JP3919344B2 - テラヘルツ波発生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、周波数1THz(テラヘルツ)周辺の電磁波であるテラヘルツ波発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周波数1THz(テラヘルツ)周辺の電磁波領域(テラヘルツ波領域、例えばおよそ100GHz〜10THzの周波数領域を指す)は、光波と電波の境界に位置する周波数領域である。このような周波数領域は光源や検出器などの開発が比較的遅れており、技術面でも応用面でも未開拓の部分が多い。特に、産業上の応用という点から言えば、小型かつ簡便な光源であるテラヘルツ波発生装置が不可欠であるが、近年、光スイッチ素子を用いたそのような光源の開発が進められつつある。電気回路の発振器による方法ではテラヘルツ波領域の電磁波発生は難しいが、パルス状の光を用いて電流を変調することによって、この領域の電磁波発生の光源を実現することができる(文献として、例えば「レーザー学会研究会報告RTM−96−7 p.39-44 (1996)」、「光学26巻2号 p.86-92 (1997)」がある)。
【0003】
図15に、テラヘルツ波発生に従来用いられている光スイッチ素子1の一例の構成図を示す。この光スイッチ素子1では、GaAsなど高速応答する半導体の基板15と低温成長GaAsなどの光伝導薄膜16上に伝送線路12a及び12bからなる平行伝送線路12が形成され、その中央部分に微少ダイポールアンテナからなる単一の光スイッチ10が設けられている。光スイッチ10の中央には、例えば数μm程度の微少なギャップ11があり、ギャップ11には直流電源21によって適当な電圧が印加される。このギャップ11間に半導体のバンドギャップよりも高いエネルギーのレーザ光を光パルスとして入射すると、半導体中に自由キャリアが生成されてパルス状の電流が流れ、このパルス状の電流によってテラヘルツ波が発生される。
【0004】
また、N個の光スイッチからなる光スイッチアレイを配置することによって、周波数f0 の入射光パルスから周波数Nf0 のテラヘルツ波を発生する装置がUS5401953号公報に示されている。図16にそのような光スイッチ素子1の構成図を示す。この光スイッチ素子1は、光パルスの入射面が角度θで傾斜したくさび型である、特定の屈折率を有する光学媒体50の上に形成され、複数の光スイッチ10が間隔Dで並列に接続されて設けられている。このような構成により各光スイッチ10について、光パルス光源3から入射する光パルスに対する光伝達時間、及び光スイッチ10から出力端17までの電流伝達時間が異なるものとなる。これら光伝達時間と電流伝達時間の和による遅延時間が各スイッチ毎に生じるので、入射する周波数f0 の光パルスから、周波数Nf0 のテラヘルツ波を発生させることができる。なお、このUS5401953号公報には、くさび型の光学媒体50を用いる方法の他にも、各光スイッチに対して異なる遅延時間を発生するいくつかの方法が示されている。また、光スイッチの個数については、必ずしもN個である必要はない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、光スイッチアレイを用いた上記の装置の場合、すべての光スイッチに同じ電圧が印加されるので、得られるテラヘルツ波の周波数スペクトルは限られたものとなる。特に、テラヘルツ波の周波数等を変更する場合には、例えば上記した遅延時間を変えなくてはならない。この場合、光学媒体50を変更するか、もしくは光スイッチ10の配列を変更することになり、装置の構成を変えなくてはならないので、テラヘルツ波の周波数スペクトルの切り換えを容易には行うことができない。
【0006】
