JP2004251741A - 半導体圧力センサ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】より厳しい環境下にあっても、動作特性を確保することのできる半導体圧力センサ装置を提供する。
【解決手段】導電材料よりなる導体部としてのリード部材2と、圧力を検出してその検出値に応じたレベルの電気信号を発生する半導体よりなるセンサチップ3と、センサチップ3上のとリード部材2とを電気的に接続するボンディングワイヤ5と、電気的な絶縁性且つ柔軟性を有し、センサチップ3及びボンディングワイヤ5を被覆して保護する保護部材6とを備える半導体圧力センサ装置100において、保護部材6におけるセンサチップ3を被覆する部位の厚さtが、1mm以上である。
【選択図】 図1
【解決手段】導電材料よりなる導体部としてのリード部材2と、圧力を検出してその検出値に応じたレベルの電気信号を発生する半導体よりなるセンサチップ3と、センサチップ3上のとリード部材2とを電気的に接続するボンディングワイヤ5と、電気的な絶縁性且つ柔軟性を有し、センサチップ3及びボンディングワイヤ5を被覆して保護する保護部材6とを備える半導体圧力センサ装置100において、保護部材6におけるセンサチップ3を被覆する部位の厚さtが、1mm以上である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力を検出してその検出値に応じたレベルの電気信号を発生するセンサチップを樹脂パッケージにマウントし、該センサチップ及び電気的接続部を保護部材にて被覆保護してなる半導体圧力センサ装置に関し、例えば自動車におけるエンジン吸気圧測定用センサとして用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
この種の半導体圧力センサ装置は、一般に、導電材料よりなる導体部と、圧力を検出してその検出値に応じたレベルの電気信号を発生する半導体よりなるセンサチップと、センサチップと導体部とを電気的に接続するボンディングワイヤとを備える。
【0003】
さらに、センサチップ、ボンディングワイヤおよびこれらの接続部を、外部から電気的、機械的または化学的に保護するために、電気的な絶縁性且つ柔軟性を有する保護部材によって、センサチップ及びボンディングワイヤを被覆保護するようにしている。
【0004】
ここで、保護部材としては、従来より、電気絶縁性、耐熱衝撃性、耐振動性、耐熱・耐寒性に優れたゲル材料が用いられており、そのようなゲル材料としてはシリコーンゲル、フロロシリコーンゲル、フッ素ゲル等の材料が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−99737号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2001−153746号公報(第4−6頁)
【0007】
【特許文献3】
特開2002−107249号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記した半導体圧力センサ装置においては、ゲル等からなる保護部材を用いることによって、初期的には、センサチップの保護がなされている。
【0009】
しかしながら、本発明者らの検討によれば、より厳しい環境、例えばpHが1〜2の酸性水溶液蒸気の雰囲気中にさらされたり、当該酸性水溶液に浸漬された場合には、センサチップ上の金属薄膜(一般にはアルミ)が腐食してしまい、数100時間以上になるとセンサが動作しなくなることがわかった。
【0010】
このような環境は、半導体圧力センサ装置を、自動車の排気圧を測定する排気圧センサ等に適用した場合に、強い酸性水溶液である排気凝縮水によって実際に起こりうる環境である。
【0011】
本発明は上記問題に鑑み、より厳しい環境下にあっても、動作特性を確保することのできる半導体圧力センサ装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、鋭意検討した結果、従来では、強い酸性雰囲気中では保護部材であるゲル中を水分が拡散して、センサチップ上の金属薄膜を腐食させることが原因で、動作特性の劣化を引き起こすことがわかった。
【0013】
このセンサチップ上の金属薄膜は、ボンディングワイヤと結線される部分等に用いられるもので、この金属薄膜が腐食すると、センサ装置の電気特性等に悪影響が生じ、動作しなくなる可能性が大きい。
【0014】
