JP3917461B2 - 有機el正孔注入層用インクおよびその製造方法、有機el表示装置の製造方法、ならびに有機el表示装置 - Google Patents

有機el正孔注入層用インクおよびその製造方法、有機el表示装置の製造方法、ならびに有機el表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高発光効率、高輝度、長寿命の有機EL表示装置を作製するために用いられる有機EL正孔注入層用インクおよびその製造方法、このインクを用いた有機EL表示装置の製造方法、ならびに有機EL表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、有機物の多層膜を用いたエレクトロルミネセンス(EL)素子が注目されている(例えば、特開昭63−264692号、特開昭63−295695号、特開平1−243393号、特開平1−245087号)。有機EL素子には大きく分けて、低分子を真空蒸着して作製する方法と、ポリマー溶液を塗布して作製する方法の二つがある。ポリマー溶液を塗布する方法は大面積化が容易であり、特にインクジェットプロセスにより高精細、大画面のフルカラーディスプレイを製造するのに適している。
【0003】
ポリマー有機EL素子においては、印加電圧の低減、発光効率の向上、および長寿命化を図るために、正孔注入効率と輸送性能の向上、電子注入効率と輸送性能の向上、およびそれらのバランスを取ること、さらには正孔と電子の再結合効率の向上が要求される。正孔注入効率と輸送性能の向上させるために、ポリマー有機EL素子では、ドナー性分子とアクセプタ性分子との会合体が水中に分散したインクを塗布して正孔注入層が形成されている。しかしながら、こうして得られた正孔注入層が不適切な場合、正孔注入効率や正孔輸送性能が悪化して、電子と正孔とのキャリヤバランスがずれて、寿命や発光効率が低下するという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高発光効率、高輝度、長寿命の有機EL素子を与える有機EL正孔注入層用インクおよびその製造方法、このインクを用いた有機EL表示装置の製造方法、ならびに有機EL表示装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様に係る有機EL正孔注入層用インクは、水中にポリチオフェン誘導体からなるドナー性分子とポリスチレンスルホン酸からなるアクセプタ性分子との会合体が分散し、大気圧光電子分光法により測定されたイオン化ポテンシャルが5.3eVより大であることを特徴とする。
【0006】
本発明の一態様に係る有機EL正孔注入層用インクの製造方法は、ポリチオフェン誘導体からなるドナー性分子とポリスチレンスルホン酸からなるアクセプタ性分子との会合体を水中に分散させ、大気圧光電子分光法により測定されたイオン化ポテンシャルを、透析により5.3eVより大とする工程を具備し、前記透析は、セルロースを主成分とし、分画分子量が8000以上25000以下の透析膜を使用して行なわれることを特徴とする。
【0007】
本発明の一態様に係る有機EL表示装置の製造方法は、アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置されたポリマー発光層とを有した画素を含み、1種類の発光色の画素または発光色が異なるよう複数種類含む画素を二次元的に配列し、少なくとも1つの発光色を示す前記画素が正孔注入層を有する有機EL表示装置を製造するにあたり、 水中にポリチオフェン誘導体からなるドナー性分子とポリスチレンスルホン酸からなるアクセプタ性分子との会合体が分散し、大気圧光電子分光法により測定されたイオン化ポテンシャルが5.3eVより大である有機EL正孔注入層用インクをインクジェット方式によって塗布することにより、前記正孔注入層を形成することを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様に係る有機EL表示装置は、アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置されたポリマー発光層とを有した画素を含み、1種類の発光色の画素または発光色が異なるよう複数種類含む画素が二次元的に配列されており、少なくとも1つの発光色を示す前記画素は正孔注入層を有し、前記アノードは透明電極からなり、前記正孔注入層はポリチオフェン誘導体からなるドナー性分子とポリスチレンスルホン酸からなるアクセプタ性分子との会合体を含み、前記正孔注入層は、大気圧光電子分光法により測定されたイオン化ポテンシャルが下記数式(1)で表わされる範囲内である有機EL正孔注入層用インクを用いて形成されていることを特徴とする。
