JP3914369B2 - 車両減速誘導システム - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、自動料金収受システム(以下ETCという)ゲート手前にて、ETC標示手段と減速誘導手段の併用により、相乗効果的に運転者に対してETCゲートの認識と、それに対する安全な減速、誘導を喚起させる車両減速誘導システムに関するものである。
【発明の属する技術分野】
【0002】
【従来の技術】
ETCとは、Electronic Toll Collection Systemの頭文字をとったもので、自動料金収受システムを表している。車両に取り付けられた車載器と、路側アンテナに接続したコンピューターシステムとの情報交換により、自動的に料金を徴収するシステムを総称している。
【0003】
ETCは、有料道路の料金所に設置することが既に実用化段階に入ってきており、2002年度末迄には全国約900ヶ所の有料道路料金所に設置されることが予定されている。
【0004】
一般に、有料道路の渋滞の発生場所は、料金所付近が3割を占め、渋滞の最大要因となっている。ETCを導入することで、従来の人員による料金収受と比較して効率を3〜4倍に高めることが可能となり、料金所付近での渋滞の緩和に大いに寄与されることが期待されている。
【0005】
路側アンテナは、一般にETCゲートと呼ばれる門状の構造物の上部下側に取り付けられ、車両がその下を通過することで料金収受に関する情報交換が行われる。その情報交換は電波によって一瞬のうちに行われるため、従来の料金所のように料金収受の際に一旦停止する必要はない。但し、現時点でETCは一般にそれほど浸透しておらず、運転者は従来の有料道路等の料金所における停車しての料金収受に慣れているものの、ETCのように停車せずにゲートを通過せんとするシステムには不慣れである。
【0006】
試験的にではあるが、既にETCが設置されている場所で、ETCゲートの手前にETCの存在を示す標示は設けられているものの、特に減速を促す設備は設けられていない。
【0007】
運転者に十分な減速を喚起させる方法として、走行路面上に突起物等を設置し、車両に不安定な振動を与え減速を喚起させる方法があるが、従来の方法では、運転者への事前の認識をさせる手段を講じておらず、運転者が突起物等の存在に気づかないまま突起物等に乗り上げ、車両の挙動を乱す恐れがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
運転者がETCに不慣れで、ETCゲートに十分な減速されないまま車両を進入させると、同車線の前方車両が料金収受の際のトラブル等、何らかの理由で緊急停車した場合、停止しきれずに追突事故が起こる可能性がある。
【0009】
運転者に十分な減速を喚起させる方法として、車線路面上に突起物等を設置し、車両に不安定な振動を与え減速を喚起させる方法があるが、運転者に事前の認識なく減速させようとするため、運転者が突起物等の存在に気づかないまま突起物等に乗り上げ車両の挙動を乱す。そのような状況になったとき、車線よりはみ出して周囲の設備や、周辺を走行する車に接触する可能性がある。
【0010】
車線路面上に突起物等を設置する方法は、目立ちやすくする手段を講じている場合もあるが、突起物等自体が小さいと道路面に対して占める面積割合が小さくなり、突起物等の十分な認知に繋がらない。
【0011】
そこで、前記のような問題点を解決し、ETCゲートに進入する車両に対し、ETCゲートの認識とそれに対する安全な減速、誘導を喚起することで、ETCゲート付近での追突事故、接触事故等を防止する車両減速誘導システムを提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、ETCゲート手前にて、ETCゲートの存在を示すETC標示手段と、ETCゲートに進入する車両に減速、誘導を喚起する減速誘導手段とを有し、前記減速誘導手段は車両の幅を規制して進路への誘導を喚起する車両幅規制手段と、車両進行方向に対して交差する方向に延びるハンプであって車両が通過するときに運転者に不安定な振動を与えて減速を喚起する路面標示とからなり、前記ETC標示手段と減速誘導手段とにより相乗効果的に運転者へETCゲートの認識と、ゲート進入の際の減速、誘導を喚起させる車両減速誘導システムであって、前記車両幅規制手段は間隔をおいて連続して複数設けられた柱状標識体であることを特徴とするものである。
【0013】
本発明による車両減速誘導システムは、ETCゲート手前にて、ETC標示手段と、減速誘導手段とを併用し、相乗効果的に運転者へETCゲートの認識と、進入の際の減速、誘導を喚起させる。このシステムを設けることにより、運転者にETCゲートの存在を認識させ、ETCゲートへ進入する車両を十分減速させつつ誘導することで、車線内での車同士の追突、施設への接触、突起物への乗上げの際の車線外はみ出し及びそれに伴う接触事故を防止することができる。
【0014】
ETC標示手段は、ETCの文字が運転者から認識できる状態にあれば、特に標示の形式、標示自体の大きさ等を限定するものではないが、運転者から認識しやすく、車両の接触等により破損する恐れの少ない状態にある必要がある。また、標示位置も特に限定するものではないが、望ましくは減速誘導手段の手前がよい。標示には、例えば路面標示用塗料等から形成され、路面に描出されたETCの文字、路上に設けられる標識板等によるETCの標示の内、少なくとも1つを用いるのがよい。
【0015】
また、減速誘導手段は、ETCゲート手前の車線上に、路面標示用塗料、立体標示シート、ハンプ等から形成され、車両進行方向に連続又は間隔をおいて連続して複数設けられた路面標示とすることができる。かかる路面標示は車両に不安定な振動や立体模様による錯覚等、物理的、視覚的に運転者に減速、誘導に対する意識を与え、減速、誘導を喚起する。またこの路面標示を車線両側縁至近まで延長させることにより路面に対する占有面積が大きくなり、突起物である場合でも認識が容易となり、より安全な減速に繋がる。
