JP3919634B2 - 陶磁器製品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、陶磁器製品に関し、より詳しくは陶磁器用原料に、接着性を有する汚泥を粉末化したものを添加した素地を焼成することにより得られる陶磁器製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以前よりある建築材料としての瓦、タイル、煉瓦等の陶磁器製品は、採掘される粘土、長石、石英、その他の鉱物等が含有される原土をそのまま、或いは精製した原料を単独、もしくは数種類配合して、混練した後、成形し、次いで乾燥し、窯で焼成して得られる。
また、接着剤を製造する工場においては、反応釜を洗浄した洗浄水が排出され、汚水処理過程で接着剤成分を含有する汚泥が発生する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年良質な粘土の枯渇から、瓦、タイル、煉瓦等の陶磁器製品は、その製造工程、とりわけ成形後から乾燥に至る過程において、乾燥収縮に起因するキレ(クラック)といわれるものが発生することが多々あり、業界ではその対応に苦慮していた。
【0004】
このような問題を解消するために、乾燥条件での対応や、装置の改良など試みられてはいるものの、キレの防止の改善効果はほとんどなく、また、粘土との配合面からの改良として、リグニンスルホン酸ナトリウム、コーンスターチ、CMC(カルボキシメチルセルロース)などを配合することも試みられてはいるが、これらはある程度効果があるが、コスト的に高く、実用化には至っていないのが現状である。
【0005】
一方、接着剤を製造する工場において発生した汚泥は、凝集沈殿処理され、廃棄されるが、廃棄処理には多くの費用を要し、最近では廃棄場所も少なくなりつつあり、地球環境の保全、又産業廃棄物の処理コストの削減等の観点から、接着剤を製造する工場において発生した汚泥を再資源化して他の用途に再利用することが求められている。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−292611号公報
【特許文献2】
特開平9−67158号公報
【0007】
本発明のように接着性を有する汚泥を利用したものではないが、本発明に近い先行技術として下水汚泥を用いたものがある。例えば、下水汚泥・都市ゴミを有効利用した煉瓦製造方法(特開平11−292611号公報)、下水汚泥を有効利用した煉瓦製造方法(特開平9−67158号公報)などが開示されており、ともに一般廃棄物の有効利用ができるものの、前者は簡便に煉瓦の製造ができ、寿命の永久化ができる効果を有し、後者は高圧プレスを必要とせず、また焼成温度を低く押さえ、エネルギー消費を少なく製造できる効果を有している。
しかしながら本発明のように接着性の汚泥を用いるものではなく、キレ(クラック)を防ぎ、歩留まりを向上させようとするものでない。
【0008】
本発明は、かかる状況に鑑み検討されたもので、接着剤を製造する工場において発生した汚泥を再資源化して瓦、タイル、煉瓦等の陶磁器製品に利用することにより陶磁器製品の製造過程で発生するキレを防ぎ不良率を低減することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1記載の発明は、陶磁器用原料に対して粒径が0.01〜1.0mm、含水率が10〜80%の接着剤製造工場発生汚泥粉末を0.01〜10.0重量%添加した素地を成形し、焼成することを特徴とする陶磁器製品の製造方法である。
【0010】
また、請求項2記載の発明は、前記素地に熱硬化性樹脂成形品の粉砕物を添加することを特徴とする請求項1記載の陶磁器製品の製造方法である。
【0011】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において用いる接着剤製造工場発生汚泥粉末とは、接着剤製造工場において、その反応釜、搬送用や保管用の容器、その他使用器具を洗浄した排水を凝集沈殿させた後、乾燥し、陶磁器用原料に配合しやすいように粉末状にしたものであり、汚泥としては、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、SBRなどのラテックスやエマルジョンを含有するものが挙げられる。
