JP3919042B2 - 熱収縮性の熱可塑性多層フイルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の熱可塑性樹脂層が積層された熱収縮性の熱可塑性多層フィルムに関し、さらに詳しくは、延伸性が良好で、熱収縮性に優れるとともに、特に、衝撃時のシール強度やセルフウエルド性が顕著に優れた熱収縮性の熱可塑性多層フィルムに関する。本発明の熱収縮性の熱可塑性多層フィルムは、食肉などの食品包装用フィルムとして好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来より、少なくとも外側樹脂層と内側シール性樹脂層とを有し、所望により内外両層間にガスバリヤー性樹脂層や中間樹脂層(非ガスバリヤー性の熱可塑性樹脂層)を配置した熱収縮性の熱可塑性多層フィルムが、食品包装用フィルムとして知られている。外側樹脂層及び内側シール性樹脂層の材質としては、通常、各種ポリオレフィン系樹脂が用いられている。各層間には、必要に応じて、接着層が配置されている。このような層構成の熱可塑性多層フィルムにおいて、内側シール性樹脂層を構成する樹脂として、アイオノマー樹脂を用いると、延伸性が良好で、熱収縮性に優れた熱可塑性多層フィルムを得ることができる。アイオノマー樹脂としては、延伸性、熱収縮性、透明性、光沢、抗張力などの観点から、一般に、イオン化度(酸基の中和度)が30〜60%程度のアイオノマー樹脂が用いられている。
【0003】
しかしながら、このようなイオン化度が高いアイオノマー樹脂を熱可塑性多層フィルムのシール性樹脂層に用いると、延伸性や熱収縮性に優れるものの、実用上のシール強度が不十分となる。特に、衝撃時のシール強度については、イオン化度が30〜60%程度のアイオノマー樹脂をシール性樹脂層に配した熱可塑性多層フィルムをヒートシールして袋を作製し、5kgのボールを袋の開放側からシール部分に落下させる実用試験を行うと、シール部が容易に破れてしまう。このように、熱可塑性多層フィルムの低温でのシール強度が不足すると、袋を開けて包装すべき製品を充填する際に、シール部から破袋し易いため、例えば、強い応力にさらされる自動包装過程に適合することができない。
シール性樹脂層として、超低密度ポリエチレン(VLDPE)層を配置した熱可塑性多層包装フィルムが提案されているが(特公平3−78065号公報)、該VLDPE層を必要なシール強度が得られる厚みにすると、延伸性が低下し、熱水収縮率(特に70〜80℃)やセルフウエルド性も不十分となり易い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来のアイオノマー樹脂層が有する延伸性、熱収縮性などの特性を維持しつつ、シール強度などのシール特性、及びセルフウエルド性に優れた熱収縮性の熱可塑性多層フィルムを提供することにある。
本発明者らは、前記従来技術の有する問題点を克服するために鋭意研究した結果、熱収縮性の熱可塑性多層フィルムにおいて、(1)シール性樹脂層として、イオン化度15%超過〜25%以下のアイオノマー樹脂層を用い、(2)該アイオノマー樹脂層に直接的に隣接する中間樹脂層を配置し、かつ、(3)該中間樹脂層の厚みをアイオノマー樹脂層の厚みよりも大きくすることにより、延伸性や熱収縮性を損なうことなく、シール特性やセルフウエルド性を改善できることを見いだした。
該中間樹脂層は、接着樹脂層を介することなく、該アイオノマー樹脂層に直接的に隣接して積層する。該中間樹脂層の厚みは、アイオノマー樹脂層の厚みの2〜10倍、好ましくは4.5〜10倍とする。特に、該中間樹脂層の厚みを該アイオノマー樹脂層の厚みの4.5〜10倍の大きさとし、熱可塑性多層フィルムを照射架橋することにより、熱収縮性やシール特性を顕著に改善することができる。
本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、外側樹脂層(A)と内側シール性樹脂層(B)との間に、ガスバリヤー性樹脂層(C)、及び少なくとも1つの中間樹脂層(D)を有する熱収縮性の熱可塑性多層フィルムにおいて、
該熱収縮性の熱可塑性多層フィルムが、
(1)内側シール性樹脂層(B)が、イオン化度15%超過〜25%以下のアイオノマー樹脂層(B1)で、
(2)アイオノマー樹脂層(B1)に直接的に隣接して、ポリオレフィン系樹脂層(PO 1 )からなる中間樹脂層(D1)が積層され、
