JP3920271B2 - システイン・プロテアーゼあるいはその断片を含む連鎖球菌を識別するための方法および組成物 - Google Patents

システイン・プロテアーゼあるいはその断片を含む連鎖球菌を識別するための方法および組成物 Download PDF

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Description

本発明は一般的には分子生物学および感染症の分野に関するものである。より具体的には、本発明はグループA連鎖球菌、特に化膿連鎖球菌を識別するための方法および組成物に関するものである。
化膿連鎖球菌は、咽頭炎および/または扁桃腺炎、皮膚 感染症(膿痂疹、丹毒、およびその他の形態の膿皮症)、 急性リューマチ熱(ARF)、猖紅熱(SF)、化膿後 (poststreptococcal)糸球体腎炎(PSGN)、および毒性ショック状症候群(TSLS)など、ヒトにおけるいくつかの病気の病原因子であるグラム陽性バクテリアである。ARFは、地球的な規模で、小児心臓病の最もありふれた原因となっている。たとえば、インドにおいては、600万人以上の学齢期の児童たちがリューマチ性心臓病にかかっている。米国では、『喉の痛み』が医師の診察室にやってくる最もありふれた理由で、こうした訴えをする児童の30%程度から化膿連鎖球菌が取り出されている。米国では毎年2,500〜3,500万件程度の連鎖球菌性咽頭炎が発生しており、その治療に使われる費用は毎年10〜20億ドル程度である。
近年、連鎖球菌による病気の頻度およびその重篤性が未知の理由から大陸をまたがって増大する傾向が認められ、その原因として二つの変種発熱性外毒素A(SPEA)分子が示唆されている。突然変異体SPEA分子を特徴とするこれらアミノ酸残基は、最近発表された黄色ブドウ球菌からの関連腸内毒素Bの三次元結晶構造によれば、T細胞レセプター結合溝を形成するその毒素の領域に存在している。
化膿連鎖球菌は自動触媒転換によって253個のアミノ酸で構成される酵素活性を有するプロテアーゼ(27,588kDa)に形質転換され得る371個のアミノ酸で構成される細胞外酵素前駆体を合成する。この酵素前駆体はひとつ、または複数の、先端を切られた酵素とは結びついていないエピトープを含んでいる。この酵素前駆体と活性プロテアーゼは両方とも、1分子あたりひとつのスルフヒドリル抗剤に対して感作性のある半システインを含んでいる。ブロス培養で、バクテリア増殖期間中、不活性の前駆体が細胞外に蓄積し、指数関数的成長期の終わりには最大の濃度に達する。いくつかの系は最大で150mg/リットル程度の酵素前駆体を発生し、その分子は主要な細胞外蛋白質となる。このように、連鎖球菌性システイン・プロテアーゼは特殊な信号ペプチドと十分に活性を示す酵素を発生するために自動触媒的な方法で取り除かれるプロシーケンスを有している点で、多くの分泌バクテリア性細胞外プロテアーゼ毒性因子に類似している。
開発途上国において化膿連鎖球菌によって引き起こされる継続的で重大な病態状態は死亡率、米国でのグループA連鎖球菌にその原因が求められるかなりの医療負担、そして、この病原における抗生物質への抵抗性レベルの増大は連鎖球菌による感染症の分子レベルでの発病のメカニズムについてさらに十分に理解することの必要性を明確に示している。さらに、最近の病気の増大は、それに対してワクチンが必要とされているヒトの重大な病原のリストに化膿連鎖球菌が繰り返し入れられているにもかかわらず、有効なワクチンがないことを示している。
全身性連鎖球菌感染症が防がれるのは、圧倒的に、種固有オプソニン性抗M蛋白質IgGによるものと考えらる。その結果、免疫予防法研究が、ほとんどM蛋白質ワクチンの組成に中心をおいて取り組まれている。しかしながら、こうしたアプローチに対して、二つの理論的、および実際的な問題が障害としてたちはだかっている。第一に、血清学および遺伝子配列研究に基づいて、100以上もの異なったM蛋白質種が発表されていることである。血清タイプ的にこれ程多様な変種が発生するということは有効なM蛋白質がその組成において雑多なものであるに違いないこと、および保存されている防御的M蛋白質が用いられねばならないことを示している。非常に多価のワクチンの形成にはあまり関心が集まっておらず、保存されている広い範囲で防護能力を示すM蛋白質の断片は未だ確認されていない。M蛋白質ワクチン研究を困難にしている第二の問題は、M蛋白質が心臓および他の人間の組織とクロス反応を行うエピトープを含んでいるという観察結果である。この事実は、いくつかの連鎖球菌性疾患で推定されてい自己免疫局面と合わさって、M蛋白質ワクチンの開発をさらに遅らせている。グループA連鎖球菌性感染症の検出は、現在使えるアッセイがグループA連鎖球菌性M蛋白質抗原の検出に基づいているという事実に邪魔されている。したがって、M蛋白質以外に基づくグループA連鎖球菌性感染症の免疫予防的防護用の有効なワクチンと、グループA連鎖球菌性感染症に対してヒトを免疫化する上での有効な方法を開発することは有益であろう。細胞外プロテアーゼ、およびそれに対して発生される抗体はスクリーニング・アッセイの基礎を提供することができる。同様に、PCRに基づくアッセイ細胞外プロテアーゼをコード表現する核酸配列を検出するために用いることもできる。したがって、保存されているエピトープ、特にグループA連鎖球菌生物をスクリーニングするために用いることができる組成物および方法の開発する上で、システイン・プロテアーゼ分子内の免疫優勢保存エピトープを識別するのは有益である。
関連文献
M蛋白質以外の分子に対する抗体が以下の参考文献に示されているように化膿連鎖球菌感染症から護ってくれることはすでに報告されている。ChappellとStuart(Vaccine(1993)11:643−8)は、M陰性単離物の水洗バクテリア培養物を腹膜内に接種したところ、M3,M18あるいはタイプ28表皮分子を表現する化膿連鎖球菌系統を致死量接種してもマウスが無事であることを発見した。この非タイプ固有免疫はM32,43および46kDaの蛋白質に対する抗体の存在に原因が求められた。Stjernquist-Desatnikら(Vaccine(1990)8:150−2)は、化膿連鎖球菌のM陰性系統の熱殺菌単離物による鼻腔内種痘が血清タイプM50を表現する単離物を鼻腔内に致死量入れても検体を保護することを示した。Rottaら(J.Exp.Med.(1965)122:877−90)は連鎖球菌の細胞膜製剤あるいはペプチドグリカン、グループA連鎖球菌細胞膜成分を多く含んだ物質で腹膜内経由で免疫化されたマウスにおけるいろいろな防護的免疫性を実証した。
O'Connorおよびその同僚(J.Infect.Dis.(1991)163:109−16)は、連鎖球菌細胞表面酵素C5aペプチダーゼに対する抗体を中性化すると連鎖球菌のコロニー化を防ぐ可能性があることを示唆しているが、この仮説はまだ直接的にはテストされていない。Daleらによる最近の研究(J.Infect.Dis.(1994)169:319−23)は、グループA連鎖球菌表面分子リポテイオイック酸(LTA)に対する抗体で予め措置した生物はマウス・モデルの感染症にかかる可能性がかなり低下することを示唆している。しかしながら、この研究では非固有抗体比較対照を含んでいないので、この抗体による防護効果がLTAとの相互作用によるものか、あるいは単に免疫グロブリンのバクテリア表面に対する非固有結合によるものなのかを判定することはできない。
化膿連鎖球菌培養物の上澄液は繊維素分解活性を有するプロテアーゼを含んでいる(Elliot(1945)J.Exp.Med.81:573−92)。この酵素を精製したところ、システイン・プロテアーゼであることが示され(Liuら(1963)238:251−6)、連鎖球菌発熱性外毒素B(SPEB)の対立形質変種、あるいはそれと同等のものであることが分かった(Gerlachら(1983)Zbl.Bakt.Hyg.255:221−3;HauserおよびSchlievert(1990)J.Bacteriol.172:4536−42)。
発明の要約
ホスト哺乳動物がこれまでに病原性生物に暴露されたことがあるかどうかを判定するための方法および組成物が提供される。この方法にはサンプルを固有結合対の第一の構成要素と接触させるプロセスを含んでいる。この結合対の第一の構成要素はその固有結合対と結合するリガンドである。この第二の構成要素は、サンプル内に存在していてもよく、その病原性生物によって表現される細胞外プロテアーゼ、細胞外プロテアーゼをコード表現する核酸、あるいは、特に細胞外プロテアーゼと結合する抗体で構成されている。このサンプルに第二の構成要素が存在している場合、固有の結合対が形成され、このことはそのサンプルがその病原性生物に以前、あるいは現在露出されていることを示している。これらの方法で有用な組成物も提供される。化膿連鎖球菌を含むグループA連鎖球菌種などの病原に対してホスト哺乳動物がこれまでに露出されたことがあるかどうかを判定するための生理学的サンプルのスクリーニングを目的として、そして、病状をモニタリングするための手段としての方法および組成物が提供される。また、細胞外マトリックス蛋白質の切断、あるいは劣化において連鎖球菌細胞外プロテアーゼを使用するための方法も提供される。
グループA連鎖球菌感染症を防ぐためのワクチンおよび方法も提供される。これらのワクチンは連鎖球菌の複製を抑止し、したがって、連鎖球菌感染症による悪性臨床作用を防ぎ、あるいは緩和する。これらのワクチンには異なった連鎖球菌細胞外プロテアーゼ対立形質間に保存されている領域か、あるいはそれら対立形質でそれぞれ違っている領域のいずれかを含む連鎖球菌細胞外プロテアーゼ、あるいはペプチドが含まれる。こうしたワクチン組成物内の細胞外プロテアーゼは単独か、あるいは連鎖球菌M蛋白質と結合した形で存在している。
ホスト哺乳動物がこれまでに病原生物に露出されたかどうかを判定するための方法および組成物が提供される。これらの方法と組成物は化膿連鎖球菌を含むグループA連鎖球菌種などの病原にこれまで露出されたホスト哺乳動物の生理学的サンプルのスクリーニングのため、および病状モニタリングのための手段として有益である。この方法にはサンプルを固有結合対の第一の構成要素と接触させるステップを含んでいる。この結合対の第一の構成要素は固有結合対の第二の構成要素に結合するリガンドである。サンプル中に存在している可能性もあるこの第二の構成要素は病原性生物によって表現される細胞外プロテアーゼ、細胞外プロテアーゼをコード表現する核酸、あるいはひとつの細胞外プロテアーゼと固有に結合する抗体で構成されている。第二の構成要素がサンプル中に存在している場合、固有結合対が形成され、これは病原性生物に対してそのサンプルが過去、あるいは現在における露出の可能性を示している。これらの方法において有益な組成物も提供される。
これらの方法および組成物は血液、血清、および血漿などのホストの生理学的サンプルをスクリーニングする上で有益である。このホストはヒトを含む、化膿連鎖球菌による感染症にかかりやすいいずれかの動物である。感染症の証拠としては、システイン・プロテアーゼをコード表現する化膿連鎖球菌の検出、システイン・プロテアーゼあるいはその酵素前駆体の検出、あるいはまたシステイン・プロテアーゼやその酵素前駆体に対する抗体の検出などがある。現在利用可能なアッセイは検出に十分な量はつくりだされない可能性があるグループA固有コントロール・ゲートの検出に依存しているので、特別に鋭敏とは言えない。本発明においては、システイン・プロテアーゼ、あるいはSPEBに対する抗体をコード表現する増幅された連鎖球菌核酸を検出するプローブを用いたPCRに基づくアッセイが行われ、上の感度の問題を克服することができる。さらに、本発明によるペプチド類の使用は複数の細胞株の識別を可能にしてくれる。これらペプチド類は連鎖球菌細胞外プロテアーゼのアミノ酸配列から取り出した少なくとも10個のアミノ酸残基、最大でその細胞外プロテアーゼ前酵素(preproenzyme)前駆体の全長を含んでいる。これらペプチド類はサンプル中の抗プロテアーゼ抗体の存在を直接検出するために用いられたり、サンプル内の細胞外プロテアーゼの存在を検出するために用いられる抗体の生産を誘発するために用いられる。好ましくは、これらペプチド類は上記細胞外プロテアーゼの保存エピトープ、最も好ましくは免疫優勢保存エピトープに対応するものである。保存エピトープの例としては、例えば、P(171)−V−I−E−K−V−K−P−G−E−Q−S−F−V−G−Q,Y(203)−H−N−Y−P−N−K−G−L−K−D−Y−T−Y−T−L,P(247)−T−Y−S−G−R−E−S−N−V−Q−K−M−A−LおよびI(344)−D−G−A−D−G−R−N−F−Y−H(数字は以下に示されるSPE B蛋白質に対するアミノ酸の位置を示している)。また、SPEBプロテアーゼのアミノ酸308−317の近くのいろいろな場所、特に残基308のすぐ左側、あるいは残基317のすぐ右側に対応するペプチド類も役に立つ。
