エアによって吸引され、基板上の所定の位置に固定される。
【0123】
本発明において、第三の支持シートの表面に形成された接着層が、電極層およびスペーサ層の表面に転写された場合には、まず、支持体の表面に、セラミックグリーンシート上に形成された接着層が密着するように、積層体ユニットが位置決めされて、積層体ユニット上に圧力が加えられる。
【0124】
支持体の表面に、セラミックグリーンシート上に形成された接着層が接着されると、第二の支持シートが剥離層から剥離される。
【0125】
さらに、新たな積層体ユニットが、セラミックグリーンシートの表面に形成された接着層が、支持体に接着された積層体ユニットの剥離層に密着するように、支持体に接着された積層体ユニット上に位置決めされて、新たな積層体ユニットが、基板に向けて、加圧され、支持体に接着された積層体ユニット上に、新たな積層体ユニットが積層される。
【0126】
次いで、新たに積層された積層体ユニットの第二の支持シートが剥離層から剥離される。
【0127】
同様にして、所定の数の積層体ユニットが積層されて、積層体ブロックが作製され、所定の数の積層体ブロックが積層されて、積層セラミック電子部品が製造される。
【0128】
これに対して、第三の支持シートの表面に形成された接着層が、セラミックグリーンシートの表面に転写された場合には、まず、支持体の表面に、剥離層上に形成された接着層が密着するように、積層体ユニットが位置決めされて、積層体ユニット上に圧力が加えられる。
【0129】
支持体の表面に、剥離層上に形成された接着層が接着されると、第一の支持シートがセラミックグリーンシートから剥離される。
【0130】
さらに、新たな積層体ユニットが、剥離層の表面に形成された接着層が、支持体に接着された積層体ユニットのセラミックグリーンシートに密着するように、支持体に接着された積層体ユニット上に位置決めされて、新たな積層体ユニットが、基板に向けて、加圧され、支持体に接着された積層体ユニット上に、新たな積層体ユニットが積層される。
【0131】
次いで、新たに積層された積層体ユニットの第一の支持シートがセラミックグリーンシートから剥離される。
【0132】
同様にして、所定の数の積層体ユニットが積層されて、積層体ブロックが作製され、所定の数の積層体ブロックが積層されて、積層セラミック電子部品が製造される。
【0133】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明の好ましい実施態様である積層セラミックコンデンサの製造方法につき、詳細に説明を加える。
【0134】
積層セラミックコンデンサを製造するにあたっては、まず、セラミックグリーンシートを製造するために、誘電体ペーストが調製される。
【0135】
誘電体ペーストは、通常、誘電体原料と、有機溶剤中にバインダを溶解させた有機ビヒクルを混練して、調製される。
【0136】
調製された誘電体ペーストは、たとえば、エクストルージョンコーターやワイヤーバーコーターなどを用いて、第一の支持シート上に塗布され、塗膜が形成される。
【0137】
第一の支持シートとしては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられ、剥離性を改善するために、その表面に、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされる。第一の支持シートの厚さは、とくに限定されるものではないが、好ましくは、約5μmないし約100μmである。
【0138】
次いで、塗膜が、たとえば、約50℃ないし約100℃の温度で、約1分ないし約20分にわたって、乾燥され、第一の支持シート上に、セラミックグリーンシートが形成される。
【0139】
乾燥後におけるセラミックグリーンシート2の厚さは3μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは、1.5μm以下である。
【0140】
図1は、第一の支持シートの表面上に、セラミックグリーンシートが形成された状態を示す略一部断面図である。
【0141】
実際には、第一の支持シート1は、長尺状をなし、セラミックグリーンシート2は、長尺状の第一の支持シート1の表面に、連続的に形成される。
【0142】
一方、セラミックグリーンシート2とは別に、第二の支持シートが用意されて、第二の支持シート上に、剥離層および電極層が形成される。
【0143】
図2は、その表面上に、剥離層5および電極層6が形成された第二の支持シート4の略一部断面図である。
【0144】
実際には、第二の支持シート4は、長尺状をなし、剥離層5は、長尺状の第二の支持シート4の表面に、連続的に形成され、剥離層5の表面に、電極層6が、所定のパターンで形成される。
【0145】
図2に示されるように、電極層6は、複数の単位電極層7によって構成されている。
【0146】
第二の支持シート4の表面に、剥離層5を形成するにあたっては、まず、セラミックグリーンシート2を形成する場合と同様にして、剥離層5を形成するための誘電体ペーストが調製される。
【0147】
剥離層5を形成するための誘電体ペーストは、好ましくは、セラミックグリーンシート2に含まれている誘電体と同一組成の誘電体の粒子を含んでいる。
【0148】
剥離層5を形成するための誘電体ペーストに含まれているバインダは、セラミックグリーンシート2に含まれているバインダと同系であっても、同系でなくてもよいが、同系であることが好ましい。
【0149】
こうして、誘電体ペーストが調製されると、たとえば、ワイヤーバーコーター(図示せず)を用いて、第二の支持シート4上に、誘電体ペーストが塗布され、剥離層5が形成される。
【0150】
剥離層5の厚さは、電極層6の厚さ以下であることが好ましく、好ましくは、電極層6の厚さの約60%以下、さらに好ましくは、電極層6の厚さの約30%以下である。
【0151】
第二の支持シート4としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられ、剥離性を改善するために、その表面に、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされる。第二の支持シート4の厚さは、とくに限定されるものではなく、第一の支持シート1の厚さと同じであっても、異なっていてもよいが、好ましくは、約5μmないし約100μmである。
【0152】
剥離層5の形成後、剥離層5は、たとえば、約50℃ないし約100℃で、約1分ないし約10分にわたって、乾燥される。
【0153】
剥離層5が乾燥された後、剥離層5の表面上に、焼成後に、内部電極層を構成する複数の単位電極層6aを備えた電極層6が、所定のパターンで形成される。
【0154】
電極層6の厚さは、とくに限定されるものではないが、電極層6は、約0.1μmないし約5μmの厚さに形成されることが好ましく、より好ましくは、約0.1μmないし約1.5μmである。
【0155】
電極層6を、剥離層5上に形成するに際しては、まず、各種導電性金属や合金からなる導電体材料、焼成後に、各種導電性金属や合金からなる導電体材料となる各種酸化物、有機金属化合物、または、レジネートなどと、有機溶剤中にバインダを溶解させた有機ビヒクルとを混練して、電極ペーストが調製される。
【0156】
電極ペーストを製造する際に用いる導電体材料としては、Ni、Ni合金あるいはこれらの混合物が、好ましく用いられる。
【0157】
導電体材料の平均粒子径は、とくに限定されるものではないが、通常、約0.1μmないし約2μm、好ましくは、約0.2μmないし約1μmの導電性材料が用いられる。
【0158】
電極層6は、スクリーン印刷機やグラビア印刷機などの印刷機を用いて、電極ペーストを、剥離層5上に印刷することによって形成される。
【0159】
図3は、剥離層5上に、形成された電極層6を構成する単位電極層6aの印刷パターンを示す略一部平面図である。
【0160】
