JP3916414B2 - 基板処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被処理基板に所定の処理を施す基板処理装置に関し、詳しくは、処理装置本体の制御に第1の制御部および第2の制御部を含む基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造においては、被処理基板としての半導体ウエハ上に所定の膜を形成する成膜プロセス、所定の膜にパターンを形成するためのフォトリソグラフィー工程、そのパターンに応じて所定の膜をエッチングするエッチング工程等、種々の工程が用いられており、これら工程の処理ごとに成膜装置、レジスト塗布現像装置、エッチング装置等の処理装置が用いられている。
【0003】
これらの処理装置のうち、フォトリソグラフィー工程を行うレジスト塗布現像装置を例にとって説明する。このようなフォトリソグラフィー工程においては、洗浄処理された半導体ウエハに対して、まずアドヒージョン処理ユニットにて疎水化処理を施し、クーリングユニットにて冷却した後、レジスト塗布ユニットにてフォトレジスト膜を塗布形成する。このフォトレジスト膜が形成された半導体ウエハに対し、加熱処理を行うホットプレートユニットにてプリベーク処理を施した後、クーリングユニットにて冷却し、露光装置にて所定のパターンを露光する。引き続き、露光後の半導体ウエハに対してホットプレートユニットにてポストエクスポージャーベーク処理を施した後、クーリングユニットにて冷却し、現像ユニットにて現像液を塗布して露光パターンを現像する。そして、最後に、ホットプレートユニットにてポストベーク処理を施して高分子化のための熱変成、半導体ウエハとパターンとの密着性を強化する。上述のレジスト塗布現像装置は、このような一連の処理工程のうち、露光処理を除く工程を行うものであり、各処理を行う複数の処理ユニットを一体的に集約して構成されており、これら全ての各ユニットに対してウエハの搬入出が可能な搬送装置を有している。
【0004】
このようなレジスト塗布現像装置の制御は、例えば、処理のレシピ、搬送装置の管理やホストコンピュータとの通信等を行う第1の制御部と、第1の制御部からの指令により各処理ユニットにおける各処理を制御する第2の制御部とにより行われる。
【0005】
上述のような装置制御においては、第1の制御部が各処理ユニットの処理に必要な情報を第2の制御部に出力し、第2の制御部では、制御に必要なセンサーからの情報と第1の制御部からの情報とにより各処理ユニットの要素を制御し、その際の制御情報は第1の制御部からホストコンピュータに送信される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような制御では制御に必要な情報は揃っており、制御後の情報も管理されているが、近時、各処理の制御の一層の高精度化が指向されており、また、装置トラブル等のより迅速な対応が望まれており、そのために制御された後の情報のみならず、実際の処理における温度等の計測データ、アラームデータ、駆動系のデータ等を入手して処理の履歴を詳細に把握することが望まれている。
【0007】
しかしながら、従来の処理装置においてこのような履歴を把握するためには、履歴を把握しようとするデータごとに計測装置等を準備する必要があり煩雑である。また、履歴を把握すべき処理要素は莫大でありこれら処理要素ごとにこのような計測装置等を取り付けることは極めて非現実的である。
【0008】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、基板処理の履歴を容易に把握することができる基板処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、処理室内で被処理基板に対して所定の処理を実施する複数の処理ユニットと、各処理ユニット間で被処理基板を搬送する搬送装置と、を有する基板処理装置本体と、前記基板処理装置本体全体を制御する第1の制御部と、前記第1の制御部から出力される指令信号に基づいて前記複数の処理ユニットを個々に制御するとともに、前記複数の処理ユニットでの処理履歴を把握するために必要な情報を含む信号を前記第1の制御部に出力する第2の制御部と、を有する制御ボックスと、前記第1の制御部と前記第2の制御部との間の信号通信回線に介装されたハブと、前記ハブに接続され、前記第1の制御部と第2の制御部との間で授受される信号を前記ハブを介して取り込み、取り込まれた信号に含まれる、前記複数の処理ユニットでの処理の履歴を把握するために必要な情報を蓄積する情報蓄積部と、前記情報の種類に応じて情報の蓄積頻度を選択する情報蓄積選択機構とを具備することを特徴とする基板処理装置を提供する。
0010