【0010】
5.3<Ip(H)<Ip(E) (1)
(上記数式中、Ip(H)は前記正孔注入層のイオン化ポテンシャル(eV)であり、Ip(E)は前記ポリマー発光層のイオン化ポテンシャル(eV)を表わす。)
【0011】
【発明の実施の形態】
従来の正孔注入層用インクを用いて種々のポリマー有機EL素子を作製したところ、本発明者らは、使用するインクによって正孔注入層のイオン化ポテンシャルが変動し、素子の発光効率や特性に重大な影響を及ぼすことを見出した。従来のインクに含まれる不純物イオンや未反応オリゴマーがインクの分散状態を変化させ、これによりドナー性分子とアクセプタ性分子との会合体状態が変化し、その結果、正孔注入層のイオン化ポテンシャルがばらついて最適な値からずれていたことが原因であることがわかった。正孔注入層のイオン化ポテンシャルは正孔注入効率に大きな影響を与え、これが最適値からずれると素子の特性、特に発光効率や寿命の低下をもたらすことになる。
【0012】
本発明者らは、発光効率の高い有機EL表示素子を得るには、正孔注入層のイオン化ポテンシャルを5.3eVより大とする必要があることを見出し、本発明を成すに至ったものである。
【0013】
正孔注入層のイオン化ポテンシャルを5.3より大とすることによって発光効率の高い有機EL表示装置が得られる理由は、以下のように説明される。
【0014】
有機EL表示装置においては、発光層で発生した光をアノード側またはカソード側の少なくとも一方から取り出す必要があるため、アノードおよびカソードの少なくとも一方は透明電極により構成される。透明電極として最も広く用いられているITO(Indium Tin Oxide)は、仕事関数が5.0と比較的高く、アノード側(正孔注入側)に用いられることが多い。この場合、正孔注入層はITOからなる透明電極とポリマー発光層との間に形成される。
【0015】
本発明者らは、ITOの仕事関数、正孔注入層のイオン化ポテンシャル、およびポリマー発光層のイオン化ポテンシャルという3つの関係によって、正孔の注入され方が変化することを見出した。すなわち、ITOの仕事関数と正孔注入層とのイオン化ポテンシャルの差が0.3eV以下の場合には、大量の正孔がITOから正孔注入層に注入される。正孔注入層の材料として、ポリチオフェン誘導体からなるドナー性分子とポリスチレンスルホン酸からなるアクセプタ性分子との会合体を用いた場合、この材料の正孔移動度があまり高くないため、正孔注入層内で正孔が円滑に移動しない。このため、正孔が正孔注入層内に溜まってしまい、発光効率の低下や正孔注入層の劣化による低寿命化が生じる。
【0016】
これを防ぐためには、ITOの仕事関数と正孔注入層とのイオン化ポテンシャルの差が0.3eVより大であることが必要となる。ITOの仕事関数は5.0eVであるから、正孔注入層のイオン化ポテンシャルを5.3eVより大とすることで、発光効率の高いポリマー有機EL表示装置を得ることができる。
【0017】
ただし、正孔注入層のイオン化ポテンシャルは、ポリマー発光層のイオン化ポテンシャルより小さい必要がある。これは、以下のように説明される。上述したようなITOの仕事関数と正孔注入層のイオン化ポテンシャルとの差は、ITOから正孔注入層へ正孔が移動する際の障壁の大きさを示しており、この差が小さいほど障壁が小さい。正孔注入層のイオン化ポテンシャルがポリマー発光層のイオン化ポテンシャルと同等またはこれより大きい場合には、ITO/正孔注入層/ポリマー発光層ではなくITO/ポリマー発光層という2層構造にした方が、正孔注入障壁が小さくなる。ゆえに、イオン化ポテンシャルがこうした関係にある場合は、正孔注入層が正孔注入を促進させる役割を果たさない。
【0018】
これらに基づいて、正孔注入層のイオン化ポテンシャルIp(H)の値を、ポリマー発光層のイオン化ポテンシャルIp(E)を用いて、下記数式(1)で表わされる範囲に規定した。
【0019】
5.3<Ip(H)<Ip(E) (1)
