JP3914070B2 - ジューサの遠心分離装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、澄んだジュースと繊維入りのジュースを作ることが可能なジューサの遠心分離装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、野菜及び果物等のジュース用の材料(以下、材料という)をジューサにより摺り下ろしてジュースを生成する場合、摺り下ろしたときに発生する液体成分のみを収集して澄んだジュースを生成するほかに、材料の繊維(果肉も含む)を含んだ繊維入りのジュースを生成可能にしたジューサの遠心分離装置が提案されている(特公昭57−11209号公報参照)。
【0003】
図17は上記ジューサの遠心分離装置の要部を示している。
【0004】
同図において、逆円錐状の遠心分離カゴ1を構成するフィルタ2は、多数の小孔3を有していて、フィルタ2の基部はホルダ4に取り付けられている。このホルダ4は、モータ5により一方向へ回転駆動される駆動体6に着脱自在、且つ、一体的に回転可能に装着されている。
【0005】
即ち、駆動体6の外周に設けられた複数の菱形の突起7に駆動体6の内周面に形成された係合部8を上方から係合させることにより、遠心分離カゴ1は駆動体6に対して着脱自在に、且つ、駆動体6と相対回転不能に駆動体6に装着されている。上記ホルダ4上に取り付けられたカッタ台9にはカッタ10がビス止めされている。
【0006】
上記フィルタ2の下部には、生成されるジューサに繊維が含まれるようにフィルタ2内から繊維を排出するための複数の排出孔11が形成されている。また、上記カッタ台9の上部外周には、上記排出孔11と内側で対向している複数の開閉壁12が一体的に形成されている。
【0007】
上記カッタ台9の外周には下方に向いている脚部13が形成されている。また、ホルダ4の内側には図17(b)に示すように一対の切欠14(他方は図示せず)が形成されており、この切欠14に上記脚部13を選択的に係合させることで排出孔11を閉塞する開閉壁12が閉塞位置と開放位置とに位置決め保持されている。
【0008】
上記脚部13を図示しない他方の切欠14に挿入した場合には、開閉壁12はフィルタ2の隣設する排出孔11間に位置するようになっていて、フィルタ2の排出孔11は開放される状態となる。このように、切欠14及び脚部13により開閉壁12を閉塞位置と開放位置とに切り換える位置決め機構が構成されている。また、図示しない本体上に装着されているカバー17には、材料18が投入される投入筒19が一体的に設けられている。
【0009】
遠心分離カゴ1が回転させられている状態で、材料投入筒17内に投入されている材料18を押し棒により押し込むと、材料18はカッタ10により摺り下ろされて摺り下ろし物となる。この摺り下ろし物が回転する遠心分離カゴ1の遠心力によりフィルタ2を滑り上がることにより、液体成分としてのジュースは小孔3を通過して図示しないジュース受けに排出される。また、小孔3を通過しないカスは遠心分離カゴ1の上部から図示しないカス受け皿に収納される。
【0010】
ここで、カッタ台9の開閉壁12が、排出孔11に対向するように脚部13の位置が設定されているときには、摺り下ろし物に含まれている繊維が排出孔11から排出されないので、澄んだジュースが得られる。そして、開閉壁12が排出孔11を開放するように脚部13の位置が設定されているときには、排出孔11から繊維が排出されることにより繊維入りのジュースが得られる。
【0011】
このように、カッタ台9の脚部13を複数の切欠14の一つに選択的に設定することで、通常のジューサとして求められる機能である澄んだジュースの作成ばかりでなく繊維入りのジュースの作成という付加価値が得られるようになっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来装置においては、ホルダ4及び矢印15方向に回転するホルダ4の回転駆動力の伝達は、切欠14と脚部13とによって行われている。
【0013】