本発明は、センサチップ上の金属薄膜腐食の原因が、ゲル中を水分が拡散して金属薄膜表面に到達することによるものであることに着目し、ゲル中の水分を薄膜表面まで拡散し、到達させないように、ゲルの厚みを制御し腐食を防ごうとするものである。
【0015】
すなわち、請求項1に記載の発明では、導電材料よりなる導体部(2)と、圧力を検出してその検出値に応じたレベルの電気信号を発生する半導体よりなるセンサチップ(3)と、センサチップと導体部とを電気的に接続するボンディングワイヤ(5)と、電気的な絶縁性且つ柔軟性を有し、センサチップ及びボンディングワイヤを被覆して保護する保護部材(6)とを備える半導体圧力センサ装置において、保護部材におけるセンサチップを被覆する部位の厚さ(t)が、1mm以上であることを特徴とする。
【0016】
本発明は、実験的に見出されたものであり、保護部材におけるセンサチップを被覆する部位の厚さ(t)を1mm以上にすることにより、保護部材の外面からセンサチップまでの厚さを十分確保でき、厳しい環境下にあっても水分等が保護部材を透過してセンサチップにまで到達するのを極力防止できる。
【0017】
そのため、センサチップ上に設けられている金属薄膜が腐食することは実質的に無くなる。このように、本発明によれば、より厳しい環境下にあっても、動作特性を確保することのできる半導体圧力センサ装置を提供することができる。
【0018】
ここで、請求項2に記載の発明のように、保護部材(6)におけるセンサチップ(3)を被覆する部位の厚さ(t)は、5mm以下であることが好ましい。これは、当該厚さが5mmよりも大きいと、保護部材が厚すぎて圧力センサとしての感度が低下するためである。
【0019】
また、請求項3に記載の発明のように、保護部材(6)としては、圧力センサに用いられるゲルの中でも、最も透湿性の低い(つまり、水分を最も通しにくい)フッ素ゲルを採用することが好ましい。
【0020】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る半導体圧力センサ装置100の要部概略断面図である。このセンサ100は、例えば、排気凝縮水、軽油等の薬品が含まれる厳しい酸性環境下にて使用される自動車のエンジン排気圧測定用圧力センサ装置に適用できる。
【0022】
ケース1は、例えばフィラーが充填されたエポキシ樹脂やPPS(ポリフェニレンサルファイド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)の樹脂等よりなる。このケース1には、銅などの導電材料よりなるリード部材(本発明でいう導体部に相当)2がインサート成形により一体的に設けられている。
【0023】
また、ケース1の内部には、圧力を検出してその検出値に応じたレベルの電気信号を発生する半導体よりなるセンサチップ3が、設けられている。本例のセンサチップ3は、ピエゾ抵抗効果を利用した周知構成のもので、拡散抵抗などを備えることによって、センサチップ3の厚さ方向に加わる応力に基づいて信号が出力されるようになっている。
【0024】
このセンサチップ3は、ケース1の底面にガラス台座4を介して例えばフロロシリコーン系の接着剤等によりダイボンディングされている。また、センサチップ3の上面には、金属薄膜3aが形成されている。この金属薄膜3aは、スパッタや蒸着等にて成膜されたAl(アルミ)膜が典型的なものであり、本例もAl膜としている。
【0025】
そして、このセンサチップ3の金属薄膜3aと、リード部材2とは、金やアルミ等のボンディングワイヤ5によって結線され、電気的に接続されている。
【0026】
また、ケース1内には、センサチップ3及びボンディングワイヤ5の保護、電気的な絶縁性の確保、並びに防食などを図るための絶縁材料製の保護部材6が、センサチップ3及びボンディングワイヤ5を埋めるように充填されている。
【0027】
この保護部材6により、センサチップ3、ボンディングワイヤ5、センサチップ3とボンディングワイヤ5との接続部、及び、リード部材2とボンディングワイヤ5との接続部が、被覆保護されている。
【0028】
このような保護部材6としては、電気絶縁性、柔軟性、耐熱衝撃性、耐振動性、耐熱・耐寒性に優れたフッ素ゲル、シリコーンゲル、フロロシリコーンゲル等のゲル材料が用いられる。本例では、圧力センサに用いられるゲルの中でも、最も透湿性の低いフッ素ゲルを採用している。
【0029】
このフッ素ゲルからなる保護部材6は、センサチップ3およびワイヤボンディングがなされたケース1の内部へ、流動状態で充填された後、熱硬化処理(例えば、約150℃で90分程度加熱する処理)を行うことで、ケース1内へ配設される。
【0030】