なお、ポリマー発光層のイオン化ポテンシャルは通常5.5eV〜6.0eVである。イオン化ポテンシャルが6.0eVのポリマー発光層に適応できるためには、(1)式から正孔注入層用インクとしては、5.3より大で、6.0eV未満であることが好ましい。
【0020】
イオン化ポテンシャルは、紫外線光電子分光(UPS)、サイクリック・ボルタメトリー、エレクトロアブソープション・スペクトロスコピー、大気圧光電子分光法などにより測定することができる。特に、大気圧光電子分光法は、試料の作製および測定が容易で、測定中のチャージアップの影響もなく、精度良くイオン化ポテンシャルを測定することができる。
【0021】
大気圧光電子分光法の装置としては、例えばAC−2(理研計器製)を用いることができる。例えば、0.1eV毎に4.2eVから6.2eVまで試料に照射する紫外線のエネルギーを変化させ、このとき放出される電子の数を計測する。光電効果により電子が放出されはじめるエネルギーが、その試料のイオン化ポテンシャルである。イオン化ポテンシャルの測定方法を説明するための図を図1に示す。図1に示したように、横軸に設けた紫外線の照射エネルギー(波長)に対して、規格化光電子収率を0.4乗した数値を縦軸にプロットする。ベースラインと線形近似した直線との交点から、イオン化ポテンシャルを精度良く測定することができる。本明細書中におけるイオン化ポテンシャルの値は、この測定法で求めたものである。
【0022】
なお、大気圧光電子分光法などで正孔注入層用インクのイオン化ポテンシャルを測定する場合は、膜の状態にして測定すればよい。具体的には、ITO膜を形成したガラス基板上に正孔注入層用インクをスピンコートなどにより塗布し、これをホットプレート上で加熱して溶媒(水)を気化させればよい。基板としてはITO付きガラス以外に、シリコン基板なども使用することができる。加熱は空気中あるいは窒素中で行ない、オーブンを用いてもよい。温度は100〜200℃の範囲内とすることが好ましい。本明細書中におけるイオン化ポテンシャルの値は、空気中、120℃のホットプレート上で1分間加熱して、溶媒(水)を気化させた試料で測定した。イオン化ポテンシャルを測定する試料の正孔注入層の膜厚は、15nmから150nmが好ましい。15nmより薄いと下地の基板の影響を受ける場合がある。
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0024】
図2に本発明の一実施形態に係る有機EL表示装置の1画素の概略断面図を示す。以下においては図2を参照して説明するが、本発明の実施形態に係る有機EL表示装置およびその製造方法はこれに限定されるものではない。
【0025】
図2において、ガラスなどの絶縁性を有する透明基板1上に絶縁性材料からなる隔壁4が形成されている。隔壁4で分離された各セルは3種の発光色(R、G、B)のうちいずれかの発光色を示す画素(有機EL素子)で形成されている。すなわち、基板1表面にITOなどの透明電極(例えばアノード)3、正孔輸送層5、6、7、ポリマー発光層8、9または10、バッファ層11、カソード(対向電極)12、銀電極13が順次形成された3つの有機EL素子が隔壁4によって分離・形成されている。ポリマー発光層8は発光中心の色素分子として赤(R)の発光を示す材料が、ポリマー発光層9は発光中心の色素分子として緑(G)の発光を示す材料が、ポリマー発光層10は発光中心の色素分子として青(B)の発光を示す材料が使用されている。これらの有機EL素子は、それぞれ基板1上に形成されたトランジスタ2と接続されており、さらに最上層には封止膜14が形成されている。
【0026】
トランジスタ2によって、適宜いずれかの有機EL素子の透明電極−対向電極間に電圧を印加することで、ポリマー発光層8、9または10から所望の色を発光させる。即ち、透明電極3から供給された正孔は正孔輸送層5、6、7を通してポリマー発光層8、9または10へ、カソード12から供給された電子はバッファ層11を通してポリマー発光層8、9または10へ達する。その結果、ポリマー発光層中で正孔と電子が再結合することで発光が生じ、透明基板1側からこの所望の色を観測することが可能になる。このような画素を2次元的に配列することで、本発明の有機EL表示装置を作製することができる。
【0027】
本発明の実施形態においては、有機EL正孔注入層用インクとして、水中にポリチオフェン誘導体からなるドナー性分子とポリスチレンスルホン酸からなるアクセプタ性分子の会合体が分散したインクが使用される。具体的には、ドナー性分子としてはポリチオフェン、ポリ(3,4―ジアルコキシチオフェン)、ポリエチレンジオキシチオフェンが好ましい。