本発明らは、上記課題を解決するために検討を重ねた結果、制御ボックスにおける第1の制御部と第2の制御部との間で授受される信号を取り出すことにより、特別な計測器を用いることなく処理の履歴の把握に必要な情報を容易に入手することができること、およびこのようにして入手する情報は膨大な量になるが、情報の種類に応じて情報の蓄積頻度を選択することにより蓄積する情報を極力少なくできることに想到し本発明を完成するに至った。すなわち、制御ボックスから出力される信号、特に第1の制御部と第2の制御部との間で授受される情報は、処理のための検出情報等、処理の履歴を把握するために必要な情報を含んでいるから、これを取り出して情報蓄積部に蓄積させることにより特別な計測器を何等用いずに極めて容易に処理の履歴を把握することができ、かつ、情報の種類に応じて情報の蓄積頻度を選択すること、たとえば変動の少ない情報は被処理基板複数枚に1回、変動の多い情報は被処理基板ごとのようにすることにより、蓄積する情報を極力少なくすることができる。
【0011】
また、被処理基板に対して所定の処理を実施する複数の処理ユニットと各処理ユニット間で被処理体を搬送する搬送装置とを備えた基板処理装置本体を制御するにあたり、搬送装置を含む基板処理装置全体を制御する第1の制御部と、複数の処理ユニットを制御する第2の制御部との間で授受される信号を情報蓄積部に蓄積するので、第2の制御部が各処理ユニットの検出情報を第1の制御部に出力する際の信号を取り込むことができ、処理ユニットにおける処理の動作履歴を容易に把握することができる。
【0012】
本発明において、前記情報蓄積選択機構は、前記複数種類の情報のうち、所定の情報は被処理基板ごとに前記情報蓄積部に蓄積させ、他の所定の情報は複数の被処理基板につき1回前記情報蓄積部に蓄積させるようにすることができる。この場合に、前記他の所定の情報を、被処理基板の1ロットごとに少なくとも1回前記情報蓄積部に蓄積させるようにすることができる。
【0013】
また、被処理基板ごとに前記情報蓄積部に蓄積される前記所定の情報として、各処理ユニットでの処理中にトラブルが生じた際に発するアラームのデータを用いるようにすることができる。また、前記複数の処理ユニットには少なくとも一つの液処理ユニットを含み、被処理基板ごとに前記情報蓄積部に蓄積される前記所定の情報として、前記液処理ユニットでの液処理のディスペンスデータを用いるようにすることができる。さらに、前記複数の処理ユニットの内少なくとも一つの処理ユニットは基板を昇降する駆動系を有し、被処理基板ごとに前記情報蓄積部に蓄積される前記所定の情報として、前記駆動系のデータを用いるようにすることができる。さらにまた、被処理基板ごとに前記情報蓄積部に蓄積される前記所定の情報として、各処理ユニットへの被処理基板の搬入開始および搬出終了の情報、または、各処理ユニットにおける処理の開始および終了の情報を用いるようにすることができる。前記他の所定の情報として、温度、湿度、気圧のデータを用いるようにすることができる。
0014
さらに、本発明において、前記基板処理装置本体は、前記制御ボックスには発信されない情報を検出する付加的検出部をさらに有し、前記情報蓄積部は前記付加的検出部からの信号を取り込んで蓄積するように構成することができる。例えば、第2の制御部からバルブ等の駆動部材に駆動信号が与えられる場合、この信号は制御ボックスには発信されず、第1の制御部と第2の制御部との間で授受されないので、この情報は制御ボックスからは取り出すことができないが、このような情報を付加的検出部で検出して情報蓄積部に蓄積させることにより、処理の履歴の把握をより高精度で行うことができる。
0015
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1〜図4は、本発明の一実施形態に係るレジスト塗布現像装置の全体構成を示しおり、図1は概略斜視図、図2は概略平面図、図3は概略正面図、図4は概略側面図である。
0016
このレジスト塗布現像装置100は、装置本体101と、装置本体101を制御し、情報を蓄積する制御・データ蓄積セクション102とを備えている。装置本体101は、被処理基板例えば半導体ウエハ(以下単に「ウエハ」と記す)WをウエハカセットCRで複数枚例えば25枚単位で外部から基板処理装置に搬入または基板処理装置から搬出したり、ウエハカセットCRに対してウエハWを搬入・搬出したりするためのカセットステーション10と、塗布現像工程の中で1枚ずつウエハWに所定の処理を施す枚葉式の各種処理ユニットを所定位置に多段配置してなる処理ステーション12と、この処理ステーション12と隣接して設けられる露光装置(図示せず)との間でウエハWを受け渡しするためのインターフェース部14とを一体に接続した構成を有している。なお、制御・データ蓄積セクション102はカセットステーション10の下部に設けられている。
