JP3915076B2 - 腫瘍拒絶抗原前駆体mage−c1およびmage−c2をコードする単離核酸分子とその利用方法 - Google Patents

腫瘍拒絶抗原前駆体mage−c1およびmage−c2をコードする単離核酸分子とその利用方法 Download PDF

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    • C07K14/4748Tumour specific antigens; Tumour rejection antigen precursors [TRAP], e.g. MAGE

Description

関連出願
本出願は、1997年4月25日出願で、参考文献として本出願にその内容を合体させる、出願番号第08/845,528号の一部継続出願である。
発明の分野
本発明は、腫瘍拒絶抗原前駆体をコードする、核酸分子に関する。より具体的には、本発明は、腫瘍拒絶抗原前駆体をコードする核酸分子に関し、その腫瘍拒絶抗原前駆体は、とりわけ、HLA−A1およびその対立遺伝子、HLA−A2、HLA−Cw*1601、HLA−B44などの多くのMHC分子によって提示されるペプチドへとプロセシングされ得るものである。1つの好適な実施態様である、MAGE−C1は、現在までに知られているMAGEファミリーのその他のメンバーと部分的なホモロジーを共有するものであるが、およそ2kb大きい。
MAGE−C2は、もう1つの好適な実施態様である。これらの核酸分子は様々な腫瘍においてと正常な精巣細胞において発現するが、その他の正常な細胞によっては発現されない。
背景および従来技術
哺乳類の免疫系が外来のまたは異質の物質を認識して、それらと反応するプロセスは複雑なものである。このシステムの重要な局面は、Tリンパ球、即ち“T細胞”応答である。この応答は、T細胞が、ヒト白血球抗原(“HLA”)、または、主要組織適合遺伝子複合体(“MHC”)と称される細胞表面分子と、ペプチドとからなる複合体を認識し、その複合体と相互作用することを必要とする。前記ペプチドは、HLA/MHC分子も提示する細胞によってプロセシングされるより大きな分子に由来する。この点に関しては、メール(Male)他,Advanced Immunology(J.P.Lipincott Company,1987),特にその6−10章を参照。T細胞とHLA/ペプチド複合体の相互作用は制限されたものである。即ち、HLA分子とペプチドとの特定の組み合わせに対して特異的なT細胞が必要とされる。もし特異的なT細胞が存在しなければ、たとえそのパートナー複合体が存在していてもT細胞応答は起こらない。同様に、T細胞が存在していても、それに特異的な複合体が存在しなければ応答は起こらない。このメカニズムは、異物に対する免疫系の応答、自己免疫疾患、および細胞異常に対する応答に関与している。タンパク質がHLA結合ペプチドへとプロセシングされるメカニズムに関して多くの研究がなされてきている。この事については、バリナガ(Barinaga),Science 257:880(1992);フリーモント(Fremont)他,Science 257:919(1992);マツムラ(Matsumura)他,Science 257:927(1992);ラトロン(Latron)他,Science 257:964(1992)を参照。
T細胞が細胞異常を認識するメカニズムはガンにも関係している。たとえば、1992年5月22日出願、1992年11月26日公表で、参考文献として本出願にその内容を合体させるPCT出願PCT/US92/04354には、一つの遺伝子ファミリーが開示されており、それらはプロセシングされてペプチドとなり、次に細胞表面に発現され、特異的な細胞溶解性Tリンパ球(“CTL”)によって腫瘍細胞の溶解を引き起こすことができる。これら遺伝子は、“腫瘍拒絶抗原前駆体”即ち“TRAP”分子をコードするものであると言われ、これら分子に由来するペプチドは、“腫瘍拒絶抗原”即ち“TRA”と称される。このファミリーの遺伝子の詳細に関してはトラヴァーサリ(Traversari)他,Immunogenetics 35:145(1992);ファン・デア・ブルッゲン(van der Bruggen)他,Science 254:1643(1991)を参照。また、参考文献として本出願にその内容の全体を合体させる、米国特許第5,342,774号および米国特許第5,462,871号も参照。
その開示内容を本出願に参考文献として合体させる、米国特許第5,405,940号において、プロセシングされてHLA−A1分子によって提示されるノナペプチドになる腫瘍拒絶抗原前駆体をコードするMAGE−1遺伝子が説明されている。HLA−A1に結合するノナペプチドは、あるモチーフを満足するという点で結合に関する“ルール”に従う。この事については、たとえば、PCT/US93/07421;フォーク(Falk)他,Nature 351:290-296(1991);エンゲルハルト(Engelhard),Ann.Rev.Immunol.12:181-207(1994);ルパート(Ruppert)他,Cell 74;929-937(1993);レチュケ(Roetzschke)他,Nature 348:252-254(1990);ビヨルクマン(Bjorkman)他,Nature 329:512-518(1987);トラヴァーサリ(Traversari)他,J.Exp.Med.176:1453-1457(1992)を参照。前記参考文献は、特定のHLA分子に対する特定のペプチドの特異性が判明すれば、ある特定のペプチドは一つのHLA分子に対して結合するが、他のHLA分子に対しては結合しないであろうと推測される、ということを教示している。異なる個体は異なるHLA表現型を有するため、ある特定のペプチドが、ある特定のHLA分子に対するパートナーであると同定されたことが、診断上および治療上の効果を有しているとしても、その効果はその特定のHLA表現型を有する個体のみに対するものである。細胞異常は一つの特定のHLA表現型に限られるものではないため、また、標的化療法(targeted therapy)には、問題の異常細胞の表現型に関する相当な知識が必要とされるため、この分野において更なる研究を行う必要がある。
参考文献として本出願にその内容を合体させる、1994年8月11日出願で現在米国特許第5,629,166号となっている、米国特許出願第288,977号には、MAGE−1発現産物がプロセシングされて第2のTRAになるという事実が開示されている。この第2のTRAはHLA−Cw*1601分子によって提示される。この開示は所与のTRAPから複数のTRAが生じることができ、そのそれぞれがMHC分子に対する結合に関するモチーフルールを満足する、ということを示している。
参考文献として本出願にその内容を合体させる、1992年12月22日出願の米国特許出願第994,928号には、いくらかの正常細胞(例えば、メラノサイト)によって産生される分子である、チロシナーゼが、腫瘍細胞中でプロセシングされてHLA−A2分子によって提示されるペプチドを生じるということが教示されている。
参考文献として本出願にその内容全体を合体させる、1993年3月18日出願の米国特許出願第08/032,978号には、チロシナーゼ由来ではない、第2のTRAがHLA−A2分子によって提示されるということが教示されている。このTRAはTRAP由来であるが、非−MAGE遺伝子によってコードされている。この開示はある特定のHLA分子が異なるソースに由来するTRAを提示することができるということを示している。
参考文献として本出願にその内容を合体させる、1993年6月17日出願で現在1996年1月5日発行の米国特許第5,571,711号となっている、米国特許出願第08/079,110号には、関連のない腫瘍拒絶抗原前駆体である、いわゆる、“BAGE”前駆体が記載されている。BAGE前駆体はMAGEファミリーとは関連していない。
その両方を参考文献として本出願にその内容を合体させる、米国特許出願第08/096,039号および第08/250,162号には、非−MAGE TRAP前駆体である、GAGEも開示されている。
1994年9月30日出願の米国特許出願第08/316,231号には、さらに別の腫瘍拒絶抗原前駆体が開示されている。これらの腫瘍拒絶抗原前駆体は“DAGE”腫瘍拒絶抗原前駆体と称される。これらは、MAGE、BAGE、またはGAGEファミリーの遺伝子とはホモロジーを示さないものである。
先に引用した論文、特許、および特許出願に示されている研究は、大部分は、MAGE、BAGE、GAGEおよびDAGEファミリーの遺伝子について扱っている。本発明は、MAGE−関連腫瘍拒絶抗原前駆体、即ち、MAGE−C1およびMAGE−C2をコードする核酸分子、そして腫瘍拒絶抗原前駆体および腫瘍拒絶抗原自体に関するものである。本発明はまた、これら核酸とタンパク質分子両方の応用にも関するものである。
本発明を以下の開示においてさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
図1(A)−1(F)は、MAGE−C1 cDNAのヌクレオチド配列である。様々なヌクレオチドセンスプライマーおよびアンチセンスプライマーの位置が示されている。
図2(A)−2(F)は、MAGE−C1とMAGE−A1のヌクレオチド配列の比較を示す。
図3は、遺伝子MAGE−C1と、単離cDNAクローンMAGE−C1および公表された遺伝子MAGE−A1との図による比較である。エキソンは、IからIII(MAGE−A1)あるいはIV(MAGE−C1)と番号付けした箱で表す。イントロンは線で表す。遺伝子MAGE−C1と比較した場合にcDNAクローンにおいて欠失している部分は空白(ブランク)で表す。遺伝子MAGE−A1とMAGE−C1との間の広い箱(open box)は類似性のある領域を示す。オープンリーディングフレームは、エキソンの内側の斑点のある箱(stippled box)によって示す。遺伝子MAGE−C1における反復セグメントは斜線で示す箱として表す。重要な制限部位(B:BamHI、D:DpnII、E:EcoRI、P:PstI、X:XbaI)、および、2対のオリゴヌクレオチド(SL33/SL34およびSL38/SL43)の位置を示す。MAGE−C1のエキソンIの上流の星印はSp1および2つのEtsコンセンサス認識配列の所在を示す。XbaI−EcoRI cDNAプローブの位置も示す。
図4は、遺伝子MAGE−C1、MAGE−C2およびMAGE−A1の図による表示である。エキソンは開箱で表し、イントロンは線で表す。オープンリーディングフレームは色が濃い箱によって表す。MAGE−C2とそれ以外の2つの遺伝子との間のホモロジーのある領域を陰を付けた部分(shaded area)で表す。重要なPCRプライマーを矢印で示す。斜線で示す箱は遺伝子MAGE−C1においてみられる反復領域を表す。
詳細な説明
いままでに同定されている多くのヒトの腫瘍抗原は、MAGE、BAGE、およびGAGEなどの遺伝子によってコードされ、それらは共通の発現パターンを共有している。これらは精巣において(そしてときには胎盤において)発現するが、その他の正常組織では発現せず、様々な腫瘍タイプにおいて再活性化される。このタイプの抗原は腫瘍免疫療法にとって特に興味の持たれるものである。
抗腫瘍性の細胞溶解性Tリンパ球(CTL)によって認識されることが知られている抗原をコードする遺伝子のクローニングによる腫瘍抗原の同定に代わるべき手段として、我々は、腫瘍において特異的に発現する新しい遺伝子を直接的に探索することにした。というのは、そのような遺伝子は腫瘍特異抗原のソースを提供する可能性があるからである。Representational Difference Analysis applied to cDNA(cDNAに適用する表現差分析)(Hubank and Shatz,“Identifying Differences in mRNA Expression By Representational Difference Analysis of cDNA,”Nucleic Acids Res.22:5640-5648(1994))と称される、PCRに基づく差引き(subtractive)ハイブリダイゼーション技術を用いて、我々はここに記載するMAGE遺伝子ファミリーの新しいメンバーを同定した。
