JP3915266B2 - 車両のブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のブレーキ液圧制御装置に関し、特に液圧発生手段とホイールシリンダとの間に介装した液圧制御手段をフィードバック制御することによって車輪に対する制動力を制御する車両のブレーキ液圧制御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
近時、車両のブレーキ液圧制御装置に関し、ブレーキバイワイヤと呼ばれる装置が注目されている。このブレーキバイワイヤは、ブレーキペダルの踏力又はストローク量に基づき目標ホイールシリンダ液圧(又は、目標車体加速度)を演算し、増圧ソレノイドバルブに電流を供給してホイールシリンダ液圧を増圧し、あるいは減圧ソレノイドバルブに電流を供給してホイールシリンダ液圧を減圧し、実ホイールシリンダ液圧(又は、実車体加速度)を目標ホイールシリンダ液圧(又は、目標車体加速度)に一致させるようにフィードバック制御を行なうものである。この一例として、独国特許公報DE1961039に記載の装置がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記ブレーキ液圧制御装置におけるフィードバック制御では、目標ホイールシリンダ液圧と実際に検出した実ホイールシリンダ液圧との偏差に応じてソレノイドバルブ等への出力を増減させるためフィードバックゲインが設定されるのが一般的である。このフィードバックゲインが適切でない場合、例えば過大である場合には、フィードバック制御によって制御媒体のブレーキ液圧のオーバーシュートやハンチングを誘発するおそれがあり、逆にフィードバックゲインが過小である場合には、応答遅れ等の不具合を生ずるおそれがある。特に、アンチスキッド制御等の車両状態に応じてブレーキ液圧制御を行なう態様と、通常のブレーキペダル操作に応じてブレーキ液圧制御を行なう態様とでは、要求される液圧応答性や制御の安定性が異なる。このような状況下で、フィードバックゲインを一定としたのでは適切な液圧制御を行なうことは困難であり、これを解決するための新たな対策が必要となる。
【0004】
そこで、本発明は、液圧発生手段とホイールシリンダとの間に介装した液圧制御手段をフィードバック制御する車両のブレーキ液圧制御装置において、ブレーキ液圧制御態様が異なる場合でも適切なフィードバックゲインを設定し液圧制御を適切に行なうことを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明の車両のブレーキ液圧制御装置は、車両の各車輪に装着しブレーキ液圧によって制動力を付与するホイールシリンダと、ブレーキ液圧を発生する液圧発生手段と、該液圧発生手段と前記ホイールシリンダの間に介装し前記ホイールシリンダに供給するブレーキ液圧を制御する液圧制御手段と、前記車両の状態を検出する車両状態検出手段と、該車両状態検出手段の検出結果及ブレーキ操作部材の操作に応じて目標液圧を設定する目標液圧設定手段と、前記ホイールシリンダ内のブレーキ液圧を検出する液圧検出手段と、該液圧検出手段が検出したブレーキ液圧を前記目標液圧設定手段が設定した目標液圧に一致させるように前記液圧制御手段をフィードバック制御するフィードバック制御手段と、該フィードバック制御手段に対する各車輪のフィードバックゲインを、前記ブレーキ操作部材の操作のみに応じて前記目標液圧を設定して前記液圧制御手段をフィードバック制御する態様と、前記車両状態検出手段の検出結果に応じて前記目標液圧を設定して前記液圧制御手段をフィードバック制御する態様における夫々の特性に応じた値に、全車輪に関して完了するまで繰り返し設定するフィードバックゲイン設定手段を備えることとしたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の望ましい実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の車両のブレーキ液圧制御装置の一実施形態を示すもので、車両の各車輪(図1には前方右側の車輪FRを示す)に装着しブレーキ液圧によって制動力を付与するホイールシリンダWfrとブレーキ液圧を発生する液圧発生手段PGとの間に液圧制御手段PCが介装され、この液圧制御手段PCによってホイールシリンダWfrのブレーキ液圧を制御するように構成されている。また、車両の状態を検出する車両状態検出手段VSと、この車両状態検出手段VSの検出結果及ブレーキ操作部材BPの操作に応じて目標液圧を設定する目標液圧設定手段PTと、ホイールシリンダWfr内のブレーキ液圧を検出する液圧検出手段PDを備え、この液圧検出手段PDが検出したブレーキ液圧を目標液圧設定手段PTが設定した目標液圧に一致させるように、フィードバック制御手段FCによって液圧制御手段PCをフィードバック制御するように構成されている。