【0028】
特に、ドナー性分子としてポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOTと略す)、アクセプタ性分子としてポリスチレンスルホン酸あるいはポリスチレンスルホン酸塩(ポリスチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸塩ともにPSSと略す)の組み合わせが、熱的および化学的に安定であり、基板上への塗布が容易で、形成された膜(正孔注入層)の膜厚が均一で、光透過率が高いため好ましい。
【0029】
前述のドナー性分子およびアクセプタ性分子が分散される水は、純水、イオン交換水、または蒸留水とすることができる。さらに、メタノール、エタノール、およびイソプロピルアルコールから選択される少なくとも1種のアルコールが含有されてもよい。アルコールが含有されることによって、低温での熱処理が可能となり、水の含有量を低減できる点からも好ましい。ただし、アルコールの含有量の上限は、全溶媒中の50wt%程度とすることが望まれる。50wt%を越えると、PEDOT・PSSインクの分散性が低下するおそれがある。
【0030】
上述したようなインクを用いて、次のような手法により正孔注入層を形成することができる。例えば、インクジェット・プリンタと同様な方法で行なうインクジェット方式、インクを入れた容器に基板を浸し、その後、基板を取り出して過剰なインクを取り除くディップ方式、およびスピナーを使用して基板上にインクをコートするスピンコート方式などが挙げられる。これらの塗布を行なった後には、ホットプレートやオーブンを用いて溶媒(水)を揮発させて、膜の状態とする。
【0031】
多色表示を行なう有機EL表示装置の場合、赤、緑、青といった表示する色の違う画素には、異なる材料のポリマー発光層が使用されている。ポリマー発光層のイオン化ポテンシャルは使用する材料によって異なるため、種類の異なる(赤、緑、青)画素では、各々最適な正孔注入層のイオン化ポテンシャルの値が異なる。このとき、正孔注入層用インクの塗布をインクジェット方式で塗布すれば、容易に各種の画素に、各々最適なイオン化ポテンシャルを示す正孔注入層を形成することができる。
【0032】
ただし、本発明の実施形態においては、正孔注入層は5.3eVを越えるイオン化ポテンシャルを有することが必要である。
【0033】
5.3eVより大きなイオン化ポテンシャルを有する正孔注入層は、例えば、水中にポリチオフェン誘導体からなるドナー性分子とポリスチレンスルホン酸からなるアクセプタ性分子との会合体が分散し、イオン化ポテンシャルが5.3eVより大である有機EL正孔注入層用インクを用いて作製することができる。イオン化ポテンシャルが5.3eVより大に制御された正孔注入層用インクは、例えば、水中にポリチオフェン誘導体からなるドナー性分子とポリスチレンスルホン酸からなるアクセプタ性分子との会合体が分散したインクを、特定の透析膜を用いて透析することにより製造することができる。
【0034】
具体的には、まず、正孔注入層用インクを円筒状の透析膜の中に収容して透析膜の両端を閉じる。これを、大量のイオン交換水を満たした容器に入れ、数日から数十日間放置することによって、分画分子量以下の式量を有する不純物イオンや、分画分子量以下の分子量を有する未反応オリゴマーがインク中から除去される。不純物イオンや未反応オリゴマーなどの正孔注入層用インクに含まれる不純物は種々の不純物準位を形成するため、イオン化ポテンシャルの値が低くなる。透析によりこうした不純物を除去することによって、5.3eVより大きなイオン化ポテンシャルを有する正孔注入層用インク得ることができる。
【0035】
透析に使用する透析膜としては、分画分子量が8000から25000で再生セルロース(セロハン)を主成分とする透析膜(例えば、SPECTRUM(登録商標) LABORATORIES INC.のSpctra/Por(登録商標) 4)が好ましい。分画分子量が8000より小さい場合には、未反応オリゴマーを十分に除去することが困難となる。一方、分画分子量が25000より大きい場合、正孔注入層用インクのポリマー成分まで流出するおそれがある。特に、分画分子量が12000から14000の透析膜を用いた場合には、数日間の透析により所望のイオン化ポテンシャルの値を得ることができるので、量産性の観点から好ましい。