【0016】
減速誘導手段の路面標示には、路面に設けることができるものあれば特に限定されるものではないが、車両のタイヤを傷つけるような鋭利な突起を持つもの、または車両の乗り上げ等により剥離、損傷を起こしやすいもの、路面からの高さが大き過ぎるものや急激な立ち上がり角をもつものは好ましくない。例えば、路面標示用塗料、立体標示シート、道路鋲、自発光体、ハンプ等のうち、少なくとも1つを用いて形成するのがよい。
【0017】
また、減速誘導手段は、路面標示用塗料、立体標示シート等から形成されて、車線両側縁に連続して描出された車線幅規制手段や、道路鋲、自発光体、ハンプ、柱状標識体又はブロック体等から形成された、車両進行方向に連続又は間隔をおいて連続して複数設けられた車線幅規制手段を用いてもよい。かように車線幅規制手段により車道の幅を規制することで運転者の幅に対する意識に作用して減速、誘導を喚起させることができる。
【0018】
減速誘導手段の、車線幅規制手段は、車両進行方向の車線両側縁に間隔をおいて連続して複数設けられる柱状標識体である
【0019】
減速誘導手段に用いる路面標示用塗料、立体標示シート等には、ガラスビーズ等の混入し、再帰反射性を具備させてもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の一形態について図面に基づき具体的に説明する。
図1、2は本発明による実施の一形態であって、運転者にETCゲートの認識、減速、誘導を喚起させる路面の状態を示す説明図である。
【0021】
図1において、1がETCゲートであり、2はETC標示手段として路面標示用塗料により路面に形成されたETCの文字、3は減速誘導手段であって、車線幅規制手段31と路面標示32とからなる。具体的には、車線幅規制手段31は路面標示用塗料から形成されたラインであり、路面標示32は車両進行方向に対し交差する方向に延びるハンプである。路面に形成されたETCの文字からなるETC標示手段2がETCゲート1の存在を事前に運転者に認識させ、車線幅規制手段31であるラインが進路への誘導を喚起し、路面標示32であるハンプが、車両が通過するときに運転者に不安定な振動を与え、減速を喚起する。また、路面標示32であるハンプは車線両側縁至近までの延長をもつことで、運転者からの視認を容易にしている。
【0022】
図2においては、1がETCゲートであり、2はETC標示手段として路面に立設されたETCの存在を示す標識板、3は減速誘導手段が設けられている。この形態における減速誘導手段3は、車線幅規制手段31として車線両側縁に設けられた柱状標識体と、車両進行方向に対し交差する方向に延びるハンプからなる路面標示32aと、路面に貼り付けられた立体標示シートからなる路面標示32bである。ETC標示手段2であるETC標識板がETCゲート1の存在を運転者に認識させ、車線幅規制手段31である柱状標識体が進路への誘導を喚起し、路面標示32aであるハンプが、車両が通過するときに運転者に不安定な振動を与え、又路面標示32bである立体標示シートが、平面ではあるが目の錯覚を利用して立体的に盛り上がって視認させ、障害物に見えることから減速を喚起する。また、路面標示32aであるハンプと路面標示32bである立体標示シートは、車線両側縁至近までの延長をもつことで、運転者からの視認を容易にしている。
【0023】
【発明の効果】
本発明による車両減速誘導システムは、ETCゲート手前にて、ETC標示手段と、減速誘導手段とを併用し、相乗効果的に運転者へETCゲートの認識と、進入の際の減速、誘導を喚起させる。このシステムを設けることにより、運転者にETCゲートの存在を認識させ、ETCゲートへ進入する車両を十分減速させつつ誘導することで、車線内での車同士の追突、施設への接触、突起物への乗上げの際の車線外はみ出し及びそれに伴う接触事故を防止することができる。
【0024】
適用する場所としては、ETCゲート手前であれば特に限定されるものではないが、例えば、有料道路の出入口、駐車場出入口、ガソリンスタンド、商業設備への出入口等があげられる。
【0025】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施の一形態を示す説明図である。
【図2】本発明による実施の他の一形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ETCゲート
2 ETC標示手段
3 減速誘導手段
31 減速誘導手段としての車線幅規制手段
32 減速誘導手段としての路面標示
32a減速誘導手段としての路面標示
32b減速誘導手段としての路面標示

Claims (3)

  1. 自動料金収受システム(以下ETCという)ゲート手前にて、ETCゲートの存在を示すETC標示手段と、ETCゲートに進入する車両に減速、誘導を喚起する減速誘導手段とを有し、前記減速誘導手段は車両の幅を規制して進路への誘導を喚起する車両幅規制手段と、車両進行方向に対して交差する方向に延びるハンプであって車両が通過するときに運転者に不安定な振動を与えて減速を喚起する路面標示とからなり、前記ETC標示手段と減速誘導手段とにより相乗効果的に運転者へETCゲートの認識と、ゲート進入の際の減速、誘導を喚起させる車両減速誘導システムであって、前記車両幅規制手段は間隔をおいて連続して複数設けられた柱状標識体であることを特徴とする車両減速誘導システム。
  2. ETC標示手段は、路面標示用塗料等から形成されて路面に描出されるETCの文字や、路面上に設けられた標識板等のETCの標示であることを特徴とする請求項1に記載の車両減速誘導システム。
  3. 路面標示が、車線両側縁至近まで設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両減速誘導システム。
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