JP3915157B2 - 有害生物防除剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は有害生物防除剤及び有害生物防除方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
α化澱粉を有効成分として含有する有害生物防除剤は、特開平7−126105号公報において知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、α化澱粉を有効成分として含有する有害生物防除剤は、長期間の保存安定性が必ずしも良くなく、安定化を図るためにはリン酸塩を添加するなどの工夫が必要とされていた。(特開平8−319206号公報)
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、α化澱粉をヒドロキシプロピル化することにより保存安定性の改良を図ったものであり、α化ヒドロキシプロピル澱粉、界面活性剤及び水を含有する有害生物防除剤(以下、「本発明防除剤」と記す。)を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられるα化ヒドロキシプロピル澱粉とは、澱粉にヒドロキシプロピル化処理及びα化処理を施したものである。ヒドロキシプロピル化処理は、通常、澱粉をアルカリ性条件下にプロピレンオキシドと反応させることにより行われる。ヒドロキシプロピル澱粉の置換度(ヒドロキシプロピル化の割合)は、一般に、0.05〜0.2程度であり、特に、0.08〜0.15の範囲内が好ましい。ヒドロキシプロピル澱粉は、馬鈴薯、甘藷、小麦、トウモロコシ、タピオカ、サゴ、米等から得られる天然澱粉を、例えばアルカリ性条件下にプロピレンオキシドと40〜50℃で約10時間反応させることにより得られ、熱処理等によりα化処理を施してα化ヒドロキシプロピル澱粉に導くことができる。
α化ヒドロキシプロピル澱粉は、通常、本発明防除剤中に 0.5〜30重量%、好ましくは1〜15重量%程度含有される。
【0006】
本発明において用いられる界面活性剤は特に限定されないが、例えば、エアロールCT-1(東邦化学工業製)、ネオコールYSK(第一工業製薬製)等のジアルキルスルホサクシネート系界面活性剤、サーフィノール104 (日信化学製)等のアセチレングリコール系界面活性剤、Silwet L-77 (Witco 社製)、KF-618(信越化学工業製)等のシリコーン系界面活性剤などが挙げられる。界面活性剤は、通常、本発明防除剤中に 0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%程度含有される。
【0007】
本発明防除剤は、α化ヒドロキシプロピル澱粉、界面活性剤及び水の他に、必要により製剤用補助剤を含有し、該製剤用補助剤としては、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の凍結防止剤、防腐剤、有機溶媒、色素、香料などが挙げられる。製剤用補助剤は、本発明防除剤中に通常0〜30重量%含有される。
凍結防止剤を用いる場合、該凍結防止剤は、通常、本発明防除剤中に5〜20重量%程度含有される。
【0008】
本発明防除剤は、例えば、攪拌装置の付設された容器中に水を入れ、攪拌しながらα化ヒドロキシプロピル澱粉、界面活性剤、さらに必要により製剤用補助剤を加え、混合することにより製造される。混合時に、必要により例えば30〜90℃程度に加熱する。
また、水中にヒドロキシプロピル澱粉を加えて分散させ、加熱してα化処理を行い、これに界面活性剤等を加えて混合し、本発明防除剤を製造することもできる。
【0009】
本発明防除剤は、水で希釈して有害生物又は有害生物の発生する植物に施用することにより、有害生物を防除するのに用いられる。希釈の程度は防除したい有害生物の種類や発生状況、気象条件等により異なるが、一般に、α化ヒドロキシプロピル澱粉の希釈液中の濃度が 100〜10000ppm程度、好ましくは 500〜 5000ppm程度となる位がよい。
【0010】
本発明防除剤希釈液は、有害生物に対して又は有害生物の発生する植物に対して、動力噴霧機、肩掛け噴霧器、ハンドスプレーヤー等の噴霧機を用いて散布され、柑橘類、リンゴ、ナシ、モモ等の果樹を加害するミカンハダニ、ナミハダニ、カンザワハダニ等のハダニ類、サビダニ、アザミウマ目害虫、ワタアブラムシ、モモアカアブラムシ等のアブラムシ類、チャを加害するカンザワハダニ、アザミウマ目害虫、アブラムシ類、ナス、キュウリ、トマト、ピーマン等の野菜を加害するハダニ類、アブラムシ類、アザミウマ目害虫、オンシツコナジラミ、タバココナジラミ、カーネーション、バラ、キク、シュッコンカスミソウ、ポインセチア等の花卉を加害するハダニ類、アブラムシ類、アザミウマ目害虫、オンシツコナジラミ、タバココナジラミ等の微小害虫の防除や各種作物に発生するウドンコ病の防除などに効果的である。
【0011】
尚、本発明防除剤は、基本的にはα化ヒドロキシプロピル澱粉の物理的作用、即ち、α化ヒドロキシプロピル澱粉が有害生物に付着して該有害生物の行動を不能にし又は著しく制約することにより、餓死、他の虫獣による捕食、呼吸器閉塞等を引き起こす作用によるものと考えられる。よって、本発明防除剤は一般に、殺虫剤、殺ダニ剤、殺菌剤等の有害生物防除活性成分を含有する必要はないが、フルバリネート、ビフェントリン、フェンプロパトリン、ヘキシチアゾクス、キノメチオネート、アミトラズ、フェンプロキシメート、ピリダベン、テトラジホン、フェノチオカルブ、プロパルギト、ジコホル、酸化フェンブタ錫等の殺ダニ活性成分を併用することは植物を加害するダニ類を防除する上でより効果的である。その場合、本発明防除剤中に、これらの殺ダニ活性成分を 0.1〜5重量%程度含有させておき、α化ヒドロキシプロピル澱粉の希釈液中の濃度が 100〜10000ppm程度、殺ダニ活性成分の希釈液中の濃度が10〜500ppm程度となるように水で希釈して使用すればよい。