(3)中間樹脂層(D1)の厚みが、アイオノマー樹脂層(B1)の厚みの2〜10倍で、かつ、
(4)ガスバリヤー性樹脂層(C)が塩化ビニリデン系樹脂層である、
との層構成を有しており、
さらに、電離性放射線により照射架橋されているとともに、縦方向及び/または横方向にそれぞれ2〜7倍の延伸倍率で一軸または二軸延伸されている
ことを特徴とする熱収縮性の熱可塑性多層フィルムが提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】
アイオノマー樹脂
本発明では、熱可塑性多層フィルムの内側シール性樹脂層として、イオン化度が15%超過〜25%以下のアイオノマー樹脂からなる層を用いる。アイオノマー樹脂としては、ベースポリマーとして、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体またはエチレン−エチレン性不飽和カルボン酸−エチレン性不飽和カルボン酸エステル三元共重合体を用い、これら共重合体中のカルボキシル基を陽イオンで中和した樹脂を挙げることができる。
不飽和カルボン酸としては、例えば、メタクリル酸、アクリル酸などが好ましい。不飽和カルボン酸の共重合割合は、通常、3〜20重量%、好ましくは5〜15重量%、より好ましくは7〜13重量%である。不飽和カルボン酸の共重合割合が大き過ぎると、シール強度が低下する傾向を示す。不飽和カルボン酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜6のアルキルエステルが好ましい。不飽和カルボン酸エステルの共重合割合は、通常、3〜30重量%、好ましくは4〜15重量%、より好ましくは5〜10重量%である。
【0008】
本発明では、アイオノマー樹脂として、エチレン−エチレン性不飽和カルボン酸−エチレン性不飽和カルボン酸エステル三元共重合体のカルボキシル基を陽イオンで中和した樹脂を用いることが好ましい。特に不飽和カルボン酸エステルの共重合割合が15重量%以下の前記三元共重合体をベースポリマーとするアイオノマー樹脂を用いると、衝撃時のシール強度及び低温熱収縮性に優れた熱可塑性多層フィルムを得ることができる。不飽和カルボン酸エステルの共重合割合が大き過ぎると、過剰な柔軟性とベトツキにより製袋性が悪化し、シール強度も低下傾向を示す。当該三元共重合体としては、エチレン−メタクリル酸−アクリル酸イソブチルエステルなどのエチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。
中和に使用する陽イオンとしては、Na+、K+、Li+、Cs+、Ag+、Hg+、Cu+、Mg2+、Zn2+、Be2+、Ca2+、Ba2+、Cu2+、Cd2+、Hg2+、Sn2+、Pb2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Al3+、Sc3+、Fe3+、Y3+などの金属イオン、有機アミンなどを挙げることができる。これらの中で、通常、Na+、K+、Ca2+、Zn2+などが好ましく用いられる。
【0009】
本発明では、イオン化度は15%超過〜25%以下のアイオノマー樹脂を用いる。アイオノマー樹脂のイオン化度が高すぎると、実用上要求される水準のシール強度を得ることができない。イオン化していないエチレン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル三元共重合体(例えば、エチレン−メタクリル酸−アクリル酸イソブチルエステル三元共重合体)を用いると、延伸性が低下し、ブロッキング(インフレーション法におけるフィルム内面同士の粘着)も生じ易くなる。イオン化度が高くなると、低温でのシール強度が低下し、実用的なシール強度を得ることが困難になる。特に、シール性樹脂として汎用のイオン化度30〜60%のアイオノマー樹脂を用いると、シール部が前述のボールの落下衝撃試験に耐えることができなくなる。イオン化度15%超過〜25%以下のアイオノマー樹脂は、イオン化度が異なる2種以上のアイオノマー樹脂をブレンドして調製してもよい。すなわち、2種以上のアイオノマー樹脂のブレンド物のイオン化度が15%超過〜25%以下であれば、該ブレンド物を構成する各アイオノマー樹脂のイオン化度が15%以下、または25%超過であってもよい。また、アイオノマー樹脂は、例えば、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン、メタクリル酸−アクリル酸エステル三元共重合体などとブレンドして用いることができるが、この場合、アイオノマー樹脂のブレンド割合は、通常、50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。