0017
カセットステーション10は、表示部16と、カセット載置台20と、X方向、Y方向、Z方向に移動可能でθ方向に回転可能なウエハ搬送用アーム22aを有するウエハ搬送機構22によって構成されており、カセット載置台20上には、複数個例えば4個のウエハカセットCRが載置可能である。
0018
処理ステーション12は、カップCP内でウエハWをスピンチャックに載せて所定の処理を行う液処理ユニットを多段に配置した第1の処理ユニット群G、第2の処理ユニット群Gと、ウエハWを載置台SPに載せて所定の処理を行う熱処理ユニットを多段に配した第3の処理ユニット群G、第4の処理ユニット群Gと、垂直搬送型の主ウエハ搬送機構24とで構成されている。
0019
主ウエハ搬送機構24は、図4に示すように、筒状支持体91の内側に、ウエハ搬送装置90を上下方向(Z方向)に昇降自在に装備している。筒状支持体91はモータ(図示せず)の回転駆動力によって回転可能となっており、それにともなってウエハ搬送装置90も一体的に回転可能となっている。
0020
ウエハ搬送装置90は、搬送基台92の前後方向に移動自在な複数本の保持部材(ピンセット)93を備え、これらの保持部材93によって各処理ユニット間でのウエハWの受け渡しを実現する。
0021
第1の処理ユニット群Gでは、液処理ユニットとして例えばスピンコート法によりウエハ表面にレジスト膜を塗布形成するレジスト塗布ユニット(COT)、露光後の回路パターンを現像する現像ユニット(DEV)が2段に重ねられている。第2の処理ユニット群Gでも、レジスト塗布ユニット(COT)および現像ユニット(DEV)が2段に重ねられている。
0022
第3の処理ユニット群G、第4の処理ユニット群Gでは、熱的処理ユニットとして例えばウエハWを所定の温度に冷却するクーリングユニット(COL)、ウエハWにフォトレジストを塗布する前にこれを疎水化処理するアドヒージョンユニット(AD)、ウエハWの位置調整を行うためのアライメントユニット(ALIM)、各ステーション間でウエハWの受け渡しを行うためのエクステンションユニット(EXT)、ウエハWを所定の温度で加熱処理するホットプレートユニット(HP)等が8段に重ねられている。
0023
インターフェース部14の正面部には可搬性のピックアップカセットCRが配置され、背面部には周辺露光装置28が配置され、中央部にはウエハ搬送機構26が設けられている。このウエハ搬送機構26はウエハ搬送用アーム26aを有しており、このウエハ搬送用アーム26aはX方向、Z方向に移動してカセットCRおよび周辺露光装置28にアクセス可能となっている。また、このウエハ搬送用アーム26aは、θ方向に回転可能であり、処理ステーション12側の第4の処理ユニット群Gの多段ユニットに属するエクステンションユニット(EXT)にも、隣接する露光装置側のウエハ受渡し台(図示せず)にもアクセスできるようになっている。
0024
次に、図5を参照して、制御・データ蓄積セクション102について説明する。図5は制御・データ蓄積セクション102の構成を示すブロック図である。この制御・データ蓄積セクション102は、第1コントローラ103および第2コントローラ104からなる制御ボックス105と、第1コントローラ103と第2コントローラ104との間で授受される信号を取り込んでその信号に基づく複数種類のデータ(情報)を蓄積するデータ蓄積ボックス106と、データの種類に応じてデータ蓄積ボックス106へのデータの蓄積頻度を選択するデータ蓄積選択機構107を有している。
0025
制御ボックス105における第1コントローラ103は、処理装置本体101全体の制御を行うものであり、主に、レシピ管理、ウエハ搬送の管理、表示画面の管理を行う。また、第1コントローラ103はホストコンピュータ118に接続されており、ホストコンピュータ118との通信も行う。そして、これらに関するデータに基づいて第2コントローラ104に対して指令を与える。
0026
制御ボックス105における第2コントローラ104は、装置本体101の各処理ユニットを制御するものであり、複数のI/Oボードを介してセンサーや駆動部材等と接続されている。温度や湿度等の計測データ、アラームデータ、検出データ等を第1コントローラ103に出力し、第1コントローラ103の指令およびセンサー情報等に基づいて各処理ユニットの駆動系等の要素を制御する。
0027