このため、開閉壁12の位置の選択的な切り換えの反復等により、脚部13及び切欠14の角部が摩耗して開閉壁12の閉塞位置への設定が確実に行われなくなることも考えられる。即ち、位置決め機構の摩耗により開閉壁12が排出孔11を確実に閉塞できないときには、ジュースの生成時に排出孔11から繊維が排出されることとなって、ジューサとして求められている澄んだジュースの作成という機能が得られないという問題がある。
【0014】
また、ホルダ4及びカッタ台9は合成樹脂を材料として型整形されることが多く、壁部13aと段部14aとの摩耗は比較的に早く生じる恐れがあるため、澄んだジュースを得にくくなる問題がある。
【0015】
本発明は、澄んだジュースと繊維入りのジュースとを選択的に生成するために、遠心分離カゴに位置決め係止される調整リングが係止不良になった場合であっても、澄んだジュースを生成可能にしたジューサの遠心分離装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述事情に鑑みてなされたものであって、本発明に係わるジューサの遠心分離装置は、材料のジュースを透過するフィルタ部を周面に有し且つ前記材料の繊維を通過させる所定の大きさの排出孔を前記フィルタ部に設けた遠心分離カゴと、前記排出孔を閉塞するための閉塞部を有すると共に前記遠心分離カゴに回動可能に嵌合された調整リングと、前記閉塞部が前記排出孔を閉塞する閉塞位置で前記調整リングを前記遠心分離カゴに位置決め係止させる第1の位置決め係止手段と、前記排出孔が前記排出孔を開放する開放位置で前記調整リングを前記遠心分離カゴに位置決め係止する第2の位置決め係止手段と、を備えている。
【0017】
そして 前記第1の位置決め係止手段は前記調整リングが閉塞位置に位置している状態から前記遠心分離カゴに対して前記遠心分離カゴの回転方向と反対側に更に回動移動するのを阻止する移動阻止部を有すると共に、前記第2の位置決め係止手段による前記調整リングの前記遠心分離カゴに対する位置決めが係止不良になった場合には、前記閉塞部が前記排出孔を閉塞する閉塞位置に前記調整リングが前記遠心分離カゴに対して相対的に回動移動することを特徴としている。
【0018】
従って、調整リングが第1の位置決め係止手段により遠心分離カゴに位置決め係止されている場合には、遠心分離カゴの排出孔は調整リングの閉塞部により閉塞されていて、摺り下ろし物からは澄んだジュースが得られる。また、調整リングが第2の位置決め係止手段により遠心分離カゴに位置決め係止されている場合には、閉塞部が遠心分離カゴの排出孔を開放するので、摺り下ろし物からは排出孔から排出された繊維を含んだ繊維入りのジュースが得られる。
【0019】
そして、調整リングを開放位置に位置決め係止している第2の位置決め係止手段が係止不良になった場合には、遠心分離カゴの回転時において調整リングが遠心分離カゴと一体回転できないために、調整リングは遠心分離カゴに対して遠心分離カゴに対して遠心分離カゴの回転方向と反対側に相対的に回動移動する。
【0020】
すなわち、調整リングは開放位置から閉塞位置に回動移動されて第1の位置決め係止手段により遠心分離カゴに係止されると共に、この係止状態からの更なる回動移動は移動阻止部により阻止されている。
【0021】
この結果、調整リングの閉塞部により遠心分離カゴの排出孔が確実に閉塞されることになって、調整リングの位置決め係止手段が不良になった場合あっても、澄んだジュースを確実に得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1及び図2において、本発明に係わる遠心分離装置が組み込まれたジューサ20は、駆動源としての電動モータ21が内蔵された本体22を備えている。この本体22には、上端が開放されている筒状のジュース受け部23を内側に形成し、このジュース受け部23の外側にかすケース24を形成した分離ケース25が着脱自在に装着されている。
【0024】
上記ジュース受け部23内には、ジュース用の材料M(図2参照)を摺り下ろしてジュース33とカス33aとに分離するための遠心分離装置26が着脱可能に配置されている。この遠心分離装置26の上方には、上記分離ケース25を覆うと共に本体22に着脱自在の蓋27が取り付けられている。
【0025】