【0010】
熱可塑性多層フィルム
本発明の熱可塑性多層フィルムは、外側樹脂層(A)及び内側シール性樹脂層(B)を有し、内外層間にガスバリヤー性樹脂層(C)及び少なくとも1つの中間樹脂層(D)が配置された層構成を有するものであり、必要に応じて、各層間に接着樹脂層が配置されている。特に、ガスバリヤー性樹脂層と他の樹脂層との間の接着性を高めるために、接着樹脂層を使用することが好ましい。
本発明では、熱可塑性多層フィルムの内側シール性樹脂層(B)として、イオン化度15%超過〜25%以下のアイオノマー樹脂層(B1)を配置する。これにより、イオン化度が高い汎用のアイオノマー樹脂を用いた場合と比較して低温でのシール強度を顕著に高めることができる。
【0011】
イオン化度15%超過〜25%以下のアイオノマー樹脂層(B1)は、イオン化度の高いアイオノマー樹脂層に比べて低温でのシール特性に優れるものの、顕著な改善が必要である。そこで、本発明では、該アイオノマー樹脂層(B1)に直接的に隣接して中間樹脂層(D1)を積層し、かつ、該中間樹脂層(D1)の厚みをアイオノマー樹脂層(B1)の厚みよりも大きくする。アイオノマー樹脂層(B1)に直接的に隣接する中間樹脂層(D1)としては、ポリオレフィン系樹脂層(PO1)が用いられる。アイオノマー樹脂層(B1)に直接的に隣接する中間樹脂層(D1)の厚みを、該アイオノマー樹脂層(B1)の厚みより大きくすることにより、シール特性を顕著に改善することができる。ポリオレフィン系樹脂層(PO1)からなる中間樹脂層(D1)を配置すると、アイオノマー樹脂層(B1)の厚みを薄くすることができるので、経済的でもある。
【0012】
ポリオレフィン系樹脂層(PO1)に用いるポリオレフィン系樹脂としては、例えば、酢酸ビニル含量が5〜30重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル酸エステル含量が5〜30重量%のエチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などが好ましい。エチレン−アクリル酸エステル共重合体としては、例えば、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体などが挙げられる。これらのポリオレフィン系樹脂は、それぞれ単独で、あるいは2種以上をブレンドして用いることができる。ポリオレフィン系樹脂層(PO1)に用いるポリオレフィン系樹脂として、特に好ましいのは、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)であり、その酢酸ビニル含量は、通常5〜30重量%、好ましくは10〜25重量%、より好ましくは12〜20重量%である。
特に、イオン化度15%超過〜25%以下のアイオノマー樹脂層(B1)と、EVAなどのポリオレフィン系樹脂層(PO1)とを直接的に隣接して配置すると、75℃でのTD(幅方向)の熱収縮率が40%以上の熱収縮性に優れた熱可塑性多層フィルムを容易に得ることができる。内側シール性樹脂層に、汎用のイオン化度の高いアイオノマー樹脂を用いた場合、該アイオノマー樹脂層とポリオレフィン系樹脂層(PO1)とが接着し難いことがある。
【0013】
外側樹脂層(A)として用いる熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂層(PO)が好ましい。ポリオレフィン系樹脂層(PO)に用いるポリオレフィン系樹脂としては、中間樹脂層(D1)のポリオレフィン系樹脂層(PO1)に用いられるのと同じポリオレフィン系樹脂を用いることができるが、この他にポリプロピレン系樹脂、さらに、チーグラーナッタ触媒やメタロセン触媒(拘束幾何触媒を含む)を用いて得られたエチレン−αオレフィン共重合体が好ましく使用される。エチレン−αオレフィン共重合体としては、例えば、エチレンと、少量のブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1等の炭素数4〜18のαオレフィンとの共重合体が挙げられ、より具体的には、いわゆる線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPEまたはULDPE)などが挙げられる。これらの中でも、延伸性などの観点から、特にLLDPE、VLDPEまたはULDPE、酢酸ビニル含量12重量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などが好ましい。これらのポリオレフィン系樹脂は、それぞれ単独で、あるいは2種以上をブレンドして用いることができる。
