JP3914950B2 - エンジン用熱式流量計 - Google Patents

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Description

本発明は、熱式の流量計に関し、特には回路基板がエンジンの吸気通路中に設置されるエンジン用熱式流量計に関する。
従来から、この種の封止構造としては、特開平6−11373号に示す熱式空気流量計のように、多くのエンジンルーム内の物理量検出装置や、制御装置の基本構造として採用されている。前記特開平6−11373号に示す熱式空気流量計を例にすると、これら物理量検出センサは高温,低温,湿度等過酷な環境条件下で使用されることを想定しており、発熱抵抗体及び感温抵抗体を保持するターミナルと熱伝導性の良いアルミニウムより成形されたベースを樹脂でインサート成形したベース部材に前記発熱抵抗体及び感温抵抗体の電気的信号を受け制御,外部に出力する駆動回路を前記ベースに接着し、更に前記駆動回路を覆う樹脂などより成るケース部材で覆い、更に上面をカバーで接着する、封止構造となっている。ここで、接着剤は前記駆動回路と前記ベースの接着には主にシリコーン接着剤が用いられ、前記ベースと前記ケースとの接着にもシリコーン接着剤が使用される場合が多い。更に前記ケースと前記カバーの接着にはエポキシ接着剤、あるいはシリコーン接着剤が用いられることが多い。
また、シリコーン接着剤に抗菌,防カビ性を有するシリコーン組成物としては特開平7−62242号にシリコーンゴム組成物に、銀イオンを0.1 〜15wt%含有するゼオライトを配合するシリコーン組成物が開示されている。
上記従来技術は、駆動回路を覆う金属ベースと樹脂より成るケースの接着にシリコーン接着剤にて接着し、駆動回路を気密封止する構造としていたが、シリコーン接着剤自体に気体を透過する物理特性を有しているがため、前記駆動回路を、前記ベースとケースをシリコーン接着剤で接着封止した場合、そこに腐食性ガス雰囲気が存在すると、前記シリコーン接着封止部より腐食性ガスは透過し、ケース内部に侵入してしまう。
過酷な環境下で使用されることを想定した車載電子機器の多くは、その電子駆動回路の構造は、アルミナ,ガラスセラミック等の無機物表面に電気的な配線とする導体と抵抗を形成する抵抗体を印刷,焼成し、更に表面にコンデンサやダイオード,半導体集積回路等を実装したハイブッリドIC基板が多く採用されているが、前記腐食性ガスが、前記シリコーン接着剤を透過し、前記ケースに達した際に、前記導体部材を形成する、銀、あるいは銀合金と化学反応を起こし硫化銀を形成し、やがて極端な場合には体が断線に至不安があった。
本発明の目的は、エンジンの吸気通路中のガスに含まれる硫黄あるいは硫黄化合物成分に対して、回路基板を腐食から保護し、信頼性の高いエンジン用の熱式流量計を提供することにある。
本発明は、金属製ベースと樹脂より成るケースの接着剤として、シリコーン接着剤が有する優れた粘弾性特性,機械的強度と伸びのバランス,優れた信頼性等の、前記シリコーン接着剤が有する利点を生かしたまま、封止剤として欠点であるガス透過性について、特に車載電子機器の駆動回路にとって、腐食を促進させる硫黄ガス、あるいは亜硫酸ガスや硫化水素ガス等の硫黄化合物ガス等、腐食性酸性ガスを透過することを防止、あるいは透過の遅延を促す効果を有するシリコーン接着剤を接着封止剤として使用することで、腐食性酸性ガスをケース内部に侵入することを防止することによる、駆動回路の導体材料の腐食を防止する効果により、信頼性の高い車載電子機器を提供することを目的とする。
上記目的は、エンジンの吸入空気の一部が通過する副通路と、前記副通路中に設けられた発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体の温度を制御する電子回路が形成された回路基板とを備え、複数の部品により構成された空間に前記回路基板が格納され、前記回路基板が前記エンジンの吸入空気が流れる通路中に設置されるエンジン用熱式流量計であって、外部から前記空間に通じる前記複数の部品の間を埋め、前記複数の部品を接着する接着剤と、前記接着剤に配合され、硫黄あるいは硫黄化合物をトラップあるいは吸着する配合材とを備えたことにより達成される。