ワクチンとして用いられる場合、ペプチドはシステイン・プロテアーゼあるいは免疫応答を引き起こすプロテアーゼのいずれかの部分から取り出され、その結果、グループA連鎖球菌感染症に対する免疫性を有している。一般的に、システイン・プロテアーゼはspeB遺伝子の翻訳された部分、あるいは、その派生物の断片として得られ、免疫応答を誘発する。システイン・プロテアーゼは自然発生的な場合もあるし、あるいは部分的、あるいは全体的に合成されたものであってもよい。動物は、その動物に対してワクチンをグループA連鎖球菌感染症に対する免疫性をもたらすのに必要な量だけ投与することによって、グループA連鎖球菌感染症に対して免疫化させることができる。この免疫化法はその動物内における連鎖球菌種の複製を抑止し、咽頭炎、扁桃腺炎、皮膚感染症、猖紅熱、敗血症、丹毒、筋膜炎、肺炎、急性リューマチ熱、化膿後糸球体腎炎、蜂巣織炎、菌血症、および髄膜炎などの病気に関連した低下症状を抑止する。
speB遺伝子生成物に基づくワクチンは、M蛋白質に基づくワクチンよりいくつかの利点を持っている。例えば、M蛋白質に対する抗体は種々のホスト組織とクロス反応することが知られており、M蛋白質ワクチンがこのエピトープの共有を原因とするヒト自己免疫を仲介とする病気を発生させる可能性がある。100種以上の識別されているM蛋白質が圧倒的にタイプ固有の免疫を引き出す。したがって、有効なM蛋白質に基づくワクチンは、非常に多価であるか、あるいはまだ識別されていない保存された、広い範囲で防護機能を発揮する(pan-protective)M蛋白質エピトープに向けられたものならざるを得ないであろう。本発明のワクチンはタイプ固有ではなく、したがって、いずれのグループA連鎖球菌感染症の予防においても有益である。システイン・プロテアーゼあるいはその酵素前駆体に対する抗体はホストの組織とクロス反応することは知られていない。
化膿連鎖球菌はβ−溶血性であり、グループA抗原を表現し、そしてバシトラシンに対して感作性を示すグラム陰性球菌である。本開示の目的に即して言えば、そのゲノム内に微生物の発病に関与する細胞外プロテアーゼに対するコーデイング配列が存在していれば、その微生物は化膿連鎖球菌と同じ、あるいは同等のものとみなされる。したがって、免疫学的に化膿連鎖球菌バクテリア、特にバクテリア・ゲノムのspeB領域の表現生成物から引き出される蛋白質によってコード表現される細胞外プロテアーゼを模倣するペプチドが提供される。異なった単離物間の系統毎の変差に対応するために、保存用代替物および非保存用代替物が関与している場合の代替物間での選択を可能にするために、調整を行ってもよい。これらのペプチド類はバクテリアの検出、あるいは生理学的サンプル内でのそのバクテリアに対する抗体の検出のために単独で、あるいは組み合わせて用いることができる。テスト手順の性質に基づいて、巨大分子を標識化してもよし、標識化しなくてもよく、固体表面に結合したり、他の化合物などの基質に接合してもよい。
酵素前駆体およびヒト・インターロイキン1β前駆体を切断して生物学的に活性を有する1L−1β、炎症およびショックを仲介する重要なサイトカインを形成する細胞外システイン・プロテアーゼでコード表現される蛋白質から引き出されるペプチド類が特に興味深い。精製されたプロテアーゼは繊維素分解酵素を切断し、フィブロネクチンを急速に劣化させる。この蛋白質はラミニンに対してかなりの活性を示す。システイン・プロテアーゼはまた、インビトロで成長されたへそ血管内皮細胞からのフィブロテクチンを切断する。ホスト生物の発病に関与する細胞外プロテアーゼをつくりだす他の生物も酵素、あるいはその断片の供給源、および本発明で用いるための遺伝子材料として用いることことができる。
いくつかのヒト病原性バクテリアはECM蛋白質を劣化させることができる細胞外プロテアーゼを表現する。これらの生物には緑膿菌(Morihara Kamp Homma,In:Holder IA,ed.Bacterial enzymesand virulence,FL CRC Press,1985;41−71)、およびポルフィロモナス(Porphyromonas)(Bacteriodes)歯肉菌、(Lantzら、J.Bacteriol 1991;173:495−504;およびOtogotoおよびKuramitsu,Infect Immum 1993;61:117−23)などがあり、これら2つのバクテリア種はコラーゲンおよびフィブロネクチンをそれぞれ劣化させることによってホストの組織の破壊をもたらす。アメリカねむり病(チャガス病)をおこす寄生鞭毛虫であるトリパノソーマ・クルジがヒトにおける重要な抗原であり (Gazzinelliら、Infect Immum 1990;58:1437−44;およびMurta ACMら、Molec Biochem Parasitol1990;43:27−38)、重要な毒性因子であると考えられる(Eakin AEら、J.Biol Chem 1992;267:7411−20)細胞表面システイン・プロテアーゼを表現することも注目に値する。この酵素(クルジペイン)は免疫グロブリンG分子を切断し、Fc断片を加水分解させ、(Murta ACMら、Molec Biochem Parasitol;43:27−38)、それによってその生物が抗体結合の免疫学的結果を回避することに役立っている。アメーバ症の原因であるエンタモエバ・ヒストリリカも主要な毒性因子であると広く考えられている細胞外システイン・プロテアーゼをつくりだす(Keene WEら、J Exp Med 1986;163:536−49)。連鎖球菌システイン・プロテアーゼの場合と同様、E.ヒストリリカ酵素はタイプIコラーゲン、繊維素分解酵素、およびラミニンなどいくつかのECM蛋白質を劣化させる(Keene WEら、J Exp Med 1986;163:536−49)。このプロテアーゼはまた細胞培養単層に対して細胞病理的作用を及ぼし(Keene WEら、Exp Parasitol 1990;71:199−206)、急性アメーバ症のラット・モデルにおいて組織の壊死をつくりだすことに関与している(Becker Iら、Exp Parasitol 1988;67:268−80)。ペプチドは少なくとも5つ、場合によっては、6つ、あるいは8つ、さらに場合によっては22個程度のアミノ酸、しかし通常は50個のアミノ酸、好ましくは約25個以下のアミノ酸を含んでおり、これらのアミノ酸はシステイン・プロテアーゼ遺伝子のコーディング領域でコード化される蛋白質の配列を含んでいる。このペプチドは、その配列全体をSEQ ID NO:5として以下に示す前酵素(preproenzyme)に対応するアミノ酸配列内に少なくともひとつの線形エピトープを含んでいる。
ペプチドは大型のペプチドの感作性のすべてを保持している限りできるだけ小さなものの方がよく、その配列をSEQ ID NO:5として以下に示す。いくつかの場合、そうごに重なり合っておらず、それぞれ親ペプチド内部に含まれており、個別あるいは集団で親ペプチドと同等の感作性を提供する2つ、あるいはそれ以上の小型のペプチドが存在している場合もある。ペプチド配列は端末NHアクリル化、端末カルボキシ・アミド化、例えば、アンモニア・メチルアミンなどによって修正してもよい。さらに、適切なエピトープが基本的に保持されていれば、上に示した配列のすべての部分と必ずしも正確に対応していなくてもよい。また、上記ペプチド配列が対応する塩基対がそれぞれの株で多少の違いを見せてもよい。
SEQ ID NO:5
Figure 0003920271
なお、問題の化合物が少なくともひとつの化膿連鎖球菌株から得られるシステイン・プロテアーゼとの免疫反応をもたらすことができる限り、化膿連鎖球菌から得られるシステイン・プロテアーゼと必ずしもまったく同じでなくてもよい。したがって、対象となるポリペプチドは挿入、消去、およびその他の保存的、あるいは非保存的な置換など、種々の変化を受けても、そうした変化がその使用において何らかの利点をもたらす限り、差し支えない。ここで保存的置換とは、gly,ala;val,ile,leu;asp,glu;asn,gln;ses,thr;lys,arg;およびphe tyrなどの組み合わせを意味している。通常、こうした配列は、それによって本発明のペプチド類が都合よく不動態化される『アーム』を提供する目的でいずれかの端末に追加アミノ酸を付加してもよいことを除けば、少なくともひとつの化膿連鎖球菌株の配列から20%以上変わらない。このアームは少なくとも5つのアミノ酸で構成されており、50個あるいはそれ以上のアミノ酸で構成されている。
以下のもののひとつ、あるいは複数(番号はSEQ ID NO:5に対応する)含んだ少なくとも10個のアミノ酸で構成されるペプチド類は免疫源として特に興味深い:アミノ酸308−317;残基308の左側に隣接しているアミノ酸、そして、化膿連鎖球菌システイン・プロテアーゼの残基317のすぐ右側に隣接しているアミノ酸。
これらペプチド類はいろいろな方法で調製することができる。システイン・プロテアーゼを、例えば、Red Aに結合することによって、あるいは蛋白質に対する抗体を用いる親和性クロマトグラフィーなど、蛋白質精製の分野の当業者に公知の他の手段によって、天然の供給源から精製することが可能である。それらは比較的短いサイズを有しているので、通常の技術で溶液または固体基質内で合成することもできる。種々の自動合成剤が市販されており、公知のプロトコルに従って用いることができる。これらペプチド類は対立形質の変化および保存の位置、およびJameson-Wolfプロットによって発生されるシステイン・プロテアーゼ抗原性指数にもとづいて選択される。例えば、成長した連鎖球菌システイン・プロテアーゼの可変領域(アミノ酸308−317)に対応するペプチド類を調製することができる。その後、システイン・プロテアーゼの変化しない、計算された抗原ピークに対応するペプチドが免疫化のために用いられる。こうした配列の例としては、たとえば、P(171)−V−I−E−K−V−K−P−G−E−Q−S−F−V−G−Q(SEQ ID NO:1),Y(203)−H−N−Y−P−N−K−G−L−K−D−Y−T−Y−T−L(SEQ ID NO:2),P(247)−T−Y−S−G−R−E−S−N−V−Q−K−M−A−I(SEQ ID NO:3),I(344)−D−G−A−D−G−R−N−F−Y−H(SEQ ID NO:4)などがある。システイン・プロテアーゼの自然発生的な変種である酵素前駆体それ自体がユニークは線形B−エピトープを表示する。
合成ペプチドを調製するためには、成熟システイン・プロテアーゼ酵素前駆体(翻訳生成物から先頭の配列を除いたもの)の371アミノ酸に対応する連続的な主要配列の前10-merで2つのアミノ酸残基と重複する重複10-merペプチドが用いられる。各変種アミノ酸残基に対応する合成10-merも使われる。この変種アミノ酸は10-merの中央に位置している。
10-merのペプチドが合成されると、精製システイン・プロテアーゼに対してつくられたモノクローナル抗体、および、化膿連鎖球菌感染症の症状を有する患者から得られる血清のパネルを使って、各ペプチドの反応性について調べるためにELISAが用いられる。次に、線形B細胞エピトープが調べられ;同じ線形B細胞エピトープは化膿連鎖球菌感染症の症状を有する患者のほとんどすべての血清によって識別される可能性が最も高い。システイン・プロテアーゼ機能および酵素前駆体処理を中断させる残基を識別し、そして、蛋白質の抗原性領域を構成する蛋白質をマップするために、箇所指向突然変異誘発およびランダム突然変異誘発の両方を用いることができる。図8は、処理箇所、speB2およびspeB4対立形質によってつくられる蛋白質中に見いだされるアミノ酸変異の場所、および突然変異の標的であるところのアミノ酸を示している。機能的アミノ酸置換の標的はシステイン・プロテアーゼの生化学的分析と(Taiら、J.Biol Chem.(1976)251:1955−91)および真核システイン・プロテアーゼの同様の残基との類似性に基づいて決められる。