上記蓋27には、材料Mを遠心分離装置26内に投入するための投入筒28が一体的に形成されている。この投入筒28には、キャップ29を上部に有していて材料Mを投入筒28の下方に押し込むための押し棒であるピストン30が挿脱自在に挿入されている。
【0026】
本体22の下部に設けられた載置台31上には、ジュース受け部23に形成された流出口32からのジュース33を受けるジュースケース34が載置されている。このジュースケース34にはジュースケース蓋35が取り外し可能に装着されている。ジュースケース蓋35には、開口36が形成されており、上記流出口32からのジュース33は上記開口36を介してジュースケース34内に溜まるようになっている。
【0027】
図1に示す上記電動モータ21の出力軸37には、カップリング38が固定されている。遠心分離装置26は、カップリング38と後述するカップリング54(図7参照)との結合により、遠心分離装置26を上方から見て反時計方向(図4において矢印A方向)に回転するようになっている。
【0028】
図3に示すように遠心分離装置26は、下端から上方に向けて径を漸増している逆円錐状の遠心分離カゴ39と、この遠心分離カゴ39の下部の外側に回転可能に嵌合されている環状で合成樹脂製の調整リング40と、この調整リング40を遠心分離カゴ39の下部に保持する環状のホルダ41とを備えている。
【0029】
上記遠心分離カゴ39は、樹脂製の環状保持枠42と、この環状保持枠42に下部が保持されていると共に上方に位置するほど径が大きくなっている筒状のフィルタ部材43と、このフィルタ部材43の上縁部を保持する合成樹脂製の環状補強枠44とを備えている。
【0030】
上記フィルタ部材43は複数のフィルタ部46を有しており、このフィルタ部46には液体成分(澄んだジュース)のみが透過する多数の小孔45が形成されている。上記複数のフィルタ部46は、フィルタ部材43の円周方向に沿って配置されている。
【0031】
また、フィルタ部材43の下部である環状保持枠42の近傍には、フィルタ部46を除く領域に、小孔45よりも大きい第1の排出孔47aと、この第1の排出孔47aよりも小さく且つ小孔45よりも大きい第2の排出孔47bとがそれぞれ対をなして対向する位置に形成されている。
【0032】
各排出孔47a,47bは、図4に示すように配置されている。すなわち、一対のフィルタ部材43の接合部48を結ぶ直線49と直交する直線50上に第1の排出孔47aが対向して配置されている。両第1の排出孔47aの両側であって45°の角度をなす位置にそれぞれ一対の第2の排出孔47bが対向して配置されている。また、環状保持枠42上には遠心分離カゴ39の内側に配置されたカッタ42aが固定されている。
【0033】
図5は遠心分離カゴ39の底面図を示している。同図において、環状保持枠42の外周面には、直線49上の位置に一対の突起部51がそれぞれ形成されている。各突起部51は図3に示すように上下方向に延びて形成されている。この突起部51は、後述する位置決め機構の構成要素として機能している。
【0034】
図3及び図6において、調整リング40の上面には、遠心分離カゴ39の各排出孔47a,47bを開閉するための閉塞部となる第1の閉塞部としての突起52a,第2の閉塞部としての突起52b,第3の閉塞部としての突起52cがそれぞれ突設されている。この突起52a,52b,52cは、図6に示すようにそれぞれ配置されている。
【0035】
一対の突起52aは一対の第1の排出孔47aを開閉するものであり、2組の一対の突起52bは2組の一対の第2の排出孔47bをそれぞれ開閉するものである。また、突起52aに隣設した下流側位置に一対の突起52cが設けられている。
【0036】
上記突起52cは、第1の排出孔47aを開閉するものであって、突起52a及び突起52bが対応する第1の排出孔47a及び第2の排出孔47bをそれぞれ開放した状態のもとで第1の排出孔47aを閉塞可能になっている。この状態では、遠心分離カゴ39は第2の排出孔47bのみが開放状態にある。
【0037】
そして、突起52cが第1の排出孔47aの上流側に設定されて第1の排出孔47aを開放した状態では、遠心分離カゴ39は両第1の排出孔47a,47bが開放された状態になる。
【0038】