図3に示されるように、本実施態様においては、単位電極層6aの周縁部領域には、波形パターン6bが形成されている。
【0161】
単位電極層6aの波形パターン6bは、5ないし50μmの幅の周縁部領域に形成されている。
【0162】
電極層6を印刷する際に用いるマスクの形状を選択することによって、各単位電極層6aがこのようなパターンを有するように、電極層6を形成することができる。
【0163】
図4は、単位電極層6aの単位面積あたりの平均電極材料量を模式的に示したグラフである。
【0164】
本実施態様においては、図4に示されるように、単位面積あたりの平均電極材料量が、単位電極層6aの周縁部領域において、周辺部に向かって、全体として、漸減するように、単位電極層6aの周縁部領域に、波形パターン6bが形成されている。
【0165】
剥離層5の表面上に、所定パターンの有する電極層6を、スクリーン印刷法やグラビア印刷法によって、形成した後に、電極層6が形成されていない剥離層5の表面に、電極層6のパターンと相補的なパターンで、スペーサ層が形成される。
【0166】
図5は、剥離層5の表面上に、電極層6およびスペーサ層7が形成された状態を示す略一部断面図である。
【0167】
スペーサ層7は、剥離層5の表面に、電極層6を形成するのに先立って、電極層6が形成されるべき部分を除く剥離層5の表面に形成することもできる。
【0168】
スペーサ層7を形成するにあたっては、セラミックグリーンシート2を作製したときに用いた誘電体ペーストと同様な組成の誘電体ペーストが調製され、スクリーン印刷法やグラビア印刷法により、誘電体ペーストが、電極層6が形成されていない剥離層5の表面に、電極層6のパターンと相補的なパターンで、印刷される。
【0169】
本実施態様においては、スペーサ層7の厚さtsは、te=tsを実質的に満たすように、剥離層5の表面上に形成される。ここに、teは、電極層の厚さである。
【0170】
図5に示されるように、スペーサ層7は、複数の単位スペーサ層7aによって構成されている。
【0171】
図6は、剥離層5上に、形成されたスペーサ層7を構成する単位スペーサ層7aの印刷パターンを示す略一部平面図である。
【0172】
図6に示されるように、本実施態様においては、単位スペーサ層7aの周縁部領域には、単位電極層6aの波形パターン6bと相補的なパターンで、波形パターン7bが形成されている。
【0173】
単位スペーサ層7aの波形パターン7bは、5ないし50μmの幅の周縁部領域に形成されている。
【0174】
スペーサ層7を印刷する際に用いるマスクの形状を選択することによって、各単位スペーサ層7aがこのようなパターンを有するように、スペーサ層7を形成することができる。
【0175】
図7は、単位スペーサ層7aの単位面積あたりの平均誘電体材料量を模式的に示したグラフである。
【0176】
本実施態様においては、図7に示されるように、単位面積あたりの平均誘電体材料量が、単位スペーサ層7aの周縁部領域において、周辺部に向かって、全体として、漸減するように、単位スペーサ層7aの周縁部領域に、波形パターン7bが形成されている。
【0177】
本実施態様においては、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7は、接着層を介して、接着されるように構成されており、セラミックグリーンシート2が形成された第一の支持シート1ならびに電極層6およびスペーサ層7が形成された第二の支持シート4とは別に、さらに、第三の支持シートが用意され、第三の支持シート上に、接着層が形成されて、接着層シートが作製される。
【0178】
図8は、第三の支持シート9の表面上に、接着層10が形成された接着層シート11の略一部断面図である。
【0179】
実際には、第三の支持シート9は、長尺状をなし、接着層10は、長尺状の第三の支持シート9の表面に、連続的に形成される。
【0180】
第三の支持シート9としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられ、剥離性を改善するために、その表面に、シリコン樹脂、アルキド樹脂などがコーティングされる。第三の支持シート9の厚さは、とくに限定されるものではないが、好ましくは、約5μmないし約100μmである。
【0181】
接着層10を形成するにあたっては、まず、接着剤溶液が調製される。
【0182】
本実施態様においては、接着剤溶液は、バインダ、可塑剤および帯電防止剤と、任意成分として、剥離剤とを含んでいる。
【0183】
接着剤溶液は、セラミックグリーンシートに含まれている誘電体粒子と同一組成の誘電体粒子を含んでいてもよい。接着剤溶液が、誘電体粒子を含んでいる場合には、誘電体粒子のバインダ重量に対する割合が、セラミックグリーンシートに含まれている誘電体粒子のバインダ重量に対する割合より小さいことが好ましい。
【0184】
接着剤溶液に含まれるバインダは、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストに含まれるバインダと同系のバインダであることが好ましいが、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストに含まれるバインダと同系でないバインダであってもよい。
【0185】
接着剤溶液に含まれる可塑剤は、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストに含まれる可塑剤と同系の可塑剤であることが好ましいが、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストに含まれるバインダと同系でない可塑剤であってもよい。
【0186】
可塑剤の含有量は、バインダ100重量部に対して、約0重量部ないし約200重量部、好ましくは、約20重量部ないし約200重量部、さらに好ましくは、約50重量部ないし約100重量部である。
【0187】
本実施態様において、接着剤溶液は、バインダの0.01重量%ないし15重量%の帯電防止剤を含んでいる。
【0188】
本実施態様においては、帯電防止剤として、イミダゾリン系界面活性剤が用いられている。
【0189】
こうして調製された接着剤溶液は、たとえば、バーコータ、エクストルージョンコータ、リバースコータ、ディップコーター、キスコーターなどによって、第三の支持シート9上に塗布され、好ましくは、約0.02μmないし約0.3μm、より好ましくは、約0.02μmないし約0.1μmの厚さの接着層10が形成される。接着層10の厚さが、約0.02μm未満の場合には、接着力が低下し、一方、接着層10の厚さが、約0.3μmを越えると、欠陥(隙間)の発生原因となり、好ましくない。
【0190】
接着層10は、たとえば、室温(25℃)ないし約80℃の温度で、約1分ないし約5分にわたって、乾燥される。接着層10の乾燥条件は、とくに限定されるものではない。
【0191】
図9は、第三の支持シート9上に形成された接着層10を、第二の支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に接着させ、接着層10から第三の支持シート9を剥離する接着・剥離装置の好ましい実施態様を示す略断面図である。
【0192】
図9に示されるように、本実施態様にかかる接着・剥離装置は、約40℃ないし約100℃の温度に保持された一対の加圧ローラ15、16を備えている。
【0193】
図9に示されるように、接着層10が形成された第三の支持シート9は、第三の支持シート9に加えられる引張り力によって、第三の支持シート9が、上方の加圧ローラ15に巻回されるように、斜め上方から、一対の加圧ローラ15、16間に供給され、電極層6およびスペーサ層7が形成された第二の支持シート4は、第二の支持シート4が、下方の加圧ローラ16に接触し、電極層6およびスペーサ層7が、第三の支持シート9上に形成された接着層10の表面に接触するように、略水平方向に、一対の加圧ローラ15、16間に供給される。
【0194】