【0007】
そして、フィードバックゲイン設定手段FGにおいて、フィードバック制御手段FCに対する各車輪のフィードバックゲインを、ブレーキ操作部材BPの操作のみに応じて目標液圧を設定して液圧制御手段PCをフィードバック制御する態様と、車両状態検出手段VSの検出結果に応じて目標液圧を設定して液圧制御手段PCをフィードバック制御する態様における夫々の特性に応じた値に、全車輪に関して完了するまで繰り返し設定するように構成されている。
【0008】
図2は上記の構成になるブレーキ液圧制御装置に供される常閉型のリニアソレノイドバルブの具体的構成を示し、中空部を有するハウジング1にコイル2が巻回され、中空部に連通する吸入孔3及び吐出孔4が形成されている。ハウジング1の中空部内にはプランジャ5が摺動自在に収容され、スプリング8によってその弁体部6が吸入孔3に着座するように配置されている。例えば、本実施形態においては、吸入孔3にブレーキ液圧が供給され吐出孔4から排出されるように構成されており、ブレーキ液圧が制御媒体とされる。
【0009】
而して、コイル2の非通電時には吸入孔3はプランジャ5の弁体部6によって閉塞されており、コイル2が通電されるとプランジャ5が駆動され、吸入孔3が開口する。そして、プランジャ5に作用する吸入孔3側と吐出孔4側との圧力差とコイル通電による吸引力との和がスプリング8の付勢力以下になると、吸入孔3はプランジャ5の弁体部6によって閉塞される。このようにして、デューティ制御される電流に対して比例したブレーキ液圧に制御される。尚、コイル2には後述する電子制御装置ECUが接続されると共に、電流検出手段たるセンサAが接続されている。
【0010】
図3は一実施形態に係るブレーキ液圧制御装置の全体構成を示し、ブレーキペダルBPの操作に応じてパワー液圧源PSから各車輪FL,FR,RL,RRのホイールシリンダWfl,Wfr,Wrl,Wrrにパワー液圧が供給されるように構成されている。これらのホイールシリンダWfl等は増圧ソレノイドバルブSIfl等を介してパワー液圧源PSに接続されている。また、ホイールシリンダWfl等は減圧ソレノイドバルブSDfl等を介して後述するマスタシリンダMCのリザーバRSに接続されている。尚、車輪FLは運転席からみて前方左側の車輪を示し、以下車輪FRは前方右側、車輪RLは後方左側、車輪RRは後方右側の車輪を示している。
【0011】
パワー液圧源PSは液圧ポンプHPとアキュムレータACを備え、液圧ポンプHPは電動モータ(図示せず)によって駆動され、吸込側からブレーキ液を導入し所定の圧力に昇圧して吐出側から出力するように構成され、アキュムレータACは液圧ポンプHPの吐出ブレーキ液圧を蓄圧するように構成されている。
【0012】
本実施形態においては、全ての増圧ソレノイドバルブSIfl,SIfr,SIrl,SIrr及び前輪側の減圧ソレノイドバルブSDfl,SDfrは常閉型のリニアソレノイドバルブで、後輪側の減圧ソレノイドバルブSDrl,SDrrは常開型のリニアソレノイドバルブであり、前者は図2に示すように構成されている。
【0013】
更に、前輪側の車輪FR,FLのホイールシリンダWfr,Wflは、ソレノイドバルブSE1,SE2を介してマスタシリンダMCに接続されている。これらのソレノイドバルブSE1,SE2は常時は図3に示す位置にあり、パワー液圧源PSが正常時には所謂カットオフ弁として機能する。而して、マスタシリンダMCは、パワー液圧源PSの失陥時に、ソレノイドバルブSE1等が開位置とされ、ブレーキペダルBPの操作に応じてリザーバRS内のブレーキ液が昇圧されて車輪FL,FRのブレーキ液圧系統にマスタシリンダ液圧が出力されるように構成されている。
【0014】
本実施形態のマスタシリンダMCは二つの圧力室C1,C2を有するタンデム型のマスタシリンダで、圧力室C1は車輪FRのホイールシリンダWfrに連通接続され、圧力室C2は車輪FLのホイールシリンダWflに連通接続されている。即ち、図3に示すように、シリンダCR内にピストンPN1,PN2,PN3が摺動自在に収容され、圧力室C1,C2及び液室C3が郭成されており、各室には夫々圧縮スプリングS1,S2,S3が収容されている。各室C1,C2,C3は、ブレーキペダルBP非操作時にはリザーバRSに連通接続されているが、ブレーキペダルBPの操作に応じてピストンPN1,PN2,PN3が前進するとリザーバRSとの連通が遮断されるように構成されている。
【0015】