【0012】
前記の排水は詳しく述べると、先ず工場内の一個所の処理槽に集められ凝集沈殿槽に入れられる。次いで、攪拌しながらpH調整、有機物を凝集させる目的で塩化第二鉄を0.2重量%程度添加し、pHを2〜3にする。次に苛性ソーダを添加して、pH6.5〜7.5に中和し、例えば、メタリル酸ジメチルアミノエチル、アクリルアミド、アクリル酸を主成分とする高分子凝集剤を微量添加してフロックを形成させる。
【0013】
上澄み液が取り除かれた沈殿層を珪藻土が加えられた真空脱水機に導入して脱水し、珪藻土によって捕捉された汚泥を取り出す一連の処理によって、フロックを水から分離する。このフロックの成分重量比は、一例を挙げれば、酢酸ビニル樹脂が12、珪藻土3、塩化鉄3、その他3(アクリル、ラテックス、炭酸カルシウム、珪砂など)で、残りの79は水分となっている。
【0014】
この汚泥は、ベトベトしており取り扱いが容易ではないため、生石灰を配合して発熱させ、含水率は10〜80%、より好ましくは20〜50%になるまでフィルタープレスにより乾燥させ粉末状にする。下限に満たないと陶磁器用原料との混合が不均一になりやすく、上限を超えるとベトベトで、取り扱いが容易ではなくなる。
【0015】
接着剤製造工場発生汚泥粉末の粒径は0.01〜1.0mm程度が好ましく、粒径が下限に満たないとキレ防止の効果が少なく、上限を超えると仕上がった製品の表面に接着性汚泥粉末の固まりによる軽微な湿疹状のピンホールが発生しやすくなる。
【0016】
前記の接着剤製造工場発生汚泥粉末は陶磁器用原料に配合することで素地の可塑性を促し、瓦、煉瓦などを製造する乾燥工程でのキレの発生を防ぐことができ、また、接着成分が素地中の粘土、長石、石英、その他の鉱物にバインダーとして作用し、乾燥強度が著しく向上する。
【0017】
前記の陶磁器製品において、接着剤製造工場発生汚泥粉末の陶磁器用原料に対する添加割合は、多くなればなるほど、素地を軽量化できるが、その反面、成形性、乾燥性などの生産性が悪くなるため、添加割合は陶磁器用原料及びその配合原料に対して0.01〜10%、より好ましくは0.01〜1.0%の範囲とし、この範囲であれば瓦、タイル、煉瓦等の製品としての充分機能する。下限に満たないとキレ防止の効果が得られにくくなり、上限を超えると陶磁器製品の表面に接着性汚泥粉末の固まりによる軽微なピンホールが発生しやすくなる。
【0018】
本発明においては接着剤製造工場発生汚泥粉末に加えて熱硬化性樹脂成形品の粉砕物を配合してもよく、熱硬化性樹脂成形品の粉砕物を加えることにより、製品強度が向上し、軽量化を図ることができる。
熱硬化性樹脂成形品としては、メラミン樹脂積層板、フェノール樹脂積層板、メラミン樹脂化粧板、ガラス繊維基材エポキシ樹脂積層板などの熱硬化性樹脂積層板や、メラミン樹脂注型品、フェノール樹脂注型品などの熱硬化性樹脂の注型品や、熱硬化性樹脂の射出成形品を衝撃式粉砕機、例えばボールミル、パルべライザ等で粉砕したもので、粒度範囲は0.3〜1.7mmが望ましく、粒子径が下限に満たないと軽量化率が悪く、上限を超えると素地表面が粗かったり、凹凸が生じ易くなるため好ましくない。より好ましい粒度範囲は0.8〜1.2mmである。粉砕機は特に限定されない。
【0019】
前記の熱硬化性樹脂成形品の粉砕物は、1000〜1200℃の焼成温度下で、粉砕物中のメラミン樹脂やフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂が素地中の粘土、長石、石英、その他の鉱物に作用し、ガラス化やムライト化の生成を促進させるとともに、還元作用も同時に起こり、従来の鉱物のみの素地よりなる陶磁器製品に比べて高強度で、しかも可燃物である粉砕物が焼成時に燃焼し気孔が生成されるため軽量化を促進するものとなる。
【0020】