本発明の諸例は、腫瘍拒絶抗原前駆体(“TRAP”)である、MAGE−C1およびMAGE−C2をコードする核酸分子の単離を示す。これらTRAPをコードする分子は前述の参考文献において記載されたMAGEファミリーのコード配列と部分的なホモロジーを共有する。したがって、本発明の1つの側面は、配列番号9に示すヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする単離核酸分子および配列番号18に示すヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする単離核酸分子である。好ましくは、前記核酸分子はcDNA分子である。配列番号9および配列番号18は以前から知られているMAGE、BAGE、またはGAGEコード配列ではない。そのことは、それ(配列番号9および配列番号18)と、引用された参考文献に記載されているそれら(MAGE、BAGE、またはGAGE)の遺伝子のあらゆる配列とを比較することによって理解されるであろう。
また、配列番号9のnt1−2815およびnt2816−4225のヌクレオチド配列を有する核酸分子も本発明の一部をなす。本発明の別の態様は、腫瘍拒絶抗原前駆体をコードし、かつ、ストリンジェントな条件下で、配列番号9のヌクレオチド配列1−2815を有する核酸分子にハイブリダイズするが、配列番号8のヌクレオチド配列、即ち図2に示すMAGE−A1ヌクレオチド配列、を有する核酸分子にはハイブリダイズしない核酸分子である。本発明のさらなる態様は、腫瘍拒絶抗原前駆体をコードし、かつ、配列番号9のヌクレオチド配列261−2856を有する核酸分子にハイブリダイズするが、配列番号8のヌクレオチド配列を有する核酸分子にはハイブリダイズしない核酸分子である。ここで使用する“ストリンジェントな条件”という用語は、65℃で一晩の、5xSSC、0.1% SDS、5xデンハルト試薬でのハイブリダイゼーション、その後、室温で20分間、2xSSCおよび0.1% SDS中での2回の洗浄、そして、65℃で20分間、2xSSCおよび0.1% SDS中での1回の洗浄、そして65℃で0.2xSSC、0.1% SDS中での1回の洗浄を指す。同じ、またはより高い程度のストリンジェンシーとなる、使用可能なその他の条件、試薬などもある。当業者であればそのような条件はよく知っているであろうからここでは記載しない。
正常細胞においてではなく、腫瘍細胞におけるMAGE−C1およびMAGE−C2の発現の広範な分布は、前記単離核酸分子が、異常な、例えば腫瘍などの、MAGE−C1またはMAGE−C2に関連する配列を発現する細胞の存在を判定するための、診断上のプローブとして利用可能であることを示すものである。
MAGE−C1による精上皮腫の同定は100%であった(表2)ので非常に基本的なレベルで、前記単離核酸分子を利用して精上皮腫が存在しているか否かを判定することができるであろう。ある腫瘍サンプルが精上皮腫であることを確認するための多くの方法が当業者に利用可能であることに注意されたい。そしてそれらはここでは繰り返す必要がない。
諸例から、原核(prokaryotic)であろうと(例えば、大腸菌)、あるいは真核(eukaryotic)であろうと(例えば、CHOまたはCOS細胞)、宿主細胞および細胞系をトランスフォーム(形質転換)するために、または、トランスフェクト(形質移入)するために使用可能な、発現ベクター中での前記配列の利用も本発明に含まれるということが理解されるであろう。発現ベクターは適切な配列、即ち前述のもののような配列がプロモーターに操作可能にリンクしている(operably linked to a promoter)必要がある。発現ベクターは、例えば、1以上のHLA分子をコードする配列を含むものであってもよい。ベクターが両方のコード配列を含む場合、それは、通常はどちらの一方も発現しない細胞をトランスフォームまたはトランスフェクトするのに利用可能である。腫瘍拒絶抗原前駆体コード配列は、例えば宿主細胞がすでにHLA−分子を発現するような場合、単独で利用することができるであろう。ここに記載した配列を発現するために好適な特定の宿主細胞は、例えば、大腸菌、CHO、COS細胞または昆虫細胞などの原核または真核細胞を含む。
本発明のさらなる側面は、配列番号9または配列番号18を有する核酸分子によってコードされるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするゲノムDNA(gDNA)の単離である。そのようなgDNAは、当業者に周知の方法を用いて同定および単離することができる。例えば、配列番号9に由来するMAGE−C1特異的プローブまたは配列番号18に由来するMAGE−C2特異的プローブを用いて、例えばLB373−MEL細胞などから作成されたゲノムDNAライブラリーをスクリーニングすることができる。当業者であれば、配列分析からMAGE−C1および/またはMAGE−C2に特異的な配列を判定することが可能であろう。当業者に周知の技術を用いてそのようなgDNAが位置する染色体を決定することも可能である。例えば、参考文献として本出願にその内容全体を合体させる、PCT/US95/02203を参照。
本発明の別の態様は、当業者が所望の1つまたは複数の発現ベクターを調製することを可能にする、発現キットである。そのような発現キットは少なくとも先に記載したコード配列のそれぞれの別々の部分(separate portions)を含む。それは例えば、プロモーター(参考文献として本出願にその内容全体を合体させる、デ・プレーン(DePlaen)他,Proc.Natl.Acad.Sci.85:2274-2278(1988),グロスヴェルド(Grosveld)他,Gene 10:6715-6732(1982),およびベイツ(Bates)他,Gene 26:137-446(1983))、Zemmour and Parham,Immunogenetics 37:239-250(1993)において記載されているようなHLAコード配列のいずれか、MAGE−C1またはMAGE−C2コード配列、あるいは、HLAとMAGE−C1またはMAGE−C2コード配列との両方、を含む細菌性のプラスミド、コスミド、またはウイルス性のベクターなどのベクターである。所望であれば、例えば当業者に周知の、抵抗性マーカー、エンハンサー、または誘導性のプロモーターなどの他の構成成分を加えてもよい。
本発明の核酸分子およびTRAPおよびTRAを、以前に記載されたMAGE、BAGE、およびGAGEのものから区別するため、本発明のものを、MAGE−C1遺伝子、MAGE−C2遺伝子、MAGE−C1 TRAPおよびTRA、そして、MAGE−C2 TRAPおよびTRAと称することにする。したがって、本出願でMAGE−C1またはMAGE−C2という語が用いられる場合、それは以前には知られていなかった核酸配列によってコードされる腫瘍拒絶抗原前駆体、およびそれらに由来するTRAのことを指す。“MAGE−C1コード配列”、“MAGE−C2コード配列”およびそれに類似する用語は核酸分子自体を記載するために使用される。
ここで記載した本発明には多くの利用法があるが、それらのいくつかをここに記載する。まず、本発明により、当業者が、MAGE−C1またはMAGE−C2メッセンジャーRNA、そして、MAGE−C1またはMAGE−C2 TRAPおよびTRAの発現によって特徴づけられる疾患を診断することが可能となる。これらの方法は、MAGE−C1およびMAGE−C2核酸分子そしてそれらに関連する分子からのmRNAの発現、および/または、MAGE−C1またはMAGE−C2そしてそれらに関連する核酸分子によってコードされるTRAPに由来するTRAの存在を判定することを含む。前者の場合、そのような判定はポリメラーゼ連鎖反応または標識化ハイブリダイゼーションプローブでのアッセイを含む、いずれの標準的核酸判定アッセイによっても行うことができる。後者の場合、例えば抗体などのような結合パートナーを用いて、TRAPまたはTRA単独についてアッセイすること、または、TRAとHLAとからなる複合体についてアッセイすることより、TRAPおよびTRAを検出することができる。本発明の別の態様は、HLA分子と請求項1の単離核酸分子によってコードされるタンパク質に由来するペプチドとからなる複合体に対して特異的な細胞溶解性T細胞の存在を、CTL−含有サンプルにおいて検出することであって、前記サンプルを、その表面上に前記複合体を提示する細胞と接触させる工程、および(i)細胞溶解性T細胞の増殖、または(ii)前記複合体を提示する細胞の溶解を、前記サンプルにおける前記細胞溶解性T細胞の判定として、判定する工程、を有するものである。CTL増殖はTNF放出、または、例えば参考文献として本出願にその内容全体を合体させる、PCT/US95/02203において記載されているように、51Crなどの放射能標識された物質の放出を、アッセイすることによって検出することができる。さらに、CTLは、その両方を参考文献として本出願にその内容を合体させる、シュミット(Schmitt)他,J.Immunol.Meth.,210:167-179(1997)およびラルヴァーニ(Lalvani)他,J,Exp.Med.,186:859(1997)によるELISPOT分析によって、あるいは、MHCクラスI/ペプチドの蛍光発生四量体複合体のFACS分析(ダンバー(Dunbar)他,Current Biology,8:713-716(1998))によって検出することができる。
これらMAGE−C1およびMAGE−C2核酸分子の単離によって、それらTRAP分子自身、特に、配列番号9または配列番号18によってコードされるアミノ酸配列からなるTRAP分子を単離することも可能となる。MAGE−C1およびMAGE−C2核酸分子の単離によって、以下により詳細に記載するMAGE−C1またはMAGE−C2に独得のTRAを同定することも可能となる。
さらに、配列番号9のヌクレオチド配列257−3682によってコードされるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号18のヌクレオチド配列330−1449によってコードされるアミノ酸配列を有するポリペプチド、およびそれらに由来するポリペプチドも本発明の一部をなす。これらのポリペプチドは単独で、またはその他のTRAP分子からの他のポリペプチドと組み合わせて、例えば、当業者に周知のアジュバント等の物質と組み合わせて、前記分子の発現によって特徴付けられる疾患の治療に有用なワクチンを作ることができる。例えば参考文献として本出願にその内容を合体させる、ケンシル(Kensil)他の米国特許第5,057,540号またはこれも参考文献として本出願にその内容を合体させる、スコット(Scott)他のPCT出願PCT/US92/03579を参照。
MHC分子によって提示され、CTLによって認識される、配列番号9のヌクレオチド配列257−3682によってコードされるアミノ酸配列を有するポリペプチド、および、配列番号18のヌクレオチド配列330−1449によってコードされるアミノ酸配列を有するポリペプチド、に由来するペプチドは、その他の腫瘍拒絶抗原からのペプチドと組み合わせて“ポリトープ(polytopes)”を形成することができる。例となるペプチドは、すべてを参考文献として本出願にその内容を合体させる、米国特許出願第08/672,351号;現在は米国特許第 号となっている米国特許出願第08/718,964号;現在は米国特許第 号となっている米国特許出願第08/487,135号、米国特許出願第08/530,569号、そして米国特許出願第08/880,963号においてリストされているようなものが含まれる。
さらに、すべて参考文献として本出願にその内容を合体させる、以下の参考文献において記載されているペプチドも利用することができる:米国特許第5,405,940号;5,487,974号;5,519,117号;5,530,096号;5,554,506号;5,554,724号;5,558,995号;5,585,461号;5,589,334号;5,648,226号;および5,683,886号;PCT国際公報第92/20356号;94/20356号;96/10577号;96/21673号;97/10837号;97/26535号;および97/31017号、そして係属中米国特許出願第08/713,354号。
ポリトープは、2以上の潜在的に免疫原性または免疫刺激性のペプチドのグループであり、様々な方法で結合させることができ、このタイプの分子が免疫応答を刺激するか、および/または、引き起こすかが判定される。