本発明によれば、エンジンの吸気通路中のガスに含まれる硫黄あるいは硫黄化合物成分に対して、回路基板を腐食から保護し、信頼性の高いエンジン用の熱式流量計を提供することができる。

本発明の実施の形態を以下に説明し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものではないことは言うまでもない。
まず、図1に示す車載電子機器の代表的な断面構造及び、これら車載電子機器が晒される腐食環境を示した図2により、車載電子機器の構造及び使用環境と問題点を説明する。車載電子機器は大別するとセンサとコントールユニットの燃料制御装置、及びイグナイタやコイルの点火制御装置に分けられる。センサは吸入空気流量,空気温度,大気圧,ブースト圧等の物理量を検出し、コントロールユニットは、センサの信号を受け、シリンダ内での燃焼状態を制御する機能であり、イグナイタやコイルはシリンダ内部の点火時期を制御する機能を担っている。これら、車載電子機器の構造において共通することは、それぞれの電子駆動回路1、あるいは電子制御回路を有し、この電子駆動回路1、あるいは電子制御回路を設置する金属製のベース2に接着固定され、前記電子駆動回路1、あるいは電子制御回路を格納するケース3をベース2に接着固定4し、更に上面をカバー5で接着固定6構造が多い。前記した電子駆動回路1、あるいは電子制御回路はセラミック等の無機材により形成された平面基板7の表面に回路の導体8となる導体8配線と抵抗を印刷し焼成することにより形成し、表面にコンデンサ,ダイオード,半導体集積回路を実装した形態のハブリッドIC基板9が多くに採用され、ハイブリッドIC基板9からの放熱を促すため、ハイブリッドIC基板9はシリコーン接着剤で前記金属製ベース2に接着固定される。金属製ベース2は放熱のヒートシンクを担うため、熱伝導率の高い金属、特にアルミニウムが多く使用されている。ハイブリッドIC基板9を格納するケース3及び、上面を覆うカバー5は電子駆動回路1の入出力信号インターフェースとなるコネクタと一体となった形状でありケース3を形成する樹脂内部に電気的信号の伝達を司る導電性部材より成るターミナル11をセンサート成形する構造が多く採用されている。ここで、吸入空気温度,吸入空気流量,ブースト圧力等の物理量を検出するセンサは、外部あるいはケース開口部にセンシングエレメント10が設置される構造となり、電子駆動回路1とターミナル11を介して電気的に接続されている。ケース3は、ベース2に接着固定4され、カバー5もまたケース3に接着固定6される。ケース3及びカバー5を形成する樹脂部材としては、ポリブチレンテレフタレート(PBT),ポリフェニレンサルファイド(PPS),ナイロン6,ナイロン66,ナイロン11,ナイロン12等の射出成形性の優れた樹脂が多くの車載電子機器に採用されている。
ここで、前記したケース3とベース2は双方の線膨張係数が大きく異なるためシリコーン接着剤12のような粘弾性を有する弾性接着剤で接着封止4されることが多い。またケース3とカバー5は同一部材ならエポキシ接着剤、異なる部材ならシリコーン接着剤12で封止される例が多い。
以上説明した車載電子機器の多くには構造部品と部品の接合には接着が多くの構造場所で採用され、シリコーン接着剤12の使用が多いことが特徴である。
しかしながら、シリコーン接着剤12は、シリコーン樹脂特有の性質により不都合な面がある。車載電子機器が搭載される車両のエンジンルーム内部はエンジンからの燃焼ガスの吹き返しがあり、未燃焼ガスの戻しがあり、ハイドロカーボンの滞留する雰囲気13に晒される。またエンジンルーム内部はエンジン構成部品に多く配置されている硫黄を含むゴムダクト,ホース26等の製品らが群集した状態にあり、エンジン内部温度は一部の車載電子機器は100℃を超える状態にも達する。この状態にある際、ゴムダクトやホース26等の硫黄で加硫した製品群からは硫黄を含んだガス、あるいは硫黄化合物ガス14が湧出し、腐食環境に変遷し、場合によっては、前記した、燃焼ガスの吹き返し、未燃焼ガスの戻しガス、ハイドロカーボン13らと混在した複合ガス状態となり、これら腐食性ガスに対して抗力ある車載電子機器を製造しなければ、信頼性の低い製品となりうる可能性がある。それは、これら車載電子機器において多くの電子駆動回路1のセラミック基板7上に形成される導体配線8形成には銀、あるいは銀合金により形成されている場合が多く、ケース3内部が腐食性ガス、特に硫黄ガス,硫黄化合物ガス14が侵入した場合、導体配線8となる銀,銀合金配線部分は硫化腐食してしまい、電子駆動回路1の配線8が断線し、電子駆動回路1が動作しない状態となる得る可能性があるためである。