【0036】
再生セルロースは、pH1から2.5程度の酸に対しても耐性を有し化学的に安定であるので、透析膜から不純物が溶け出すことがない。したがって、正孔注入層用インクのイオン化ポテンシャルを所望の範囲内に制御することができる。しかも、再生セルロース製の透析膜は、十分な強度を有している。なお、コロジオンおよび硫酸紙は、本発明の実施形態に用いられる透析膜の材質としては不適切である。こうした材質からなる透析膜により正孔注入層用インクの透析を行なった場合には、透析膜中の不純物が溶け出して、不純物準位をつくるため、正孔注入層用インクのイオン化ポテンシャルを所望の範囲内に制御することができない。
【0037】
また、透析膜の形状は、作業性の点から円筒形のものが好ましく、その直径は15mm以上50mm以下程度であることが望まれる。15mmより小さい場合には、透析に供される単位長さ当たりの正孔注入層用インクの量が充分でなく量産性が低下するおそれがある。一方、50mmより大きいと、正孔注入層用インクの量に対して透析膜の表面積が小さくなるため、充分に高い透析効率を得ることが困難になる。
【0038】
透析を行なうことによりイオン化ポテンシャルの値が5.3eVより大に制御されたインクは、任意の方法によりアノード上に塗布して正孔注入層を作製することができる。すでに説明したような理由から、インクジェット方式により塗布することが好ましい。
【0039】
あるいは、正孔注入層を基板上に形成した後、紫外線を照射することによって、正孔注入層表面のイオン化ポテンシャルを5.3eVより大とすることができる。好ましくは、正孔注入層を形成した基板上に、ステンレスなど薄い金属板で画素の種類に応じた開口部を有するマスクを配置し、このマスクを介して紫外線を照射する。これにより、前述のインクジェット方式により塗布した場合と同様、R、G、Bの各画素における正孔注入層のイオン化ポテンシャルが最適値となるように、紫外線照射量を変えることができる。
【0040】
この場合には、まず、アノードが形成された基板上に水中にポリチオフェン誘導体からなるドナー性分子とポリスチレンスルホン酸からなるアクセプタ性分子との会合体が分散した有機EL正孔注入層用インクを塗布して、正孔注入層を形成する。この際の塗布方法は特に限定されないが、ディップ法あるいはスピンコート法を用いても、R、G、Bの各画素における正孔注入層のイオン化ポテンシャルを最適値にすることができる。
【0041】
形成された正孔注入層に対しては、例えば、低圧水銀ランプ(ウシオ電機株式会社製UL0−6DQ)や、エキシマランプ(ウシオ電機株式会社製Xe2 *タイプ誘電体バリア放電エキシマランプUER200−172)等を光源として用いて、主として170nmから254nmの波長を有する紫外線を照射する。こうした波長範囲の光は、空気中の酸素を分解してオゾンや励起酸素原子を生成する。得られたオゾンや励起酸素原子によって、正孔注入層表面が酸化され、イオン化ポテンシャルが増加する。
【0042】
紫外線の照射強度は、使用する光源の分光特性(放出される紫外線の波長)に応じて適宜選択することができる。例えば、低圧水銀ランプの場合には、185nmの光の強度を0.1〜3.0mW/cm2程度とし、245nmの光の強度を1.0〜30mW/cm2程度とすることによって、正孔注入層のイオン化ポテンシャルを5.3eVより大きな所望の値に制御することができる。また、エキシマランプの場合には、172nmの光の強度を1.0〜10mW/cm2程度とすることによって、正孔注入層のイオン化ポテンシャルを5.3eVより大きな所望の値に制御することができる。また、紫外線の照射時間は、30秒〜10分程度とすれば十分であり、光源と正孔注入層の距離(照射距離)は、1.0〜50mm程度とすれば十分である。
【0043】
本発明の実施形態に係る有機EL表示装置における正孔注入層は、5.3eVより大きなイオン化ポテンシャルを有するので、高い発光効率を確保することができる。また、不純物イオンや未反応オリゴマーのマイグレーションが少ないため、寿命も長い。このため、本発明の実施形態に係る有機EL表示装置は、対角10インチ以上の大きな表示画面を持つものに特に有効である。
【0044】
