JP3920875B2 - 使い捨てコップ収納供給袋、使い捨てコップ包装体及び使い捨てコップ連続取り出し装置 - Google Patents
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Description
図13は、紙コップ収納供給装置の取出口の一例の断面図である。この例の紙コップ収納供給装置は、紙コップ23を収納する筒体24の内面の下端縁に、断面が三角形状の止めリング25が設けられている。紙コップ1個を手でつかんで引き抜くとき、紙コップの開口部が収縮するように押し付けられるので、紙コップを取り出すときの抵抗が大きく、紙コップを取り出しづらいばかりでなく、紙コップが2〜3個まとまって出てしまう場合がある。このために、紙コップが取り出しやすく、紙コップを安定して1個ずつ取り出すことができる紙コップ収納供給装置が検討されている。
例えば、紙コップを1個ずつ確実に取り出すことができる紙コップ収納及び供給装置として、図14に示す装置が提案されている(特許文献1)。この装置は、紙コップを上方から収納するようにした筒体26の下方の紙コップ取出部27が、倒立載頭円錐状の輪体を円周方向に数個に分割して取出片を形成し、この取出片の内面を多段式にするとともに、この最下端縁の断面形状が内方へ突出する三角形状に形成されている。この紙コップ収納及び供給装置の取出部は、きわめて複雑な構造であり、装置も高価なものにならざるを得ないので、より簡便に紙コップを安定して1個ずつ取り出すことができる手段が求められている。
現在、紙コップは、600個入り、2,500個入りなどの箱詰めで販売され、ユーザーにおいて50個程度ずつが小出しされ、給茶機などの近くに設置された紙コップ収納供給装置に入れられる場合が多い。この間、紙コップは外気に曝され、外部からの汚染防止の手段はとられていないが、紙コップは飲料を入れる容器なので、安全衛生面でのより一層の注意が払われることが望ましい。紙コップ収納供給装置を開いたところ、ゴキブリが飛び出してきたという事例も報告されている。このために、紙コップが外部から汚染されることがなく、衛生的に取り扱うことができる紙コップ収納及び供給手段が求められている。
すなわち、本発明は、
(1)袋体最上部に、ヘッダーシート14にプラスチックフィルムが巻き回され表裏2か所の融着線15においてヘッダーシート14とプラスチックフィルムとが融着されているヘッダーを有し、袋体部上部に使い捨てコップ収納口2を有し、該収納口2の閉鎖手段として袋体フィルムから延設された舌片フィルム6と、該舌片フィルム6を固着する袋体収納口2の縁に設けられた粘着剤層12及び該粘着剤層12を覆う剥離フィルム13を有し、袋体部中央に使い捨てコップ収納部3、袋体下部に使い捨てコップ収納部より内周が減少する使い捨てコップ取出口4を有する筒状のフィルムからなるサイドシール方式の使い捨てコップ収納供給袋であって、該筒状のフィルムが無延伸ポリプロピレンフィルムと二軸延伸ポリプロピレンフィルムのラミネートであり、前記使い捨てコップ収納部3の内周が収納される使い捨てコップ5の開口部リブの外周より3〜40mm大きく、前記使い捨てコップ取出口4の長さが5〜100mmであり、前記使い捨てコップ取出口4の下端の内周が収納される使い捨てコップの開口部リブの外周より0.3〜10mm小さく形成されてなり、使い捨てコップ取出口4の下縁が封じられ、該下縁に平行な取出口開口用のミシン目を有し、かつ、使い捨てコップ取出口4の下縁にガゼット折りを有することを特徴とする使い捨てコップ収納供給袋、
(2)使い捨てコップ取出口4の内面に合成紙が融着されてなる(1)記載の使い捨てコップ収納供給袋、
(3)上部に使い捨てコップ収納口、中央に使い捨てコップ収納部、下部に使い捨てコップ収納部より内周が減少する使い捨てコップ取出口を有する筒状のフィルムからなるサイドガゼットボトムシール方式の使い捨てコップ収納供給袋であって、該筒状のフィルムが側縁にガゼット折りを有し、該ガゼット折りがガゼット折りの両側に融着防止剤が塗布されたガゼット折りであり、かつ、材質が無延伸ポリプロピレンフィルムと二軸延伸ポリプロピレンフィルムのラミネートであり、前記使い捨てコップ収納部の内周が収納される使い捨てコップの開口部リブの外周より3〜40mm大きく、前記使い捨てコップ取出口の長さが5〜100mmであり、前記使い捨てコップ取出口の下端の内周が収納される使い捨てコップの開口部リブの外周より0.3〜10mm小さく、使い捨てコップ取出口4の下縁が封じられ、該下縁に平行な取出口開口用のミシン目を有することを特徴とする使い捨てコップ収納供給袋、
(4)(1)、(2)又は(3)記載の使い捨てコップ収納供給袋の収納部3に、開口部が底部よりも大きい円錐台形の使い捨てコップ5が多数個積層されて収納されてなる使い捨てコップ包装体、及び、
(5)(4)記載の使い捨てコップ包装体を使い捨てコップの胴部の一部と底部が外に露出する状態の吊下状態で収容してなることを特徴とする使い捨てコップ連続取り出し装置、
を提供するものである。
図1は、本発明の使い捨てコップ収納供給袋の一態様の斜視図である。本態様の使い捨てコップ収納供給袋は、筒状のプラスチックフィルムからなり、上部にヘッダー1と使い捨てコップ収納口2、中央に使い捨てコップ収納部3、下部に使い捨てコップ取出口4を有し、使い捨てコップ5が積層されて使い捨てコップ収納部に収納されている。使い捨てコップ収納口は、舌片フィルム6が接着剤層により袋体に固着されて閉鎖されている。使い捨てコップ収納供給袋をヘッダーに設けた吊下穴7を利用して吊り下げると、最も下に位置する使い捨てコップの開口部リブが使い捨てコップ取出口に引っかかり、使い捨てコップの底部と胴部の一部が使い捨てコップ取出口から露出した状態になる。この状態で最も下に位置する使い捨てコップをつかんで引き出すと、その使い捨てコップ1個のみが取り出され、二番目の使い捨てコップの底部と胴部の一部が使い捨てコップ取出口から露出した状態になる。この動作を繰り返すことにより、使い捨てコップ包装体に収納されている使い捨てコップは、確実に1個ずつ取り出され、無駄なく使用される。
本発明の使い捨てコップ収納供給袋において、使い捨てコップ取出口の長さが5mm未満であると、二番目の使い捨てコップを開口部リブで支える力が弱くなり、使い捨てコップ2個が同時に取り出されるおそれがある。使い捨てコップ取出口の長さが100mmを超えると、使い捨てコップを取り出すときの抵抗が大きくなり、使い勝手が悪くなるおそれがある。使い捨てコップの開口部リブの外周から使い捨てコップ取出口の下端の内周を減じた差が0.3mm未満であると、二番目の使い捨てコップを開口部リブで支える力が弱くなり、使い捨てコップ2個が同時に取り出されるおそれがある。使い捨てコップの開口部リブの外周から使い捨てコップ取出口の下端の内周を減じた差が10mmを超えると、使い捨てコップを取り出すときの抵抗が大きくなり、使い勝手が悪くなるおそれがある。
本発明の使い捨てコップ収納供給袋は、使い捨てコップ取出口の下縁が封じられ、該下縁に平行な取出口開口用のミシン目を有することが好ましい。図2は、本発明の使い捨てコップ収納供給袋の一態様の平面図である。本図に示す使い捨てコップ収納供給袋は、折り畳まれた状態にあり、本発明の使い捨てコップ収納供給袋は、この状態で製造され、使い捨てコップが収納されるまでは、この状態で取り扱われる。図2に示す態様の使い捨てコップ収納供給袋は、使い捨てコップ取出口の下縁8が封じられ、該下縁に平行な取出口開口用のミシン目9を有する。工場で製造された使い捨てコップは、使い捨てコップ収納口2から使い捨てコップ収納供給袋に入れられて、積層された状態で使い捨てコップ収納部3に収納され、収納口が閉鎖されて使い捨てコップ包装体となる。使い捨てコップ包装体は、この状態で保管、出荷、輸送、販売され、使い捨てコップの使用が開始されるときに、ミシン目が破られて使い捨てコップ取出口が開口される。したがつて、使い捨てコップは、製造されたのち使用されるまで、外部から遮断され、人手に直接触れることもないので、安全衛生面できわめて優れている。
本発明の使い捨てコップ収納供給袋は、使い捨てコップ取出口の内面又は外面に合成紙を融着することができる。図7は、本発明の使い捨てコップ収納供給袋の他の態様の使い捨てコップ取出口の形状を示す部分平面図及びB−B線切断部端面図である。本態様の使い捨てコップ収納供給袋は、使い捨てコップ取出口の内面に合成紙11が融着されている。使い捨てコップ取出口の内面又は外面に合成紙を融着して使い捨てコップ取出口の剛性を高めることにより、使い捨てコップ取出口における使い捨てコップの保持力を高め、2個以上の使い捨てコップが同時に取り出される現象の発生をいっそう確実に防止することができる。融着する合成紙は、袋体を構成するプラスチックフィルムと同種のプラスチック製であることが好ましい。合成紙とフィルムを同種のプラスチックとすることにより、両者を容易に融着することができる。
本発明の使い捨てコップ収納供給袋は、袋体最上部にヘッダーを有することが好ましい。図8に示す態様においては、袋体最上部においてヘッダーシート14にプラスチックフィルムが巻き回され、表裏2か所の融着線15においてヘッダーシートとプラスチックフィルムとが融着されている。ヘッダーには、吊下穴8を設けることが好ましい。袋体最上部にヘッダーを設けることにより、使い捨てコップを収納した使い捨てコップ包装体を、ヘッダーを把持して取り扱うことができるので、取り扱いが容易になる。また、ヘッダーに吊下穴を設け、吊下穴を吊下治具に通して使い捨てコップ包装体を吊り下げ、ミシン目を破って使い捨てコップ取出口を開口することにより、使い捨てコップ取出口から使い捨てコップを1個ずつ下方に引き下ろして取り出すことができる。
図9は、本発明の使い捨てコップ収納供給袋の他の態様の平面図、D−D線切断部端面図及びE−E線切断部端面図である。本態様の使い捨てコップ収納供給袋は、サイドガゼット−ボトムシール方式の袋である。長尺のチューブ状のプラスチックフィルムの両側に、融着防止剤が塗布されたガゼット折りを形成し、袋体の長さごとに溶断してボトムシールすると同時に、両側縁間の距離の短い使い捨てコップ取出口を形成し、袋体上部に使い捨てコップ収納口とヘッダーを加工することにより、製造することができる。本態様の使い捨てコップ収納供給袋は、大型の使い捨てコップ用として好適に用いることができる。
図10は、本発明の使い捨てコップ収納供給袋の他の態様の平面図、F−F線切断部端面図及びG−G線切断部端面図である。本態様の使い捨てコップ収納供給袋は、チューブラー−ボトムシール方式の袋である。長尺のチューブ状のプラスチックフィルムを、袋体の長さごとに溶断してボトムシールすると同時に、両側縁間の距離の短い使い捨てコップ取出口を形成し、袋体上部に使い捨てコップ収納口とヘッダーを加工することにより、製造することができる。本態様の使い捨てコップ収納供給袋は、安価に製造することができ、小型の使い捨てコップ用として好適に用いることができる。
紙コップには、日本工業規格のような厳密な規格はないが、現在製造販売されている紙コップは、高さ73mm、容量150mLの5オンス型、高さ79mm、容量205mLの7オンス型、高さ92mm、容量275mLの9オンス型などのように標準化されていて、容量が同じであれば紙コップの開口部リブの外周はほぼ等しいので、本発明の紙コップ収納供給袋は、収納する紙コップの容量に対応する数種類を製造することにより、各種の紙コップに適合することができる。
本発明の使い捨てコップ連続取り出し装置は、本発明の使い捨てコップ包装体を吊下状態で収容してなる装置である。図11は、本発明の使い捨てコップ連続取り出し装置の一態様の扉を閉じた状態と扉を開いた状態を示す斜視図である。装置16内の上部に設けられた吊下治具に、使い捨てコップ包装体のヘッダーに設けられた吊下穴を通して本発明の使い捨てコップ包装体17を吊り下げ、装置の扉を閉じると、装置の下端から使い捨てコップ5の胴部の一部と底部が露出した状態になる。この状態で露出している使い捨てコップをつかみ、下方に引き下げると使い捨てコップ1個のみを確実に取り出すことができる。使い捨てコップ収納供給装置は、厨房の片隅などの洗剤を用いる洗浄に不便な場所に固定されることが多い。本発明の使い捨てコップ連続取り出し装置は、使い捨てコップが使い捨てコップ収納供給袋に収められ、装置と直接接触することがないので、装置の内部を洗浄する必要はなく、簡単に清掃するだけで使い捨てコップを衛生的に保管し、連続して1個ずつ取り出すことができる。
実施例1
無延伸ポリプロピレンフィルムと二軸延伸ポリプロピレンフィルムをラミネートした厚さ30μmのラミネートフィルムを用いて、図8に示す構造の紙コップ収納供給袋を作製した。袋の寸法は、紙コップ収納部の両側縁間の距離124mm、紙コップ収納部の長さ400mm、紙コップ取出口の両側縁間の距離113mm、紙コップ収納部の下端から袋体の下縁までの距離60mmとした。紙コップ取出口の下縁に深さ25mmのガゼット折りと、下縁から30mmの距離に下縁に平行な取出口開口用のミシン目を設けた。したがって、ミシン目を破って紙コップ取出口を開くと、紙コップ取出口の長さは30mmとなる。袋体の上部には、厚さ50μm、幅40mmのポリプロピレン合成紙をフィルムで巻き込んで融着してヘッダーを形成し、ヘッダーの中央に直径8mmの吊下穴を開けた。また、ラミネートフィルムを長さ50mm延設して舌片フィルムを形成し、舌片フィルムと向かい合う位置の袋体に、ポリエチレン剥離フィルムで覆われた幅6mmの粘着剤層を設けた。紙コップ収納部と紙コップ取出口が上記の寸法になるように、溶断によりサイドシールして紙コップ収納供給袋を完成した。
この紙コップ収納供給袋3個に、高さ79mm、容量205mLの7オンス型紙コップ50個ずつを収納し、ポリエチレン剥離フィルムを剥がして舌片フィルムを粘着剤層に固着し、紙コップ包装体3個を完成した。紙コップ取出口の下縁のガゼット折りが開き、紙コップの底部が収まって安定した形状となり、紙コップ包装体は机上に自立した。
吊下穴を吊下治具に通して紙コップ包装体を吊り下げ、ミシン目を破って紙コップ取出口を開口した。3個の紙コップ包装体から、年齢12歳から74歳までの男女7名で、交互に紙コップを取り出した。合計150個の紙コップは、すべて1個ずつ取り出され、2個以上の紙コップが同時に出てくることはなかった。
2 使い捨てコップ収納口
3 使い捨てコップ収納部
4 使い捨てコップ取出口
5 使い捨てコップ
6 舌片フィルム
7 吊下穴
8 下縁
9 ミシン目
10 ガゼット折り
11 合成紙
12 粘着剤層
13 剥離フィルム
14 ヘッダーシート
15 融着線
16 装置
17 使い捨てコップ包装体
18 サイドシール
19 胴材
20 底材
21 開口部リブ
22 底縁
23 紙コップ
24 筒体
25 止めリング
26 筒体
27 紙コップ取出部
Claims (5)
- 袋体最上部に、ヘッダーシート14にプラスチックフィルムが巻き回され表裏2か所の融着線15においてヘッダーシート14とプラスチックフィルムとが融着されているヘッダーを有し、袋体部上部に使い捨てコップ収納口2を有し、該収納口2の閉鎖手段として袋体フィルムから延設された舌片フィルム6と、該舌片フィルム6を固着する袋体収納口2の縁に設けられた粘着剤層12及び該粘着剤層12を覆う剥離フィルム13を有し、袋体部中央に使い捨てコップ収納部3、袋体下部に使い捨てコップ収納部より内周が減少する使い捨てコップ取出口4を有する筒状のフィルムからなるサイドシール方式の使い捨てコップ収納供給袋であって、該筒状のフィルムが無延伸ポリプロピレンフィルムと二軸延伸ポリプロピレンフィルムのラミネートであり、前記使い捨てコップ収納部3の内周が収納される使い捨てコップ5の開口部リブの外周より3〜40mm大きく、前記使い捨てコップ取出口4の長さが5〜100mmであり、前記使い捨てコップ取出口4の下端の内周が収納される使い捨てコップの開口部リブの外周より0.3〜10mm小さく形成されてなり、使い捨てコップ取出口4の下縁が封じられ、該下縁に平行な取出口開口用のミシン目を有し、かつ、使い捨てコップ取出口4の下縁にガゼット折りを有することを特徴とする使い捨てコップ収納供給袋。
- 使い捨てコップ取出口4の内面に合成紙が融着されてなる請求項1記載の使い捨てコップ収納供給袋。
- 上部に使い捨てコップ収納口、中央に使い捨てコップ収納部、下部に使い捨てコップ収納部より内周が減少する使い捨てコップ取出口を有する筒状のフィルムからなるサイドガゼットボトムシール方式の使い捨てコップ収納供給袋であって、該筒状のフィルムが側縁にガゼット折りを有し、該ガゼット折りがガゼット折りの両側に融着防止剤が塗布されたガゼット折りであり、かつ、材質が無延伸ポリプロピレンフィルムと二軸延伸ポリプロピレンフィルムのラミネートであり、前記使い捨てコップ収納部の内周が収納される使い捨てコップの開口部リブの外周より3〜40mm大きく、前記使い捨てコップ取出口の長さが5〜100mmであり、前記使い捨てコップ取出口の下端の内周が収納される使い捨てコップの開口部リブの外周より0.3〜10mm小さく、使い捨てコップ取出口4の下縁が封じられ、該下縁に平行な取出口開口用のミシン目を有することを特徴とする使い捨てコップ収納供給袋。
- 請求項1、2又は3記載の使い捨てコップ収納供給袋の収納部3に、開口部が底部よりも大きい円錐台形の使い捨てコップ5が多数個積層されて収納されてなる使い捨てコップ包装体。
- 請求項4記載の使い捨てコップ包装体を使い捨てコップの胴部の一部と底部が外に露出する状態の吊下状態で収容してなることを特徴とする使い捨てコップ連続取り出し装置。
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