熱硬化性樹脂成形品の粉砕物の陶磁器用原料に対する添加割合は、多くなればなるほど、素地を軽量化できるが、その反面、成形性、乾燥性などの生産性が悪くなるため、添加割合は陶磁器用原料及びその配合原料に対して0.1〜20.0重量%とするのが好ましく、この範囲であれば瓦、タイル、煉瓦等の製品としての充分機能する。
【0021】
すなわち、陶磁器用原料に対する熱硬化性樹脂成形品の粉砕物の添加割合が、0.1重量%未満では陶磁器製品の軽量化の効果が満足に得られないし、また20.0重量%を越えると、軽量化はできても、可塑性が低下して成形性が悪くなり、表面が粗くなるため、前記範囲に設定するのが好ましい。このような軽量化および強度保持、成形性の面から、特に好ましい範囲は1.0〜10重量%である。
【0022】
粉砕物の添加量について詳しく述べると、前記添加量の範囲において、添加量が少ない程、曲げ強度は弱く、軽量化は小さい、また、吸水率は小さい、乾燥収縮率、焼成収縮率は大きく縮みやすい、焼結は焼きしまりにくいという傾向がある。一方、添加量が多いと、曲げ強度は強く、軽量化は大きい、また、吸水率は大きい、乾燥収縮率、焼成収縮率は小さく縮みにくい、焼結はよく焼きしまるという傾向がある。
【0023】
更に、本発明においては、熱硬化性樹脂成形品の粉砕物に加え、陶磁器製品としての強度、生産性などを阻害しない範囲で木屑を混合しても良く、熱硬化性樹脂成形品の粉砕物に比べ嵩比重が小さく、焼成時細かい気孔が形成されるためより軽量化を図ることができる。好ましい添加割合は陶磁器用原料及びその配合原料に対して0.05〜10重量%であり、10重量%を超えると気孔量が増加することにより外部からの応力を支える有効断面積が減少するため強度が低下しやすくなり好ましくない。
【0024】
本発明の陶磁器製品は、水分を含んだ陶磁器用原料に接着剤製造工場発生汚泥粉末、熱硬化性樹脂成形品の粉砕物、木屑などを混合する工程と、素地を形成する工程と、乾燥する工程と、施釉、無釉、練り込み等の加飾工程及び焼成させる工程に基づいて得ることができ、焼成は、酸素の存在化で焼成する酸化雰囲気焼成、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素などの不活性ガス中、及びプロパンやブタンなどを窯内へ注入し、焼成する還元雰囲気焼成いずれの焼成方法も適用できるが、還元雰囲気焼成のほうがより好ましい結果が得られる。
【0025】
焼成は通常用いられている設備、例えばトンネルキルン、シャトルキルン、ローラーハースキルン、ロッドキルン、ファイバーキルンなどの窯炉によって行えばよい。焼成条件は原材料の配合割合や組成、用途により適宜決定すればよいが、概ね、温度1050〜1250℃、時間10〜50時間の範囲で焼成する。
【0026】
本発明で適用する陶磁器用原料は通常公知の鉱物組成であれば特に制約はなく、産地により組成は異なるが、主な構成鉱物は石英、長石、カオリン鉱物、雲母鉱物などからなり、化学組成は、SiO2を45〜80%、Al2O3を5〜35%、Fe2O3を0〜10%、TiO2を0〜2%、CaOを0〜20%、MgOを0〜10%、K2Oを0〜10%、Na2Oを0〜5%、その他を0〜5%含むのもの、例えば、三州瓦用配合粘土、石州瓦用配合粘土等が挙げられる。
以下、本発明について実施例、比較例を挙げてより詳細に説明する。
【0027】
【実施例】
実施例1
接着剤製造工場発生汚泥粉末
接着剤製造工場発生汚泥粉末として、アクリル系接着剤を含有する排水を塩化第二鉄、高分子凝集剤を用いて凝集沈殿させ、フィルタープレスで含水率が50%になるように乾燥させ平均粒径が0.4mmの接着剤製造工場発生汚泥粉末(a)を得た。
三州瓦用配合粘土に接着剤製造工場発生汚泥粉末(a)を1.0重量%添加した素地を、厚み13mm、巾22.5mm、長さ150mmに成形し、乾燥後、焼成温度1120℃の酸化雰囲気でトンネルキルンにて焼成し、実施例1の陶磁器製品を得た。
【0028】
実施例2
三州瓦用配合粘土に接着剤製造工場発生汚泥粉末(a)を1.0重量%と、平均粒径0.3mmのメラミン樹脂化粧板の粉砕物を3.0重量%添加した素地を、厚み13mm、巾22.5mm、長さ150mmに成形し、乾燥後、焼成温度1120℃の酸化雰囲気でトンネルキルンにて焼成し、実施例2の陶磁器製品を得た。