【0014】
ガスバリヤー性樹脂層(C)に用いるガスバリヤー性樹脂としては、塩化ビニリデン系樹脂(PVDC)を挙げることができる。PVDCとは、一般に、65〜95重量%の塩化ビニリデンと、これと共重合可能な不飽和単量体の少なくとも一種5〜35重量%との共重合体である。共重合可能な不飽和単量体としては、例えば、塩化ビニル、(メタ)アクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。PVDCには、必要に応じて、EVAなどのポリオレフィン系樹脂(多層フィルムの再生物であってもよい)、可塑剤、安定剤などを添加してもよい。
【0015】
少なくとも1つの中間樹脂層(D)に用いる樹脂としては、前記のごときポリオレフィン系樹脂層(PO1)に用いられるのと同じポリオレフィン系樹脂を好適に用いることができる。中間樹脂層(D)には、多層フィルムの再生物であって、ポリオレフィン系樹脂を50重量%以上の割合で含有するブレンド物を用いてもよい。前述のポリオレフィン系樹脂層(D1)は、中間樹脂層(D)の1つであるが、中間樹脂層(D)としては、この他に、例えば、所望により外側樹脂層(A)に隣接して配置される中間樹脂層(D2)がある。もちろん、必要に応じて、3つ以上の中間樹脂層(D1、D2、D3、・・・)を配置してもよい。ポリオレフィン系樹脂層(PO)などの外側樹脂層(A)に隣接して積層される中間樹脂層(D2)に用いるポリオレフィン系樹脂(PO2)としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸−アクリル酸イソブチルエステル三元共重合体などが好ましい。また、中間樹脂層(D2)に用いるポリオレフィン系樹脂(PO2)としては、アイオノマー樹脂層が挙げられる。中間樹脂層(D2)に用いられるアイオノマー樹脂は、そのイオン化度は特に限定されないが、シール特性にあまり影響を及ぼさないためには、イオン化度が15%以下のアイオノマー樹脂を用いることが好ましい。
【0016】
これらの各層の他に、必要に応じて、接着層(E)を配置することができる。接着層(E)を形成する樹脂としては、例えば、アクリル酸エステル含量13〜28重量%のエチレン−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル含量13〜28重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体の不飽和カルボン酸変性物または金属変性物などが挙げられる。これらの接着層は、PVDCからなるガスバリヤー性樹脂層(C)とその他の樹脂層との間、ポリオレフィン系樹脂層相互の間などに用いられる。接着層(E)は、中間樹脂層(D1)または(D2)、あるいは外側樹脂層(A)が兼務してもよい。
【0017】
本発明の熱可塑性多層フィルムは、通常、各層を形成する熱可塑性樹脂を積層数に応じた台数の押出機を用いて、環状ダイから筒状に溶融押出することにより得ることができ、さらに、インフレーション法により、一軸または二軸に延伸することによって、熱収縮性を付与することができる。延伸倍率は、縦方向及び/または横方向にそれぞれ2〜7倍である。延伸に際し、電子線などの電離性放射線を照射して架橋する。照射架橋する樹脂層としては、外側樹脂層(A)、中間樹脂層(D2)、中間樹脂層(D1)、及びアイオノマー樹脂層(B1)などを挙げることができる。照射架橋は、延伸工程前に、通常、多層フィルムの外側樹脂層(A)から電離性放射線を照射することにより行う。ガスバリヤー性樹脂としてPVDCを用いる場合、外側樹脂層(A)及び中間樹脂層(D2)を照射架橋することが、延伸性を高める上で好ましい。電子線照射により架橋する場合には、加速電圧を150〜500kvとし、吸収線量を20〜200キログレイ(kGy)とすることが好ましい。