車載電子機器の多くに使用されているシリコーン接着剤12には、シリコーン樹脂特有の物理的性質があり、それはガス透過率が大きいことである。一般的に多くのポリ結合を有する工業高分子材料は、ガス透過性が低くガス遮蔽体と言える。ポリアミド(ナイロン等),飽和ポリエステル樹脂群(PBT,PET等)はガス透過性が小さく常識的に問題となるレベルではない。しかし、シリコーン樹脂はSi(シリコン) とO(酸素) が直鎖状に繋がるシロキサン結合によりポリマーが形成されており、このシロキサン結合(−Si−O−Si−)は分子間距離が大きいため柔軟であり、分子回転立体障害が小さく、かつ分子間力が小さいため、ガス透過性が大きいと言う物理的性質がある。従って、前述したように腐食ガスの環境下に晒された車載電子機器の封止部であるべきはず、シリコーン接着剤12による接着封止部4より、腐食性ガス14が透過し、ケース3内部に侵入し、終には電子駆動回路1表面に形成された銀、あるいは銀合金により形成された導体配線8が硫化腐食してしまう問題点がある。
本発明による車載電子機器の封止構造は、ガス透過性の高いシリコーン接着剤12について、腐食性ガスをシリコーン樹脂内部にトラップ、あるいは吸着してしまい、ケース3内部には腐食性ガスを透過させない構造を有するシリコーン接着剤により腐食性ガスを遮蔽出来うる封止構造として、あるいは腐食性ガスをシリコーン接着剤中で化学反応させることにより、シリコーン接着剤中にトラップさせ、腐食性ガスから電子駆動回路1を保護する機能を改善した車載電子機器の封止構造と提案するものである。
以下、本発明によるシリコーン接着剤の構造について説明する。
車載電子機器は多数に及び、ここで全てに渡り説明することは困難なので、車載電子機器を代表して、図3に示す吸入空気流量を測定する熱式流量計を代表例として構造、及び本発明の実施例を説明する。まず、空気流量計の説明を簡単に行う。図3,図4は熱式流量計の構造を示す断面構造図である。
熱式流量計は、近年急速に市場で普及している吸入空気を計測するセンサである。発熱抵抗体15及び感温抵抗体16を用いた熱式空気流量計17の発熱抵抗体15は、空気温度を計測する感温抵抗体16と常に一定の温度差に保たれるように定温度制御回路18により定温度制御され、常時加熱されている。発熱抵抗体15は空気流の中に設置されるため該空気流に放熱する発熱抵抗体15の表面部分が放熱面、つまり熱伝達面となる。この熱伝達で該空気流に奪われた熱量を電気的信号に変換し空気流量を計測するものである。その全体的な構成は吸入空気を導入しつつ、熱式流量計17を保持するボディ19において、全流量の一部が流入する副通路中20に発熱抵抗体15,感温抵抗体16,吸入空気温度測定センサ21が配置されている。これら抵抗体素子と定温度制御回路18はケース3に埋設された導電性部材によるターミナル11を介し電気的信号の伝達を行う構造となっている。具体的な構造を説明する。上記した熱式流量計17は、パワートランジスタ等のパワーデバイスの自己発熱を放散するためのベース2が構造上の基体となる。このベース2は熱伝導率の高い金属材料が多く用いられ、これにはアルミニウムの使用が多い。このベース2表面にセラミック基板7表面に導体配線8や抵抗を印刷で形成し、更に半導体集積回路,コンデンサ,ダイオード等を実装したハイブリッドIC基板9をシリコーン接着剤で接着する。更にハイブリッドIC基板9を格納する基体としてかつ、センサ信号を外部に伝達する、あるいは外部より回路駆動電源を供給するインターフェース部であるコネクタを同時に形成したケース3をベース2上にシリコーン接着剤12で接着封止4する。この状態において、センサの出力特性等の調整を行った後、ケース3内部にハイブリッドIC基板9の保護膜としてシリコーンゲル22を注入し、ケース3上面にカバー5で覆いシリコーン接着剤,エポキシ接着剤等で封止6した構造となっている。