また、各突起52a,52b,52cには、ジュース33及び図示しない繊維との衝突によるジュース33及び繊維の飛散を緩和するために円周方向の両エッジに面取り(R)が形成されている。
【0039】
図7及び図12に示すように、調整リング40は環状保持枠42の外周面に回動自在に嵌合されている。ホルダ41及びカッタ42aは図7に示すようにかしめピン53により遠心分離カゴ39の環状保持枠42にそれぞれ固定されている。
【0040】
このホルダ41により調整リング40は環状保持枠42から外れないように回動自在に保持されている。この調整リング40を選択的に回動させることにより、各突起52a,52b,52cによる各排出孔47a,47bの開閉が後述するようにして行われる。ホルダ41の下面には、電動モータ21のカップリング38(図1参照)に着脱可能に結合される前述したカップリング54が形成されている。
【0041】
また、遠心分離装置26には、遠心分離カゴ39に対する調整リング40の回動位置を位置決めするための位置決め機構55が設けられている。この位置決め機構55は、図7及び図9に示すように環状保持枠42の突起部51と、調整リング40の内側に形成された係止片56とを備えている。
【0042】
図6において、係止片56は調整リング40の円周方向に沿って設けられた一対の凹所57とこの凹所57の下流側から調整リング40の内周面側に開口された凹部60とにより形成されている。上記凹所57は、調整リング40の上下方向(肉厚方向)に貫通して形成されている。
【0043】
この係止片56は、上流側の基部56aから円弧状になって延びているので、係止片56の支点である基部56aは調整リング40を支持している遠心分離カゴ39の進行方向(矢印A方向)側にある。そして、係止片56は基部56aを支点として径方向側に弾性変形可能な片持ちバネとして機能するようになっている。
【0044】
係止片56には、調整リング40側に向く第1の位置決め係止手段としての第1の凹部58と第2の位置決め係止手段としての第2の凹部59とがそれぞれ形成されている。第2の凹部59は、第1の凹部58に対して遠心分離カゴ39の回転方向の後方側に配置されている。
【0045】
上記第1及び第2の凹部58,59の形成により係止片56には第1の凸部61及び第2の凸部62がそれぞれ形成されている。上記第1の凸部61の高さH1は第2の凸部62の高さH2よりも小さくなっている。
【0046】
上記第2の凸部62と凹所57の一端部の側壁57aにより形成される前述した凹部60の幅は、環状保持枠42の突起部51が係脱可能となるような大きさに設定されている。この凹部60は、上記第1及び第2の凹部58,59と同様に環状保持枠42を位置決めする機能を有するので、第2の位置決め係止手段としての第3の凹部60と称することにする。
【0047】
上記第2の凹部59と第3の凹部60とは、第1の凹部58に対して上記遠心分離カゴ39の矢印Aで示す回転方向の後方側に配置されている。
【0048】
上記調整リング40の第1〜第3の凹部58,59,60には、前述した突起部51が係合することで、遠心分離カゴ39に対する調整リング40の設定位置が位置決め保持される。
【0049】
第1の凹部58が突起部51に係合しているときには、調整リング40は閉塞位置にあって、調整リング40の閉塞部52が後述するようにして遠心分離カゴ39の排出孔47を閉塞するようになっている。
【0050】
また、第2の凹部58又は第2の凹部59が突起部51に係合しているときには、調整リング40は閉塞位置にあって、調整リング40の閉塞部52が後述するようにして遠心分離カゴ39の第1の排出孔47a又は両排出孔47a,47bを閉塞するようになっている。
【0051】
図6及び図9に示すように、第1の凹部58の前端側(遠心分離カゴ39の回転方向(矢印A方向)における前端側には、段部からなる移動阻止部58aが形成されている。
【0052】
移動阻止部58aは、調整リング40が開放位置から閉塞位置へ回動移動されるとき、すなわち遠心分離カゴ39の回転方向と反対側に回動移動されるときに、第1の凹部58に係止した突起部51が更に反対側に移動するのを阻止するためのものである。
【0053】
