JP3920557B2 - デグリッチ回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デグリッチ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子ビーム描画装置は微細パターンを高速度で描画することを要求されており、パターンは益々微細化されかつ描画速度は益々高速化されている。
【0003】
このような電子ビーム描画装置は、電子ビームを照射しながらステージ上の試料を連続的に移動させて描画しており、移動する試料を電子ビームにより追従させるステージトラッキング制御によりスループットを向上させている。
【0004】
ステージトラッキング制御は、試料を載せたステージが連続的に移動する情報をレーザー干渉計により測定し、その測定値を基に電子ビームを照射位置に追従する制御方法である。このステージトラッキング制御は、レーザー干渉計の測定値をDAC(デジタルアナログコンバータ)によりデジタル信号からアナログ信号に変換し、アンプにより増幅して、電子ビームを偏向し、トラッキング制御を行う。
【0005】
しかしながらステージトラッキング制御中に、DACにおいて入力データの切り替え時にグリッチやデジタルフィードスルーといったアナログ信号には本来無関係な信号が漏れてしまい、これらの信号が電子ビームの照射位置を狂わせる問題があった。
【0006】
そこで従来は、グリッチやデジタルフィードスルーといった信号を、ローパスフィルタにより取り除いていたが、これらの信号を完全に取り除くためには、時定数の大きなローパスフィルタが必要となり、その結果セトリング時間が長く、ステージトラッキング制御が追従するまでに相当な時間を有し、描画速度を高速化できないという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来グリッチやデジタルフィードスルーといった信号を完全に取り除くために時定数の大きなローパスフィルタを用いると、描画速度を高速化できないという問題がある。
【0008】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、グリッチやデジタルフィードスルーといった本来不必要な信号を完全に取り除き、なおかつ描画速度を高速化しうるデグリッチ回路を提供することを特徴とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、デジタル入力がデジタル入力D1からデジタル入力D2に変化する時のデジタル入力差(D2−D1)から補正パルスデータ(遅延D、振幅Vh、幅W)を発生する補正パルスデータ発生器と、
前記補正パルスデータと前記デジタル入力D2とを加算する加算器と、
前記加算器の出力をアナログに変換するDACと、
前記DACの出力の高周波を遮断する時定数T1の第1のローパスフィルタと、
前記第1のローパスフィルタの出力を増幅するOPアンプと、
前記OPアンプの出力を前記OPアンプに帰還する時定数T2の第2のローパスフィルタとを具備することを特徴とするデグリッチ回路を提供する。
【0010】
このとき、前記補正パルスデータの振幅Vhが、(D2−D1)×T2/Wであることが好ましい。
【0011】
また、前記第1のローパスフィルタの時定数T1と前記第2のローパスフィルタの時定数T2が等しいことが好ましい。
【0012】
また、前記DACがNビットDACであり、前記OPアンプがゲインG、最大出力がVm、許容誤差VeがVm/2、グリッチの振幅がVg、グリッチの期間がTgである時、前記第1のローパスフィルタの時定数T1がTg×Vg/Ve以上であることが好ましい。
【0013】
また、前記第2のローパスフィルタの時定数T2、前記補正パルスデータの幅W及び振幅Vh、前記DACの出力がV1からV2に変化するステップの振幅Vi(Vi=V2−V1)が以下の関係で表わされることが好ましい。