【0018】
本発明の熱可塑性多層フィルムの好ましい層構成としては、例えば、以下のものを例示することができる。
1.外側樹脂層(A)/中間樹脂層(D2)/接着層/ガスバリヤー性樹脂層(C)/接着層/中間樹脂層(D1)/内側シール性樹脂層(B)、
2.外側樹脂層(A)/中間樹脂層(D2)/接着層/ガスバリヤー性樹脂層(C)/中間樹脂層(D1)/内側シール性樹脂層(B)、
3.外側樹脂層(A)/接着層/ガスバリヤー性樹脂層(C)/接着層/中間樹脂層(D1)/内側シール性樹脂層(B)、
4.外側樹脂層(A)/接着層/ガスバリヤー性樹脂層(C)/中間樹脂層(D1)/内側シール性樹脂層(B)、
5.外側樹脂層(A)/中間樹脂層(D2)/ガスバリヤー性樹脂層(C)/接着層/中間樹脂層(D1)/内側シール性樹脂層(B)、
6.外側樹脂層(A)/中間樹脂層(D2)/ガスバリヤー性樹脂層(C)/中間樹脂層(D1)/内側シール性樹脂層(B)、
7.外側樹脂層(A)/ガスバリヤー性樹脂層(C)/接着層/中間樹脂層(D1)/内側シール性樹脂層(B)、及び
8.外側樹脂層(A)/ガスバリヤー性樹脂層(C)/中間樹脂層(D1)/内側シール性樹脂層(B)。
【0019】
各層に使用される具体的な樹脂により、好ましい層構成の例を示すと、次のとおりである。
(1)ポリオレフィン系樹脂層(PO)/ポリオレフィン系樹脂層(PO2)/接着層/PVDC層/接着層/ポリオレフィン系樹脂層(PO1)/アイオノマー樹脂層(B1)、
(2)ポリオレフィン系樹脂層(PO)/ポリオレフィン系樹脂層(PO2)/接着層/PVDC層/ポリオレフィン系樹脂層(PO1)/アイオノマー樹脂層(B1)、
(3)ポリオレフィン系樹脂層(PO)/接着層/PVDC層/接着層/ポリオレフィン系樹脂層(PO1)/アイオノマー樹脂層(B1)、
(4)ポリオレフィン系樹脂層(PO)/接着層/PVDC層/ポリオレフィン系樹脂層(PO1)/アイオノマー樹脂層(B1)、
(5)ポリオレフィン系樹脂層(PO)/ポリオレフィン系樹脂層(PO2)/PVDC層/接着層/ポリオレフィン系樹脂層(PO1)/アイオノマー樹脂層(B1)、
(6)ポリオレフィン系樹脂層(PO)/ポリオレフィン系樹脂層(PO2)/PVDC層/ポリオレフィン系樹脂層(PO1)/アイオノマー樹脂層(B1)、
(7)ポリオレフィン系樹脂層(PO)/PVDC層/接着層/ポリオレフィン系樹脂層(PO1)/アイオノマー樹脂層(B1)、及び
(8)ポリオレフィン系樹脂層(PO)/PVDC層/ポリオレフィン系樹脂層(PO1)/アイオノマー樹脂層(B1)。
【0020】
熱可塑性多層フィルムの合計厚みは、通常、20〜100μmである。各層の厚みの割合は、所望に応じて適宜設定することができるが、内側シール性樹脂層(B)を形成するアイオノマー樹脂層(B1)と、該樹脂層に直接的に隣接する中間樹脂層(D1)との厚み比は、アイオノマー樹脂層(B1)の厚みが小さくないと、衝撃時のシール強度が改良できない。中間樹脂層(D1)の厚みのアイオノマー樹脂層(B1)の厚みに対する倍率は、2〜10倍、好ましくは4.5〜10倍である。この倍率が小さすぎると、内側シール性樹脂層(B)としてイオン化度15%超過〜25%以下のアイオノマー樹脂層(B1)を配置しても、衝撃時のシール強度が不十分となる。一方、この倍率を満足しても、内側シール性樹脂層(B)にイオン化度が大きな汎用のアイオノマー樹脂を用いると、衝撃時のシール強度が劣悪となる。
各層の厚み割合は、通常、外側樹脂層(A)1〜35%、中間樹脂層(D2)0〜50%、ガスバリヤー性樹脂層(C)0〜20%、中間樹脂層(D1)10〜50%、アイオノマー樹脂層(B)5〜25%であり、接着層を配置する場合は、その厚みは、1〜5μm程度である。中間樹脂層(D1)と接着層を構成する樹脂が同種の場合は、中間樹脂層(D1)の厚みはその合計値である。
本発明の熱可塑性多層フィルムは、延伸性が良好で、熱収縮性にも優れるアイオノマー樹脂の特徴を活かしながら、衝撃時のシール強度及びセルフウエルド性を顕著に改良したものであり、各種食品包装用フィルムとして好適である。
【0021】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。なお、物性の測定法及び使用した樹脂は、以下のとおりである。
<物性の測定法>
(1)熱水収縮率
