JP3913794B2 - グリコサミノグリカン誘導体、該誘導体のアクリルアミド共重合体ゲル及び酵素同定法 - Google Patents
グリコサミノグリカン誘導体、該誘導体のアクリルアミド共重合体ゲル及び酵素同定法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3913794B2 JP3913794B2 JP20670095A JP20670095A JP3913794B2 JP 3913794 B2 JP3913794 B2 JP 3913794B2 JP 20670095 A JP20670095 A JP 20670095A JP 20670095 A JP20670095 A JP 20670095A JP 3913794 B2 JP3913794 B2 JP 3913794B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- glycosaminoglycan
- group
- sulfate
- compound
- allyl
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、グリコサミノグリカンの還元末端糖にアミノアルキル結合または酸アミド結合によりアリル化合物を結合したグリコサミノグリカンの新規誘導体に関するものであり、また、この新規誘導体とアクリルアミドを共重合させたグリコサミノグリカンが結合したポリアクリルアミドゲル並びにこのポリアクリルアミドゲルをゲル電気泳動用担体として使用し、グリコサミノグリカン分解酵素を同定する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、グリコサミノグリカンの還元末端糖のヘミアセタール及びそれを活性化したものに、種々の物質、例えば蛋白質、燐脂質或いは脂質等を結合させたグリコサミノグリカン結合物質が知られ、医薬品としてその用途が開発されている(特開平3-284698、国際公開番号 WO92/01720)。
また、グリコサミノグリカンの僅かな量的変化,微細構造の変化は細菌やウイルス感染及び癌や遺伝病等との関係で注目されてきており、これらの変化は細胞,組織及び体液中に微量存在するグリコサミノグリカン分解酵素に依存することが多く,これらの酵素を測定することは従来から重要視されてきた.
【0003】
グリコシダーゼ測定法のように単糖やオリゴ糖に発色化合物や蛍光化合物を結合させた基質を使用し,酵素により消化された時に,発色(蛍光)したり消失したりする速度や様子を測定する方法は、グリコサミノグリカン分解酵素を測定する方法としては不適当である。そこで従来は、グリコサミノグリカンを基質として生じた二糖やオリゴ糖を測定したり,分子量の低下で測定してきた。また,蛋白分解酵素等をゲル電気泳動で測定する方法として,ゲル中に基質を均一に埋め込んで酵素を電気泳動し、その後,基質を消化させた後に基質の消失を測定する方法(Zymography)があるが,この際,使用する基質は高分子化合物に限定され、それは低分子だと基質そのものが泳動されゲル中から流れてしまうからである。しかもこれらの方法は操作が煩雑で,感度が低く再現性に問題があり,基質も限定される欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記欠点の無いグリコサミノグリカン分解酵素の同定法を提供するものであり、そのための基質として有用な新規なグリコサミノグリカン誘導体並びにこの新規誘導体とアクリルアミドとの共重合体からなる電気泳動用ゲル担体をも提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは,上記問題点に鑑みて微量のグリコサミノグリカン分解酵素を容易に,確実に高感度に測定すべく鋭意検討した結果,本発明に達した。即ち,本発明は、1)グリコサミノグリカンの還元末端糖を還元及び部分酸化することにより形成したアルデヒド基、または該還元末端糖を酸化及び脱水閉環することにより形成したラクトンと、末端がアリル基で他端がアミノ基である化合物とが、該アミノ基との反応によるアミノアルキル結合または酸アミド結合により結合しているグリコサミノグリカン誘導体、もしくは該アルデヒド基または該ラクトンに、少なくとも2個のアミノ基を有するスペーサー化合物をアミノアルキル結合または酸アミド結合させ、末端がアリル基で、他端がアミノ基と結合し得る官能基であり、結合鎖中に異種原子を含有していても良い炭化水素化合物を、該スペーサー化合物のアミノ基に結合させてなるグリコサミノグリカン誘導体、2)該グリコサミノグリカン誘導体及びアクリルアミドを構成単量体として含む共重合体からなるグリコサミノグリカン結合ポリアクリルアミドゲル並びに3)グリコサミノグリカン分解酵素含有検体を、上記グリコサミノグリカン結合ポリアクリルアミドゲルを担体としてゲル電気泳動に付し、泳動後の担体を酵素反応条件下においてインキュベートし、次いで、担体に結合固定されていたグリコサミノグリカンの分解を検出し、検体中のグリコサミノグリカン分解酵素の分別及び性質の同定を行うことよりなるグリコサミノグリカン分解酵素の分別同定法を要旨とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用し得るグリコサミノグリカンは特に制限されず、その目的に応じて適宜選ばれる。