本発明の実施形態において、正孔注入層の厚さは2〜100nmが好ましく、10〜50nmがより好ましい。正孔注入層の厚さが2nmより薄いと均一な膜が得られず、また100nmより厚いと可視光に吸収が生じるとともに駆動電圧が若干高くなる。
【0045】
正孔注入層上に設けられるポリマー発光層の厚さは、約10nm〜200nmが望ましい。ポリマー発光層の厚さが200nmよりも厚いと、駆動電圧を高くしなければならず、また注入された電子または正孔が失活して電子−正孔の再結合確率が低下し、ポリマー発光層の発光効率が低下するおそれがある。10nmよりも薄いと、均一な製膜が困難となり、素子ごとの発光性にばらつきが生じるおそれがある。
【0046】
また、アノードまたはカソードには導電性材料が使用されるが、発光面側に配置される電極はITOなどの透明電極が使用される。有機EL素子が形成される基板は特に限定されないが、基板側を発光面として使用する場合、ガラスなどの透明性基板が使用される。
【0047】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
【0048】
実施例1
図3に示すように、単色の有機EL素子で各画素(1画素のサイズは100μm四方)を形成し、2.5インチ四方の有機EL表示装置を作製した例について説明する。
【0049】
まず、正孔輸送層用インクについて、以下のような予備的な実験を行なった。正孔輸送層を形成するために用いるインクとして、化学式(1)で示されるPEDOT・PSS化合物を含むインク原料(バイエル社製、BAYTRON(登録商標)P VP CH8000)を用いた。
【0050】
【化1】
Figure 0003917461
【0051】
このインク原料を表1(A〜F)に示す方法で処理してインク(A〜F)を製造した。また、比較のために、上記のインク原料を表1(G〜I)に示す方法で処理してインク(G〜I)を製造した。
【0052】
【表1】
Figure 0003917461
【0053】
上記の各正孔注入層用インクを用い、以下のようにして表示装置を作製した。
ガラス基板1上に常法によりTFT2を形成し、アノード3として透明性導電材料であるITO(インジウム−チン−オキサイド)を膜厚50nmで製膜した。また、フォトレジストプロセスにより隔壁4を格子状に形成した。次に、インク(A〜I)のいずれかを用い、インクジェット方式によって膜厚約20nmの正孔輸送層5を製膜した。
【0054】
ポリマー発光層8の材料として化学式(2)で示される赤色発光のポリ(3−アルキルチオフェン)(poly[3−alkylthiophene]:PAT)を用い、インクジェット方式によってポリマー発光層8を製膜した。
【0055】
【化2】
Figure 0003917461
【0056】
バッファ層11として厚さ約3nmのLiFをスパッタリングにより形成した。その上に、カソード12として厚さ約100nmのCa(カルシウム)を形成し、さらにその上に厚さ約300nmの銀電極13を形成した。最表面に封止膜14を形成して各画素を封止した。
【0057】
以上のようにして作製された有機EL表示装置を20mA/cm2の電流密度で駆動させた時の初期および100時間駆動後の発光効率を表2に示す。インクA〜Fを用いて正孔輸送層を形成したA〜Fの有機EL表示装置はいずれも、100時間駆動後にも、発光効率は良好であった。一方、インクG〜Iを用いて正孔輸送層を形成したG〜Iの有機EL表示装置は、発光効率が低く、表示素子としての特性は不充分であることがわかった。
【0058】
【表2】
Figure 0003917461
【0059】
なお、正孔注入層のイオン化ポテンシャルが5.30eVであるIの有機EL発光装置は、寿命が1000時間と短く、さらに表示ムラの点でも実用に耐えられないことが確認された。
【0060】
実施例2
本実施例では以下のようにして、図2に示す3色の有機EL表示装置を作製した。
ガラス基板1上に常法によりTFT2を形成し、アノード3として透明性導電材料であるITO(インジウム−チン−オキサイド)を膜厚50nmで製膜した。また、フォトレジストプロセスにより隔壁4を格子状に形成した。次に、正孔注入層5には表1のインクDを、正孔注入層6および7には表1のインクBを用い、それぞれインクジェット方式により20nmの膜厚に製膜した。
【0061】