多層フィルムの延伸方向とそれに対して垂直方向のそれぞれに10cmの距離で印を付けた試料を、75℃に調整した熱水中に10秒間浸漬した後、取り出し、直ちに常温の水で冷却する。その後、印間の距離を測定し、10cmからこの測定値を差し引いた値を求め、この値の10cmに対する割合を百分率で表示する。5回試験を行って、平均値で熱水収縮率を表示した。
【0022】
(2)セルフウエルド性
1.目視判定円筒状多層フイルムを底シールして作製した袋に生肉(牛肉)を充填し、真空包装する。これを75℃の熱水中に1秒間浸漬して、フイルムを収縮させた後、氷水で急冷する。5℃の冷蔵庫で2週間放置した後、袋の耳部(フイルムの内面が生肉と接触せず、フイルムの内面同士で接触している部分)に存在するドリップ(肉汁)の様子を目視で観察し、以下の基準で判定した。
○:耳部にドリップが存在するが、あまり目立たない。
×:耳部の大部分に、ドリップが存在する。
2.内面の接着力測定
前記1.と同様の方法で得られた試料を、5℃の冷蔵庫で一日放置した後、試料の耳部の内面同士の接着力を以下に示す方法で測定した。測定値は、平均強度で示した。
・測定機器 :オリエンテック社製引張試験機テンシロンRTM−100
・つかみ具間距離:20mm
・つかみ具速度 :200mm/分
・試料幅 :15mm
・雰囲気温度 :23℃
・雰囲気相対湿度:50%
【0023】
(3)シール強度
円筒状多層フイルムを240℃に加熱されたシールバーで熱シールして、袋状のシール強度測定用試料を作製した。該試料を23℃の恒温室で1日間放置した後、5℃の恒温室に移し、3時間以上放置する。その後、袋状試料を固定し、5kgのボールを試料の開放側からシール部分に落下させる。ボールを落下させる高さは、袋状試料のシール部分から70cm上の位置とし、ボール落下試験回数は、一つの試料に対して最大5回とする。試料10枚についてこの処理を行い、シール部の破袋した個数でシール強度を表す。
(4)延伸性
インフレーション法により形成した延伸バブルの安定性に基づいて、多層フィルムの延伸性を以下の基準で判定した。
○:インフレーション法により製膜が可能であり、延伸バブルがほとんど上下しない。
△:インフレーション法により製膜が可能であるが、延伸バブルが上下し、安定性にかける。
×:インフレーション法による製膜が不可能である。
【0024】
(5)アイオノマー樹脂のイオン化度
i)脱金属化処理
アイオノマー樹脂を、200mlメタノール/25g濃塩酸混合溶液中に60℃で4時間浸漬した後、室温下にて樹脂を濾過、メタノール洗浄を実施する。
ii)金属の含量
塩酸/メタノール溶液を分離し、その溶液中の金属をICP(誘導結合プラズマ発光分光分析)で定量する。
iii)酸含量の測定
前記i)によって得られた樹脂を50℃で2時間減圧乾燥する。乾燥後の樹脂について、NMR分析を行い、樹脂中の酸含量(モル%)を算出する。
iv)イオン化度(中和度)の計算
イオン化度は、上記の結果を基に、下式によって求める。
【0025】
イオン化度(%)=(a/b)×100
a=樹脂中に含まれる金属の含量
b=樹脂中の酸含量
【0026】
<使用した樹脂>
(1)VLDPE−1
・線状超低密度ポリエチレン、出光石油化学社製、モアテックV0398CN
・密度=0.907g/cm3
・メルトフローレイト(MFR)=3.3g/10min.
(2)VLDPE−2
・線状超低密度ポリエチレン、ダウケミカル社製、アフィニティFW1650
・密度=0.902g/cm3
・MFR=3.0g/10min.
(3)EVA−1
・エチレン−酢酸ビニル共重合体
・密度=0.94g/cm3
・MFR=2.0g/10min.
・酢酸ビニル含量=19重量%
(4)EVA−2
・エチレン−酢酸ビニル共重合体
・密度=0.94g/cm3
・MFR=2.5g/10min.
・酢酸ビニル含量=15重量%
【0027】
(5)EEA
・エチレン−エチルアクリレート共重合体
・密度=0.94g/cm3
・MFR=4.0g/10min.
・エチルアクリレート含量=15重量%
(6)PVDC
・塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体=82/18重量%;100重量部
・ジブチルセバケート0.86重量部とエポキシ化大豆油2.3重量部を含有
(7)EMAA−IBA
・エチレン−メタクリル酸−アクリル酸イソブチル共重合体
・密度=0.94g/cm3
・MFR=2.4g/10min.