具体的には、例えばコンドロイチン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、デルマタン硫酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸、ケラタン硫酸、ケラトポリ硫酸等が挙げられるが、これらの中、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸、ヘパラン硫酸が好ましく、特にコンドロイチン硫酸が好ましい。
【0007】
グリコサミノグリカンの還元末端糖を還元し、次いで部分酸化することによりアルデヒド基を形成するがその方法は、例えば特開平3-284698号公報に記載されているような公知の方法を適宜採用することができる。その際、還元反応は、還元剤として、グリコサミノグリカン1モルに対して5〜50当量、好ましくは10〜20当量の水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの水素化ホウ素アルカリ塩を用いて、ホウ酸塩緩衝液(pH8.3)、リン酸塩緩衝液(pH8.6)等の緩衝液と、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等の有機溶媒との混合溶液中、0〜40℃好ましくは15〜20℃で一晩おこなわれる。また、引き続き行われる酸化反応は、酸化剤として、上記還元反応生成物1モルに対して1〜30当量、好ましくは5〜10当量の過ヨウ素酸ナトリウム、過ヨウ素酸カリウムなどの過ヨウ素酸アルカリ塩を使用し、0〜20℃、好ましくは0〜5℃で行われる。
【0008】
また、グリコサミノグリカンの還元末端糖を酸化し、ついで脱水閉環することによりラクトンを形成する方法も上記公報に記載されている方法を準用することができる。具体的には、まず、還元末端糖部分を酸化して開裂するが、この酸化反応には酸化剤として、グリコサミノグリカン1モルに対して2〜20当量、好ましくは5〜15当量のヨウ素、臭素等を用い、上記したような溶液中、0〜40℃、好ましくは15〜20℃で行われる。このようにして生成した酸化生成物を酸で処理し脱水閉環するが、酸としては固体酸、例えばダウエックス50(商品名;ダウ・ケミカル社)、アンバーライトIR120(商品名;ローム・アンド・ハース社)のような強酸性陽イオン交換樹脂が使用される。
【0009】
このようにして還元末端糖を活性化したグリコサミノグリカンのアルデヒド基或いはラクトンに、少なくとも2個のアミノ基を有するスペーサー化合物を反応させるが、スペーサー化合物は、次の一般式(1)で示される。
【化3】
NH2−Y−NH2 ・・・・・・(1)
(式中、Yは、−[(CH2)n−(CHR)m]−、−(CH2)x−CH(COOH)−、フェニレン基、ナフチレン基を表し、R=H、炭素数1〜4のアルキル基、x=3または4、m=1〜10、n=1〜10、但しm+n≦10を意味する。)。
これらの化合物の具体例としては、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン(トリメチレンジアミン)、1,4−ブタンジアミン(テトラメチレンジアミン;プトレツシン)、1,6−ヘキサンジアミン(ヘキサメチレンジアミン)、1,6−ジアミノ−2−エチルヘキサン等のα,ω−アルキレンジアミン、1,4−ジアミノベンゼン、1,4−ジアミノナフタレン,1,5−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン等の芳香族ジアミン、リジン、オルニチン等の塩基性アミノ酸が挙げられるが、これらのうちα,ω−アルキレンジアミンが好ましく、特にエチレンジアミンが好ましい。
【0010】
アルデヒド基との反応は、それ自体公知の還元アミノ化反応により実施することができる。すなわち、アルデヒド基とアミノ基を反応させてシッフ塩基を形成させ、これを還元してアミノアルキル(−CH2NH−)結合とすることができる。たとえば、前記反応に用いたのと同様な溶媒中、酸化処理したグリコサミノグリカンに約150モル当量のジアミノ化合物を15〜60℃で数十分〜数十時間、好ましくは約5時間反応させ、それと同時またはその後に、例えばシアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、揮発性のボランコンプレックス(例、ボランジメチルアミンコンプレックス、ボラントリエチルアミンコンプレックス、ボランピリジンコンプレックス等)のような還元剤を用いて還元することにより行われる。
還元剤の使用量は上記反応に使用するグルコサミノグリカンのモル数の10〜100倍モル量である。