ポリマー発光層8の材料として実施例1と同様に化学式(2)で示される赤色に発光するポリ(3−アルキルチオフェン)(poly[3−alkylthiophene]:PAT)を用い、インクジェット方式によってポリマー発光層8を製膜した。
【0062】
ポリマー発光層9の材料としてホスト分子である化学式(3)で示される化合物中に、発光中心の色素分子である化学式(4)で示される化合物を0.5wt%のドーピングしたものを用い、インクジェット方式によって緑色発光のポリマー発光層9を製膜した。
【0063】
【化3】
Figure 0003917461
【0064】
ポリマー発光層10の材料として化学式(5)で示される青色に発光するポリ(9,9’−ジアルキルフルオレン)(poly[9,9’−dialkylfluorene]:PDAF)を用い、インクジェット方式によって青色発光のポリマー発光層10を製膜した。
【0065】
【化4】
Figure 0003917461
【0066】
バッファ層11として厚さ約3nmのLiFをスパッタリングにより形成した。その上に、カソード12として厚さ約100nmのCa(カルシウム)を形成し、さらにその上に厚さ約300nmの銀電極13を形成した。最表面に封止膜14を形成して各画素を封止した。
【0067】
この有機EL表示装置を20mA/cm2の電流密度で駆動させたときの発光効率は、2.5cd/Aであった。
【0068】
実施例3
前述の表1に示したインクGを塗布して正孔注入層を形成し、この正孔注入層に以下の条件で紫外光を照射し、次いでポリマー発光層を形成した以外は、前述の実施例1と同様の方法により有機EL表示装置を作製した。
【0069】
正孔注入層が形成された基板に対して、主として185nmおよび254nmの波長の紫外光を、低圧水銀ランプから5分間照射した。なお、低圧水銀ランプと基板の距離は30mmとした。照射された紫外光の照射強度は、185nmの光が1.0mW/cm2であり、254nmの光が10mW/cm2であった。紫外線を照射することによって、正孔注入層のイオン化ポテンシャルは5.4eVになった。
【0070】
得られた表示装置を、20mA/cm2の電流ソースにより駆動させた時の発光効率は2.7cd/Aであった。なお、紫外線照射が原因で有機EL素子の特性が劣化したり、寿命が短くなったりすることはなかった。
【0071】
紫外光を照射することによって正孔注入層のイオン化ポテンシャルの値が増加するのは、紫外光に170nmから254nmの波長範囲の光が含まれているときであった。170nmから254nmの光は、空気中の酸素を分解してオゾンや励起酸素原子を生成する。ゆえに、イオン化ポテンシャルの値が増加したのは、オゾンや励起酸素原子によってPEDOT・PSSの表面が酸化されるためと考えられる。
【0072】
実施例4
本実施例では以下のようにして、図2に示す3色の有機EL表示装置を作製した。
ガラス基板1上に常法によりTFT2を形成し、アノード3として透明性導電材料であるITO(インジウム−チン−オキサイド)を膜厚50nmで製膜した。また、フォトレジストプロセスにより隔壁4を格子状に形成した。次に、正孔注入層として表1のインクGをスピンコートし、120℃のホットプレート上に1分間置いて溶媒(水)を揮発させ、20nmの膜厚に製膜した。
【0073】
正孔注入層を形成した基板上に、赤色に発光する画素に対応する部分に開口部を有するステンレス製のマスクを固定した。これをエキシマランプから15mmの距離に配置して、正孔注入層5に波長172nm、5mW/cm2の紫外光を30秒間照射した。続いて、緑色に発光する画素に対応する部分に開口部を有するステンレス製のマスクを固定し、これをエキシマランプから15mmの距離に配置して、正孔注入層6に波長172nm、5mW/cm2の紫外光を70秒間照射した。さらに、青色に発光する画素に対応する部分に開口部を有するステンレス製のマスクを固定し、これをエキシマランプから15mmの距離に配置して、正孔注入層7に波長172nm、5mW/cm2の紫外光を90秒間照射した。
【0074】
このように照射時間を変えて紫外光を照射することによって、正孔注入層5、6、および7のイオン化ポテンシャルは、各々5.4eV、5.6eV、および5.7eVとなった。
【0075】
イオン化ポテンシャルが制御された正孔注入層5、6、および7上には、前述の実施例2と同様の材料を用い、同様の手法によりポリマー発光層8、9、および10をそれぞれ成膜した。
【0076】