本発明は、特定の周波数スペクトルを有するテラヘルツ波を高い効率で発生することができ、かつ容易に周波数スペクトルの切り換えを行うことができるテラヘルツ波発生装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明による請求項1に記載のテラヘルツ波発生装置は、光パルスを発生させる光パルス光源と、複数の光スイッチからなる光スイッチアレイを有する光スイッチ素子を備えたテラヘルツ波発生装置であって、複数の光スイッチに対応して光パルスをそれぞれ分割・伝達させる光パルス発生手段と、複数の光スイッチに入射される光パルスにそれぞれ特定の遅延時間を与える光パルス遅延手段と、複数の光スイッチにそれぞれ印加される電圧の値及び極性を制御する電圧制御手段とを有することを特徴とする。
【0008】
複数の光スイッチによる光スイッチアレイを有する光スイッチ素子を用いたテラヘルツ波発生装置において、入射する光パルスに与えられる遅延時間を光パルス遅延手段によって各光スイッチに対して異なる値に設定することによって、特定の周波数領域のテラヘルツ波を効率良く発生させることができる。このような装置において、さらに光スイッチに印加する電圧の値及び極性を制御・変更できるような電圧制御手段を設置して、電圧の切り換えを行うことによって、得られるテラヘルツ波の周波数スペクトルを容易に切り換えることが可能になる。
【0009】
また、請求項2に記載のテラヘルツ波発生装置は、請求項1記載のテラヘルツ波発生装置において、光スイッチ素子の光スイッチアレイは、複数列からなる2次元アレイ状に構成されていることを特徴とする。
【0010】
光スイッチがテラヘルツ波を発生・出力するためのアンテナを兼ねる構成において、1次元の光スイッチアレイではなく、2列以上の複数列からなる2次元アレイ状の光スイッチアレイの配列とすることによって、テラヘルツ波の発生・出力位置が1次元的に広がることを防いで、より点光源に近いテラヘルツ波発生装置を実現することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明によるテラヘルツ波発生装置の好適な実施形態について詳細に説明する。図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0012】
図1に、本発明に係るテラヘルツ波発生装置に用いられる、1×6アレイでの光スイッチアレイを用いた光スイッチ素子及び電圧制御手段の一実施形態の構成図を示す。この実施形態における光スイッチ素子1は、伝送線路12a及び12bからなる平行伝送線路12と、伝送線路12a及び12bの間に設置された微少ダイポールアンテナからなる6つの光スイッチ10a〜10fとから構成されている。伝送線路12aはすべての光スイッチ10a〜10fに対して共通に接続されており、リード線20によって電圧制御手段である電圧制御装置2に接続されている。一方、伝送線路12bは各々の光スイッチ10a〜10fに対して分割されており、各々がリード線20a〜20fによって電圧制御装置2に接続されている。このような構成によって、電圧制御装置2により光スイッチ10a〜10fに印加される電圧を各々別個に設定・制御することができる。なお、光スイッチ素子に用いられる基板等については従来と同様のものを用いている。
【0013】
各光スイッチ10a〜10fは、テラヘルツ波を出力するアンテナとしての機能も有しており、図15に単一の光スイッチに関して示したテラヘルツ波の発生機構と同様に、光パルス光源(図示していない)からの光パルスが入射するとパルス状の電流が流れて、それによって各光スイッチ10a〜10fからテラヘルツ波が発生・出力される。
【0014】
本実施形態における電圧制御装置2は、直流電源21a、21b及び21cと、スイッチ22とから構成されている。伝送線路12aはアース接続されている。一方、光スイッチ10a、10c及び10eの伝送線路12b側の端子は、同一の直流電源21aに接続されて、同一の電圧が供給されている。また、光スイッチ10b、10d及び10fの伝送線路12b側の端子は、スイッチ22に接続されており、電圧極性が反対になるように接続されている直流電源21b及び21cのいずれかに接続し、また、その接続を切り換えることによって、供給される電圧の極性を切り換えることができるように設定されている。なお、スイッチ22は、例えば切り換え制御回路25によって制御される構成としても良い。
【0015】