【0014】
Vh=Vi/(EXP(T2/W)−1)
(T2>>W)の時
Vh=Vi×T2/W
また、別の補正パルスデータを発生する補正パルスデータ発生手段を設け、デジタル入力と前記補正パルスデータと前記別の補正パルスデータとを加算することが好ましい。
【0015】
また、補正パルスデータを補正DACに供給し、補正DAC出力をOPアンプにアナログ加算してもよい。
【0016】
また、第1のローパスフィルタの時定数Tと第2のローパスフィルタの時定数Tが等しく、さらにオープンループゲインA、時定数TaであるOPアンプで構成した時、入力差Viと補正パルスデータのパルス幅Wと振幅Vhが
Vh=Vi(1/(EXP(W/T)−1)−1/(EXP(W/(Ta(G+1)/A))−1)))
であることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るDACのデグリッチ回路である。
【0019】
先ず、レーザー干渉計からデジタル入力D1が加算器2と補正パルスデータ発生器1へ入力される。このとき加算器2へ入力されたデジタル入力D1は、先に発生された補正パルスデータと加算され次へ出力される。
【0020】
補正パルスデータ発生器1に入力されたデジタル入力D1は、次に入力されるデジタル入力D2とデジタル入力差(D2−D1)を演算し、このデジタル入力差に応じたデジタル信号である補正パルスデータ(遅延D、振幅Vh、幅W)を発生する。そしてこの補正パルスデータが加算器2へ入力され、デジタル入力D2と加算される。
【0021】
次に、この加算データをDAC3に入力しアナログに変換する。アナログ変換されたDAC3の出力は第1のローパスフィルタ4を通して、OPアンプ6に入力される。第2のローパスフィルタ5はOPアンプ6と帰還接続されている。これら第1のローパスフィルタ及び第2のローパスフィルタによりDAC3の出力に発生しているグリッチ、デジタルフィードスルーを除去する。そして除去されたOPアンプ6のアナログ出力が、電子ビームの偏向制御に入力される。
【0022】
図2に、上記補正パルスデータ発生器1の具体的な構成を示し、補正パルスデータ発生方法について説明する。
【0023】
先ずデジタル入力D1の後にデジタル入力D2が続いて入力されるとき、ラッチ11は前のデジタル入力D1を一時記憶し、後から入力されるデジタル入力D2と同時に減算器12に入力する。減算器12はデジタル入力差Di=D2−D1を演算し、減算出力Di=D2−D1を振幅演算器13及び遅延及び幅発生器15に入力する。
【0024】
振幅演算器13は減算出力Di=D2−D1と第2ローパスフィルタの時定数T2を乗算(Di×T2)して、これを補正パルスデータの幅Wにより除算(Di×T2/W)する。このデジタル演算出力(Di×T2/W)をデータ切り替え器14に出力する。
【0025】
一方遅延・幅発生器15ではENBにより、減算出力Di=D2−D1に応じた補正パルスデータの遅延Dと幅Wを発生させ、データ切り替え器14に入力する。
【0026】
そしてデータ切り替え器14では、遅延D時間の後、補正パルスデータの幅Wの時間、振幅演算器13の演算出力(Di×T2/W)を選択することによって、補正パルスデータを発生させる。
【0027】
図3は、補正パルスデータ発生器1とDAC3のタイミングチャートであり、これらによってOPアンプ6の出力を示す。ここでは図面右から左にデジタル入力D1、D2、D3の順にデータが流れている例を示す。
【0028】
先ず、図3に示すように、デジタル入力D1、D2、D3とENBが時系列に入力される時、ラッチ11では1フレーム遅延してデジタル入力D1、D2と記憶される。
【0029】
減算器12は、デジタル入力D2のタイミングでデジタル入力差D2−D1を演算し、デジタル入力D3のタイミングでデジタル入力差D3−D2を演算している。振幅演算器13は、このタイミングで(D2−D1)×T2/W及び(D3−D2)×T2/Wを演算している。