結晶学的研究をし易くすると同時に、構造−機能的研究用の酵素的に欠陥を有する、あるいは不活性なプロテアーゼをつくるための安定した酵素前駆体をつくりだすためには、突然変異体形態のシステイン・プロテアーゼ蛋白質を作成して、その特徴付けが行われる。目標とされる突然変異誘発計画は、(i)プロテアーゼ活性を妨害し、(ii)酵素前駆体処理を防ぎ、(iii)基質の結合を妨げ、そして、(iv)免疫反応性を変えてしまうような変化をつくりだす。アミノ酸は構造的に中性のアラニンに変えられる。ひとつの例として、プロテアーゼ活性は欠いているが、抗原性は保持している蛋白質をその分子の触媒部位で単一のシステイン残基(Cys−192−>Ala−192)を突然変異させることによって発生させることができる。また、His−340およびGln−185およびAsn−356も突然変異される。これらの三つの変化はCys−192突然変異に対しては皮膚刺激性であるが、単独でも変化した活性を示す場合がある。基質結合に関与しており、パパイン内で同様に位置していると考えられるTrp−357も標的とされる。安定した酵素前駆体もLys−145でプロテアーゼ切断部位を取り囲んでいる残基を突然変異させることによってつくりだすことができる。さらに、Cys−192の突然変異精製によって、プロトタイプ・システイン・プロテアーゼであるパパインのCys−>Ser突然変異体に対して起きたのと同様に自動蛋白質分解を防ぐ場合がある。突然変異精製のその他の標的としては、推定ヌクレオチド結合領域(GVGKVG)(SEQ ID NO:6)、およびその蛋白質のカルボキシ端末内部のコラーゲン・ドッキング可能領域[(GXX)]などがある。正または負に荷電されたアミノ酸(認識および活性に関与している場合が多い)をアラニンで置換するために、荷電対アラニン走査法によって部位指向突然変異生成が行われる。荷電残基の多く(成熟したペプチド内の14リシン、7アルギニン、12アスパルテート、および7グルタメート残基)はシステイン・プロテアーゼ構造の表面に広がっていると考えられ、その一部はその分子のエピトープを形成していると考えられる。特に、荷電アミノ酸の307〜321の領域(8/15が荷電している)が調べられ、この領域にはspeB2およびspeB4アミノ酸置換の場所も含まれている。エピトープ・マッピング研究で識別される抗原性領域の残基も突然変異される。
例えば、突然変異体speB蛋白質をつくる場合、先ず、speB遺伝子を化膿連鎖球菌からPCRで増幅して、その生成物をブル・スクリプト(Stratagene,La Jolla,CA)などのマルチコピー・フィルアミド・ベクター内でクローンする。このベクターが選ばれるのは、それが規制されたlacプロモーターを有しており、箇所指向突然変異生成のために単一鎖分子として複製することができるからである。クローニングはプロモーター、リボゾーム結合感染症、およびspeB解読フレーム3’をベクター上のlacプロモーターなど誘発可能なプロモーターに配置して、その蛋白質が上記誘発可能なプロモーターの誘発因子などのバクテリア性ホスト内に一定の条件下で過剰表現されるように工夫されている。例えば、lacプロモーターを用いた場合、lac誘発因子IPTGには、大腸菌を加えることができる。化膿連鎖球菌内で表現を必要とするSPEbプロモーターも含まれる。この主要speBクローンを持っている大腸菌のすべての細胞抽出物と原形質ショッケート(shockate)についてはSDS−PAGEおよび抗システイン・プロテアーゼ抗体によるウェスターン・ブロッティングでシステイン・プロテアーゼ蛋白質が存在しているかどうかについて調べられている。結果として得られるプラスミドが突然変異誘発の対象となる。
置換、消去、あるいは小部分挿入などのオリゴヌクレオチドを指向した突然変異はKunkelの方法でウラシル含有単一鎖テンプレート上でつくりだされる(Kunkel,1985)。可能であれば、突然変異誘発性プライマーはマッピングおよび突然変異体選択を目的として、speB遺伝子に独特な制限サイトを組み込むように設計されている。単一および複数アラニン置換の両方とも上に示した残基上で行われる。機能にとって決定的に重要な残基が確認されると、その領域の特徴付けをさらに行うと同時に、逆転の可能性を排除するために、それらの取り囲んでいる小さな領域を同じ方法で消去、あるいは置換する。結晶学的データを使うことができる場合、追加アミノ酸の突然変異が行われる。
ランダム突然変異生成方式を用いることもできる。この方法でつくられた変種蛋白質はエピトープ・スクリーニングにとっては最も有益であるが、別の動力学的特性や基質認識と有する分子も回収される可能性がある。speB配列の領域がプライム(primed)突然変異誘発手順で混合オリゴヌクレオチド類を用いてランダム化されるか、あるいは、PalzkillおよびBosteinのデオキシリポヌクレアーゼI−リンカー挿入/消去手順を修正した手順で、遺伝子内での短い、フレーム内消去が行われる(PalzkillおよびBostein,1991)。
プロテアーゼ・マイナス突然変異を確認するためには、ポテンシャル突然変異体蛋白質をつくりだすバクテリア性ホスト細胞が、カゼイン寒天プレート上で、最初にプロテアーゼ活性に関してスクリーニングされる。核外膜(periplasm)へのシステイン・プロテアーゼの分泌が予想されるので、プロテアーゼ活性をプレート上で観察することができる。こうしたスクリーニング戦略がうまく行けば、システイン・プロテアーゼにおける機能的突然変異に関して数千のコロニーを短時間で調べることができる。活性を示すためにシステイン・プロテアーゼが大腸菌から完全に分泌されることが必要な場合は、推定される各突然変異体系統の浸透性ショッケート(shockate)について、そのプロテアーゼ活性に関する評価が行われる。
また、別の方法として、ポリペプチド、あるいはその基本的に相補的系統をコード表現する単一鎖系統を用いて合成遺伝子をつくってよい場合、それら単一鎖が重複しており、交雑のためにアニーリング媒体中に一緒に移すことができる場合は、ハイブリッドDNA技術を用いてもよい。この交雑された株を結合させて完全な遺伝子を形成し、その後、適切な末端を選んで、遺伝子を表現ベクターに挿入してもよい。さらに別の方法として、ペプチドをコード表現するバクテリア性ゲノムを領域を通常の組換えDNA技術でクローンして、表現してもよい。
システイン・プロテアーゼを表現するために用いることができるDNAコーディング配列の一例は以下の通りである(SEQ ID NO:7)。
Figure 0003920271
この配列の断片をペプチド断片の表現に用いることができ、同様の塩基変化をつくりだすことが可能で、この場合、コーディング配列での同じアミノ酸、あるいは非同義変化を起こさせるための修正コドンがつくられ、その結果つくりだされるアミノ酸は保存的、あるいは非保存的変化である。このコーディング配列は、エピトープ性の箇所を保存しつつエピトープを延長させるために、5’または3’末端のいずれか、あるいはその両方で延長させられる。この延長によって同じ鎖内の二つ、あるいはすべてのペプチドを結合させて、抗原性活性などをもたらすための、例えば酵素など、ラベルとしての結合アームを提供してくれる場合がある。表現のために、コーディング配列にはスタートおよびストップ・コドン、プロモータおよびターミネータ領域、そして、通常は、例えば、原核または真核性、バクテリア性、イースト菌、あるいは哺乳動物の細胞ホストにおける表現のための表現ベクターを提供するための複製システムが提供される。バクテリア性DNAの検出用のプローブとしては、それら配列自体、その断片、あるいはそれより大型の配列、通常少なくとも15個の塩基、好ましくは少なくとも18個の塩基で構成される配列を用いることができる。サザーン手法、ノーザン手法、そしてそれらの改良された手法、その他の技術など多数の手法が発表されている。
通常、ポリペプチドが融合蛋白質としてつくられてもよく、その場合ポリペプチドはその融合ポリペプチドのNまたはC末端であってもよい。その結果もたらされる融合蛋白質は、それ自体試薬として直接用いることもできるし、あるいは、対象となるペプチドを融合蛋白質の残りの配列のすべて、あるいはその一部から切り離してもよい。内部メチオニンが存在しないポリペプチドの場合、融合箇所にメチオニンを導入することによって、そのポリペプチドは臭化シアノゲンを用いて切断することができる。内部メチオニンが存在している場合は、例えば、ポリリシン、あるいはアルギニン、またはそれらの組み合わせなど、蛋白質分解切断箇所を設ける必要があるであろう。ジペプチダーゼなどを含む広範なプロテアーゼも知られており、適切な処理信号を適切な箇所に導入することができる。ひとつ、あるいは複数の外来性アミノ酸の存在は対象となるポリペプチドの利用可能性には影響を及ぼさないので、切断を確実に行わせるために、縦一列並びでの反復部を有していてもよい。
主題のペプチドを用いて、可溶性巨大分子(≧20kd)基質に結合することができる。都合が良いことに、ヒト血清においてはそれに対する抗体が出会う可能性はない自然発生的、あるいは合成のポリ(アミノ酸)であってもよい。ポリペプチドの実例には、ポリ−L−リシン、仔ウシ血清アルブミン、キーホール・リンペット・ヘモシアニン、仔ウシ・ガンマグロブリンなどが含まれる。いずれを選ぶかは、便利さと利用可能性の問題である。こうした接合体の場合、巨大分子1個あたり、0.5kdあたり1個程度以下、そして2kdあたり1個以下の、少なくともひとつの対象ペプチドの少なくとも1つの分子が存在するであろう。同じ巨大分子にひとつあるいは複数の異なったペプチドを結合することもできる。
結合方法は従来のものであってよく、p−マレイミドベンゾイック酸、p−メチルジチオベンゾイック酸、マレイン酸無水物、こはく酸、無水物、グルタルアルデヒドなどを用いる。結合はN末端、C末端、あるいはその分子の末端近くの箇所で発生する。対象となるペプチドは結合のため誘導されたものであってもよいし、基質などに結びつきつつ、結合されてもよい。
化合物はラベルされた化合物としても、ラベルされていない化合物として用いられても良く、そのどちらを選ぶかは使用目的による。ラベルとは、直接的、あるいは間接的に検出可能な信号を提供してくれる分子を意味する。放射性核酸、酵素、蛍光物質、化学発光物質、酵素基質、コファクターあるいは抑制因子、粒子など、磁性粒子などを用いることができる。加えて、ポリペプチドは、例えば、マイクロタイター・プレート、ガラス・ビーズ、クロマトグラフィー面、あるいは紙、セルロース、シリカ・ゲルなどの表面に結合させるために、種々の方法を修正を加えてもよい。これらポリペプチド類が別の化合物あるいは表面に結びつけられる具体的な方法は通常のものであって、文献にその実例や図面に示されている。
システイン・プロテアーゼに対する抗体あるいはシステイン・プロテアーゼそれ自体、酵素前駆体、および酵素前駆体に対する抗体の存在を検出するために、種々のアッセイ手順を用いることができる。ラベルされた試薬としてペプチドを用いるのは特に興味深く、この場合、検出可能な信号の発生、表面に対するペプチドの直接的、あるいは間接的結合を可能にしてくれ、この場合、サンプル中のペプチドに対する抗体が表面上のペプチドに結びつく。すると、ペプチドに結合したヒトの抗体の存在はヒトの免疫グロブリン、通常はIgMとIgGの両方に固有の自然発生的抗体か、あるいは、免疫錯体、例えば、Rfファクター、あるいはSアウレリス蛋白質Aなどに固有のラベルされた蛋白質を用いて検出することができる。
競合的であれ、非競合的であれ、種々の違った手順を用いることができる。ペプチドは表面と基質のいずれに結合してもよく、ラベルされた抗体は、サンプル内で限定された量の結合ペプチドに関して抗体と競合してもよい。基質に結合したラベルの量はサンプル内の競合的抗体に関連づけられるであろう。抗体はラベルされたペプチドと組み合わされたサンプル内の基質に結合することができる。反応混合物を結合された抗体と接触させた後、その基質に結合したラベルの量はそのサンプル内の同族抗体の量と関係する。
例えば、IgGおよびIgM免疫グルブリンの領域に対する抗体など、自然発生的な抗ヒト抗体を基質に結びつけることができる。サンプルを免疫グロブリンおよびラベルされたペプチドと接触させて、それによって、その基質に結合したラベルされたペプチドの量は同族抗体の存在を示す。それとは別に、均一アッセイを用いることもでき、この場合、ペプチドは酵素、蛍光物質と結合され、抗体のペプチドに対する結合は特定の結合対錯体に関与するラベルと、その錯体に関与していないラベルとの区別を可能にしてくれる。そうした手法を伴うアッセイは文献に述べられている。
本発明を示すために、本ペプチドを蛍光物質、ローダミン、あるいはアンベリフェロンなどの蛍光分子と接合させることができる。抗体との複雑な組成、例えば、蛍光極性化などを検出するために、種々の手法を用いることができる。このアッセイにおいては、複合化ペプチド接合体を未複合化ペプチド複合体との間で蛍光極性化が異なっている。蛍光極性化における変化を測定するための装置を用いることができる。
アッセイ手法の一例はサンプル・コンテナー、例えば、マイクロタイター・プレート・ウェルで、この場合、本発明によるポリペプチドまたはその接合体は共有結合、あるいは非共有結合によってコンテナーの底および/または壁面に接着する。通常、適切に緩衝化された媒体内で希釈されたヒトの血液あるいは結成がコンテナーに加えられ、特定の結合対の第一と第二の構成要素間の錯体形成を行わせるために十分な時間がつかわれる。上澄液を取り出して、コンテナーを洗浄して、非固定的に結合したリガンドを取り除く。
検出のためには、その錯体に固有に結合するラベル化された特定の結合蛋白質が用いられる。コンテナーには、適切に緩衝された媒体内に解かしたヒト免疫グロブリンに対する自然発生的な抗血清、特に抗(ヒトIgMおよびIgG)が加えられる。この自然発生的抗血清は検出可能なラベル、例えば、放射性核酸か酵素によりラベルされる。抗血清の代わりに、S.aureas蛋白質Aなどの免疫錯体に対して固有の蛋白質を用いることができる。そうすれば、ラベルを検出することができる。例えば、酵素を用いた場合、非固有に結合した酵素ラベルを取り除いた後、現像液を加える。この現像液は酵素気質およびクロモゲンなどの可能な酵素コファクターを含んでおり、これは反応すると色彩計や蛍光計でそれぞれ検出することができる彩色、あるいは蛍光生成物を提供する。