第1コントローラ103に接続された信号線108および第2コントローラ104に接続された信号線109はHUB110に接続されており、このHUB110とデータ蓄積ボックス106とはデータ蓄積選択機構107を介して接続されている。すなわち、HUB110とデータ蓄積選択機構107が信号線112で接続されており、データ蓄積選択機構107とデータ蓄積ボックス106とが信号線113で接続されている。したがって、第1コントローラ103および第2コントローラ104で授受される信号の少なくとも一部をデータ蓄積選択機構107でその蓄積頻度を選択しつつデータ蓄積ボックス106へ取り込んで蓄積することができる。この際のHUB110からの信号の供給は、例えば2秒ごとに行われる。
0028
また、第1コントローラ103および第2コントローラ104で授受されない信号、例えばバルブ等の駆動部材に与えられる駆動信号や、温度、湿度等の計測データの一部を検出するための複数の付加的センサー(付加的検出部)111が設けられており、これら付加的センサー111は信号線114を介してデータ蓄積選択機構107に接続されている。したがって、この付加的センサー111の情報をデータ蓄積選択機構107によりその蓄積頻度を選択した後にデータ蓄積ボックス106へ取り込んで蓄積することができる。この際の付加的センサー111からの信号の供給は、例えば2秒以下の間隔で行うことができる。
0029
第1コントローラ103は信号線115を介してHUB116に接続され、HUB116は信号線117を介してホストコンピュータ118に接続されており、第1コントローラ103の情報をホストコンピュータ118に送信するようになっている。また、HUB116にはデータ蓄積ボックス106から延びる信号線119が接続されていて、データ蓄積ボックス106の蓄積情報もHUB116を介してホストコンピュータ118に送信されるようになっている。したがって、ホストコンピュータ118では、第1コントローラ103からの情報およびデータ蓄積ボックス106からの情報を情報処理してデータの解析を行うことが可能である。
0030
データ蓄積ボックス106は、図6に示すように、第1コントローラ103および第2コントローラ104で授受される信号をデータ蓄積選択機構107を介して取り入れる装置本体インターフェース121と、その信号を処理する装置本体エージェント122と、付加的センサー111からの情報をデータ蓄積選択機構107を介して取り入れる付加的センサーインターフェース123と、その信号を処理する付加的センサーエージェント124と、装置本体エージェント122および付加的センサーエージェント124との間でデータの授受を行いさらなるデータの処理および蓄積を行う蓄積データマネージャー125と、データベースマネージメントソフトウェア126と、データ蓄積のためのデータベースを記憶するデータベース記憶部127と、蓄積データを記憶する蓄積データ記憶部128とを有する。
0031
データ蓄積選択機構107は、予めデータの種類に応じてデータ蓄積ボックス106にデータを蓄積する頻度が設定されており、HUB110を介して入力された第1コントローラ103および第2コントローラ104で授受される信号および付加的センサー111から入力された情報の種類を識別し、そのデータの予め設定された蓄積頻度に応じてデータ蓄積ボックス106に信号を出力する。例えば、複数種類のデータのうち、所定のデータはウエハごとにデータ蓄積ボックス106に蓄積させ、他の所定のデータは複数のウエハにつき1回、例えば1ロットにつき少なくとも1回データ蓄積ボックス106に蓄積させる。複数のウエハにつき1回データを蓄積する情報としては、変動の少ない計測データ、例えば温度、湿度等が挙げられる。また、ウエハごとに蓄積するデータとしては、処理装置本体101の各処理ユニットにおける処理動作情報等が挙げられる。
0032
このように構成されるレジスト塗布現像装置100においては、ウエハカセットCRから処理前のウエハWを1枚ずつウエハ搬送機構22によって搬出し、アライメントユニット(ALIM)へ搬入する。次いで、ここで位置決めされたウエハWを主ウエハ搬送機構24により搬出し、アドヒージョンユニット(AD)に搬入してアドヒージョン処理を施す。このアドヒージョン処理の終了後、ウエハWを主ウエハ搬送機構24により搬出し、クーリングユニット(COL)に搬送して、ここで冷却する。次いで、ウエハWをレジスト塗布ユニット(COT)に搬送してレジスト塗布を行い、さらに、ホットプレートユニット(HP)でプリベーク処理を行って、エクステンション・クーリングユニット(EXTCOL)を介して、インターフェース部14に搬送し、そこから隣接する露光装置に搬送する。さらに、露光装置にて露光処理のなされたウエハWを、ウエハ搬送機構26によりインターフェース部14、エクステンションユニット(EXT)を介して処理ステーション12に搬送する。処理ステーション12において、主ウエハ搬送機構24によりウエハWをホットプレートユニット(HP)に搬送してポストエクスポージャー処理を施し、さらに現像ユニット(DEV)に搬送して現像処理を施した後、ホットプレートユニット(HP)でポストベーク処理を行い、クーリングユニット(COL)において冷却した後、エクステンションユニット(EXT)を介してカセットステーション10に搬送する。以上のようにして所定の処理がなされたウエハWを、ウエハ搬送機構22がウエハカセットCRに収納する。