【0030】
遅延・幅発生器15はENBをトリガとし、減算器12の減算出力(D2−D1)から補正パルスデータの幅Wと遅延D(デジタル入力の切り替え時から補正パルスデータの立ち上りまでの時間)を出力している。図3では遅延Dではゼロとした。
【0031】
データ切り替え器14は遅延・幅発生器15が「1」の時、振幅演算器13の出力(D2−D1)×T2/Wを選択し、遅延・幅発生器15が「0」の時はゼロを選択する。もちろんデジタル入力のタイミングがD3の場合は出力(D3−D2)×T2/Wである。
【0032】
次に、デジタル入力がD2のタイミングで、遅延・幅発生器15が「1」の期間、図1で示す加算器2ではデジタル入力のD2と補正パルスデータ発生器1の出力(D2−D1)×T2/Wが加算され、加算器2の出力はD2+(D2−D1)×T2/Wを得、遅延・幅発生器15が「0」の期間、加算器2はD2を出力する。もちろんデジタル入力のタイミングがD3の場合、出力はD3+(D3−D2)×T2/Wである。
【0033】
こうしてDAC3は図3に示すタイミングのデータが入力される。そしてデジタル入力がD2のタイミングでDAC3のアナログ出力はW時間、(D2−D1)×T2/Wに比例した振幅Aで立ち上りを強調される。デジタル入力がD3のタイミングではDAC3のアナログ出力はW時間、(D3−D2)×T2/Wに比例した振幅Bで立ち上りを強調される。
【0034】
こうしてOPアンプ6の出力は図3に示すようになる。
【0035】
ここで入力Viと補正パルスデータVhを入力した時のOPアンプの出力Voは下記の式にしたがって変化する。
【0036】
Vo=G×Vi−G×EXP(−t/T2)(Vi+Vh−Vh×EXP(W/T2))
補正パルスデータVhを Vh=(Vi/(EXP(W/T2)−1)になるように予め設定しておけば上式Voが時間t=W以降はVo=GxViになり、時間tで変化する項がなくなる。即ちセトリング時間が補正パルスデータ幅Wになる。
【0037】
DAC3の出力をVi(D1からD2に変化)とVh(A)を加算した波形にすれば、時間W後のOPアンプ6の出力は時間tにより変化する項がなくなり、セトリング時間は補正パルスデータの幅Wのみで決定される。フィルタの時定数T2を大きくすれはするほどグリッチ、デジタルフィードスルーを除去する効果があるが、補正パルスデータがなければ限りなくセトリング時間は劣化する。しかし、補正パルスデータがある場合、セトリング時間は補正パルスデータ幅Wのみで決まる条件(Vh=(Vi/(EXP(W/T2)−1))があり、この補正パルスデータ幅Wを選ぶことによってセトリング時間は短縮される。
【0038】
(実施形態2)
図4は、図1に示す第1のローパスフィルタ4及び第2のローパスフィルタ5、OPアンプ6の具体的構成を示すものである。
【0039】
図4に示すように、第1のローパスフィルタ4は、抵抗R1にキャパシタC1が接続され、キャパシタC1は接地されている。第1のローパスフィルタ4はOPアンプ6に接続されている。第2のローパスフィルタは抵抗R2とキャパシタC2が並列接続され、OPアンプ6に帰還接続している。
【0040】
そして本実施形態では、第1のローパスフィルタ4と第2のローパスフィルタ5を図4のように構成し、それぞれの時定数をT1、T2とした。
【0041】
この場合、ゲインGgは
Gg=−(R2(1+jωT1)/(R1(1+jωT2))
=−(R2/R1)(1+ω×ω×T1×T2+jω(T1−T2))/(1+(ω×T2))となる。
【0042】
R1、R2はそれぞれの抵抗の大きさ、T1、T2はそれぞれ第1のローパスフィルタ及び第2のローパスフィルタの時定数、ωは角周波数、jはj=−1の虚数を示す。
【0043】
このとき、虚数項(ゼロ点)jω(T1−T2)があるとアンプが不安定になるのでT1=T2と置き、虚数項をゼロとするとゲインGgは
Gg=−R2/R1