これらのペプチドは、直接的に、または隣接配列の使用を介して結合することができる。トムソン(Thomson)他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,92(13):5845-5849(1995)(参考文献として本出願にその内容を合体させる)を参照すると、関連するエピトープ(epitopic)配列の直接的な結合が教示されている。ポリトープのワクチンとしての利用もよく知られている。例えば、すべてを参考文献として本出願にその内容を合体させる、ギルバート(Gilbert)他,Nat.Biotechnol.,15(12):1280-1284(1997):トムソン(Thomson)他,前出、トムソン(Thomson)他,J.Immunol.,157(2):822-826(1996);タム(Tam)他,J.Exp.Med.,171(1):299-306(1990)を参照。タム(Tam)他は特に、ポリトープをマウスモデルにおいて用いた場合、抗体の産生および感染防御免疫の発生の両方において有用であることを示している。さらに、前記参考文献は、ポリトープを消化した場合、MHCによって提示されることができ、そして提示されるペプチドが生じることを示している。タム(Tam)他はこれをポリトープの“列(strings)”からプロセシングされた個々のエピトープの、CTLによる認識を実証することによって示している。このアプローチを利用して、例えば、ポリトープにおいていくつのエピトープが結合することができるのか、および認識を引き起こすことができるのかを判定すること、さらに異なるエピトープの組み合わせの有効性を判定することができる。異なる組合せは特定の腫瘍拒絶抗原のサブセットを発現する患者に対して“特別誂えの(tailor-made)”ものであるだろう。これらのポリトープをポリペプチド構造として、または核酸送達システムの使用によって導入することができる。更に詳しく述べると、当該技術分野では個々のエピトープ、または上述のようなポリトープをコードするDNAを導入する様々な多くの方法を利用することができる。例えば、参考文献として本出願にその内容を合体させる、オールソップ(Allsopp)他,Eur.J.Immunol.26(8):1951-1959(1996)を参照。アデノウイルス、ポックスウイルス、Ty−ウイルス様(Ty-virus like)粒子、プラスミド、細菌などが利用可能である。これらのシステムをマウスモデルにおいてテストして、どのシステムが所与のヒトにおける匹敵する状況にとって最も適切であるかを判定することができる。これらはまた、ヒトにおける臨床試験においてもテストすることができる。
さらに、非増殖性のガン細胞、非増殖性のトランスフェクタントなどの、その表面上にTRA/HLA複合体を提示する細胞からワクチンを作ることが可能である。細胞がワクチンとして使用されるすべての場合において、細胞は、CTL応答を与えるのに必要な前記構成成分の一つまたは両方に対するコード配列、即ちTRAP、TRAおよびHLA分子を、当業者に周知の技術を用いてトランスフェクトされたトランスフェクタント(形質移入体)、とすることができる。様々なHLA分子の配列については、例えば、PCT/US95/02203およびZemmour前出参照。あるいは細胞は、トランスフェクション無しでHLAおよびTRAP/TRA分子の両方を発現するものとすることができる。さらに、TRAP分子、その関連TRA、および、TRAとHLAとの複合体は、当該技術において周知の標準的技法を利用して、抗体を産生するのに使用することができる。
ここで“疾患”という用語が用いられた場合、それは、腫瘍拒絶抗原前駆体が発現するすべての病的な状態を指す。このような疾患の一例は、ガン、特に精上皮腫である。
本開示に基づく治療上のアプローチは、HLA/TRA提示細胞の溶解を導く、対象(患者:subject)の免疫系による応答を前提としている。そのようなアプローチの一つは、問題の表現型の異常細胞を有する対象に、HLA/TRA複合体に対して特異的なCTLを投与することである。そのようなCTLをイン・ヴィトロで開発することは当業者の技術の範囲内に含まれる。例えば、ヘリン(Herin)他、前出を参照。例えば、血液細胞のような、細胞のサンプルを、HLA/TRA複合体を提示する標的細胞に接触させると、特異的なCTLの増殖を引き起こすことができる。標的細胞は、前述の特定のHLAおよびTRAPをトランスフェクトされて発現するCOS細胞のような、トランスフェクタントとすることができる。その表面に所望の複合体を提示するトランスフェクタントは、問題のCTLと結合すると、その(CTLの)増殖を刺激する。ここで用いたようなCOS細胞は、限定されるものではないが、CHO細胞、Spodopitera furjiperda、大腸菌、バチルス属(Bacillus)等を含む、他の適当な宿主細胞と同様に、広く入手可能である。
1つの治療の方法に養子移入(養子免疫細胞移入)と呼ばれるものがある(グリーンバーグ(Greenberg),J.Immunol.136(5):1917(1986);リッデル(Riddel)他,Science 257:238(7-10-92);リンチ(Lynch)他,Eur.J.Immunol.21:1403-1410(1991);カスト(Kast)他,Cell 59:603-614(11-17-89))。養子移入において、所望のHLA/TRA複合体を提示する細胞を、CTLと結合させると、その結果、その複合体に対して特異的なCTLが増殖する。増殖したCTLは、次に、特定の複合体を提示するいくらかの異常細胞によって特徴づけられる細胞異常を有する対象に投与される。すると、前記CTLが異常細胞を溶解し、それによって所望の治療目的が達成される。
前述の療法は、少なくともいくらかの対象(患者)の異常細胞が、関連するHLA/TRA複合体を提示することを仮定している。このことは簡単に判定できる。というのは、特定のHLA分子を提示する細胞を同定する方法、および、適切な配列のDNA、この場合はMAGE−C1またはMAGE−C2および関連する配列、を発現する細胞をどのように同定するかということについて、当業者は非常によく精通しているからである。もし、患者の異常細胞が関連するHLA/TRA複合体を提示するとすると、その患者は前述の治療上のアプローチに対して適切な候補であるといえる。
養子移入(養子免疫細胞移入)のみが本発明に従って利用できる唯一の治療形態であるわけではない。CTLを、数々のアプローチを利用して、イン・ヴィヴォで誘発することも可能である。一つのアプローチ、即ち、前記複合体を発現する非増殖性の細胞のワクチンとしての利用方法については先に詳述した。このアプローチにおいて用いられる細胞は、照射を受けた精上皮腫細胞、または、前記複合体を提示するのに必要な一方または両方の遺伝子をトランスフェクトされた照射を受けた細胞のような、通常前記複合体を発現する細胞であってよい。チェン(Chen)他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:110-114(1991年1月)は、治療法(therapeutic regime)における、HPV E7ペプチドを発現するトランスフェクション細胞の利用を示しており、このアプローチを例証している。様々な細胞タイプが利用可能である。
同様に、HLAまたはTRAPあるいはTRAのいずれか、またはそれらの組み合わせをコードする核酸分子を保有するウイルス性または細菌性のベクターなどのベクターが利用可能である。これらのシステムにおいて、前記核酸分子は、たとえば、ワクシニアウィルスまたは細菌BCGによって伝えられ、これらは宿主細胞に“感染”する。感染した細胞はHLA/TRA複合体を提示し、自己CTLによって認識され、そしてそのCTLは増殖する。
CTLは、HLA提示細胞への取り込みを促進するために、TRAまたはTRAP自体とアジュバントとを組み合わせることによって、インヴィヴォでも誘発することができる。細胞は、TRAPをさらにプロセシングしてHLA分子のペプチドパートナーを産生することによって、問題となるHLA/ペプチド複合体を提示する。代わりとして細胞は、さらなるプロセシングの必要なくTRAを提示することもできる。例えば、ブラチアレ,ティ・ジェイ(Braciale,T.J.)およびブラチアレ,ヴィ・エル(Braciale,V.L.),Immunology Today 12:124-129(1991);ティ・エリオット(T.Elliot),Immunology Today 12:386-388(1991),および:マデルボイム(Madelboim)他,Nature 369:67-71(1994)を参照。
また、本発明の特徴は、MHC分子による提示のためのルールに従う、MAGE−C1 TRAPまたはMAGE−C2 TRAPに由来する単離ペプチドである。例えば、参考文献として本出願にその内容を合体させる、PCT出願番号PCT/US93/07421号において、いくつかのモチーフが種々のMHC分子と結合するものとして記載されている。参考文献として本出願にその内容を合体させるこれらのモチーフ、および、以下のすべて参考文献として本出願にその内容を合体させる、例えば、フォーク(Falk)他,Nature 351:290-296(1991);エンゲルハルト(Engelhard),Ann.Rev.Immunol.12:181-207(1994);ルパート(Ruppert)他,Cell 74:929-937(1993);レチュケ(Roetzshke)他,Nature 348:252-254(1990);ビヨルクマン(Bjorkman)他,Nature 329:512-518(1987)およびトラヴァーサリ(Traversari)他,J.Exp.Med.176:1453-1457(1992)によって教示されているモチーフは、MAGE−C1アミノ酸配列およびこのタンパク質をコードするヌクレオチド配列から得られる、または由来する、適切なペプチドを同定するための基礎として役立つ。本発明のさらなる側面において、これらのペプチドは単独で、または混合物中で、CTL増殖を刺激するのに使用することができる。これらのペプチドはまた、ワクチンとしても有用である。
腫瘍を患う個体の血液は、頻繁にMHC分子と提示ペプチドとからなる複合体を認識する細胞溶解性T細胞(“CTL”)を含むということは、よく証明されている。例えば、すべて参考文献として本出願にその内容を合体させる、ロビンズ(Robbins)他,Canc.Res.54:3124-3126(1994);トポリアン(Topolian)他,J.Immunol.142:3714-3725(1989);クーリ(Coulie)他,Int.J.Cancer 50:289-297(1992)を参照。また、すべて参考文献として本出願にその内容を合体させる、カワカミ(Kawakami)他,J.Exp.Med.180:347-352(1994);ホム(Hom)他,J.Immunother.10:153-164(1991),ダロウ(Darrow)他,J.Immunol.142(9):3329-3335(1989);スロヴィン(Slovin)他,J.Immunol.137(9):3042-3048(1986)も注目されたい。これらの論文はすべてガンの可能性を診断するためのCTL増殖アッセイの有用性を証明するものである。
一般的に、ある患者は、少なくともいくらかのその患者自身の細胞が特定のTRAとHLAとからなる複合体を発現している場合にのみ、その特定のTRAとHLAとからなる複合体を提示する標的細胞と接触させた場合に応答してその複合体を認識して増殖するCTLを有しているであろう。もし、例えば腫瘍細胞などの異常細胞を有すると思われる患者から末梢血リンパ球(PBL)含有サンプルを採取し、そしてそのCTL−含有サンプルを、関連するMHC分子とMAGE−C1あるいはMAGE−C2由来ペプチドとからなる複合体を提示する標的細胞と接触させたとすると、その複合体に対して特異的なCTLの増殖しかみることができないであろう。したがって患者のPBLサンプルにおけるCTLの増殖は、その患者がおそらくその特定のHLA/TRA複合体を発現する腫瘍細胞を有していることを示すものである。標的細胞は、問題のMHC分子を通常提示する細胞、またはHLAコード配列によってトランスフェクトされた細胞とすることができる。標的細胞は、おそらく腫瘍細胞、あるいは正常細胞とすることができる。
本発明の一つの態様は、標的細胞サンプルを、(1)MAGE−C1 TRAPまたはMAGE−C2 TRAP由来であってその標的細胞のMHC分子によって提示されるペプチドまたは複数のペプチドの混合物、および(2)評価すべき対象のPBLサンプルと混合することを含む。その混合物を次にCTL増殖についてテストする。CTL増殖を判定するための様々な方法が当該技術分野において知られている。例えば、TNF放出アッセイおよび51Cr放出アッセイがある。例えば、PCT/US95/02203を参照。
本発明の一つまたは複数のペプチドは、一以上のアジュバントと組み合わせて、より明白なCTL応答を刺激することもできる。そのようなアジュバントの例には、参考文献として本出願にその内容を合体させる、ケンシル(Kensil)他の米国特許第5,057,540号、またはこれも参考文献として本出願にその内容を合体させる、スコット(Scott)他のPCT出願PCT/US92/03579によって開示されているような、サポニンおよびその誘導体が挙げられる。もちろん、フロイント完全アジュバントまたはフロイント不完全アジュバントなどの標準的なアジュバントも利用することができる。