第二の支持シート4および第三の支持シート9の供給速度は、たとえば、2m/秒に設定され、一対の加圧ローラ15、16のニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
【0195】
その結果、第三の支持シート9上に形成された接着層10が、第二の支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に接着される。
【0196】
図9に示されるように、接着層10が形成された第三の支持シート9は、一対の加圧ローラ15、16の間から、斜め上方に向けて、搬送され、したがって、第三の支持シート9が、電極層6およびスペーサ層7の表面に接着した接着層10から剥離される。
【0197】
接着層10から、第三の支持シート9を剥離する際、静電気が発生し、塵埃が付着したり、接着層が、第三の支持シートに引き付けられ、所望のように、第三の支持シートを、接着層から剥離することが困難になることがあるが、本実施態様においては、接着層10が、バインダに対して、0.01重量%ないし15重量%のイミダゾリン系界面活性剤を含んでいるから、静電気の発生を効果的に防止することが可能になる。
【0198】
こうして、第二の支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に、接着層10が接着され、接着層10から、第三の支持シート9が剥離されると、電極層6およびスペーサ層7が、接着層10を介して、第一の支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に接着される。
【0199】
図10は、セラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を介して、電極層6およびスペーサ層7を接着する接着装置の好ましい実施態様を示す略断面図である。
【0200】
図10に示されるように、本実施態様にかかる接着装置は、約40℃ないし約100℃の温度に保持された一対の加圧ローラ17、18を備え、電極層6、スペーサ層7および接着層10が形成された第二の支持シート4は、第二の支持シート4が上方の加圧ローラ17に接触するように、一対の加圧ローラ17、18間に供給され、セラミックグリーンシート2が形成された第一の支持シート1は、第一の支持シート1が下方の加圧ローラ18に接触するように、一対の加圧ローラ17、18間に供給される。
【0201】
本実施態様においては、加圧ローラ17は金属ローラによって構成され、加圧ローラ18はゴムローラによって構成されている。
【0202】
第一の支持シート1および第二の支持シート4の供給速度は、たとえば、2m/秒に設定され、一対の加圧ローラ17、18にニップ圧力は、好ましくは、約0.2ないし約15MPa、より好ましくは、約0.2MPaないし約6MPaに設定される。
【0203】
本実施態様においては、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とは、接着層10を介して、接着され、従来のように、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7に含まれているバインダの粘着力や、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の変形を利用して、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを接着してはいないから、たとえば、約0.2MPaないし約15MPaの低い圧力で、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを接着することができる。
【0204】
したがって、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の変形を防止することが可能になるから、こうして得られたセラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の積層体を積層して、積層セラミックコンデンサを作製する際の積層精度を向上させることが可能になる。
【0205】
さらに、本実施態様においては、第二の支持シート4上に、形成された電極層6が乾燥した後に、接着層10を介して、セラミックグリーンシート2の表面に接着するように構成されているから、セラミックグリーンシート2の表面に、電極ペーストを印刷して、電極層6を形成する場合のように、電極ペーストが、セラミックグリーンシート2に含まれているバインダを溶解させ、あるいは、膨潤させることがなく、また、電極ペーストがセラミックグリーンシート2中に染み込むこともなく、所望のように、セラミックグリーンシート2の表面に、電極層6を形成することが可能になる。
【0206】
こうして、第一の支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を介して、電極層6およびスペーサ層7が接着されると、セラミックグリーンシート2から、第一の支持シート1が剥離される。
【0207】
こうして、第二の支持シート4の表面上に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2が積層された積層体が形成される。
【0208】
次いで、第二の支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に、接着層シート11の接着層10を転写したのと全く同様にして、接着層シート11の接着層10が、セラミックグリーンシート2の表面に転写される。
【0209】
以上のようにして得られた積層体が、所定のサイズに裁断されて、第二の支持シート4の表面上に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10、セラミックグリーンシート2および接着層10が積層された所定のサイズを有する積層体ユニットが作製される。
【0210】
図11は、こうして、所定のサイズに裁断された積層体ユニットの略断面図である。
【0211】
図11に示されるように、積層体ユニット20は、第二の支持シート4の表面上に形成され、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10、セラミックグリーンシート2および接着層10を含んでいる。
【0212】
同様にして、第二の支持シート4の表面上に、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10およびセラミックグリーンシート2を積層し、セラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を転写して、それぞれが、剥離層5、電極層6、スペーサ層7、接着層10、セラミックグリーンシート2および接着層10を含む多数の積層体ユニット20が作製される。
【0213】
こうして作製された多数の積層体ユニット20を、セラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10を介して、積層することによって、積層セラミックコンデンサが作製される。
【0214】
図12は、積層体ユニット20の積層プロセスの第一のステップを示す略一部断面図である。
【0215】
図12に示されるように、積層体ユニット20の積層にあたっては、まず、多数の孔26が形成された基板25上に、支持体28がセットされる。
【0216】
支持体28としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられる。
【0217】
支持体28は、基板25に形成された多数の孔26を介して、エアにより吸引され、基板25上の所定の位置に固定される。
【0218】
図13は、積層体ユニット20の積層プロセスの第二のステップを示す略一部断面図である。
【0219】