となり、角周波数ωの影響がなくなり、OPアンプ6が安定になる。
【0044】
本実施形態では、前記第1のローパスフィルタの時定数T1と前記第2のローパスフィルタの時定数T2とを等しくすることで、OPアンプ6の出力を安定させることができる。
【0045】
また、第1のローパスフィルタ4のキャパシタC1がない場合、グリッチ(振幅Vg,期間Tg)が抵抗R1を通して、OPアンプ6に入力されると、短い期間(グリッチの期間)、OPアンプ6出力Voは抵抗R1とOPアンプ6の内部出力抵抗rにより分圧され(第2ローパスフィルタ5はキャパシタC2のインピーダンスがゼロに近いので省略)、
Vo=Vg×r/(R1+r)
となり、OPアンプ6の出力にグリッチが分圧されて発生する。
【0046】
第1のローパスフィルタ4とOPアンプ6の出力抵抗r(第2ローパスフィルタは省略)によるVgとVoの伝達特性ラプラス変換は
Vo=r×Vg/(r+R1)(1+sC1×(r×R1/(r+R1)))となり、
逆ラプラス変換は (TT=C1×(r×R1/(r+R1)))
Vo=r(1−EXP(−t/TT))×Vg/(r+R1)となる。
【0047】
このときTg<<TT(TTはrとR1との並列抵抗とC1の時定数)ならば
Vo=r×Tg×Vg/((r+R1)TT)となり、
OPアンプ6の最大出力Vmで、グリッチ許容誤差VeがVm/2の場合、
Ve≧r×Tg/((r+R1)TT)
≧Tg×Vg/(C1×R1)となる。
【0048】
そしてグリッチ許容誤差Veを満たす第1のローパスフィルタ4の時定数T1は
T1≧Tg×Vg/Ve
となる。
【0049】
したがって、本実施形態では、前記DACがNビットDACであり、前記第1のOPアンプがゲインG、最大出力Vm、許容誤差VeがVm/2、グリッチの振幅がVg、グリッチの期間がTgである時、前記第1のローパスフィルタの時定数T1がTg×Vg/Ve以上とすることで、グリッチを許容値Ve以下にするという効果を得られる。
【0050】
また、NビットDACの量子化誤差(許容誤差)VeはDACが本来持つ誤差で、これ以下の誤差にすることは意味がない。グリッチはフィルタの時定数が大きいほど、その振幅を抑圧できるが、この時定数が大きくなると補正パルスデータの振幅も大きくする必要があり、DACのダイナミックレンジを大きくしなければならない。そこで、フィルタの時定数とグリッチの関係から上記の条件に調整することになる。
【0051】
また、第2のローパスフィルタ5の時定数T2、補正パルスデータ発生器1で発生した補正パルスデータの幅W及び振幅Vh、DAC3の出力がV1からV2に変化するステップの振幅をVi(Vi=V2−V1)とすると、デジタル入力D2と補正パルスデータが加算器2で加算されDAC3に入力され、その出力が図4の第1のローパスフィルタ4から入力された時、OPアンプの出力Voは
Vo=G(Vi+Vh)(1−EXP(−t/T2))−G×Vh(1−EXP((−t+W)/T2))
Vo=G×Vi−G×EXP(−t/T2)(Vi+Vh−Vh×EXP(W/T2))
Voを時間tに対して無関係にするために、(Vi+Vh−Vh×EXP(W/T2))=0とすると、
Vh=(Vi/(EXP(W/T2)−1)
となる。
【0052】
補正パルスデータの幅Wが第2のローパスフィルタ5の時定数T2より十分小さければ
Vh=Vi×T2/W
となる。
【0053】
したがって、入力電圧V2と第2のローパスフィルタ5の時定数T2と補正パルスデータの幅Wの比を乗算した電圧Vh、幅Wのパルスを入力電圧V2に加算した補正を行うことによりセトリング時間がWとなり短縮される。
【0054】
入力Viと補正パルスデータの振幅Vhを入力した時のOPアンプの出力Voは下記の式にしたがって変化する。
【0055】
Vo=G×Vi−G×EXP(−t/T2)(Vi+Vh−Vh×EXP(W/T2))