図2に、本発明に係るテラヘルツ波発生装置に用いられる、2×3アレイでの光スイッチアレイを用いた光スイッチ素子及び電圧制御手段の一実施形態の構成図を示す。この実施形態における光スイッチ素子1は、伝送線路12a、12b及び12cからなる平行伝送線路12と、微少ダイポールアンテナからなる6つの光スイッチ10a〜10fとから構成されている。光スイッチ10a〜10fは、光スイッチ10a、10b及び10cが伝送線路12a及び12bの間に、光スイッチ10d、10e及び10fが伝送線路12b及び12cの間に設置されている。また、本実施形態においては各々の伝送線路12a、12b及び12cは分割されておらず、各々リード線20a、20b及び20cによって電圧制御装置2に接続されている。
【0016】
光スイッチがテラヘルツ波を出力するアンテナを兼ねる構成とする場合、複数の光スイッチによる光スイッチアレイを用いることによって光源位置が1次元的に広がるが、光スイッチの配列を1次元の光スイッチアレイではなく、図2に示したような2次元アレイ状の光スイッチアレイとすることによって、テラヘルツ波の発生・出力位置の範囲を狭くして、より点光源に近いテラヘルツ波発生装置を実現することができる。
【0017】
本実施形態における電圧制御装置2は、直流電源21a、21b及び21cと、スイッチ22とから構成されている。伝送線路12bはアース接続されている。一方、光スイッチ10a、10b及び10cが接続されている伝送線路12aは、直流電源21aに接続されている。また、光スイッチ10d、10e及び10fが接続されている伝送線路12cは、スイッチ22に接続されており、電圧極性が反対になるように接続されている直流電源21b及び21cのいずれかに接続し、また、その接続を切り換えることによって、供給される電圧の極性を切り換えることができるように設定されている。なお、スイッチ22は、例えば切り換え制御回路25によって制御される構成としても良い。
【0018】
なお、図1及び図2に示した光スイッチ素子における、複数の光スイッチからなる光スイッチアレイの構成については、このようなものに限られるものではなく、入射される光パルスの周波数や必要な時間分割数等に対応して、様々な構成とすることが可能である。また、図1及び図2に示した光スイッチ素子に対する電圧制御装置についても、図1及び図2に示したスイッチを用いたものに限らず、様々な形態のものが可能である。図3に、図1に示したものと同様の1×6アレイの光スイッチアレイによる光スイッチ素子1に適用される電圧制御装置2の他の実施形態を示した。本実施形態では、光スイッチ10a〜10fに対応する伝送線路12bの各部分は、各々可変電圧電源である直流電源21a〜21fに接続されている。直流電源21a〜21fは電圧の値及び極性を変更可能なものであって、各々の電圧の値及び極性の設定は切り換え制御回路25によって制御されている。これによって、光スイッチ10a〜10fに対する、極性を含めた各々の電圧値Va、Vb、Vc、Vd、Ve及びVfを、目的に応じて別個かつ任意に設定または変更することができる。
【0019】
これらの直流電源21a〜21fは、例えば2つの可変電圧直流電源と、極性切り換えのスイッチによって構成しても良い。また、極性の切り換えをファンクション発振器のような装置を用いて行えば、スイッチの切り換えは例えばkHz〜MHz程度、もしくはそれ以上の高速での切り換えが可能である。このような高速での切り換えが可能であることは、テラヘルツ波発生装置の様々な応用において重要である。また、切り換え制御回路25は、外部の装置、例えば測定系全体を制御するコンピュータ、による制御をさらに受ける構成としても良い。
【0020】
本発明によるテラヘルツ波発生装置は、上記したような構成を有する光スイッチ素子及び電圧制御手段と、光パルス光源と、光パルス発生手段と、光パルス遅延手段とを有して構成される。このような構成において、光スイッチ素子の各光スイッチに対する光パルスは、光パルス光源からの光パルスを各光スイッチに対応して分割・伝達する光パルス発生手段と、各々の光スイッチに入射される光パルスに対して特定の遅延時間を与えるための光パルス遅延手段とによって、入射される。図4に、それらの手段を備えたテラヘルツ波発生装置の一実施形態を、光スイッチ素子1として図1または図3に示したものを用いた場合について示す。本実施形態においては、光パルス発生手段4は、レンズ系41と、各々同じ長さ(光路長)を有する光ファイバ42a〜42fと、コリメートレンズ43a〜43fとから構成される。光パルス光源3から出射された光パルスは、レンズ系41によって光ファイバ42a〜42fに分割・入射される。光ファイバ42a〜42fによって伝達された光パルスは、各々コリメートレンズ43a〜43fによって収束されて、光パルス遅延手段5に入射される。
【0021】
光パルス遅延手段5は、光学媒体50a〜50fから構成される。これらの光学媒体50a〜50fは、光スイッチ素子1の光スイッチ10a〜10fに各々対応して設置されている。光学媒体50a〜50fの長さは別個に設定され、その長さは各々la〜lfである。このように、互いに異なる長さの特定の屈折率を有する光学媒体を各光スイッチに対して用いることによって、各光スイッチに入射される光パルスに対して各々異なる遅延時間を与えることができる。これらの長さは、例えば一定の周波数でテラヘルツ波を生成するために、適当な基準長lによってla=l、lb=2l、lc=3l、ld=4l、le=5l、lf=6lのように設定される。このとき、光学媒体50a〜50fの屈折率をn、光の速度をcとして、隣り合う光スイッチの光路差は(n−1)l、遅延時間差は(n−1)l/cとなる。なお、この長さの設定については、上記のような隣り合う光スイッチに対する遅延時間差がすべて等しいものに限られるものではなく、目的とするテラヘルツ波によって様々な構成とすることが可能である。また、必要があれば、光学媒体50a〜50fと、光スイッチ10a〜10fとの間に、光パルスの収束または集光のためのレンズ系等を設置しても良い。
【0022】
光パルス発生手段4及び光パルス遅延手段5については、図4に示したものに限ることなく、様々な装置・手段が適用可能である。例えば、光パルス遅延手段については各々に別個の光学媒体を設置するのではなく、エシュロン状に一体に加工された光学媒体や、連続的に光路長が変化するくさび型に加工された光学媒体を使用しても良い。また、ファブリペローエタロン等を用いて、反射回数によって異なる遅延時間を与える構成とすることも可能である。ファブリペローエタロンについては、必要があれば2つのガラスを平行でないように設置して用いても良い。なお、いずれの場合も、各々特定の遅延時間を与えられた光パルスに対して、光パルスの収束または集光のためのレンズ系等を設置しても良い。
【0023】
また、光パルス発生手段についても、光ファイバを用いず、拡大光学系によって入射光パルスの断面積を拡大した後、レンズまたはミラー等による分割光学系によって各々の光スイッチに対する光パルスに分割・収束して、光ファイバ等を介さずに直接光パルス遅延手段に入射する構成としても良い。また、例えばくさび型の光学媒体を光パルス遅延手段として用いた場合などには、光パルスを分割せずに充分な広さに拡大したのちに光学媒体に入射させ、特定の遅延時間差分布を有する光パルスとして光スイッチアレイに照射しても良い。また、光パルス遅延手段が光パルス発生手段をも兼ねる構成とすることも可能である。
【0024】
以下に、本発明によるテラヘルツ波発生装置による、発生するテラヘルツ波の周波数スペクトル及びその切り換えについて説明する。なお、以下に示すテラヘルツ波の時間波形及び周波数スペクトルは、シミュレーションによる計算結果である。入射する光パルスのパルス幅は50fs程度の充分に狭い時間幅を想定している。また、テラヘルツ波の時間波形の計算点の間隔は約49fsとし、入射パルス光の繰り返し周期は50ps(20GHz)とした。ただし、時間波形における計算点は、必要な点のみを図示している。
【0025】
図5は、図15に示した単一の光スイッチによる従来のテラヘルツ波発生装置に光パルスを入射したときに得られるテラヘルツ波を示し、(a)はその時間波形、(b)は時間波形を高速フーリエ変換(FFT)して得られる周波数スペクトルである。このとき得られる図5(a)に示されたテラヘルツ波の時間波形では、発生したテラヘルツ波の半値幅はおよそ98fsである。このような時間波形による図5(b)に示された周波数スペクトルは、約1.5THzを中心とする広いスペクトル分布を有している。
【0026】
図6は本発明によるテラヘルツ波発生装置についての第1の実施例を示し、図1に示した1×6アレイでの光スイッチアレイを用いた光スイッチ素子1において、光スイッチ10a及び10bの2つの光スイッチに対して同じ極性の電圧を印加し、2つの光スイッチ間の遅延時間差を約781fsに設定して光パルスを入射したときに、得られるテラヘルツ波を示している。図6(a)に示す時間波形では、約781fsの間隔で、2つのテラヘルツ波パルスが発生している。このような時間波形による図6(b)に示す周波数スペクトルは、約1.3THz付近で強度が最大の広いピークを有し、また、そのほぼ倍の周波数領域でも大きい強度が得られている。
【0027】
図7は本発明によるテラヘルツ波発生装置についての第2の実施例を示し、図6とほぼ同様の条件であるが、光スイッチ10bに印加される電圧の極性を、光スイッチ10aに印加される電圧の極性に対して反転したときに、得られるテラヘルツ波を示している。このとき、図7(a)に示す時間波形では、2つ目のテラヘルツ波パルスが、印加電圧の極性反転によって反転している。このような時間波形による図7(b)に示す周波数スペクトルは、図6(b)とは反対に、約1.3THz付近及びそのほぼ倍の周波数で強度が0になっており、その中間の約1.9THz付近で強度が最大の広いピークを有し、また約0.7THz付近も大きい強度のピークになっている。すなわち、図6(b)に示した周波数スペクトルに対して、ピークの位置がピークの間隔のほぼ1/2ずれており、強度分布が反転している。このように、光スイッチ10bに与えられる電圧の極性を反転したことによって、得られるテラヘルツ波の周波数スペクトルを切り換えることができる。
【0028】
図8は本発明によるテラヘルツ波発生装置についての第3の実施例を示し、図1に示した1×6アレイでの光スイッチアレイを用いた光スイッチ素子1において、光スイッチ10a〜10fの6つの光スイッチに対して同じ極性の電圧を印加し、隣り合う光スイッチ間の遅延時間差を各々約781fsに設定して光パルスを入射したときに、得られるテラヘルツ波を示している。このときには、図8(b)に示す得られる周波数スペクトルにおける各々のピークの幅が小さくなっており、約1.3THz、約2.5THz、及びさらに高い周波数領域に特に強度の大きいピークが得られている。
【0029】
図9は本発明によるテラヘルツ波発生装置についての第4の実施例を示し、図8とほぼ同様の条件であるが、光スイッチ10b、10d及び10fに印加される電圧の極性を、光スイッチ10a、10c及び10eに印加される電圧の極性に対して反転したときに、得られるテラヘルツ波を示している。この場合も図8(b)に示したものと同様にピークの幅は小さく、約0.7THz、約1.9THz、及びさらに高い周波数領域に特に強度の大きいピークが得られている。
【0030】
テラヘルツ波の周波数スペクトルは、テラヘルツ波発生の条件を変更することによって、さらに様々に変えることができる。図10は本発明によるテラヘルツ波発生装置についての第5の実施例を示し、図6とほぼ同様の条件によるものであり、図1に示した1×6アレイでの光スイッチアレイを用いた光スイッチ素子1において、光スイッチ10a及び10bの2つの光スイッチに対して同じ極性の電圧を印加しているが、2つの光スイッチ間の遅延時間差を図6における約781fsから、4倍の約3124fsに設定して光パルスを入射したときに、得られるテラヘルツ波を示している。図10(a)に示す時間波形では、約3124fsの間隔で、2つのテラヘルツ波パルスが発生している。このような時間波形による図10(b)に示す周波数スペクトルは、図6(b)に示したものに比べて、各々のピークの幅がほぼ1/4に狭くなっている。
【0031】
図11は本発明によるテラヘルツ波発生装置についての第6の実施例を示し、図10とほぼ同様の条件であるが、光スイッチ10bに印加される電圧の極性を、光スイッチ10aに印加される電圧の極性に対して反転したときに、得られるテラヘルツ波を示している。すなわち、図7の場合に対して、遅延時間差を4倍の3124fsに変更した場合に相当する。この場合も図10(b)に示したものと同様に、図7(b)に示したものに比べて、各々のピークの幅がほぼ1/4に狭くなっている。なお、図10及び図11における周波数スペクトルの強度分布の反転については、図6及び図7の場合と同様である。
【0032】
また、各光スイッチに供給される電圧についても、電圧の極性のみでなく、電圧値をも変更することによって、さらに様々な周波数スペクトルを有するテラヘルツ波を得ることができる。図12は本発明によるテラヘルツ波発生装置についての第7の実施例として、そのようなテラヘルツ波の一例を示す。ここでは、図3に示す光スイッチ素子1を図4に示すテラヘルツ波発生装置に適用し、光スイッチ10a〜10fに供給される電圧値を、各々Va=+1V、Vb=+2V、Vc=+1V、Vd=−1V、Ve=−2V、Vf=−1Vに設定し、光スイッチ10a〜10fに入射される光パルスに遅延時間を与える光学媒体50a〜50fの長さを、各々la=l、lb=2l、lc=3l、ld=5l、le=6l、lf=7lに設定した。なおこのとき、光学媒体50a〜50fの長さは、隣り合う光スイッチ10a及び10bに入射する光パルスの遅延時間差が約781fsになるように基準長lが設定されている。このように、各光スイッチに設定される電圧の値及び極性、及び入射する光パルスに与えられる遅延時間を変更することによって、目的に応じて様々な周波数スペクトルのテラヘルツ波を発生することが可能である。
【0033】
本発明によるテラヘルツ波発生装置によれば、各光スイッチに供給される電圧の極性等を切り換えることによって、例えば強度分布が反転したまったく異なる周波数スペクトルを有するテラヘルツ波を発生することができる。この切り換えは、前述したように、用いるスイッチによって非常に高速に行うことが可能である。本発明によるテラヘルツ波発生装置の応用例として、例えば、このような周波数スペクトル切り換えについての特性を利用することによって、従来とは異なるテラヘルツ波分光器を実現することができる。
【0034】
図13に、本発明によるテラヘルツ波発生装置を用いたテラヘルツ波分光器の一実施形態の構成を示す。なお、分光器の基本的な構成については、「光学26巻2号 p.86-92 (1997)」に示されているものとほぼ同様である。
【0035】
光パルス光源であるパルスレーザ3aから出射された光パルスは、反射ミラー31によって反射されて、光パルス発生手段4に入射される。光パルス発生手段4で分割・伝達された光パルスは、光パルス遅延手段5に入射されて各光スイッチに入射する光パルスに対して特定の遅延時間が与えられ、複数の光スイッチからなる光スイッチアレイを有する光スイッチ素子1に入射されて、テラヘルツ波が発生される。光スイッチ素子1の各光スイッチに印加される電圧の値及び極性は、電圧制御装置2によって制御されている。
【0036】
発生したテラヘルツ波は、出射レンズ64及び軸外し放物面ミラー65によってサンプル61aが入ったサンプルセル61に入射・通過し、軸外し放物面ミラー66及び受信レンズ67によって、受信用光スイッチ素子6aに収束・照射される。なお、出射系及び受信系は外囲容器62及び63の内部に設置され、外囲容器62及び63の内部は、テラヘルツ波の伝搬中における空気中の水蒸気による吸収を除くために、真空にするかまたは乾燥窒素で満たしてある。また、入射光パルスはハーフミラー33によって分岐され、タイミング調整ミラー34及び可動であるタイミング調整ミラー35によってタイミングを調整された後、反射ミラー32を介して測定のための検出光として、受信用光スイッチ素子6aに入射される。なお、サンプル61aによる吸収のみを測定によって知るため、サンプルセル61を空にしたときのセルのみによる測定を事前に行っておき、そのデータと、サンプル61aを入れたときのデータとの差から、サンプル61aによる吸収を決定する。
【0037】
ここで、例として光スイッチ素子1及び電圧制御装置2として図1に示したものを用い、隣り合う光スイッチ間の遅延時間差を781fsとして、図8または図9に示したテラヘルツ波を発生させた場合について述べる。このとき、光スイッチ10b、10d及び10fに印加される電圧の極性を、光スイッチ10a、10c及び10eに印加される電圧の極性と同じにしたときに、図8に示す1.3THz及び2.5THzにピークを持つテラヘルツ波が、また、極性を反転したときに、図9に示す0.7THz及び1.9THzにピークを持つテラヘルツ波が光スイッチ素子1から出射される。
【0038】
受信用光スイッチ素子6aによって受信されたテラヘルツ波は、電流として電流計71によって読み出され、ロックインアンプ72を介して処理装置73に入力される。処理装置73は、入力されたデータを表示・記録するなどの必要な処理を行うものである。光スイッチに与えられる電圧の極性切り換えは、電圧制御装置2によって行われるが、この切り換えについての参照信号は、図13に示すようにロックインアンプ72にも与えられている。これによって、ロックインアンプ72は参照信号に同期して検出を行う。
【0039】
このとき、サンプル61aが例えば1.3THzのテラヘルツ波に対して顕著な吸収を示す物質である場合を考えると、このようなサンプル61aは極性を切り換えたときにまったく異なる吸収特性を示す。すなわち、極性を同じにしたときには1.3THzのテラヘルツ波を大きく減衰させるのに対して、極性を反転したときには0.7THz及び1.9THzのテラヘルツ波をあまり減衰させずに透過させる。このように、まったく異なる吸収特性を示す周波数帯についての測定を、装置を変更することなく電圧を切り換えることのみで連続して行い、それらに対する応答を調べることによって、短時間でより確実なサンプルに関する測定を行うことが可能となる。このような分光測定は、本発明によるテラヘルツ波発生装置によってはじめて可能になるものである。
【0040】
図14に、本発明によるテラヘルツ波発生装置を用いたテラヘルツ波分光器の他の実施形態の構成を示す。本実施形態においては、テラヘルツ波の受信にボロメータ6bを用いていることを特徴としている。ボロメータ6bは熱型の光強度検出器であり、受信したテラヘルツ波をボロメータ6bの温度上昇として検出する。この場合、テラヘルツ波の周波数に関する情報等は得ることができず、受信したテラヘルツ波強度のみが得られる。ボロメータ6bの時間応答は、例えば光スイッチに比べて遅いが、その応答時間に合わせて電圧制御装置2による電圧の極性切り換えを行い、電圧制御装置2からの参照信号をロックインアンプ72に与えることによって、その電圧極性切り換え前後でのボロメータ6bの出力差を効率的に計測することができる。
【0041】
なお、図13及び図14に示したテラヘルツ波分光器において、出射レンズ64、軸外し放物面ミラー65、66及び受信レンズ67からなる光学系の構成については、このような構成に限られるものではなく、サンプルセル61の設置方法等の装置構成に応じて、異なる構成としても良い。
【0042】
本発明によるテラヘルツ波発生装置の応用は、図13及び図14に示したテラヘルツ波分光器に限ることなく、様々な装置に対して適用が可能である。また、テラヘルツ波の測定方法についても、光スイッチ素子及びボロメータに限られず、目的に応じて様々な測定方法及び装置を用いることができる。例えば、ZnTe結晶などの電気光学結晶の屈折率がテラヘルツ波を照射することによって変化する電気光学効果(EO効果、Electro Optic effect)を利用するEOサンプリング法を用いることが可能である。例えば、テラヘルツ波が入射されている電気光学結晶に読み出し光を入射・透過させ、その出力像をCCDカメラなどによって測定することにより、電気光学結晶の屈折率の変化によって変調された読み出し光によって、電気光学結晶を通過したテラヘルツ波のビームプロファイルを得ることができる。
【0043】
【発明の効果】
本発明によるテラヘルツ波は、以上詳細に説明したように、次のような効果を得る。すなわち、光スイッチ素子に設けられた複数の光スイッチに対して印加する電圧の値及び極性を切り換えることができる電圧制御手段を備えることによって、光パルスを照射したときに得られるテラヘルツ波の周波数スペクトルを容易に切り換えることができるテラヘルツ波発生装置を実現できる。また、光スイッチアレイを1次元ではなく複数列からなる2次元アレイに配列することによって、テラヘルツ波の発生・出力位置を狭くして、より点光源に近いテラヘルツ波発生装置とすることができる。
【0044】
特に周波数スペクトルの切り換えについて優れた特性を有するこのようなテラヘルツ波発生装置は、例えば確実かつ効率的にサンプルの分析を行うことができるテラヘルツ波分光器など、テラヘルツ波を用いた様々な装置等に応用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る1×6アレイでの光スイッチ素子及び電圧制御装置の一実施形態を示す構成図である。
【図2】本発明に係る2×3アレイでの光スイッチ素子及び電圧制御装置の一実施形態を示す構成図である。
【図3】本発明に係る1×6アレイでの光スイッチ素子及び電圧制御装置の他の実施形態を示す構成図である。
【図4】本発明に係るテラヘルツ波発生装置の一実施形態を示す構成図である。
【図5】従来のテラヘルツ波発生装置によって得られるテラヘルツ波の周波数特性を示すグラフであり、(a)は時間波形、(b)は周波数スペクトルを示す。
【図6】本発明によるテラヘルツ波発生装置の第1の実施例におけるテラヘルツ波の周波数特性を示すグラフである。
【図7】本発明によるテラヘルツ波発生装置の第2の実施例におけるテラヘルツ波の周波数特性を示すグラフである。
【図8】本発明によるテラヘルツ波発生装置の第3の実施例におけるテラヘルツ波の周波数特性を示すグラフである。
【図9】本発明によるテラヘルツ波発生装置の第4の実施例におけるテラヘルツ波の周波数特性を示すグラフである。
【図10】本発明によるテラヘルツ波発生装置の第5の実施例におけるテラヘルツ波の周波数特性を示すグラフである。
【図11】本発明によるテラヘルツ波発生装置の第6の実施例におけるテラヘルツ波の周波数特性を示すグラフである。
【図12】本発明によるテラヘルツ波発生装置の第7の実施例におけるテラヘルツ波の周波数特性を示すグラフである。
【図13】本発明によるテラヘルツ波発生装置を用いたテラヘルツ波分光器の一実施形態を示す構成図である。
【図14】本発明によるテラヘルツ波発生装置を用いたテラヘルツ波分光器の他の実施形態を示す構成図である。
【図15】単一の光スイッチによる従来のテラヘルツ波発生装置の一例を示す構成図である。
【図16】複数の光スイッチによる従来のテラヘルツ波発生装置の一例を示す構成図である。
【符号の説明】
1…光スイッチ素子、10、10a〜10f…光スイッチ、11…ギャップ、12…平行伝送線路、12a〜12c…伝送線路、15…基板、16…光伝導薄膜、17…出力端
2…電圧制御装置、20、20a〜20f…リード線、21、21a〜21f…直流電源、22…スイッチ、25…切り換え制御回路、
3…光パルス光源、3a…パルスレーザ、31、32…反射ミラー、33…ハーフミラー、34、35…タイミング調整ミラー、
4…光パルス発生手段、41…レンズ系、42a〜42f…光ファイバ、43a〜43f…コリメートレンズ、
5…光パルス遅延手段、50、50a〜50f…光学媒体、
6a…受信用光スイッチ素子、6b…ボロメータ、61…サンプルセル、61a…サンプル、62、63…外囲容器、64…出射レンズ、65、66…軸外し放物面ミラー、67…受信レンズ、
71…電流計、72…ロックインアンプ、73…処理装置。
Claims (2)
- 光パルスを発生させる光パルス光源と、複数の光スイッチからなる光スイッチアレイを有する光スイッチ素子を備えたテラヘルツ波発生装置であって、
前記複数の光スイッチに対応して前記光パルスをそれぞれ分割・伝達させる光パルス発生手段と、前記複数の光スイッチに入射される前記光パルスにそれぞれ特定の遅延時間を与える光パルス遅延手段と、前記複数の光スイッチにそれぞれ印加される電圧の値及び極性を制御する電圧制御手段とを有することを特徴とするテラヘルツ波発生装置。 - 前記光スイッチ素子の前記光スイッチアレイは、複数列からなる2次元アレイ状に構成されていることを特徴とする請求項1記載のテラヘルツ波発生装置。
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