上記マスタシリンダMC内のピストンPN3、スプリングS3及び液室C3はペダルストロークシュミレータSMを構成するもので、後述するようにパワー液圧源PSが正常時にはマスタシリンダMCが作動しないため、ブレーキペダルBPに付与された操作力に対応する大きさのストロークを確保するためのものである。液室C3は常閉型のソレノイドバルブSCを介してリザーバRSに連通接続されている。
【0016】
上記増圧ソレノイドバルブSIfl等及び減圧ソレノイドバルブSDfl等、並びに液圧ポンプHPのモータ(図示せず)は電子制御装置ECUに接続され、この電子制御装置ECUによって駆動制御される。図3にPで示された部材は圧力センサであり、これらも電子制御装置ECUに接続されている。また、図示は省略するが、ブレーキペダルBPに付与された操作力を検出する操作力センサ、ブレーキペダルBPのストロークを検出するストロークセンサが配設され、電子制御装置ECUに接続されている。而して、電子制御装置ECUにおいて、各ホイールシリンダWfl等のホイールシリンダ液圧の目標液圧が演算され、この目標液圧と一致するように増圧ソレノイドバルブSIfl等及び減圧ソレノイドバルブSDfl等が開閉制御される。
【0017】
更に、各車輪には車輪速度センサ(図示せず)が配設され、これらが電子制御装置ECUに接続されており、各車輪の回転速度、即ち車輪速度に比例するパルス数のパルス信号が電子制御装置ECUに入力されるように構成されている。而して、パワー液圧源PSが正常である場合において、例えば制動時に車輪がロック傾向となると、電子制御装置ECUにて増圧ソレノイドバルブSIfl等及び減圧ソレノイドバルブSDfl等が開閉制御され、アンチスキッド制御が行なわれる。
【0018】
電子制御装置ECUは、図示を省略するが、バスを介して相互に接続されたプロセシングユニット(CPU)、メモリ(ROM,RAM)、入力ポート及び出力ポート等から成るマイクロコンピュータを備えており、メモリ(ROM)は図4及び図5に示したフローチャートを含む種々の処理に供するプログラムを記憶し、プロセシングユニット(CPU)は図示しないイグニッションスイッチが閉成されている間当該プログラムを実行し、メモリ(RAM)は当該プログラムの実行に必要な変数データを一時的に記憶する。而して、電子制御装置ECU内には図1に示す各手段が構成されている。
【0019】
上記の構成になる実施形態の作用を説明すると、パワー液圧源PSが正常である場合において、ブレーキペダルBPが操作されると、ソレノイドバルブSE1,SE2が励磁されて閉位置とされると共に、減圧ソレノイドバルブSDrl,SDrrが励磁されて閉位置とされる。以後、ブレーキペダルBPの操作に応じた制動力が付与されるように、増圧ソレノイドバルブSIfl等への通電電流がデューティ制御される。この場合において、マスタシリンダMCの各室とリザーバRSとの連通が遮断された後はピストンPN1及びPN2の前進が不可能となるが、ソレノイドバルブSCが励磁されて開位置とされるので、液室C3がリザーバRSと連通し、ピストンPN3はスプリングS3の付勢力に抗して前進することとなる。而して、ブレーキペダルBPには、付与された操作力に応じたストロークが確保される。
【0020】
例えば、ブレーキ作動中にアンチスキッド制御に移行し、例えば車輪FRがロック傾向にあると判定されると、ソレノイドバルブSE1は閉位置のままで、増圧ソレノイドバルブSIfrが閉位置とされると共に、減圧ソレノイドバルブSDfrが開位置とされる。而して、ホイールシリンダWfrは減圧ソレノイドバルブSDfrを介してリザーバRSに連通し、ホイールシリンダWfr内のブレーキ液がリザーバRS内に流出し減圧される。而して、車輪毎に独立した制動力制御が行なわれる。
【0021】
パワー液圧源PSの失陥時には、ソレノイドバルブSC,SE1,SE2、増圧ソレノイドバルブSIfl等、及び減圧ソレノイドバルブSDfl等が非励磁とされ図3の状態に戻される。この状態でブレーキペダルBPが操作されると、マスタシリンダMCの液室C3とリザーバRSとの連通が遮断された後はピストンPN3の前進が不可能となるが、ソレノイドバルブSE1,SE2は開位置であるので、ピストンPN1及びPN2はブレーキペダルBPの操作に応じて前進し、マスタシリンダMCの圧力室C1,C2から、ソレノイドバルブSE1,SE2を介して、マスタシリンダ液圧が夫々ホイールシリンダWfr,Wflに供給される。
【0022】