・メタクリル酸含量=12重量%
・アクリル酸イソブチル含量=6重量%
(8)アイオノマー樹脂
アイオノマー樹脂は、表1に示すものを用いた。陽イオンは、いずれもNa+である。
【0028】
【表1】
【0029】
[実施例1]
ポリ塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体(PVDC)、線状超低密度ポリエチレン(VLDPE−1)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA−1)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA−2)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、及びアイオノマー樹脂(アイオノマー1)を6台の押出機で別々に押出し、溶融された各重合体を共押出環状ダイに導入し、ここで、外層より内層にかけて、
(VLDPE−1)/(EVA−1)/(EEA)/(PVDC)/(EEA)/(EVA−2)/(アイオノマー1)
の順に溶融接合し、ダイ内で7層として共押出した。ダイ出口部での溶融筒状体の樹脂温度は、200℃であった。溶融筒状体は、10〜20℃の冷水シャワーリングによって冷却し、扁平幅138mmで、厚み558μmの扁平筒状体とした。該扁平筒状体を加速電圧300KeVの電子線照射装置中で電子線照射して80キログレイの照射線量を与えた。次に、82℃の熱水槽を通過させ、10℃のエアリングで冷却しながらインフレーション法で縦方向に3.1倍、横方向に3.0倍に同時二軸延伸した。このようにして得られた二軸延伸多層フイルムの折り幅は416mmで、厚みは60μmであった。その厚み構成は、外層から順に、3μm/22μm/1.5μm/7μm/1.5μm/21μm/4μmであった。
【0030】
[実施例2]
実施例1において、(アイオノマー1)の代わりに(アイオノマー1とアイオノマー2との重量比6/4の混合物)を用いて、層構成を、外層より内層にかけて、
(VLDPE−1)/(EVA−1)/(EEA)/(PVDC)/(EEA)/(EVA−2)/(アイオノマー1とアイオノマー2との混合物)
としたこと以外は、実施例1と同様にして二軸延伸多層フイルムを製造した。
【0031】
[実施例3]
実施例1において、(VLDPE−1)の代わりに(VLDPE−2)を用いて、層構成を、
(VLDPE−2)/(EVA−1)/(EEA)/(PVDC)/(EEA)/(EVA−2)/(アイオノマー1)
に変え、かつ、厚み構成を、外層から順に、3μm/22μm/1.5μm/7μm/1.5μm/17μm/8μmに変えたこと以外は、実施例1と同様にして二軸延伸多層フイルムを製造した。
【0032】
[実施例4]
実施例2において、(VLDPE−1)の代わりに(VLDPE−2)、(EVA−1)の代わりに(EMAA−IBA)をそれぞれ用いて、層構成を、
(VLDPE−2)/(EMAA−IBA)/(EEA)/(PVDC)/(EEA)/(EVA−2)/(アイオノマー1とアイオノマー2との混合物)
に変え、さらに、厚み構成を、外層から順に、3μm/22μm/1.5μm/7μm/1.5μm/22μm/3μmに変えたこと以外は、実施例2と同様にして二軸延伸多層フイルムを製造した。
【0033】
[実施例5]
ポリ塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体(PVDC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA−2)、及びアイオノマー樹脂(アイオノマー1とアイオノマー3との重量比5/5の混合物)を4台の押出機で別々に押出し、溶融された各重合体を共押出環状ダイに導入し、ここで、外層より内層にかけて、
(EVA−2)/(EVA−2)/(PVDC)/(EVA−2)/(EVA−2)/(アイオノマー1とアイオノマー3の混合物)
の順に溶融接合し、ダイ内で6層として共押出した。ダイ出口部での溶融筒状体の樹脂温度は200℃であった。該溶融筒状体は、10〜20℃の冷水シャワーリングによって冷却し、扁平幅138mmで、厚み620μmの扁平筒状体とした。該扁平筒状体を加速電圧200KeVの電子線照射装置中で電子線照射して80キログレイの照射線量を与えた。次に、82℃の熱水層を通過させ、10℃のエアリングで冷却しながらインフレーション法で縦方向に3.3倍、横方向に3.0倍に同時二軸延伸した。得られた二軸延伸多層フイルムの折り幅は416mmで、厚さは62μmであった。その厚み構成は、外層から順に、20μm/1μm/7μm/1μm/28μm/5μmであった。