ここで、前述したように、多くの部材と部材の接着に採用されているシリコーン接着剤12はガス透過性が高く、腐食環境下にある場合、接着封止部4より、ケース3内部に透過してしまい、ハイブリッドIC基板9の実装部品や、導体配線8を腐食に至らせる事態を防止するため、シリコーン接着剤に工夫を凝らし、腐食性ガスがシリコーン接着剤を透過しない、あるいはシリコーン接着剤で腐食性ガスをトラップ、あるいは吸着する機能を付与させることにより、耐腐食信頼性が高い、熱式流量計17を含む車載電子機器を製造出来うることを可能にする。
具体的には、シリコーン接着剤12等のシリコーン組成物にフィラー23として吸着剤24を配合することによる。通常のシリコーン接着剤12は図5に示すようにベースポリマーとなるジメチルポシロキサンポリマーあるいはメチルフェニルポリシロキサンポリマー27に補強剤としてフィラー23が10wt〜60wt%程度配合され、他に接着付与剤,安定剤等が配合されている組成物である。このフィラー23は二酸化珪素(シリカ)の微粉末で商品名アエロジルやフュームドシリカとして工業高分子のフィラー23して一般的に配合されている。各社はこの微粉末シリカの形状,サイズ,状態を変化させた物を用い樹脂の特性改善を行っている。本発明では図6に示すようにシリコーン樹脂に配合されるシリカフィラー23の代替えとして吸着剤24を配合するものである。あるいは、シリカフィラー23と吸着剤24と併用することを骨子としている。また、シリカフィラー23,吸着剤24、及び中和剤を持って併用しシリコーン樹脂に配合しても、外部の腐食環境に対し腐食性ガスの透過を防止する効果については、同様である。
ここで、使用される吸着剤24は一般的にコスト,腐食性ガスの吸着効果等を総合的に判断し、活性炭25が最も有効である。活性炭25は1000℃以上の高温度で焼成された不純物の少ない高純度活性炭や、1000℃以下の焼成温度で形成された、ある程度の不純物を含んだ活性炭、また、活性炭素材についてもヤシガラ,木炭,各種繊維植物群等多岐に渡るが、本発明で述べる活性炭25は、これら全てを対象としている。また、吸着剤24には活性炭25以外にも、酸化チタンのような光触媒、あるいは酸化亜鉛等の自己清浄性を有する金属や、ゼオライト,イオン交換性樹脂等の多岐,多様に渡る方策をも含めている。
特に活性炭25が有利なのは、対象とするガスに対し吸着効果の特異性を有していることである。例えば、図7に示す亜硫酸ガス(SO2 )に対し、吸着効果が高い活性炭,硫化水素(H2S )に対し吸着効果が高い活性炭等、対象とするガスが明確であれば、対象とするガスに対し吸着効果の高い活性炭25をシリコーン接着剤12に配合することにより、対象とする以外のガス体、例えば水蒸気,空気等の腐食性を持たないガスは活性炭
25がこれらガス分子を吸着しないため通過させてしまうが、硫黄系の腐食性ガス14である亜硫酸ガスや分子構造が良く似た硫化水素のみを吸着する機能を有し得た活性炭を配合すれば、腐食性ガスのみをトラップすることにより吸着効果の高い耐腐食信頼性の高い封止構造を実現できる。活性炭25はその表面が多孔質28であり、例えば亜硫酸ガスの分子形状と近似した形状の孔を多数、表面に形成された活性炭25は、近傍に亜硫酸ガスが接近すると、活性炭25表面に無数に存在するマイナスイオン29により吸着され、亜硫酸ガスの形状に近似した活性炭25表面の孔に吸着されてしまう。活性炭25の種類によっては、活性炭25表面の孔に吸着された、ガスは活性炭25の孔内に吸着された後、化学反応を発生し、別物質に変化させたり、中和させたりする活性炭25も開発されている。
自動車にエンジンルーム内、あるいは吸気系内部を考慮すると、そこに発生するガスは、H2S,SO2,SOx,CS2,S8等の硫黄系のガス14、NO,NO2,N2O 等のNOxガス13、HC等のハイドロカーボン、Cl2 等の塩素ガス等の腐食環境にあり、これら腐食性ガスが複雑に混合した複合混合ガスとなっており、これら腐食ガスの成分を基に、腐食ガスの成分に準じたガス成分を吸着する活性炭25を配合することにより、より腐食ガスの吸着効率を向上させることが可能となる。また吸着効果が異なる少なくとも2種類以上の活性炭25、あるいは中和剤をフィラー23として配合したシリコーン接着剤12で封止することにより、耐腐食信頼性を向上させた熱式空気流量計を提供出来うる効果がある。