また、ラクトンとの反応は、ラクトンをトリアルキルアミン塩としてジアミノ化合物と反応させるか、ラクトンとジアミノ化合物との混合液を水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリを用いてpHを4〜7にした後、0〜70℃、好ましくは15〜50℃で反応させることによって酸アミド結合を形成させることができる。
【0011】
ついで、このようにして生成したアミノ化グリコサミノグリカンの遊離のアミノ基に、末端がアリル基で、他端がアミノ基と結合し得る官能基であり、結合鎖中にO、S,NHなどの異種原子を含有していても良い炭化水素化合物、好ましくは鎖状炭化水素化合物、より好ましくは線状炭化水素化合物(以下、アミノ基反応性アリル化合物ということもある)を反応させ、アリル基含有グリコサミノグリカン誘導体を合成する。
アミノ基と結合し得る官能基としては、アミノ基に対し反応活性を有する基であれば良く、例えばエポキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基等があるが、反応性、副生成物等の点でエポキシ基が好ましい。エポキシ基とアリル基を有する化合物としては、アリル基を有するアルコール類にエピクロロヒドリンを反応させて得られる化合物があるが、最も好ましいのは、アリルグリシジルエーテル(アリル2,3−エポキシプロピルエーテル)である。
反応は約1600モル当量のアリルグリシジルエーテルを用いて、水性溶媒、例えば水と炭素数1〜4の低級アルコールからなる混合溶媒中、数十分〜数十時間、好ましくは1〜数時間、0〜70℃、好ましくは15〜50℃で実施される。
上記のように、還元末端糖を活性化したグリコサミノグリカンとジアミン化合物を反応させた後、アミノ基反応性アリル化合物を反応させてアリル基含有グリコサミノグリカン誘導体を合成する代わりに、このような活性化グリコサミノグリカンとアリルアミン、N−アリルチオウレア、N−アリルウレアのような末端がアリル基で他端がアミノ基である化合物を反応させてアリル基含有グリコサミノグリカン誘導体を合成することができる。反応条件は、予備実験によって当業者であれば容易に決定できる。
【0012】
生成した目的化合物は、反応終了後の反応液から、アルコール等により沈澱・分離した後、透析、イオン交換クロマト等の公知の精製法により精製し、減圧下凍結乾燥する。
上記合成方法に従い、グリコサミノグリカンにエチレンジアミンを介してアリルグリシジルエーテルを結合させた生成物は、下記の一般式(2)で示される。
【0013】
【化4】
(式中、GAG−R’−は、還元末端が修飾されたグリコサミノグリカン残基を表し、R’はCH2またはCOを表す。)
【0014】
本発明では、上記の方法で得られるアリル基を含有するグリコサミノグリカン誘導体を用いてゲル電気泳動用の担体を合成する。
担体の合成は、従来のポリアクリルアミドゲルを調製する方法に準じて行うことができる。即ち、アクリルアミドとN,N’−メチレンビスアクリルアミド(Bis)を含む水溶液にアリル基含有グリコサミノグリカン誘導体を加えて、例えば冷暗所に一昼夜置くなどして均一に混合し、これを重合開始剤、例えば過硫酸塩、過酸化ベンゾイル等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物や酸化剤と還元剤よりなるレドックス開始剤を用いて重合する。また、重合促進剤として、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン(TEMED)を添加してもよい。 アクリルアミドに対するN,N’−メチレンビスアクリルアミドの使用量は、一般のポリアクリルアミドゲルに使用されている程度であり、アリル基含有グリコサミノグリカン誘導体の使用量は、基質のグリコサミノグリカンの種類によっても異なるが、通常1〜20μg/mlの範囲から選ばれる。また、重合反応は、所望の大きさの担体に適したセル中で行う。
【0015】
本発明においては、このようにして合成したグリコサミノグリカン結合ポリアクリルアミドゲルを担体として使用し、微量のグリコサミノグリカン分解酵素を該分解酵素が基質を分解しない条件で電気泳動するが、泳動用緩衝液は、分解酵素や基質の種類により適宜調整される。次いで,泳動後の担体を必要に応じて緩衝液等で洗浄した後、分解酵素の反応条件下に置くが、反応条件は分解酵素の種類を考慮して、緩衝液の種類、pH,温度、時間等を適宜選定してきめられる。酵素反応後の担体を、アルシャンブルーやトルイジンブルー等の発色試薬で発色させる。分解酵素がポリアクリルアミドゲルに結合固定した基質を分解すると、分解された部分のみが発色せず白く抜けて検出されるので、これにより分解酵素の活性を同定することができる。
【0016】
このようにしてグリコサミノグリカンの種類を変えたゲル担体を合成し、この担体を用いて酵素を電気泳動させれば、基質特異性の異なるグリコサミノグリカン分解酵素を容易に分別または同定することができ、しかも酵素が阻害物質や不純物等を含んだり、複数の分解酵素を含む場合でも適用することができるばかりでなく、分別や同定は容易、かつ確実で高感度である。