そして、このような半導体圧力センサ装置100においては、図1中の白抜き矢印Pに示すように、保護部材6の表面から圧力が印加され、この圧力は保護部材6を介してセンサチップ3に印加される。
【0031】
そして、センサチップ3からは印加圧力に応じたレベルの電気信号が発生し、この信号は、金属薄膜3aからボンディングワイヤ5、リード部材2を介して外部へ取り出される。こうして、圧力検出が可能となっている。
【0032】
ここで、本実施形態では、半導体圧力センサ装置100において、厳しい環境下にあっても水分等が保護部材6を透過してセンサチップ3にまで到達するのを極力防止する目的で、保護部材6におけるセンサチップ3を被覆する部位の厚さtを、1mm以上の大きさとしている。この厚さtは、厳密には図1に示すように、金属薄膜3a上の保護部材6の厚さである。
【0033】
このように、保護部材6における上記厚さtを1mm以上としたことは、次に述べるような、本発明者らが行った実験検討の結果を根拠とするものである。
【0034】
上記した本例の半導体圧力センサ装置100において、保護部材6の厚さtすなわちフッ素ゲルの厚さtを変えたものを作製し、これら作製されたサンプルを、pH1.5の酸性水溶液に浸漬し、そのときの浸漬時間と金属薄膜(Al膜)3aの腐食率との関係を調べた。その結果を図2に示す。なお、図2中、上記厚さtは「ゲル厚」として示してある。
【0035】
ここで、pH1.5の酸性水溶液は、実際の一般的なエンジンの排気凝縮水を用いた。また、金属薄膜3aの腐食率は、当該薄膜3aの全面積のうちの腐食している領域の面積の割合を面積率として百分率で示したものである。なお、腐食はゲル中の水分の拡散により支配されているため、浸漬する溶液のpHの変動による影響は小さい。
【0036】
図2からわかるように、保護部材6すなわちフッ素ゲルの厚みtが1000μm、2000μmの場合は、1200時間後も腐食率が0%であり、当該厚みtを1000μm以上(つまり1mm以上)にすれば、Alからなる金属薄膜3aの腐食を無くすことができる。このような実験結果から、本実施形態では、保護部材6におけるセンサチップ3を被覆する部位の厚さtを1mm以上にしている。
【0037】
そして、このようにすることにより、保護部材6の外面からセンサチップ3までの厚さを十分確保でき、厳しい環境下にあっても水分等が保護部材6を透過してセンサチップ3にまで到達するのを極力防止できる。
【0038】
そのため、センサチップ3上に設けられている金属薄膜3aが腐食することは実質的に無くなり、センサチップ3とボンディングワイヤ5との電気的な接続は高い信頼性をもって確保される。
【0039】
このように、本実施形態によれば、pH1〜2程度の厳しい環境下にあっても、動作特性を確保することのできる半導体圧力センサ装置100を提供することができる。
【0040】
ここで、保護部材6におけるセンサチップ3を被覆する部位の厚さtは、5mm以下であることが好ましい。これは、当該厚さtが5mmよりも大きいと、保護部材6が厚すぎて圧力センサとしての感度が低下するためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る半導体圧力センサ装置の要部概略断面図である。
【図2】保護部材の厚さtを変えた半導体圧力センサ装置について、pH1.5の酸性水溶液への浸漬時間と金属薄膜の腐食率との関係を調べた結果を示す図である。
【符号の説明】
2…導体部してのリード部材、3…センサチップ、
5…ボンディングワイヤ、6…保護部材、
t…保護部材におけるセンサチップを被覆する部位の厚さ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力を検出してその検出値に応じたレベルの電気信号を発生するセンサチップを樹脂パッケージにマウントし、該センサチップ及び電気的接続部を保護部材にて被覆保護してなる半導体圧力センサ装置に関し、例えば自動車におけるエンジン吸気圧測定用センサとして用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
この種の半導体圧力センサ装置は、一般に、導電材料よりなる導体部と、圧力を検出してその検出値に応じたレベルの電気信号を発生する半導体よりなるセンサチップと、センサチップと導体部とを電気的に接続するボンディングワイヤとを備える。
【0003】
さらに、センサチップ、ボンディングワイヤおよびこれらの接続部を、外部から電気的、機械的または化学的に保護するために、電気的な絶縁性且つ柔軟性を有する保護部材によって、センサチップ及びボンディングワイヤを被覆保護するようにしている。