【0029】
実施例3
三州瓦用配合粘土に接着剤製造工場発生汚泥粉末(a)を1.0重量%と、平均粒径0.3mmのメラミン樹脂化粧板の粉砕物を3.0重量%と、木屑を1.0重量%添加した素地を、厚み13mm、巾22.5mm、長さ150mmに成形し、乾燥後、焼成温度1120℃の酸化雰囲気でトンネルキルンにて焼成し、実施例3の陶磁器製品を得た。
【0030】
実施例1において、接着剤製造工場発生汚泥粉末(a)を5.0重量%添加した以外は同様に実施して、実施例4の陶磁器製品を得た。
【0031】
実施例1において、接着剤製造工場発生汚泥粉末(a)を8.0重量%添加した以外は同様に実施して、実施例5の陶磁器製品を得た。
【0032】
比較例1(汚泥粉末(a)の添加量が下限未満の場合)
実施例1において、接着剤製造工場発生汚泥粉末(a)を0.005重量%添加した以外は同様に実施して、キレの防止に余り効果がなかった。
【0033】
比較例2(汚泥粉末(a)の添加量が上限を超える場合)
実施例1において、接着剤製造工場発生汚泥粉末(a)を11.0重量%添加した以外は同様に実施したが、接着性汚泥粉末の固まりによる軽微なピンホールが発生した。
【0034】
比較例3(汚泥粉末(a)の粒径が下限未満の場合)
実施例1において、接着剤製造工場発生汚泥粉末(a)の平均粒径0.005mmをとした以外は同様に実施したが、キレの防止に余り効果がなかった。
【0035】
比較例4(汚泥粉末(a)の粒径が上限を超える場合)
実施例1において、接着剤製造工場発生汚泥粉末(a)の平均粒径を1.2mmとした以外は同様に実施したが、接着剤製造工場発生汚泥粉末の固まりによる軽微なピンホールが発生した。
【0036】
比較例5(汚泥粉末(a)の含水率が下限未満の場合)
実施例1において、接着剤製造工場発生汚泥粉末(a)の含水率9%とした以外は同様に実施したが、接着剤製造工場発生汚泥粉末が均一の混合されず、焼成後汚泥粉末の固まりによる軽微なピンホールが発生した。
【0037】
比較例6(汚泥粉末(a)の粒径が上限を超える場合)
実施例1において、接着剤製造工場発生汚泥粉末(a)の含水率85%とした以外は同様に実施したが、キレが発生した。
【0038】
比較例11(汚泥粉末(a)を使用しない場合)
実施例1において、接着剤製造工場発生汚泥粉末(a)を使用しなかった以外は同様に実施したが、キレが発生した。
【0039】
評価結果を表1に示す。
【表1】
【0040】
試験方法は以下の通りとした。
外観
目視にて確認した。
【0041】
乾燥収縮率
水分20±0.2%に調整した素地を小型真空押出機で厚さ13mm、巾22.5mmに押出された坏土を長さ約150mmに切断する。ただちにノギスで100.00mmのマークを試験体の両端につける。この試験体を2個作成し、室内で24時間以上乾燥させた後、空気乾燥器で100±5℃で7時間以上乾燥する。室温まで冷却後、ノギスで乾燥後の試験体のマークの位置を0.05mmの単位で計測する。次の式で乾燥収縮率を算出し、2個の平均値を出す。
【式1】
【0042】
焼成収縮率
乾燥収縮率測定後の試験体を用い、電気炉で1120℃の温度で1時間焼成する。室温まで冷却後、マークの位置をノギスで計測する。次の式で焼成収縮率を算出し、2個の平均値を出す。
【式2】
【0043】
吸水率:JIS−A−5208 5.5による。
実施例、比較例の瓦を空気乾燥器に入れ、その温度を約110℃に保ち、24時間以上経過した後取り出して放置し、室温に達したときの質量を乾燥時の質量とする。
次にこれを水温15〜25℃の清水中の木羽立てし、その上面が水面下約10cmになるように全面を浸し、24時間以上経過した後取り出し、手早く湿布で拭き直ちに測定した時の質量を吸水時の質量とする。ただし、吸水時の質量は、1時間煮沸した後取り出し、室温まで冷却したときの質量を用いてもよい。
【式3】
【0044】
曲げ強度
試験体が破壊する時の荷重すなわち最大荷重を測定し次式により曲げ強度(強さ)を算出する。試験体の厚みは1.2cm、巾は2.0cm、スパンは8cm、荷重速度は5kgf/secで行った。