本発明方法は、グリコサミノグリカンとして、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、デルマタン硫酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸、ケラタン硫酸を適用することができるので、それぞれの分解酵素の分別や同定に極めて有効な方法であり、特に従来のポリアクリルアミドゲルを用いる方法では、分別や同定出来なかったヒアルロン酸よりも分子量が小さい、例えばコンドロイチン硫酸のようなグリコサミノグリカンに対する分解酵素を分別または同定できる利点を有している。
【0017】
【発明の効果】
本発明の新規なグリコサミノグリカン誘導体は分子中にアリル基を有しているので、この誘導体はアクリルアミドと容易に共重合しグリコサミノグリカンが結合した共重合体を提供することができる。そして、この共重合体ゲルは、従来ポリアクリルアミドゲルによる電気泳動では、分子量が比較的小さいために泳動中に流動してしまいゲルに固定することが困難であったコンドロイチン硫酸のようなグリコサミノグリカンをゲル中に固定しているので、これを担体として使用することにより、コンドロイチナーゼのようなグリコサミノグリカン分解酵素の同定を可能にするのである。他の同定可能なグリコサミノグリカン分解酵素としてはヘパリン及びヘパラン硫酸分解酵素、デルマタン硫酸分解酵素、ケラタン硫酸分解酵素が挙げられる。
また、本発明の共重合体ゲルを用いて電気泳動することにより、酵素阻害物質や不純物と酵素とを分離することができ、なおかつ複数の分解酵素が含まれていても分離されるので、グリコサミノグリカン分解酵素の高感度な検出、分別、同定を容易に行うことができる。
従って、グリコサミノグリカンの種類を変えた共重合体ゲルを用いて、細胞組織、体液及び血液等を泳動することにより新規酵素の発見が期待され、また従来見いだせなかった酵素アイソマーの検出、分別、同定が可能になり、疾患や炎症等との関係が明らかにされる可能性が大である。
【0018】
【実施例】
以下、本発明を具体的実施例により説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
実施例1:コンドロイチン硫酸−アリル化合物の調製
コンドロイチン硫酸(分子量20000)4000mg(0.2mmol)を40mlの50mM ホウ酸ナトリウム緩衝液(pH 8.3)に溶解し,30.26mg(0.8mmol)の水素化ホウ素ナトリウムを加えて室温で20時間反応した。反応液をpH 4.0に酢酸で調整し,4℃下で水に対して透析して凍結乾燥した。得られた白色粉体が還元末端糖還元物である。
この還元末端糖還元物(還元コンドロイチン硫酸(分子量20000))4000mg(0.2mmol)を40mlの40mM イミダゾール塩酸塩(pH6.5)に溶解し,過ヨウ素酸ナトリウム171mg(0.8mmol)を加えて,暗所、0℃で1時間反応した。生成した反応液を4℃下で水に対して透析して凍結乾燥した。得られた白色粉体が還元末端糖限定酸化物でアルデヒド基を持っている(コンドロイチン硫酸−アルデヒド)。
【0019】
コンドロイチン硫酸−アルデヒド4000mg(0.2mmol)を50mlの水に溶解し,2M エチレンジアミンを15ml加えた。15分後,1.26g(20mmol)のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加えて室温で5時間反応した。189mg(5mmol)の水素化ホウ素ナトリウムを加えて1〜4日間反応した。生成した反応液を4℃下で水に対して透析して凍結乾燥した。得られた白色粉体はアミノ基を持っている(アミノ化−コンドロイチン硫酸)。
アミノ化コンドロイチン硫酸の純度(グルコサミンを標準としてニンヒドリン反応で定量):95.2%
【0020】
アミノ化−コンドロイチン硫酸 100mgを水2mlに溶解し1mlのエタノールを加えて,1mlのアリルグリシジルエーテル(アリル2,3−エポキシプロピルエーテル)を加えて40℃で2時間反応した。反応液を4℃下で水に対して透析し凍結乾燥した。得られた白色粉体がコンドロイチン硫酸−アリル化合物である。収量は98mgであった。
得られたコンドロイチン硫酸-アリル化合物の純度(アリル基の含量をNMRでコンドロイチン硫酸のN−アセチル基のプロトン(2ppm)とアリル基の3個のプロトン(5〜6ppm)の比から計算)は、95.3%であった。
この化合物の旋光度は、-25.16(1% H2O)あり、IRスペクトルを図1に示す。
【0021】
実施例2:
コンドロイチン硫酸(分子量20000)25gを水2500mlに溶解し,ヨウ素5gのメタノール溶液2500mlを加えて20時間反応した。反応液を減圧下濃縮して(濃縮後300ml)エタノールを加えて白色沈澱物(還元末端糖還元物)を得た。これを1リットルの水に溶解しダウエックス50(H+)1リットルに通過させ,酸性画分を得た。この酸性画分を減圧下濃縮し(濃縮後500ml),ジメチルフォルムアミド(DMF)500mlを加えて再度濃縮した。この操作を3回以上繰り返してDMF溶液を得た。その後,4℃で20時間放置して,コンドロイチン硫酸の還元末端ラクトンを得た。