【0004】
ここで、保護部材としては、従来より、電気絶縁性、耐熱衝撃性、耐振動性、耐熱・耐寒性に優れたゲル材料が用いられており、そのようなゲル材料としてはシリコーンゲル、フロロシリコーンゲル、フッ素ゲル等の材料が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−99737号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2001−153746号公報(第4−6頁)
【0007】
【特許文献3】
特開2002−107249号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記した半導体圧力センサ装置においては、ゲル等からなる保護部材を用いることによって、初期的には、センサチップの保護がなされている。
【0009】
しかしながら、本発明者らの検討によれば、より厳しい環境、例えばpHが1〜2の酸性水溶液蒸気の雰囲気中にさらされたり、当該酸性水溶液に浸漬された場合には、センサチップ上の金属薄膜(一般にはアルミ)が腐食してしまい、数100時間以上になるとセンサが動作しなくなることがわかった。
【0010】
このような環境は、半導体圧力センサ装置を、自動車の排気圧を測定する排気圧センサ等に適用した場合に、強い酸性水溶液である排気凝縮水によって実際に起こりうる環境である。
【0011】
本発明は上記問題に鑑み、より厳しい環境下にあっても、動作特性を確保することのできる半導体圧力センサ装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、鋭意検討した結果、従来では、強い酸性雰囲気中では保護部材であるゲル中を水分が拡散して、センサチップ上の金属薄膜を腐食させることが原因で、動作特性の劣化を引き起こすことがわかった。
【0013】
このセンサチップ上の金属薄膜は、ボンディングワイヤと結線される部分等に用いられるもので、この金属薄膜が腐食すると、センサ装置の電気特性等に悪影響が生じ、動作しなくなる可能性が大きい。
【0014】
本発明は、センサチップ上の金属薄膜腐食の原因が、ゲル中を水分が拡散して金属薄膜表面に到達することによるものであることに着目し、ゲル中の水分を薄膜表面まで拡散し、到達させないように、ゲルの厚みを制御し腐食を防ごうとするものである。
【0015】
すなわち、請求項1に記載の発明では、導電材料よりなる導体部(2)と、圧力を検出してその検出値に応じたレベルの電気信号を発生する半導体よりなるセンサチップ(3)と、センサチップと導体部とを電気的に接続するボンディングワイヤ(5)と、電気的な絶縁性且つ柔軟性を有し、センサチップ及びボンディングワイヤを被覆して保護する保護部材(6)とを備える半導体圧力センサ装置において、保護部材におけるセンサチップを被覆する部位の厚さ(t)が、1mm以上であることを特徴とする。
【0016】
本発明は、実験的に見出されたものであり、保護部材におけるセンサチップを被覆する部位の厚さ(t)を1mm以上にすることにより、保護部材の外面からセンサチップまでの厚さを十分確保でき、厳しい環境下にあっても水分等が保護部材を透過してセンサチップにまで到達するのを極力防止できる。
【0017】
そのため、センサチップ上に設けられている金属薄膜が腐食することは実質的に無くなる。このように、本発明によれば、より厳しい環境下にあっても、動作特性を確保することのできる半導体圧力センサ装置を提供することができる。
【0018】
ここで、請求項2に記載の発明のように、保護部材(6)におけるセンサチップ(3)を被覆する部位の厚さ(t)は、5mm以下であることが好ましい。これは、当該厚さが5mmよりも大きいと、保護部材が厚すぎて圧力センサとしての感度が低下するためである。
【0019】
また、請求項3に記載の発明のように、保護部材(6)としては、圧力センサに用いられるゲルの中でも、最も透湿性の低い(つまり、水分を最も通しにくい)フッ素ゲルを採用することが好ましい。
【0020】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る半導体圧力センサ装置100の要部概略断面図である。このセンサ100は、例えば、排気凝縮水、軽油等の薬品が含まれる厳しい酸性環境下にて使用される自動車のエンジン排気圧測定用圧力センサ装置に適用できる。
【0022】