次いで、図13に示されるように、セラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10の表面が、支持体28の表面に接触するように、積層体ユニット20が位置決めされて、積層体ユニット20の第二の支持シート4上に、プレス機などによって、圧力が加えられる。
【0220】
その結果、積層体ユニット20が、セラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10を介して、基板25上に固定された支持体28上に接着されて、積層される。
【0221】
図14は、積層体ユニット20の積層プロセスの第三のステップを示す略一部断面図である。
【0222】
積層体ユニット20が、セラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10を介して、基板25上に固定された支持体28上に接着されて、積層されると、図14に示されるように、第二の支持シート4が、積層体ユニット20の剥離層5から剥離される。
【0223】
こうして、セラミックグリーンシート2の表面に転写された接着層10を介して、基板25上に固定されている支持体28上に積層された積層体ユニット20のスペーサ層7上に、さらに、積層体ユニット20が積層される。
【0224】
図15は、積層体ユニット20の積層プロセスの第四のステップを示す略一部断面図である。
【0225】
次いで、図15に示されるように、セラミックグリーンシート2上に転写された接着層10の表面が、基板25に固定された支持体28に接着された積層体ユニット20の剥離層5の表面に接触するように、新たな積層体ユニット20が位置決めされて、新たな積層体ユニット20の第二の支持シート4上に、プレス機などによって、圧力が加えられる。
【0226】
その結果、新たな積層体ユニット20が、セラミックグリーンシート2上に転写された接着層10を介して、基板25上に固定されている支持体28上に接着された積層体ユニット20上に、積層される。
【0227】
図16は、積層体ユニット20の積層プロセスの第五のステップを示す略一部断面図である。
【0228】
新たな積層体ユニット20が、接着層10を介して、基板25上に固定されている支持体28上に接着された積層体ユニット20上に、積層されると、図16に示されるように、新たに積層された積層体ユニット20の第二の支持シート4が、積層体ユニット20の剥離層5から剥離される。
【0229】
同様にして、積層体ユニット20が、次々に積層されて、所定の数の積層体ユニット20が、基板25に固定された支持体28上に積層されて、積層体ブロックが作製される。
【0230】
所定の数の積層体ユニット20が、基板25に固定されている支持体28上に積層されて、積層体ブロックが作製されると、基板25に固定されている支持体28上に、所定の数の積層体ユニット20が積層された積層体ブロックが、積層セラミックコンデンサの外層上に積層される。
【0231】
図17は、基板25に固定されている支持体28上に積層された積層体ブロックを、積層セラミックコンデンサの外層上に積層する積層プロセスの第一のステップを示す略一部断面図である。
【0232】
図17に示されるように、まず、多数の孔31が形成された基台30上に、接着層32が形成された外層33がセットされる。
【0233】
外層33は、基台30に形成された多数の孔31を介して、エアにより吸引され、基台30上の所定の位置に固定される。
【0234】
次いで、図17に示されるように、多数の孔26を介して、エアにより吸引され、基板25上の所定の位置に固定されている支持体28上に積層された積層体ブロック40が、最後に積層された積層体ユニット20の剥離層5の表面が、外層33上に形成された接着層32の表面に接触するように、位置決めされる。
【0235】
次いで、エアによる支持体28の吸引が停止されて、基板25が、積層体ブロック40を支持している支持体28から取り去られる。
【0236】
基板25が、支持体28から取り去られると、プレス機などによって、支持体28が加圧される。
【0237】
その結果、積層体ブロック40が、接着層32を介して、基台30上に固定された外層33上に接着されて、積層される。
【0238】
図18は、基板25に固定されている支持体28上に積層された積層体ブロックを、積層セラミックコンデンサの外層上に積層する積層プロセスの第二のステップを示す略一部断面図である。
【0239】
積層体ブロック40が、接着層32を介して、基台30上に固定された外層33上に接着されて、積層されると、図18に示されるように、支持体28が、積層体ブロック40の接着層10から剥離される。
【0240】
こうして、接着層32を介して、基台30上に固定されている外層33上に、所定の数の積層体ユニット20が積層された積層体ブロック40が積層される。
【0241】
接着層32を介して、基台30上に固定されている外層33上に、積層体ブロック40が積層されると、基台30上に固定されている外層33上に積層された積層体ブロック40の最上の積層体ユニット20の接着層10上に、さらに、図12ないし図16に示されたステップにしたがって、基板25に固定されている支持体28上に、所定の数の積層体ユニット20が積層されて、作製された新たな積層体ブロック40が積層される。
【0242】
図19は、基板25に固定されている支持体28上に積層された積層体ブロックを、積層セラミックコンデンサの外層上に積層する積層プロセスの第三のステップを示す略一部断面図である。
【0243】
図19に示されるように、多数の孔26を介して、エアにより吸引され、基板25上の所定の位置に固定されている支持体28上に新たに積層された積層体ブロック40が、最後に積層された積層体ユニット20の剥離層5の表面が、基台30上に固定されている外層33上に積層された積層体ブロック40の最上の積層体ユニット20の接着層10の表面に接触するように、位置決めされる。
【0244】
次いで、エアによる支持体28の吸引が停止されて、基板25が、積層体ブロック40を支持している支持体28から取り去られる。
【0245】
基板25が、支持体28から取り去られると、プレス機などによって、支持体28が加圧される。
【0246】
その結果、新たに積層された積層体ブロック40が、接着層10を介して、基台30上に固定されている外層33上に積層された積層体ブロック40に接着されて、積層される。
【0247】
図20は、基板25に固定されている支持体28上に積層された積層体ブロックを、積層セラミックコンデンサの外層上に積層する積層プロセスの第四のステップを示す略一部断面図である。
【0248】
新たに積層された積層体ブロック40が、接着層10を介して、基台30上に固定されている外層33上に積層された積層体ブロック40に接着されて、積層されると、図20に示されるように、支持体28が、新たに積層された積層体ブロック40の接着層10から剥離される。
【0249】
こうして、基台30上に固定されている外層33上に積層された積層体ブロック40上に、接着層10を介して、新たに積層された積層体ブロック40が接着されて、積層される。
【0250】
同様にして、基板25に固定されている支持体28上に積層された積層体ブロック40が、次々に積層されて、所定の数の積層体ブロック40、したがって、所定の数の積層体ユニット20が、積層セラミックコンデンサの外層33上に積層される。
【0251】
こうして、積層セラミックコンデンサの外層33上に、所定の数の積層体ユニット20が積層されると、他方の外層(図示せず)が、接着層を介して、接着されて、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体が作成される。
【0252】
次いで、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体が、所定のサイズに裁断されて、多数のセラミックグリーンチップが作製される。