このコンドロイチン硫酸ラクトンのDMF溶液(4000mg/50ml)にエチレンジアミン1.8gを加えて反応した。反応液を水に対して透析して凍結乾燥した。得られた白色粉体がアミノ化−コンドロイチン硫酸である.
アミノ化コンドロイチン硫酸の純度:94.7%
アミノ化コンドロイチン硫酸100mgを実施例1に準じてアリルグリシジルエーテルと反応した。その収量は、96.7mgであった。
コンドロイチン硫酸−アリル化合物の純度:95.0%
旋光度:-25.0(1% H2O)
【0022】
実施例3 ヘパリン−アリル化合物の調製
ヘパリン(分子量3500)700mg(0.2mmol)を使用して実施例1に準じてアミノ化ヘパリンを調製した。その収量は642mgであった。
アミノ化ヘパリンの純度:90.3%
アミノ化ヘパリン100mgを使用して,実施例1に準じてヘパリン−アリル化合物を調製した。収量は、89.9mgであった。
ヘパリン−アリル化合物の純度:90.0%
旋光度:43.2(1% H2O)
ヘパリン−アリル化合物のIRスペクトルを図2に示す。
【0023】
実施例4
一般的に使用されているポリアクリルアミドゲル電気泳動を行う装置を準備し,1mm の厚さで以下の(a)、(b)、(c)の3種類の組成から順次構成されているゲル担体を2個作成した。第1のゲルは(a)は8.0% ポリアクリルアミドゲル,(b)はコンドロイチン硫酸(8.5μg/ml)を(a)に均一に含有させたポリアクリルアミドゲル,(c)は12.5%ポリアクリルアミドゲルで構成した。第2のゲルは、(a)は8.0%ポリアクリルアミドゲル,(b)は(a)にコンドロイチン硫酸-アリル化合物(実施例1で合成)8.5μg/mlになるように含有させたポリアクリルアミドゲル,(c)は12.5%ポリアクリルアミドゲル で構成した。
【0024】
ポリアクリルアミドゲルを作成するゲル溶液及び泳動溶媒は下記に示す通りである。
【0025】
【0026】
室温で、20mA,100分電気泳動した各々のゲルを2.5%トライトンX-100で室温で洗浄した後,0.5%アルシャンブル-を含む20%エタノール/10%酢酸で染色した。第1のゲルにおける単に混合したコンドロイチン硫酸は染色されなかった。本発明の第2のゲルの(b)の部分は明白に染色された。これにより、単にゲルに混合したコンドロイチン硫酸は泳動中に流出し、本発明のゲルでは、コンドロイチン硫酸が確実にポリアクリルアミドゲルに固定されていることが判明する。
【0027】
実施例5 コンドロイチナ-ゼABCの検出限界
本発明のコンドロイチン硫酸−アリル化合物(実施例1で合成)を使用して調製した8.0%ポリアクリルアミド電気泳動用ゲル(ここでは、実施例4に記載した8.0%ポリアクリルアミドゲルを作成するゲル溶液に、終濃度0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を加えた)にコンドロイチナ-ゼABC(proteus vulgaris 由来、生化学工業(株)製)の量を変えて付し、泳動用緩衝液に終濃度0.1%SDSを加えたこと以外は実施例4に準じて電気泳動した。20mAで電気泳動したゲルを、2.5%トライトンX−100で1時間、室温で洗浄した。その後、0.15M NaClを含む50mMクエン酸−Na2HPO4緩衝液(pH6.0)中で37℃、16時間インキュベートすることによって、酵素反応を進行させた。その後、0.1mg/mlプロナーゼ(Streptomyces griseus由来、Calbiochem社製)を含む20mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)中で、37℃、2時間インキュベートした。その後、20%エタノール/10%酢酸で20分間インキュベートし、0.5%アルシャンブルーを含む20%エタノール/10%酢酸で1時間インキュベートして染色した。その後、20%エタノール/10%酢酸中でインキュベートすることによって余分なアルシャンブルーを除いた。図3の1〜7は下記に示す量である.
1:250μU
2:200
3:175
4:125
5: 75
6: 50
7: 25
ここで、1Uとは、pH8.0、37℃で1分間にコンドロイチン6−硫酸から1μmolの不飽和二糖を生成する酵素量のことである。
この結果,25μUまで検出できることが明らかであり、高感度で測定可能である。
【0028】
実施例6 デルマタン硫酸−アリル化合物の調製
デルマタン硫酸(分子量15000)15g(1mmol)を使用して実施例1に準じてアミノ化デルマタン硫酸を調製した。その収量は15gであった。
アミノ化デルマタン硫酸の純度:95.2%
アミノ化デルマタン硫酸100mgを使用して、実施例1に準じてデルマタン硫酸−アリル化合物を調製した。収量は、98mgであった。
デルマタン硫酸−アリル化合物の純度:95.3%
デルマタン硫酸−アリル化合物のIRスペクトルを図4に示す。
【0029】
実施例7 ケラタン硫酸−アリル化合物の調製
ケラタン硫酸(分子量8000)80mg(0.01mmol)を使用して実施例1に準じてアミノ化ケラタン硫酸を調製した。その収量は80mgであった。