尚、ブレーキペダルBPの非操作時には、ソレノイドバルブSC,SE1,SE2、増圧ソレノイドバルブSIfl等、及び減圧ソレノイドバルブSDfl等が非励磁とされ図3の状態とされると共に、ピストンPN1乃至PN3が初期位置に復帰するので、マスタシリンダMCの各室がリザーバRSに連通する。従って、パワー液圧源PS及びマスタシリンダMCの何れからもブレーキ液圧がホイールシリンダWfl等に供給されることはない。
【0023】
上記のように構成された本実施形態においては、電子制御装置ECUにより制動力制御等の一連の処理が行なわれ、イグニッションスイッチ(図示せず)が閉成されると図4及び図5等のフローチャートに対応したプログラムの実行が開始する。図4は増圧ソレノイドバルブSIfl等及び減圧ソレノイドバルブSDfl等のリニアソレノイドバルブの制御を示すもので、先ずステップ101にて電子制御装置ECUの初期設定が行なわれる。次にステップ102において、所定時間(例えば、7ms)を経過するまで待機される。即ち、本実施形態では以下の処理が7msのサイクルで行なわれることになるが、特にこの時間に限定するものではない。
【0024】
ステップ103においては、ブレーキペダルBPのストローク及び踏力、ブレーキスイッチ(図示せず)の状態、通電電流、車体加速度、ホイールシリンダ液圧(Pwc)、アキュムレータ液圧(Pac)等に関し、制御に必要な種々の処理が行なわれる。また、ステップ104において、演算した制御目標電流と実際の通電電流に基づき、各ソレノイドバルブのデューティ−目標電流マップ(図示せず)が補正される。
【0025】
次に、ステップ105に進み、ステップ103にて入力処理されたブレーキペダルBPのストローク及び踏力等に基づき、目標ホイールシリンダ液圧が演算される。そして、ステップ106において目標ホイールシリンダ液圧のフィードバック補正が行なわれる。即ち、ステップ103にて入力処理されたホイールシリンダ液圧の検出値(実ホイールシリンダ液圧)と、ステップ105にて演算された目標ホイールシリンダ液圧との関係からフィードバック制御が行なわれ、目標ホイールシリンダ液圧が補正される。以後、この補正後の目標ホイールシリンダ液圧を目標ホイールシリンダ液圧と呼ぶ。
【0026】
而して、ステップ107において、増圧ソレノイドバルブSIfl等及び減圧ソレノイドバルブSDfl等に関し、ソレノイドバルブ特性を表す目標ホイールシリンダ液圧−目標電流のマップ(図示せず)に基づき目標電流が設定され、目標電流−デューティのマップ(図示せず)に基づき目標電流に対応するデューティが設定される。
【0027】
ステップ106,107の処理が全車輪に関して完了するまで繰り返され、ステップ108にて完了と判定されるとステップ109に進み、目標電流(デューティ)が出力される。而して、車両運転者のブレーキ操作入力に応じたホイールシリンダ液圧に制御される。
【0028】
上記ステップ106で行なわれる目標ホイールシリンダ液圧のフィードバック補正に際しては、目標ホイールシリンダ液圧とホイールシリンダ液圧の検出値との関係から補正量を決定するためのフィードバックゲインが必要となる。このフィードバックゲイン次第で、制御のハンチングや目標ホイールシリンダ液圧に対する実ホイールシリンダ液圧の応答遅れ等の問題を惹起する。特に、例えばアンチスキッド制御に基づくブレーキ液圧制御の態様と、通常のブレーキペダル操作に応じてブレーキ液圧制御を行なう態様とでは、要求される液圧応答性や制御の安定性が異なるにも拘らず、フィードバックゲインが一定であると、状況の変化によっては不適切な値となるおそれがある。
【0029】
即ち、通常のブレーキ液圧制御を行なう態様では、液圧応答性と共に液圧変化の滑らかさも要求されるが、それ以外のアンチスキッド制御等の態様においては、液圧変化の滑らかさを多少犠牲にしてでも良好な液圧応答性の確保が優先される。而して、本実施形態においては、以下に説明するようにブレーキ液圧制御態様に応じてフィードバックゲインが適切な値に設定される。
【0030】
図5は、図4のステップ106において行なわれる目標ホイールシリンダ液圧のフィードバック補正の一例を示すもので、先ずステップ201において、実ホイールシリンダ液圧(Pwc)と目標ホイールシリンダ液圧(Pt)との偏差ΔP(=Pt−Pwc)が演算される。続いてステップ202にて、この演算対象のホイールシリンダの車輪がアンチスキッド制御中か否かが判定され、アンチスキッド制御中であればステップ203に進み、フィードバックゲインGaとしてアンチスキッド制御用のフィードバックゲインGabs が選択され、そうでなければステップ204に進み、フィードバックゲインGaとして通常のブレーキ液圧制御用のフィードバックゲインGnoが選択される。
【0031】