【0012】
【実施例】
次に、本発明を実施例をあげて説明するが、本発明は以下の例のみに限定されるものではない。
実施例1
α化ヒドロキシプロピル澱粉(ヒドロキシプロピル置換度0.1)6重量部、プロピレングリコール20重量部及び水70.8重量部を攪拌混合し、さらに、エアロールCT-1(東邦化学工業製ジアルキルスルホサクシネート系界面活性剤)3重量部、プロキセルGXL (ゼネカ社製防腐剤) 0.2重量部を加え、攪拌して本発明防除剤を得た。
【0013】
実施例2
α化ヒドロキシプロピル澱粉(ヒドロキシプロピル置換度0.1)6重量部、プロピレングリコール10重量部及び水78.8重量部を攪拌混合し、さらに、エアロールCT-1(東邦化学工業製ジアルキルスルホサクシネート系界面活性剤)5重量部、プロキセルGXL (ゼネカ社製防腐剤) 0.2重量部を加え、攪拌して本発明防除剤を得た。
【0014】
実施例3
α化ヒドロキシプロピル澱粉(ヒドロキシプロピル置換度0.1)6重量部、プロピレングリコール10重量部及び水80.8重量部を攪拌混合し、さらに、 Silwet L-77(Witco 社製シリコーン系界面活性剤)3重量部、プロキセルGXL (ゼネカ社製防腐剤) 0.2重量部を加え、攪拌して本発明防除剤を得た。
【0015】
実施例4
ヒドロキシプロピル澱粉(ヒドロキシプロピル置換度0.1)6重量部、プロピレングリコール10重量部及び水78.8重量部を攪拌混合し、80℃で1時間加熱してヒドロキシプロピル澱粉のα化を行った。次いで、混合物を室温に冷却した後、KF-618(信越化学工業製シリコーン系界面活性剤)5重量部、プロキセルGXL (ゼネカ社製防腐剤) 0.2重量部を加え、よく攪拌して本発明防除剤を得た。
【0016】
実施例5
ヒドロキシプロピル澱粉(ヒドロキシプロピル置換度0.1)6重量部、プロピレングリコール10重量部及び水80.8重量部を攪拌混合し、80℃で1時間加熱してヒドロキシプロピル澱粉のα化を行った。次いで、混合物を室温に冷却した後、 Silwet L-77( Witco社製シリコーン系界面活性剤)3重量部、プロキセルGXL (ゼネカ社製防腐剤) 0.2重量部を加え、よく攪拌して本発明防除剤を得た。
【0017】
次に後述の試験例において、比較対照用として用いる防除剤の製造例を参考例として示す。
参考例
実施例1において、α化ヒドロキシプロピル澱粉6重量部の代わりにα化澱粉(マツノリンM-22、松谷化学工業製)6重量部を用いる以外は全て実施例1と同様にして比較対照用の防除剤を得た。
【0018】
実施例6
ミカンハダニに対する殺ダニ効力試験を、「農薬実験法1殺虫剤編」(ソフトサイエンス社1981年発行、深見ら編)第 116頁記載のリーフディスク法に準じ、一部手法を変更して行った。即ち、直径9cmのシャーレ内に水を入れ、発泡スチロールの薄板を浮かべ、3cm×3cmに切り取ったミカン葉をその上に載せた。次に、中央部を該ミカン葉の大きさにくりぬいた薄紙を水で湿らせ、ミカン葉上に置いて、ハダニの逃亡を防止するようにした。ミカン葉上にミカンハダニ雌成虫約20匹を放し、実施例1〜5で得た本発明防除剤を水で 100倍に希釈した希釈液を約20mg/cm2噴霧処理し、処理24時間後に、ミカンハダニの生死を観察し、死虫率(%)を求めた。結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
実施例7
実施例3で得た本発明防除剤を水で 100倍に希釈した希釈液を、動力噴霧機でネーブル(16年生)に十分量散布した。また、7日後にも同様に散布した。経時的に1樹当たり50葉に寄生するミカンハダニの成虫数を調査した結果( 100葉当たりのダニ数に換算した値)を表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】
実施例8
実施例1〜5及び参考例で得た防除剤の各々をポリエチレン製容器内に 100mlずつ詰め、−5℃で1週間保存した後の性状を観察した。実施例1〜5で得た各々の防除剤はいずれも半透明で、若干の分離は見られるものの軽い振盪により均一とすることができた。一方、参考例で得た防除剤は二層に分離してゲル化が起こり、容易に再分散させることができなかった。
【0023】
【発明の効果】
本発明防除剤は、長期間の保存安定性に優れた有害生物防除剤である。
Claims (4)
- 希釈して施用される有害生物防除剤であって、α化ヒドロキシプロピル澱粉、界面活性剤及び水を含有することを特徴とする有害生物防除剤。
- 界面活性剤が、ジアルキルスルホサクシネート系界面活性剤またはシリコーン系界面活性剤であることを特徴とする請求項1記載の有害生物防除剤。
- 希釈して施用される有害生物防除剤であって、α化ヒドロキシプロピル澱粉、界面活性剤及び水を含有する有害生物防除剤の希釈液を、有害生物又は有害生物の発生する植物に施用することを特徴とする有害生物防除方法。
- 請求項1または2記載の有害生物防除剤が水で希釈されてなることを特徴とする希釈液。
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1997
- 1997-02-07 JP JP02523397A patent/JP3915157B2/ja not_active Expired - Lifetime
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