本発明によるペプチド類に対する抗体は従来の方法でつくることができる。使用目的によって、ポリクローナル抗体とモノクローナル抗体の両方をつくることができ、システイン・プロテアーゼ、その派生物、突然変異体など上で特定のエピトープに結合するモノクローナル抗体の調製と単離のためにハイブリドーマ技術を用いることができる。
アッセイの性質に応じて、生理学的サンプル、例えば、唾液、血液、血漿、骨髄液、スロート・スワブ(throat swab)、気管支肺胞洗浄物質、生体組織検査物質、あるいは血清などを、通常はリン酸、トリスなどの種々の緩衝液のひとつを用いた水性緩衝液であるアッセイ培養液内に希釈することによってつくることができる。生物の存在のアッセイと、そして/またはその生物の識別のためにバクテリア性培養液、あるいはその他の培養液を用いることができる。通常、pHは6〜8の範囲内である。次に、サンプルを適切な手順に従って試薬と組み合わせ、十分な時間をかけて結合させる。不均一系システムが用いられた場合には、通常ステージ毎に洗浄を行ない、非固有結合をできるだけ少なくする。その手順の終わりに、通常の方法でラベルが検出される。
生理学的サンプルは通常ヒトのものであるが、獣医学応用、特にマウスやミンク、およびグループA連鎖球菌に対して感作性のある他の動物への応用もおもしろい。
本発明による巨大分子およびそれらの類似物のアッセイにおける使用に加えて、本発明によるペプチドはまた、単独、あるいは組み合わせで防御的免疫反応を発生させたり、ヒトのワクチン、またグループA連鎖球菌感染症に感作性のあるミンクなどの商業的に高価な動物や、マウスなどの他の動物にも用いることができる。これらペプチドが通常の方法で、一般には、1μgから20mg−kgの範囲の濃度でつくられる。滅菌水、食塩、リン酸緩衝食塩水など、生理学的に受け入れ可能な培養液を基質として用いることができる。水酸化アルミニウム・ゲルなどのアジュバンドを用いることもできる。投与方法は、例えば、筋肉内、腹膜内、皮下、あるいは静脈などの注射によって行なわれても差し支えない。また投与は、1回、あるいは複数回行なわれてもよいが、通常は4週間毎に行なわれる。加えて、連鎖球菌M蛋白質抗原を加えることによって、ワクチンの効力を強化することもできる。このワクチンで、連鎖球菌M蛋白質の保存されている領域はシステイン・プロテアーゼと組み合わせられる。好ましくは、用いられるM蛋白質はホストの組織と免疫学的にクロス反応しない。グループA連鎖球菌に対する防御として、抗体の生産を用いてもよく、この場合、防衛機能によって、死を遅らせたり、感染による致死を防いでくれる。
精製システイン・プロテアーゼは、単離された細胞、蛋白質マトリックス、例えば特に生体組織検査標本などコラーゲン・マトリックス内にある、あるいは、組織培養皿あるいはペトリ皿に接着しているか、あるいは蛋白質のアームを介して親和性カラムに結合したものを得る際に、トリプシンまたはその他のプロテアーゼとの置換としての使用など、いくつかの使用法がある。プロテアーゼはまた、過剰瘢痕組織の除去および骨などの生物学的基質からの組織の除去にも使える。
本発明によるペプチドをコード表現するDNAはシステイン・プロテアーゼの他の供給源を識別するため、および、生理学的サンプル内のグループA連鎖球菌、特に化膿連鎖球菌の存在の識別のためのPCRに基づくアッセイなどで使用することもできる。
以下の実施例は本発明による方法のいくつかの実施の形態を示すためのものであって、いかなる意味でも本発明を限定することは意図していない。
実施例1
バクテリア性単離物
表1は調査された化膿連鎖球菌の68種の株を示している。MGAS1791は、R.Lancefield博士が5797株に与えたB220株と同じである。この株はタイプ8T抗原を表現するが、血清学的にはM蛋白質に分類することはできない。
Figure 0003920271
Figure 0003920271
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ET:電気泳動タイプ
NT:M蛋白質血清タイプに関して分類不可
MGAS:ムッサー・グループA連鎖球菌参照番号。株供給源および最初の名称は以下の通り:J.C.Huang,Laboratory Centre for Disease Control,Ottawa,Canada,MGAS579(11111),587(9378),590(11078),2075(DC 11435);J.E.Peters,Wilford Hall Medical Center,San Antonio,Texas,MGAS1991(BB6672−3),1990(BA9812−4),P.M.Schlievert,University of Minnnesota,Minneapolis,Minnesota,MGAS1253(119/6,SF130/13としても知られている)、MGAS1251(C203S),166(Reineke),285(195),325(89.5.5612),157(Zinke),315(Soldier 1),282(192),289(199),262(Cal 17),168(Reinary),302(Lambert),321(Weckmuller),156(Wilson),300(Kluss),303(Lundeen),162(Cygan),165(Wicks),317(Timmers);
E.L.Kaplan,University of Minnesota,MGAS480 (90−441);M.A.Kehoe,University of Newcastle upon Tyne,Newcastle upon Tyne,England,MGAS 1841(M41),1871(PT5757),1893(PT4854),1882(M59),1842(M43),1901(M23),1898(M15),1864(M56), 1896(M10),1911(M75),1881(M62),1870(PT4931),1872(TR2612),1838(M27),1914A(TR2233);D.LeBlanc,University of Texas Health Science Center at San Antonio,Texas,MGAS1222(Cole 36XA87),1226(Cole 40XF1),1233(Cole 45XA9),K.H.Johnston,Louisiana State University Medical Center,New Orleans,Louisiana,MGAS1719(B220);D.E.Bessen,Yale University,New Haven,Connecticut,MGAS1832(C S110),1294(1RP232),1289(1RP144);
S.K.Hollingshead,Department of Microbiology,University of Alabama School of Medicine,Birmingham,Alabama,MGAS660(D469),789(1GL100),807(D323),429(C256/86/3),684(1RP284),694(D470),427(J137/69/1),366(AGL130),719(D938),686(D316),800(A724),758(86−809),796(D339),650(D691),659(D474)。他のすべての株はJ.M.Mからのもの。
d TSLS:毒性ショック状症候群;SID,重傷組織侵食症;ARF、急性リューマチ熱;NP、鼻咽喉。
実施例2
システイン・プロテアーゼの精製
バクテリアを5%CO内、ブレイン・ハート・インフュージョン(BHI)寒天上で37℃の温度下で一昼夜成長させた。一昼夜培養した培養物を用いて200mlのBHI培養液を接種し、その培養物を5%CO内で37℃の温度下、12〜14時間培養した。一昼夜成長されたものの50ml画分を化学的の定義された培養液(JRHBioscience,Lenexa,KS)、pH6.0,2リットルを加えて、その培養物を5%CO内で37℃の温度下で培養した。無菌炭酸ナトリウム(10% w/v)を加えて、そのブロスをpH5.5〜6.0の範囲に維持した。8〜9時間後、遠心分離で細胞を取り出し、上澄液を10kDaカットオフらせん超ろ過カートリッジ(Amicon)を通過させて250mlに濃縮した。20%エタノール−20mMトリス塩酸、pH7.0(バッファーA)1.5リットルを用いて4℃の温度で逆方向ろ過によるバッファー交換(>99%)を行ない、その物質を4℃の温度下で一昼夜保存した。逆ろ過された溶液をバッファーAで均衡させたマトリックス・ゲル・レッドA(Amicon)カラム(1.5cm×15cm)を通過させた。吸着(280nm)がベースラインに戻るまでカラムをバッファーAで洗浄して、2モルのNaClを含有するバッファーAに蛋白質を溶出させた。溶出された物質をひとつのフラクションとして集め、超ろ過 (Centriprep 10,Amicon)によって3mlに濃縮し、そして、ゲルろ過クロマトグラフィー(BioRad)によって、バッファーをPBS,pH7.2と交換した。
ダイ−リガンド親和性クロマトグラフィー(図1)から引き出した精製蛋白質のアミノ末端配列決定を行うと、アミノ酸146〜156に対応する−QPVVKSLLDSK(SEQ ID NO:8)の配列が明らかになり、それによって、精製された物質が連鎖球菌性システイン・プロテアーゼの先端を切った成熟活性形態であることが認識される。この酵素は−20℃の温度で保存すると少なくとも数か月間安定している。3つの異なったspeB対立形質変種(配列決定研究で確認された)が確認されている。この酵素前駆体形態は、培養液からシスティンが除かれていることと、培養物が補充COが存在しない条件で培養されることを除くと、ほとんど同様の手順で精製することができる。
システイン・プロテアーゼに関してこれまで発表されているアミノ酸配列は、想定されている活性箇所の構成も含めて正しくない。この配列によってコード表現される予想アミノ酸配列は発表されているシステイン・プロテアーゼ配列とは同族ではない。その代わり、ヌクレオチド配列は類似しているが、HauserおよびSchlievertらによって述べられている対立形質とは明確に違っている。
しかしながら、活性システイン残基を取り巻くアミノ酸の構成はB220株およびこれまで特徴付けが行われているすべての細胞株においてまったく同じである。したがって、彼らのM12株86〜858から精製されたSPEBと関連したプロテアーゼ活性の欠如がCys残基周辺のアミノ酸配列における違いの結果であるというHauserおよびSchlievert(1990)の仮定は正しくない。
実施例3
連鎖球菌システイン・プロテアーゼによるnpIL−1βの切断
ウサギ網状赤血球転写−翻訳システム内でつくられた放射性物質でラベルしたpIL−1βを使用したアッセイを用いた。システイン・プロテアーゼは約18kDaの切断生成物をつくりだし、このサイズはmIL−1β(図2A)の見かけの分子量と類似している。大腸菌内でつくられた組換えpIL−1βから発生された切断生成物をウェスターン・ブロット分析もこの結果を裏づけている(図2B)。
システイン・プロテアーゼはICEで劣化されないヒトpIL−1β突然変異体(Asp 116−>Ala 116,Ala 116−Ala 117結合をつくりだす)を切断した。野生タイプpIL−1βの場合にも観察されたように、システイン・プロテアーゼは突然変異体基質を切断し、見かけの分子量が18kDa程度の生成物を形成した(図2A)。このように、システイン・プロテアーゼの主要切断箇所はICE原核箇所ではなかった。システイン・プロテアーゼがpIL−1を切断する場所を正確に判定するために、pIL−1βの劣化によってつくられた分子量約18kDaの生成物のアミノ末端10アミノ酸残基の配列決定が行われた。システイン・プロテアーゼはHis 115−Asp 116の間でpIL−1βを切断して、mIL−1βより長い分子アミノ酸残基をつくりだした。
実施例4
成熟IL−1β切断生成物の正常な生物学的活性
ヒト抹消血液単球細胞で見いだされたメタロプロテアーゼの特徴付けの過程でアミノ末端でAsp−116を有するmIL−1βの非常に高い活性形態が述べられたので、システイン・プロテアーゼは生物学的に活性のあるIL−1βに対して活性を示さないpIL−1βである。成熟したIL−1βは血管平滑筋細胞(SMC)内の酸化窒素合成(NOS)の強力な誘発因子である。SMCの融合培養物が存在している条件と存在していない条件の両方でシステイン・プロテアーゼが加えられ、24時間後の培養液内で硝酸塩陽イオン・レベルを測定することによってNOS活性を調べた。システイン・プロテアーゼもpIL−1βだけでも硝酸塩レベルでの有意な増加はつくりだされなかった。対照的に、システイン・プロテアーゼとpIL−1βを一緒に添加すると、硝酸塩の蓄積に約60倍もの増加が認められた(図3)。