本発明の他の態様は、当業者にとって明らかであり、ここで繰り返す必要はない。
ここに使用した用語および表現は、限定ではなく記載の用語として使用されたものであり、従って、これらの用語および表現を使用するに当たって、図示および記載された特徴構成またはその一部のいかなる均等物も除外する意図は無く、本発明の枠内で様々な改変が可能であると理解される。
例1 腫瘍LB373−MELおよび精巣についてのDifference Products(DP)の作製
目的の細胞タイプ、即ち“テスター(tester)”細胞にのみ存在して、他の細胞タイプ、即ち“ドライバー(driver)”細胞には存在しない配列について濃縮されたcDNAライブラリーを、参考文献として本出願にその内容全体を合体させる、Hubank and Schatz,Nucl.Acid.Res.22:5640-5648(1994)に基本的に記載されている方法で作製した。簡単に説明すると、テスター細胞とドライバー細胞とから、トータルRNAを調製した。ここでは、テスター細胞にはメラノーマ細胞LB373−MELを用い、ドライバー細胞には正常な皮膚細胞を用いた。ポリ−A+RNAを周知の技術によってオリゴ−dTカラムを用いてトータルRNAから単離した。次にポリ−A+RNAを逆転写してcDNAを作製した。cDNAを制限酵素DpnIIで消化した。DpnIIはDNAをGATC部位において切断するものであり、この消化によって5’−GATCオーバーハングを備えた二本鎖DNAの短い断片が生じた。5’−GATCオーバーハングを備えた二本鎖DNAアダプター(R−Bgl−12およびR−Bgl−24オリゴヌクレオチド、それぞれ配列番号2および配列番号11、がアニールしたものからなるR−Bglアダプター)を、DpnIIで消化したテスター細胞およびドライバー細胞から調製したcDNAに結合させた。アダプターに結合させたcDNAを次に周知のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって増幅させた。増幅産物は、それぞれテスターおよびドライバーの“代表物(representation)”である。テスターとドライバーの両方の代表物(representations)を、DpnIIで消化した。消化されたテスターを新しいアダプター分子(J−Bgl−12およびJ−Bgl−24オリゴヌクレオチド、それぞれ配列番号3および配列番号12、がアニールしたものからなるJ−Bglアダプター)に結合した。次に差引きハイブリダイゼーションの最初のラウンドを、100/1の比率で、消化したドライバーcDNAと、消化してJ−Bglアダプターに結合させたテスターcDNAとを、混合することによって行った。混合したドライバーとテスターとのcDNAサンプルを98℃で5分間変性させ、次に67℃で20時間インキュベートして変性させたサンプルを再ハイブリダイズ(rehybridize)させた。この結果、ハイブリッド二本鎖cDNAの混合物が生じた。このハイブリッドcDNAには3つのタイプがあった。1つのハイブリッドタイプは、テスターcDNA2分子からなり、テスター細胞に独特のヌクレオチド配列を表すものであり、第2のハイブリッドタイプは、ドライバーcDNA2分子からなり、そして第3のハイブリッドタイプは、テスターcDNA1分子とドライバーcDNA1分子とからなる。ハイブリダイゼーションの後、サンプルを一本鎖J−Bglアダプター、J−Bgl−24配列番号12を用いてPCR増幅した。ドライバーcDNA2分子からなるハイブリッドcDNAは、J−Bglアダプターを含んでいないので増幅されなかった。テスターcDNA1分子とドライバーcDNA1分子とからなるハイブリッドcDNAは、直線的にしか増幅しなかった。テスターcDNA2分子からなる二本鎖cDNAのみが、指数関数的に増幅した。
前述のようなPCR増幅10サイクルの後、サンプルをMung Beanヌクレアーゼ(直線的増幅によって生じた一本鎖DNAを特異的に消化する)で処理し、そして更に18サイクルPCRを行った。その結果得られた濃縮された産物を、difference product 1(DP1)と命名した。DP1−精巣[−HLLK]およびDP1−LB373[皮膚]の両方を作製した。
DP1に対するJ−Bglアダプターを、N−Bgl−12/24アダプター(N−Bgl−12:5’−GATCTTCCCTCG−3’;N−Bgl−24:5’−AGGCAACTGTGCTATCCGAGGGAA−3’)即ち、N−Bgl−12およびN−Bgl−24オリゴヌクレオチド、それぞれ配列番号4および配列番号13、がアニールしたものからなるアダプターに変更し、そして差引きハイブリダイゼーションのプロセスと選択的増幅を繰り返して第2のdifference productsを作製した(PCR反応におけるアニーリングと伸長を72℃で行ったことを除く)。テスター対ドライバー比を1/800としてDP2.精巣(−HLLK)を作製し、1/100としてDP2.LB373(−皮膚)を作製した。第3のdifference product DP3.精巣(−HLLK)を、テスターとしてJ−Bglを結合させたDP2.精巣(−HLLK)を、ドライバーとしてHLLK代表物(representation)を用いてプロセスを繰り返して作製し、最後の増幅は22サイクル行った。
例2 DP2.LB373[−皮膚]とDP3.精巣[−HLLK]とに共通の配列の検索
多くの既知の腫瘍抗原は、腫瘍および精巣においてのみ発現する遺伝子によってコードされている。前述の、DP3.精巣[−HLLK](精巣細胞に独特の核酸配列を表すもの)とDP2.LB373[−皮膚](メラノーマ細胞に独特の核酸配列を表すもの)との両者に共通の配列を検索することによって、精巣および腫瘍細胞においてのみ発現し、以前には同定されていなかった腫瘍抗原をコードする核酸配列が同定された。
DP3.精巣[−HLLK]DNAをクローニングするために、DP3.精巣[−HLLK]をDpnIIで消化し、消化されたDNAを市販のプラスミドpTZ18RのBamHI消化物に結合させた。細菌DH5αF’IQ(市販されている)を、結合させたDNAでエレクトロポレーションした。エレクトロポレーションされた細菌を選抜し、ランダムプライマー、クレノウDNAポリメラーゼ、およびα−32P−dCTP、を用いてDP2.LB373[−皮膚]を標識することによって作製したプローブを用いたコロニーハイブリダイゼーションによってスクリーニングした。
DP2.LB373[−皮膚]プローブにハイブリダイズする形質転換体からプラスミドを単離しそのインサートについて分析した。283bpのインサートを含む1つのクローンを精製し、当業者に周知の技術によって配列決定した。この283bpのインサートの配列は、MAGE遺伝子ファミリーと部分的なホモロジーを共有していた。参考文献として本出願にその内容を合体させる、MAGE4aゲノムDNA(Genbank登録番号U10687)から予測される、MAGE−4a cDNAのヌクレオチド9895から10041に対応する147ヌクレオチド配列と、最大のホモロジー(74%)が得られた。これらのデータは、283bpのインサートがこれまで同定されていなかったMAGEファミリーメンバーの一部であることを示唆するものであった。このファミリーメンバーを、MAGE−C1と命名した。
例3 完全なMAGE−C1 cDNA
完全なMAGE−C1 cDNAを得るために、LB373−MEL RNAから調製してpcDNAI/Ampにサブクローニングされた、cDNAライブラリーをスクリーニングした。cDNAライブラリーは以下のようにして調製した。
トータルRNAをLB373−MEL細胞からグアニジンイソチオシアナート法(Davis L.G.,M.D.,Dibner and J.F.Battery,Basic Methods in Molecular Biology,Elsevier,New York,pp.130-135(1986))によって抽出した。ポリ−A+RNAをオリゴ−dTカラム(Pharmacia)で精製し、オリゴ−dT(NotI、EcoRI)プライマー配列番号5を用いてcDNAへと変換した。当業者に周知の方法を用いて、このcDNAをBstXIアダプター(配列番号6)に結合させ、NotIで消化し、そしてBstXIとNotIとで消化された市販の発現ベクターpcDNAI/Ampに結合させた。この結合させた組換えプラスミドをTop10F’大腸菌細菌にエレクトロポレーションし、そして形質転換体をアンピシリン(50μg/ml)で選抜した。このライブラリーを前に単離した283bpインサート由来の32P−放射能標識したプローブでスクリーニングした。
細菌の形質転換体を当業者に周知の方法によってMAGE−C1配列についてスクリーニングした。簡単に説明すると、およそ140,000の細菌をナイロンメンブランフィルターに蒔いた(plated)。デュプリケートの(duplicate)ナイロンメンブランフィルターを作り、変性処理して細菌DNAを固定した。テンプレートとしてLB373−MEL RNA、そしてMAGE−C1特異的プライマー、即ち、配列番号1のヌクレオチド(nt)2666からnt2687に対応するセンスプライマーSL26:5’−CCAGTAGATGAATATACAAGTT−3’および配列番号1のnt2817からnt2833の相補的配列であるアンチセンスプライマーSL27:5’−GATAGGCTGCTTCACTT−3’を用いてRT−PCR(逆転写−PCR)によって168bpのMAGE−C1特異的プローブを作製した。配列番号1のnt2666からnt2833に対応する、この168bpのMAGE−C1 PCR産物をセファロースCL−6Bカラムで精製し、そして前述のように(例3)、ランダムプライマー、クレノウDNAポリメラーゼ、およびα−32P−dCTP、を用いて標識した。処理されたデュプリケートのメンブランフィルターをMAGE−C1特異的プローブとハイブリダイズさせ(500,000cpm/ml;5xSSC、0.1% SDS、5Xデンハルト試薬中、65℃、一晩のインキュベーション)、次にストリンジェントな条件で洗浄し、そして、室温で70時間オートラジオグラフィーを行った。ここで記載されるストリンジェントな条件とは、0.1xから0.5x SSC、0.1% SDSで65℃、20分間の条件を指す。MAGE−C1プローブにハイブリダイズする2つのコロニーが同定された。これらのコロニーを精製し、これらがプローブにハイブリダイズすることを検証するためにもう一度スクリーニングを行った。これらのコロニーからプラスミドを単離し、そしてそれらのインサートを当業者に周知の方法を用いて配列決定および分析した。1つのクローンを選択し、MAGE−C1 cDNAインサートを詳細に分析した。この分析されたクローンは4031bp長のMAGE−C1 cDNA分子(図1)、配列番号1、を含んでいた。オープンリーディングフレーム(ORF)はほぼcDNA全体に広がっており、最初のATGはnt257に位置し、周知のKozakルールに従うものであり、そして終止コドンはnt3473にあった。このORFは1072アミノ酸からなる推定上のタンパク質をコードするものであった。
MAGE−A1 cDNAとのアラインメントにより、MAGE−C1 cDNA(配列番号1)と、MAGE−A1エキソン2および3との間の有意なホモロジーが明らかになった。しかし、MAGE−C1のオープンリーディングフレームは、MAGE A1のものよりも約2kb長く、この差の大部分は大きな反復配列によって説明される。
例4 MAGE−C1発現
配列番号1のnt18−34のセンスプライマーSL33(5’−CGGAGGGAGGAGACTTA−3’)および配列番号1のnt200−217に対して相補的なアンチセンスプライマーSL34(5’−TTAAGGTGGTGCTCTAGG−3’)を図1に示す。これらのプライマーは異なるエキソンに位置するものである。このことは、cDNAからのPCR産物(202bp)または正常組織および腫瘍細胞から調製したゲノムDNAからのPCR産物(およそ1.1kb)の異なるサイズによって判定される。正常組織および腫瘍サンプルの標準的なRT−PCR分析によって、MAGE−C1メッセンジャーRNAの発現パターンを判定した。このデータはMAGE−C1発現が精巣を例外として、テストした正常組織においては検出されないことを示している(表1)。腫瘍細胞サンプルについてはMAGE−C1発現は、メラノーマ(46%)、精上皮腫(100%)、膀胱移行上皮癌(18%)、乳癌(16%)、および非小細胞肺癌(16%)においては頻繁に検出される。肉腫、頭頚部癌および前立腺癌においても有意な割合で検出される(表2)。