ケース1は、例えばフィラーが充填されたエポキシ樹脂やPPS(ポリフェニレンサルファイド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)の樹脂等よりなる。このケース1には、銅などの導電材料よりなるリード部材(本発明でいう導体部に相当)2がインサート成形により一体的に設けられている。
【0023】
また、ケース1の内部には、圧力を検出してその検出値に応じたレベルの電気信号を発生する半導体よりなるセンサチップ3が、設けられている。本例のセンサチップ3は、ピエゾ抵抗効果を利用した周知構成のもので、拡散抵抗などを備えることによって、センサチップ3の厚さ方向に加わる応力に基づいて信号が出力されるようになっている。
【0024】
このセンサチップ3は、ケース1の底面にガラス台座4を介して例えばフロロシリコーン系の接着剤等によりダイボンディングされている。また、センサチップ3の上面には、金属薄膜3aが形成されている。この金属薄膜3aは、スパッタや蒸着等にて成膜されたAl(アルミ)膜が典型的なものであり、本例もAl膜としている。
【0025】
そして、このセンサチップ3の金属薄膜3aと、リード部材2とは、金やアルミ等のボンディングワイヤ5によって結線され、電気的に接続されている。
【0026】
また、ケース1内には、センサチップ3及びボンディングワイヤ5の保護、電気的な絶縁性の確保、並びに防食などを図るための絶縁材料製の保護部材6が、センサチップ3及びボンディングワイヤ5を埋めるように充填されている。
【0027】
この保護部材6により、センサチップ3、ボンディングワイヤ5、センサチップ3とボンディングワイヤ5との接続部、及び、リード部材2とボンディングワイヤ5との接続部が、被覆保護されている。
【0028】
このような保護部材6としては、電気絶縁性、柔軟性、耐熱衝撃性、耐振動性、耐熱・耐寒性に優れたフッ素ゲル、シリコーンゲル、フロロシリコーンゲル等のゲル材料が用いられる。本例では、圧力センサに用いられるゲルの中でも、最も透湿性の低いフッ素ゲルを採用している。
【0029】
このフッ素ゲルからなる保護部材6は、センサチップ3およびワイヤボンディングがなされたケース1の内部へ、流動状態で充填された後、熱硬化処理(例えば、約150℃で90分程度加熱する処理)を行うことで、ケース1内へ配設される。
【0030】
そして、このような半導体圧力センサ装置100においては、図1中の白抜き矢印Pに示すように、保護部材6の表面から圧力が印加され、この圧力は保護部材6を介してセンサチップ3に印加される。
【0031】
そして、センサチップ3からは印加圧力に応じたレベルの電気信号が発生し、この信号は、金属薄膜3aからボンディングワイヤ5、リード部材2を介して外部へ取り出される。こうして、圧力検出が可能となっている。
【0032】
ここで、本実施形態では、半導体圧力センサ装置100において、厳しい環境下にあっても水分等が保護部材6を透過してセンサチップ3にまで到達するのを極力防止する目的で、保護部材6におけるセンサチップ3を被覆する部位の厚さtを、1mm以上の大きさとしている。この厚さtは、厳密には図1に示すように、金属薄膜3a上の保護部材6の厚さである。
【0033】
このように、保護部材6における上記厚さtを1mm以上としたことは、次に述べるような、本発明者らが行った実験検討の結果を根拠とするものである。
【0034】
上記した本例の半導体圧力センサ装置100において、保護部材6の厚さtすなわちフッ素ゲルの厚さtを変えたものを作製し、これら作製されたサンプルを、pH1.5の酸性水溶液に浸漬し、そのときの浸漬時間と金属薄膜(Al膜)3aの腐食率との関係を調べた。その結果を図2に示す。なお、図2中、上記厚さtは「ゲル厚」として示してある。
【0035】
ここで、pH1.5の酸性水溶液は、実際の一般的なエンジンの排気凝縮水を用いた。また、金属薄膜3aの腐食率は、当該薄膜3aの全面積のうちの腐食している領域の面積の割合を面積率として百分率で示したものである。なお、腐食はゲル中の水分の拡散により支配されているため、浸漬する溶液のpHの変動による影響は小さい。
【0036】
図2からわかるように、保護部材6すなわちフッ素ゲルの厚みtが1000μm、2000μmの場合は、1200時間後も腐食率が0%であり、当該厚みtを1000μm以上(つまり1mm以上)にすれば、Alからなる金属薄膜3aの腐食を無くすことができる。このような実験結果から、本実施形態では、保護部材6におけるセンサチップ3を被覆する部位の厚さtを1mm以上にしている。
【0037】