pIL−1βのシステイン・プロテアーゼによる切断で発生されるIL−1βはA375細胞系アッセイでも活性であることが認められた。
約500ng/mlの本来のpIL−1βが不活性であったひとつのアッセイで、この物質をシステイン・プロテアーゼで消化したところ、6.1×10ユニット/mlの活性がつくりだされ、このアッセイでは500ng/mlの真正IL−1βは1.1×10ユニットに対応した。
実施例5
変種システイン・プロテアーゼ酵素の切断活性
さらに2つの自然発生システイン・プロテアーゼ対立形質変種(SPEB2およびSPEB11)も見かけの分子量がMGAS1719から精製されたSPE B7によってつくられるものと同じIL−1β断片をつくりだした(図4)。
実施例6
speBの配列決定
speB遺伝子を合成オリゴヌクレオチドとのポリメラーゼ鎖反応(PCR)で増幅させた。調査の対象となったDNA断片(1,437bp)はコーディング領域全体(1,197bp)、および160bpの上流配列、および80bpの下流配列を示している。細胞株の約3分の1に対して、ラムダエキゾヌクレアーゼ法によって単一鎖DNAがつくられ。シーケナーゼ/バージョン2.0で両方の方向での配列決定が行われた。この場合も、ヌクレオチドの変化を確認するために変種対立形質の配列決定も行われた。
基本的に、システイン・プロテアーゼ構造遺伝子の配列決定は以下のように行われた。システイン・プロテアーゼ構造遺伝子を合成オリゴヌクレオチドとのポリメラーゼ鎖反応(PCR)で増幅した。speBを増幅するのに用いたオリゴヌクレオチド・プライマーとフランキング領域は以下の通りであった。
SPEB−X(SEQ ID NO:9),5’−GTTGTCAGTGTCAACTAACCGT3’;および
SPEB−2(SEQ ID NO:10)5’=ATCTGTGTCTGATGGATAGCTT−3’
内部配列決定プライマーとして以下の4つのオリゴヌクレオチドが用いられた。
SPEB−1(SEQ ID NO:11),5’−CTTTCTGGCTCTAATATGTATGT−3’;
SPEB−3(SEQ ID NO:12),5’−GTTATTGAAAAAGTAAAACC−3’;
SPEB−4(SEQ ID NO:13),5’−TTTTCAATAACAGGTGTCAA−3’;および
SPEB−Y(SEQ ID NO:14),5’−TCTCCTGAAACGATAACAAA−3’。
50mM KCl,10mM Tris−HCl,pH8.3,1.5mM MgCl,0.001%ゼラチン、それにdATP,dCTP,dGTPおよびdTTPを各200μM、そしてSPEB−XおよびSPEB−2を各200nM、そしてAmpliTaq DNAポリメラーゼを2.5単位含んだ混合物100μl内で、1μlのクロモゾームDNAのPCR増幅を行った。熱サイクル・パラメータは変性が94℃で1分間、アニーリングが55℃で2分間、そして延長が72℃で2.5分間で、全体で30サイクル行われた。最後に72℃で15分間の延長が行われた。
DNA断片(1,437bp)はコーディング領域(1,197bp)全体と160bpの上流配列、および80bpの下流配列を示している。株の約3分の1に対して、ラムダ・エキソヌクレアーゼ法で単一鎖DNAがつくられ、シーケンターゼ・バージョン2.0によって両方の方向に配列決定が行われた。この場合も、ヌクレオチド変化を確認するために変種対立形質の配列決定が行われた。約3分の2の株のプロテアーゼ遺伝子について、Applied Biosystems Inc.,モデル373A計器を用いて自動化DNA配列決定による特徴付けが行われた。自動化アプローチのために、PCR(10mM Tris−HCl,pH8.3;50mM KCl;1.5mM MgCl;2.5単位のタック・ポリメラーゼ;20ピコモルの各プライマー;1μLのクロモゾームDNAテンプレート)で遺伝子を増幅したが、熱パラメータは以下の通りであった。変性:94℃で4分間、94℃、1分間の変性30サイクル、55℃、2分間でのプライマー・アニーリング、72℃、2分間での延長、そして、72℃で5分間の最終延長。組み込まれていないヌクレオチドとプライマーはMicrocon100マイクロ濃縮器(Amicon Inc.,MA)を通じてのろ過によって取り出された。Taq DyeDeoxyターミネータ・サイクル配列決定キット(Applied Biosystems,Inc.,CA)を用いての配列決定反応がテンプレートとしての7μLのPCR増幅DNAと3.2ピコモルのプライマーを用いて行われた。組み込まれていないダイ・ターミネータとプライマーは回転カラム精製(Centri-Sep,Princeton Separations,Inc.,NJ)によって延長生成物から分離された。サンプルを真空遠心分離で乾燥した。ゲル負荷の前に、サンプルをサンプル負荷バッファー(5:1非イオン化フォルミアミド;50mM EDTA,pH8.0)4μL内に再懸濁させて、90℃の温度で2分間変性させた。データを集めてEDITTSEQ,ALIGNおよびSEQMANプログラム(DNASTAR,WI)で編集した。
実施例7
クローン間の遺伝子関係の推定
マルチローカス酵素電気泳動による化膿連鎖球菌クローン間の遺伝子関係を推定する方法はMusserら、Proc.Natl. Acad.Sci.USA 88:2668−72(1991)に述べられたのと同様に行われた。これまでに確認されていない36のETを任意にET34−ET53と番号付けした。
実施例8
B220株(Elliott 5797)におけるspeB対立形質
MGAs1719株内のspeB遺伝子(speB7)は前に示した孔サイズを有する蛋白質をコード表現しない。B220株の蛋白質配列と血清タイプM12株(86−858)内のspeB対立形質(ここではspeB1と命名)とのあいだには違いがある。
実施例9
speB対立形質と疾病タイプ
本発明は同じspeB対立形質を有する連鎖球菌クローンを示し、speB対立形質とM蛋白質の組み合わせはいくつかの病気と関連づけられている。例えば、ET1−M1−speBの株は咽頭炎、猖紅熱、蜂巣織炎、およびTSLSの患者から培養され、咽頭炎、猖紅熱、およびTSLSの患者からはET2−M3−speB3生物が取り出された。同様に、急性リューマチ熱の患者から培養された株は6つの異なったspeB対立形質を有していた。したがって、speB対立形質と疾病タイプとの明らかに有意な組み合わせは認められなかった。1940年代に回収され,M1蛋白質を表現するが、現代のM1株と同様にET1ではなくET36に関係づけられた株(MGAS789)においてspeB対立形質が確認されたことは、連鎖球菌性疾病の頻度および重度における一過性ファクターによっておこなわれるspeB対立形質−マルチローカス酵素ジェノタイプ−M蛋白質の関連性における変化を示唆している。
実施例10
speB変差、M蛋白質クラス、乳白度ファクター表現型、およびvirレギュロン・アーキテクチャ
本発明ではspeB対立形質変種の類似した分化に関しての説得力ある証拠は見出されなかった。M蛋白質に対するモノクローナル抗体のパネルとの反応性に基づく2つの違ったクラスのいずれかに分類される株は一貫した配列上の違いを持っておらず、いくつかの例で同じspeB対立形質が2つのM蛋白質クラスで見出された。例えば、クラスI(M3およびM12)とクラスII(M2)の両方のクラスの株でSPEB3対立形質の発生が認められ、同様に、それぞれクラスIとクラスII分類されるM1とM3を表現する株でspeB5対立形質が認識された(表1)。同様に、speB対立形質とvirレギュロン・アーキテクチャ、あるいは乳白度ファクター表現型との間にも単純で一貫性のある関係は認められなかった。M2,M3およびM12はすべてspeB対立形質を有していた場、M3とM123は乳白度ファクターは持っておらず、M2は乳白度ファクターを持っている。M血清タイプとspeB系統発生との間に有意な関係がないことは、emmおよびspeB遺伝子の一部またはすべてに関与する比較的頻度の低い横方向転移イベントによっても起こされた。
実施例11
精製細胞外マトリックス(ECM)蛋白質の切断
連鎖球菌システイン・プロテアーゼは精製されたビトロネクチン(VN)を急速に劣化させる(図5)。VNで5分間プロテアーゼを培養すると、劣化によって生じる生成物は Coomassieブルー染色やポリクローナル抗VN抗体による免疫ブロッティングのいずれによっても識別できなかった。同様に、連鎖球菌プロテアーゼは、低分子量生成物の急速な出現によって示されるように、フィブロネクチン(FN)をすみやかに切断した(図5)。しかしながら、VN劣化とは対照的に、FN切断は明らかに限定された数の特定の箇所で起きた(図5)。プロテアーゼによってFNを最大12時間培養しても、別の劣化生成物の形成は起きなかった。
調べられた実験的条件の下(図5)、あるいは10μgのプロテアーゼおよび2μgのLNを用いた場合には、ヒト・ラミニン(LN)の有意な切断は観察されなかった。
実施例12
ヒトへそ血管表皮細胞(HUVEC)培養物内での細胞病理効果およびフィブロネクチン切断の誘導
侵入性化膿連鎖球菌による症状を有する患者は往々にして内皮細胞の損壊を伴うバクテリア性敗血症を示すので、連鎖球菌システイン・プロテアーゼが培養物内で成長されたHUVECからFNを直接切断する能力について調べた。プロテアーゼが存在しない条件の下で、あるいは最大8時間煮沸したプロテアーゼで処理した細胞のウェスターン免疫ブロット分析では、検出可能なFN劣化は認められなかった(図6)。対照的に、1ウェルあたりわずか6μg/mlの連鎖球菌プロテアーゼで2時間培養した細胞は、元のままの天然FNをほんのわずかしか保存していなかった。したがって、連鎖球菌プロテアーゼはFNを、組織培養物内で成長している細胞の複雑な条件の下で、投与量と時間に依存した方法で切断する。
興味深いことに、連鎖球菌プロテアーゼによるHUVECを処理すると、急激な細胞病理作用が短時間で現れた。プロテアーゼを加えてから3時間後に、細胞単層内に透化ゾーンが現れた。この効果の後、マトリックスに対する細胞の接着と特徴的な丸石形態のアブレーションが認められた。FN切断は細胞病理効果の出現前に免疫ブロット分析によって検出可能であった。可溶化対照群かウェスターン免疫ブロット分析で処理されたHUVEC内では天然のヒトVNに対応する帯は求められなかったが、その理由は、これらの細胞によるVN表現のレベルの低さによるものと思われる。
実施例13
化膿連鎖球菌開口部によるシステイン・プロテアーゼの生成
グループA連鎖球菌のほとんどすべての臨床単離物はSPEB/システイン・プロテアーゼをつくりだし、グループA連鎖球菌に感染した患者は抗プロテアーゼ抗体を形成する。培養物上澄液の免疫ブロット分析によって化膿連鎖球菌の株によるSPEB/連鎖球菌プロテアーゼの生成を調べたところ、ひとつの自然発生的血清タイプM11単離物(MGAS 2075)はspeBを欠いていることが報告された。3つの株を例外として、64の調べられた他のすべての単離物はシステイン・プロテアーゼを生成し、この結果はほとんどすべての化膿連鎖球菌株がその分子を細胞外で表現するという考え方と一致する(図7および表1)。上の3つの株は対立形質 speB3,speB13およびspeB16を有していたが、これらと同じ対立形質を有する他の単離物はプロテアーゼをつくりだした。したがって、39のspeB対立形質のすべてが適切な条件の下でグループA連鎖球菌株によって表現できる。speB遺伝子の160bp上流非コーディング領域および1197bpコーディング領域内の39の対立形質の多形箇所を図11に示す。
実施例14
活性システイン・プロテアーゼに対してつくられた特定の抗血清
Freund完全アジュバンドと混合された精製プロテアーゼ(100μg)を2匹のウサギの複数の箇所に皮下注射した。その後、Freund完全アジュバンドと混合された精製プロテアーゼによる免疫化を、一週間ごとに間隔を置いて、合計で5回注射することによって行った。血清を集めて、免疫グロブリンを蛋白質Gセファロース・カラム(Pharmacia)を使ったFPLCで精製した。ウェスターン免疫ブロット分析の結果、免疫後のサンプルには特定な抗プロテアーゼ反応性が存在しているが、免疫前の血清ではそうした反応性が存在しないことが認められた。特定な抗血清を大量に集めるために、これらのウサギは現在も飼育されており、定期的な間隔で餌が 与えられている。この手順はKapurら、Microb.Pathog. (1993),15:327−46に述べられている。
実施例15
精製された成熟システイン・プロテアーゼに対するマウス・モノクローナル抗体
精製された成熟システイン・プロテアーゼに対するモノクローナル抗体をつくった。1回の投与量を10μgとして、SDS−PAGE精製成熟プロテアーゼが5匹のマウスに対して合計5回腹膜内に注射した(Balb/cバックグラウンド)。ウェスターン免疫ブロット分析の結果、すべてのマウスで血清転換が起きていることが示された。脾臓を取り出して、標準的な手順で融合させた。プロテアーゼ固有モノクローナル抗体の特徴付けは標準的な手順で行われた。