当然ながら、元々シリコーン接着剤に配合されてあるフィラー23としてするシリカも多孔質であり、ある意味で吸着剤である。しかしながら、シリカは硫黄系の腐食ガス14の吸着にあまり効果はないと言われている。シリカは脂肪族炭化水素等のガスに対しては吸着剤として有効であることが確認されており、ゼオライトは芳香族炭化水素の吸着に有効であることが確認されていることにより、シリコーン接着剤のフィラー23としてのシリカは、アルコール,溶剤等のガス吸着には有効であり、活性炭25と併用することが望ましく、シリコーン接着封止剤としての機能を維持させることより、シリコーン接着剤
12に配合されるフィラー23としての活性炭25は5wt%以上配合されることが望ましい。
活性炭25をフィラー23として配合することの有利な点は再生を行うことができることにある。活性炭25は当然ながら吸着能力が飽和すると、吸着能力を失い、何等機能のないフィラー23となる。しかし、飽和した状態において、ある温度以上、あるいはある外的状態になると、吸着したガス分子を排出する作用を有しており、排出した後はまたリフレッシュし、吸着能力が復元するため、長い間、吸着剤として作用し続けることが可能となり、自動車のような長期間に渡り使用される製品にとっては信頼性を維持する上では有効である。特に熱式空気流量計17の場合、活性炭25より排出されたガス分子は、シリンダ内に吸気され燃焼するので、大気に及ぼす影響も少ない。
図8は図6に示した本発明の別の実施形態である。
本実施例では、シリコーン樹脂に配合するフィラー23として、シリカの他に銀の微粉末30をフィラーとして配合するものである。この方法は特に硫黄系の腐食性酸性ガス
14を対象とした場合に有効である。シリコーン接着剤表面に吸着し透過中の硫黄系腐食ガス14はシリコーン接着剤中に配合された銀の微粉末30と直接化学反応を起こし、硫化銀を形成し、シリコーン中に硫化物となりトラップされることにより、ハイブリッド
IC基板9が格納されているケース3内部には、硫黄系の腐食性ガス14が侵入しないメカニズムにより、耐腐食信頼性を向上させる接着封止構造である。
一般的にシリコーン樹脂に銀を配合した組成物は、既に市場に存在する。但し、それは銀が持つ殺菌性を生かした抗菌樹脂であったり、生体性樹脂であったり、建築用抗カビ性樹脂であったりする場合が多い。本発明では、銀が持つ硫黄系腐食ガスとの反応性が高い性質を有することに着眼し、本発明を考案したものである。
シリコーン接着剤中に配合される銀の微粉末30はそのサイズが大きいと、シリコーン接着剤本来の特性である、電気絶縁性,導電性等や電気的特性が変化してしまうことがあるので、銀は少なくとも10μm以下であることが望ましい。またその形状であるが、球形でも問題ないが、より大きい表面積を確保できる無定型バルク形状,フレーク,針状等が有効である。銀の濃度も重要である。銀の純度が高ければ高い程、微粉末表面は活性となりより腐食性ガスとの化学反応は活性となる。しかし、銀と他の金属、特に白金,パラジウム,イリジウム等の白金族元素との合金となった場合、腐食性酸性ガスに対する感受性が損なわれ硫化物を形成する化学反応は損なわれる。これは、銅,金等の他の遷移金属群との合金も同様である。従って、銀の純度は少なくとも80wt%以上とすることが望ましい。
近年、銀の表面に樹脂を配位させた微粉末や、ヒドロシリルアパタイト銀、表面に活性な基を形成した銀の微粉末も有効である。
以上に記載した、シリコーン接着剤に吸着剤24や銀の微粉末30を配合し、腐食性ガスをシリコーン接着剤中で吸着したりトラップすることで、ケース内部への透過を防止する構造であったのに対し、別の実施例としてケース3内部に格納されているハイブリッドIC基板9を保護する保護膜に本発明の骨子たる吸着剤24や、銀の微粉末30を配合したものである。多くの車載電子機器のハイブリッドIC基板9を覆う保護膜にはシリコーンゲル22が用いられているが、シリコーンゲル22も、シリコーン接着剤12も、基本的に前述したシロキサン結合によるポリマーの主鎖を形成する構造は同じで、違いは架橋点の数のみである場合が多い。従って、シリコーンゲル22に吸着剤24や銀の微粉末
30を配合しても、何等問題はなく使用できるものである。吸着剤24や銀の微粉末30については前述したので、ここでの説明は省くが、シリコーン接着剤12に配合された吸着剤24,銀の微粉末30フィラー及び、シリコーンゲル22に配合される吸着剤24フィラーを組み合わせることにより、より耐腐食信頼性の高い接着封止構造を提供できうる効果がある。
更には、吸着剤24フィラーはケース部材,カバー部材を形成する樹脂に配合しても同様な効果が期待でき、耐腐食信頼性の高い車載電子機器を提供できうる効果がある。
本発明の特徴を示す車載電子機器の断面構造図。 車載電子機器が措かれる環境の例。 熱式流量計の構造図。 熱式流量計の断面構造図。 一般的なシリコーン接着剤の構造図。 本発明によるシリコーン接着剤の構造の模式図。 活性炭の腐食性ガス吸着の模式図。 本発明によるシリコーン接着剤の構造の模式図。
符号の説明
1…電子駆動回路、2…ベース、3…ケース、4…ベースとケースの接着封止部、5…カバー、6…カバーとケースの接着封止部、7…セラミック基板、8…導体配線、9…ハイブリッドIC基板、10…センシングエレメント、11…ターミナル、12…シリコーン接着剤、13…燃焼ガス,未燃焼ガス,ハイドロカーボン等のNOx,HCの腐食性ガス、14…硫黄ガス,硫黄系化合物等の腐食性ガス、15…発熱抵抗体、16…感温抵抗体、17…熱式流量計、18…定温度制御回路、19…ボディ、20…副通路、21…吸気温度センサ、22…シリコーンゲル、23…フィラー、24…吸着剤、25…活性炭、26…ゴムダクト,ホース、27…シリコーン組成物のメインポリマー、28…多孔質、29…マイナスイオン、30…銀の微粉末。

Claims (10)

  1. エンジンの吸入空気の一部が通過する副通路と、
    前記副通路中に設けられた発熱抵抗体と、
    前記発熱抵抗体の温度を制御する電子回路が形成された回路基板とを備え、
    複数の部品により構成された空間に前記回路基板が格納され、前記回路基板が前記エンジンの吸入空気が流れる通路中に設置されるエンジン用熱式流量計であって、
    外部から前記空間に通じる前記複数の部品の間を埋め、前記複数の部品を接着する接着剤と、
    前記接着剤に配合され、硫黄あるいは硫黄化合物をトラップあるいは吸着する配合材とを備えたエンジン用熱式流量計。
  2. 請求項1において、
    前記回路基板は、コンデンサ,ダイオードおよび半導体集積回路を実装したハイブリットIC基板であるエンジン用熱式流量計。
  3. 請求項1または2において、
    前記配合材は、少なくとも銀または銀合金を含むことを特徴とするエンジン用熱式流量計。
  4. 請求項3において、
    前記銀または銀合金に含まれる銀の純度は80wt%以上であることを特徴とするエンジン用熱式流量計。
  5. 請求項1から4のいずれかにおいて、
    前記配合材は、少なくとも活性炭を含むことを特徴とするエンジン用熱式流量計。
  6. 請求項1から5のいずれかにおいて、
    前記接着剤は、シロキサン結合(−Si−O−Si−)を有することを特徴とするエンジンルーム内に設置されるエンジン用熱式流量計。
  7. 請求項1から6のいずれかにおいて、
    前記空間内にはゲルが注入されることを特徴とするエンジン用熱式流量計。
  8. 請求項1から7のいずれかにおいて、
    前記空間内で、前記配合材を配合した前記接着剤により前記回路基板を前記部品に接着したことを特徴とするエンジン用熱式流量計。
  9. 請求項1から8のいずれかにおいて、
    前記複数の部品は、金属部品と樹脂部品とを含み、
    前記空間内で、前記配合材を配合した前記接着剤により、前記回路基板を前記金属部品に接着したことを特徴とするエンジン用熱式流量計。
  10. 請求項1から9のいずれかにおいて、
    前記複数の部品は、金属部品と第1の樹脂部品と第2の樹脂部品とを含み、
    前記第1の樹脂部品と前記第2の樹脂部品とはエポキシ接着剤で接着され、
    前記金属部品と前記第1の樹脂部品とはシロキサン結合(−Si−O−Si−)を有する接着剤で接着され、
    前記シロキサン結合(−Si−O−Si−)を有する接着剤に前記配合材が配合されたことを特徴とするエンジン用熱式流量計。
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