続いてステップ205に進み、ステップ201の演算結果の偏差ΔPとフィードバックゲインGaの積が補正量Pfbとされる。而して、ステップ206において、目標ホイールシリンダ液圧Ptに補正量Pfbが加算され(Pt+Pfb)、フィードバック補正後の目標ホイールシリンダ液圧Ptfb が求められる。
【0032】
而して、ブレーキ液圧制御態様に応じたフィードバックゲインが設定されるので、何れの態様においても適切な液圧制御を行なうことができる。図6は通常のブレーキ液圧制御の態様に関し、本実施形態による液圧特性を従来例と対比して示すもので、本実施形態においてはフィードバックゲインが従来例に比し小さく設定されるため、一点鎖線で示す目標液圧に対し、実線で示したように漸近する。これに対し、フィードバックゲインが大きい従来例では、破線で示すようにオーバーシュートを惹起している。
【0033】
また、図7はアンチスキッド制御の態様に関し、本実施形態による液圧特性を従来例と対比して示すもので、本実施形態においては従来例に比しフィードバックゲインが大きく設定されるため、一点鎖線の目標液圧の変化に対し、実線で示したように確実に追従する。これに対し、フィードバックゲインが小さい従来例では、破線で示すように液圧応答性に問題が残る。尚、本実施形態においてはアンチスキッド制御が行なわれる場合の例を示しているが、制動操舵制御等、車両状態に応じた他の液圧制御が行なわれる場合には夫々の態様に応じたフィードバックゲインが設定される。
【0034】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成されているので以下の効果を奏する。即ち、本発明の車両のブレーキ液圧制御装置においては、フィードバック制御手段に対する各車輪のフィードバックゲインを、ブレーキ操作部材の操作のみに応じて目標液圧を設定して液圧制御手段をフィードバック制御する態様と、車両状態検出手段の検出結果に応じて目標液圧を設定して液圧制御手段をフィードバック制御する態様における夫々の特性に応じた値に、全車輪に関して完了するまで繰り返し設定するように構成されているので、ブレーキ液圧制御態様が異なる場合でも各態様に応じた適切なフィードバックゲインを設定し液圧制御を適切に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブレーキ液圧制御装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に供するリニアソレノイドバルブの断面図である。
【図3】本発明のブレーキ液圧制御装置の一実施形態の全体構成図である。
【図4】本発明の一実施形態における増圧ソレノイドバルブ及び減圧ソレノイドバルブの制御を示すフローチャートである。
【図5】図4のステップ106において行なわれる目標ホイールシリンダ液圧のフィードバック補正の一例を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態による通常のブレーキ液圧制御時における液圧特性を従来例と対比して示すグラフである。
【図7】本実施形態によるアンチスキッド制御時における液圧特性を従来例と対比して示すグラフである。
【符号の説明】
BP ブレーキペダル, MC マスタシリンダ
HP 液圧ポンプ, RS リザーバ
Wfr,Wfl,Wrr,Wrl ホイールシリンダ
FR,FL,RR,RL 車輪
ECU 電子制御装置

Claims (1)

  1. 車両の各車輪に装着しブレーキ液圧によって制動力を付与するホイールシリンダと、ブレーキ液圧を発生する液圧発生手段と、該液圧発生手段と前記ホイールシリンダの間に介装し前記ホイールシリンダに供給するブレーキ液圧を制御する液圧制御手段と、前記車両の状態を検出する車両状態検出手段と、該車両状態検出手段の検出結果及ブレーキ操作部材の操作に応じて目標液圧を設定する目標液圧設定手段と、前記ホイールシリンダ内のブレーキ液圧を検出する液圧検出手段と、該液圧検出手段が検出したブレーキ液圧を前記目標液圧設定手段が設定した目標液圧に一致させるように前記液圧制御手段をフィードバック制御するフィードバック制御手段と、該フィードバック制御手段に対する各車輪のフィードバックゲインを、前記ブレーキ操作部材の操作のみに応じて前記目標液圧を設定して前記液圧制御手段をフィードバック制御する態様と、前記車両状態検出手段の検出結果に応じて前記目標液圧を設定して前記液圧制御手段をフィードバック制御する態様における夫々の特性に応じた値に、全車輪に関して完了するまで繰り返し設定するフィードバックゲイン設定手段を備えたことを特徴とする車両のブレーキ液圧制御装置。
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