例5 ノーザンブロット分析
グアニジンイソチオシアナート法(デイヴィス(Davis)他,Basic Methods in Molecular Biology,Elsevier,New York,pp.130-135(1986))によって抽出した10μgのトータルRNAをホルムアルデヒドアガロースゲル電気泳動によって分離し、キャピラリートランスファーによってナイロンメンブランにトランスファーし、そしてUV照射によって固定した。配列番号1のヌクレオチド589から1904に対応するMAGE−C1 1.3kb XbaI−EcoRIプローブ([α−32P]dCTPによって放射能標識されている)へのハイブリダイゼーションを、10%デキストラン硫酸、1M NaCl、1% SDSおよび100μg/ml変性サケ精子DNA中にて一晩60℃で行った。このメンブランを連続的に、室温で20分2XSSC、0.1% SDS中、60℃で20分2XSSC、0.1% SDS中、そして最後に60℃で5分0.2XSSC、0.1% SDS中で洗浄した。オートラジオグラフィーをBioMax MSフィルム(Kodak)を用いて7日間行った。同じメンブランを、洗浄を室温で10分2XSSC中で2回行い、オートラジオグラフィーを一晩行ったことを除いて同じ条件にてβ−アクチン特異的プローブに対してハイブリダイズさせた。正常な精巣およびいくつかの腫瘍細胞系からのトータルRNAにおいて、約4kb移動するMAGE−C1メッセンジャー種が観察された。正常な肺からのトータルRNAにおいては、MAGE−C1メッセンジャー種は検出されなかった。
例6 MAGE−C1 cDNAの構造
配列番号1の配列決定およびアラインメント(図2および図3)により、MAGE−C1 cDNAはMAGE−A1(ファン・デア・ブルッゲン(Van der Bruggen)他,Science 254:1643(1991))とその3’の3分の1(third)においてのみ相同的であることが明らかになった。MAGE−A1の第2エキソンに対してホモロジーを示すもう1つの短いストレッチを除くと、MAGE−C1は、MAGEファミリーにも、データバンクにおいて報告されているいずれの配列にも関連の無い配列から構成されている。その他のMAGE cDNAと比較したところ、MAGE−C1は、図3において大きな斜線で示す箱によって表されるおよそ2.4kbの挿入を含んでおり、これは3タイプのタンデムな反復配列:42bp−リピート、63bp−リピート,および48bp−リピートを含むものである。
例7 サザンブロット分析
メラノーマ細胞系LB373−MEL,SK29−MEL、およびLB33.A−1(クーリ(Coulie)他,J.Exp.Med.180:35-42(1994);クーリ(Coulie)他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:7976-7980(1995);レーマン(Lehmann)他,Eur.J.Immunol.25:340-347(1995))からのいくつかのゲノムDNAによって調製したサザンブロットを、他のMAGE cDNAからcDNAクローンMAGE−C1を区別するものである挿入のほとんどの部分を含む、配列番号1に由来する1.3kb XbaI−EcoRI cDNAプローブとハイブリダイズさせた。制限酵素で消化した10μgのゲノムDNAをアガロースゲル電気泳動によって分離し、キャピラリートランスファー法によってナイロンメンブランにトランスファーし、そしてUV照射によって固定した。これは(参考文献として本出願にその内容を合体させる、サムブルック(Sambrook)他,Molecular Cloning.A Laboratory Manual,N.Y.Cold Spring Harbor Laboratory Press,pp.9.31-9.58)に記載されているようにして行った。[α−32P]dCTPによって放射能標識されたMAGE−C1 1.3kb XbaI−EcoRIプローブへのハイブリダイゼーションを、5xSSC、5xデンハルト、0.1% SDSおよび100μg/ml変性サケ精子DNA中にて12から24時間68℃で行った。このメンブランを連続的に、室温で20分2XSSC、0.1% SDS中、68℃で20分2XSSC、0.1% SDS中、そして68℃で20分0.2XSSC、0.1% SDS中で洗浄した。オートラジオグラフィーをBioMax MSフィルム(Kodak)を用いて3日間行った。
5つの異なる制限酵素によって消化されたSK29メラノーマ系統からのDNAにおいて単一のハイブリダイズするバンドが存在しており、これはMAGE−C1がMAGE−ファミリーにおいてその型が唯一の遺伝子であることを示唆していた。しかし、11人の男性患者の末梢血リンパ球から単離したPstIで消化したDNAは、それぞれ唯一の(独特の)MAGE−C1バンドを含んでいたが、それらは異なるサイズのものであり、そのことは遺伝子MAGE−C1において対立遺伝子の多型(allelic polymorphism)が存在することを示唆していた。LB373−MELおよびLB33−MEL.A−1からの、EcoRIで消化したDNAは、同一のサイズの唯一の(独特の)MAGE−C1バンドを含んでいた(プローブと制限部位の位置については図3を参照)。
例8 MAGE−C1遺伝子の単離
MAGE−C1遺伝子を単離するために、メラノーマ系統LB33−MEL.A−1からのゲノムDNAで調製したコスミドライブラリーをスクリーニングした。メラノーマ系統LB33−MEL.A−1からのゲノムDNAをMboIで部分的に消化し、そして参考文献として本出願にその内容を合体させる、(ラークウィン,シー(Lurquin,C.)他,Cell 58:293-303(1989))に記載されているようにしてベクターc2RBのコスミドアーム(arm)に結合させた。結合させたDNAをλファージの頭部にパッケージングし(GIGAPACK,Strategene)、大腸菌ED8767に対してタイター測定した。このライブラリーは40グループの70,000の独立したコスミドを代表するものであった。それぞれのグループを用いてEd8767細菌に感染させ、そして50μg/mlのアンピシリンを含有するLB培地において増幅させた。16時間−培養のアリコットを凍結し、一部はタイター測定してライブラリーの増幅(105x)を評価し、そして残りの培養をさらに増幅させて(参考文献として本出願にその内容を合体させる、デ・プレーン(De Plaen),Immunology Methods Manual Academic Press Ltd.,9.9:691-718(1997))に記載されているようにして、トータルコスミドDNAを単離するのに用いた。
16グループのおよそ70,000の独立したコスミドから抽出したDNAを、MAGE−C1プライマーを用いたPCR増幅にかけた。12のグループが陽性であることが判明し、そのうち1つをXbaI−EcoRIプローブを用いたコロニーハイブリダイゼーションによってスクリーニングした。1つの陽性のコスミド、C7.2が同定された。切断解析およびサザンブロットによって、このコスミドは、それぞれ1,1.4,1.6および2kbの4つのEcoRIフラグメントと1つの2kbのBamHIフラグメントを保有し、全体のMAGE−C1 cDNAクローン(配列番号1)に対応するプローブにハイブリダイズする、およそ42kbのインサートを含んでいることが明らかになった。これらの5つのフラグメントをファージミドpTZ19Rにサブクローニングし、そしてそれらのヌクレオチド配列を決定した。これらの配列とcDNAクローンとの比較によって、MAGE−C1は4つのエキソンからなること(図3)が示された。3426塩基対のオープンリーディングフレームがエキソンIIIの端に位置するATGにて開始し、エキソンIVのほとんどの部分にわたって広がっている。後者にはすべての反復モチーフが含まれるが、この反復領域の長さはcDNAクローンにおいて見られるものと比較してgDNAクローンにおいて見られるものの方が長かった。cDNAとゲノムクローンは、異なる起源(それぞれ亜系統LB373−MELおよびLB33−15MEL.A−1)のライブラリーから得られたものであるが、XbaI−EcoRIプローブでのサザンブロット分析によって示されるように、この矛盾を対立遺伝子の変異(variation)によってはほとんど説明することができなかった。サザン分析の結果を確かめるために、両方の細胞系からのゲノムDNAを、配列番号1のnt521から536に対応するプライマーSL38(5’−GGCGACGACACCCAGT−3’)および配列番号1のnt1862から1882に対応するSL43(5’−AGGAAAGTAGAGAGGAGACAT−3’)を用いてPCRによって増幅したところ、同一サイズの産物が得られた。これらPCR産物の部分的な配列決定によって、2つの細胞系の間にヌクレオチドレベルでの差がないことが示され、LB33−MEL細胞には存在しない、LB373−MEL細胞におけるスプライス部位の存在は除外された。
逆転写のアーチファクト(人為的結果)がgDNAクローンとcDNAクローンとにおける反復領域の長さが異なることの原因であるかどうかを判定するために、トータルRNAの逆転写から得られたcDNAをプライマーSL38およびSL43を用いてPCRによって増幅した。
転写インヴィトロシステム(Transcription in vitro Systems(Promega))を用いてcDNAからのMAGE−C1反復領域のPCR増幅とクローニングのためのMAGE−C1 RNAを作製した。1μgの、MAGE−C1 cDNAクローンを含有するHindIIIで消化したpcDNAI/Ampを、4μlの5xSP6バッファー、1μlの各10mMのNTP、2μlの0.1Mのジチオトレイトール、0.5μl(20ユニット)のRNaseインヒビター、および1μl(15ユニット)のSP6 RNAポリメラーゼ、とともに希釈して最終容積20μlとした。2.4μlの0.1mMのCTPを用いたこと以外は、上記の転写混合物と同一の混合物に、5μlの[α−32P]CTP(3000Ci/mmol)を添加したものをコントロール反応とした。37℃で1時間インキュベートして反応を行った。1μl(1U)のRQ1DNaseを混合物に添加し、再び37℃で1時間インキュベートした。放射能標識されたRNAの1/10をホルムアルデヒドアガロースゲルでの電気泳動によって分析し、ゲルを乾燥させて、オートラジオグラフィーにかけて全長の産物のみが得られていることを確かめた。非−放射性のRNAをフェノール抽出し、エタノール沈殿させ、そして10μlの水に再懸濁した。1μlのRNA溶液をトータルRNAについての条件と同一の条件で逆転写した(参考文献として本出願にその内容を合体させる、ウェイナンツ(Weynants)他,Int.J.Cancer 56:826-829(1994))。プラスミドDNAによるコンタミネーションを除外するために、MoMLV逆転写酵素を添加しないコントロール反応も行った。完了した反応の1/40について、SL38センスプライマーとSL43アンチセンスプライマーとを用いた37サイクルのPCRを行った。PCR産物をアガロースゲル電気泳動によって分画した。コントロール反応においては検出可能な産物は検出されなかった。
配列番号1のnt521から536に対応するセンスプライマーSL38(5’−GGCGACGACACCCAGT−3’)および配列番号1のnt1862から1882に対応するアンチセンスプライマーSL43(5’−AGGAAAGTAGAGAGGAGACAT−3’)を用いて、cDNA(2μgのトータルRNAからの逆転写産物の1/40)、または、メラノーマ系統LB373−MELおよびLB−33−MEL.A−1からの500ngのゲノムDNAを増幅した。PCRは、5μlの10xDynaZymeバッファー、1μlの各10mM dNTP、25ピコモル(pmoles)の各プライマー、および2ユニットのDynaZyme(FynnZymes Oy)を用いて最終容積50μlで、30サイクル(ゲノムDNAについて)または37サイクル(cDNAについて)行った。1サイクルは94℃で1分、65℃で1分そして72℃で2分であった。