0033
このような一連の処理は上述のように、制御・データ蓄積セクション102の制御ボックス105により制御される。そして、制御ボックス105の第1コントローラ103と第2コントローラ104との間で授受される信号の少なくとも一部が、例えば2秒ごとにHUB110を介してデータ蓄積選択機構107に送られ、そこからデータの種類に応じて予め設定された頻度でデータ蓄積ボックス106へ送られ蓄積される。このとき、データ蓄積選択機構107からのデータは、データ蓄積ボックス106において装置本体インターフェース121を経て装置本体エージェント122および蓄積データマネージャー125により処理され、蓄積データ記憶部128に蓄積される。
0034
一方、付加的センサー111からの情報は例えば2秒以下のサイクルでデータ蓄積選択機構107に送られ、そこからデータの種類に応じて予め設定された頻度でデータ蓄積ボックス106へ送られ蓄積される。このとき、データ蓄積選択機構107からのデータは、データ蓄積ボックス106において付加的センサーインターフェース123を経て付加的センサーエージェント124および蓄積データマネージャー125により処理され、同様に蓄積データ記憶部128に蓄積される。
0035
データベース記憶部127に蓄積されたデータ蓄積のためのデータベースおよび蓄積データ記憶部128に蓄積されたデータは、所定のデータベースマネージメントソフトウェア126により処理され、HUB116を介してホストコンピュータ118へ出力される。
0036
データ蓄積ボックス106にサンプリングされ、蓄積されるデータとしては、以下の5つのものが代表例として例示される。
(1)温度、湿度、気圧等の計測データ
(2)処理中にトラブルが生じた際に発するアラームのデータ
(3)塗布処理ユニット(COT)等の液処理ユニットにおける処理液のディスペンスデータ
(4)シリンダ等の駆動系のデータ
(5)ウエハ搬送および処理ユニットの処理情報
0037
以上のうち、(1)の計測データについては、第2コントローラ104により制御され、通常、第2コントローラ104から第1コントローラ103に出力されるから、第1コントローラ103と第2コントローラ104との間のHUB110を介してデータ蓄積ボックス106に蓄積される。ただし、通常の制御に用いられない計測データの場合には、付加的センサー111により検出し、直接にデータ蓄積ボックス106に蓄積させることができる。
0038
(2)のアラームデータについては、通常各処理ユニットにて発せられるから、第2コントローラ104でアラームを受け、第2コントローラ104から第1コントローラ103へ出力される。したがって、このデータはHUB110を介してデータ蓄積ボックス106に取り込み蓄積することができる。このデータを蓄積することにより、いつアラームが発せられたか、およびどの処理ユニットのどこで、どのような処理をしている時にアラームが発せられたかというような極めて細かい履歴を把握することができる。
0039
(3)のディスペンスデータについては、図7に示すように、配管132を介してノズル131からの処理液の吐出をエアオペレーションバルブ133の開閉により制御する際に、第2コントローラ104からI/Oボード130を介してエアオペレーションバルブ133を開閉するためのソレノイドバルブ134にON/OFF信号が出力されるが、その制御ライン135に付加的センサー111を接続し、上記ON/OFF信号を付加的センサー111により検出してそのデータをデータ蓄積ボックス106に蓄積させることができる。このようなデータは通常は第1コントローラ103と第2コントローラ104との間で授受されないから、このように付加的センサー111から直接データ蓄積ボックス106に蓄積させるが、このようなデータを第1コントローラ103と第2コントローラ104との間で授受するようにもでき、その際にはHUB110を介してデータ蓄積ボックス106に蓄積させることができる。このようなデータを蓄積することにより、どの時刻にエアオペレーションバルブ133が開いたかあるいは閉じたかを全て把握することができ、例えばそのデータと実際のディスペンスデータとを関連づけて履歴を把握することもできる。
0040