アミノ化ケラタン硫酸の純度:95.3%
アミノ化ケラタン硫酸80mgを使用して、実施例1に準じてケラタン硫酸−アリル化合物を調製した。収量は、78mgであった。
ケラタン硫酸−アリル化合物の純度:96.0%
ケラタン硫酸−アリル化合物のIRスペクトルを図5に示す。
【0030】
実施例8 ヘパラン硫酸−アリル化合物の調製
ヘパラン硫酸(分子量20000)100mg(5μmol)を使用して実施例1に準じてアミノ化ヘパラン硫酸を調製した。その収量は100mgであった。
アミノ化ヘパラン硫酸の純度:95.2%
アミノ化ヘパラン硫酸80mgを使用して、実施例1に準じてヘパラン硫酸−アリル化合物を調製した。収量は、75mgであった。
ヘパラン硫酸−アリル化合物の純度:95.0%
ヘパラン硫酸−アリル化合物のIRスペクトルを図6に示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンドロイチン硫酸−アリル化合物のIRスペクトル図
【図2】本発明のヘパリン−アリル化合物のIRスペクトル図
【図3】コンドロイチナーゼABCの電気泳動展開図
【図4】本発明のデルマタン硫酸−アリル化合物のIRスペクトル図
【図5】本発明のケラタン硫酸−アリル化合物のIRスペクトル図
【図6】本発明のヘパラン硫酸−アリル化合物のIRスペクトル図
Claims (17)
- グリコサミノグリカンの還元末端糖を還元及び部分酸化することにより形成したアルデヒド基、または該還元末端糖を酸化及び脱水閉環することにより形成したラクトンと、末端がアリル基で他端がアミノ基である化合物とが、該アミノ基との反応によるアミノアルキル結合または酸アミド結合により結合しているグリコサミノグリカン誘導体。
- グリコサミノグリカンの還元末端糖を還元及び部分酸化することにより形成したアルデヒド基、または該還元末端糖を酸化及び脱水閉環することにより形成したラクトンに、少なくとも2個のアミノ基を有するスペーサー化合物をアミノアルキル結合または酸アミド結合させ、末端がアリル基で、他端がアミノ基と結合し得る官能基であり、結合鎖中に異種原子を含有していてもよい炭化水素化合物を、該スペーサー化合物のアミノ基に結合させてなるグリコサミノグリカン誘導体。
- スペーサー化合物は、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,6−ジアミノ−2−エチルヘキサン、1,4−ジアミノベンゼン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、リジン或いはオルニチンであることよりなる請求項2記載のグリコサミノグリカン誘導体。
- スペーサー化合物がエチレンジアミンであることよりなる請求項2記載のグリコサミノグリカン誘導体。
- 炭化水素化合物のアミノ基と結合し得る官能基は、エポキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基或いはカルボキシル基であることよりなる請求項2記載のグリコサミノグリカン誘導体。
- 炭化水素化合物が、アリルグリシジルエーテルであることよりなる請求項2記載のグリコサミノグリカン誘導体。
- 末端がアリル基で他端がアミノ基である化合物は、アリルアミン、N−アリルチオウレア或いはN−アリルウレアであることよりなる請求項1記載のグリコサミノグリカン誘導体。
- グリコサミノグリカンがヒアルロン酸、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸及びヘパラン硫酸から選ばれることを特徴とする請求項1、2及び8のいずれかに記載のグリコサミノグリカン誘導体。
- 請求項1又は2に記載のグリコサミノグリカン誘導体及びアクリルアミドを構成単量体 として含む共重合体からなるグリコサミノグリカン結合ポリアクリルアミドゲル。
- グリコサミノグリカン誘導体が請求項8に記載の一般式(2)で示されることよりなる請求項11記載のグリコサミノグリカン結合ポリアクリルアミドゲル。
- 構成単量体として、更にN,N’−メチレンビスアクリルアミドを含むことよりなる請求項11記載のグリコサミノグリカン結合ポリアクリルアミドゲル。
- グリコサミノグリカンがヒアルロン酸、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸及びヘパラン硫酸から選ばれることを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載のグリコサミノグリカン結合ポリアクリルアミドゲル。
- 請求項11乃至14のいずれかに記載のグリコサミノグリカン結合ポリアクリルアミドゲルよりなるゲル電気泳動用担体。
- グリコサミノグリカン分解酵素含有検体を、請求項11乃至15のいずれかに記載のグリコサミノグリカン結合ポリアクリルアミドゲルを担体としてゲル電気泳動に付し、泳動後の担体を酵素反応条件下においてインキュベートし、次いで、担体に結合固定されていたグリコサミノグリカンの分解を検出し、検体中のグリコサミノグリカン分解酵素の分別及び性質の同定を行うことを特徴とするグリコサミノグリカン分解酵素の分別同定法。