PCR産物を真核TAクローニングキット(the Eukaryotic TA Cloning Kit(Invitrogen))を用いてプラスミドpCR3に結合させ、そしてライゲーション産物をTop10F’細菌にエレクトロポレーションした。1.6から0.35kbの範囲にわたるサイズの複数の産物が得られた。それに対して、単一の産物が、プライマーSL38とSL43とを用いたPCRによって増幅されたゲノムDNAから得られた。複数のPCR産物は、cDNAクローンMAGE−C1(配列番号1)からインヴィトロで転写された全長RNAの逆転写から得られたテンプレートcDNAを用いた場合にも得られた。これらの結果は、逆転写アーチファクトがゲノムDNAとcDNAクローンとの間の矛盾の原因であるということ、そしてメラノーマ系統LB373−MELにおけるMAGE−C1遺伝子から転写された天然の(natural)mRNA種は、上述のコスミドC7.2において見られた全体の反復領域を含んでいるはずであるということを示唆している。この天然のmRNAの全長cDNAの配列を配列番号9に示す。
反復領域は、全部で18個の14アミノ酸(aa)のダイレクト(direct)リピート、21aaの17個のリピート、そして16aaの16個のリピートに対応するものである。遺伝子MAGE−C1は遺伝子MAGE−A10と最大の全体的なホモロジーを共有している。しかし、図2と図3に示すように、MAGEファミリーのなかで最もよく特徴づけられている遺伝子であるMAGE−A1との比較およびアラインメントを行った。遺伝子MAGE−C1のエキソン1は、その他のMAGEにおいて相同的な対応物がないが、MAGE−1(デ・スメット(De Smet)他,Immunogenetics 42:282-290,(1995);デ・スメット(De Smet)他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:7149-7153,(1996))およびいくつかのMAGE−4プロモーター(デ・プレーン(De Plaen)投稿されている)において記載されているように、第1エキソンの直前に、1つのSp1および2つのEtsコンセンサス結合部位が先行していることは注目すべきである。
例9 MAGE−C1遺伝子の染色体の所在(局在化)
プローブとしてコスミドC7.2を用いた蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)実験により、遺伝子MAGE−C1はX染色体の長腕上の、Xq27バンド上に位置するということが示された。
MAGE−C1に対するヒトゲノムコスミドプローブを、蛍光in situハイブリダイゼーションに用いた。全体のMAGE−C1コスミドクローンを蛍光in situハイブリダイゼーションのために、ビオチン−14 dATPおよびビオチン−14 dCTP(Gibco BRL)を用いてニックトランスレーションし、2つの独立の実験において正常なヒトの中期(分裂中期)スプレッド(spreads)にハイブリダイズさせた。
染色体標本は、72時間培養したフィトヘマグルチニン−刺激された正常な末梢血リンパ球から得た。R−バンディング(R−バンド形成)を誘発するために、培養の一部をチミジンによって48時間後に同調させ、37℃でインキュベートし、そして最終的な後期S期の間に、翌朝5’ブロモデオキシウリジン(BrdU)で処理し、そして6時間後に収集した(Jackey,P.B.,Raven Press,p.89,(1991))。細胞遺伝学的な収集およびスライドガラスの調製は標準的方法を用いて行った。そのスライドガラスを使用前まで−80℃で保存した。
中期(分裂中期)染色体に対する蛍光in situハイブリダイゼーションをピンケル(Pinkel)他(参考文献として本出願にその内容を合体させる、ピンケル(Pinkel)他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:2934-2938,(1986))に記載されているようにして行った。簡単に説明すると、ビオチン−標識化プローブ(50−100ng)をハイブリダイゼーション混合物(50% ホルムアミド、10% デキストラン硫酸、2xSSC、0.1μg COT−1 DNA(Gibco BRL)、キャリアとして10μgの共用(shared)サケ精子DNA)中に溶解し、そして37℃で60分間インキュベートしてプローブにおける反復配列に対してCOT−1 DNAをアニールさせた。プローブ混合物を次にスライドガラスにのせてスライドガラス暖熱装置で80℃にて10分間共−変性させた。ハイブリダイゼーションを湿性チャンバー(humid chamber)中で37℃で一晩進行させた。スライドガラスを、FITC−ビオチン検出キットによってホルムアミド洗浄手順を用いて洗浄し、そして適切な場合は二色FISH(Oncor)のための増幅プロトコールを用いた。ビオチン−標識化プローブ検出はFITC−アビジン結合体(conjugate)とのインキュベーションによって達成し、そしてジゴキシゲニン−標識化染色体X特異的α−サテライトリピートプローブは抗−ジゴキシゲニン−ローダミン結合体(conjugate)を用いて検出した。
染色体の同定は染色体X特異的α−サテライトリピートプローブ(Oncor)を用いた同時ハイブリダイゼーション、または5−ブロモデオキシウリジンを用いたR−バンディング(R−バンド形成)によって行い、R−バンディングパターンを形成させるための対比染色(後染色counterstain)として0.01μg/mlのよう化プロピジウムを含有するp−フェニレンジアミン(pH11)の修飾抗退色(antifade)封入(mounting)溶液中にスライドガラスを封入(マウンティング)した(レミュー(Lemieux)他,Cytogenet.Cell Genet.59:311-312(1992))。スライドガラスをZeiss Axiophot顕微鏡および適切なUV−フィルターの組み合わせを用いて調べ、撮影した。35mmスライドガラスを、Nikon Coolscanを用いてスキャンし、Adobe Photoshop 4.0を用いて加工し、そしてFujix Pictrography 3000を用いてプリントした。
ヒトMAGE−C1遺伝子座の染色体の所在(局在化)は、はじめにここでは記載しない実験において体細胞ハイブリッドマッピングによって得、そして独立的に上述の蛍光in situハイブリダイゼーションによって確認し、そしてさらに正確にした。これらの実験において、正常リンパ球からの47のR−バンドのある中期(分裂中期)スプレッド(spreads)をハイブリダイゼーションの特異的シグナルについて調べた。シグナルは、それらが単一の染色体の各染色分体において検出された場合にのみ特異的であるとみなした。調べた47の中期のうち15において(32%)特異的シグナルがみられた。各場合において、ハイブリダイゼーションシグナルはX染色体の末端の(中心から遠い)部分に位置していた。染色体のR−バンディングパターンによって、MAGE−C1遺伝子座がXq26−q27にあるという、より明確な局在化がなされた。
興味深いことに、MAGEファミリーのその他のメンバーもX染色体の長腕および短腕の両方に局在している。12のMAGEファミリーの遺伝子がX染色体の長腕の末端領域にマッピングされており(デ・プレーン(DePlaen)他,Immunogenetics 40:360-369,(1994);オークス(Oaks)他,Cancer Research 54:1627-1629,(1994))、そしてMAGE−Xpは領域における短腕のXp21.3領域に位置している(ムスカテッリ(Muscatelli)他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:4987-4991(1995))。
例10潜在的(potential)HLAクラスI−結合性MAGE−C1ペプチドの同定
HLAクラスI−結合性ペプチドについてのMAGE−C1タンパク質配列の検索を、Webサイト上:http://bimas.dcrt.nih.gov/molbio(参考文献として本出願にその内容全体を合体させる、Parker,K.C.,M.A.Bednarek,and J.E.Coligan,“Scheme for Ranking Potential HLA-A2 Binding Peptides Based on Independent Binding of Individual Peptide Side-Chains,”J.Immunol.152:163(1994))で行った。表3は、表示したHLAクラスI分子に結合することが予想され、かつ、MAGE−C1タンパク質において1回以上みられるペプチドの一覧表である。
例11
A.メラノーマ腫瘍LB373−MELからのDifference Productsの作製
テスターと称するメラノーマ細胞にのみ存在する配列について濃縮されたcDNAライブラリーを、ドライバーと称する正常な皮膚細胞によって共有されている配列を除くことによって作製した。その濃縮結果をDifference Product(DP)と称する。
より具体的には、メラノーマLB373−MEL細胞(テスター細胞)および正常な皮膚サンプル(ドライバー細胞)からトータルRNAを調製し、オリゴ−dTカラムで精製してポリ−A+RNAを得た。ポリ−A+RNAを逆転写してcDNAを作製した。その結果得られたcDNAを制限酵素DpnIIで消化した。DpnIIはDNAをGATC部位において切断するものであり、この消化によって5’−GATCオーバーハングを備えた二本鎖DNAの短い断片が生じた。5’−GATCオーバーハングを備えた二本鎖アダプター(R−Bgl−12およびR−Bgl−24、それぞれ配列番号2および4、がアニールしたものからなるR−Bglアダプター)を、消化されたcDNAに結合させた。アダプターに結合させたcDNAを次に、プライマーとしてR−Bglアダプターの一方の鎖であるR−Bgl−24を用いてPCRによって増幅させた。その結果得られた産物は、それぞれテスターおよびドライバーの代表物(representation)と称する。両方の代表物(representations)を、DpnIIで消化した。消化されたテスターを新しいアダプター分子(J−Bgl−12およびJ−Bgl−24、それぞれ配列番号3および12、がアニールしたものからなるJ−Bglアダプター)に結合した。次に差引きハイブリダイゼーションの最初のラウンドを、100/1の比率で、消化されたドライバーcDNAと、このJ−Bglアダプター結合した消化されたテスターcDNAとを混合し、サンプルを変性させ、67℃で20時間インキュベートして変性させたサンプルを再ハイブリダイズ(rehybridize)させることによって行った。ハイブリダイゼーションの後、サンプルをJ−Bglアダプターの一方の鎖、J−Bgl−24をプライマーとして用いてPCR増幅した。ドライバー集団から生じた2本のDNA鎖からなるハイブリッドは、J−Bglアダプターに結合していないので増幅されなかった。各起源(テスターおよびドライバー)からのそれぞれ一方のDNA鎖からなるハイブリッドは、直線的にしか増幅しなかった。2本のテスター鎖からなる二本鎖(テスターに独特の配列を表すもの)のみが、指数関数的に増幅した。10サイクルのPCR増幅後、サンプルをMung Beanヌクレアーゼ(直線的増幅によって生じた一本鎖DNAを特異的に消化する)で処理し、そして更に18サイクルPCRを行った。
その結果得られた産物を、difference product 1(DP1)と称する。DP1に対するJ−Bglアダプターを、N−Bgl−12/24アダプター(N−Bgl−12:5’−GATCTTCCCTCG−3’;N−Bgl−24:5’−AGGCAACTGTGCTATCCGAGGGAA−3’)即ち、N−Bgl−12およびN−Bgl−24オリゴヌクレオチド、それぞれ配列番号4および配列番号13、がアニールしたものからなるアダプターに変更し、そして差引きハイブリダイゼーションのプロセスと選択的増幅を繰り返して第2のdifference productsを作製した(PCR反応におけるアニーリングと伸長を72℃で行ったことを除く)。テスター対ドライバー比を1:800としてDP2.LB373(−皮膚)を作製した。
DP2.LB373[−皮膚]をファージミドベクターpTZ18Rにクローニングし、メラノーマにおいて発現するが正常な皮膚においてはサイレントな(silent)配列が濃縮されたcDNAライブラリーを作製した。
B.個々のクローンの配列決定によるメラノーマ濃縮ライブラリーの分析