ユーザの手操作により、係止片56が調整リング40に対して回動されるとき、例えば、係止片56の第1の凹部58に係合している突起部51が、第2の凹部59及び第3の凹部60に係合するように調整リング40を順次回動させるときの係止片56の動作を図15及び図16に示す。
【0054】
遠心分離装置26の各位置への切り換え操作においては、環状保持枠42の突起部51が図15に示すように係止片56のバネ力に打ち克って第1の凸部61を乗り越えていく。係止片56の弾性変形により突起部51が第1の凸部61を乗りこえる際、突起部51が第2の凸部62を乗りこえるときよりも大きな力が必要となる。
【0055】
しかし、前述したように第1の凸部61の高さH1は、第2の凸部62の高さH2よりも小さく設定されているので、調整リング40の回動操作力はその回動位置に拘わらず略一定となっている。このため、同一の操作感で調整リング40を回動操作することができる。
【0056】
突起部51と係止片56の各凹部58,59,60との係合により、遠心分離カゴ39と調整リング40とが一体的に回転可能になっている。
【0057】
図8は調整リング40の底面図、図10,図11は環状保持枠42に装着されている調整リング40の底面図をそれぞれ示してる。
【0058】
調整リング40を回動操作して調整リング40の係止片56を位置設定する際、図9及び図10に示すように環状保持枠42の突起部51が係止片56の第1の凹部58に係合しているときには、調整リング40の突起52a,52b,52cは図12に示すように位置している。すなわち、図3に示す第1の排出孔47aは突起52aにより閉塞され、且つ、第2の排出孔47bは突起52bにより閉塞されている。
【0059】
また、図9における突起部51が係止片56の第2の凹部59に係合されるように調整リング40が回動操作されたときには、図13に示すように突起52aは第1の排出孔47aを開放し、突起52bが第2の排出孔47bを開放すると共に、第1の排出孔47aは突起52cにより閉塞される。すなわち、第2の排出孔47bのみが開放された状態となっている。
【0060】
そして、図9に示すように突起部51が第3の凹部60に係合されると、図14に示すように排出孔47が開放された状態で更に第1の排出孔47aが開放される状態となる。
【0061】
次に、上記のように構成されたジューサ20の動作について説明する。
【0062】
図1、図2において、本体22に装着された分離ケース25内に遠心分離カゴ39を配置する前に、所望とするジュース成分を得るために調整リング40が前記したように所望の位置に選択設定される。
【0063】
その後、遠心分離カゴ39のカップリング54と電動モータ21のカップリング38とが結合されるようにして遠心分離カゴ39が分離ケース25内にセットされる。そして、図1に示すように分離ケース25に蓋27が取り付けられると共に、ジュースケース34が載置台31上に載置される。
【0064】
電動モータ21の回転駆動により、遠心分離装置15が図4において矢印Aで示す一方向に回転されると、野菜や果物等の材料Mが投入筒28内に挿入されピストン30によりカッタ42aに押し付けられる。材料Mはカッタ42aの高速回転により粉砕されて摺り下ろされる。
【0065】
摺り下ろされた材料は、遠心分離カゴ39の高速回転による遠心力により、遠心分離カゴ39のフィルタ部材43の傾斜面に沿って上端側へ向けて移動する。
【0066】
摺り下ろされた材料の上記移動過程で、液体成分は遠心力によりフィルタ部46の小孔45を透過してジュース受け部23内に放出され、さらに流出口32からジュースケース34内に集められる。
【0067】
例えば、図12に示すように調整リング40の突起52a及び突起52bが第1の排出孔47a及び第2の排出孔47bをそれぞれ閉塞している場合には、摺り下ろし物の繊維のような固形成分は、小孔45を透過することなく遠心力により遠心分離カゴ39上端部から放出される。放出されたカス33aはかすケース24内に収納されると共にジュースケース34には澄んだジュース33が得られる。
【0068】
また、調整リング40が図13に示すように、第1の排出孔47aを閉塞し第2の排出孔47bが開放されるように設定された場合には、第2の排出孔47bから放出される小さい繊維を含んだジュース33がジュースケース34内に集められる。