(4)の駆動系の代表的なものとしてはウエハの昇降等に用いられるエアーシリンダーを挙げることができ、その際の制御は、図8に示すように、第2コントローラ104からI/Oボード140を介して第1のソレノイドバルブ(SOL1)144および第2のソレノイドバルブ(SOL2)145のいずれかに制御信号を出力してエアーシリンダー141のピストン141aの移動を開始させ、第1の位置センサー(センサー1)142および第2の位置センサー(センサー2)143のいずれかの検出信号をI/Oボード140を介して第2コントローラ104に出力し、その信号に基づいてエアーシリンダー141のピストン141aの移動を停止させることにより行われる。この際に、第1および第2の位置センサー142,143の信号ライン146,147ならびに第1および第2のソレノイドバルブ144,145の制御ライン148,149にそれぞれ付加的センサー111を接続し、第1および第2の位置センサー142,143の検出信号ならびに第1および第2のソレノイドバルブ144,145の開閉信号を付加的センサー111により検出してそのデータをデータ蓄積ボックス106に蓄積させることができる。これによりエアーシリンダー141の動作タイミングの履歴を把握することができ、例えば今まで把握することができなかった、エアーシリンダーごとの動作タイミングのばらつき等を把握することができる。したがって、動作タイミングの微調整等が可能となる。
0041
実際に蓄積されるデータは、図9に示すように、第1および第2のソレノイドバルブ144,145の開閉タイミングおよび第1および第2の位置センサー142,143のON/OFFタイミングを時系列的に把握したものである。すなわち、まず第1のソレノイドバルブ(SOL1)144が開にされるとピストン141aの上昇が開始され、第1の位置センサー(センサー1)142が作動(ON)した時点でピストン141aの上昇が停止する。次に、第1のソレノイドバルブ(SOL1)144が閉および第2のソレノイドバルブ(SOL2)145が開にされると、ピストン141aの下降が開始され、第2の位置センサー(センサー2)143が作動(ON)した時点でピストン141aの下降が停止する。
0042
このような駆動系のデータも通常は第1コントローラ103と第2コントローラ104との間で授受されないから、このように付加的センサー111から直接データ蓄積ボックス106に蓄積させるが、このようなデータを第1コントローラ103と第2コントローラ104との間で授受するようにもでき、その際にはHUB110を介してデータ蓄積ボックス106に蓄積させることができる。
0043
(5)のウエハ搬送および処理ユニットの処理情報については、第1コントローラ103のウエハ搬送の管理情報および第2コントローラ104における各処理ユニットでの出し入れ情報および各処理ユニットの処理情報がこれらの間で授受されるから、このデータをHUB110を介して取り出し、データ蓄積ボックス106に蓄積する。蓄積するウエハ搬送情報としては、各処理ユニットへのウエハの搬入開始および各搬出終了等の情報がある。また、蓄積する各処理ユニットの処理情報としては、各処理ユニットにおける処理の開始および終了等の情報がある。
0044
なお、データ蓄積の単位としてはウエハごとであってもよいし、ロットごと、または各処理ごとであってもよい。また、データ蓄積ボックス106にはデータが時系列的に蓄積される。このため、データ蓄積ボックス106に蓄積されたデータから処理の履歴を把握することができる。データ蓄積のタイミングとしては、ウエハWが処理ユニットに搬入された時点から蓄積を開始することもできるし、処理ユニットの処理が開始されてから蓄積を開始することもできる。
0045
このようにして、第1コントローラ103および第2コントローラ104の間で授受される信号を所定のタイミングでHUB110を経由して取り出しデータ蓄積ボックス106に蓄積するので、処理の際に自動的にデータを蓄積することができ、特別な計測器を用いることなく処理の履歴の把握に必要なデータを容易に入手することができる。すなわち、第1コントローラ103と第2コントローラ104との間で授受されるデータは、処理のための検出データや、アラームデータ、処理データ、ウエハ搬送データ等、処理の履歴を把握するために必要なデータを含んでいるから、これを取り出してデータ蓄積ボックス106に蓄積させることにより極めて容易に処理の履歴を把握することができる。
0046
しかも、上述のように付加的センサー111を用いて第1コントローラ103と第2コントローラ104との間で授受が行われないデータを検出してデータ蓄積ボックス106に蓄積するようにしたので、蓄積するデータをより多様にすることができ、処理の履歴の把握をより高精度で行うことができる。
0047