【0253】
このようにして、多数の積層体ユニット20が積層されて、積層体ブロックが作製され、多数の積層体ブロックが積層されて、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体が作成され、所定の数の積層体ユニット20を含む積層体が、所定のサイズに裁断されて、多数のセラミックグリーンチップが作製されるが、単位スペーサ層7aを、隣り合った単位電極層6aの間の第二の支持シート4の表面に、正確に印刷して、すべての積層体ユニット20を形成することがきわめて困難で、すべての積層体ユニット20を均一な厚さで、形成することがきわめて困難であるため、従来は、多数の積層体ユニット20が積層されて、作製された積層体ブロックに厚みのむらが生じて、その表面に凹凸が形成され、その結果、積層体ブロックおよび多数の積層体ブロックを積層して、形成された積層体が変形したり、層間剥離が発生するという問題があった。
【0254】
しかしながら、本発明者の研究によれば、単位電極層6aを、その周縁部領域において、単位面積あたりの平均電極材料量が、周辺部に向かって、全体として、漸減するように形成するとともに、単位スペーサ層7aを、その周縁部領域において、単位面積あたりの平均誘電体材料量が、周辺部に向かって、全体として、漸減するように形成することにより、それぞれの積層体ユニット20において、隣り合った単位電極層6aの間の領域に、単位スペーサ層7aを、隙間がないように、正確に印刷することができなかった場合にも、多数の積層体ユニット20を積層して、積層体ブロックを作製し、さらに、多数の積層体ブロックを積層して、積層体を作製したときに、単位電極層6aと単位スペーサ層7aとが重なり合った部分の厚さと、単位電極層6aも単位スペーサ層7aも形成されていない部分の厚さとが相殺し合って、積層体ブロックや積層体の表面に生じる凹凸を低減し得ることが見出されており、本実施態様においては、図3および図6に示されるように、単位面積あたりの平均電極材料量が、単位電極層6aの周縁部領域において、周辺部に向かって、全体として、漸減するように、単位電極層6aの周縁部領域に、波形パターン6bが形成されるとともに、単位面積あたりの平均誘電体材料量が、単位スペーサ層7aの周縁部領域において、周辺部に向かって、全体として、漸減するように、単位スペーサ層7aの周縁部領域に、波形パターン7bが形成されているから、多数の積層体ユニット20を積層して、積層体ブロックを作製し、さらに、多数の積層体ブロックを積層して、積層体を作製したときに、単位電極層6aと単位スペーサ層7aとが重なり合った部分の厚さと、単位電極層6aも単位スペーサ層7aも形成されていない部分の厚さとが相殺されて、積層体ブロックや積層体の表面に生じる凹凸を低減することができ、したがって、積層体ブロックや積層体の変形および層間剥離を効果的に防止することが可能になる。
【0255】
こうして作製されたセラミックグリーンチップは、還元ガス雰囲気下に置かれて、バインダが除去され、さらに、焼成される。
【0256】
次いで、焼成されたセラミックグリーンチップに、必要な外部電極などが取り付けられて、積層セラミックコンデンサが作製される。
【0257】
本実施態様によれば、多数の積層体ユニット20を積層して、積層体ブロックを作製し、さらに、多数の積層体ブロックを積層して、積層体を作製したときに、単位電極層6aと単位スペーサ層7aとが重なり合った部分の厚さと、単位電極層6aも単位スペーサ層7aも形成されていない部分の厚さとが相殺されて、積層体ブロックや積層体の表面に生じる凹凸を低減することができ、したがって、積層体ブロックや積層体の変形および層間剥離を効果的に防止することが可能になる。
【0258】
また、本実施態様によれば、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とは、接着層10を介して、接着され、従来のように、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7に含まれているバインダの粘着力や、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の変形を利用して、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを接着してはいないから、たとえば、約0.2MPaないし約15MPaの低い圧力で、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを接着することができる。
【0259】
したがって、セラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の変形を防止することが可能になるから、こうして得られたセラミックグリーンシート2、電極層6およびスペーサ層7の積層体を積層して、積層セラミックコンデンサを作製する際の積層精度を向上させることが可能になる。
【0260】
さらに、本実施態様によれば、第二の支持シート4上に形成された電極層6が乾燥した後に、接着層10を介して、セラミックグリーンシート2の表面に接着するように構成されているから、セラミックグリーンシート2の表面に、電極ペーストを印刷して、電極層6を形成する場合のように、電極ペーストが、セラミックグリーンシート2に含まれているバインダを溶解させ、あるいは、膨潤させることがなく、また、電極ペーストがセラミックグリーンシート2中に染み込むこともなく、所望のように、セラミックグリーンシート2の表面に、電極層6を形成することが可能になる。
【0261】
また、接着層10から、第三の支持シート9を剥離する際、静電気が発生し、塵埃が付着したり、接着層10が、第三の支持シート9に引き付けられ、所望のように、第三の支持シート9を、接着層10から剥離することが困難になることがあるが、本実施態様によれば、接着層10が、バインダの0.01重量%ないし15重量%のイミダゾリン系界面活性剤を含んでいるから、静電気の発生を効果的に防止することが可能になる。
【0262】
図21は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの単位電極層6aのパターンを示す略一部平面図である。
【0263】
図21に示されるように、本実施態様にかかる積層体ユニットの単位電極層6aは、5ないし50μmの幅の周縁部領域に、台形状のパターン6cを有している。
【0264】
本実施態様においても、図4に示されるように、単位面積あたりの平均電極材料量が、単位電極層6aの周縁部領域において、周辺部に向かって、全体として、漸減するように、単位電極層6aの周縁部領域に、台形状のパターン6cが形成されている。
【0265】
図22は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの単位スペーサ層7aのパターンを示す略一部平面図である。
【0266】
図22に示されるように、本実施態様にかかる積層体ユニットの単位スペーサ層7aは、5ないし50μmの幅の周縁部領域に、台形状のパターン7cを有している。
【0267】
本実施態様においても、図7に示されるように、単位面積あたりの平均誘電体材料量が、単位スペーサ層7aの周縁部領域において、周辺部に向かって、全体として、漸減するように、単位スペーサ層7aの周縁部領域に、台形状のパターン7cが形成されている。
【0268】
したがって、本実施態様においても、図21および図22に示されるように、単位面積あたりの平均電極材料量が、単位電極層6aの周縁部領域において、周辺部に向かって、全体として、漸減するように、単位電極層6aの周縁部領域に、台形状パターン6cが形成されるとともに、単位面積あたりの平均誘電体材料量が、単位スペーサ層7aの周縁部領域において、周辺部に向かって、全体として、漸減するように、単位スペーサ層7aの周縁部領域に、台形状パターン7cが形成されているから、多数の積層体ユニット20を積層して、積層体ブロックを作製し、さらに、多数の積層体ブロックを積層して、積層体を作製したときに、単位電極層6aと単位スペーサ層7aとが重なり合った部分の厚さと、単位電極層6aも単位スペーサ層7aも形成されていない部分の厚さとが相殺されて、積層体ブロックや積層体の表面に生じる凹凸を低減することができ、したがって、積層体ブロックや積層体の変形および層間剥離を効果的に防止することが可能になる。