補正パルスデータの振幅Vhを Vh=(Vi/(EXP(W/T2)−1)になるように予め設定しておけば上式Voが時間t=W以降は
Vo=GxViになり、時間tで変化する項がなくなる。即ちセトリング時間がWとなり短縮される。
【0056】
(実施形態3)
図5は、本発明の実施形態3に係るデグリッチ回路の回路図である。
【0057】
先ず、レーザー干渉計からデジタル入力D1がDAC3と補正パルスデータ発生器1へ入力される。このときDAC3へ入力されたデジタル入力D1は、第1のローパスフィルタ41に入力される。
【0058】
補正パルスデータ発生器1に入力されたデジタル入力D1は、次に入力されるデジタル入力D2とデジタル入力差(D2−D1)を演算し、このデジタル入力差に応じた補正パルスデータ(遅延D、振幅Vh、幅W)を発生する。そしてこの補正パルスデータが補正DAC31へ入力され、アナログ変換されて、第1のローパスフィルタ41に入力される。一方DAC3に入力されたデジタル入力D2はアナログ変換されて第1のローパスフィルタ41に入力され、補正DAC31の出力と加算される。
【0059】
次に、この加算データはOPアンプ6に入力される。第2のローパスフィルタ5はOPアンプ6と帰還接続されている。これら第1のローパスフィルタ41及び第2のローパスフィルタ5によりDAC3の出力に発生しているグリッチ、デジタルフィードスルーを除去する。そして除去されたOPアンプ6のアナログ出力が、電子ビームの偏向制御に入力される。
【0060】
(実施形態4)
図6は、本発明の実施形態4に係るデグリッチ回路の回路図である。
【0061】
本実施形態では、OPアンプ6のスルーレート、補正パルスデータの波形など実際の回路を想定したデグリッチ回路である。このデグリッチ回路では、図1に示したデグリッチ回路の補正パルスデータ発生器1に加えて、第2の補正パルスデータ発生器101を並列に接続し、加算器21でそれぞれの補正パルスデータを加算していることを特徴とする。
【0062】
先ず、レーザー干渉計からデジタル入力D1が加算器2と第1の補正パルスデータ発生器1及び第2の補正パルスデータ発生器101へ入力される。このとき加算器2へ入力されたデジタル入力D1は、先に発生された補正パルスデータと加算され次へ出力される。
【0063】
補正パルスデータ発生器1に入力されたデジタル入力D1は、次に入力されるデジタル入力D2とデジタル入力差(D2−D1)を演算し、このデジタル入力差に応じた、遅延ゼロ、パルス幅W、振幅データ(D2−D1)T2/Wを発生する。
【0064】
一方第2の補正パルスデータ発生器101は、デジタル入力D1とD2により、遅延W、パルス幅W1、データH1を発生させる(このデータH1はOPアンプ6の出力がグリッチ等により生じる誤差を補正するものである)。
【0065】
次に、第1の補正パルスデータ発生器1及び第2の補正パルスデータ発生器101からの出力は加算器21により加算され、H1+(D2−D1)T2/Wを演算する。そしてこの演算データは加算器2によりデジタル入力D2と加算され、D2+H1+(D2−D1)T2/Wを演算する。この演算値はDAC3に入力されアナログに変換される。
【0066】
次にアナログ変換されたDAC3の出力は第1のローパスフィルタ4を通して、OPアンプ6に入力される。第2のローパスフィルタ5はOPアンプ6と帰還接続されている。これら第1のローパスフィルタ及び第2のローパスフィルタによりDAC3の出力に発生しているグリッチ、デジタルフィードスルーを除去する。そして除去されたOPアンプ6のアナログ出力が、電子ビームの偏向制御に入力される。
【0067】
図7は、図6における第2の補正パルスデータ発生器101を具体的に示した回路図である。
【0068】