【0069】
また、調整リング40が図14に示すように第1の排出孔47a及び第2の排出孔47bの両方を開放するように設定された場合には、第1の排出孔47aから放出される大きい繊維と第2の排出孔47bから放出される小さい繊維とを含んだジュース33がジュースケース34内に集められる。
【0070】
このように、遠心分離カゴ39に対する調整リング40の各突起52a,52b,52cの位置を選択設定することによって、澄んだジュース、小さい繊維を含んだジュース、及び大きい繊維を含んだジュース等を所望に応じて得ることができる。
【0071】
このようなジューサ20を長期にわたって使用し調整リング40の位置設定が反復された場合には、位置決め機構55を構成する調整リング40の第1の凸部61及び第2の凸部62や環状保持枠42の突起部51が摩耗して位置決め機構55の位置決め性能が不確実になることがある。また、合成樹脂製の係止片56の弾性が劣化していくことも加わって、位置決め機構55の性能が不確実になることがある。
【0072】
位置決め機構55の性能が適正である場合には、図9において環状保持枠42の突起部51が第2の凹部59又は第3の凹部60に係合しているときに、調整リング40は環状保持枠42の回転駆動により矢印A方向に一体的に回転していって小さい繊維を含んだジュース又は大きい繊維を含んだジュースが得られる。
【0073】
ここで、位置決め機構55の位置決め性能が低下した状態で調整リング40を設定すると、遠心分離カゴ39の高速回転時に遠心分離カゴ39に対する調整リング40の位置がヅレていって所望のジュース33が得られないことになる。例えば、澄んだジュースを得ようとしても繊維入りのジュースになってしまうおそれがある。
【0074】
位置決め機構55が上述したように性能不良になった場合には、第2の凹部59又は第3の凹部60に係合している突起部51を係止片56が保持できないので、環状保持枠42の矢印A方向への高速回転により突起部51は図示の第1の凹部58に係合する位置に移動する。
【0075】
すなわち、調整リング40は環状保持枠42と一体的には回転しないで環状保持枠42に対し一時的に矢印Aと反対方向に相対的に逆転して、突起部51が第1の凹部58に係合した位置で環状保持枠42と一体的に回転していく。
【0076】
これにより、位置決め機構55の位置決め性能が低下してしまったときには、繊維入りのジュースは得難いが、一般に求められている通常の澄んだジュースを確実に得ることができる。
【0077】
本実施の形態では、遠心分離カゴ39の環状保持枠42に突起部51を形成し、環状保持枠42に嵌合する調整リング40に係止片56を形成したが、逆に突起部51を調整リング40側に形成し係止片56を環状保持枠42に形成してもよい。この場合、調整リング40側に設けられた係止片56は、その支点である基部56aは環状保持枠42の進行方向と反対側に位置するように設定する必要がある。
【0078】
更に、突起部51の代わりに凹部(図示せず)を環状保持枠42側に設け、この凹部に係止片56の第1の凸部61及び第2の凸部62を係合させて調整リング40を位置決めするようにしてもよい。
【0079】
また、遠心分離カゴ39の第1及び第2の排出孔47a,47b及びこの第1及び第2の排出孔47a,47bを閉塞する調整リング40の各突起52a,52b,52cの個数及び配置位置は、必要に応じて適宜選択することができる。
【0080】
上述したように、本実施の形態によれば、調整リング40を開放位置に位置決め係止している係止片56が遠心分離カゴ39に対して係止不良になった場合、遠心分離カゴの回転時において調整リング40が遠心分離カゴ39と一体回転できないために、調整リング40は遠心分離カゴ39に対して遠心分離カゴ39の回転方向(矢印A方向)と反対側に相対的に回動移動する。
【0081】