濃縮メラノーマライブラリーから単離された49の個々のクローンについて配列決定した。これらは27種類の遺伝子に対応していた。データバンクにおいて報告されている配列とのホモロジーについての検索により、これら27遺伝子の内16が以前に同定されている遺伝子に対応することが示された。注目すべきことに、それらの内2つは、腫瘍および精巣において独占的に発現していることが知られている、遺伝子MAGE−A3および遺伝子MAGE−A10にそれぞれ対応していた。11の配列は未知であり、RT−PCRを用いてそれらが異なる正常組織のパネルにおいて発現しているかどうかを判定した。これら11の新規な遺伝子の内2つだけが、精巣を除く正常組織においては発現しないものであった。このうち第1のものをLAGE−1と命名した。これは米国特許出願第08/791,495号に記載されている。第2のものはMAGE遺伝子ファミリーのメンバー、より具体的には遺伝子MAGE−C1と有意なホモロジーを共有していた。したがってこれをMAGE−C2と命名した。
C.完全なMAGE−C2 cDNAの検索
濃縮メラノーマライブラリーから単離されたMAGE−C2クローンは、完全なMAGE−C2メッセンジャーの、DpnII制限酵素断片である。完全なMAGE−C2 cDNAを単離するために、我々はMAGE−C2プローブによってcDNAライブラリーをスクリーニングした。
前述のようにして、pcDNA1/Amp中にLB373−MEL RNAによってcDNAライブラリーを作成した。およそ84,000の細菌をナイロンメンブランに蒔いた(plated)。デュプリケート(duplicate)を作り、変性処理して細菌DNAを固定した。部分的MAGE−C2クローンに対して、特異的プライマー、SL102およびSL103(SL102:5’−AGGCGCGAATCAAGTTAG−3’、配列番号15;SL103:5’−CTCCTCTGCTGTGCTGAC−3’、配列番号16)を用いてPCRを行うことによって、MAGE−C2特異的プローブを作成した。206bpのMAGE−C2 PCR産物をセファロースCL−6Bカラムで精製し、そして、ランダムプライマー、クレノウDNAポリメラーゼ、およびα−32P−dCTP、を用いて標識した。処理されたデュプリケートをMAGE−C2特異的プローブとハイブリダイズさせ(500,000cpm/ml;65℃、一晩のインキュベーション)、次にストリンジェントな条件で洗浄し(最後の洗浄をSSC 0.2x、SDS 0.1%で65℃で行った)、そして、70時間オートラジオグラフィーを行った。その結果8つの陽性のスポットが得られた。二次スクリーニングを行い、そしてMAGE−C2に対する大きなオープンリーディングフレームを含む1つの細菌のクローンが得られた。
MAGE−C2 cDNAは1983bp−長(配列番号18)である。オープンリーディングフレームは、位置330のATGで始まり、位置1449の終止コドンで終わるものであり、373アミノ酸からなる推定上のタンパク質(配列番号19)をコードするものである。
D.MAGE−C2遺伝子の構造
MAGE−C2 cDNAのいくつかの領域に対して相補的なPCRプライマーを選択し、cDNAおよびゲノムDNAの増幅後に得られたPCR産物をアガロースゲル電気泳動によって分析した。プライマー対AおよびB(図4)によるゲノムDNAのPCR増幅により、cDNAの増幅によって得られた産物よりもサイズの大きな産物が生じ、このことは、MAGE−C2遺伝子において少なくとも2つのイントロンが存在することを明らかにするものである。これら2つのイントロンの配列はPCR産物の配列決定によって決定した。プライマー対CおよびD(図4)によるPCR増幅では、テンプレートとしてcDNAあるいはゲノムDNAを用いた場合、同じサイズの産物が生じ、このことは、MAGE−C2遺伝子においてさらなるイントロンが存在しないことを示唆している。cDNAクローンの配列から、および、イントロンの配列から推定された、遺伝子MAGE−C2の配列を、配列番号20に示す。
遺伝子MAGE−C2、MAGE−C1およびMAGE−A1の概略表示を図4に示す。全体のMAGE−C2遺伝子は、遺伝子MAGE−C1配列に対して相同的である。にもかかわらず、MAGE−C2は遺伝子MAGE−C1のコード領域にみられる、大きい反復領域を含んでいない。遺伝子MAGE−C2のエキソン−イントロン構造は、遺伝子MAGE−C1のもの(エキソン−イントロン構造)と、遺伝子MAGE−A1によって図4において代表されるMAGE−A遺伝子のもの(エキソン−イントロン構造)との中間である。MAGE−A遺伝子のように、MAGE−C2は3つのエキソンからなるが、MAGE−C2のエキソン1および2は、MAGE−C1のエキソン1および2に対して相同的である。MAGE−C2の第3エキソンは、MAGE−A遺伝子の第3エキソンの構造と共通点のある構造を有している。それは、全体のオープンリーディングフレームを含み、そして類似の位置から開始する。遺伝子MAGE−C2のコード配列は、遺伝子MAGE−A1のコード配列よりも長く、これは、開始コドンのすぐ後の、遺伝子MAGE−A1においてはみられない108bp−配列の挿入によるものである。
E.遺伝子MAGE−C2の発現
MAGE−C2遺伝子の発現パターンを正常組織および腫瘍サンプルのRT−PCR分析によって判定した。選択したセンスプライマーSL102(配列番号15)およびアンチセンスプライマーSL103(配列番号16)は、異なるエキソンに位置する(図4:プライマー対A)。MAGE−C2は、精巣を例外として、テストした正常組織のパネル(表4)においては発現していない。腫瘍のサンプルについては、MAGE−C2は、メラノーマおよび膀胱移行上皮癌において頻繁に発現している。また、頭頸部癌、乳癌、非小細胞肺癌、および肉腫においても有意な割合で発現している(表5)。MAGE−C2の発現は、その他のMAGE遺伝子の発現と相関している。326の腫瘍サンプルをテストした。遺伝子MAGE−C2を発現する63のサンプルの内、62が少なくとも1つのMAGE−A遺伝子も発現している。MAGE−C2の発現について陽性であるのにその他のすべてのMAGE遺伝子については陰性である、唯一の腫瘍サンプルは乳房腫瘍サンプルである。後者のような腫瘍を有する癌患者のための、MAGE抗原による特異的な免疫療法は、もっぱらMAGE−C2由来抗原の使用に頼ることになるであろう。
F.MAGE−C2遺伝子の染色体の位置
MAGE−C2遺伝子の染色体の位置を、the GeneBridge 4 Radiation Hybrid Panel(参考文献として本出願にその内容全体を合体させる、ウォルター(Walter)他,Nature Genet,7:22-28(1994))のPCR分析によって判定した。このパネルからのそれぞれのDNAに対して、プライマーSL102およびSL103、配列番号15および16を用いてPCRを行った。PCR産物をアガロースゲル電気泳動によって分離し、ニトロセルロースメンブランにブロットし、そして放射能標識したプライマーSL118(5’−AGCTGCCTCTGGTTGGCAGA−3’配列番号17)とハイブリダイズさせた。プライマーSL118は、遺伝子MAGE−C2の最初のイントロンの配列に対して相補的である。PCRの結果を、Webサイト上:http://www-genome.wi.mit.edu/cgi-bin/contig/rhmapper.plで分析にかけた。この分析によってMAGE−C2は、X染色体上のマーカーDXS1227とDSX7087の間に位置することが明らかになった。遺伝子MAGE−C1は、細胞遺伝学的バンドXq26−Xq27に対応する、これらの同じマーカーの間に位置する。
G.MAGE−C2とその他のMAGEタンパク質
MAGE−C2タンパク質はその他のMAGEタンパク質と類似性を共有している。すべての既知のMAGEタンパク質の複数のアラインメントにより、最大のホモロジーはそれらのCOOH−末端において観察されることが示されている。
MAGE−C2のC−末端の3分の2と、その他のMAGEタンパク質の対応するセグメントとの間の対の比較の結果を表6に示す。MAGE−Aタンパク質のC−末端セグメントは、52から94%のアミノ酸アイデンティティを共有しており、それら同士でのアイデンティティの方がMAGE−Bタンパク質とのものよりも近く、MAGE−Aタンパク質はMAGE−Bタンパク質とは39から55%のアミノ酸アイデンティティを共有している。同様に、MAGE−Bタンパク質はMAGE−Aタンパク質とよりも、それら同士でのアイデンティティの方が近く、それら同士では52から67%のアミノ酸アイデンティティを共有している。配列類似度の判定基準によると、MAGE−C1とMAGE−C2とは第3のサブファミリーに属する:これらは互いに68%のアミノ酸アイデンティティを共有しているのに対し、MAGE−Aタンパク質とは43から55%のアミノ酸アイデンティティ、および、MAGE−Bタンパク質とは39から46%しか共有していない。
H.潜在的(potential)HLAクラスI−結合性MAGE−C2ペプチドの同定
HLAクラスI−結合性ペプチドについてのMAGE−C2タンパク質配列の検索を、Webサイト上:http://bimas.dcrt.nih.gov/molbioで行った。表7は、表示したHLAクラスI分子に結合することが予想されるMAGE−C2ペプチドの一覧表である。これらのHLAクラスI分子は、以前にMAGEファミリーの遺伝子によってコードされるペプチドを、いくつかの腫瘍上に提示することが示されたものである。
I.サザンブロット分析
メラノーマ細胞系LB373−MEL,SK29−MEL、およびLB33.A−1からのゲノムDNAによって調製したサザンブロットを、配列番号18に由来する1.9kb PCR増幅プローブとハイブリダイズさせた。ブロットの調製は、上述(例7)のようにして行った。[α−32P]dCTPによって放射能標識されたMAGE−C2プローブへのハイブリダイゼーションを、5xSSC、5xデンハルト、0.1% SDSおよび100μg/ml変性サケ精子DNA中にて18時間68℃で行った。このメンブランを連続的に、室温で20分2XSSC、0.1% SDS中、そして、68℃で20分2XSSC、0.1% SDS中で洗浄した。オートラジオグラフィーを10日間行った。
3つのメラノーマ系統から得られたゲノムDNAにおいて、いくつかのハイブリダイズするバンドが見られた。ゲノムDNAをBamHIまたはEcoRI制限酵素によって消化した。EcoRIで消化されたゲノムDNAにおいて、MAGE−C2プローブとハイブリダイズする少なくとも5つのバンドを認めることができた。それらの内2つはそれぞれ遺伝子MAGE−C1およびMAGE−C2のフラグメントを表すものであった。これらの結果は、ここに記載したMAGE−C1およびMAGE−C2が、より大きなMAGE−Cファミリーのメンバーであることを示唆するものである。
Figure 0003915076
Figure 0003915076
Figure 0003915076
Figure 0003915076
Figure 0003915076
Figure 0003915076
Figure 0003915076
Figure 0003915076
配列リスト
(1)一般情報:
(i)出願人:ルーカス,ソフィー;
デ・スメット,チャールズ;および
ブーン-ファラー,ティエリー
(ii)発明の名称:腫瘍拒絶抗原前駆体MAGE-C1およびMAGE-C2をコードする単離核酸分子とその利用方法
(iii)配列の数:20
(iv)連絡先:
(A)宛名:フェルフェ・アンド・リンチ
(B)通り名:サード・アベニュー805
(C)都市名:ニューヨーク・シティ
(D)州名:ニューヨーク
(E)国名:アメリカ合衆国
(F)郵便番号:10022
(V) コンピュータ読み取り可能フォーム:
(A) 媒体型式:3.5インチ フロッピーディスク,360kbメモリ
(B) コンピュータ:IBM PS/2
(C) オペレーティング・システム:PC-DOS
(D) ソフトウェア:ワードパーフェクト(Wordperfect)
(vi) 現在の出願データ:
(A) 出願番号:付与される予定である
(B) 出願日:これと同時
(C) 分類:435
(vi) 先の出願データ:
(A) 出願番号:08/845,528
(B) 出願日:1997年4月25日
(viii) 弁理士/代理人情報:
(A) 氏名:メアリー・アン・スコフィールド
(B) 登録番号:36,669
(C) 参照/書類番号:LUD5455.2PCT
(ix) 通信情報:
(A) 電話:(212)688-9200
(B) ファックス:(212)838-3884
(2)配列番号1の情報:
(i) 配列特徴:
(A) 長さ:4031塩基対
(B) タイプ:核酸
(C) 鎖の数:二本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列の記述:配列番号1:
Figure 0003915076
Figure 0003915076
Figure 0003915076
(2)配列番号2の情報:
(i) 配列特徴:
(A) 長さ:12塩基対
(B) タイプ:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列の記述:配列番号2:
Figure 0003915076
(2)配列番号3の情報:
(i) 配列特徴:
(A) 長さ:12塩基対
(B) タイプ:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列の記述:配列番号3:
Figure 0003915076
(2)配列番号4の情報:
(i) 配列特徴:
(A) 長さ:12塩基対
(B) タイプ:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列の記述:配列番号4:
Figure 0003915076
(2)配列番号5の情報:
(i) 配列特徴:
(A) 長さ:45塩基対
(B) タイプ:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列の記述:配列番号5:
Figure 0003915076
(2)配列番号6の情報:
(i) 配列特徴:
(A) 長さ:12塩基対
(B) タイプ:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(ix) 特徴:
(D) その他の情報:BstX1アダプター上側鎖
(xi) 配列の記述:配列番号6:
Figure 0003915076
(2)配列番号7の情報:
(i) 配列特徴:
(A) 長さ:1142
(B) タイプ:アミノ酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列の記述:配列番号7:
Figure 0003915076
Figure 0003915076
Figure 0003915076
Figure 0003915076
(2)配列番号8の情報:
(i) 配列特徴:
(A) 長さ:1691塩基対
(B) タイプ:ヌクレオチド
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列の記述:配列番号8:
Figure 0003915076
Figure 0003915076
(2)配列番号9の情報:
(i) 配列特徴:
(A) 長さ:4225塩基対
(B) タイプ:ヌクレオチド
(C) 鎖の数:二本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列の記述:配列番号9:
Figure 0003915076
Figure 0003915076
Figure 0003915076
(2)配列番号10の情報:
(i) 配列特徴:
(A) 長さ:310
(B) タイプ:アミノ酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列の記述:配列番号10:
Figure 0003915076
Figure 0003915076
(2)配列番号11の情報:
(i) 配列特徴:
(A) 長さ:24塩基対
(B) タイプ:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列の記述:配列番号11:
Figure 0003915076
(2)配列番号12の情報:
(i) 配列特徴:
(A) 長さ:24塩基対
(B) タイプ:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列の記述:配列番号12:
Figure 0003915076
(2)配列番号13の情報:
(i) 配列特徴:
(A) 長さ:24塩基対
(B) タイプ:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列の記述:配列番号13:
Figure 0003915076
(2)配列番号14の情報:
(i) 配列特徴:
(A) 長さ:8塩基対
(B) タイプ:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(ix) 特徴:
(D) その他の情報:BstX1アダプター下側鎖
(xi) 配列の記述:配列番号14:
Figure 0003915076
(2)配列番号15の情報:
(i) 配列特徴:
(A) 長さ:18塩基対
(B) タイプ:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列の記述:配列番号15:
Figure 0003915076
(2)配列番号16の情報:
(i) 配列特徴:
(A) 長さ:18塩基対
(B) タイプ:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列の記述:配列番号14:
Figure 0003915076
(2)配列番号17の情報:
(i) 配列特徴:
(A) 長さ:20塩基対
(B) タイプ:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列の記述:配列番号17:
Figure 0003915076
(2)配列番号18の情報:
(i) 配列特徴:
(A) 長さ:1983塩基対
(B) タイプ:核酸
(C) 鎖の数:二本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列の記述:配列番号18:
Figure 0003915076
Figure 0003915076
(2)配列番号19の情報:
(i) 配列特徴:
(A) 長さ:373
(B) タイプ:アミノ酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列の記述:配列番号19:
Figure 0003915076
Figure 0003915076
(2)配列番号20の情報:
(i) 配列特徴:
(A) 長さ:2940塩基対
(B) タイプ:核酸
(C) 鎖の数:二本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列の記述:配列番号20:
Figure 0003915076
Figure 0003915076
Figure 0003915076
配列番号:18
MAGE-C2 cDNAクローンのヌクレオチド配列
Figure 0003915076
配列番号:19
MAGE-C2タンパク質の推定アミノ酸配列
Figure 0003915076
配列番号:20
MAGE-C2遺伝子のヌクレオチド配列
Figure 0003915076

Claims (30)

  1. 配列番号9および配列番号18からなるグループから選択されるヌクレオチド配列によってコードされる腫瘍拒絶抗原前駆体のアミノ酸配列を有する腫瘍拒絶抗原前駆体をコードする単離核酸分子。
  2. 腫瘍拒絶抗原前駆体をコードするヌクレオチド配列を有する単離核酸分子であって、前記単離核酸分子が配列番号9または配列番号18に示されるヌクレオチド配列を有する単離核酸分子。
  3. 前記核酸分子がcDNA分子である、請求項1に記載の単離核酸分子。
  4. 前記核酸分子がgDNA分子である、請求項1に記載の単離核酸分子。
  5. その相補的配列がストリンジェントな条件下で配列番号9のヌクレオチド1−2815からなるヌクレオチド配列を有する核酸分子にハイブリダイズする、単離核酸分子であって、ただし、前記相補的配列がストリンジェントな条件下で配列番号8とはハイブリダイズしない、腫瘍拒絶抗原前駆体をコードする単離核酸分子。
  6. 請求項1に記載の核酸分子に対して相補的である、単離mRNA分子。
  7. プロモーターに作用するように(operatively)リンクした請求項1に記載の単離核酸分子を有する発現ベクター。
  8. プロモーターに操作可能に(operably)リンクした、請求項3に記載の単離核酸分子を有する発現ベクター。
  9. 前記プロモーターが誘導性のプロモーターである、請求項7に記載の発現ベクター。
  10. 請求項7に記載の発現ベクターでトランスフェクトまたはトランスフォームされた、細胞系または細胞株。
  11. 請求項8に記載の発現ベクターでトランスフェクトまたはトランスフォームされた、細胞系または細胞株。
  12. 前記細胞系が真核細胞系である、請求項10に記載の細胞系。
  13. 前記細胞系がげっ歯類細胞系およびサルの細胞系からなるグループから選択される、請求項12に記載の細胞系。
  14. 前記細胞系がCOS細胞系およびCHO細胞系からなるグループから選択される、請求項13に記載の細胞系。
  15. 前記細胞系が真核細胞系である、請求項11に記載の細胞系。
  16. 前記細胞系がげっ歯類細胞系またはサルの細胞系からなるグループから選択される、請求項15に記載の細胞系。
  17. 前記細胞系がCOS細胞系およびCHO細胞系からなるグループから選択される、請求項16に記載の細胞系。
  18. CTL含有サンプルにおいてHLA分子と請求項1に記載の単離核酸分子によってコードされるタンパク質に由来するペプチドとからなる複合体に対して特異的な細胞溶解性T細胞の存在を判定する方法であって、前記サンプルとその表面上に前記複合体を提示する細胞とを接触させる工程、および、(i)細胞溶解性T細胞の増殖、または(ii)前記複合体を提示する細胞の溶解を、前記サンプルにおける前記細胞溶解性T細胞の判定として、判定する工程、を有する、CTL含有サンプルにおいてHLA分子と請求項1の単離核酸分子によってコードされるタンパク質に由来するペプチドとからなる複合体に対して特異的な細胞溶解性T細胞の存在を判定する方法。
  19. 腫瘍壊死因子放出を測定することによって細胞溶解性T細胞の増殖を判定する、請求項18に記載の方法。
  20. 前記細胞からの放射能標識された物質の放出を測定することによって前記細胞の溶解を判定する、請求項18に記載の方法。
  21. 前記放射能標識された物質が51Crである、請求項20に記載の方法。
  22. 前記複合体を提示する前記細胞が、(i)HLA分子をコードする核酸分子、および(ii)請求項1の単離核酸分子、の少なくともいずれかによってトランスフェクトまたはトランスフォームされている、請求項18に記載の方法。
  23. 前記細胞が、(i)HLA分子をコードする核酸分子、および(ii)請求項1に記載の核酸分子、の両方によってトランスフェクトまたはトランスフォームされている、請求項18に記載の方法。
  24. 請求項1に記載の単離核酸分子によってコードされる、単離腫瘍拒絶抗原前駆体。
  25. 請求項3に記載の単離核酸分子によってコードされる、単離腫瘍拒絶抗原前駆体。
  26. 配列番号1のヌクレオチド18−34の配列を有するオリゴヌクレオチドおよび配列番号1のヌクレオチド200−217に対して相補的なヌクレオチド配列を有するオリゴヌクレオチドを含む、ポリメラーゼ連鎖反応を基礎とするアッセイにおいて有用なキット。
  27. サンプルにおけるMAGE−C1遺伝子の発現を判定するための方法であって、前記サンプルと、(i)配列番号1のヌクレオチド18−34からなる配列を有するオリゴヌクレオチドおよび(ii)配列番号1のヌクレオチド200−217に対して相補的な配列を有するオリゴヌクレオチド、とを(i)または(ii)の配列のMAGE−C1コード配列へのハイブリダイゼーションに好適な条件下で接触させる工程、ポリメラーゼ連鎖反応を行う工程、および、前記サンプルにおけるMAGE−C1コード配列の存在を判定するために発現産物を判定する工程、を有する、サンプルにおけるMAGE−C1遺伝子の発現を判定するための方法。
  28. その相補的配列がストリンジェントな条件下で配列番号18に示すヌクレオチド配列を有する核酸分子にハイブリダイズする、単離核酸分子であって、ただし、前記相補的配列がストリンジェントな条件下で配列番号8とはハイブリダイズしない、腫瘍拒絶抗原前駆体をコードする単離核酸分子。
  29. サンプルにおけるMAGE−C2遺伝子の発現を判定するための方法であって、前記サンプルと、(i)配列番号15に示す配列を有するオリゴヌクレオチドおよび(ii)配列番号16に示す配列を有するオリゴヌクレオチド、とを(i)または(ii)の配列のMAGE−C2コード配列へのハイブリダイゼーションに好適な条件下で接触させる工程、ポリメラーゼ連鎖反応を行う工程、および、前記サンプルにおけるMAGE−C2コード配列の存在を判定するために発現産物を判定する工程、を有する、サンプルにおけるMAGE−C2遺伝子の発現を判定するための方法。
  30. 請求項1に記載の単離核酸分子でトランスフェクトまたはトランスフォームされた、細胞系または細胞株。
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