デジタル入力D1の後にデジタル入力D2が入力された時、ラッチ111は前のデジタル入力D1を記憶する。減算器112はデジタル入力D2とデジタル入力D1のデジタル入力差Di=D2−D1を演算し、RAM113及び遅延・幅発生器115に入力する。RAM113は減算器112の出力Diをアドレスとするメモリで、調整時、各振幅(Di)でOPアンプ6の出力のセトリングが最適になるような値を書き込みされている。そしてRAM113は、アドレスDi=D2−D1時のRAM113の出力H1をデータ切り替え器114に入力する。
【0069】
一方デジタル入力差Di=D2−D1とENBが入力された遅延・幅発生器115は、デジタル入力差Di=D2−D1に応じた補正パルスデータの遅延D(=W1)と幅W1を発生させ、データ切り替え器114に入力する。データ切り替え器114は、遅延W時間の後補正パルスデータ幅W1時間の間、RAM113出力H1を選択し、第2の補正パルスデータ発生器101出力となる。
【0070】
ここで図4においてOPアンプ6の特性を考慮して、Vo/Viについて、ラプラス変換すると
Vo/Vi=−G/(1+(G+1)/A+s(T+(T+Ta)(G+1)/A)+s×s×Ta(G+1)T/A)
G=R2/R1、A:OPアンプのオープンループゲイン、Ta:OPアンプの時定数、T:第1、第2ローパスフィルタに時定数(T=C1×R1=C2×R2)
A>>1であるから、
Vo/Vi=−G/(1+s(T+Ta(G+1)/A)+s×s×Ta(G+1)T/A)
逆ラプラス変換すると
Vo/Vi=−G(A×T/(A×T−Ta(G+1))×(1−EXP(−t/T))−Ta(G+1)/(A×T−Ta(G+1))×(1−EXP(−t×A/(Ta(G+1)))))
時定数T、時定数Ta(G+1)/Aに対応する補正パルスデータの振幅Vh1、Vh2は
Vh1=Vi/(EXP(W/T)−1)
Vh2=−Vi/(EXP(W/(Ta(G+1)/A))−1)
Vh1とVh2を合成した補正パルスデータの振幅Vhは
Vh=Vh1+Vh2
=Vi(1/(EXP(W/T)−1)−1/(EXP(W/(Ta(G+1)/A))−1))
ここで1>>W/T、W/(Ta(G+1)/A)と仮定すれば
Vh=Vi×T/W−V1×Ta(G+1)/(W×A)
となる。
【0071】
市販されている一般的なOPアンプ(A=5×10、Ta=5.68mS)を使い、G=2、第1、2のローパスフィルタの時定数T=4uSとした場合
ラプラス変換
Vo/Vi=−G/(1+s(T+Ta(G+1)/A)+s×s×Ta(G+1)T/A)
のG=2、A=5×10、T=4uS、Ta=5.68mSを代入すると
Vo/Vi=−2/(1+4.034u×s+0.857p×s×s)
逆ラプラス変換
Vo/Vi=−2(1.0769(1−EXP(−t/4u ))−0.0769(1−EXP(−t/34n)))
となる。
【0072】
たとえば、DAC3に1LSBステップの階段波が入力され、その差Viを76uVとし、この時のV2セトリング時間を最適にするためにパルス幅W=50nSの補正パルスデータの振幅Vhは
Vh1=Vi/(EXP(W/T)−1)
Vh2=−Vi/(EXP(W/(Ta(G+1)/A))−1)
したがって
Vh1=6.042mV
Vh2=−23uV
Vh=Vh1+Vh2=6.019mV
補正パルスデータの振幅を5.753mV、パルス幅50nSにすることにより、Voのセトリング時間を最適にすることができる。
【0073】
図8は、市販されている一般的なOPアンプ(A=5×10、Ta=5.68mS)を使い、G=2、第1、2のローパスフィルタの時定数T=4uSとした場合のシミュレーションである。パルス幅50nS、振幅5.753mVの補正パルスデータと入力76uVを入力した場合のOPアンプ6出力のシミュレーション波形を示す。補正パルスデータの効果がわかる。
【0074】
理想値は分解能0.153mV(出力±5Vで、16ビットDAC相当)の階段波である。上記OPアンプとフィルタを組み合わせた場合(補正パルスなし)のOPアンプ出力波形は図8の「補正パルスなし」であるが、補正パルスデータを入力と加算することによりOPアンプ出力波形は図9の「補正パルスあり」の波形になり、理想波形に近くなる。