すなわち、調整リング40が開放位置から閉塞位置に回動移動して第1の凹部58が遠心分離カゴ39の突起部51に係止すると共に、この係止状態からのさらなる回動は移動阻止部58aにより阻止されるので、調整リング40の閉塞部52による遠心分離カゴ39の両排出孔47a,47bの閉塞が確実に行われ、調整リング40の係止片56が遠心分離カゴ39に対して係止不良になった場合あっても、澄んだジュースを確実に得ることができる。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、遠心分離カゴの排出孔を開閉する調整リングを遠心分離カゴに位置決め係止する第2の位置決め係止手段が係止不良になったときに、調整リングを遠心分離カゴに対して遠心分離カゴの回転方向と反対側に回動移動させて第1の位置決め係止手段による遠心分離カゴへの位置決め係止をすると共に、移動阻止部により調整リングの更なる反対側への回動移動を阻止したので、第2の位置決め係止手段による調整リングの位置決め係止が不良となった場合でも、澄んだジュースを確実に得ることができるジューサの遠心分離装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる遠心分離装置を備えるジューサの一部を破断した正面図である。
【図2】図1のジューサの分解斜視図である。
【図3】図1のジューサの遠心分離カゴの分解正面図である。
【図4】遠心分離カゴの平面図である。
【図5】遠心分離カゴの底面図である。
【図6】調整リングの平面図である。
【図7】遠心分離カゴbの縦断正面図である。
【図8】調整リングの底面図である。
【図9】位置決め機構部の拡大底面図である。
【図10】調整リングが第1及び第2の排出孔47a,47bを閉塞する回動位置にある状態を示す遠心分離カゴの底面図である。
【図11】調整リングが第1及び第2の排出孔47a,47bを開放する回動位置に有る状態を示す遠心分離カゴの底面図である。
【図12】調整リングが第1及び第2の排出孔47a,47bを閉塞する回動位置にある状態を示す遠心分離カゴの正面図である。
【図13】調整リングが第1の排出孔47aを閉塞すると共に第2の排出孔47bを開放する回動位置に有る状態を示す遠心分離カゴの正面図である。
【図14】調整リングが第1及び第2の排出孔47a,47bを開放する状態を示す遠心分離カゴの正面図である。
【図15】調整リングが図12の回動位置から図13の回動位置に移るときの位置決め機構の作用を示す底面図である。
【図16】調整リングが図13の回動位置から図14の回動位置に移るときの位置決め機構の作用を示す底面図である。
【図17】従来のジューサにおける遠心分離カゴの一部を示す縦断正面図である。
【符号の説明】
M ジュース用の材料
20 ジューサ
33 ジュース
39 遠心分離カゴ
40 調整リング
42a カッタ
46 フィルタ部
47a 第1の排出孔(排出孔)
47b 第2の排出孔(排出孔)
52a 突起(第1の閉塞部)
52b 突起(第2の閉塞部)
52c 突起(第3の閉塞部)
55 位置決め機構
56 係止片
58 第1の凹部(第1の位置決め係止手段)
59 第2の凹部(第2の位置決め係止手段)
60 第3の凹部(第2の位置決め係止手段)
Claims (1)
- 材料のジュースを透過するフィルタ部を周面に有し且つ前記材料の繊維を通過させる所定の大きさの排出孔を前記フィルタ部に設けた遠心分離カゴと、前記排出孔を閉塞するための閉塞部を有すると共に前記遠心分離カゴに回動可能に嵌合された調整リングと、前記閉塞部が前記排出孔を閉塞する閉塞位置で前記調整リングを前記遠心分離カゴに位置決め係止させる第1の位置決め係止手段と、前記排出孔が前記排出孔を開放する開放位置で前記調整リングを前記遠心分離カゴに位置決め係止する第2の位置決め係止手段と、を備えたジューサの遠心分離装置であって、
前記第1の位置決め係止手段は前記調整リングが閉塞位置に位置している状態から前記遠心分離カゴに対して前記遠心分離カゴの回転方向と反対側に更に回動移動するのを阻止する移動阻止部を有すると共に、前記第2の位置決め係止手段による前記遠心分離カゴに対する前記調整リングの位置決めが係止不良になった場合には、前記閉塞部が前記排出孔を閉塞する閉塞位置に前記調整リングが前記遠心分離カゴに対して相対的に回動移動することを特徴とするジューサの遠心分離装置。
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