このような蓄積データのうち、例えば計測データの一種である温度や湿度等は処理の間中必要であるが、基本的に変動が少ないからデータ蓄積の頻度が少なくてよいのに対し、上記(2)のアラームのデータ、(3)の処理液のディスペンスデータ、(4)の駆動系のデータ、(5)ウエハ搬送および処理ユニットの処理情報については基本的に全てのウエハで(ウエハごとに)蓄積する必要がある。したがって、本実施形態では、上述したように、データ蓄積選択機構107により、データの種類に応じて蓄積頻度を選択する。上記変動が少ない計測データ等のデータ蓄積の具体例としては、複数のウエハにつき1回、例えば1ロット(例えば1カセット)のウエハのうちの最初だけ、または最初と最後、または最初と中間と最後等、1ロットに少なくとも1回蓄積することが挙げられる。
0048
以下、データ蓄積選択機構107におけるデータ蓄積選択フローの一例について図10を参照して説明する。
0049
まず、HUB110経由して送られる第1コントローラ103と第2コントローラ104との間で授受されるデータ、および付加的センサー111からのデータを所定間隔で取り込む(ST1)。次に、取り込んだデータの識別を行う(ST2)。そして、取り込んだデータが温度・湿度等の所定の計測データか否かを判断し(ST3)、所定の計測データの場合には、1ロットのウエハにつき1回データ蓄積ボックス106へデータを送るモードにして該当するタイミングのみにデータを蓄積するようにし(ST4)、所定の計測データでない場合には全てのウエハにつきデータ蓄積ボックス106へデータを送るモードにしてデータ蓄積選択機構107に送られたデータを全てデータ蓄積ボックス106へ送るようにする(ST5)。
0050
このように、データ蓄積選択機構107により、データの種類に応じてデータの蓄積頻度を選択することにより、変動の少ないデータ等のデータ蓄積量を少なくすることができ、データ蓄積ボックス106に蓄積する情報を極力少なくすることができる。したがって、本実施形態のレジスト塗布現像装置のような膨大なデータを蓄積する必要がある場合に有効である。
0051
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、本発明の思想の範囲内で種々変更可能である。例えば、上記実施形態では第1コントローラ103と第2コントローラ104との間で授受されるデータをデータ蓄積ボックス106に取り込み蓄積するようにしたが、第1コントローラ103からのデータを取り込んで蓄積するようにしてもよいし、第2コントローラ104からのデータを取り込んでもよいし、第1コントローラ103からのデータ、第2コントローラ104からのデータ、および第1コントローラ103と第2コントローラ104との間で授受されるデータのうち2つ以上を取り込んで蓄積するよにしてもよい。さらに、付加的センサー111からのデータをデータ蓄積ボックス106に直接蓄積するようにしたが、全ての情報を第1コントローラ103と第2コントローラ104との間で授受するようにすれば、付加的センサー111は必ずしも必要はない。
0052
また、上記実施形態では、温度・湿度等の計測データについて1ロットのウエハにつき1回データを蓄積し、他のデータについては全てのウエハについてデータを蓄積する場合について示したが、これに限るものではなく、例えば、所定のデータについてはウエハの処理の間中所定のタイミングでデータを蓄積し、他の所定のデータについてはウエハ搬入または搬出時のみにデータを蓄積するようにしてもよい。
0053
さらに、上記実施形態では、本発明をレジスト塗布現像装置に適用した場合について示したが、本発明の思想を考慮すると、レジスト塗布現像装置に限らず、あらゆる処理装置に適用可能である。
0054
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、制御ボックスにおける第1の制御部と第2の制御部との間で授受される信号を取り出すことにより、特別な計測器を用いることなく基板の処理の履歴の把握に必要な情報を容易に入手することができる。すなわち、制御ボックスにおける第1の制御部と第2の制御部との間で授受される情報は、基板の処理のための検出情報等、基板の処理の履歴を把握するために必要な情報を含んでいるから、これを取り出して情報蓄積部に蓄積させることにより特別な計測器を何等用いずに極めて容易に基板の処理の履歴を把握することができる。また、情報の種類に応じて情報の蓄積頻度を選択することにより、蓄積する情報を極力少なくすることができ、膨大な情報を蓄積する場合にも対応が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るレジスト塗布現像装置の全体構成を示す概略斜視図。
【図2】 本発明の一実施形態に係るレジスト塗布現像装置の全体構成を示す概略平面図。
【図3】 本発明の一実施形態に係るレジスト塗布現像装置の全体構成を示す概略正面図。