- グリコサミノグリカンがヒアルロン酸、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸及びヘパラン硫酸から選ばれることを特徴とする請求項16に記載の同定法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20670095A JP3913794B2 (ja) | 1994-07-22 | 1995-07-21 | グリコサミノグリカン誘導体、該誘導体のアクリルアミド共重合体ゲル及び酵素同定法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6-191285 | 1994-07-22 | ||
JP19128594 | 1994-07-22 | ||
JP20670095A JP3913794B2 (ja) | 1994-07-22 | 1995-07-21 | グリコサミノグリカン誘導体、該誘導体のアクリルアミド共重合体ゲル及び酵素同定法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0885704A JPH0885704A (ja) | 1996-04-02 |
JP3913794B2 true JP3913794B2 (ja) | 2007-05-09 |
Family
ID=26506597
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20670095A Expired - Fee Related JP3913794B2 (ja) | 1994-07-22 | 1995-07-21 | グリコサミノグリカン誘導体、該誘導体のアクリルアミド共重合体ゲル及び酵素同定法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3913794B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000059967A1 (fr) * | 1999-04-02 | 2000-10-12 | Netech Inc. | Polymere de glycosaminoglycane fonctionnalise et leur utilisation en medecine et en pharmacie |
KR20040009891A (ko) * | 2002-07-26 | 2004-01-31 | 주식회사 엘지생명과학 | 히알루론산의 유도체 겔 및 그 제조방법 |
AU2003288911B8 (en) * | 2002-09-25 | 2009-12-24 | Johns Hopkins University | Cross-linked polymer matrices, and methods of making and using same |
CZ2014150A3 (cs) * | 2014-03-11 | 2015-05-20 | Contipro Biotech S.R.O. | Konjugáty oligomeru kyseliny hyaluronové nebo její soli, způsob jejich přípravy a použití |
-
1995
- 1995-07-21 JP JP20670095A patent/JP3913794B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0885704A (ja) | 1996-04-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Takagi et al. | Purification and chemical properties of a flocculant produced by Paecilomyces | |
Rodén et al. | Structure of the chondroitin 4-sulfate-protein linkage region: isolation and characterization of the disaccharide 3-O-β-D-glucuronosyl-D-galactose | |
Shapiro et al. | 5′-Adenylyl-O-tyrosine: the novel phosphodiester residue of adenylylated glutamine synthetase from Escherichia coli | |
Kildeeva et al. | About mechanism of chitosan cross-linking with glutaraldehyde | |
KR100375299B1 (ko) | 히알루론산의 가교결합형 아마이드 유도체와 이의 제조방법 | |