【式4】
ただし、M=曲げ強さ(kgf/cm2)
P=最大破壊荷重(kgf)
l=支点用ロールの中心間の距離(cm)
b=試験体の巾(cm)
d=試験体の厚さ(cm)
【0045】
重量減少率:次式により求めた。
【式5】
尚、式5中の質量は、実施例、比較例の陶磁器品を空気乾燥器に入れ、その温度を約100℃に保ち、24時間以上経過した後取り出して放冷し、室温に達したとき測定した。
【0046】
【製造例】
製造例1
実施例1と同様の素地を「粘土がわら、JIS A 5208」に基づく和形桟がわら53Aに成形した後、焼成温度1120℃の酸化雰囲気でトンネルキルンにて焼成し、製造例1の瓦を得た。
【0047】
製造例2
実施例2と同様の素地を「粘土がわら、JIS A 5208」に基づく和形桟がわら53Aに成形した後、焼成温度1120℃の酸化雰囲気で、トンネルキルンにて焼成し、製造例2の瓦を得た。
【0048】
製造例3
実施例3と同様の素地を「粘土がわら、JIS A 5208」に基づく和形桟がわら53Aに成形した後、焼成温度1120℃の酸化雰囲気で、トンネルキルンにて焼成し、製造例3の瓦を得た。
【0049】
ブランク
比較例7と同様に焼成したものをブランクの瓦とした。
【0050】
評価結果を表2に示す。
【表2】
【0051】
評価結果は以下の通りとした。
乾燥収縮率、焼成収縮率、吸水率、曲げ強度は前述と同様に測定し、算出した。
重量減少率(%)
次式により算出した。
【式6】
曲げ破壊荷重(kgf)
JIS A 5208 5.2に基づいて測定した。
凍結融解試験
JIS A 5209 7.11に準じて行い、異常なきを合格とした。
JIS A 5209 7.11の凍結融解試験を示す。
試験体を常温の清水中に24時間以上浸し、吸水させてから取り出す。直ちに−20±3℃の冷凍槽内に入れ8時間以上経過してから取り出し、これを常温の清水中に6時間以上入れた後取り出し、湿布でふいて、試験体のひび割れ及びきじ又はうわぐすりの一部のはがれの有無を観察する。この凍結融解及び観察の操作を1回として、10回繰り返す。ただし、24時間浸漬は、最初の1回とする。尚、冷凍槽内の試験体は、器盤及び他の試験体から10mm以上離して置く。
【0052】
以上、本発明の実施例、製造例について説明したが、材料は特にこれらに限定されるものではなく、明細書記載の範囲において種々の態様を採ることができる。例えば、三州瓦用粘土に代えて石州瓦用粘土を用いるのはもちろんの事、タイル、煉瓦、ブロック等の陶磁器製品の原料を用いてもよい。
更に製品として、瓦を製造した例を示したが、特にこれに限定されるものではなくタイル、煉瓦、ブロック、陶管、花器、置物なども製造できる。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、接着剤製造工場発生汚泥粉末を用いることにより、素地に可塑性が付与され、瓦、タイル、煉瓦等の陶磁器製品の生産中に乾燥収縮または焼成収縮による素地の歪み、キレ(亀裂)等の発生を抑制できるため高い歩留まりを達成することができる。
【0054】
また、従来、焼却処分や産業廃棄物として取り扱われていた接着剤製造工場発生汚泥を利用することにより、処理費用も削減でき、陶磁器製品の製造コストを低減させることができる。
【0055】
また、陶磁器用原料等の使用量の低減ができ、近年問題となっている陶磁器用原料の枯渇化を解消するのに寄与し、産業上極めて価値のある発明となる。
【0056】
更に、熱硬化性樹脂成形品の粉砕物を併用することにより、高強度で、しかも可燃物である粉砕物が焼成時に燃焼し気孔が生成されるため軽量化を図ることができる。
Claims (2)
- 陶磁器用原料に対して粒径が0.01〜1.0mm、含水率が10〜80%の接着剤製造工場発生汚泥粉末を0.01〜10.0重量%添加した素地を成形し、焼成することを特徴とする陶磁器製品の製造方法。
- 前記素地に熱硬化性樹脂成形品の粉砕物を添加することを特徴とする請求項1記載の陶磁器製品の製造方法。
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