そして、このようにすることにより、保護部材6の外面からセンサチップ3までの厚さを十分確保でき、厳しい環境下にあっても水分等が保護部材6を透過してセンサチップ3にまで到達するのを極力防止できる。
【0038】
そのため、センサチップ3上に設けられている金属薄膜3aが腐食することは実質的に無くなり、センサチップ3とボンディングワイヤ5との電気的な接続は高い信頼性をもって確保される。
【0039】
このように、本実施形態によれば、pH1〜2程度の厳しい環境下にあっても、動作特性を確保することのできる半導体圧力センサ装置100を提供することができる。
【0040】
ここで、保護部材6におけるセンサチップ3を被覆する部位の厚さtは、5mm以下であることが好ましい。これは、当該厚さtが5mmよりも大きいと、保護部材6が厚すぎて圧力センサとしての感度が低下するためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る半導体圧力センサ装置の要部概略断面図である。
【図2】保護部材の厚さtを変えた半導体圧力センサ装置について、pH1.5の酸性水溶液への浸漬時間と金属薄膜の腐食率との関係を調べた結果を示す図である。
【符号の説明】
2…導体部してのリード部材、3…センサチップ、
5…ボンディングワイヤ、6…保護部材、
t…保護部材におけるセンサチップを被覆する部位の厚さ。
Claims (3)
- 導電材料よりなる導体部(2)と、
圧力を検出してその検出値に応じたレベルの電気信号を発生する半導体よりなるセンサチップ(3)と、
前記センサチップと前記導体部とを電気的に接続するボンディングワイヤ(5)と、
電気的な絶縁性且つ柔軟性を有し、前記センサチップ及び前記ボンディングワイヤを被覆して保護する保護部材(6)とを備える半導体圧力センサ装置において、
前記保護部材における前記センサチップを被覆する部位の厚さ(t)が、1mm以上であることを特徴とする半導体圧力センサ装置。 - 前記保護部材(6)における前記センサチップ(3)を被覆する部位の厚さ(t)は、5mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の半導体圧力センサ装置。
- 前記保護部材(6)は、フッ素ゲルであることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体圧力センサ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003042062A JP2004251741A (ja) | 2003-02-20 | 2003-02-20 | 半導体圧力センサ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003042062A JP2004251741A (ja) | 2003-02-20 | 2003-02-20 | 半導体圧力センサ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004251741A true JP2004251741A (ja) | 2004-09-09 |
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ID=33025441
Family Applications (1)
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WO2014084033A1 (ja) | 2012-11-30 | 2014-06-05 | 富士電機株式会社 | 圧力センサ装置および圧力センサ装置の製造方法 |
-
2003
- 2003-02-20 JP JP2003042062A patent/JP2004251741A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2014084033A1 (ja) | 2012-11-30 | 2014-06-05 | 富士電機株式会社 | 圧力センサ装置および圧力センサ装置の製造方法 |
US10330552B2 (en) | 2012-11-30 | 2019-06-25 | Fuji Electric Co., Ltd. | Pressure sensor device including-fluorinated gel protective member disposed on a protective film |
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