CN109564213B (zh) | 检测伤口微生物感染 | |
Liu et al. | Separation of fluorescent oligosaccharide derivatives by microcolumn techniques based on electrophoresis and liquid chromatography | |
JP3121019B2 (ja) | 水溶性を増大させるための繰返しポリマーの化学修飾 | |
Fletcher et al. | Carbohydrates in protein. 5. Procedures for the isolation of glycopeptides from hen's-egg albumin and their oxidation by periodate | |
JPS6130680B2 (ja) | ||
JPH05137570A (ja) | サツカライド変性された水溶性の蛋白質−複合体 | |
EP0693499B1 (en) | Glycosaminoglycan derivative, copolymer gel of acrylamide and said derivative and process for identifying enzyme | |
JP3913794B2 (ja) | グリコサミノグリカン誘導体、該誘導体のアクリルアミド共重合体ゲル及び酵素同定法 | |
JP2004018841A (ja) | 光反応性糖化合物および標識化光反応性糖化合物ならびに糖受容体の捕捉および測定方法 | |
Romanowska et al. | [8] Michael additions for syntheses of neoglycoproteins | |
US5807943A (en) | Synthesis of glycopolymers | |
US3833555A (en) | Polysaccharide cyclic carbamate containing compounds | |
US7183067B2 (en) | Versatile linker compound, ligand, and producing method thereof | |
JPH02193072A (ja) | パイロジェン定量方法 | |
Cera et al. | Anthracycline antibiotics supported on water-soluble polysaccharides: Synthesis and physicochemical characterization | |
Green et al. | On the smooth-muscle stimulating activity of preparations of heparin | |
RO108348B1 (ro) | Monomer derivat de peptidoglican si derivatul sau, procedee pentru prepararea acestora | |
JP2547327B2 (ja) | N▲上6▼−置換nad、nadp又はfadの製造方法 | |
US5342785A (en) | Method for determining pyrogen content | |
Belen'ky et al. | Carbohydrate content of acid α-glucosidase (γ-amylase) from human liver |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061107 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061226 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20061226 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070130 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070201 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110209 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120209 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130209 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130209 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140209 Year of fee payment: 7 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |