JP3919197B2 - フレームアレスタ - Google Patents

Description

本発明はフレームアレスタに関し、例えば可燃性ガスの流路、例えば通気装置の開放端や配管途中等に設置され、外部からの火炎の侵入を防止して爆燃を防いだり、爆轟を防止するのに最適に使用するものである。

従来、可燃性ガスの流路、例えば通気装置の開放端や配管途中等に設置され、外部（例えば下流側）からの火炎の侵入を防止し、火炎伝搬速度が音速を超えない直前の爆燃を防いだり、火炎伝搬速度が音速を超えて衝撃波を伴った爆轟を防止するためのフレームアレスタとしては、金属薄板製リボンを波板状に屈曲形成した波形リボンと金属薄板製の平形リボンとを重合した形態で該平形リボンの一端を円筒巻芯に係止し、これを渦巻状に巻いてエレメントを形成した、いわゆるクリンプリボン式のものがあった（例えば、特許文献１参照）。

しかしながら、特許文献１に記載の上記従来のフレームアレスタは、可燃性ガスを通過させるために波板状に屈曲した金属薄板製リボンと金属薄板製の平形リボンとを重合した形態で該平形リボンの一端を円筒巻芯に係止し、これを渦巻状に巻いてエレメントを形成するものなので、波板状の金属薄板製リボンと平形リボンとにより形成されるガス通過部分となる隙間の管理に多くの労力と手間がかかっていた。そして、一度このスペーサの間隙が目詰まりしてしまうと、分解が容易には行えないため、この目詰まりを取り除くのが困難であった。しかも、一度、分解してしまうと、掃除後に、隙間を一定の大きさに維持した状態で再組立を行うのが面倒であった。

また、上記従来のフレームアレスタは、消炎能力を向上するためには、エレメントを構成する波板状の金属薄板製リボンと平形リボンとの幅を広く確保しなければならないが、エレメントの幅を広くすると可燃性ガスが間隙を通過する時の圧力損失が増加する。

さらには、上記従来のフレームアレスタは、可燃性ガスを通過させるとともに外部からの火炎の侵入を防止して爆燃を防いだり、爆轟を防止するための小さな形状の隙間を加工製作するのが困難であり、製作精度に欠け、製作、組立が容易には行えないという不都合があった。

本発明は上記従来の欠点を解決し、ガス通過部分としてのスリットの管理が労力と手間を要せずに簡単かつ確実に行え、以て可燃性ガスを通過させるとともに外部からの火炎の侵入を防止して爆燃を防いだり、爆轟を防止し、摩擦損失が少なく、また、エレメントの分解および組立が簡単かつ確実に行え、仮にスリットが目詰まりした場合の掃除が容易かつ確実に行え、製作精度が向上し、製作、組立が容易に行えるフレームアレスタを提供することを目的とする。

本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、請求項１に記載の発明は、可燃性ガスの配管内に設置して下流側で発生した火焔の上流側への逆流を阻止するようにしたフレームアレスタにおいて、多数のリング状プレートを各リング状プレート間にスリットが形成されるようにスペーサを介して積層することにより周壁が積層体からなる筒状エレメントを構成し、該筒状エレメントの一方の開口端を閉止するとともに他方の開口端を上流側に接続し、前記リング状プレートは、可燃性ガスに対する圧力損失を調整可能に重合する設置枚数を増減可能に設けられ、前記スペーサは、可燃性ガスの種類に応じて厚さを加減することにより前記スリットの幅を調整可能に設けられた、ことを特徴とするという手段を採用した。

また、本発明の請求項２に記載の発明は、請求項１において、鍔を有する接合管よりなる継手部材を上流側と下流側とに対向して設け、該継手部材間に前記筒状エレメントを内部に取付けた略筒状のフレームを配置して挟持したことを特徴とするという手段を採用した。

本発明は、ガス通過部分としてのスリットの管理が労力と手間を要せずに簡単かつ確実に行え、以て可燃性ガスを通過させるとともに外部からの火炎の侵入を防止して爆燃を防いだり、爆轟を防止し、摩擦損失が少なく、また、エレメントの分解および組立が簡単かつ確実に行え、仮にスリットが目詰まりした場合の掃除が容易かつ確実に行え、製作精度が向上し、製作、組立が容易に行える。

以下図面に従い、本発明を実施するための最良の形態につき詳細を説明する。

図１は本発明のフレームアレスタの実施形態１を示す断面図、図２は図１の円Ａ内の拡大断面図である。

本実施形態１のフレームアレスタ１は、可燃性ガスＧの配管Ｋ内に設置して下流側Ｃ２で発生した火焔の上流側Ｃ１への逆流を阻止するようにしたフレームアレスタ１において、多数のリング状プレート２を各リング状プレート２間に周方向へスリットＳが形成されるようにスペーサ３を介して積層することにより周壁が積層体からなる筒状エレメントＥを構成し、該筒状エレメントＥの一方の開口端ａを閉止するとともに他方の開口端ｂを上流側Ｃ１に接続した。

そして、本実施形態１のフレームアレスタ１は、可燃性ガスＧの流路、例えば通気装置の開放端や配管Ｋ途中等に設置され、下流側Ｃ２で発生した火焔の上流側Ｃ１への逆流を防止して爆燃を防いだり、爆轟を防止する個所に設置される。

前記リング状プレート２は、金属板が用いられる。このリング状プレート２は、可燃性ガスＧに対する圧力損失を調整するのには、重合する設置枚数を増減変化することにより調整する。

前記スペーサ３は、例えば金属板、最適にはステンレス板により形成される。このスペーサ３は、可燃性ガスＧの下流側Ｃ２（二次側）で万が一可燃性ガスＧが着火した時に消炎し、災害を防止するのと、このスペーサ３により形成されるスリットＳの幅の調整を行うのには、可燃性ガスＧの種類に応じて厚さｔを加減することにより調整を行う。

５は前記筒状エレメントＥを止着部品４により着脱自在に内部に取付けた略筒状のフレームである。

６,６′は鍔６ａ,６ａ′を有する継手部材Ｊ,Ｊ′としての接合管であり、この接合管６,６′は、上流側Ｃ１と下流側Ｃ２とに対向して設けられる。そして、該継手部材Ｊ,Ｊ′としての接合管６,６′間に前記筒状エレメントＥを内部に取付けた略筒状の前記フレーム５を配置することにより挟持した。

７,７′は前記接合管６,６′と前記フレーム５の前端および後端との間に介装されたリング状のガスケット７,７′である。

８は前記接合管６,６′の鍔６ａ,６ａ′相互を緊締するために、該鍔６ａ,６ａ′に複数個所に配挿された複数本のボルト８であり、９は該ボルト８の両端に設けるねじ部に螺合されるナットである。

１０は前述のように筒状エレメントＥの一方の開口端ａを閉止するための中心孔がない円盤であり、この円盤１０は前記リング状プレート２と前記スペーサ３との重合終端に重合されるものである。１１は前記リング状プレート２と前記スペーサ３とよりなる筒状エレメントＥと、前記円盤１０とを前記フレーム５内に前記止着部材４により取付けて可燃性ガスＧの通路Ｔを有する配管Ｋ内に配置するために、前記フレーム５内に溶着された内鍔部である。

そして、前記止着部材４は、前記内鍔部１１に軸方向Ｉへ設けたボルト１２とナット１３とにより形成される。

本実施形態１のフレームアレスタ１は以上の構成からなり、可燃性ガスＧの配管Ｋ内、例えば通気装置の開放端や配管Ｋの途中等に、多数のリング状プレート２を各リング状プレート２間にスリットＳが形成されるようにスペーサ３を介して積層することにより周壁が積層体からなる一方の開口端ａを円盤１０により閉止すると共に他方の開口端ｂを上流側Ｃ１に接続するように配置される。

そして、可燃性ガスＧが、上流側Ｃ１（図１において下側の管路）からフレームアレスタ１に流入されて来ると、フレームアレスタ１は交互に重合されるリング状プレート２とスペーサ３とよりなる筒状エレメントＥが止着部材４によりフレーム５に着脱可能に取付けられているので、高圧の可燃性ガスＧは通路Ｔの上流側Ｃ１からフレームアレスタ１のリング状プレート２の内周側に流入し、リング状プレート２との間に介装されたスリットＳを通り抜けて外周側へと流出し、下流側Ｃ２（図１の上方側）へと流れる。

この際、高圧の可燃性ガスＧはリング状プレート２の外周側へスリットＳを通じて通り抜けるので、スリットＳの整流作用により断面が面状の薄い層流として周方向へ放射状に流出され、流を攪乱する渦流や乱流の発生が極めて少なく、気体の通過音も発生しない。

また、可燃性ガスＧに対する圧力損失は、重合されるリング状プレート２の設置枚数を増減変化するのに応じて調整される。

そして、万が一下流側Ｃ２から火焔が発生した時には、リング状プレート２とスペーサ３とが交互に重合された筒状エレメントＥは止着部材４により略筒状のフレーム５内に取付けられるとともに終端部を円盤１０により閉鎖されて可燃性ガスＧの通路Ｔ内に通路方向に対して交叉して設置されて迂回されているので、本実施形態１のフレームアレスタ１により火焔が直接的に上流側Ｃ１に侵入を防止して確実に爆燃を防いだり、または爆轟を防止することができる。

この際、リング状プレート２に重合されるこのスペーサ３の厚さｔを厚薄加減することにより、可燃性ガスＧの下流側Ｃ２（図１において上方にて）で万が一可燃性ガスＧが着火した時に消炎し、災害を未然に防止したり、可燃性ガスＧの通過部分となるスリットＳの幅の調整が行われる。例えば、可燃性ガスＧがエチレンと空気との混合ガスである場合には、スペーサ３の厚さｔは０．２ｍｍが採用され、また可燃性ガスＧが水素と空気との混合ガスである場合には０．１ｍｍが採用される。

また、本実施形態１のフレームアレスタ１は、筒状エレメントＥがリング状プレート２とスペーサ３とを交互に積層するとともに、終端には円盤１０を重合した上で、略円筒状のフレーム５内に溶着した内鍔部１１に軸方向Ｉに設けたボルト１２と、ナット１３とよりなる止着部材４によりフレーム５内に取付けられ、またこの筒状エレメントＥは、前記フレーム５が、鍔６ａ,６′ａを有する対向した接合管６,６′間にガスケット７,７′を前端および後端に介装するとともに、突き合わせ状態に接合されて複数個のボルト８と、ナット９とにより緊締されて接合管間６,６′に挟持されているので、ボルト８と、ナット９との緊締を解いて接合管間６,６′の接合を解いた後に、ボルト１２に対するナット１３の螺合を解くことによりボルト１２から重合されている円盤１０、リング状プレート２、スペーサ３を抜き出して分解することにより、容易に掃除や部品の交換が行える。また、分解後の再組付けも簡単かつ確実に行える。

従って、フレームアレスタ１の可燃性ガスＧの通路Ｔ部分に形成されるスリットＳの大きさ、形状を管理するのに多くの労力および手間がかかることなく、簡単に済む。

本発明は、ガス通過部分としてのスリットの管理が、可燃性ガスの種類に応じて厚さを加減してスリットの幅を調整することにより、多くの労力と手間を要せずに簡単かつ確実に行え、以て可燃性ガスを通過させるとともに外部からの火焔の侵入を防止して爆燃を防いだり、該防燃よりも火炎伝搬速度が速い衝撃波を伴った爆轟を防止し、リングプレートの設置枚数を増減して圧力損失を調整して少なくでき、また、筒状エレメントの分解および組立が簡単かつ確実に行え、仮にスリットが目詰まりした場合の掃除が容易かつ確実に行え、製作精度が向上し、製作、組立が容易に行える用途・分野に適する。

図１は本発明の図１は本発明のフレームアレスタの実施形態１を示す断面図である。 図２は同じく図１の円Ａ内の拡大断面図である。

符号の説明

１ フレームアレスタ
２ リング状プレート
３ スペーサ
４ 止着部材
５ フレーム
６ 接合管
６′ 接合管
８ ボルト
９ ナット
１０ 円盤
１１ 内鍔部
１２ ボルト
１３ ナット
Ｇ 可燃性ガス
Ｓ スリット
Ｔ 通路

Claims (2)

1. 可燃性ガスの配管内に設置して下流側で発生した火焔の上流側への逆流を阻止するようにしたフレームアレスタにおいて、多数のリング状プレートを各リング状プレート間にスリットが形成されるようにスペーサを介して積層することにより周壁が積層体からなる筒状エレメントを構成し、該筒状エレメントの一方の開口端を閉止するとともに他方の開口端を上流側に接続し、
   前記リング状プレートは、可燃性ガスに対する圧力損失を調整可能に重合する設置枚数を増減可能に設けられ、
   前記スペーサは、可燃性ガスの種類に応じて厚さを加減することにより前記スリットの幅を調整可能に設けられた、
   ことを特徴とするフレームアレスタ。
2. 鍔を有する接合管よりなる継手部材を上流側と下流側とに対向して設け、該継手部材間に前記筒状エレメントを内部に取付けた略筒状のフレームを配置して挟持したことを特徴とする請求項１に記載のフレームアレスタ。

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