【0269】
図23は、本発明の他の好ましい実施態様にかかる積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの単位電極層6aのパターンを示す略一部平面図である。
【0270】
図23に示されるように、本実施態様にかかる積層体ユニットの単位電極層6aは、5ないし50μmの幅の周縁部領域に、多数の第一のドット状電極層領域6dと、多数の第二のドット状電極層領域6eが形成されている。
【0271】
図23に示されるように、第二のドット状電極層領域6eは、第一のドット状電極層領域6dよりも面積が小さく、単位面積あたりの平均電極材料量が、単位電極層6aの周縁部領域において、周辺部に向かって、全体として、漸減するように、単位電極層6aの周縁部領域に、多数の第一のドット状電極層領域6dおよび多数の第二のドット状電極層領域6eが形成されている。
【0272】
図24は、本発明の他の好ましい実施態様にかかる積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの単位スペーサ層7aのパターンを示す略一部平面図である。
【0273】
図24に示されるように、本実施態様にかかる積層体ユニットの単位スペーサ層7aは、5ないし50μmの幅の周縁部領域に、多数の第一のドット状孔領域7dと、多数の第二のドット状孔領域7eが形成されている。
【0274】
ここに、第一のドット状孔領域7dの面積は、第一のドット状電極層領域6dの面積と等しく、第二のドット状孔領域7eの面積は、第二のドット状電極層6eの面積と等しくなるように、第一のドット状孔領域7dおよび第二のドット状孔領域7eが形成されており、図24に示されるように、第一のドット状孔領域7dおよび第二のドット状孔領域7eは、単位スペーサ層7aが、図23に示された単位電極層6aと相補的なパターンを有するように、形成されている。
【0275】
その結果、単位面積あたりの平均誘電体材料量が、単位スペーサ層7aの周縁部領域において、周辺部に向かって、全体として、漸減するように、単位スペーサ層7aの周縁部領域に、多数の第一のドット状孔領域7dおよび多数の第二のドット状孔領域7eが形成されている。
【0276】
したがって、本実施態様においても、図23および図24に示されるように、単位面積あたりの平均電極材料量が、単位電極層6aの周縁部領域において、周辺部に向かって、全体として、漸減するように、単位電極層6aの周縁部領域に、多数の第一のドット状電極層領域6dおよび多数の第二のドット状電極層領域6eが形成されるとともに、単位面積あたりの平均誘電体材料量が、単位スペーサ層7aの周縁部領域において、周辺部に向かって、全体として、漸減するように、単位スペーサ層7aの周縁部領域に、多数の第一のドット状孔領域7dおよび多数の第二のドット状孔領域7eが形成されているから、多数の積層体ユニット20を積層して、積層体ブロックを作製し、さらに、多数の積層体ブロックを積層して、積層体を作製したときに、単位電極層6aと単位スペーサ層7aとが重なり合った部分の厚さと、単位電極層6aも単位スペーサ層7aも形成されていない部分の厚さとが相殺されて、積層体ブロックや積層体の表面に生じる凹凸を低減することができ、したがって、積層体ブロックや積層体の変形および層間剥離を効果的に防止することが可能になる。
【0277】
本発明は、以上の実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0278】
たとえば、前記実施態様においては、積層セラミックコンデンサは、第三の支持シート9の表面に形成された接着層10を、第二の支持シート4に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写し、第三の支持シート9を接着層10から剥離し、接着層10を介して、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを接着し、第一の支持シート1をセラミックグリーンシート2から剥離して、積層体ユニット20を作製し、セラミックグリーンシート2の表面が、支持体28上に形成された粘着層27の表面に接触するように、積層体ユニット20を位置決めして、積層体ユニット20上に圧力を加え、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2を粘着層27に接着して、支持体28に積層し、積層体ユニット20の剥離層5から、第二の支持シート4を剥離し、さらに、セラミックグリーンシート2の表面に、接着層10が転写された積層体ユニット20を、支持体28上に積層された積層体ユニット20の剥離層5の表面上に、積層して、新たに積層された積層体ユニット20の剥離層5から、第二の支持シート4を剥離し、同様にして、支持体28上に積層された積層体ユニット20の剥離層5上に、所望の数の積層体ユニット20を積層して、積層体ブロック40を作製し、基台30上に固定された外層33上に、積層体ブロック40の剥離層5が、外層33上に形成された接着層32の表面に接着するように、積層体ブロック40を積層し、積層体ブロック40のセラミックグリーンシート2から、支持体28を剥離し、さらに、同様にして、外層33上に積層された積層体ブロック40の剥離層5上に、所望の数の積層体ブロック40を積層することによって、製造されるように構成されているが、第三の支持シート9の表面に形成された接着層10を、第一の支持シート1に形成されたセラミックグリーンシート2の表面に転写し、第三の支持シート9を接着層10から剥離し、接着層10を介して、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを接着し、第二の支持シート4を電極層6およびスペーサ層7から剥離して、積層体ユニット20を作製し、剥離層5の表面が、支持体28上に形成された粘着層27の表面に接触するように、積層体ユニット20を位置決めして、積層体ユニット20上に圧力を加え、積層体ユニット20の剥離層5を粘着層27に接着して、支持体28に積層し、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2から、第一の支持シート1を剥離し、さらに、剥離層の表面に、接着層10が転写された積層体ユニット20を、支持体28上に積層された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2の表面上に、積層して、新たに積層された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2から、第一の支持シート1を剥離し、同様にして、支持体28上に積層された積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2上に、所望の数の積層体ユニット20を積層して、積層体ブロック40を作製し、基台30上に固定された外層33上に、積層体ブロック40のセラミックグリーンシート2が、外層33上に形成された接着層32の表面に接着するように、積層体ブロック40を積層し、積層体ブロック40の剥離層5から、支持体28を剥離し、さらに、同様にして、外層33上に積層された積層体ブロック40のセラミックグリーンシート2上に、所望の数の積層体ブロック40を積層することによって、積層セラミックコンデンサを製造するようにしてもよい。
【0279】
また、前記実施態様においては、積層セラミックコンデンサは、第三の支持シート9の表面に形成された接着層10を、第二の支持シート4に形成された電極層6およびスペーサ層7の表面に転写し、第三の支持シート9を接着層10から剥離し、接着層10を介して、セラミックグリーンシート2と、電極層6およびスペーサ層7とを接着し、第一の支持シート1をセラミックグリーンシート2から剥離して、積層体ユニット20を作製し、セラミックグリーンシート2の表面が、支持体28上に形成された粘着層27の表面に接触するように、積層体ユニット20を位置決めして、積層体ユニット20上に圧力を加え、積層体ユニット20のセラミックグリーンシート2を粘着層27に接着して、支持体28に積層し、積層体ユニット20の剥離層5から、第二の支持シート4を剥離し、さらに、セラミックグリーンシート2の表面に、接着層10が転写された積層体ユニット20を、支持体28上に積層された積層体ユニット20の剥離層5の表面上に、積層して、新たに積層された積層体ユニット20の剥離層5から、第二の支持シート4を剥離し、同様にして、支持体28上に積層された積層体ユニット20の剥離層5上に、所望の数の積層体ユニット20を積層して、積層体ブロック40を作製し、基台30上に固定された外層33上に、積層体ブロック40の剥離層5が、外層33上に形成された接着層32の表面に接着するように、積層体ブロック40を積層し、積層体ブロック40のセラミックグリーンシート2から、支持体28を剥離し、さらに、同様にして、外層33上に積層された積層体ブロック40の剥離層5上に、所望の数の積層体ブロック40を積層することによって、製造されるように構成されているが、第二の支持シート4上に形成された電極層6およびスペーサ層7が乾燥した後に、誘電体ペーストを、電極層6およびスペーサ層7の表面に塗布して、セラミックグリーンシート2を形成し、セラミックグリーンシート2の表面に、接着層10を転写し、あるいは、第一の支持シート1上に形成されたセラミックグリーンシート2が乾燥した後に、セラミックグリーンシート2の表面に、電極ペーストを印刷して、電極層6を形成し、セラミックグリーンシート2の表面に、誘電体ペーストを印刷して、スペーサ層7を形成するようにしてもよい。
【0280】
さらに、前記実施態様においては、電極層6の厚さteとスペーサ層7の厚さtsが等しくなるように、電極層6およびスペーサ層7が形成されているが、電極層6およびスペーサ層7が、好ましくは、0.7≦ts/(te+tc)≦1.3、より好ましくは、0.8≦ts/(te+tc)≦1.2、さらに好ましくは、0.9≦ts/(te+tc)≦1.1を満たすように形成されればよく、電極層6およびスペーサ層7を、電極層6の厚さteとスペーサ層7の厚さtsが等しくなるように形成することは必ずしも必要でない。
【0281】
また、図1ないし図20に示された実施態様においては、単位電極層6aの周縁部領域に、波形パターン6bが形成されるとともに、単位スペーサ層7aの周縁部領域に、波形パターン7bが形成され、図21および図22に示された実施態様においては、単位電極層6aの周縁部領域に、台形状パターン6cが形成されるとともに、単位スペーサ層7aの周縁部領域に、台形状パターン7cが形成され、図23および図24に示された実施態様においては、単位電極層6aの周縁部領域に、多数の第一のドット状電極層領域6dおよび多数の第二のドット状電極層領域6eが形成されるとともに、単位スペーサ層7aの周縁部領域に、多数の第一のドット状孔領域7dおよび多数の第二のドット状孔領域7eが形成されているが、単位面積あたりの平均電極材料量が、単位電極層6aの周縁部領域において、周辺部に向かって、全体として、漸減するように、単位電極層6aが形成されるとともに、単位面積あたりの平均誘電体材料量が、単位スペーサ層7aの周縁部領域において、周辺部に向かって、全体として、漸減するように、単位スペーサ層7aが形成され、単位電極層6aと単位スペーサ層7aが実質的に相補的なパターンで形成されていればよく、単位電極層6aの周縁部領域および単位スペーサ層7aの周縁部領域に形成されるパターンは、とくに限定されるものではない。
【0282】
さらに、前記実施態様においては、図10に示された接着装置を用いて、セラミックグリーンシート2を、接着層10を介して、電極層6およびスペーサ層7の表面に接着させ、しかる後に、第一の支持シート1をセラミックグリーンシート2から剥離しているが、図9に示された接着・剥離装置を用いて、セラミックグリーンシート2を、接着層10を介して、電極層6およびスペーサ層7の表面に接着させるとともに、セラミックグリーンシート2から、第一の支持シート1を剥離するようにしてもよい。
【0283】
また、前記実施態様においては、スペーサ層7は、電極層6と相補的なパターンによって、形成されるように構成されているが、スペーサ層7を、電極層6と完全に相補的なパターンで形成することは必ずしも必要でなく、図23に示されるように、各単位電極層6aが形成されている場合には、図25に示されるように、単位スペーサ層7aの5ないし50μmの幅の周縁部に、多数の第一のドット状スペーサ層領域7fと、多数の第一のドット状スペーサ層領域7fよりも面積が小さい第二のドット状スペーサ層領域7gを形成し、単位面積あたりの平均誘電体材料量が、単位スペーサ層7aの周縁部領域において、周辺部に向かって、全体として、漸減するように、各単位スペーサ層7aを形成するようにしてもよい。
【0284】
【発明の効果】
本発明によれば、積層されて、作製された積層体の凹凸を低減させて、積層体の変形や層間剥離を防止することができ、接着性に優れた積層体を作製することができるセラミックグリーンシートと電極層を含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法および積層されて、作製された積層体の表面の凹凸を低減させて、積層体の変形や層間剥離を防止することができ、接着性に優れた積層体を作製することができるセラミックグリーンシートと電極層を含む積層セラミック電子部品用の積層体ユニットを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、その表面上に、セラミックグリーンシートが形成された第一の支持シートの略一部断面図である。
【図2】図2は、その表面上に、スペーサ層が形成された第二の支持シートの略一部断面図である。
【図3】図3は、剥離層上に形成された電極層を構成する単位電極層の印刷パターンを示す略一部平面図である。
【図4】図4は、単位電極層の単位面積あたりの平均電極材料量を模式的に示したグラフである。
【図5】図5は、剥離層の表面上に、電極層およびスペーサ層が形成された状態を示す略一部断面図である。
【図6】図6は、剥離層上に形成されたスペーサ層を構成する単位スペーサ層の印刷パターンを示す略一部平面図である。
【図7】図7は、単位スペーサ層の単位面積あたりの平均誘電体材料量を模式的に示したグラフである。
【図8】図8は、第三の支持シートの表面上に、接着層が形成された接着層シートの略一部断面図である。
【図9】図9は、第三の支持シート上に形成された接着層を、第二の支持シート上に形成されたスペーサ層および電極層に接着し、接着層から第三の支持シートを剥離する接着・剥離装置の好ましい実施態様を示す略断面図である。
【図10】図10は、セラミックグリーンシートの表面に、接着層を介して、スペーサ層および電極層を接着する接着装置の好ましい実施態様を示す略断面図である。
【図11】図11は、第二の支持シート上に、スペーサ層、電極層、接着層、セラミックグリーンシートおよび接着層が積層された積層体ユニットの略一部断面図である。
【図12】図12は、積層体ユニットの積層プロセスの第一のステップを示す略一部断面図である。
【図13】図13は、積層体ユニットの積層プロセスの第二のステップを示す略一部断面図である。
【図14】図14は、積層体ユニットの積層プロセスの第三のステップを示す略一部断面図である。
【図15】図15は、積層体ユニットの積層プロセスの第四のステップを示す略一部断面図である。
【図16】図16は、積層体ユニットの積層プロセスの第五のステップを示す略一部断面図である。
【図17】図17は、基板に固定されている支持シート上に積層された積層体ブロックを、積層セラミックコンデンサの外層上に積層する積層プロセスの第一のステップを示す略一部断面図である。
【図18】図18は、基板に固定されている支持シート上に積層された積層体ブロックを、積層セラミックコンデンサの外層上に積層する積層プロセスの第二のステップを示す略一部断面図である。
【図19】図19は、基板に固定されている支持シート上に積層された積層体ブロックを、積層セラミックコンデンサの外層上に積層する積層プロセスの第三のステップを示す略一部断面図である。
【図20】図20は、基板に固定されている支持シート上に積層された積層体ブロックを、積層セラミックコンデンサの外層上に積層する積層プロセスの第四のステップを示す略一部断面図である。
【図21】図21は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの単位電極層のパターンを示す略一部平面図である。
【図22】図22は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの単位スペーサ層のパターンを示す略一部平面図である。
【図23】図23は、本発明の他の好ましい実施態様にかかる積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの単位電極層のパターンを示す略一部平面図である。
【図24】図24は、本発明の他の好ましい実施態様にかかる積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの単位スペーサ層のパターンを示す略一部平面図である。
【符号の説明】
1 第一の支持シート
2 セラミックグリーンシート
3 第二の支持シート
5 剥離層
6 電極層
6a 単位電極層
6b 波形パターン
6c 台形状パターン
6d 第一のドット状電極層領域
6e 第二のドット状電極層領域
7 スペーサ層
7a 単位スペーサ層
7b 波形パターン
7c 台形状パターン
7d 第一のドット状孔領域
7e 第二のドット状孔領域
9 第三の支持シート
10 接着層
11 接着層シート
15、16 加圧ローラ
17、18 加圧ローラ
20 積層体ユニット
25 基板
26 孔
28 支持シート
30 基台
31 孔
32 接着層
33 積層セラミックコンデンサの外層
40 積層体ブロック

Claims (10)

  1. それぞれが、5ないし50μmの幅の周縁部領域で、凹凸パターンを有する複数の単位電極層を含む電極層を、所定のパターンで、印刷することができるパターンを有する第一のマスクを用いて、電極ペーストを印刷して、複数の単位電極層を含む電極層を形成し、それぞれが、5ないし50μmの幅の周縁部領域で、前記単位電極層の前記凹凸パターンと実質的に相補的な凹凸パターンを有する複数の単位スペーサ層を含むスペーサ層を、前記電極層の前記所定のパターンと実質的に相補的なパターンで、印刷することができるパターンを有する第二のマスクを用いて、隣り合った前記単位電極層の間に、誘電体ペーストを印刷して、複数の単位スペーサ層を含むスペーサ層を形成することを特徴とする積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法。
  2. 前記複数の単位電極層のパターンが、それぞれ、その周縁部領域において、波形パターンを有するように、前記第一のマスクのパターンを選択し、前記複数の単位スペーサ層のパターンが、それぞれ、その周縁部領域において、前記単位電極層の前記波形パターンと実質的に相補的な波形パターンを有するように、前記第二のマスクのパターンを選択して、前記電極層および前記スペーサ層を形成することを特徴とする請求項1に記載の積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法。
  3. それぞれが、5ないし50μmの幅の周縁部領域で、周辺部に向かうにしたがって、面積が減少する複数のドットよりなるドット状パターンを有する複数の単位電極層を含む電極層を、所定のパターンで、印刷することができるパターンを有する第一のマスクを用いて、電極ペーストを印刷して、複数の単位電極層を含む電極層を形成し、それぞれが、5ないし50μmの幅の周縁部領域で、周辺部に向かうにしたがって、面積が減少する複数のドットよりなり、前記単位電極のドット状パターンと実質的に相補的なドット状パターンを有する複数の単位スペーサ層を含むスペーサ層を、前記電極層の前記所定のパターンと実質的に相補的なパターンで、印刷することができるパターンを有する第二のマスクを用いて、隣り合った前記単位電極層の間に、誘電体ペーストを印刷して、複数の単位スペーサ層を含むスペーサ層を形成することを特徴とする積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法
  4. 前記複数の単位電極層の前記周縁部領域の幅および前記複数の単位スペーサ層の前記周縁部領域の幅を、それぞれ、10ないし40μmに設定して、前記第一のマスクおよび前記第二のマスクを選択し、前記電極層および前記スペーサ層を形成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法。
  5. 支持シート上に、前記複数の単位電極層を含む電極層および前記複数の単位スペーサ層を含むスペーサ層を形成し、前記電極層および前記スペーサ層を、接着層を介して、セラミックグリーンシート上に接着することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法。
  6. 前記複数の単位電極層を含む電極層および前記複数の単位スペーサ層を含むスペーサ層を、セラミックグリーンシート上に印刷することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法。
  7. セラミックグリーンシートと、複数の単位電極層を含む電極層と、複数の単位スペーサ層を含むスペーサ層とを備え、前記複数の単位電極層が、それぞれ、5ないし50μmの幅の周縁部領域で、凹凸パターンを有し、前記複数の単位スペーサ層が、それぞれ、5ないし50μmの幅の周縁部領域で、前記単位電極層の前記凹凸パターンと実質的に相補的な凹凸パターンを有することを特徴とする積層セラミック電子部品用の積層体ユニット。
  8. 前記複数の単位電極層のパターンが、それぞれ、その周縁部領域において、波形パターンを有し、前記複数の単位スペーサ層のパターンが、それぞれ、その周縁部領域において、前記単位電極層の前記波形パターンと実質的に相補的な波形パターンを有するように、前記電極層および前記スペーサ層が形成されたことを特徴とする請求項7に記載の積層セラミック電子部品用の積層体ユニット。
  9. セラミックグリーンシートと、複数の単位電極層を含む電極層と、複数の単位スペーサ層を含むスペーサ層とを備え、前記複数の単位電極層が、それぞれ、5ないし50μmの幅の周縁部領域で、周辺部に向かうにしたがって、面積が減少する複数のドットよりなるドット状パターンを有し、前記複数の単位スペーサ層が、それぞれ、5ないし50μmの幅の周縁部領域で、周辺部に向かうにしたがって、面積が減少する複数のドットよりなり、前記単位電極のドット状パターンと実質的に相補的なドット状パターンを有することを特徴とする積層セラミック電子部品用の積層体ユニット
  10. 前記複数の単位電極層の前記周縁部領域の幅および前記複数の単位スペーサ層の前記周縁部領域の幅が、それぞれ、10ないし40μmに設定されたことを特徴とする請求項7ないし9のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品用の積層体ユニット。
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