【図4】 本発明の一実施形態に係るレジスト塗布現像装置の全体構成を示す概略側面図。
【図5】 本発明の一実施形態に係るレジスト塗布現像装置の制御・データ蓄積セクションの構成を示すブロック図。
【図6】 図5の制御・データ蓄積セクションにおけるデータ蓄積ボックスの構成を示すブロック図。
【図7】 本発明の一実施形態に係るレジスト塗布現像装置における処理液吐出の際のデータ蓄積の例を示す模式図。
【図8】 本発明の一実施形態に係るレジスト塗布現像装置におけるエアーシリンダーの動作制御およびデータ蓄積の例を示す模式図。
【図9】 図8の構成により集積したデータを示すタイミングチャート。
【図10】 データ蓄積選択機構における処理フローを示すフローチャート。
【符号の説明】
100;レジスト塗布現像装置(処理装置)
101;装置本体(処理装置本体)
102;制御・データ蓄積セクション
103;第1コントローラ(第1の制御部)
104;第2コントローラ(第2の制御部)
105;制御ボックス
106;データ蓄積ボックス(情報蓄積部)
107;データ蓄積選択機構(情報蓄積選択機構)
110,116;HUB
111;付加的センサー(付加的検出部)
118;ホストコンピュータ

Claims (9)

  1. 処理室内で被処理基板に対して所定の処理を実施する複数の処理ユニットと、各処理ユニット間で被処理基板を搬送する搬送装置と、を有する基板処理装置本体と、
    前記基板処理装置本体全体を制御する第1の制御部と、前記第1の制御部から出力される指令信号に基づいて前記複数の処理ユニットを個々に制御するとともに、前記複数の処理ユニットでの処理履歴を把握するために必要な情報を含む信号を前記第1の制御部に出力する第2の制御部と、を有する制御ボックスと、
    前記第1の制御部と前記第2の制御部との間の信号通信回線に介装されたハブと、
    前記ハブに接続され、前記第1の制御部と第2の制御部との間で授受される信号を前記ハブを介して取り込み、取り込まれた信号に含まれる、前記複数の処理ユニットでの処理の履歴を把握するために必要な情報を蓄積する情報蓄積部と、
    前記情報の種類に応じて情報の蓄積頻度を選択する情報蓄積選択機構と
    を具備することを特徴とする基板処理装置。
  2. 前記情報蓄積選択機構は、前記複数種類の情報のうち、所定の情報は被処理基板ごとに前記情報蓄積部に蓄積させ、他の所定の情報は複数の被処理基板につき1回前記情報蓄積部に蓄積させることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記情報蓄積選択機構は、前記他の所定の情報を、被処理基板の1ロットごとに少なくとも1回前記情報蓄積部に蓄積させることを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
  4. 被処理基板ごとに前記情報蓄積部に蓄積される前記所定の情報は、各処理ユニットでの処理中にトラブルが生じた際に発するアラームのデータであることを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
  5. 前記複数の処理ユニットには少なくとも一つの液処理ユニットを含み、被処理基板ごとに前記情報蓄積部に蓄積される前記所定の情報は、前記液処理ユニットでの液処理のディスペンスデータであることを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
  6. 前記複数の処理ユニットの内少なくとも一つの処理ユニットは基板を昇降する駆動系を有し、被処理基板ごとに前記情報蓄積部に蓄積される前記所定の情報は、前記駆動系のデータであることを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
  7. 被処理基板ごとに前記情報蓄積部に蓄積される前記所定の情報は、各処理ユニットへの被処理基板の搬入開始および搬出終了の情報、または、各処理ユニットにおける処理の開始および終了の情報であることを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
  8. 前記他の所定の情報は、温度、湿度、気圧のデータであることを特徴とする請求項2から請求項7のいずれか1項に記載の基板処理装置。
  9. 前記基板処理装置本体は、前記制御ボックスには発信されない情報を検出する付加的検出部をさらに有し、前記情報蓄積部は前記付加的検出部からの信号を取り込んで蓄積することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の基板処理装置。
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