バッファ層11として厚さ約3nmのLiFをスパッタリングにより形成した。その上に、カソード12として厚さ約100nmのCa(カルシウム)を形成し、さらにその上に厚さ約300nmの銀電極13を形成した。最表面に封止膜14を形成して各画素を封止した。
【0077】
この有機EL表示装置を20mA/cm2の電流密度で駆動させたときの発光効率は、2cd/Aであった。
【0078】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、高発光効率、高輝度、かつ長寿命の有機EL素子を与える有機EL正孔注入層用インクおよびその製造方法、有機EL表示装置の製造方法ならびに有機EL表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】イオン化ポテンシャルの測定方法を説明するための図。
【図2】本発明の一実施形態にかかる有機EL表示装置を示す断面図。
【図3】本発明の実施例1における有機EL表示素子を示す断面図。
【符号の説明】
1・・・基板
2・・・トランジスタ
3・・・透明電極
4・・・隔壁
5・・・正孔注入層
6・・・正孔注入層
7・・・正孔注入層
8・・・ポリマー発光層(R)
9・・・ポリマー発光層(G)
10・・・ポリマー発光層(B)
11・・・バッファ層
12・・・対向電極
13・・・銀電極
14・・・封止膜

Claims (5)

  1. 水中にポリチオフェン誘導体からなるドナー性分子とポリスチレンスルホン酸からなるアクセプタ性分子との会合体が分散し、大気圧光電子分光法により測定されたイオン化ポテンシャルが5.3eVより大であることを特徴とする有機EL正孔注入層用インク。
  2. 前記ポリチオフェン誘導体は、ポリ(3,4―ジアルコキシチオフェン)およびポリエチレンジオキシチオフェンから選択されることを特徴とする請求項1に記載の有機EL正孔注入層用インク。
  3. ポリチオフェン誘導体からなるドナー性分子とポリスチレンスルホン酸からなるアクセプタ性分子との会合体を水中に分散させ、大気圧光電子分光法により測定されたイオン化ポテンシャルを、透析により5.3eVより大とする工程を具備し、
    前記透析は、セルロースを主成分とし、分画分子量が8000以上25000以下の透析膜を使用して行なわれることを特徴とする有機EL正孔注入層用インクの製造方法。
  4. アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置されたポリマー発光層とを有した画素を含み、1種類の発光色の画素または発光色が異なるよう複数種類含む画素を二次元的に配列し、少なくとも1つの発光色を示す前記画素が正孔注入層を有する有機EL表示装置を製造するにあたり、
    水中にポリチオフェン誘導体からなるドナー性分子とポリスチレンスルホン酸からなるアクセプタ性分子との会合体が分散し、大気圧光電子分光法により測定されたイオン化ポテンシャルが5.3eVより大である有機EL正孔注入層用インクをインクジェット方式によって塗布することにより、前記正孔注入層を形成することを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。
  5. アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置されたポリマー発光層とを有した画素を含み、1種類の発光色の画素または発光色が異なるよう複数種類含む画素が二次元的に配列されており、少なくとも1つの発光色を示す前記画素は正孔注入層を有し、
    前記アノードは透明電極からなり、
    前記正孔注入層はポリチオフェン誘導体からなるドナー性分子とポリスチレンスルホン酸からなるアクセプタ性分子との会合体を含み、
    前記正孔注入層は、大気圧光電子分光法により測定されたイオン化ポテンシャルが下記数式(1)で表わされる範囲内である有機EL正孔注入層用インクを用いて形成されていることを特徴とする有機EL表示装置。
    5.3<I p (H)<I p (E) (1)
    (上記数式中、I p (H)は前記正孔注入層のイオン化ポテンシャル(eV)であり、I p (E)は前記ポリマー発光層のイオン化ポテンシャル(eV)を表わす。)
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