実施例16
抗体レベルの測定
システイン・プロテアーゼに対する抗体レベルを測定するためにELISAを作成した。簡単にいうと、プロテアーゼを炭酸塩−重炭酸塩バッファー(pH9.6)に溶かしたもの10μgを90ウェル・マイクロタイター・プレートの各ウェルに加えて、4℃の温度下で一昼夜培養した。これらのウェルを洗浄用バッファー(PBS(pH7.4)−ツイーン(Tween)20(0.05%))で3回洗浄して、pH7.4のPBS内に0.5%BSAを溶かしたもの200μLを使って37℃の温度で2時間ブロックした。洗浄後、これらのウェルにテスト抗血清(ウサギ血清1:100から1:1600)のシリアル希釈液100μLを加えた。プレートを37℃の温度下で1時間培養し、再度洗浄した後、エクストラアビジン−アルカリイ性フォスフォターゼを1:5000で希釈したもの100μLを各テスト・ウェルに加えて、37℃の温度下で30分間培養した。洗浄後、アルカリ性フォスフォターゼ基質(pNPP)100μLを各テスト・ウェルに加えて、室温で1時間反応させた。O.D.(405nm)をマイクロタイター・プレート・リーダーで読み取った。
実施例17
システイン・プロテアーゼ表現に関する免疫ブロット・アッセイ
わずか1ナノグラム程度のシステイン・プロテアーゼを検出するドット・ブロット・アッセイを開発した。簡単にいうと、テスト物質(通常、化学定義培養液内で成長されたバクテリアからの培養上澄液の蛋白質沈殿物)をナイロン膜上にスポットして、吸収されなかった箇所を0.5%ブロッキング剤(Amersham)を用いて室温で1時間培養することによってブロックした。その膜をPSB(pH7.4)−ツイーン(0.05%)で洗浄して、システイン・プロテアーゼに向けられた精製ポリクローナル・ウサギ抗血清(1:500で希釈)によって30分間培養した。その後、膜をPBSで洗浄してから、第二の抗体(ヤギ抗ウサギHRP接合体、1:2000に希釈されたもの)を加えて、室温で30分間培養した。ブロットは化学発光物質(ECL現像液、Amersham)で視覚化した。この手法を使って。これまでにより感度が低い従来の免疫アッセイでSPEB生成がないと報告されている単離物がシステイン・プロテアーゼを表現する。
実施例18
システイン・プロテアーゼに対して向けられた抗体
システイン・プロテアーゼの免疫予防的防護は2つのモデルを使って確認される。1つは、化膿連鎖球菌による粘膜定着に関するシステイン・プロテアーゼ免疫化の影響を評価するために、BessenおよびFischetti(1988)が開発した鼻腔内免疫化モデルが用いられる。第二に、マウス皮膚感染モデル(Bunceら、1992)が皮膚下バクテリア刺激に対して用いられる。簡単にいうと、これらの動物のわき腹にプロテアーゼを注射し、体重測定を含む観察が毎日行われる。膿腫の量と皮膚壊死の面積を計算し、患部サイズ曲線が決められる。
実施例19
システイン・プロテアーゼの合成ペプチドの調製
システイン・プロテアーゼに基づく合成ペプチドもグループA連鎖球菌感染症に対するワクチンの調製において免疫グロブリンとして用いることができる。いくつかの合成ペプチド類が対立形質変差と保存およびJameson-Wolfプロットによって発生されたシステイン・プロテアーゼ抗原性指数に基づいて選択される。先ず、以下の3つのペプチドが用いられる。これらのペプチドは6つの主要な計算されたピークのうちの2つを含んでいる成熟した連鎖球菌システイン・プロテアーゼにおける可変領域(アミノ酸308−317)に対応している。
ペプチド1(SEQ ID NO:15):H−Q−I−N−R−S(308)−D−F−S−K−Q−D−W−E−A(317)−Q−I−D−K−E
ペプチド2(SEQ ID NO:16):H−Q−I−N−G(308)−D−F−S−K−Q−D−W−E−A(317)−Q−I−D−K−E
ペプチド3(SEQ ID NO:17):H−Q−I−N−S(308)−D−F−K−Q−D−W−E−A(317)−Q−I−D−K−E
その後、4つの不変計算抗原性ピークに対応する、以下の4つのペプチドのそれぞれを免疫化のために用いた。
ペプチド4(SEQ ID NO:1):P(171)−V−I−E−K−V−K−P−G−E−Q−S−F−V−G−Q
ペプチド5(SEQ ID NO:2):Y(203)−H−N−Y−P−N−K−G−L−K−D−Y−T−Y−T−L
ペプチド6(SEQ ID NO:3):P(247)−T−Y−S−G−R−E−S−N−V−Q−K−M−A−I
ペプチド7(SEQ IN NO:4):I(344)−D−G−A−D−G−R−N−F−Y−H
自然発生的変種酵素前駆体およびシステイン・プロテアーゼは固有の線形B細胞エピトープを示す。
2つのアミノ酸残基を成熟したシステイン・プロテアーゼ酵素前駆体(翻訳生成物から先頭の配列を除いたもの)の 371のアミノ酸に対応する連続的な主要配列内の前のものと重複させる重複10-merペプチド類が用いられる。10個の変種アミノ酸残基に対応する合成10-merも用いられる。この変種アミノ酸は10-merの中央に位置している。例えば、SPEB1の1つの領域に対応している10-merの配列が位置304−QINRDFSKQ−313(SEQ ID NO:18)であれば、その場合、304−QINRDFSKQ−313(SEQ ID NO:19)も調べられ、1つの変種アミノ酸を組み込んだ10-merの部分もSPEB2で見いだされている。この10-merペプチドが合成されれば、以下の物質を用いてすべてのペプチドの反応性を調べるためにELISAが用いられる:(i)精製システイン・プロテアーゼに対してつくられたウサギ・ポリクローナル高度免疫抗血清(ポジティブ・コントロール)、(ii)ウサギ免疫前血清(ネガティブ・コントロール)、(iii)精製システイン・プロテアーゼに対してつくられた28のマウス・モノクローナル抗体のパネル、(iv)カナダの壊死性筋膜炎および/またはTSLSの患者20名(D.Low,Mount Sinai Hospital,Ontario,Canadaから入手)、広範は軟組織破壊を特徴とするTSLSに罹っている米国の患者5名(D.Stevens,V.A.Hospital,Boise,Idahoから入手)、およびARF患者5名(A.Bisno,University of Miami Medical Schoolから入手)から入手された急性および回復期の血清。合成ペプチドの大部分は通常各血清との反応性を示さず、多数の内部重複ネガティブ・コントロール・ペプチドが存在している。これらのアッセイでは血清希釈液が用いられる(高度免疫ウサギ抗血清に関しては1:1000、ヒト血清の場合は1:500およびMAb培養物上澄液の場合は1:5〜1:10)。
テストされた各血清およびMAbに対する線形B細胞エピトープを判定するために、OD405を10-merペプチド数に対してプロットする。線形B細胞エピトープはOD405値におけるピークとして示される。一般的にピークはいくつかの隣接した重複ペプチドで構成されており、最も高いOD405値を有する10-merペプチドは親ペプチドとして定義される。
pro領域は少なくともひとつの固有線状B細胞エピトープを有する。同じ線状B細胞エピトープは15のすべてのヒト回復期血清標本によって識別される可能性が最も高い。
実施例20
突然変異体speB蛋白質の創出
図8は処理部位、speB2およびspeB4対立形質によってつくられる蛋白質内に見いだされるアミノ酸変種の位置、および突然変異の対象となるアミノ酸を示している。部位指向およびランダム突然変異生成方式を用いて、システイン・プロテアーゼ機能および酵素前駆体処理を停止する残基を確認し、さらに、その蛋白質の抗原性領域を構成する領域をマップする。機能性アミノ酸置換の標的はシステイン・プロテアーゼの生化学的分析(Taiら、1976)および真核システイン・プロテアーゼにおける類似残基との類似性に基づいて選択される。
結晶学的研究を行いやすくし、構造−機能研究のための酵素的に欠陥を有する、あるいは不活性のプロテアーゼを発生させるために、システイン・プロテアーゼ蛋白質の突然変異体形態をつくって、その特徴付けを行う。標的突然変異生成は、(i)プロテアーゼ活性を中断し、(ii)酵素前駆体処理を防ぎ、(iii)基質の結合を防ぎ、そして(iv)免疫活性を変える、変化をつくりだす。アミノ酸は構造的に中性のアラニンに変えられる。プロテアーゼ活性は欠いているが抗原性は有している突然変異体蛋白質をその分子の触媒性部位での単一システイン残基(Cys−197>Ala−192)の突然変異生成によってつくりだされる。また、His−340とGin−185およびAsn−356が突然変異された。これら三つの変化はCys−192突然変異に対してはエピスタティックであるが、しかし、変わった活性だけを示す場合がある。基質結合およびパパイン内の同様の位置に関与していると考えられるTrp−357も標的とされる。安定した酵素前駆体はLys−145でプロテアーゼ切断箇所を取り囲んでいる残基を突然変異させることによってもつくりだされる。さらに、Cys−192の突然変異生成はプロトライプ・システイン・プロテアーゼであるパパインのCys−>Ser突然変異体に対しても起きるように、自動蛋白質分解を防ぐ可能性がある。突然変異生成の他の標的としては推定ヌクレオチド結合領域(GVGKVG)およびその蛋白質のカルボキシ端末部分内のコテンシャル・コラーゲン着床領域[(GXX)]を含んでいる。正および負の電荷を有するアミノ酸(認識および活性に関与している場合が多い)をアラニンと置換させるために、荷電−アラニン走査法によって箇所指向突然変異生成が用いられる。荷電残基の多く(成熟ペプチド内の14リシン、7アルグニン、12アスアパルテート、および76グルタメート残基)がシステイン・プロテアーゼ構造の表面上に並んでいると予想され、その一部はその分子上でエピトープを定義していると考えられる。特に、帯電アミノ酸の307−321(8/15は帯電している)領域が調べられ、この領域はspeBおよびspeB4アミノ酸置換の箇所を含んでいる。エピトープ・マッピング研究で確認された抗原性領域の残基も突然変異される。
speB遺伝子がPCRによってET1/M1化膿連鎖球菌株から増幅され、その生成物をpBluescript(Strategene,La Jolla,Ca)などのマルチフィルアミド・ベクター内にクローンする。このベクターが選ばれるのは、それが規制lacプロモータを有しており、個所指向突然変異生成のための単一鎖分子として複製できるからである。クローニングはプロモータ、リボゾーム結合個所およびspeB読み取りフレーム3’をベクター上の誘発可能lacプロモータに配置して、lac誘発因子であるIPTGが加えられると、大腸菌内で条件的に過剰表現されるようにする。化膿連鎖球菌内での表現を要求するspeBプロモータも含まれる。すべての細胞抽出物と、この主要speBクローンを有している大腸菌細胞の周辺血漿性ショッケートについて、SDS−PAGEおよび抗システイン・プロテアーゼ抗体によってシステイン・プロテアーゼ蛋白質が存在しているかどうかについて調べる。その結果得られた血漿は突然変異生成の標的である。
置換、消去、および小部分挿入などのオリゴヌクレオチド指向突然変異がKunkel法によてウラシル含有単一鎖テンプレート上につくられる(Kunkel,1985)。可能な場合、抗原性プライマーはマッピングおよび突然変異体選択のためにspeB遺伝子内に固有の制限個所を組み込むように設計されている。単一アラニン置換と複数アラニン置換の両方が上に示した残基上につくりだされる。機能に不可欠な残基が識別されると、それらを取り囲む小さな領域を、同じ方法を用いて、その領域をさらに特徴付け、逆転の可能性を排除するために消去、置換される。結晶学的データが得られる場合は、さらに別のアミノ酸も突然変異される。
ランダク突然変異生成方式も用いられる。この方法でつくられる変種蛋白質はエピトープ・スクリーニングのために最も有益であるが、違った動力学的特徴と基質認識を有する分子が回収される可能性もある。speB配列の領域がプライムド突然変異生成手順における混合オリゴヌクレオチドでランダク化されるか、あるいは、遺伝子内での短い、イン・フレーム消去がPalzkillおよびBosteinのデオキシリポヌクレアーゼ1−リンカー挿入/消去手順によってつくりだされる(PalzkillおよびBostein,1991)。ここで、合成『イクジション・リンカー』(excision linkers)は先ずランダムに線形化された標的DNAに結紮され、次にフランキング・ヌクレオチドで切除されて小さな置換あるいは消去をつくりだす。例えば、酵素SapI(GCTCTTC)に対する認識配列の二つのコピーを有するリンカーは、図9に示すように、speB遺伝子全体で、6つの塩基(リンカーの各末端の三つの塩基)消去、あるいはランダムな二つのアミノ酸の消去をつくりだす。フランキング塩基は、リンカー切除後に標的配列の末端を満たし、次に、Nsの代わりにランダム配列を含む第二の非感作性末端リンカーを挿入することによってもランダム化される。この第二のリンカーは次にSapIによる消化で取り出され、標的配列が結紮されて置換をつくりだす。
プロテアーゼ・マイナス突然変異を識別するためには、強力な突然変異体蛋白質をつくりだす大腸菌を、先ず、カゼイン寒天プレート上でスクリーニングする。周辺血漿に対するシステイン・プロテアーゼの分泌が予想されるので、プレート上でプロテアーゼ活性を観察することが可能である。このスクリーニングがうまくいけば、次に、システイン・プロテアーゼにおける機能的突然変異が起きたかどうか、数千のコロニーを短時間で調べることができる。活性を示すためにシステイン・プロテアーゼが大腸菌から完全に分泌されねばならない場合は、妥当と思われる突然変異体株のそれぞれの浸透圧性ショッケートについて蛋白質分解活性があるかどうか調べられる。
実施例21
マウスの受動的免疫化
精製された変性システイン・プロテアーゼに向けられたウサギ抗体による受動的免疫化を行うと、生きた化膿連鎖球菌に対してマウスを部分的に防衛する(図10および12)。精製されたシステイン・プロテアーゼに対してつくられるウサギ抗体が致死量の化膿連鎖球菌を腹膜に投与されたマウスを守れるかどうかについて調べられた。
用いられた方法は以下の通りである。
化膿連鎖球菌単離物MGAS1719はB220株と同一である。この単離物はT8血清タイプを表現し、speB対立形質を有しており、システイン・プロテアーゼ精製のためのソース株として用いられた。単離物MGAS315は1980年代に毒性ショック状症候群患者から取り出された。この生物は電気泳動タイプ(ET)2で、血清タイプM3蛋白質を表現し、そして刺激株(challenge strain)として用いられた。この単離物はまた、SPEAおよびSSAを合成する。連鎖球菌システイン・プロテアーゼは実施例2に述べられているような超ろ過およびダイ−リガンド親和性クロマトグラフィーとの組み合わせを用いてMGAS1719株から精製された。SDS−ポリアクッルアミド・ゲル電気泳動および結果としてつくられる蛋白質分解活性を有する物質のcoomassieブルー染色を行った結果、分子量が30kDa程度の単一の大型バンドが示された。精製されたシステイン・プロテアーゼ製剤がウェスターン免疫ブロットまたはELISAのいずれによってもM血清タイプ1または3、あるいはタイプT8化膿連鎖球菌からの酸抽出物に対するウサギ抗血清とは反応しないが、連鎖球菌システイン・プロテアーゼに対してつくられたウサギの抗体とは強く反応した(図15)。
MGAS315に対するバクテリアの最低致死量(MLD)を計算した。バクテリアを37℃の温度で12時間ブレイン・ヒート・インフュージョン・ブロス(Difco.MI)内で培養し、A600を滅菌BHIブロスで0.7(約10cfu/mlを示す)に調節し、滅菌ブロス内でつくられたバクテリアの10−10希釈液の0.1mlを5匹の雄、体重が22〜24gのCD−1異系交配マウス(Charles River,MA)のそれぞれに腹膜注射した。バクテリア性懸濁液の純度について接種前および後にテストし、マウス1匹あたりに注射されたcfuの数をコロニー数で確認した。マウスを接種後5日間観察し、生き残ったマウスをメトキシフルレーンで安楽死させた。死亡した、あるいは安楽死させたマウスからバクテリアを単離させるために心臓血液を集めた。そのグループのどのマウスも生き残らなかった最高希釈度をMLDと判定した。
最低致死量
それ以下では生き残ったマウスがいなかった化膿連鎖球菌株MGAS315の最高希釈度である最低致死量(MLD)は1回の接種量あたり生物個数が約10個程度で、このことはMGAS315株が腹膜ルートで投与された場合、マウスに対して異常に毒性が高いことを示している。グループA連鎖球菌の純粋な培養物はバクテリアを投与後に死亡したすべてのマウスの心臓血液から回収された。
連鎖球菌システイン・プロテアーゼに対するウサギ抗血清の調製についてはKapurら、Microb.Pathlg.,(1993)15:327−46で述べられている。雄で体重が22〜24gのCD−1異系交配マウスに、0.1ml PBS(n=6)、免疫ウサギIgGをPBSに解かしたもの1mg(n=9)、あるいは免疫前ウサギIgGをPBSに解かしたもの1mg(n=9)を腹膜内に接種して、その処置から30分後にMLDのMGAS315を与えた。マウスは3時間の間隔毎に観察して、死亡率を記録した。死亡したマウスから心臓血液を集めて、BHI寒天上にプレートし、5%CO内で48時間培養した。Kaplan-Meier生残曲線をプロットし、生残における統計的差をテストするためにログランク・テストを用いた。
結果(図12参照)はゲル精製変性システイン・プロテアーゼに向けられたウサギ抗体による受動的免疫化は、リン酸緩衝液(PBS)を与えられた比較対象群、あるいは免疫前血清の比較対象群と比較して、高度に毒性の高い化膿連鎖球菌MGAS315株での刺激に大してかなりの防御力を与えることを示している(ログ・ランク・テスト;X;P>00.001)。受動的に投与された抗血清によって与えられた防衛能力は、後の時点より初期の時点(65時間以内)の方がかなり高かった(図12)。この実験は、(i)ウサギ抗体がゲル精製変性システイン・プロテアーゼに対してつくられたものであって、天然の酵素前駆体でも活性プロテアーゼ形態でもなかった、(ii)プロテアーゼに対して、刺激に使われた開口部は発熱性外毒素A(SPEA)および最近発表された連鎖球菌性強力抗原、SSAを表現することが知られており、そして(iii)刺激に用いられた株(SPEB1)によってつくられたシステイン・プロテアーゼ前駆体は、それに対して抗血清(SPEB4)が二つのアミノ酸位置(位置111のAla<−>Valおよび位置308のSer<−>Gly;図13)でつくられたプロテアーゼ前駆体変種とは違っているという理由で防衛能力を示す可能性を最小限に押さえるように設計された。
実施例22
マウスの免疫化−鼻腔内
鼻腔内免疫化実験は,基本的にはBessenおよびFischetti(1988)によって述べられたように行われる。簡単にいうと、同じ性の、免疫化開始時に生後4〜5週間の異系交配スイスCD1マウスが用いられる。各24匹で構成される複数のグループが0または20〜100μgの酵素前駆体、成熟したプロテアーゼ、あるいは合成ペプチドを用いて鼻腔内で免疫化される。マウスを1,3および5日目に免疫化され、3週間放置した後、抗原(20または40g)を一回投与した。免疫された20匹のマウスで構成される最初のグループを10匹ずつの2つのサブ・グループにランダム化した。各サブグループに対してシステイン・プロテアーゼ・ソース株(相同一刺激)か、あるいは異なったシステイン・プロテアーゼ変種を表現する株(非相同一刺激)のいずれかで刺激を与える。システイン・プロテアーゼ投与から10日目に、マウスに対して鼻腔にバクテリア懸濁液10μlが与えられる。反復ディスペンサーおよび鈍端針を備えたモデル750Hamilton注射器を通じて、ワクチンが麻酔をかけていないマウスの鼻腔に投与される(鼻腔に10ul)。刺激を与えてから24時間後、およびその後11日目まで、24時間から48時間間隔でのどを綿棒でぬぐう。そして、15日目にさらにのどの培養物を取り出す。のどを拭ったものはCO培養器内で血液寒天プレート上で一昼夜培養され、次の日にベータ溶血性コロニーがカウントされる。
実施例23
バクテリアによる刺激(鼻腔内)
24匹の免疫化されたマウスで構成された最初のグループを12匹ずつのサブグループにランダム化する。各サブグループにSPEBソース株(均一刺激)または別のSPEB変種を表現する株(非均一刺激)のいずれかで刺激を与える。刺激に用いられる株は、刺激後の回収を容易にするために200μg/mlのストレプトマイシンに対して抵抗性があるかどうかで選択され、必要であれば、定着しマウスを感染させる能力を増大するためにマウス内に繰り返し腹膜内注射させる。SPEBを表現する各刺激生物の単一ストックを一昼夜の培養物からつくり、10倍に濃縮して−80℃の温度下で保存する。このストックを1:500で希釈し、BHIブロス内で37℃の温度で一昼夜培養し、新鮮な成長培養液内で1:20に希釈してから、0.5のO.D.650に培養する。遠心分離で細胞を取り出して、食塩水内で約2.5×10CFU/ml程度の濃度に懸濁させる。連鎖球菌株はマウスの鼻腔内に定着する能力がそれぞれ違っているので、非免疫マウス群の25%以上で常時着床する刺激用投与量が用いられる。動物は1つのケージあたり6匹の集団で収容される。マウスに対してはシステイン・プロテアーゼの投与から10日目に10μlのバクテリア懸濁液が鼻腔に与えられる。刺激を与えてから24時間後、および11日目まで24〜48時間毎にのどを綿棒で拭う。さらに、15日目にのど培養物を取り出す。のどをぬぐったものを200μg/mlのストレプトマイシンと共に血液寒天プレート上で培養し、CO培養器内で37℃で一昼夜培養し、次の日にベータ溶血性コロニーをカウントする。
実施例24
マウスの免疫化−皮下
同じ性の、生後4週間から5週間の異系交配の、免疫能力のある、無毛マウス(株Crl:SKH1(hrhr)Br;CharlesRiver)で免疫実験を行った。これらのマウスを用いたのは、患部サイズおよび性質上芯を取り出すことが容易で、動物は毛を剃らなくてもよいからである。24匹のマウスで構成される複数のグループを0,20,40μgの酵素前駆体、あるいは成熟した活性プロテアーゼを皮下注射することによって免疫化する。これらのマウスを1,7,14および21日目に1回ずつ免疫化して、3週間放置した後、プロテアーゼ(20または50μg)を一回与える。これらのマウスについて、システイン・プロテアーゼ固有ELISAで血清転換があるかどうかについてチェックする。
実施例25
バクテリアによる刺激−皮下
免疫化されたマウスを各12匹ずつの2つのグループにランダム化する。次に、各グループにシステイン・プロテアーゼ・ソース株(均一刺激)、あるいは異なったシステイン・プロテアーゼ変種(非均一刺激)のいずれかで刺激を与える。システイン・プロテアーゼを表現する、刺激に用いられる各生物の単一ストックを一昼夜培養した培養物から調製し、10CFU/mlに調節する。マウス(1つのケージに集団で収容されている)に等量の滅菌デトラン・ビーズと混合したバクテリア性懸濁液100μLが与えられた。動物に対してツベルクリン注射器で右のわき腹に皮下接種する。用いられたCFUの正確な数を判定するために、刺激を与えた時点でバクテリア性懸濁液を調製した。ネガティブ/コントロールの動物群は同様に免疫化された12匹のマウスで構成されている。これらのマウスに対しては滅菌培養液+デキストラン・ビーズだけで『刺激を』与えた。
実施例26
免疫アッセイ
すべての免疫化されたマウスと比較対象マウスから唾液および血清を集める。すべての唾液はピロカルピン(920μg/マウス、皮下)刺激を行うことによって集め、15,000×gで20分間遠心分離にかけた。この物質を分割し、ひとつの画分にはプロテアーゼ抑制因子を加えた。−80℃で保存される。尾の血管から血清を集める。各集団の所属するマウス、および比較対象のマウスからの個別、およびプールされた唾液および血清について、ELISAによりシステイン・プロテアーゼに対する固有の抗体がないかどうか調べる。
実施例27
データ分析
刺激を与える直前と刺激を与えてから24時間毎に動物の体重を測定する。膿腫の体積および皮膚壊死の面積を計算して、患部サイズ曲線を判定する。平均患部サイズを偏差分析(ANOVA)でグループ間で統計的に比較する。
実施例28
マウスの能動的免疫化
雄のスイスCD1異系交配マウスにPBS(n=10)または精製連鎖球菌システイン・プロテアーゼをPBSに解かしたもの20μgのいずれかを1日目に接種し、その後、7,14,21,42,50,57,63および79日目と合計で9回同じ免疫化を行った。29,71および84日目にELISAでシステイン・プロテアーゼに対する血清抗体レベルをチェックし、それらのマウスに、93日目、最後の免疫化から2週間後にMGAS315株で刺激を与えた。これらのマウスを3時間毎に監察し、致死率を記録し、Kaplan-Meier生残曲線を描き、上に述べたように分析した。結果(図14参照)は、精製連鎖球菌システイン・プロテアーゼを腹膜内に投与して免疫化を行っても、高度に毒性のある化膿連鎖球菌単離物MGAS315で致死量孔与えた場合にかなりの防衛能力(ログ・ランク・テスト;X;P<0.01)が与えられることを示している。システイン・プロテアーゼによる免疫化もマウスで早い時期に化膿連鎖球菌で起こされる致死に対してはかなりの防衛能力を与えることは注目に値する。例えば、比較対象群の10匹のマウスすべては刺激を与えてから28時間後に死亡したが、プロテアーゼで免疫化したグループでは4〜9匹のマウスが死亡しただけだった(比例差:Z:p<0.003)。さらに、120時間後に実験を終了した時点で、プロテアーゼで措置したグループでは2〜9匹が生きのびたのに対して、比較対象群の10匹のマウスはいずれも生き残らなかった(比例差;Z;P<0.059)。したがって、免疫ウサギ血清を与えたマウスにおいて観察される結果と同様、連鎖球菌システイン・プロテアーゼによる能動的免疫化はグループA連鎖球菌感染症に対してかなりの防衛能力を与えることが分かった。
実施例29
化膿連鎖球菌に関するPCRアッセイ
ブレイン・ハート・インフュージョン寒天プレート上で成長させた単離物からゲノムDNAをつくった。一般的に、ひとつのプレートから細胞を剥ぎ取り、10mMトリス−50mM EDTA混合物(pH8.0)(TE)800μl内に懸濁させ、65℃の温度で15分間過熱し、5μgのミュータノリシンを含有するTE500μlに再懸濁させ、37℃の温度で2時間培養した。10%ナロリウム・ドデシル・スルフェート100μlを加えて細胞を溶解し、60℃の温度で2時間培養した。10分間遠心分離にかけた後、上澄液を清浄なチューブに移して、100μgのRNaseおよび50μgのプロテイナーゼKを用いて37℃の温度で培養した。次に、DNAをフェノール・クロロフォルムで抽出して、エタノールで沈殿させ、100μlのTE内に懸濁させた。
システイン・プロテアーゼ構造遺伝子を合成オリゴヌクレオチドとのポリメラーゼ鎖反応で増幅させた。speBを増幅するために用いられるオリゴヌクレオチド・プライマーとフランキング領域は以下の通りであった。
SPEB−X(SEQ ID NO:9),5’−GTTGTCAGTGTCAACTAACCGT−3’および
SPEB−2(SEQ ID NO:10),5’−ATCTGCGTTGTCTGAATAGCTT−3’
1μLのクロモゾームDNAのPCR増幅は50mM KCl,10mM Tris−HCl,pH8.3,1.5mM MgCl,0.001%ゼラチン、dTTP,dCTP,dGTPおよびdTIP各200μM、それにSPEB−XとSPEB−2をそれぞれ200nMと、そして2.5単位のAmpliTaq DNAポリメラーゼを含んだ混合物100μl内で行われた。熱サイクル・パラメータは以下の通りである。変性:94℃で1分間、アニーリング:55℃で2分間、および延長:72℃で2.5分間、合計30サイクル。最終延長は72℃で15分間行われた。
上に示したように、ステイン・プロテアーゼおよびそれをコード表現する核酸は連鎖球菌を検出し、抗体をつくり、そしてホスト動物内で防衛的免疫を発生させるための方法および組成物として用いることができる。
本明細書に述べられているすべての特許および刊行物は本発明が関連する技術分野の当業者のレベルに則したものである。すべての特許および刊行物は、個々の刊行物について具体的、かつ個別的に引例として組み込まれることが言及される場合と同じ程度に本明細書に組み込まれる。
本技術分野の当業者であれば、本発明がここに述べられている目的を実行し、目標と利点を達成すると同時に、それらに本質的に付随した目標および利点を達成するのによく適合していることは容易に理解し得るであろう。ここに示されている実施例は、ここに述べられている方法、手順、処理、分子、および具体的な化合物と同様、現段階での好ましい実施例を示す具体例でより、本発明の発明を限定することを意図するものではない。本発明の精神の範囲内にあり、添付される特許請求の範囲で定義されている技術分野の当業者であれば、修正や他の使用法を容易に想起できるであろう。
図1は連鎖球菌システイン・プロテアーゼの精製結果を示している。連鎖球菌システイン・プロテアーゼは実例2に述べられているような方法を用いてMGAS1719株から精製され、硫化ドデシル・ナトリウム−ポリアクリルアミド・ゲル電気泳動(SDS−PAGE)で分離した。レーン1:精製プロテアーゼ2μg;レーン2:分子重量標準。 図2は連鎖球菌システイン・プロテアーゼによるヒト・インターロイキン−1β)前駆体の切断結果を示している。図2Aはウサギ網状赤血球細胞溶解物系で合成された[35S]メチオニン標識pIL−1β(レーン1)、精製システイン・プロテアーゼ250ngと共に(レーン2)、あるいは煮沸システイン・プロテアーゼと共に(レーン3)、それぞれ1時間培養した結果を示している。ヒトpIL−1β Asp 116−>Ala 116変異体もシステイン・プロテアーゼによって切断された(レーン4)。図2Bは成熟した、および遺伝子組み替えpIL−1β切断生成物のウェスターン免疫ブロット分析を示している。レーン1:mIL−1βのみ;レーン2:mIL−1β+システイン・プロテアーゼ;レーン3:pIL−1βのみ;レーン4:pIL−1β+システイン・プロテアーゼ。培養は37℃の温度下で30分間行われた。切断生成物をSDS−PAGEで分解し、ニトロセルロースに移し、カルボキシ−末端−システイン・プロテアーゼでプローブした;レーン3:pIL−1βのみ;レーン4:pIL−1β+固有モノクローナル抗体(IL−1βに対して固有)。さらに培養すると、分子量が18.5kDa程度の生成物が分子量のより小さな形態に変化した。レーン3の分子量が約33kDaの免疫反応性蛋白質がpIL−1βをつくるための発酵プロセスでつくりだされた。 図3はラット大動脈平滑筋細胞におけるシステイン・プロテアーゼおよびpIL−1βによる酸化窒素(NO)シンターゼ活性の刺激結果を示している。細胞を血清を含まない培養液(SFM)(1)、成熟したpIL−1β(3ng/ml)(2)、システイン・プロテアーゼ(4mg/ml)(3)、pIL−1β(約200ng/ml)(4)、あるいはシステイン・プロテアーゼ+pIL−1β(5)のいずれかで24時間処理した。処理された細胞からの調整培養液サンプルにおける硝酸濃度を硝酸ナトリウム標準曲線と比較した。 図4は連鎖球菌システイン・プロテアーゼの対立形質変種によるpIL−1βの切断結果を示している。[35S]メチオニン標識pIL−1βを含んだウサギの網状赤血球細胞溶解物を、図2Aで示すようにMGAS279株(レーン2)あるいはMGAS289株(レーン3)から精製したシステイン・プロテアーゼで培養した。 図5は、精製された細胞外マトリックス(ECM)蛋白質の切断結果を示している。 図6は、ヒトのへそ血管内皮細胞(HUVEC)培養物における細胞分裂作用およびフィブロネクチン切断の誘発を示している。 図7は、化膿連鎖球菌株によるSPEB生成を示している。 図8は、処理箇所、speB2およびspeB4対立形質によってつくられる蛋白質内に見いだされるアミノ酸変異の場所、および突然変異させるための標的であるアミノ酸を示している。 図9はspeBにおけるランダム突然変異の発生を示している。 図10はマウスでのウサギ抗システイン・プロテアーゼIgGによる防護を示している。speB7対立形質を有し、SPEB4成熟SPEB変種をつくりだすMGAS1719から精製して得たシステイン・プロテアーゼに対してつくられたPBS(pH7.4)内に1mgのウサギ抗体(IgG)0.1mlを注射した。この抗体はSDSポリアクリルアミド・ゲルから取り出した精製プロテアーゼに対してウサギの体内でつくられた。比較用の動物に対しては抗システイン・プロテアーゼ抗体の供給源として用いられたのと同じウサギからの等量の免疫前抗体(PBS,pH7.4内にIgG1mgを解かしたもの0.1ml)か、0.1mlのPBSが与えられた。30分後、マウスにspeB3対立形質を有し、SPEBI成熟SPEB変種をつくりだし、そして(Musserら、1993)におけるTSLSのケースからのET2/m3生物であるMGAS315株を約100cfuが接種された。これらマウス・グループが50%致死するのに必要な時間は以下の通りである:PBS,26時間;免疫前、25時間;抗システイン・プロテアーゼ、55時間。 図11はspeBの対立形質を示している。このspeB遺伝子の160bp上流非コーディング領域および1197bpコーディング領域内部のいろいろな形の箇所が示されている。HauserおよびSchlievert(J.Bacteriol(1990)1972:4536−42))が述べた配列はspeB1と任意に命名され、ヌクレオチドおよびコドンの番号付けはこの配列と類似している。speB1とは異なっている他の対立形質内のヌクレオチドだけを示す。各非相同一形ヌクレオチド箇所の位置を39対立形質上に示し、垂直方向に番号を付してある。非同義ヌクレオチド変化に対しては下線を付し、コーディング変化の位置はコーディング領域非相同一形箇所上にアスタリスクで示してある。上流非コーディング領域内の7つの非相同一形ヌクレオチド箇所を図の左側に示し、speB6内のアスタリスクはアデニン残基消去を示している。speB2−speB39に関するDNA配列データはEML/GenBank/DDBJからアクセス番号L26125−L26162で入手することができる。また、speB1に関するDNA配列データはHauserおよびSchlievert,J.Bacteriol(1990),172:4536−42に発表されている。 図12は非相同一形化膿連鎖球菌を致死量与えてもマウスを護る抗プロテアーゼ抗体の受動的投与の結果を示している。連鎖球菌システイン・プロテアーゼに対して向けられたウサギ抗体を腹膜内投与すると、PBSあるいはウサギ免疫前血清を与えた比較対象の動物群と比較して、非常に毒性の高い細胞連鎖球菌分離物MGAS315を致死量与えてもかなりの防衛能力が与えられる。 図13は、対抗菌株(●)とそれに対して抗血清がつくられたプロテアーゼ(□)における連鎖球菌システイン・プロテアーゼおよびプロテアーゼ前駆体でのアミノ酸置換を図式的に示したものである。アミノ酸308を取り囲んでいるプロテアーゼの短いペプチド断片はマウス・ポリクローナルおよびモノクローナル抗体によって識別される免疫優勢エピトープを含んでいる。単一の文字によるアミノ酸の省略語はAはAla、VはVal、GはGly、そしてSはSerの略である。 図14は致死量の異種化膿連鎖球菌を与えても保護能力を発揮する連鎖球菌システイン・プロテアーゼによるマウスの活性免疫化の結果を示している。データは精製連鎖球菌システイン・プロテアーゼで腹膜内免疫化を行った場合、非常に毒性の高い化膿連鎖球菌単離物を致死量与えてもかなり防御される(ログ・ランク・テストX;P<0.01)ことを示している。 図15は連鎖球菌M3蛋白質(レーン1)、T8蛋白質(レーン2)、または免疫前のウサギから取り出した精製IgG(レーン3)に対してウサギの血清を与えても連鎖球菌プロテアーゼとは反応しないことを示している。対照的に、プロテアーゼで免疫化したウサギからの精製IgGは特に活性免疫化実験で用いられる分子量が30kDa程度の細胞外システイン・プロテアーゼと反応する(レーン4)。

Claims (15)

  1. 哺乳動物にグループA連鎖球菌感染症に対する免疫性をもたらすワクチンで、生理学的に受け入れ可能な非毒性媒体と突然変異speBタンパク質を含んでおり、該突然変異speBタンパク質がCys192またはHis340に少なくとも1つのアミノ酸置換を含有し、該突然変異speBタンパク質が蛋白質分解活性を欠いていることを特徴とするワクチン。
  2. 咽頭炎、扁桃腺炎、皮膚感染症、急性リューマチ熱、しょうこう熱、連鎖球菌感染後糸球体腎炎、敗血症および毒ショック状症候群から選択される病気に関連した症状を抑止することを特徴とする請求項1に記載のワクチン。
  3. 連鎖球菌M蛋白質抗原をさらに含んでいる請求項1または2に記載のワクチン。
  4. 前記ワクチンが、筋肉内、腹膜内、皮下または静脈内に投与される請求項1〜3のいずれかに記載のワクチン。
  5. 前記ワクチンが、皮下または筋肉内に投与される請求項1〜4のいずれかに記載のワクチン。
  6. 前記ワクチンが、複数回で投与される請求項1〜5のいずれかに記載のワクチン。
  7. 前記ワクチンが、ヒトに投与される請求項1〜6のいずれかに記載のワクチン。
  8. Cys192またはHis340に少なくとも1つのアミノ酸置換を含有し、蛋白質分解活性を欠いている突然変異speBタンパク質。
  9. 前記アミノ酸置換がCys192→Ala192またはHis340→Ala340である請求項8に記載の突然変異speBタンパク質。
  10. 哺乳動物にグループA連鎖球菌感染に対する免疫性をもたらすワクチンを製造するための請求項8または9に記載されたタンパク質の使用。
  11. 前記ワクチンが、咽頭炎、扁桃腺炎、皮膚感染症、急性リューマチ熱、しょうこう熱、連鎖球菌感染後糸球体腎炎、敗血症および毒ショック状症候群で構成されるグループから選択される病気に関連した症状を抑止することを特徴とする請求項10に記載の使用。
  12. 前記ワクチンが、連鎖球菌M蛋白質抗原をさらに含んでいる請求項10または11に記載の使用。
  13. 前記ワクチンが、皮下または筋肉内に投与される請求項10〜12いずれかに記載の使用。
  14. 前記ワクチンが、複数回で投与される請求項10〜13いずれかに記載の使用。
  15. 前記ワクチンが、ヒトに投与される請求項10〜14いずれかに記載の使用。
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