【0075】
以上説明したように、本発明では、DACの入力データ切り替え時に発生するグリッチ、デジタルフィードスルーをアンプの周波数帯域を狭くして、取り除き、入力データの立ち上り下がりに同期したパルス幅W、振幅=Vi/(EXP(W/T)−1)の補正パルスデータを入力することにより、セトリング時間が補正パルスデータ幅Wと短縮され、かつグリッチのない高速デグリッチを実現できる。
【0076】
また、本発明では、電子ビーム描画装置で、電子ビーム照射時にトラッキングのDAC入力データが変化してもグリッチ、フィードスルーの影響をうけることなく、高精度な描画が可能となる。
【0077】
【発明の効果】
本発明は、グリッチやデジタルフィードスルーといった本来不必要な信号を完全に取り除き、なおかつ描画速度を高速化しうるデグリッチ回路を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1に係るデグリッチ回路の回路図。
【図2】 本発明の実施形態1に係るデグリッチ回路の補正パルスデータ発生器1に係る回路図。
【図3】 本発明の実施形態1に係るデグリッチ回路の補正パルスデータ発生器1とDAC3のタイミングチャート。
【図4】 本発明の実施形態2に係るデグリッチ回路の第1のローパスフィルタ4、OPアンプ6、第2のローパスフィルタ5の回路図。
【図5】 本発明の実施形態3に係るデグリッチ回路の回路図。
【図6】 本発明の実施形態4に係るデグリッチ回路の回路図。
【図7】 本発明の実施形態4に係るデグリッチ回路における第2の補正パルスデータ発生器101の回路図。
【図8】 本発明に係るデグリッチ回路の出力を示すシミュレーション図。
【符号の説明】
1・・・第1の補正パルスデータ発生器
2・・・加算器
3・・・DAC
4・・・第1のローパスフィルタ
5・・・第2のローパスフィルタ
6・・・OPアンプ
11・・・ラッチ
12・・・減算器
13・・・振幅演算器
14・・・データ切り替え器
15・・・遅延・幅発生器

Claims (5)

  1. デジタル入力がデジタル入力D1からデジタル入力D2に変化する時のデジタル入力差(D2−D1)から補正パルスデータ(遅延D、振幅Vh、幅W)を発生する補正パルスデータ発生器と、
    前記補正パルスデータと前記デジタル入力D2とを加算する加算器と、
    前記加算器の出力をアナログに変換するDACと、
    前記DACの出力の高周波を遮断する時定数T1の第1のローパスフィルタと、
    前記第1のローパスフィルタの出力を増幅するOPアンプと、
    前記OPアンプの出力を前記OPアンプに帰還する時定数T2の第2のローパスフィルタとを具備することを特徴とするデグリッチ回路。
  2. 前記補正パルスデータの振幅Vhが、(D2−D1)×T2/Wであることを特徴とする請求項1記載のデグリッチ回路。
  3. 前記第1のローパスフィルタの時定数T1と前記第2のローパスフィルタの時定数T2が等しいことを特徴とする請求項1記載のデグリッチ回路。
  4. 前記DACがNビットDACであり、前記OPアンプがゲインG、最大出力がVm、許容誤差VeがVm/2、グリッチの振幅がVg、グリッチの期間がTgである時、前記第1のローパスフィルタの時定数T1がTg×Vg/Ve以上であることを特徴とする請求項1記載のデグリッチ回路。
  5. 前記第2のローパスフィルタの時定数T2、前記補正パルスデータの幅W及び振幅Vh、前記DACの出力がV1からV2に変化するステップの振幅Vi(Vi=V2−V1)が以下の関係で表わされることを特徴とする請求項1記載のデグリッチ回路。
    Vh=Vi/(EXP(T2/W)−1)
    (T2>>W)の時
    Vh=Vi×T2/W
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