実施例1〜5で得られた多層フイルムの層構成、及び物性試験結果を表2に一括して示す。
【0034】
【表2】
(*1)この場合、(第5層+第6層)/第7層の厚み比
【0035】
[比較例1]
実施例1において、(アイオノマー1)の代わりに(アイオノマー4)を用いて、層構成を、外層より内層にかけて、
(VLDPE−1)/(EVA−1)/(EEA)/(PVDC)/(EEA)/(EVA−2)/(アイオノマー4)
としたこと以外は、実施例1と同様にして二軸延伸多層フイルムを製造した。
【0036】
[比較例2]
実施例1において、厚み構成を、外層から順に、3μm/22μm/1.5μm/7μm/1.5μm/11μm/14μmに変えたこと以外は、実施例1と同様にして二軸延伸多層フイルムを製造した。
【0037】
[比較例3]
実施例4において、(アイオノマー1とアイオノマー2の混合物)の代わりに(アイオノマー5)を用いて、層構成を、外層より内層にかけて、
(VLDPE−2)/(EMAA−IBA)/(EEA)/(PVDC)/(EEA)/(EVA−2)/(アイオノマー5)
に変え、かつ、厚み構成を、外層から順に、3μm/22μm/1.5μm/7μm/1.5μm/15μm/10μmに変えたこと以外は、実施例4と同様にして二軸延伸多層フイルムを製造した。
【0038】
[比較例4]
実施例4において、(アイオノマー1とアイオノマー2の混合物)の代わりに(VLDPE−2)を用いて、層構成を、外層より内層にかけて、
(VLDPE−2)/(EMAA−IBA)/(EEA)/(PVDC)/(EEA)/(EVA−2)/(VLDPEー2)
としたこと以外は、実施例4と同様にして二軸延伸多層フイルムを製造した。
比較例1〜4の多層フイルムの層構成、及び物性試験結果を表3に一括して示す。
【0039】
【表3】
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、アイオノマー樹脂層が有する延伸性、熱収縮性などの特性を維持しつつ、衝撃時のシール強度などのシール特性及びセルフウエルド性に優れた熱収縮性の熱可塑性多層フィルムが提供される。
Claims (6)
- 外側樹脂層(A)と内側シール性樹脂層(B)との間に、ガスバリヤー性樹脂層(C)、及び少なくとも1つの中間樹脂層(D)を有する熱収縮性の熱可塑性多層フィルムにおいて、
該熱収縮性の熱可塑性多層フィルムが、
(1)内側シール性樹脂層(B)が、イオン化度15%超過〜25%以下のアイオノマー樹脂層(B1)で、
(2)アイオノマー樹脂層(B1)に直接的に隣接して、ポリオレフィン系樹脂層(PO 1 )からなる中間樹脂層(D1)が積層され、
(3)中間樹脂層(D1)の厚みが、アイオノマー樹脂層(B1)の厚みの2〜10倍で、かつ、
(4)ガスバリヤー性樹脂層(C)が塩化ビニリデン系樹脂層である、
との層構成を有しており、
さらに、電離性放射線により照射架橋されているとともに、縦方向及び/または横方向にそれぞれ2〜7倍の延伸倍率で一軸または二軸延伸されている
ことを特徴とする熱収縮性の熱可塑性多層フィルム。 - アイオノマー樹脂層(B1)が、エチレン−エチレン性不飽和カルボン酸−エチレン性不飽和カルボン酸エステル三元共重合体のカルボキシル基を陽イオンで中和した樹脂からなる層である請求項1記載の熱収縮性の熱可塑性多層フィルム。
- ガスバリヤー性樹脂層(C)と他の樹脂層との間に、接着層(E)が配置されている請求項1または2記載の熱収縮性の熱可塑性多層フィルム。
- 外側樹脂層(A)が、ポリオレフィン系樹脂層(PO)である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の熱収縮性の熱可塑性多層フィルム。
- 外側樹脂層(A)に隣接して、ポリオレフィン系樹脂層(PO 2 )からなる中間樹脂層(D2)が配置されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の熱収縮性の熱可塑性多層フィルム。
- 合計厚みが20〜100μmであり、中間樹脂層(D1)の厚み割合が10〜50%で、かつ、アイオノマー樹脂層(B)の厚み割合が5〜25%である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の熱収縮性の熱可塑性多層フィルム。
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